○受田
委員 この
委員会は各党の議員が全部そろ
つており、これはいわゆる党派を越えてなされた決議案なんです。しかしてそれに対して、あなたもこの
国会の
意思を尊重するとおつしや
つて帰られたのだから、もし
国会の
意思を尊重するならば、一万五千四百八十円という
人事院勧告の
数字とまぎらわしいようなものを出されて、
人事院勧告を一月から完全
実施するような印象を、一般に与えるようなことではなく、
地域給を別わくにすることを十分用意されるのならば、予算のわくの中でべース・アツプの部分と、
地域給繰入れの部分を別にして一万五千四百八十円になるような
数字で、なぜお出しにならなか
つたか。それが大事な問題です。
政府としてそうして出されるべきである。そうしないから、一万五千四百八十円と、ずいぶん
ベース・アツプされるような印象を大衆に与え、低
物価政策をこわすのは、
公務員であるというような印象を与えるおそれがある。その点、この
委員会の決議を尊重されるならば、そういう形の
数字をお出しなさるべきであり、
人事院勧告の線にのつと
つた形の
数字をお出しになるべきであ
つて、ただ目標として
人事院の一万五千四百八十円という
数字に合わすために、実に巧妙なる工作をなされた。しかもあのときにあなたは、たまたま
数字が一致したとおつしや
つたが、たまたまということはあり得ない。一万五千四百八十円という、こういう几帳面な
数字まで、ぴしつと合うというような計算の仕方というものは、よほど
数字の魔術にたけた、悪辣なる人々のなすことである。普通良識のある人々は、こういう
数字を合すような工作をすることはできません。現在の
政府には、ことに最近こういうことは非常に多いのです。九千九百九十九億円という
数字を出して、一兆円を越えないと言う、こういう魔術さえもおやりにな
つて――これは即座にお改めになりましたけれ
ども、こういうように、
数字を適当にごまかし、
数字を遊戯的に使
つて、
国会の権威を冒涜するような態度をとられ、
政府の信威を落すようなことはしてもらいたくないのです。だから
地域給の五%の部分を別わくにして、一万五千円でもいいから、一万五千円が
人事院勧告に基くべース・アツプだ、
ベース・アツプはここまでしかできなか
つた、別に四百八十円は、これは五%の
地域給の分であるとでもいう――これは一例でありますが、そういう形でお出しに
なつたならば、私は筋が通ると思うのです。
人事院の出したところの
地域給の五
段階に基く
ベースの表があると思うと、
政府はここにまた新しい
地域給の四
段階における
ベースの表をお持ちになる。同じ
政府部内において
二つの
ベース体系ができているというような、まことにおかしな状態が今現われたのです。われわれは
給与体系というものを、ちやんとした
ベースの体系に持
つて行くことを願
つてお
つたのであるが、こういうふうにこの
ベース体系をこわすようないろいろな体系のものをここへ出して来られるということは、われわれは歓迎しません。そして今
給与課長もおつしや
つたようですが、二十九年一月一日の推定
ベース切りかえ前の一万四千百五十九円に、
勤務地手当の一
段階繰入れをやると一万四千二百九十七円、百三十八円が
地域給の五%の繰入分である。しかし
地域の五%の繰入分が百三十八円、こういう金頭であるはずはないのです。
この点について、ひ
とつ今からちつとお伺いしたいが、
人事院は一万五千四百八十円
ベースといたしまして、別に
人事院が計算した
数字によ
つて、
地域給の無
級地と
一級地を廃止して、これを本俸に別に繰入れたという場合の予算的な
数字がどれだけになるか。大蔵省が計算をした、一万五千四百八十円の
地域給を含んだこの
ベースでなくて、
人事院の
勧告通りに予算を組むとしたならば、一般会計の
職員分二十五億という
数字、これはコーポレシヨンや地方
公務員などを除いた、
人事院が
関係している一般会計の予算だが、一般会計の
職員分だけの
地域給の五%を繰入れたものを別に計節して、一万五千四百八十円
ベースにプラスしたら幾らになるか。これを
数字が用意してあるはずだから、それを比較検討して
質問を行いたいと思います。
人事院の用意した
数字と、それから大蔵省が用意している、今申し上げた五%分を別に計算した
数字、今度出しておる予算書を見れば一般会計の予算二十五億円と、こうな
つているが、これが幾らになるかお答え願いたいと思います。