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1953-12-02 第18回国会 衆議院 決算委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十二月二日(水曜日)     午後一時二十八分開議  出席委員    委員長 田中 彰治君    理事 天野 公義君 理事 松山 義雄君    理事 安井 大吉君 理事 藤田 義光君    理事 吉田 賢一君       大上  司君    牧野 寛索君       山本 勝市君    山田 長司君       大矢 省三君    杉村沖治郎君  出席政府委員         大蔵政務次官  愛知 揆一君         食糧庁長官   前谷 重夫君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計局司計課         長)      柳澤 英藏君         会計検査院長  佐藤  基君         会計検査院事務         官         (検査第三局         長)      小峰 保榮君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ————————————— 十一月三十日  昭和二十六年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十六年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十六年度政府関係機関決算報告書  昭和二十七年度一般会計国庫債務負担行為総調  書  昭和二十六年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和二十六年度国有財産無償貸付状況計算書審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  国政調査承認要求に関する件  昭和二十六年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十六年慶特別会計歳入歳出決算  昭和二十六年度政府関係機関決算報告書  昭和二十七年度一般会計国庫債務負担行為総調  書     —————————————
  2. 田中彰治

    田中委員長 ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。前国会まで承認申請をいたして参りました調査事項が三項目ありましたので、町会同様調査を続けて参りたいと存じます。すなわち調査事項として、一、歳入歳出の実況に関する事項、二、国有財産に関する事項、三、政府関係機関の収支に関する事項、この調査目的方法及び期間に関しては、従前通りといたしまして、この承認要求書議長あて申請いたしたいと存じますがこれに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田中彰治

    田中委員長 御異議なしと認めまして、衆議院規則第九十四条による右要求書申請をいたしさおきます。従つてその作成及び手続については、委員長に御一任願います。     —————————————
  4. 田中彰治

    田中委員長 次に参考資料提出要求の件に関し、関係官庁その他各方面に対して、照今回答を求める必要あるときは、前会において委員長御一任を願いました通り、今回も取運びたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 田中彰治

    田中委員長 御異議なしと認め、さようとりはからいます。     —————————————
  6. 田中彰治

    田中委員長 それではこれより昭和二十六年度一般会計歳入歳出決算昭和二十六年度特別会計歳入歳出決算昭和二十六年度政府関係機関決算報告書昭和二十七年度一般会計国庫債務負担行為総調書を議題として、大蔵省及び会計検査院当局総括的説明を聴取いたしたいと思います。まず大蔵当局から説明を求めます。愛知政府委員
  7. 愛知揆一

    愛知政府委員 昭和二十六年度一般会計歳入歳出決算、同特別会計歳入歳出決算及び同政府関係機関決算報告書会計検査院検査報告とともに第十五回特別国会に提出いたしたのでありますがいまだ御審議を了しておりませんので、その大要を御説明申し上げます。  昭和二十六年度予算は、昭和二十六年三月二十八日に成立いたしました本予算と、同年三月三十一日及び十一月三十日に成立いたしました補正予算とからなるものでございます。  昭和二十六年度の本予算は、わが国経済自主目立態勢確立強化のため、従来の財政政策を原則的に踏襲するとともに、内外諸情勢の推移に対処しつつ極カインフレーションの回避に努め、もつて健全な経済基盤の育成と公正な国際競争力の充実とに寄与し得るよう所要の転換を行うことを目途として総合予算の均衡、財政規模の縮小、政府資金積極的活用、輸出の振興、民生の安定、文教及び科学振興等一連の構想のもとに編成されたものでございます。  ところが昭和二十六年九月平和条約及び安全保障条約の調印が行われましたため、これに関連して予想される新事態に対処する必要に迫られ所要補正予算を編成いたしたのでありますが、この場合におきましても、財政金融基本方針は既定の方針にのつとり、経済の安定及び能率化とその発展をはかることに意を用いたのでございます。  しこうして、予算の執行に当りましては、予算編成の趣旨に従い、その目的遂行のために、予算効率的使用をはかるとともに、一方極力経費の節減に努め、さらに予算決算及び会計令等会計に関する法令整備をいたしまして、予算使用の合理的かつ適正な運営を期した次第でありまするが、会計検査院から千百九十八件に上る不当事項の御指摘を受けるに至りましたことは、種々事情の存することとはいえ、遺憾にたえないところでございます。これにつきましては、一層綱紀の粛正を強化するとともに、会計法令整備経理職員の資質の向上をはかる等、逐次経理の適正な運営を確保するよう十留意いたしておる次第でございます。  以下決算内容を数字をあげて御説明申し上げます。一般会計歳入決算額は八千九百五十四億円余、歳出決算額は七千四百九十八億円余でございまして、歳入歳出を差引いたしますと、千四百五十六億円余の剰余を生ずる計算でございます。この剰余金から、昭和二十七年度に繰越しました歳出財源に充てなければならない金額七百三十一億円余及び昭和二十五年度剰余金使用残額二百六十八億円む差引いたしますると、四百五十五億円余が本年度新たに生じた純剰余金となるのでございます。なお、右の剰余金千四百五十六億円余は財政法第四十一条の規定によりまして、一応翌年度歳入に繰入れるものでありまするが、そのうち、本年度新たに生じました純剰余金四百五十五億円余の二分の一を下らない金額は、同法第六条の規定によりまして公債または借入金の償還財源に充てることとなるものでございます。  以上の決算額予算額と比較いたしますと、歳入におきましては、予算額七千六百三十七億円余に対しまして千十七億円余の増加となるのでありますが、このうちには前年度剰余金の受入れが予算額に比べて六百三十九億円余を増加いたしておりますので、これを差引いたしますと、純然たる本年度歳入としては三百七十八億円余の増加となるのであります。その内訳租税及び印紙収入における増加額四百三十二億円余、官業及び官有財産収入における減少額十二億可余、雑収入における減少額四十一億円余と相なつております。租税及び印紙収入において多額増加を生じましたのは、朝鮮事変影響等により異常の好況を生じたため、所得税法人税において予想以上の増収を生じたためでございます。一方歳出におきましては、予算額七千九百三十七億円余に前年度一般会計からの繰越額三百七十億円余及び緊要物資輸入基金特別会計法俯則第六号及び第八号の規定に基く旧貿易特別会計からの繰越額五十九億円余、計四百二十九億円余を加えました予算現額八千三百六十七億円余から支出済額七千四百九十八億円余を差引いたしますと、その差額は八百六十八億両余でありまして、そのうち翌年度に繰越しました額は、前に申し上げました通り七百三十一億円令、不用額は百三十六億円余と相なつております。  右の翌年度への繰越額のうち、改正前の財政法第二十五条の規定によつて、あらかじめ国会承認を得て翌年度へ繰越しました金額は六百八十八億円余でありまして、その内訳のおもなるものは、終戦処理事業費におきまして、連合国軍工事、需品、役務等調達要求書の発出時期の関係から年度内支出を終らなかつたもの、出資及び投資において国際通貨基金に加入の運びに至らなかつたため年度内支出を終らなかつたもの、並びに平和回復善後処理費において講和条約が発効しなかつたため年度内支出を終らなかつたもの等でございます。  また財政法第四十二条但書の規定つて避けがたい事故のため翌年度へ繰越しました金額は三十億円余でございまして、その大部分公共事業費一般施設費等のうち天候、資材、電力、敷地等関係上避けがたい事由によつて年度内支出に至らなかつたものであります。  なお、学校及び保育所の給食の用に供するミルク等の譲与並びにこれに伴う財政措置に関する法律第五条の規定によつて年度へ繰越した金額は十三億円余でありまして、これは脱脂粉乳の輸入に際し、船舶並びに海外市場等の都合により到着が遅延いたしましたため年度内支出を終らなかつたものであります。  次に不用額でありますが、そのうちおもなものは行政部費における三十八億円余、社会及び労働施設費における二十五億円余、出資及び投資における十八億円余等でありまして、行政部費につきましは海外出張が少かつたため、海外出張その他海外払い関係諸費を要するにとが少かつたことと、郵政事業特別会計における収入増加に伴い繰入れを要することが少かつたことなどによるものであり、また社会及び労働施設費につきましては生活護費及び国民健康保険費において、被保護人員並びに補助対象予定より少かつたことと、失業保険特別会計において保険金の給付が少かつたため繰入れを要することが少かつたことなどによるものであり、最後に出資及び投資につきましては、貴金属地金代金不足補填所要額が少かつたためであります。  次に予備費でありますが、昭和二十六年度会計における予備費予算額は十億円でありますが、その使用総額は九億百万円余となつております。そのうち昭和二十六年十二月七日までの使用額八億千五百万円余につきましては、第十三国会において、また同年十二月八日以降昭和二十七年三月末日までの使用額八千五百万円余につきましては、第十六回国会において、それぞれ御承諾をいただいておりますので、説明を省略させていただきます。  次に一般会計国庫債務負担行為について申上げます。財政法第十五条第一項の規定による国庫債務負担行為可能額は三十一億円余で、これは全額債務を負担いたしましたが、これに既往年度からの繰越額を加え、昭和二十六年度中に支出その他の事由によつて債務の消滅いたしました額を差引きました金額四十七億円余が翌年度以降に繰越されたこととなります。また財政法知十五条第二項の規定に基く国庫責務負担行為は本年度はございませんので既往年度からの繰越額のうち昭和二十六年度中に支出その他の事由によつて債務の消滅いたしました額を差引きますと、翌年度以降へ繰越した額は千九百万円余となります。  次に昭和二十六年度特別会計決算につきましては、それぞれの決算書によつて御了承願いたいと思いますが、同年度における特別会計の数は三十四でありまして、これら各特別会計歳入決算額は一兆四千億円余、歳出決算総額は一兆二千七百五十億円余であります。これを一般会計決算額と合せ、相互の重複額等を控除調整いたしました決算の純計額は、歳入において一兆八千六百六十五億円余歳出において一兆六千十四億円余となる計算であります。  次に、昭和二十六年度政府関係機関決算でありますが、同年度における政府関係機関の数は十九でありまして、その収入支出決算内容につきましては、それぞれの決算書によつて御了承願いたいと思います。  以上昭和二十六年度一般会計特別会計及び政府関係機関決算につきまして、その概略を御説明申し上げたのでありますが、詳細につきましては、さらに御質問の都度御説明申し上げたいと存じます。なにとぞ御審議のほどお願いいたします。  引続きまして昭和二十七年度一般会計国庫債務負担行為に関する報告につきまして御説明を申し上げたいと存じます。  第十六回国会において御報告申し上げました昭和二十七年度一般会計国庫債務負担行為につきましてあらためて御説明を申し上げます。  昭和二十七年度におきまして、財政法第十五条第二項の規定により、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国庫債務負担行為をすることのできる金額は三十億円でありまして、このうち昭和二十七年十二月七日火災により焼失した北海道大学工学部の建物の火災復旧に対しまして、昭和二十八年二月十七日閣議の決定を経まして四百四十四万七千円の範囲内で債務を負担する行為むすることといたしました。  以上をもちまして、昭和二十七年度国庫債務負担行為に関する説明といたします。
  8. 田中彰治

