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1953-12-02 第18回国会 衆議院 決算委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十八年十二月二日(水曜日) 午後一時二十八分
開議
出席委員
委員長
田中
彰治君
理事
天野 公義君
理事
松山 義雄君
理事
安井
大吉君
理事
藤田 義光君
理事
吉田
賢一君 大上 司君 牧野
寛索
君 山本 勝市君 山田
長司
君 大矢 省三君
杉村沖治郎
君
出席政府委員
大蔵政務次官
愛知
揆一君
食糧庁長官
前谷 重夫君
委員外
の
出席者
大蔵事務官
(
主計局司
計課 長) 柳澤
英藏
君
会計検査院長
佐藤
基君
会計検査院事務
官 (
検査
第三局 長) 小峰
保榮
君 専 門 員
大久保忠文
君 専 門 員 岡林 清英君
—————————————
十一月三十日
昭和
二十六
年度
一般会計歳入歳出決算
昭和
二十六
年度
特別会計歳入歳出決算
昭和
二十六
年度
政府関係機関決算報告書
昭和
二十七
年度
一般会計国庫債務負担行為総調
書
昭和
二十六
年度
国有財産増減
及び現在額総
計算
書
昭和
二十六
年度
国有財産無償貸付状況
総
計算書
の
審査
を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の会議に付した事件
国政調査承認要求
に関する件
昭和
二十六
年度
一般会計歳入歳出決算
昭和
二十六年
慶特別会計歳入歳出決算
昭和
二十六
年度
政府関係機関決算報告書
昭和
二十七
年度
一般会計国庫債務負担行為総調
書
—————————————
田中彰治
1
○
田中委員長
ただいまから
決算委員会
を開会いたします。 まず
国政調査承認要求
に関する件についてお諮りいたします。前
国会
まで
承認申請
をいたして参りました
調査事項
が三項目ありましたので、
町会同様調査
を続けて参りたいと存じます。すなわち
調査事項
として、一、
歳入歳出
の実況に関する
事項
、二、
国有財産
に関する
事項
、三、
政府関係機関
の収支に関する
事項
、この
調査目的
、
方法
及び期間に関しては、
従前通り
といたしまして、この
承認要求書
を
議長あて
に
申請
いたしたいと存じますがこれに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
田中彰治
2
○
田中委員長
御
異議
なしと認めまして、
衆議院規則
第九十四条による
右要求書
の
申請
をいたしさおきます。
従つて
その作成及び手続については、
委員長
に御一任願います。
—————————————
田中彰治
3
○
田中委員長
次に
参考資料
の
提出要求
の件に関し、
関係官庁
その他各方面に対して、照今回答を求める必要あるときは、前会において
委員長
御一任を願いました
通り
、今回も取運びたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
田中彰治
4
○
田中委員長
御
異議
なしと認め、さようとりはからいます。
—————————————
田中彰治
5
○
田中委員長
それではこれより
昭和
二十六
年度
一般会計歳入歳出決算
、
昭和
二十六
年度
特別会計歳入歳出決算
、
昭和
二十六
年度
政府関係機関決算報告書
、
昭和
二十七
年度
一般会計国庫債務負担行為総調
書を議題として、大蔵省及び
会計検査院当局
の
総括的説明
を聴取いたしたいと思います。まず
大蔵当局
から
説明
を求めます。
愛知政府委員
。
愛知揆一
6
○
愛知政府委員
昭和
二十六
年度
一般会計歳入歳出決算
、同
特別会計歳入歳出決算
及び同
政府関係機関決算報告書
を
会計検査院
の
検査報告
とともに第十五回
特別国会
に提出いたしたのでありますがいまだ御
審議
を了しておりませんので、その大要を御
説明
申し上げます。
昭和
二十六
年度
予算
は、
昭和
二十六年三月二十八日に成立いたしました本
予算
と、同年三月三十一日及び十一月三十日に成立いたしました
補正予算
とからなるものでございます。
昭和
二十六
年度
の本
予算
は、
わが国経済
の
自主目立態勢
の
確立強化
のため、従来の
財政政策
を原則的に踏襲するとともに、内外諸情勢の推移に対処しつつ極カインフレーションの回避に努め、も
つて
健全な
経済基盤
の育成と公正な
国際競争力
の充実とに寄与し得るよう
所要
の転換を行うことを目途として
総合予算
の均衡、
財政規模
の縮小、
政府資金
の
積極的活用
、輸出の
振興
、民生の安定、文教及び
科学振興等一連
の構想のもとに編成されたものでございます。 ところが
昭和
二十六年九月
平和条約
及び
安全保障条約
の調印が行われましたため、これに関連して予想される新
事態
に対処する必要に迫られ
所要
の
補正予算
を編成いたしたのでありますが、この場合におきましても、
財政金融
の
基本方針
は既定の
方針
にのつとり、
経済
の安定及び
能率化
とその発展をはかることに意を用いたのでございます。 しこうして、
予算
の執行に当りましては、
予算編成
の趣旨に従い、その
目的遂行
のために、
予算
の
効率的使用
をはかるとともに、一方極力
経費
の節減に努め、さらに
予算決算
及び
会計令等会計
に関する
法令
の
整備
をいたしまして、
予算使用
の合理的
かつ
適正な
運営
を期した次第でありまするが、
会計検査院
から千百九十八件に上る
不当事項
の御指摘を受けるに至りましたことは、種々
事情
の存することとはいえ、遺憾にたえないところでございます。これにつきましては、一層綱紀の粛正を強化するとともに、
会計法令
の
整備
、
経理職員
の資質の向上をはかる等、逐次
経理
の適正な
運営
を確保するよう十留意いたしておる次第でございます。 以下
決算
の
内容
を数字をあげて御
説明
申し上げます。
一般会計
の
歳入
の
決算額
は八千九百五十四億円余、
歳出
の
決算額
は七千四百九十八億円余でございまして、
歳入歳出
を差引いたしますと、千四百五十六億円余の
剰余
を生ずる
計算
でございます。この
剰余金
から、
昭和
二十七
年度
に繰越しました
歳出
の
財源
に充てなければならない
金額
七百三十一億円余及び
昭和
二十五
年度
剰余金
の
使用残額
二百六十八億円む差引いたしますると、四百五十五億円余が本
年度
新たに生じた純
剰余金
となるのでございます。なお、右の
剰余金
千四百五十六億円余は
財政法
第四十一条の
規定
によりまして、一応翌
年度
の
歳入
に繰入れるものでありまするが、そのうち、本
年度
新たに生じました純
剰余金
四百五十五億円余の二分の一を下らない
金額
は、同法第六条の
規定
によりまして公債または借入金の
償還財源
に充てることとなるものでございます。 以上の
決算額
を
予算額
と比較いたしますと、
歳入
におきましては、
予算額
七千六百三十七億円余に対しまして千十七億円余の
増加
となるのでありますが、このうちには前
年度
剰余金
の受入れが
予算額
に比べて六百三十九億円余を
増加
いたしておりますので、これを差引いたしますと、純然たる本
年度歳入
としては三百七十八億円余の
増加
となるのであります。その
内訳
は
租税
及び
印紙収入
における
増加額
四百三十二億円余、官業及び
官有財産収入
における
減少額
十二億
可余
、雑
収入
における
減少額
四十一億円余と相な
つて
おります。
租税
及び
印紙収入
において
多額
の
増加
を生じましたのは、
朝鮮事変
の
影響等
により異常の好況を生じたため、
所得税
、
法人税
において予想以上の増収を生じたためでございます。一方
歳出
におきましては、
予算額
七千九百三十七億円余に前
年度
一般会計
からの
繰越額
三百七十億円余及び
緊要物資輸入基金特別会計法俯則第
六号及び第八号の
規定
に基く旧
貿易特別会計
からの
繰越額
五十九億円余、計四百二十九億円余を加えました
予算
現額八千三百六十七億円余から
支出済額
七千四百九十八億円余を差引いたしますと、その
差額
は八百六十八億両余でありまして、そのうち翌
年度
に繰越しました額は、前に申し上げました
通り
七百三十一億円令、
不用額
は百三十六億円余と相な
つて
おります。 右の翌
年度
への
繰越額
のうち、改正前の
財政法
第二十五条の
規定
によ
つて
、あらかじめ
国会
の
承認
を得て翌
年度
へ繰越しました
金額
は六百八十八億円余でありまして、その
内訳
のおもなるものは、
終戦処理事業費
におきまして、
連合国軍
の
工事
、需品、
役務等
の
調達要求書
の発出時期の
関係
から
年度内
に
支出
を終らな
かつ
たもの、
出資
及び
投資
において
国際通貨基金
に加入の運びに至らな
かつ
たため
年度内
に
支出
を終らな
かつ
たもの、並びに
平和回復善後処理費
において
講和条約
が発効しな
かつ
たため
年度内
に
支出
を終らな
かつ
たもの等でございます。 また
財政法
第四十二条但書の
規定
よ
つて
避けがたい
事故
のため翌
年度
へ繰越しました
金額
は三十億円余でございまして、その大
部分
は
公共事業費
、
一般施設費等
のうち天候、資材、電力、
敷地等
の
関係
上避けがたい
事由
によ
つて年度内
に
支出
に至らな
かつ
たものであります。 なお、学校及び
保育所
の給食の用に供する
ミルク等
の譲与並びにこれに伴う
財政措置
に関する法律第五条の
規定
によ
つて
翌
年度
へ繰越した
金額
は十三億円余でありまして、これは脱脂粉乳の
輸入
に際し、
船舶
並びに
海外市場等
の都合により到着が遅延いたしましたため
年度内
に
支出
を終らな
かつ