    田中委員長 ちよつと委員長から皆さんに御了解を求めておきます。  このたび御承知のごとくいろいろな事情がありまして、鳩山自由党から吉田自由党に合同して参つて、この委員長与党委員長なつたのであります。そこで皆さんが今後の決算委員会は相当ゆるめられるものとお考えになる方があるかもしれませんが、決算委員長は、御承知のごとく、国民の血税がいかに正しく使われたか、これにむだがないか、不正がないかを調べで、これを寔正するのが委員長任務でありますから、今後与党なつたといえども、私は決算委員長としての任務を徹底的に行いたいと思います。これがためにたとえ内閣に傷がつくようなことがあつても、決算委員長のこの職に傷かつくようなことがあつても、それはそのときの成行きでこれにはこだわらずに徹底的にやろうと思いますから、どうか皆さんもこの公平に職務を行う委員長に対して、今まで通りかわらない御声援を賜わらんことをお願いしておきます。  次にただいまの説明に引続き会計検査院から決算検査の概況について説明を求めます。会計検査院長佐藤基君。
  9. 佐藤基

    佐藤会計検査院長 昭和二十六年度決算検査報告につきまして、その概要説明いたします。  昭和二十六年度決算検査報告には、国の収入支出決算の確認、検査上不当と認めた事項のほか、会計事務職員に対する懲戒処分要求及び検定、検察庁への通告事項政府関係機関に関する検査事項等を記述いたしてあります。  昭和二十六年度一般会計決算額は、歳入八千九百五十四億余万円、歳出七千四百九十八億余万円、各特別会計決算額合計は、歳入一兆四千億余万円、歳出一兆二千七百五十億余万円でありまして、一般会計及び各特別会計決算額総計いたしますと、歳入二兆二千九百五十五億余万円、歳出二兆二百四十九億余万円となりますが、各会計間の重複額等を控除して歳入歳出の純計額を概算いたしますと、歳入一兆六千五百三十二億円、歳出一兆五千九百五十二億円となり、前年度に比べ歳入において三千三百五十九億円、歳出において二千六十一億円の減少となつております。  政府関係機関昭和二十六年度決算額総計収入り五千九百四十五億余万円、支出四千百七十九億余万円でありまして、前年度に比べ、収入において五千四百六億余万円、支出において五千九十五億余万円の減少となつております。  以上申し上げました国会計及び政府関係機関会計決算額のうち、会計検査院においてまだ検査が済んでいないものは総計九十九億四千七百余万円でありまして、そのうちおもなものは、終戦処理費関係歳出八億九千八百余万円、特別鉱害復旧特別会計歳出六億七千二百余万円、日本国有鉄道歳出四十六億九千八百余万円などであります。  次に、会計検査の結果、経理上不当と認めた事項及び是正させた事項として記述しました事項の件数は、合計千百十八件に上つております。  今これを経理の態様に従つて金額を概計いたしますと、不正行為による被害金額が一億二千九百余万円、架空経理などの法令または予算に違反して経理したものが三億六千六百余万円、検収不良のためまたは計算上の過誤等のため、誤払いまたは過渡しとなつているものが七千四百余万円、補助金交付額が適正を欠いているため、返納または減額を要するものなどが三億百余万円、歳入等徴収決定が漏れていたり、その決定額正当額を越えていたものが四億四十七百余万円、工事請負代金物件購入代金等が高価に過ぎたり、または物件売渡し代金等が低価に過ぎたと認めたものの差額分が一億三千八百余万円、不急不用工事施行不急不用物件購入等経費が効率的に使用されず、いわゆる死に金を使つたと認めたものが十一億五千三百余万円、その他の難件を含めて、総額三十億五千八百余万円に上つて、おります。また、このほかにも経理上妥当と認めがたいものとして、それぞれの関係責任者に対し、厳重な注意書を発した事項も多数あります。  二十六年度は、二十五年度に比べまして、架空経理など法令または予算に違反した経理において十一億二千九百余万円、工事請負代金物件購入代金等が高価に過ぎたり、または物件売渡し代金等が低価に過ぎたと認めたものの差額分において、八億二千百余万円の減少を示しているなど、一般的な傾向として、経理改善のきざしが現われているように感じられます。  しかしながら、国民租税をおもな財源とする国及び政府関係機関等会計において、このような事項がなお多数発生しておりますことは、はなはだ遺憾にたえませんので、その責任を明確にするとともに、発生の根源をふさぐことにさらに努力を傾けたいと存じます。     〔委員長退席安井委員長代理着席〕  ここに検査の結果について、その概要説明いたします。  第一は、歳入収納未済についてであります。一般会計昭和二十六年度収納未済額は六百三十億余万円で、その徴収決定済額に対する割合は約六・五%に当り前年度の約七・二%に比べますと、やや好転しております。この一般会計収納済額特別会計収納未済額百六十五億余万円を合せると、収納未済額は七百九十五億余万円に上り、そのうちおもなるものは、租税収入の五百五十二億余万円、食料売払い代の六十一億余万円であります。これらの収納未済額のほか、まだ徴収決定をしていないものがあることなどを考慮すれば、事実上の収納未済額は、なお多額に上るものと認められます。これらの収納未済額について、は、国の財政にかんがみ、その徴収の促進について、なお一段の努力の要があると認められます。  第二は、契約締結についてであります。契約締結について十分な注意が行き届かなかつ事例が相当見受けられます。すなわち、契約締結基本となる予定価格算定がずさんであつたなどのため、より低価に購入しまたはより高価に売り渡すことができたと認められる事例や、競争契約における予定価格算定が緩に過ぎ、論議の余地のあると認められるもの、または関係者入札を周知させる方法考慮の足りなかつたなどのため、結局契約価格において不利を来したものがあります。  また契約締結後の事情の変化に応ずる処置について、不十分であつたもの、あるいは相手方の履行が完全に行われないときは、履行補正代金の値引きその他適宜の処置をとらなければならないのに、実施担当者が的確な検収を怠つたり、契約担当官に対する連絡が十分でなかつたなどのため、契約金額をそのまま支払つている事例もあります。  今そのおもな事例をあげてみますと、国税庁で予定価格の換討が不十分なため、封印鉛を高価に購入したり、営林署ですぎ及びひのき素材を低価に売り渡したり、または財務部発電機を低価に売り渡しているものがあります。  また、財務局で入札方法について、考慮の足りなかつたなとのため、船舶を低価に売り渡したり、あるいは日本国有鉄道価格改訂に関する条件を付して契約すべきであるのに、その考慮がされなかつたため、軌条を低価に売り渡しているものなどがあります。  第三は、不急不用または不経済経費使用についてであります。工事についてみますと、事前調査が不十分であつたり、計画が未熟であつたため、不経済施設なつたものがあり、よた物品についてみますと、多量在庫品があつたり、またはさしあたり使用の見込みのないのに物品購入したり、検収が料漏であつたため、料悪品を受取つたものがあり、また役務についてみますと、運送料倉庫料等支払いが高価についているものなどがあります。  今そのおもな事例をあげてみますと、電気通信省海底軍線敷設引揚機を建造させながら、遊休の状態となつていたものがありますが、この機械敷設船の入手を前提としなければ使用することができないのに、機械だけを取急いで建造したものであり、契約のの際このような結果となることが予想されていたものであります。よた農林省で事前調査が不十分なため、一時に多量腕袋購入し、購入後まつたく使用することなく営業用倉庫保管させたり、警察予備隊で病院の施設も要員も整備されていないのに、手術用器械等購入したり、日本国有鉄道で、既設の施設を活用することができるのに、別に施設を新設したり、特別調達局営業用倉庫等接収借料支払いが高価になつているもの、または通商産業局アルコール原料用糖蜜運送代金支払いが高価についているものなどがあります。このような事例に徴し、予算効率的使用について、なお一層の改善を要するものがあります。  第四は、物品経理についてであります。現品把握帳簿整理が不十分なまま簿外品があつたり、不足があつたり、また保管についても責任者が明確でなかつたり、保管方法が適切でないため、亡失、毀損、品質低下を生じさせ、または使用に耐えなくなつている事例が多く、また外部からの盗難をこうむつたり、はなはだしいのは、ほしいままに関係職員により楓得される事故が発生しながら、責任の追求または防止対策が十分に行われてでいないものがあります。このように物品経理がとかく粗漏となりがちになりますことは、関係法令の不備や現品把握が必ずしも容易でないことによる面もありますが、一般物品の取扱いは、現金に比べ軽視される傾両がありますので、その経理に関し、特に関係職員の関心を喚起する必要があります。  第五は、公共事業費についてであります。本費の昭和二十六年度支出済額は千二十七億九千三百余万円で、九億五百余万円を翌年度に繰越し、九千八百余万円を不用額としております。本事業実施についてその経理状況を見ますと、後に述べますように国の市営工事において架空経理を打つて資金む捻出し、これを他に使用したものが、農林建設両省所管において総額一億二百余万円に上つております。次に工事施行状況を見ますと、国の工事におきまして、工事監督または竣功検査が不十分なため設計に対し出来高不足を来したもの、工事方法について研究が不十分なため工事費を徒費した結果を来したもの、計画または施行が不良のため、工事の手もどり及び工事費の増大を来した事例が見受けられますが、このような事例については、工事計画設計にあたつて調査の周到を期するともに、工事施行にあたつて監督検収を厳にし、また工事旅費の時期、請負業者選定等に留意するなど、公共事美事効果的使用に努める必要があります。なお、公共事業費支弁補助金経理についても、次に述べますように、不当事項が多数発生しておりますことは、遺憾にたえません。  第六は、補助金についてであります。補助金経理に関しては、特にその対象となる事実の審査交付時期、交付後の監督及び精算等の諸点おいて適正を欠いているため、補助金返納または減額を要するものなどが総計三億百余万円に上つておりますが、その大部分公共事業費支弁工事に関連したものでありまして、この事態ははなはだ遺憾であります。そのおもな事例をあげてみますと、農林、運輸及び建設各省所管におきまして、災害を受けた事実の認められないものや、災害復旧とは認められない改良または維持工事災害復旧事業として補助金交付対象とした事例も、原形超過工事原形復旧工事として処理し、あるいは設計通り施行されていないのに旅行されたこととして処理したため、補助金の超過交付となつていたり、事業主体が正当な自己負担をしていない事例など、補助金交付及びその処理について適正を欠く事例が多く見受けられます。特に災害復旧事業におきましては、緊急を要するためいわゆる机上査定によるものが多く、このため補助を受ける側の設計が過大となる傾向があり、他面、補助金交付事務に当る国の会計機関に補助を受ける側の都道府県の吏員を充てることが通例であるため、過大に交付された補助金に対する是正の措置が十分にとられないきらいがあります。このような事態に対し、主管省の現状としましては、現場について実地に査定を行う余裕に乏しく、また竣功検査についても工事完成後相当期間を経過しなければこれを行うことができない実情にありますので、主管省側の適切なる措置とともに、地方公共団体側における補助金交付事務の厳正な執行が肝要と存じます。なお市町村、農事実行組合等の施行した工事については、適正とは認められない処理をして正当な自己負担を避ける傾向等が認められますので、これらの事業主体に対する指導監督について、なお一段の留意が望ましいと存じます。  等七は、架空の名義による支払いその他不法の経理についであります。経費使用の事実がないのに、その事実があつたように関係書類を作成して、その経費相当額を別途に経理して使用する事例につきましては、毎年度決算検査報告に掲記するとともに、関係庁に対しても厳重に注意して参りましたが、二十六年度においても地方建設局の工事事務所、国税庁及び管下の同署並びに農林省管下の開拓または干拓建設事業所等において、架空の名義による支払い事例が見受けられます。またその他不法の経理として営林局で素材の買受け希望者から概算代金を受領し、これを別途に保有して人夫賃、物品購入費等国の経費に流用したり、あるいは国立病院で診療収入金をただちに歳入に払い込まないで、別途にこれを保有して、工事費、会議費等に流用するなど、ほしいままな経理をした事例が相当見受けられます。このような経理は、必要経費不足経理手続が煩わしいことを事由にしているものもあつて考慮を要する点もありますが、主として法令予算及び経理の諸規定を軽視した点にあると認められ、これらの点につきましては、関係庁において責任の追求を厳にするとともに、会計事務職員の教育と経理監督について一層努力の必要を痛感する次第であります。  第八は、職員の不正行為についてであります。会計事務に関係ある職員が不正行為により国または政府関係機関に損害を与えたもので、この検査報告に掲げたものの金額は一億二千九百余万円に上り、昭和二十七年十月末現在補填された額は二千四百余万円でありまして、被害金のおもなものは、郵政省の三千三百三十余万円、税務署の二千四百八十余万円、厚生省の千二百三十余万円、法務省の九百八十余万円、日本専売公社の九百七十余万円であります。このように不正行為が毎年跡を断たないのは、会計事務を執行する戦員の倫理観及び責任観の低いことを直接の原因としますが、会計帳簿等の整備及び記帳整理の迅速的確を期し、会計職員の資質の向上をはかり、責任観念を高揚するとともに、内部牽制組織等の充実徹底をはかることが特に必要であると認められます。  なお、検査報告説明を終るにあたりまして、会計検査院検査方針及び検査状況について一言つけ加えたいと思います。国及び政府関係機関等会計経理に対しましては、会計検査院は特に収入の確保及び支出の節約をはかり、経費を効率的に使用しまた事業を能率的に運営し、物件経済的に管理処分するとともに、一般的に当務者の経理の適正を期し、かつ不当事項の是正及び発生の防止をはかるなど、適正な経理事務の執行を確保するよう、検査の徹底を期したいと存じている次第であります。  会計検査院検査は、書面検査及び実地検査の二方法によるのでありまして、書面検査においては、昭和二十六年十二月から昭和二十七年十一月までの間に、国及び政府関係機関等歳入歳出等に関する計算書及び証拠書類を検査したものは十七万四千余期、六千六百余万枚であります。また同期間中に実地検査施行した箇所は約二千九百箇所であります。なお、従来から現金物品の在高や帳簿整理の状況を検査する場合などは、必要に応じて予告しないで実地検査を行つておりますが、今後はさらにこの方法を活用し、検査の徹底を期したいと思つております。会計検査に伴い関係上に対して質問を発したものは一万千余件に上つていますが、会計検査院検査の結果及び経理上の所見に対しましては、検査を受ける側の一層機敏な反応による内部是正が望ましい次第でありますので、国会におかれましても、この点についての一層の御支援をいただきたいものと存じております。
  10. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 ちよつと数字上のことを伺いたいのですが、ただいまの愛知政務次官の説明されたものと会計検査院長説明されたものとでは、歳入歳出の純計の数字が非常に違つておるようです。これはどういうわけでそういうようになつているのか、それだけ聞いておきたいのです。
  11. 佐藤基

    佐藤会計検査院長 これは各会計間の重複額というものは何であるかということは非常に意見がわかれる場入が多いのです。見解が違うのです。そこでこういう結果が生じております。今まででも政府側のものと会計検査院側のものと一致した場合はむしろまれだと思います。
  12. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 しかし違いが非常に大きいようです。歳入の純計が大蔵省側では一兆八千六百六十五億、会計検査院では一兆六千五百三十二億と二千百三十三億円違う。それから歳出の方では六十二億円違う。どこでどのように違つて来たのか。どういうふうな計算の仕方の違いからこういう違いが出て来たのか。二千億以上も違つて来たのはよほど計算の仕方が違うのじやないか。今日でなくてもけつこうですけれども、大省蔵回と打合せていただいて、こういう計算の仕方を大蔵省ではやつており、会計検査院ではこういう計算の仕方をやつておるから、そこで二千億以上も違いが出て来たということを、何か資料を出していただきたいと思います。
  13. 佐藤基

    佐藤会計検査院長 実は私も今愛知君の説明を聞いて大分金額が違つておるので、違い方が多過ぎはしないかと心配したのですが、よく調べます。おそらく計算が違つておるので、どちらも自分の計算が正しいと思つておると思いますから、よく調べます。
  14. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 大蔵省側でもひとつ……。
  15. 柳澤英藏

    ○柳澤説明員 ごもつともな御質問でありまして、これにつきましては十分調青いたしまして後ほど御報告申し上げますが、ちよつと一言申し上げておきますと、大蔵省でやつておる計算は、予算の純計を一応出しておりまして、その予算の純計と同じ方法をとつておりますので、どちらかといいますと、検査院の純計の計算の方がもう少し下の方まで掘り下げてやつておる。その関係で違つて来ると思いますが、大分数字が迷違ますので、調査いたしまして御報告いたします。
  16. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 ちよつとよくわからない点があるのです。二千億も違つて来るのは純計の出し方が違うのですか。
  17. 柳澤英藏