たものであります。 次に
不用額
でありますが、そのうちおもなものは
行政部費
における三十八億円余、
社会
及び
労働施設費
における二十五億円余、
出資
及び
投資
における十八億円
余等
でありまして、
行政部費
につきましは
海外出張
が少
かつ
たため、
海外出張
その他海外払い
関係諸費
を要するにとが少
かつ
たことと、
郵政事業特別会計
における
収入
の
増加
に伴い繰入れを要することが少
かつ
たことなどによるものであり、また
社会
及び
労働施設費
につきましては
生活護費
及び
国民健康保険費
において、被
保護人員
並びに
補助対象
が
予定
より少
かつ
たことと、
失業保険特別会計
において
保険金
の給付が少
かつ
たため繰入れを要することが少
かつ
たことなどによるものであり、最後に
出資
及び
投資
につきましては、
貴金属地金代金
の
不足補填
の
所要額
が少
かつ
たためであります。 次に
予備費
でありますが、
昭和
二十六
年度
一
会計
における
予備費
の
予算額
は十億円でありますが、その
使用総額
は九億百万円余とな
つて
おります。そのうち
昭和
二十六年十二月七日までの
使用額
八億千五百万円余につきましては、第十三
国会
において、また同年十二月八日以降
昭和
二十七年三月末日までの
使用額
八千五百万円余につきましては、第十六回
国会
において、それぞれ御承諾をいただいておりますので、
説明
を省略させていただきます。 次に
一般会計
の
国庫債務負担行為
について申上げます。
財政法
第十五条第一項の
規定
による
国庫債務負担行為
の
可能額
は三十一億円余で、これは
全額債務
を負担いたしましたが、これに
既往年度
からの
繰越額
を加え、
昭和
二十六
年度
中に
支出
その他の
事由
によ
つて債務
の消滅いたしました額を差引きました
金額
四十七億円余が翌
年度
以降に繰越されたこととなります。また
財政法知
十五条第二項の
規定
に基く
国庫責務負担行為
は本
年度
はございませんので
既往年度
からの
繰越額
のうち
昭和
二十六
年度
中に
支出
その他の
事由
によ
つて債務
の消滅いたしました額を差引きますと、翌
年度
以降へ繰越した額は千九百万円余となります。 次に
昭和
二十六
年度
特別会計
の
決算
につきましては、それぞれの
決算書
によ
つて
御了承願いたいと思いますが、同
年度
における
特別会計
の数は三十四でありまして、これら各
特別会計
の
歳入決算額
は一兆四千億円余、
歳出
の
決算総額
は一兆二千七百五十億円余であります。これを
一般会計
の
決算額
と合せ、相互の
重複額等
を控除調整いたしました
決算
の純
計額
は、
歳入
において一兆八千六百六十五億円
余歳出
において一兆六千十四億円余となる
計算
であります。 次に、
昭和
二十六
年度
政府関係機関
の
決算
でありますが、同
年度
における
政府関係機関
の数は十九でありまして、その
収入支出決算
の
内容
につきましては、それぞれの
決算書
によ
つて
御了承願いたいと思います。 以上
昭和
二十六
年度
一般会計
、
特別会計
及び
政府関係機関
の
決算
につきまして、その概略を御
説明
申し上げたのでありますが、詳細につきましては、さらに御質問の都度御
説明
申し上げたいと存じます。なにとぞ御
審議
のほどお願いいたします。 引続きまして
昭和
二十七
年度
一般会計国庫債務負担行為
に関する
報告
につきまして御
説明
を申し上げたいと存じます。 第十六回
国会
において御
報告
申し上げました
昭和
二十七
年度
一般会計国庫債務負担行為
につきましてあらためて御
説明
を申し上げます。
昭和
二十七
年度
におきまして、
財政法
第十五条第二項の
規定
により、
災害復旧
その他緊急の必要がある場合に
国庫債務負担行為
をすることのできる
金額
は三十億円でありまして、このうち
昭和
二十七年十二月七日
火災
により焼失した
北海道大学工学部
の建物の
火災復旧
に対しまして、
昭和
二十八年二月十七日閣議の
決定
を経まして四百四十四万七千円の範囲内で
債務
を負担する行為むすることといたしました。 以上をもちまして、
昭和
二十七
年度
国庫債務負担行為
に関する
説明
といたします。
田中彰治
7
○
田中委員長
ちよつと
委員長
から
皆さん
に御了解を求めておきます。 このたび御
承知
のごとくいろいろな
事情
がありまして、
鳩山自由党
から
吉田自由党
に合同して
参つて
、この
委員長
も
与党
の
委員長
と
なつ
たのであります。そこで
皆さん
が今後の
決算委員会
は相当ゆるめられるものとお考えになる方があるかもしれませんが、
決算委員長
は、御
承知
のごとく、
国民
の血税がいかに正しく使われたか、これにむだがないか、不正がないかを調べで、これを寔正するのが
委員長
の
任務
でありますから、今後
与党
に
なつ
たといえども、私は
決算委員長
としての
任務
を徹底的に行いたいと思います。これがためにたとえ内閣に傷がつくようなことがあ
つて
も、
決算委員長
のこの職に傷
かつ
くようなことがあ
つて
も、それはそのときの成行きでこれにはこだわらずに徹底的にやろうと思いますから、どうか
皆さん
もこの公平に職務を行う
委員長
に対して、今まで
通り
かわらない御声援を賜わらんことをお願いしておきます。 次にただいまの
説明
に引続き
会計検査院
から
決算検査
の概況について
説明
を求めます。
会計検査院長佐藤基
君。
佐藤基
8
○
佐藤会計検査院長
昭和
二十六
年度
決算検査報告
につきまして、その
概要
を
説明
いたします。
昭和
二十六
年度
決算検査報告
には、国の
収入支出
の
決算
の確認、
検査
上不当と認めた
事項
のほか、
会計事務職員
に対する
懲戒処分
の
要求
及び検定、検察庁への
通告事項
、
政府関係機関
に関する
検査事項等
を記述いたしてあります。
昭和
二十六
年度
の
一般会計決算額
は、
歳入
八千九百五十四億余万円、
歳出
七千四百九十八億余万円、各
特別会計
の
決算額合計
は、
歳入
一兆四千億余万円、
歳出
一兆二千七百五十億余万円でありまして、
一般会計
及び各
特別会計
の
決算額
を
総計
いたしますと、
歳入
二兆二千九百五十五億余万円、
歳出
二兆二百四十九億余万円となりますが、各
会計
間の
重複額等
を控除して
歳入歳出
の純
計額
を概算いたしますと、
歳入
一兆六千五百三十二億円、
歳出
一兆五千九百五十二億円となり、前
年度
に比べ
歳入
において三千三百五十九億円、
歳出
において二千六十一億円の
減少
とな
つて
おります。
政府関係機関
の
昭和
二十六
年度
決算額
の
総計
は
収入り
五千九百四十五億余万円、
支出
四千百七十九億余万円でありまして、前
年度
に比べ、
収入
において五千四百六億余万円、
支出
において五千九十五億余万円の
減少
とな
つて
おります。 以上申し上げました国
会計
及び
政府関係機関
の
会計
の
決算額
のうち、
会計検査院
においてまだ
検査
が済んでいないものは
総計
九十九億四千七百余万円でありまして、そのうちおもなものは、
終戦処理費関係
の
歳出
八億九千八百余万円、
特別鉱害復旧特別会計
の
歳出
六億七千二百余万円、
日本国有鉄道
の
歳出
四十六億九千八百余万円などであります。 次に、
会計検査
の結果、
経理
上不当と認めた
事項
及び是正させた
事項
として記述しました
事項
の件数は、
合計
千百十八件に
上つて
おります。 今これを
経理
の態様に
従つて金額
を概計いたしますと、
不正行為
による
被害金額
が一億二千九百余万円、
架空経理
などの
法令
または
予算
に違反して
経理
したものが三億六千六百余万円、
検収
不良のためまたは
計算
上の
過誤等
のため、誤払いまたは過渡しとな
つて
いるものが七千四百余万円、
補助金
で
交付額
が適正を欠いているため、
返納
または
減額
を要するものなどが三億百余万円、
歳入等
で
徴収決定
が漏れていたり、その
決定額
が
正当額
を越えていたものが四億四十七百余万円、
工事請負代金
、
物件購入代金等
が高価に過ぎたり、または
物件売渡し代金等
が低価に過ぎたと認めたものの
差額分
が一億三千八百余万円、
不急不用
の
工事
の
施行
、
不急不用
の
物件
の
購入等
、
経費
が効率的に
使用
されず、いわゆる死に金を
使つた
と認めたものが十一億五千三百余万円、その他の難件を含めて、
総額
三十億五千八百余万円に
上つて
、おります。また、このほかにも
経理
上妥当と認めがたいものとして、それぞれの
関係責任者
に対し、厳重な
注意書
を発した
事項
も多数あります。 二十六
年度
は、二十五
年度
に比べまして、
架空経理
など
法令
または
予算
に違反した
経理
において十一億二千九百余万円、
工事請負代金
、
物件購入代金等
が高価に過ぎたり、または
物件売渡し代金等
が低価に過ぎたと認めたものの
差額分
において、八億二千百余万円の
減少
を示しているなど、
一般
的な傾向として、
経理改善
のきざしが現われているように感じられます。 しかしながら、
国民
の
租税
をおもな
財源
とする国及び
政府関係機関等
の
会計
において、このような
事項
がなお多数発生しておりますことは、はなはだ遺憾にたえませんので、その
責任
を明確にするとともに、発生の根源をふさぐことにさらに
努力
を傾けたいと存じます。 〔
委員長退席
、
安井委員長代理着席
〕 ここに
検査
の結果について、その
概要
を
説明
いたします。 第一は、
歳入
の
収納未済
についてであります。
一般会計
の
昭和
二十六
年度
の
収納未済額
は六百三十億余万円で、その
徴収決定済額
に対する割合は約六・五%に当り前
年度