    ○柳澤説明員 予算の際にも予算の純計をつくつております。それと同じ方法決算の純計をつくつておる、こういう意味でございます。
  18. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 きようでなくともけつこうでありますが、とにかく同じ決算委員会に出して来る決算の純計が二千億も食い違つておるのじや、これはそのまま見のがすわけには行かないと思います。おそらく毎年そうなのかもしれませんが、つまりよほどの計算の仕方の違いがあるに相違ない。これはきようでなくともけつこうであります。     —————————————
  19. 安井大吉

    安井委員長代理 次に昭和二十六年度国有財産増減及び現在額総計算書昭和二十六年度国有財産無償貸付状況計算書の二件を議題とする次第でありますが、これに関しましては、すでに第十六回特別国会におきまして大蔵省及び会計検査院当局から説明を聴取いたしておりますので、この際その説明を省略いたしまして、同国会決算委員会議録第九号第2ページを参照願い、一応検討期間を置きまして後日審議いたしたいと考えますから、御研究おき願いたいと存じます。
  20. 安井大吉

    安井委員長代理 次に昭和二十六年度決算検査報告中その二百ページ掲載、報告書番号七七四、不急の麻袋を購入したもの等に関連して、黄変米に関する説明を求めます。食料庁長官前谷重夫君。
  21. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 黄変米につきましてその処分の状況を申し上げたいと存じます。  昭和二十七年の年度中におきまして、ビルマからの食糧輸入——これは政府輸入でありますが、四万トン輸入いたしましたに際しまして、その中に黄変米が混入いたしておつたわけであります。この点に関しましてはわれわれも非常に遺憾に存じまして、その買付方法等につきましても十分その後検討いたしたわけでございます。結局におきましてビルマにおきます保管状況によりまして、雨期以後に入つて参りますものにつきましては相当の検査をいたしますが、輸送途中におきましてもそれの発性の危險性がございますので、原則といたしまして雨期以後の米は買わないということにして、この検査を厳重にいたしますと同時に、黄変米の発生を防止いたしておる次第でございますが、二十七年度に入つて参りました黄変米の処置につきましては、まずアルコール用及び蒸溜酒用という用途に区分いたしまして、混入率の多いものにつきましては、アルコール向け、混入率の少いものにつきましては蒸溜酒用に向けた次第でございます。アルコール工業用といたしまして通産省の官営アルコール工場に売却いたしましたものが四千百九十九トンございます。国税庁管下の蒸溜酒用に向ましたものが、二回ございまして、第一回が三千七百四十トン、第回目が千四百四十九トン、こういうことで合計九千三百八十九トンの売却をいたしたわけであります。これについて通権者に売却いたします場合におきまして、われわれといたしましては政府間の両会計の管理でございましたので、その間におきましていろいろ価格等につきまして協議をいたしたわけでございますが、その際におきましてその代行者といたしまして、中岡に日本糧穀株式会社を入れたわけであります。契約の面といたしましては、食糧庁から日本糧穀株式会社に対する売却、日本糧穀株式会社から国営アルコール工場に対する売却というふうな形になつておるわけでございまして、われわれといたしましては代行者、代理者というふうに考えておつたわけでありますが、その点につきましてはさらに検討いたしますと、事務的に代行者という面をもう少しはつきりすべきじやなかつたかというふうに考えて、非常に遺憾に存じておる次第であります。  第二回のものにつきましては、食糧庁が指名いたしましたものに対して、指名競争入札によつて売却をいたしたわけでございます。その指名競争入札に落札し得なかつたものにつきましては、地方的に非常に散在いたしておりますので、これを売却すべく随意契約によつて日本糧殻株式会社に売却むいたしたわけであります。この方式につきましても、その後におきまして、これを変更いたしまして、純粋の実需者に対する売却方法に改めた次第であります。ごく概略を御報告申し上げましたが、手続の点につきましても、事務的に不注意な点については非常に遺憾に存じておる次第であります。
  22. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それでは資料も来ておりますが、なお速記録に明らかにしておかなければなりませんので、少しく御質疑いたします。  いわゆる黄変米が入りました年度は、年歴別にするといつからいつまでになり、また本会計年魔において現在に至るまで、年度別に何ほどをどこの国から賢い受けたか、この点についてお尋ねいたします。
  23. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 配布申し上げました資料の第三ページに合計といたしまして、二十七年度中に売却いたしました数量九千三百八十九トンがございます。これは二十六年度末から二十七年度中にかけて入荷いたしたものでございます。
  24. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 今御説明の資料は以前配付されたもののようでありますが、新しい臨時国会のことでもありますから、あらためてあなたから御説明を願いたい。
  25. 松山義雄

    ○松山委員   議事進行について……。この資料を私ども配付されておりませんから……。
  26. 安井大吉

    安井委員長代理   この資料を食糧庁の方で配付しましたか、しませんか。
  27. 前谷重夫

    ○前谷政府委員  詳細に国別、時期別につきまして資料を提出いたしたいと思います。
  28. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それならばすぐ資料を作成して、時期別は質付の年月日、それを貯藏して売渡しをした年度が翌年度にまたがつておるものもあろうと思いますし、会計年度であろうと思うけれど、需給関係は米穀年度でもありますので、その辺の誤解が生じないような記載をしていただきますことと、買いつけて政府が支払つた代金、その内訳には保険料とか運賃などが入るべき契約になつておるかいないかなどということと、それから今糧穀会社などで混入率によつて用途が違つておるような御説明がありましたが、これはやはりもつと明確にしていただかないと数字が出て来ないだろうと思うのでそれらを承りたい。要するにさつき御説明になりました点、私が指摘しようとした点につきましては、できるだけ詳細に資料として御提出願いたいと思います。  それからもう一つ聞いておきますが、巷間伝えるところによりますと、黄変米の有毒無毒説、有害無害説が最近流布されておるように聞くのであります。これは農林省といたしまして所見が一定しておるのかどうか、これもこの機会に承りたいと思います。
  29. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。黄変米の菌につきましては従来トクシュカリウム、イスランディア、タイ国黄変というような菌が発見されておるわけでございます。このトクシュカリウムの菌の毒性につきましては、従来からの研究によりまして確定いたしておるわけでございますが、最近発見いたしましたイスランディアの黄変菌の毒性につきまして、食料研究所におきましてごく短期間に研究はいたしましたけれども、さらに本格的に各大学病院に委嘱をいたしまして研究をいたしておる次第でございます。なお黄変粒につきましては、このほかに各種の菌があるわけでございまして、現在までに毒性として学者間におきましてほぼ意見が一致しておりますのは、トクシュカリウム菌とタイ国黄変、それからイスランディアにつきましても毒性があるだろうということになつておるわけでございます。
  30. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 私はやはりそれに関連をしたのですけれども、この黄変米の買入れは政府が直接買入れたのであるか。それともどういう経路で買入れたのか、その買入れの経路な伺いたいのでありますが、その点いますぐお答え願えますか。  それから黄変になつたのは、つまり向うで買つたときからああいうふうな黄変米そのものを買つたのか、あるいは向うで買いつけて、船積みをしてから船中において黄変したものであるか、それともこちらに陸揚げしてから倉庫に入れておいて黄変したものであるか、その辺はいかがなものでしようか。
  31. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げますが、ビルマから輸入する場合におきましては、二つの方式がございまして、ビルマ政府といたしましては、政府間の貿易によつて、政府間によつて数量をきめ、価格もきめて輸入いたします場合と、ビルマの国内におきます国際入札によりまして、純粋に民貿の形で輸入する場合と二通りあるわけでございます。政府間で価格、数量をきめます場合におきましては、食糧庁といたしましてはFOBからCIFまでの間の関係におきましては、指定商社の入札制なとつておるわけでございます。なお国際入札によりまする民貿の場合におきましては、その民貿の入札価格に対しまして、船積みその他の諸費用を加算いたしましてやはりテンダーで買うということになつておるわけでございます。この黄変米の発生につきましては、これは保管その他の関係で雨にぬれまして菌が付着するわけでございますが、従来からビルマ政府といたしましては、この黄変米につきましては、規格の点につきまして相当かわつた見解を持つておるわけでございます。つまり黄変粒の混入というものを五%以内と以上とにわけておるわけでございまして、その点につきまして、特に黄変粒の混入につきましては、ビルマにおきます取引においてはあまり問題にしてないようであります。ただわれわれといたしましては、これも規格の変更につきまして申入れをいたしますると同時に、船積みという場合におきまして……。
  32. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 ちよつとお答え中ですが、私が伺つておるのはそういう抽象的な、一般的な、原則的だことを伺つておるのではなくて、ただ現在の現実の黄変米を先ほどの四千万ドルですか、このうちのどれだけの数量はどういう手続で買つた。あなたの今の御説明は政府と政府間の売買契約のような話をしておるのだが、そういうことじやなくして、日本政府がこの米を買い入れるについては、政府が直接向うに行つて自分の政府の手で買つたのかそれとも商人を入れて買つたのか、そういうようなことを具体的に——どれだけの量がこういうふうな買入れをしたのだ、そういうなことが伺いたいのです。それから今の黄変米を買い入れたときに、すでに黄変であつたのか、それとも買い入れた後において、船積みをして輸送途中において黄変したものであるか、それとも陸揚げしてからこちらの保管中に黄変したものであるか、そういう具体的な事実少伺いたいのです。今のあなたの答弁は私の伺つておるのとちよつと離れておるような気がいたしますその点いかがです。
  33. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 具体的なこの場合のケースにつきましては、先ほど申し上げましたように、政府間の貿易として輸入しました四万トンから発生いたしたわけでございます。この政府間の貿易につきましては、ただいま申し上げましたように、FOB価格、数量は政府間で決定いたすわけでございまして、その後の船積み以下の費用におきまして、テンダーによつて食糧庁が買い入れる、こういう形になつたわけでございます。  それから黄変米の発生でございまするが、ただいまも御説明申し上げましたように、黄変米の発生につきましては、現地におきましてビルマが認めております規格のものにつきまして受渡しをいたしておるわけでございますが、黄変米の発生は、その当時におきまして黄色くなつておりますものについては肉眼でわかりますから、これを取除くように交渉いたしておるわけでございます。ただ菌はついておりますけれども、肉眼で鑑定できない場合が相当あるわけでございます。それが輸送中あるいは陸揚げ後において黄変になるという場合も相当ありますので、これは両者が混入しておることと考えられるわけでございます。
  34. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 そうすると、日本政府がこれを黄変米なりとして発見したのは、いつでありますか。
  35. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 二十六年の暮れにおきましてこれを発見したわけでございます。黄変粒の混入につきましては二十六年末に発見いたしまして、二十七年四月に食糧研究所においていろいろ研究いたしまして、毒性があるということを大体確認したわけでございます。
  36. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 陸揚げ後ですね。
  37. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 陸揚げ後です。
  38. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 食糧庁の方につきましては、私は資料によりまして少し精細に聞いてみたいと思いますが、この機会に、いわゆる黄変米につきまして国の予算、食糧管理特別会計予算の執行の面から、あるいは買いつけました外米の保管、管理及び処分の面、そういつた各般の面から会計検査院調査されたことと思いますので、検査院御当局のこの問題に対する御所見、調査の状況などを伺つておきたいと思います。
  39. 小峰保榮