の約七・二%に比べますと、やや好転しております。この
一般会計
の
収納
末
済額
に
特別会計
の
収納未済額
百六十五億余万円を合せると、
収納未済額
は七百九十五億余万円に上り、そのうちおもなるものは、
租税収入
の五百五十二億余万円、食料売払い代の六十一億余万円であります。これらの
収納未済額
のほか、まだ
徴収決定
をしていないものがあることなどを
考慮
すれば、事実上の
収納未済額
は、なお
多額
に上るものと認められます。これらの
収納未済額
について、は、国の
財政
にかんがみ、その
徴収
の促進について、なお一段の
努力
の要があると認められます。 第二は、
契約
の
締結
についてであります。
契約
の
締結
について十分な
注意
が行き届かな
かつ
た
事例
が相当見受けられます。すなわち、
契約締結
の
基本
となる
予定価格
の
算定
がずさんであつたなどのため、より低価に
購入
しまたはより高価に売り渡すことができたと認められる
事例
や、
競争契約
における
予定価格
の
算定
が緩に過ぎ、論議の余地のあると認められるもの、または
関係者
に
入札
を周知させる
方法
に
考慮
の足りな
かつ
たなどのため、結局
契約価格
において不利を来したものがあります。 また
契約締結
後の
事情
の変化に応ずる
処置
について、不十分であつたもの、あるいは相手方の
履行
が完全に行われないときは、
履行
の
補正
、
代金
の値引きその他適宜の
処置
をとらなければならないのに、
実施担当者
が的確な
検収
を怠つたり、
契約担当官
に対する連絡が十分でな
かつ
たなどのため、
契約金額
をそのまま支払
つて
いる
事例
もあります。 今そのおもな
事例
をあげてみますと、国税庁で
予定価格
の換討が不十分なため、
封印鉛
を高価に
購入
したり、営林署ですぎ及び
ひのき素材
を低価に売り渡したり、または
財務部
で
発電機
を低価に売り渡しているものがあります。 また、財務局で
入札
の
方法
について、
考慮
の足りな
かつ
たなとのため、
船舶
を低価に売り渡したり、あるいは
日本国有鉄道
で
価格改訂
に関する条件を付して
契約
すべきであるのに、その
考慮
がされな
かつ
たため、軌条を低価に売り渡しているものなどがあります。 第三は、
不急不用
または不
経済
な
経費
の
使用
についてであります。
工事
についてみますと、
事前調査
が不十分であつたり、
計画
が未熟であつたため、不
経済
な
施設
と
なつ
たものがあり、よた
物品
についてみますと、
多量
の
在庫品
があつたり、またはさしあたり
使用
の見込みのないのに
物品
を
購入
したり、
検収
が料漏であつたため、
料悪品
を受取つたものがあり、また
役務
についてみますと、
運送料
、
倉庫料等
の
支払い
が高価についているものなどがあります。 今そのおもな
事例
をあげてみますと、
電気通信省
で
海底軍線敷設引揚機
を建造させながら、遊休の状態とな
つて
いたものがありますが、この
機械
は
敷設船
の入手を前提としなければ
使用
することができないのに、
機械
だけを取急いで建造したものであり、
契約
のの際このような結果となることが予想されていたものであります。よた
農林
省で
事前調査
が不十分なため、一時に
多量
の
腕袋
を
購入
し、
購入
後まつたく
使用
することなく
営業用倉庫
に
保管
させたり、
警察予備隊
で病院の
施設
も要員も
整備
されていないのに、
手術用器械等
を
購入
したり、
日本国有鉄道
で、既設の
施設
を活用することができるのに、別に
施設
を新設したり、
特別調達局
で
営業用倉庫等
の
接収借料
の
支払い
が高価にな
つて
いるもの、または
通商産業局
で
アルコール原料用糖蜜
の
運送代金
の
支払い
が高価についているものなどがあります。このような
事例
に徴し、
予算
の
効率的使用
について、なお一層の
改善
を要するものがあります。 第四は、
物品
の
経理
についてであります。
現品
の
把握
や
帳簿整理
が不十分な
まま簿外品
があつたり、
不足
があつたり、また
保管
についても
責任者
が明確でな
かつ
たり、
保管方法
が適切でないため、亡失、毀損、
品質低下
を生じさせ、または
使用
に耐えなくな
つて
いる
事例
が多く、また外部からの盗難をこうむつたり、はなはだしいのは、ほしいままに
関係職員
により楓得される
事故
が発生しながら、
責任
の追求または
防止対策
が十分に行われてでいないものがあります。このように
物品
の
経理
がとかく粗漏となりがちになりますことは、
関係法令
の不備や
現品
の
把握
が必ずしも容易でないことによる面もありますが、
一般
に
物品
の取扱いは、現金に比べ軽視される傾両がありますので、その
経理
に関し、特に
関係職員
の関心を喚起する必要があります。 第五は、
公共事業費
についてであります。本費の
昭和
二十六
年度
支出済額
は千二十七億九千三百余万円で、九億五百余万円を翌
年度
に繰越し、九千八百余万円を
不用額
としております。本
事業
の
実施
についてその
経理状況
を見ますと、後に述べますように国の
市営工事
において
架空
の
経理
を打
つて
資金む捻出し、これを他に
使用
したものが、
農林
、
建設両省所管
において
総額
一億二百余万円に
上つて
おります。次に
工事
の
施行状況
を見ますと、国の
工事
におきまして、
工事
の
監督
または
竣功検査
が不十分なため
設計
に対し
出来高不足
を来したもの、
工事方法
について研究が不十分なため
工事費
を徒費した結果を来したもの、
計画
または
施行
が不良のため、
工事
の手もどり及び
工事費
の増大を来した
事例
が見受けられますが、このような
事例
については、
工事
の
計画
、
設計
にあた
つて
は
調査
の周到を期するともに、
工事
の
施行
にあた
つて
は
監督
、
検収
を厳にし、また
工事旅費
の時期、
請負業者
の
選定等
に留意するなど、
公共事美事
の
効果的使用
に努める必要があります。なお、
公共事業費支弁
の
補助金
の
経理
についても、次に述べますように、
不当事項
が多数発生しておりますことは、遺憾にたえません。 第六は、
補助金
についてであります。
補助金
の
経理
に関しては、特にその
対象
となる事実の
審査
、
交付
時期、
交付
後の
監督
及び
精算等
の諸点おいて適正を欠いているため、
補助金
の
返納
または
減額
を要するものなどが
総計
三億百余万円に
上つて
おりますが、その大
部分
は
公共事業費支弁
の
工事
に関連したものでありまして、この
事態
ははなはだ遺憾であります。そのおもな
事例
をあげてみますと、
農林
、運輸及び
建設各省所管
におきまして、
災害
を受けた事実の認められないものや、
災害復旧
とは認められない改良または
維持工事
を
災害復旧事業
として
補助金交付
の
対象
とした
事例
も、
原形超過工事
を
原形復旧工事
として処理し、あるいは
設計通り
に
施行
されていないのに旅行されたこととして処理したため、
補助金
の超過
交付
とな
つて
いたり、
事業
主体が正当な自己負担をしていない
事例
など、
補助金
の
交付
及びその処理について適正を欠く
事例
が多く見受けられます。特に
災害復旧事業
におきましては、緊急を要するためいわゆる机上査定によるものが多く、このため補助を受ける側の
設計
が過大となる傾向があり、他面、
補助金交付
事務に当る国の
会計
機関に補助を受ける側の都道府県の吏員を充てることが通例であるため、過大に
交付
された
補助金
に対する是正の措置が十分にとられないきらいがあります。このような
事態
に対し、主管省の現状としましては、現場について実地に査定を行う余裕に乏しく、また
竣功検査
についても
工事
完成後相当期間を経過しなければこれを行うことができない実情にありますので、主管省側の適切なる措置とともに、地方公共団体側における
補助金交付
事務の厳正な執行が肝要と存じます。なお市町村、農事実行組合等の
施行
した
工事
については、適正とは認められない処理をして正当な自己負担を避ける傾向等が認められますので、これらの
事業
主体に対する指導
監督
について、なお一段の留意が望ましいと存じます。 等七は、
架空
の名義による
支払い
その他不法の
経理
についであります。
経費
使用
の事実がないのに、その事実があつたように
関係
書類を作成して、その
経費
相当額を別途に
経理
して
使用
する
事例
につきましては、毎
年度
の
決算検査報告
に掲記するとともに、
関係
庁に対しても厳重に
注意
して参りましたが、二十六
年度
においても地方建設局の
工事
事務所、国税庁及び管下の同署並びに
農林
省管下の開拓または干拓建設
事業
所等において、
架空
の名義による
支払い
の
事例
が見受けられます。またその他不法の
経理
として営林局で素材の買受け希望者から概算
代金
を受領し、これを別途に保有して人夫賃、
物品
購入
費等国の
経費
に流用したり、あるいは国立病院で診療
収入
金をただちに
歳入
に払い込まないで、別途にこれを保有して、
工事費
、会議費等に流用するなど、ほしいままな
経理
をした
事例
が相当見受けられます。このような
経理
は、必要
経費
の
不足
や
経理
手続が煩わしいことを
事由
にしているものもあ
つて
考慮
を要する点もありますが、主として
法令
、
予算
及び
経理
の諸
規定
を軽視した点にあると認められ、これらの点につきましては、
関係
庁において
責任
の追求を厳にするとともに、
会計事務職員
の教育と
経理
の
監督
について一層
努力
の必要を痛感する次第であります。 第八は、職員の
不正行為
についてであります。
会計
事務に
関係
ある職員が