    ○小峰会計検査院説明員 黄変米につきまして会計検査院検査の結果どう見ておるか、こういう御質問であります。先ほどからいろいろお話がございましたように、二十六年度に黄変米というものが初めて発見されまして、これは先ほども御説明がありましたように、九千三百八十九トンというビルマ米の中から発見されたわけであります。それで今も御説明がありましたように、二十七年四月に農林省の食糧研究所でこれが有毒である、こういうことになりました。ところが二十七年度も引続きさらに多い量が発見されておるわけであります。私どもといたしましては、有毒か無毒かということは、もちろん重大問題ではございますが、会計の面から考えますと、こういうものをたくさんに買いまして、食糧庁は非常に損をしておるわけであります。二十六年度の九千三百八十九トンについて申しますと、買入れ価格は五億二百万円であります。ところがこれを二億一千万円損をしまして二億九千二百万円で売つておる、こういう事態であります。それから二十七年度につきましても同様な事態になつておるのでありますが、いわば二十六年度でこういうものを買つたために会計経理の上からも非常な損をしておるわけであります。二十七年度としてはさらに多くの棄をつかむというのは一体どうしたものだろうか。二十六年度のこの分の売払いは、二十七年四万から八月にわたる間に、大きくわけますと三回にわけて売払いが行われたわけであります。これで先ほど申し上げましたように、二億一千万円という損をしたわけであります。ビルマ米はその後も四月以降ずつと二十七年度も入つておりまして、その中に相当量の黄変米が入つていたのであります。最近伺いますと二十八年度もまたやはりこういうものが入つておる。先ほどちよつと御説明がありましたが、年々大きな損を食糧特別会計としているわけであります。二十六年度は初年度のことでございますから、そういうことをやかましく言うこともあるいは無理かとも思いますが、二十七年度についてはもう少しこういうものを避ける何かの方法を講ずるのが相当じやないだろうか、こういうことを考えまして、現在二十七年度検査結果をまとめておるのでありますが、こまかく結果を申し上げる段階にまでまだ至つておりませんが、検査上の問題といたしまして、今の買入れというもので、食糧会計は、御承知のように、いろいろな両で非常に大きな損をでしまして、一般会計からたくさんの金を補給されておるわけでありまして、こういうものにつきましても、大きな損を招くということはどうだろうかという見地から検討している次第であります。  それからなおあわせまして、今もお話が出ました二十六年度分の九千トン余りの処分というものにつきましても、処分の仕方が妥当であつたかどうか、具体的に申しますと、中岡機関を通じて大部分を売つているのでありまして、指名競争で売りましたものは半分以下、約三分の一ぐらいでありますが、半分以上のものは、中間機関を通じまして随意契約で売つているのであります。これのやり方が適当かどうかという点も今検討しているところであります。間もなくこの席上で結論は申し上げ得るじやないかと思つております。
  40. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 今のお話の中間機関といいますと、それは何という会社でございますか。
  41. 小峰保榮

    ○小峰会計検査院説明員 日本糧殻株式会社であります。
  42. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それからもう一つ競争入札にすべきものを随意契約にしたというのでありまするが、これについて何かそうせねばならぬ事情があつたのかどうか。これはひとつ長官の方から伺つておきたいと思います。
  43. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申上げます。まずこの場合におきまして、二つのケースが考えられるわけでございますが、一つは食糧特別会計から通産のアルコール特別会計へ売却する場合と、国税庁の指定いたしました醸造業者に買却いたします場合と、二通りのケースがあるわけでございます。第一の通産アルコール専売特別会計へ買却いたします場合におきましては、われわれといたしましては、大体通産アルコール特別会計といろいろ相談いたしまして、その代理者という考え方によつて考えておつたわけでございます。但しその場合におきまして契約上これが売買という形をとつたという点につきましては、事務上さらにもう少し検討すべきではなかつたかというふうに考えておるわけでございます。なお蒸溜酒の方へ出します場合におきましては、黄変粒の混入いたしておるものでございまするので、これは他用途に転用されることは好ましくございませんので、競争入札関係を避けまして随意契約でやるということにいたしたわけでございますが、その際におきまして、第一回目におきましては、実需者の指名競争入札によつてこれを行つて参つたわけでございます。指名競争入札の結果落札ができなかつた——これは地方的に非常に方々に散在いたしておりまして、その残つたものにつきまして随意契約をいたしたわけであります。その点につきまして他用途に転用されるおそれがありますると、そのものの性質上不適当でございますので、随意契約方法をとつたわけでございます。
  44. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 中間機関の問題、日本糧殻株式会社に対して、どのくらいの割合で、何ほど売つたかという点、これも資料として要求することにいたしたいと思いますので、あとからおとりはからいを願いたいと思います。それからさきにお述べになりました買付につきまして、外国で、つまり買付先の国で、買付機関としての日本商社、それからその買付先との国別との関係、この点も資料として要求しておきたいと思います。なお買付値段と、従つてそれらの保管料等の経費、それと売渡し処分によつて得た代金との損益、これなどもひとつ詳細に資料として出していいだきたいと思うのであります。私は一応資料として要求いたしまして、その上で質問することにしたいと考えます。なお八月の資料が今日は渡つておらぬ関係もございまするので、かたがたさようにしたいと思います。
  45. 松山義雄

    ○松山委員 ちよつとお尋ねいたします。有毒といいますと、どういうような支障を来すわけですか、それからわれわれ大阪で開いたところによりますと、黄変米が七種類あるのでございますが、それは全部が有毒でございますか。それからもう一つ、払い下げたのはその七種類のどういうふうなのを払い下げたのですか、お伺いいたします。
  46. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。この黄変米につきましては、肝硬変を起すということになつておるのでございます。これはモルモツト試験によりまして、それを常食といたしまして使つて研究をいたしたわけでございますが、ほんとうの臨床実験はまだ完成いたしておらないわけでございます。目下各大学に委嘱いたしまして臨床試験をやつておるわけでございます。  もう一つ種類の点は、御説の通り黄変米というものは種類はいろいろあるわけでございます。その中で従来から学説が一定いたしておりますのはトクシユカリウムという菌の場合が一定いたしておるわけでございますが、最近発見いたしましてそれが黄変の大きな原因になつておりまするイスランディアにつきましては、またその毒性その程度につきましては、まだ学説が一定いたしておりません。ただ毒性があるだろうというふうに見られておるのでありまして、これは最近発見されました今回のもにつきまして、黄変の原因として発見されました菌でございまして、この菌につきまして臨床試験をしてもらつておる、こういう状態でございます。
  47. 松山義雄