不正行為
により国または
政府関係機関
に損害を与えたもので、この
検査報告
に掲げたものの
金額
は一億二千九百余万円に上り、
昭和
二十七年十月末現在補填された額は二千四百余万円でありまして、被害金のおもなものは、郵政省の三千三百三十余万円、税務署の二千四百八十余万円、厚生省の千二百三十余万円、法務省の九百八十余万円、日本専売公社の九百七十余万円であります。このように
不正行為
が毎年跡を断たないのは、
会計
事務を執行する戦員の倫理観及び
責任
観の低いことを直接の原因としますが、
会計
帳簿等の
整備
及び記帳整理の迅速的確を期し、
会計
職員の資質の向上をはかり、
責任
観念を高揚するとともに、内部牽制組織等の充実徹底をはかることが特に必要であると認められます。 なお、
検査報告
の
説明
を終るにあたりまして、
会計検査院
の
検査
方針
及び
検査
状況について一言つけ加えたいと思います。国及び
政府関係機関等
の
会計
経理
に対しましては、
会計検査院
は特に
収入
の確保及び
支出
の節約をはかり、
経費
を効率的に
使用
しまた
事業
を能率的に
運営
し、
物件
を
経済
的に管理処分するとともに、
一般
的に当務者の
経理
の適正を期し、
かつ
不当事項
の是正及び発生の防止をはかるなど、適正な
経理
事務の執行を確保するよう、
検査
の徹底を期したいと存じている次第であります。
会計検査院
の
検査
は、書面
検査
及び実地
検査
の二
方法
によるのでありまして、書面
検査
においては、
昭和
二十六年十二月から
昭和
二十七年十一月までの間に、国及び
政府関係機関等
の
歳入歳出
等に関する
計算書
及び証拠書類を
検査
したものは十七万四千余期、六千六百余万枚であります。また同期間中に実地
検査
を
施行
した箇所は約二千九百箇所であります。なお、従来から現金
物品
の在高や
帳簿整理
の状況を
検査
する場合などは、必要に応じて予告しないで実地
検査
を行
つて
おりますが、今後はさらにこの
方法
を活用し、
検査
の徹底を期したいと思
つて
おります。
会計検査
に伴い
関係
上に対して質問を発したものは一万千余件に
上つて
いますが、
会計検査院
の
検査
の結果及び
経理
上の所見に対しましては、
検査
を受ける側の一層機敏な反応による内部是正が望ましい次第でありますので、
国会
におかれましても、この点についての一層の御支援をいただきたいものと存じております。
山本勝市
9
○山本(勝)委員 ちよつと数字上のことを伺いたいのですが、ただいまの
愛知
政務次官の
説明
されたものと
会計検査院長
の
説明
されたものとでは、
歳入歳出
の純計の数字が非常に違
つて
おるようです。これはどういうわけでそういうようにな
つて
いるのか、それだけ聞いておきたいのです。
佐藤基
10
○
佐藤会計検査院長
これは各
会計
間の重複額というものは何であるかということは非常に意見がわかれる場入が多いのです。見解が違うのです。そこでこういう結果が生じております。今まででも政府側のものと
会計検査院
側のものと一致した場合はむしろまれだと思います。
山本勝市
11
○山本(勝)委員 しかし違いが非常に大きいようです。
歳入
の純計が大蔵省側では一兆八千六百六十五億、
会計検査院
では一兆六千五百三十二億と二千百三十三億円違う。それから
歳出
の方では六十二億円違う。どこでどのように違
つて
来たのか。どういうふうな
計算
の仕方の違いからこういう違いが出て来たのか。二千億以上も違
つて
来たのはよほど
計算
の仕方が違うのじやないか。今日でなくてもけつこうですけれども、大省蔵回と打合せていただいて、こういう
計算
の仕方を大蔵省ではや
つて
おり、
会計検査院
ではこういう
計算
の仕方をや
つて
おるから、そこで二千億以上も違いが出て来たということを、何か資料を出していただきたいと思います。
佐藤基
12
○
佐藤会計検査院長
実は私も今
愛知
君の
説明
を聞いて大分
金額
が違
つて
おるので、違い方が多過ぎはしないかと心配したのですが、よく調べます。おそらく
計算
が違
つて
おるので、どちらも自分の
計算
が正しいと思
つて
おると思いますから、よく調べます。
山本勝市
13
○山本(勝)委員 大蔵省側でもひとつ……。
柳澤英藏
14
○柳澤
説明
員 ごもつともな御質問でありまして、これにつきましては十分調青いたしまして後ほど御
報告
申し上げますが、ちよつと一言申し上げておきますと、大蔵省でや
つて
おる
計算
は、
予算
の純計を一応出しておりまして、その
予算
の純計と同じ
方法
をと
つて
おりますので、どちらかといいますと、
検査
院の純計の
計算
の方がもう少し下の方まで掘り下げてや
つて
おる。その
関係
で違
つて
来ると思いますが、大分数字が迷違ますので、
調査
いたしまして御
報告
いたします。
山本勝市
15
○山本(勝)委員 ちよつとよくわからない点があるのです。二千億も違
つて
来るのは純計の出し方が違うのですか。
柳澤英藏
16
○柳澤
説明
員
予算
の際にも
予算
の純計をつく
つて
おります。それと同じ
方法
で
決算
の純計をつく
つて
おる、こういう意味でございます。
山本勝市
17
○山本(勝)委員 きようでなくともけつこうでありますが、とにかく同じ
決算委員会
に出して来る
決算
の純計が二千億も食い違
つて
おるのじや、これはそのまま見のがすわけには行かないと思います。おそらく毎年そうなのかもしれませんが、つまりよほどの
計算
の仕方の違いがあるに相違ない。これはきようでなくともけつこうであります。
—————————————
安井大吉
18
○
安井
委員長
代理 次に
昭和
二十六
年度
国有財産増減
及び現在額総
計算書
、
昭和
二十六
年度
国有財産無償貸付状況
総
計算書
の二件を議題とする次第でありますが、これに関しましては、すでに第十六回
特別国会
におきまして大蔵省及び
会計検査院当局
から
説明
を聴取いたしておりますので、この際その
説明
を省略いたしまして、同
国会
決算委員会
議録第九号第2ページを参照願い、一応検討期間を置きまして後日
審議
いたしたいと考えますから、御研究おき願いたいと存じます。
安井大吉
19
○
安井
委員長
代理 次に
昭和
二十六
年度
決算検査報告
中その二百ページ掲載、
報告
書番号七七四、不急の麻袋を
購入
したもの等に関連して、黄変米に関する
説明
を求めます。食料庁長官前谷重夫君。
前谷重夫
20
○前谷政府委員 黄変米につきましてその処分の状況を申し上げたいと存じます。
昭和
二十七年の
年度
中におきまして、ビルマからの食糧
輸入
——これは政府
輸入
でありますが、四万トン
輸入
いたしましたに際しまして、その中に黄変米が混入いたしておつたわけであります。この点に関しましてはわれわれも非常に遺憾に存じまして、その買付
方法
等につきましても十分その後検討いたしたわけでございます。結局におきましてビルマにおきます
保管
状況によりまして、雨期以後に入
つて
参りますものにつきましては相当の
検査
をいたしますが、輸送途中におきましてもそれの発性の危險性がございますので、原則といたしまして雨期以後の米は買わないということにして、この
検査
を厳重にいたしますと同時に、黄変米の発生を防止いたしておる次第でございますが、二十七
年度
に入
つて
参りました黄変米の
処置
につきましては、まずアルコール用及び蒸溜酒用という用途に区分いたしまして、混入率の多いものにつきましては、アルコール向け、混入率の少いものにつきましては蒸溜酒用に向けた次第でございます。アルコール工業用といたしまして通産省の官営アルコール工場に売却いたしましたものが四千百九十九トンございます。国税庁管下の蒸溜酒用に向ましたものが、二回ございまして、第一回が三千七百四十トン、第回目が千四百四十九トン、こういうことで
合計
九千三百八十九トンの売却をいたしたわけであります。これについて通権者に売却いたします場合におきまして、われわれといたしましては政府間の両
会計
の管理でございましたので、その間におきましていろいろ価格等につきまして協議をいたしたわけでございますが、その際におきましてその代行者といたしまして、中岡に日本糧穀株式会社を入れたわけであります。
契約
の面といたしましては、食糧庁から日本糧穀株式会社に対する売却、日本糧穀株式会社から国営アルコール工場に対する売却というふうな形にな
つて
おるわけでございまして、われわれといたしましては代行者、代理者というふうに考えておつたわけでありますが、その点につきましてはさらに検討いたしますと、事務的に代行者という面をもう少しはつきりすべきじやな
かつ
たかというふうに考えて、非常に遺憾に存じておる次第であります。 第二回のものにつきましては、食糧庁が指名いたしましたものに対して、指名競争
入札
によ
つて
売却をいたしたわけでございます。その指名競争
入札
に落札し得な
かつ
たものにつきましては、地方的に非常に散在いたしておりますので、これを売却すべく随意
契約
によ
つて
日本糧殻株式会社に売却むいたしたわけであります。この方式につきましても、その後におきまして、これを変更いたしまして、純粋の実需者に対する売却
方法
に改めた次第であります。ごく概略を御
報告
申し上げましたが、手続の点につきましても、事務的に不
注意
な点については非常に遺憾に存じておる次第であります。
吉田賢一
21
○
吉田
(賢)委員 それでは資料も来ておりますが、なお速記録に明らかにしておかなければなりませんので、少しく御質疑いたします。 いわゆる黄変米が入りました
年度
は、年歴別にするといつからいつまでになり、また本
会計
年魔において現在に至るまで、
年度
別に何ほどをどこの国から賢い受けたか、この点についてお尋ねいたします。
前谷重夫
22
○前谷政府委員 配布申し上げました資料の第三ページに