    ○松山委員 払い下げたものは、どういうふうな種類か、次の資料でもけつこうですから、はつきりしていただきたい。資料を出していただいてから、またお尋ねいたします。
  48. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 先ほど会計検査院のお話の中にもあつたのですが、つまり随意契約の指定なんですが、われわれの聞いたところによりますと、前国税庁長官の紹介者が紹介の名刺を持つてつて、その人に多量の払下げをなされたというふうに伺つておりますが、その点はいかがでありますか。
  49. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 アルコール特別会計に売却いたしました場合には、先ほど申し上げましたように、アルコール特別会計の指定したものを代行者という考え方で取扱つたわけでございます。国税庁の蒸溜酒用として払い下げました場合におきましては、先ほども申し上げましたように、第一回は国税庁の指定いたしました酒造会社に指名競争入札によつて売却いたしたわけでございます。その指名競走入札によりまして落ちたものにつきまして、日本糧穀株式会社に随意契約として払い下げまして、それが酒造会社に売り出して参つた。こういう形になるわけでございます。
  50. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 私はそういうことを伺つているんじやない。それがわかりませんでしたかな。われわれが聞いておるところによりますと、随意契約では、前国税庁長官から食糧庁長官あての紹介を持つて行つた人に払い下げたということだがそういうことがあるかないか、その点を聞いておるのです。
  51. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 われわれとしては、そういうことは承知いたしておりません。
  52. 松山義雄

    ○松山委員 もう一点伺いますが、黄変米の使途はどういうことでございましようか。
  53. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 使途は、ただいまも申し上げましたように、工業アルコールと蒸溜酒の用途に充当いたしたわけでございます。
  54. 松山義雄

    ○松山委員 ほかにありませんか。
  55. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 ほかはございません。
  56. 松山義雄

    ○松山委員 ほかに使途はないでしようか。
  57. 前谷重夫

    ○前谷政府委員  二十八年度におきましては、厚生省と協議いたしまして含有率、パーセンテージをきめ、それによりまして菓子用、みそ醸造用、それから蒸溜酒用、工業用というふうに、配分をいたしまして、買却をいたしております。
  58. 山田長司

    ○山田(長)委員 この問題は、神戸の調査で神戸の食糧事務所から資料を一応もらつて来ておるので大体わかつているわけなんですが、前の国税庁長官高橋衛という人がこれに関係あると伺つている。これについて何か資料がなければならぬと思うのですが、それをひとつ頼みたい。  もう一つは、この糧穀会社は前の食糧庁長官の片柳眞吉という人が社長であることはわかつているのですが、いつ会社ができて、現在は大体どんなふうにやつておられるか。これについて食糧庁として知つている範囲の資料を頼みたいと思うのです。  それから東京においてもやみ流しをされているしさらに和歌山、大阪、兵庫、京都、広島、愛媛、関西における二府四県にやみ流しをされている事実があるわけです。これについて知つている範囲の資料を出していただきたい。  もう一つは、トンネル会社の日本糧殻会社において一番疑惑を招く問題は、運賃の問題でありますが、運賃について、わかつている範囲を詳細に資料として出していただきたいと思います。  それからこれはあなた方の方で知つているかどうかわからないが、もし知つているならば出していただきたいのは、東京地検の木村治という検事が、これに関連して調査中に左遷されている事実があるので了。これについて何か知つていることがありましたらば、これもひとつ出していただきたいと思うのです。
  59. 安井大吉

    安井委員長代理 米少輸入した当事の農林大臣はだれであつたか、当時の食糧庁長官はだれであつたか。その大臣はいつからいつまでいたという調べを出していただきたい。今の山田委員のとあわせてお答えを願います。
  60. 前谷重夫

    ○前谷政府委員  糧穀会社につきましては、御要望の資料できるだけ出したいと思います。なお検事の木村さんのお話は、われわれとしてはそういう事済は全然承知いたしておりません。なお委員長から御要望の資料は提出いたしたいと思います。
  61. 山田長司

    ○山田(長)委員   糧殻会社の幹部の名前を一応全部出してもらいたいと思います。
  62. 安井大吉

    安井委員長代理 二十六年当時の大臣及び食糧庁長官の氏名はわかりますか。
  63. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 食糧庁長官は二十六年の末までは安孫子藤吉氏でございまして二十七年の一月から三月まで東畑四郷氏でございます。大臣は廣川弘禪氏がしておられました。
  64. 松山義雄

    ○松山委員 廣川氏はいつからですか。
  65. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。二十六年の七月四日から十二月二十五日までは根本太龍郎氏がか大臣でございまして、二十六年の十二月二十六日から二十七年の十月三十日までは廣川さんでございます。二十七年の十月三十日から二十七年の十二月五日までは小笠原さんが大臣をしておられました。その以後廣川さんになり、それからだんだんほかの方にかわつております。
  66. 安井大吉

    安井委員長代理 二十七年の買入れ当時から小笠原さんになるまでの大臣と長官を書いて出しください。
  67. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 先ほど会計検査院からも言われたのですが、私はその点についていま一つ伺つておきたい。買入れは政府機関が買い入れたのですが、二十六年に多量の黄変米が出た。そこでその黄変米は内地に陸揚げ後発見されたというお答えなんですが、そうすると二十七年の買入れについて、向うで検査したのかしないのか。また二十八年の買入れについても、向うで検査したのかしなかつたのか。二十六年の買入和のときには、陸揚げ後半見したのよからもちろん検査しなかつたのでしたう。二十六年のものをこちらで発見したとすれば、二十七年に同じような米を買つているのですから、向うで検査したのかしないのか、二十八年に買い入れるときも検査したのかしないのか、いかがですか。
  68. 前谷重夫

    ○前谷政府委員  お答え申し上げます。米の取引は御承知通り、ビルマは国営検査の規格によつて取引をいたしたわけであります。その場合に、普通の場合におきましては検査機関がございまして、その検査機関の保証によりまして品質がきまつて来るわけでございます。ところがビルマにおきましては国際的な検査機関が現在におきましてもまだないわけでございまして、ビルマ政府の規格によつて二十六年慶は買つたのでございます。その後こういう事情ができましたので、黄変粒の混入割合というものを船積みの際に日本側で検査いたしておるわけでございます。
  69. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 そうすると国際検査機関とかなんとかいうものはあろうけれども、これだけ多量の黄変米が出て損失をしておるのだから、二十七年、二十八年の買入れのときに、出先機関というものがあるでしようから、食糧庁とすれば当然向うで検査しなければならぬのですよ。今二十七年には検査されたと言うが、そのときには黄変米はなかつたのですか。
  70. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。検査をいたします場合におきましても、大体船積みの際でございますから抜取り検査でやるわけでございます。抜取り検査によりまして、黄変粒が相当入つているものにつきましてはこれを拒否しているわけでございます。ただそういう検査を一袋丸々についていたすわけでもございません。危險なものにつきましては一袋々々検査をいたしますが、その際におきまして肉眼で見て現われておらないというような場合には、これはそのまま通つて参る、こういう形になつております。
  71. 大矢省三

    ○大矢委員 これは私は前の前の委員会で質問したのですが、どうも責任の所在が明らかでないので山途でそのままになつておつた。一体食べられない黄変米が次から次へ来るということは、その買付の府社の検査が不十分なための結果か、あるいはまた農林省並びに外務省から出ている出先機関の監督あるいは検査が不十分のためしばしばこういうものが入つて来るのか、それから最終の管理責任者たる食糧庁長官が、そういうことを数回繰返されてだんだん量が多くなり、その損害も多くなる、それについて金を払つている。一体この黄変米の入つて来る最終責任というものはだれが持つておるのか、どこにあるのか、これを開いたのだが結局わからぬから、もう少し待つてくれというのでそのままにしておつた。そこで検査院の方にも両方お尋ねするのですが、一体買付商社が十分監督検査をすれば入つて来なくて、こうい損害もなければ、人の食べられないようなものを入れて来る必要もないのだ、またそういうものに金を払う最終責任は長官が持つておるのですから、そこでどこで検査をすれば入つて来ないか、どこに一体責任があるのか。この点を明らかにしないと、何年たつてもだんだん損害がふえて大きくなり、またこういう不正事件が次から次へ起つて来る、だから一番元の入つて来ないようにする。それは一体どこに責任があつてこういうものが次から次へ入つて来るか。これは前に聞いたのですがどうしてもわからぬので、あらためて長官と検査院と両方に聞きます。
  72. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。実はこの黄変米の発生につきましては、発生の原因はやはりビルマにおける保管状況、つまり雨期以後におきまするものについて黄変米が発生いたすわけでございますので、これを根絶いたしまするためには、雨期以前に積出しむ下るということが必要だろうと思うわけでございます。もちろん検査をいろいろいたしまするけれども、一般につきまして一万トンのものを積み込むわけでございます。前もつて検査ができればわれわれとしても非常に好都合でございまするが、ビルマの国内に入つて検査ということができませんので、結局船積みする際におきまし、抜取り検査をする、こういうこと以外には検査としてはできないわけでございます。従いましてそういう検査よりも——検査で確実を期することも必要でございまするが、むしろ発生するおそれのないように雨期前に物をとる、雨期以後にはとらないということが根本的な考え方ではないか、かように考えるわけであります。(「そういうことを聞いているのではない」 と呼ぶ者あり)なおこの問題につきましては、買入れは食糧庁でやるわけでございます。ただ食掛庁で買入れいたしまする場合におきまして、商社と契約をいたす場合、その契約の条件に違反しておりますときには商社に対しまして賠償をとるという形になろうと思います。なお商社とビルマ政府との関係におきましては、これはやはり仲介機関として、もし契約の条項にそういう事項がございますれば、商社とビルマ側との関係になるわけでございます。ビルマ政府と日本政府と契約いたしました場合におきましては、日本政府とビルマ政府との関係ということになりますが、この買入れの責任は、現在食糧庁が買入れをいたすわけでありますから、その点については食糧庁に責任があるということになります。
  73. 大矢省三