合計
といたしまして、二十七
年度
中に売却いたしました数量九千三百八十九トンがございます。これは二十六
年度
末から二十七
年度
中にかけて入荷いたしたものでございます。
吉田賢一
23
○
吉田
(賢)委員 今御
説明
の資料は以前配付されたもののようでありますが、新しい臨時
国会
のことでもありますから、あらためてあなたから御
説明
を願いたい。
松山義雄
24
○松山委員 議事進行について……。この資料を私ども配付されておりませんから……。
安井大吉
25
○
安井
委員長
代理 この資料を食糧庁の方で配付しましたか、しませんか。
前谷重夫
26
○前谷政府委員 詳細に国別、時期別につきまして資料を提出いたしたいと思います。
吉田賢一
27
○
吉田
(賢)委員 それならばすぐ資料を作成して、時期別は質付の年月日、それを貯藏して売渡しをした
年度
が翌
年度
にまたが
つて
おるものもあろうと思いますし、
会計
年度
であろうと思うけれど、需給
関係
は米穀
年度
でもありますので、その辺の誤解が生じないような記載をしていただきますことと、買いつけて政府が支払つた
代金
、その
内訳
には保険料とか運賃などが入るべき
契約
にな
つて
おるかいないかなどということと、それから今糧穀会社などで混入率によ
つて
用途が違
つて
おるような御
説明
がありましたが、これはやはりもつと明確にしていただかないと数字が出て来ないだろうと思うのでそれらを承りたい。要するにさつき御
説明
になりました点、私が指摘しようとした点につきましては、できるだけ詳細に資料として御提出願いたいと思います。 それからもう一つ聞いておきますが、巷間伝えるところによりますと、黄変米の有毒無毒説、有害無害説が最近流布されておるように聞くのであります。これは
農林
省といたしまして所見が一定しておるのかどうか、これもこの機会に承りたいと思います。
前谷重夫
28
○前谷政府委員 お答え申し上げます。黄変米の菌につきましては従来トクシュカリウム、イスランディア、タイ国黄変というような菌が発見されておるわけでございます。このトクシュカリウムの菌の毒性につきましては、従来からの研究によりまして確定いたしておるわけでございますが、最近発見いたしましたイスランディアの黄変菌の毒性につきまして、食料研究所におきましてごく短期間に研究はいたしましたけれども、さらに本格的に各大学病院に委嘱をいたしまして研究をいたしておる次第でございます。なお黄変粒につきましては、このほかに各種の菌があるわけでございまして、現在までに毒性として学者間におきましてほぼ意見が一致しておりますのは、トクシュカリウム菌とタイ国黄変、それからイスランディアにつきましても毒性があるだろうということにな
つて
おるわけでございます。
杉村沖治郎
29
○杉村委員 私はやはりそれに関連をしたのですけれども、この黄変米の買入れは政府が直接買入れたのであるか。それともどういう経路で買入れたのか、その買入れの経路な伺いたいのでありますが、その点いますぐお答え願えますか。 それから黄変に
なつ
たのは、つまり向うで買つたときからああいうふうな黄変米そのものを買つたのか、あるいは向うで買いつけて、船積みをしてから船中において黄変したものであるか、それともこちらに陸揚げしてから倉庫に入れておいて黄変したものであるか、その辺はいかがなものでしようか。
前谷重夫
30
○前谷政府委員 お答え申し上げますが、ビルマから
輸入
する場合におきましては、二つの方式がございまして、ビルマ政府といたしましては、政府間の貿易によ
つて
、政府間によ
つて
数量をきめ、価格もきめて
輸入
いたします場合と、ビルマの国内におきます国際
入札
によりまして、純粋に民貿の形で
輸入
する場合と二
通り
あるわけでございます。政府間で価格、数量をきめます場合におきましては、食糧庁といたしましてはFOBからCIFまでの間の
関係
におきましては、指定商社の
入札
制なと
つて
おるわけでございます。なお国際
入札
によりまする民貿の場合におきましては、その民貿の
入札
価格に対しまして、船積みその他の諸費用を加算いたしましてやはりテンダーで買うということにな
つて
おるわけでございます。この黄変米の発生につきましては、これは
保管
その他の
関係
で雨にぬれまして菌が付着するわけでございますが、従来からビルマ政府といたしましては、この黄変米につきましては、規格の点につきまして相当かわつた見解を持
つて
おるわけでございます。つまり黄変粒の混入というものを五%以内と以上とにわけておるわけでございまして、その点につきまして、特に黄変粒の混入につきましては、ビルマにおきます取引においてはあまり問題にしてないようであります。ただわれわれといたしましては、これも規格の変更につきまして申入れをいたしますると同時に、船積みという場合におきまして……。
杉村沖治郎
31
○杉村委員 ちよつとお答え中ですが、私が伺
つて
おるのはそういう抽象的な、
一般
的な、原則的だことを伺
つて
おるのではなくて、ただ現在の現実の黄変米を先ほどの四千万ドルですか、このうちのどれだけの数量はどういう手続で買つた。あなたの今の御
説明
は政府と政府間の売買
契約
のような話をしておるのだが、そういうことじやなくして、日本政府がこの米を買い入れるについては、政府が直接向うに行
つて
自分の政府の手で買つたのかそれとも商人を入れて買つたのか、そういうようなことを具体的に——どれだけの量がこういうふうな買入れをしたのだ、そういうなことが伺いたいのです。それから今の黄変米を買い入れたときに、すでに黄変であつたのか、それとも買い入れた後において、船積みをして輸送途中において黄変したものであるか、それとも陸揚げしてからこちらの
保管
中に黄変したものであるか、そういう具体的な事実少伺いたいのです。今のあなたの答弁は私の伺
つて
おるのとちよつと離れておるような気がいたしますその点いかがです。
前谷重夫
32
○前谷政府委員 具体的なこの場合のケースにつきましては、先ほど申し上げましたように、政府間の貿易として
輸入
しました四万トンから発生いたしたわけでございます。この政府間の貿易につきましては、ただいま申し上げましたように、FOB価格、数量は政府間で
決定
いたすわけでございまして、その後の船積み以下の費用におきまして、テンダーによ
つて
食糧庁が買い入れる、こういう形に
なつ
たわけでございます。 それから黄変米の発生でございまするが、ただいまも御
説明
申し上げましたように、黄変米の発生につきましては、現地におきましてビルマが認めております規格のものにつきまして受渡しをいたしておるわけでございますが、黄変米の発生は、その当時におきまして黄色くな
つて
おりますものについては肉眼でわかりますから、これを取除くように交渉いたしておるわけでございます。ただ菌はついておりますけれども、肉眼で鑑定できない場合が相当あるわけでございます。それが輸送中あるいは陸揚げ後において黄変になるという場合も相当ありますので、これは両者が混入しておることと考えられるわけでございます。
杉村沖治郎
33
○杉村委員 そうすると、日本政府がこれを黄変米なりとして発見したのは、いつでありますか。
前谷重夫
34
○前谷政府委員 二十六年の暮れにおきましてこれを発見したわけでございます。黄変粒の混入につきましては二十六年末に発見いたしまして、二十七年四月に食糧研究所においていろいろ研究いたしまして、毒性があるということを大体確認したわけでございます。
杉村沖治郎
35
○杉村委員 陸揚げ後ですね。
前谷重夫
36
○前谷政府委員 陸揚げ後です。
吉田賢一
37
○
吉田
(賢)委員 食糧庁の方につきましては、私は資料によりまして少し精細に聞いてみたいと思いますが、この機会に、いわゆる黄変米につきまして国の
予算
、食糧管理
特別会計
の
予算
の執行の面から、あるいは買いつけました外米の
保管
、管理及び処分の面、そういつた各般の面から
会計検査院
も
調査
されたことと思いますので、
検査
院御当局のこの問題に対する御所見、
調査
の状況などを伺
つて
おきたいと思います。
小峰保榮
38
○小峰
会計検査院
説明
員 黄変米につきまして
会計検査院
で
検査
の結果どう見ておるか、こういう御質問であります。先ほどからいろいろお話がございましたように、二十六
年度
に黄変米というものが初めて発見されまして、これは先ほども御
説明
がありましたように、九千三百八十九トンというビルマ米の中から発見されたわけであります。それで今も御
説明
がありましたように、二十七年四月に
農林
省の食糧研究所でこれが有毒である、こういうことになりました。ところが二十七
年度
も引続きさらに多い量が発見されておるわけであります。私どもといたしましては、有毒か無毒かということは、もちろん重大問題ではございますが、
会計
の面から考えますと、こういうものをたくさんに買いまして、食糧庁は非常に損をしておるわけであります。二十六
年度
の九千三百八十九トンについて申しますと、買入れ価格は五億二百万円であります。ところがこれを二億一千万円損をしまして二億九千二百万円で売
つて
おる、こういう
事態
であります。それから二十七
年度
につきましても同様な
事態
にな
つて
おるのでありますが、いわば二十六
年度
でこういうものを買つたために
会計
経理
の上からも非常な損をしておるわけであります。二十七
年度
としてはさらに多くの棄をつかむというのは一体どうしたものだろうか。二十六
年度
のこの分の売払いは、二十七年四万から八月にわたる間に、大きくわけますと三回にわけて売払いが行われたわけであります。これで先ほど申し上げましたように、二億一千万円という損をしたわけであります。ビルマ米はその後も四月以降ずつと二十七
年度
も入
つて
おりまして、その中に相当量の黄変米が入
つて
いたのであります。最近伺いますと二十八
年度
もまたやはりこういうものが入
つて
おる。先ほどちよつと御
説明
がありましたが、年々大きな損を食糧
特別会計
としているわけであります。二十六
年度
は初
年度
のことでございますから、そういうことをやかましく言うこともあるいは無理かとも思いますが、二十七
年度
についてはもう少しこういうものを避ける何かの
方法
を講ずるのが相当じやないだろうか、こういうことを考えまして、現在二十七
年度
の
検査
結果をまとめておるのでありますが、こまかく結果を申し上げる段階にまでまだ至
つて
おりませんが、
検査
上の問題といたしまして、今の買入れというもので、食糧
会計
は、御
承知
のように、いろいろな両で非常に大きな損をでしまして、
一般会計
からたくさんの金を補給されておるわけでありまして、こういうものにつきましても、大きな損を招くということはどうだろうかという見地から検討している次第であります。 それからなおあわせまして、今もお話が出ました二十六
年度
分の九千トン余りの処分というものにつきましても、処分の仕方が妥当であつたかどうか、具体的に申しますと、中岡機関を通じて大
部分
を売
つて
いるのでありまして、指名競争で売りましたものは半分以下、約三分の一ぐらいでありますが、半分以上のものは、中間機関を通じまして随意
契約
で売
つて
いるのであります。これのやり方が適当かどうかという点も今検討しているところであります。間もなくこの席上で結論は申し上げ得るじやないかと思
つて
おります。
吉田賢一
39
○
吉田
(賢)委員 今のお話の中間機関といいますと、それは何という会社でございますか。
小峰保榮
40
○小峰
会計検査院
説明
員 日本糧殻株式会社であります。
吉田賢一
41
○
吉田
(賢)委員 それからもう一つ競争
入札
にすべきものを随意
契約
にしたというのでありまするが、これについて何かそうせねばならぬ
事情
があつたのかどうか。これはひとつ長官の方から伺
つて
おきたいと思います。
前谷重夫
42
○前谷政府委員 お答え申上げます。まずこの場合におきまして、二つのケースが考えられるわけでございますが、一つは食糧
特別会計
から通産のアルコール
特別会計
へ売却する場合と、国税庁の指定いたしました醸造業者に買却いたします場合と、二
通り
のケースがあるわけでございます。第一の通産アルコール専売
特別会計
へ買却いたします場合におきましては、われわれといたしましては、大体通産アルコール
特別会計
といろいろ相談いたしまして、その代理者という考え方によ
つて
考えておつたわけでございます。但しその場合におきまして
契約
上これが売買という形をとつたという点につきましては、事務上さらにもう少し検討すべきではな
かつ
たかというふうに考えておるわけでございます。なお蒸溜酒の方へ出します場合におきましては、黄変粒の混入いたしておるものでございまするので、これは他用途に転用されることは好ましくございませんので、競争
入札
の
関係
を避けまして随意
契約
でやるということにいたしたわけでございますが、その際におきまして、第一回目におきましては、実需者の指名競争
入札
によ
つて
これを行
つて
参つたわけでございます。指名競争
入札
の結果落札ができな
かつ
た——これは地方的に非常に方々に散在いたしておりまして、その残つたものにつきまして随意
契約
をいたしたわけであります。その点につきまして他用途に転用されるおそれがありますると、そのものの性質上不適当でございますので、随意
契約
の
方法
をとつたわけでございます。
吉田賢一
43
○
吉田
(賢)委員 中間機関の問題、日本糧殻株式会社に対して、どのくらいの割合で、何ほど売つたかという点、これも資料として
要求
することにいたしたいと思いますので、あとからおとりはからいを願いたいと思います。それからさきにお述べになりました買付につきまして、外国で、つまり買付先の国で、買付機関としての日本商社、それからその買付先との国別との
関係
、この点も資料として
要求
しておきたいと思います。なお買付値段と、
従つて
それらの
保管
料等の
経費
、それと売渡し処分によ
つて
得た
代金
との損益、これなどもひとつ詳細に資料として出していいだきたいと思うのであります。私は一応資料として
要求
いたしまして、その上で質問することにしたいと考えます。なお八月の資料が今日は渡
つて
おらぬ
関係
もございまするので、かたがたさようにしたいと思います。
松山義雄
44
○松山委員 ちよつとお尋ねいたします。有毒といいますと、どういうような支障を来すわけですか、それからわれわれ大阪で開いたところによりますと、黄変米が七種類あるのでございますが、それは全部が有毒でございますか。それからもう一つ、払い下げたのはその七種類のどういうふうなのを払い下げたのですか、お伺いいたします。
前谷重夫
45
○前谷政府委員 お答え申し上げます。この黄変米につきましては、肝硬変を起すということにな
つて
おるのでございます。これはモルモツト試験によりまして、それを常食といたしまして使
つて
研究をいたしたわけでございますが、ほんとうの臨床実験はまだ完成いたしておらないわけでございます。目下各大学に委嘱いたしまして臨床試験をや
つて
おるわけでございます。 もう一つ種類の点は、御説の
通り
黄変米というものは種類はいろいろあるわけでございます。その中で従来から学説が一定いたしておりますのはトクシユカリウムという菌の場合が一定いたしておるわけでございますが、最近発見いたしましてそれが黄変の大きな原因にな
つて
おりまするイスランディアにつきましては、またその毒性その程度につきましては、まだ学説が一定いたしておりません。ただ毒性があるだろうというふうに見られておるのでありまして、これは最近発見されました今回のもにつきまして、黄変の原因として発見されました菌でございまして、この菌につきまして臨床試験をしてもら
つて
おる、こういう状態でございます。
松山義雄
46
○松山委員 払い下げたものは、どういうふうな種類か、次の資料でもけつこうですから、はつきりしていただきたい。資料を出していただいてから、またお尋ねいたします。
杉村沖治郎
47
○杉村委員 先ほど
会計検査院
のお話の中にもあつたのですが、つまり随意
契約
の指定なんですが、われわれの聞いたところによりますと、前国税庁長官の紹介者が紹介の名刺を持
つて
行
つて
、その人に
多量
の払下げをなされたというふうに伺
つて
おりますが、その点はいかがでありますか。
前谷重夫
48
○前谷政府委員 アルコール
特別会計
に売却いたしました場合には、先ほど申し上げましたように、アルコール
特別会計
の指定したものを代行者という考え方で取扱つたわけでございます。国税庁の蒸溜酒用として払い下げました場合におきましては、先ほども申し上げましたように、第一回は国税庁の指定いたしました酒造会社に指名競争
入札
によ
つて
売却いたしたわけでございます。その指名競走
入札
によりまして落ちたものにつきまして、日本糧穀株式会社に随意
契約
として払い下げまして、それが酒造会社に売り出して参つた。こういう形になるわけでございます。
杉村沖治郎
49
○杉村委員 私はそういうことを伺
つて
いるんじやない。それがわかりませんでしたかな。われわれが聞いておるところによりますと、随意
契約
では、前国税庁長官から
食糧庁長官
あての紹介を持
つて
行つた人に払い下げたということだがそういうことがあるかないか、その点を聞いておるのです。
前谷重夫
50
○前谷政府委員 われわれとしては、そういうことは
承知
いたしておりません。
松山義雄
51
○松山委員 もう一点伺いますが、黄変米の使途はどういうことでございましようか。
前谷重夫
52
○前谷政府委員 使途は、ただいまも申し上げましたように、工業アルコールと蒸溜酒の用途に充当いたしたわけでございます。
松山義雄
53
○松山委員 ほかにありませんか。
前谷重夫
54
○前谷政府委員 ほかはございません。
松山義雄
55
○松山委員 ほかに使途はないでしようか。
前谷重夫
56
○前谷政府委員 二十八
年度
におきましては、厚生省と協議いたしまして含有率、パーセンテージをきめ、それによりまして菓子用、みそ醸造用、それから蒸溜酒用、工業用というふうに、配分をいたしまして、買却をいたしております。
山田長司
57
○山田(長)委員 この問題は、神戸の
調査
で神戸の食糧事務所から資料を一応もら
つて
来ておるので大体わか
つて
いるわけなんですが、前の国税庁長官高橋衛という人がこれに
関係
あると伺
つて
いる。これについて何か資料がなければならぬと思うのですが、それをひとつ頼みたい。 もう一つは、この糧穀会社は前の
食糧庁長官
の片柳眞吉という人が社長であることはわか
つて
いるのですが、いつ会社ができて、現在は大体どんなふうにや
つて
おられるか。これについて食糧庁として知
つて
いる範囲の資料を頼みたいと思うのです。 それから東京においてもやみ流しをされているしさらに和歌山、大阪、兵庫、京都、広島、愛媛、関西における二府四県にやみ流しをされている事実があるわけです。これについて知
つて
いる範囲の資料を出していただきたい。 もう一つは、トンネル会社の日本糧殻会社において一番疑惑を招く問題は、運賃の問題でありますが、運賃について、わか
つて
いる範囲を詳細に資料として出していただきたいと思います。 それからこれはあなた方の方で知
つて
いるかどうかわからないが、もし知
つて
いるならば出していただきたいのは、東京地検の木村治という検事が、これに関連して
調査
中に左遷されている事実があるので了。これについて何か知
つて
いることがありましたらば、これもひとつ出していただきたいと思うのです。
安井大吉
58
○
安井
委員長
代理 米少
輸入
した当事の
農林
大臣はだれであつたか、当時の
食糧庁長官