    ○大矢委員 それではこういうことでいいですか。商社で買いつけたときに、それは国内で検査はできない。そこで船積みみのときに検査をする。だからあくまでも商社が検査をして船積みをした、あるいは船積みのときに検査する、その結果としてこつちへ食えないものが入つて来たのだから、食べられないものを入れるという契約はないはずだ。そこでそういう食べられないものを入れて来た商社に向つてどうして金を払うか。契約違反ではないか。従つてそれを払つた責任食糧庁長官にあるのかどうか、それを聞いておる。それからもつと検査をすれば入つて来ないでいいのじやないか、どうして次々に同じものが入つて来るのかと言つているのです。だからどうすればこういう食べられないものが入らないで済むか、それからだれに一体最終責任があるのか。商社にあるのか食糧庁長官にあるのか、この点をはつきり伺つておきたい。
  74. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。第二の問題のどうすれば入らないか、こういう問題につきましては先ほど申し上げましたように、雨期前に買うということが入らないようにする一番根本的な方法であろうと思います。その点はもちろん検査ではきまするけれども、これはごく補助的なものでございますから、雨期前に菌が発生しないようなもを買う、それには雨期前にビルマ米が積み出されるようにする、雨期以後におきましてビルマ米を精み出さないようにする、こういうことにするのが、これが根本的に入らないようにする方法であろうと考えておるわけであります。  なお商社との関係におきましては、商社に対しましてブロークンの混入率幾らというような契約条項がございますので、その契約条項に違反しますれば、それに対して賠償金をとるということになるわけでございます。ただ二十七年度に入りましたのは、政府間において契約をいたしたものでございます。
  75. 安井大吉

    安井委員長代理 検査員の小峰第三局長からさつきの質問のお答えがあるそうです。
  76. 小峰保榮

    ○小峰会計検査院説明員 私どもこの案件を検査しておりまして、実は御質問のような疑問を相当広く持つておるのであります。実情といたしましては、ビルマ米を十五、六万トン年々今までに買つておるのであります。百億からの金を払つておるわけでございます。ところがこれを受取るにつきまして、食糧庁から検査においでになつているということが従来なかつたのであります。二十八年になりまして初めて一人かおいでになつた、商社とは買付委託型約という形で現在やつております。はなはだ妙な言い方かもしれませんが、従来は商社にまかせきりだつたのじやないか。なるほどビルマ検査規格というものがございますが、これは日本と違いまして、いわば黄変米というものはあまりいやがらない国の検査規格でありまして、日本のような国では通用しない。日本はこの検査機関で通つたものじや困るわけでございます。そういう状態でありますのに、検査がされていたという判然たる資料が私どもには見当らないのであります。ところが買付委託契約の方を見ますと、業者は善良な管理者の注意をもつてこれを輸入しなければならない、こういう条項があるのであります、文字通りにこれを読んで参りますと、業者がこういうものを積まれて神戸なり横浜へ来てこちらで検査をなさるという場合には、当然この条項を生かして何らかの措置ができるんじやないか、こういう疑問を持つわけでございます。現在までそれを活用されたという話を実は伺つておらないのでございます。二十七年度検査といたしましては、私どもとしてはこれらの点に実は重点を置いて現在やつておるわけでございます。
  77. 大矢省三

    ○大矢委員 今承りますと、二十八年から検査官が向うに行つたということですが、それまでは行つておらぬのか、行くことができなかつたのか、それが一つと、それから商社に対する損害をどうしてとらないのか、今検査官が言うようにとり得るじやないか、それを請求したことはあるのか、それからとれないというならばどういう理由によつてとれないのか。
  78. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。検査につきましては、従来われわれの方から特に検査として派遣をいたしておるわけではございませんで、ビルマの検査規格に応じて現品受渡しのときに商社にその検査を委託いたしておる次第でございます。本年度において特に検査の立会いのために人を派遣いたしたわけであります。  なお商社に対する責任追及の問題でございますが、これの場合におきましては善良なる管理者の注意を持つて商社としては、その責任に当つたのでなかろうかというふうに考えておるわけであります。
  79. 松山義雄

    ○松山委員 商社というのは日本人の商社でございますか、ビルマ人の商社でございますか。それからこれは法律[的に言えば貸担保だろうと思うのですが、貸担保とすると、ことに商社が日本人だということになれば、当然日本の法律でもできるわけであります。かりにビルマ人の商社としても、やはり先ほどの長官の話では、検査でそのとき発見したのは拒絶しているという話でございますが、拒絶ができるとすれば、当然貸担保としてこれは請求ができるんじやないかというように考える次第でございます。その商社はビルマ人の商社であるか、日本人の商社であるか。それから貸担保としての問題はどうであるか、伺いたいと思います。
  80. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 商社の場合におきましては、取扱い商社として食糧庁が買い入れます場合は日本商社でございます。それから貸担保の問題でございますが、これは契約条項として貸担保の責任を追究し得る立場にございます。この貸担保なりやいなやという点が、善良なる管理者の注意を払つているかどうかという点にかかつて来ると考えておるわけでございます。
  81. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 今松山委員の聞いてくれたことを私はさつから聞きたかつた。これは政府間の契約であつても、貸担保、危險負担はどうなつておるのか。つまり貸担保の限界ですね。船積みまでにおけるところの瑕疵はどちらに責任があるのか。それともこちらの陸揚けまでにおける瑕疵の負担はどちらにあるのか。また危險負担等のことも、海上輸送のことですからおのずからあるでしよう。そういつたようなことをわれわれははつきり知りたい。その貸担保の責任の所在いかんによつていわゆる求債権が行われる。代金の返還請求権が行われるわけであります。そういりような契約がどうなつておるのか。それからただいまあなたの言うのは、商社に委託して検査をしてもらつているというから、貸担保の問題は商社との関係ではない。政府と政府間の売買契約であるならば、ただ検査を商社に頼んだだけである。商社に頼んだとすれば、その商社が不完全なる検査をしたいというなら、損害賠償の請求だけであつて、売買の貸担保の請求ということにはならぬでしよう。そういつたようたとをわれわれはいま少し、あまり抽象的でなく説明してもらいたい。この問題について先ほど私は伺つたが、二十七年に行つて、船積みのときに検査を委託された。その船積みのときの検査でどれだけの瑕疵があつたかなかつたか。昭和二十八年以後、船積みのときの検査で瑕疵が発見されたのか、すなわち黄変が発見されたのかされなかつたのか。それから商社に検査を委託したのであれは、いかなる商社に検査を委託して、その瑕疵が発見されたのかされなかつたのか。貸担保の責任、売買契約においての瑕疵はどの範囲までにおいて負担するのか。危險負担はどこが負担するか。昭和二十七年に行つて検査したときに瑕疵は発見されたかされなかつたか。されたとしたならば、そのときにすみやかに売主に向つてこういう瑕疵があつたのはどうか。町の商人問でも送つて来た品物に対して向うの商人に、たとえば陶器のこわれがあつた、一割こわれたとか二割こわれたということを送り主の方にすぐに請求するものですから、そういうようなことについて具体的に言つてもらいたい。抽象的な話はたくさんなんです。この黄変米についてどういうふうに、これこれについてはこうであつた、ああであつたという具体的な話をしてもらいたい。
  82. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。この場におきましては政府と政府との間の取引でございます。従いまして契約は日本政府とビルマ政府との取引になつております。責任関係は大体ビルマ政府と日本政府との関係になります。商社はそれの代行といたしまして船積みだけをやるわけでございます。
  83. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 どちらの代行ですか。
  84. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 日本政府の代行といたしまして。ですからFOBから船積みで到着までの間に危險負担、瑕疵がございますと、この商社の責任になる。こういうような関係になつております。なお具体的にはそれぞれの契約によりますので、契約は詳細に調べて御報告申し上げたいと思います。
  85. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 瑕疵が商社の責任ですか。
  86. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 船積み中におきまして瑕疵の責任が発生しました場合における責任が商社にある。商社の責任は船積み中の責任だけでございます。
  87. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 最初に伺いますが、黄変米は必ずしもビルマの米だけでなしに最近に来たアルゼンチン、エクワドルの米なんかにもやはり黄変米が入つているようですが、その他の国のものにも入つているのだと思う。それで二十六年以前に、二十四年、二十五年にやはりずいぶん外米が入つたのだと思いますが、それには黄変米が入つておつたけれども気がつかなかつたのか、実際入つていなかつたのか。その点を第一に伺いたい。
  88. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 二十六年にも外米が相当入つたわけであります。これは量的な関係でございますが、その前には入つておつたかもしれませんが、発見されなかつたと申しますか問題にならなかつた。事実問題としてこの点についてはあまりはつきりしなかつた。二十六年に発見されまして、それを食糧研究所におきまして研究した結果毒性が発見されたということからああいう問題に入つたわけであります。
  89. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 砕米が入つて来た。これを処分されているようですが、砕米の中には黄変米というものは入つていないのですか。入つているのですか。
  90. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 この場合におきましては砕米がタイから普通の数量と一定の比率で参るわけであります。この中に今まで砕米で黄変米が発見されたという経験は承知いたしておりません。
  91. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 この黄変米の問題は私はもう事態をはつきりさせなければいかぬと思う。長官はおそらくその後長官になられたので、実際その当時の責任者でないかもしれませんけれども、やはり事をはつきりさして、今後そういうことのないようにして行かねばならぬ。そういう意味で質問するのですが、どうも次から次に黄変米が入つて来る。二十六年には九千何百トンというものが入つたということですが、その次の年度には、ことしの七月の何では一万三千何百トンというふうにさらにふえているのですが、これは事実ですか。
  92. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 二十六年度の九千三百トン、二十七年度は一万三千トンであります。
  93. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 そういうふうに次から次にふえて来るのをそのままほうつておつたという理由は、どこかそれが適当にはけて行くところがあつたからじやないか。それがはけて行かないでほんとうに食糧庁の欠損だけであつて、何人も利益するものがないということだつたら、もつと真剣になつてこれを防遏する手段を講じたのではないか。ところが、食糧庁は非常な損失をするけれども、他方にはこれで非常に得をするものがあつて、それがこの解決を——故意じやないかもしれぬけれども、いくらか遅らせておるのじやないかというような疑惑を持つのです。それでこの一万三千何百トンという二十七年度に出た分の払下げは済んだのでしようか。
  94. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 本年の七月から九月にかけまして売却をいたしてあります。
  95. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 その売却方法は多少改善されておりますか。あいかわらず日本糧殺に対する随意契約というものでやつたのですか。
  96. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 二十八年度に売却いたしました一万三千トンにつきましては、まず一%以内のものにつきましては菓子用に充てました。これは各府県に対しまして割当てまして、数量を通知いたしまして、府県の知事が指定しました菓子業者に対しまして直接売却をいたしました。それから蒸溜酒の場合におきましては、直接蒸溜酒業者に対しまして売却をいたしました。アルコール特別会計に対しましては、アルコール特別会計と直接の契約を結んで売却をいたしました。
  97. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 そうすると、その直接アルコール醸造業者に払い下げたというのは、競売で払い下げたのですか、あるいは随意契約で払い下げたのですか。
  98. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 随意契約でございます。
  99. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 二十六年度の分でも若干は指定した数人の者に競売にさしておる。ところが大部分は日本糧穀を通して随意契約でやつておる。その価格を見ると約一割違う。つまり随意契約の方が安い。ですからわずか三人、四人の中に東洋醸造というものも入つておる。しかも東洋醸造というものは、これで見ますと、日本糧穀株式会社の大株主である、それですらも、やはり何人かほかのものをまぜて競売さしたときの落札三千一トンというものの競落値段と、それから日本糧穀へ払い下げたときは約一割差がある。こういうことを考えると、どうもこれはよほど真剣に考えないと、天下の非難を受ける。これから私はもう少し聞きたいことがあるのですけれども、ほかの方もいろいろ聞きたい点もあると思いますから、私はなおあとに質問を留保いたしますけれども、多少迷惑のかかる方があるかもしれぬ。現に私があるところで、こういう事態が大体調べたところであるという話をしたところが、某県の米屋が人を通じて私のところへ来て、そうしてその払下げを骨を折つてもらいたい、それだけのたねを持つておるならば、払下げを骨を折つてもらいたい。そうすればこうする、ああするということを言うて来たのです。それに聞きますと、払い下げたものは何でも倍にはすぐ飛ぶように売れるのだ、こういうことを言つておるので、これはよほど深刻な問題で、多少迷惑がかかるところがあつても、もう間違つた人は間違つたでしかたない。ちようど国鉄会館問題のようなもので、これはやはり明らかにして、そうして国民が承服するようにしなければならぬことである。ですから長官はよく知らないところはひとつよく研究していただいて、そうしてありのまま、今後はこういうふうにして起らないようにするというような結論におちつくように持つて行きたいと思います。きようはこれだけにします。
  100. 安井大吉