はだれであつたか。その大臣はいつからいつまでいたという調べを出していただきたい。今の山田委員のとあわせてお答えを願います。
前谷重夫
59
○前谷政府委員 糧穀会社につきましては、御要望の資料できるだけ出したいと思います。なお検事の木村さんのお話は、われわれとしてはそういう事済は全然
承知
いたしておりません。なお
委員長
から御要望の資料は提出いたしたいと思います。
山田長司
60
○山田(長)委員 糧殻会社の幹部の名前を一応全部出してもらいたいと思います。
安井大吉
61
○
安井
委員長
代理 二十六年当時の大臣及び
食糧庁長官
の氏名はわかりますか。
前谷重夫
62
○前谷政府委員
食糧庁長官
は二十六年の末までは安孫子藤吉氏でございまして二十七年の一月から三月まで東畑四郷氏でございます。大臣は廣川弘禪氏がしておられました。
松山義雄
63
○松山委員 廣川氏はいつからですか。
前谷重夫
64
○前谷政府委員 お答え申し上げます。二十六年の七月四日から十二月二十五日までは根本太龍郎氏がか大臣でございまして、二十六年の十二月二十六日から二十七年の十月三十日までは廣川さんでございます。二十七年の十月三十日から二十七年の十二月五日までは小笠原さんが大臣をしておられました。その以後廣川さんになり、それからだんだんほかの方にかわ
つて
おります。
安井大吉
65
○
安井
委員長
代理 二十七年の買入れ当時から小笠原さんになるまでの大臣と長官を書いて出しください。
杉村沖治郎
66
○杉村委員 先ほど
会計検査院
からも言われたのですが、私はその点についていま一つ伺
つて
おきたい。買入れは政府機関が買い入れたのですが、二十六年に
多量
の黄変米が出た。そこでその黄変米は内地に陸揚げ後発見されたというお答えなんですが、そうすると二十七年の買入れについて、向うで
検査
したのかしないのか。また二十八年の買入れについても、向うで
検査
したのかしな
かつ
たのか。二十六年の買入和のときには、陸揚げ後半見したのよからもちろん
検査
しな
かつ
たのでしたう。二十六年のものをこちらで発見したとすれば、二十七年に同じような米を買
つて
いるのですから、向うで
検査
したのかしないのか、二十八年に買い入れるときも
検査
したのかしないのか、いかがですか。
前谷重夫
67
○前谷政府委員 お答え申し上げます。米の取引は御
承知
の
通り
、ビルマは国営
検査
の規格によ
つて
取引をいたしたわけであります。その場合に、普通の場合におきましては
検査
機関がございまして、その
検査
機関の保証によりまして品質がきま
つて
来るわけでございます。ところがビルマにおきましては国際的な
検査
機関が現在におきましてもまだないわけでございまして、ビルマ政府の規格によ
つて
二十六年慶は買つたのでございます。その後こういう
事情
ができましたので、黄変粒の混入割合というものを船積みの際に日本側で
検査
いたしておるわけでございます。
杉村沖治郎
68
○杉村委員 そうすると国際
検査
機関とかなんとかいうものはあろうけれども、これだけ
多量
の黄変米が出て損失をしておるのだから、二十七年、二十八年の買入れのときに、出先機関というものがあるでしようから、食糧庁とすれば当然向うで
検査
しなければならぬのですよ。今二十七年には
検査
されたと言うが、そのときには黄変米はな
かつ
たのですか。
前谷重夫
69
○前谷政府委員 お答え申し上げます。
検査
をいたします場合におきましても、大体船積みの際でございますから抜取り
検査
でやるわけでございます。抜取り
検査
によりまして、黄変粒が相当入
つて
いるものにつきましてはこれを拒否しているわけでございます。ただそういう
検査
を一袋丸々についていたすわけでもございません。危險なものにつきましては一袋々々
検査
をいたしますが、その際におきまして肉眼で見て現われておらないというような場合には、これはそのまま通
つて
参る、こういう形にな
つて
おります。
大矢省三
70
○大矢委員 これは私は前の前の
委員会
で質問したのですが、どうも
責任
の所在が明らかでないので山途でそのままにな
つて
おつた。一体食べられない黄変米が次から次へ来るということは、その買付の府社の
検査
が不十分なための結果か、あるいはまた
農林
省並びに外務省から出ている出先機関の
監督
あるいは
検査
が不十分のためしばしばこういうものが入
つて
来るのか、それから最終の管理
責任者
たる
食糧庁長官
が、そういうことを数回繰返されてだんだん量が多くなり、その損害も多くなる、それについて金を払
つて
いる。一体この黄変米の入
つて
来る最終
責任
というものはだれが持
つて
おるのか、どこにあるのか、これを開いたのだが結局わからぬから、もう少し待
つて
くれというのでそのままにしておつた。そこで
検査
院の方にも両方お尋ねするのですが、一体買付商社が十分
監督
、
検査
をすれば入
つて
来なくて、こうい損害もなければ、人の食べられないようなものを入れて来る必要もないのだ、またそういうものに金を払う最終
責任
は長官が持
つて
おるのですから、そこでどこで
検査
をすれば入
つて
来ないか、どこに一体
責任
があるのか。この点を明らかにしないと、何年た
つて
もだんだん損害がふえて大きくなり、またこういう不正事件が次から次へ起
つて
来る、だから一番元の入
つて
来ないようにする。それは一体どこに
責任
があ
つて
こういうものが次から次へ入
つて
来るか。これは前に聞いたのですがどうしてもわからぬので、あらためて長官と
検査
院と両方に聞きます。
前谷重夫
71
○前谷政府委員 お答え申し上げます。実はこの黄変米の発生につきましては、発生の原因はやはりビルマにおける
保管
状況、つまり雨期以後におきまするものについて黄変米が発生いたすわけでございますので、これを根絶いたしまするためには、雨期以前に積出しむ下るということが必要だろうと思うわけでございます。もちろん
検査
をいろいろいたしまするけれども、
一般
につきまして一万トンのものを積み込むわけでございます。前も
つて
検査
ができればわれわれとしても非常に好都合でございまするが、ビルマの国内に入
つて
の
検査
ということができませんので、結局船積みする際におきまし、抜取り
検査
をする、こういうこと以外には
検査
としてはできないわけでございます。従いましてそういう
検査
よりも——
検査
で確実を期することも必要でございまするが、むしろ発生するおそれのないように雨期前に物をとる、雨期以後にはとらないということが根本的な考え方ではないか、かように考えるわけであります。(「そういうことを聞いているのではない」 と呼ぶ者あり)なおこの問題につきましては、買入れは食糧庁でやるわけでございます。ただ食掛庁で買入れいたしまする場合におきまして、商社と
契約
をいたす場合、その
契約
の条件に違反しておりますときには商社に対しまして賠償をとるという形になろうと思います。なお商社とビルマ政府との
関係
におきましては、これはやはり仲介機関として、もし
契約
の条項にそういう
事項
がございますれば、商社とビルマ側との
関係
になるわけでございます。ビルマ政府と日本政府と
契約
いたしました場合におきましては、日本政府とビルマ政府との
関係
ということになりますが、この買入れの
責任
は、現在食糧庁が買入れをいたすわけでありますから、その点については食糧庁に
責任
があるということになります。
大矢省三
72
○大矢委員 それではこういうことでいいですか。商社で買いつけたときに、それは国内で
検査
はできない。そこで船積みみのときに
検査
をする。だからあくまでも商社が
検査
をして船積みをした、あるいは船積みのときに
検査
する、その結果としてこつちへ食えないものが入
つて
来たのだから、食べられないものを入れるという
契約
はないはずだ。そこでそういう食べられないものを入れて来た商社に向
つて
どうして金を払うか。
契約
違反ではないか。
従つて
それを払つた
責任
は
食糧庁長官
にあるのかどうか、それを聞いておる。それからもつと
検査
をすれば入
つて
来ないでいいのじやないか、どうして次々に同じものが入
つて
来るのかと言
つて
いるのです。だからどうすればこういう食べられないものが入らないで済むか、それからだれに一体最終
責任
があるのか。商社にあるのか
食糧庁長官
にあるのか、この点をはつきり伺
つて
おきたい。
前谷重夫
73
○前谷政府委員 お答え申し上げます。第二の問題のどうすれば入らないか、こういう問題につきましては先ほど申し上げましたように、雨期前に買うということが入らないようにする一番根本的な
方法
であろうと思います。その点はもちろん
検査
ではきまするけれども、これはごく補助的なものでございますから、雨期前に菌が発生しないようなもを買う、それには雨期前にビルマ米が積み出されるようにする、雨期以後におきましてビルマ米を精み出さないようにする、こういうことにするのが、これが根本的に入らないようにする
方法
であろうと考えておるわけであります。 なお商社との
関係
におきましては、商社に対しましてブロークンの混入率幾らというような
契約
条項がございますので、その
契約
条項に違反しますれば、それに対して賠償金をとるということになるわけでございます。ただ二十七
年度
に入りましたのは、政府間において
契約
をいたしたものでございます。
安井大吉
74
○
安井
委員長
代理
検査
員の小峰第三局長からさつきの質問のお答えがあるそうです。
小峰保榮
75
○小峰
会計検査院
説明
員 私どもこの案件を
検査
しておりまして、実は御質問のような疑問を相当広く持
つて
おるのであります。実情といたしましては、ビルマ米を十五、六万トン年々今までに買
つて
おるのであります。百億からの金を払
つて
おるわけでございます。ところがこれを受取るにつきまして、食糧庁から
検査
においでにな
つて
いるということが従来な
かつ