    安井委員長代理 先ほど杉村委員の質問で、答弁の足りないところがあつたようですが、杉村委員もう一度言つてください。
  101. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 先ほど私が伺つたのに対して、どうも答えが足りなかつたのですが、昭和二十六年にたくさんの黄変米が出たのだから、昭和二十七年と二十八年にこれを減らそうとするならば、先ほど言つたように出先機関もあるのだから、検査したのか、しないのかと聞いたら、船積みのときに検査させたという。その船積みのときに検査させたときに黄変米が発見されたのか、されなかつたのかということですね。そのことのお答えがない。それはどうなんですか。
  102. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 二十七年度におきましては、こちらから検査員を派遣いたしておりません。ただ受渡しの場合におきまして、商社をして検査をやらせておるわけでございます。ただ検査は、御承知のように、全量検査はとうてい不可能でございます。その際に検査をして発見いたしましたものは取除いておるわけでございます。
  103. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 あつたのですか、なかつたのですか。いろいろよけいなことを言わぬで、二十七年に検査をしたときに黄変米を発見したのか、しなかつたのか。二十八年に船積みのときに検査したときに、黄変米の発見がされたのか、されなかつたのか。ほかのことを言わぬでそれだけ聞けばいい。
  104. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 検査をいたしまして、発見したものにつきましては、それは取除いておるわけであります。
  105. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 取除いておるとかおらぬとかいうのでなくて、あつたのかなかつたのか聞いている。
  106. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 二十七年度の船積みの場合におきましては、黄変米が発見されなかつたわけでございます。二十八年度におきまして、これを検査をやりまして、その検査をしたものにつきましては引取り拒絶をいたしておるわけであります。
  107. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 そうすると、二十六年度にたくさんの黄変米が出たから、二十七年には検査させたわけでしよう。二十七年に検査をさせたならば、検査のときに発見しなかつたというのですね。ところが二十七年に今度こつちへ来たらまた黄変米が出たわけでしよう。それでは二十七年に頼んだ検査は不完全であつたということはおわかりになりましような。二十六年度にたくさん出たから、二十七年には今度船積みのときに検査させた。そして検査のときには少しもなかつた。ところが陸揚げしたところが黄変米が出た。そうすると二十八年にはどういうような方法をとりましたか。二十八年度検査したときはいかがですか。
  108. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 検査の場合におきましては、発見したものは引取り拒絶をいたしておるわけであります。ですから二十七年度におきましても、検査をいたしましたものにつきましては……。
  109. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 そういうことを聞いているのじやないんですよ。わかりませんか。二十八年に検査をしたときには、あつたのかなかつたのか。二十七年にはなかつたというが、二十七年にはなかつたのに、こちらへ陸揚げしたらあつたという。だから二十八年には、検査をしたときにはあつたのですか、なかつたのですか。いろいろなことを言わないでいい。あつたかなかつたか、あつたらどうしたか。
  110. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 申し上げますが、二十八年度におきましては、検査をいたしましたときにはありました。ありましたから、それは結局引取りを拒絶いたしております。現地であつたものにつきましては、引取りを拒絶して引取らないむけであります。
  111. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 数量は。
  112. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 数量は、これは現地の状態でございますからわかりません、引取らなかつたのでございますから。それから二十七年度におきましても、検査をいたしまして、あつた場合にはそれを引取つておりません。つまり引取拒絶をするわけでございます。
  113. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 今二十七年にはなかつたと言つたじやないですか。
  114. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 検査をして、現地で引取り拒絶をしたものはあつたと思います。あつたろうと思います。これは私も現実にやつたわけではございません。
  115. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 さきのこの受取契約と品質との関係について、この際なおちよつと聞いておきたいと思います。それは提出のこの資料によりますと、政府と政府との間の契約、GG米、この場合には品質を確定して買付契約をする、こういうことになつておるわけでありますが、そうするとこの品質を確定するという中には黄変米もしくは黄変というようなことは、品質に入るのか入らぬか、そこをきめておきたいのだが、いかがですか。
  116. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 ビルマ政府の規格といたしましては、黄変米はその規格の中に入つておりません。日本政府といたしましては黄変粒の混入を一%以内とかいうふうに、パーセンテージで押えております。
  117. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと日本側においては黄変は品質に触れる問題である。そういう場合にはそうすると政府と政府間においてクレームの問題が生ずると思うのだが、その点はどうですか。
  118. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 従来におきましては、この問題はクレームの問題といたしまして、政府間におきましてビルマ政府といろいろ交渉いたしておりますが、ビルマ政府側としてはこれはクレームの対象にならないという見解を主張いたしておるわけであります。そこで今後の措置といたしまして、本年度におきまして契約をいたします場合に、その条項を入れるということにいたしておるわけであります。
  119. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しからば、従来政府間の契約を取結んだ場合には、クレームの問題が生じた、こういうことになつております。その経過はひとつ次回に詳細に述べてもらいたいと思います。先方の意向のいかんにかかわらず、契約でありますからこちらの主張もあるわけです。次回にいたしましよう。
  120. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 これは議事の進行上次回に当時の農林大臣鷹川引禪氏を参考人として呼んでもらいたい。
  121. 安井大吉

    安井委員長代理 お諮りいたします。黄変米の問題についてはなお十分調本日の必要があると存じます。本日国政調査事項として要求いたしてもおります。また予算と関連した一貫した問題でありますから、次会はこれの調査をさらに進めて行くということにして、本日はこの程度で散会いたしたいと思います。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  122. 安井大吉

    安井委員長代理 本日はこれをもつて散会いたします。    午後三時三十三分散会