たのであります。二十八年になりまして初めて一人かおいでに
なつ
た、商社とは買付委託型約という形で現在や
つて
おります。はなはだ妙な言い方かもしれませんが、従来は商社にまかせきりだつたのじやないか。なるほどビルマ
検査
規格というものがございますが、これは日本と違いまして、いわば黄変米というものはあまりいやがらない国の
検査
規格でありまして、日本のような国では通用しない。日本はこの
検査
機関で通つたものじや困るわけでございます。そういう状態でありますのに、
検査
がされていたという判然たる資料が私どもには見当らないのであります。ところが買付委託
契約
の方を見ますと、業者は善良な管理者の
注意
をも
つて
これを
輸入
しなければならない、こういう条項があるのであります、文字
通り
にこれを読んで参りますと、業者がこういうものを積まれて神戸なり横浜へ来てこちらで
検査
をなさるという場合には、当然この条項を生かして何らかの措置ができるんじやないか、こういう疑問を持つわけでございます。現在までそれを活用されたという話を実は伺
つて
おらないのでございます。二十七
年度
の
検査
といたしましては、私どもとしてはこれらの点に実は重点を置いて現在や
つて
おるわけでございます。
大矢省三
76
○大矢委員 今承りますと、二十八年から
検査
官が向うに行つたということですが、それまでは行
つて
おらぬのか、行くことができな
かつ
たのか、それが一つと、それから商社に対する損害をどうしてとらないのか、今
検査
官が言うようにとり得るじやないか、それを請求したことはあるのか、それからとれないというならばどういう理由によ
つて
とれないのか。
前谷重夫
77
○前谷政府委員 お答え申し上げます。
検査
につきましては、従来われわれの方から特に
検査
として派遣をいたしておるわけではございませんで、ビルマの
検査
規格に応じて
現品
受渡しのときに商社にその
検査
を委託いたしておる次第でございます。本
年度
において特に
検査
の立会いのために人を派遣いたしたわけであります。 なお商社に対する
責任
追及の問題でございますが、これの場合におきましては善良なる管理者の
注意
を持
つて
商社としては、その
責任
に当つたのでなかろうかというふうに考えておるわけであります。
松山義雄
78
○松山委員 商社というのは日本人の商社でございますか、ビルマ人の商社でございますか。それからこれは法律[的に言えば貸担保だろうと思うのですが、貸担保とすると、ことに商社が日本人だということになれば、当然日本の法律でもできるわけであります。かりにビルマ人の商社としても、やはり先ほどの長官の話では、
検査
でそのとき発見したのは拒絶しているという話でございますが、拒絶ができるとすれば、当然貸担保としてこれは請求ができるんじやないかというように考える次第でございます。その商社はビルマ人の商社であるか、日本人の商社であるか。それから貸担保としての問題はどうであるか、伺いたいと思います。
前谷重夫
79
○前谷政府委員 商社の場合におきましては、取扱い商社として食糧庁が買い入れます場合は日本商社でございます。それから貸担保の問題でございますが、これは
契約
条項として貸担保の
責任
を追究し得る立場にございます。この貸担保なりやいなやという点が、善良なる管理者の
注意
を払
つて
いるかどうかという点にかか
つて
来ると考えておるわけでございます。
杉村沖治郎
80
○杉村委員 今松山委員の聞いてくれたことを私はさつから聞きた
かつ
た。これは政府間の
契約
であ
つて
も、貸担保、危險負担はどうな
つて
おるのか。つまり貸担保の限界ですね。船積みまでにおけるところの瑕疵はどちらに
責任
があるのか。それともこちらの陸揚けまでにおける瑕疵の負担はどちらにあるのか。また危險負担等のことも、海上輸送のことですからおのずからあるでしよう。そういつたようなことをわれわれははつきり知りたい。その貸担保の
責任
の所在いかんによ
つて
いわゆる求債権が行われる。
代金
の返還請求権が行われるわけであります。そういりような
契約
がどうな
つて
おるのか。それからただいまあなたの言うのは、商社に委託して
検査
をしてもら
つて
いるというから、貸担保の問題は商社との
関係
ではない。政府と政府間の売買
契約
であるならば、ただ
検査
を商社に頼んだだけである。商社に頼んだとすれば、その商社が不完全なる
検査
をしたいというなら、損害賠償の請求だけであ
つて
、売買の貸担保の請求ということにはならぬでしよう。そういつたようたとをわれわれはいま少し、あまり抽象的でなく
説明
してもらいたい。この問題について先ほど私は伺つたが、二十七年に行
つて
、船積みのときに
検査
を委託された。その船積みのときの
検査
でどれだけの瑕疵があつたかな
かつ
たか。
昭和
二十八年以後、船積みのときの
検査
で瑕疵が発見されたのか、すなわち黄変が発見されたのかされな
かつ
たのか。それから商社に
検査
を委託したのであれは、いかなる商社に
検査
を委託して、その瑕疵が発見されたのかされな
かつ
たのか。貸担保の
責任
、売買
契約
においての瑕疵はどの範囲までにおいて負担するのか。危險負担はどこが負担するか。
昭和
二十七年に行
つて
検査
したときに瑕疵は発見されたかされな
かつ
たか。されたとしたならば、そのときにすみやかに売主に向
つて
こういう瑕疵があつたのはどうか。町の商人問でも送
つて
来た品物に対して向うの商人に、たとえば陶器のこわれがあつた、一割こわれたとか二割こわれたということを送り主の方にすぐに請求するものですから、そういうようなことについて具体的に言
つて
もらいたい。抽象的な話はたくさんなんです。この黄変米についてどういうふうに、これこれについてはこうであつた、ああであつたという具体的な話をしてもらいたい。
前谷重夫
81
○前谷政府委員 お答え申し上げます。この場におきましては政府と政府との間の取引でございます。従いまして
契約
は日本政府とビルマ政府との取引にな
つて
おります。
責任
関係
は大体ビルマ政府と日本政府との
関係
になります。商社はそれの代行といたしまして船積みだけをやるわけでございます。
杉村沖治郎
82
○杉村委員 どちらの代行ですか。
前谷重夫
83
○前谷政府委員 日本政府の代行といたしまして。ですからFOBから船積みで到着までの間に危險負担、瑕疵がございますと、この商社の
責任
になる。こういうような
関係
にな
つて
おります。なお具体的にはそれぞれの
契約
によりますので、
契約
は詳細に調べて御
報告
申し上げたいと思います。
杉村沖治郎
84
○杉村委員 瑕疵が商社の
責任
ですか。
前谷重夫
85
○前谷政府委員 船積み中におきまして瑕疵の
責任
が発生しました場合における
責任
が商社にある。商社の
責任
は船積み中の
責任
だけでございます。
山本勝市
86
○山本(勝)委員 最初に伺いますが、黄変米は必ずしもビルマの米だけでなしに最近に来たアルゼンチン、エクワドルの米なんかにもやはり黄変米が入
つて
いるようですが、その他の国のものにも入
つて
いるのだと思う。それで二十六年以前に、二十四年、二十五年にやはりずいぶん外米が入つたのだと思いますが、それには黄変米が入
つて
おつたけれども気がつかな
かつ
たのか、実際入
つて
いな
かつ
たのか。その点を第一に伺いたい。
前谷重夫
87
○前谷政府委員 二十六年にも外米が相当入つたわけであります。これは量的な
関係
でございますが、その前には入
つて
おつたかもしれませんが、発見されな
かつ
たと申しますか問題にならな
かつ
た。事実問題としてこの点についてはあまりはつきりしな
かつ
た。二十六年に発見されまして、それを食糧研究所におきまして研究した結果毒性が発見されたということからああいう問題に入つたわけであります。
山本勝市
88
○山本(勝)委員 砕米が入
つて
来た。これを処分されているようですが、砕米の中には黄変米というものは入
つて
いないのですか。入
つて
いるのですか。
前谷重夫
89
○前谷政府委員 この場合におきましては砕米がタイから普通の数量と一定の比率で参るわけであります。この中に今まで砕米で黄変米が発見されたという経験は
承知
いたしておりません。
山本勝市
90
○山本(勝)委員 この黄変米の問題は私はもう
事態
をはつきりさせなければいかぬと思う。長官はおそらくその後長官になられたので、実際その当時の
責任者
でないかもしれませんけれども、やはり事をはつきりさして、今後そういうことのないようにして行かねばならぬ。そういう意味で質問するのですが、どうも次から次に黄変米が入
つて
来る。二十六年には九千何百トンというものが入つたということですが、その次の
年度
には、ことしの七月の何では一万三千何百トンというふうにさらにふえているのですが、これは事実ですか。
前谷重夫
91
○前谷政府委員 二十六
年度
の九千三百トン、二十七
年度
は一万三千トンであります。
山本勝市
92
○山本(勝)委員 そういうふうに次から次にふえて来るのをそのままほう
つて
おつたという理由は、どこかそれが適当にはけて行くところがあつたからじやないか。それがはけて行かないでほんとうに食糧庁の欠損だけであ
つて
、何人も利益するものがないということだつたら、もつと真剣にな
つて
これを防遏する手段を講じたのではないか。ところが、食糧庁は非常な損失をするけれども、他方にはこれで非常に得をするものがあ
つて
、それがこの解決を——故意じやないかもしれぬけれども、いくらか遅らせておるのじやないかというような疑惑を持つのです。それでこの一万三千何百トンという二十七
年度
に出た分の払下げは済んだのでしようか。
前谷重夫
93
○前谷政府委員 本年の七月から九月にかけまして売却をいたしてあります。
山本勝市
94
○山本(勝)委員 その売却
方法
は多少
改善
されておりますか。あいかわらず日本糧殺に対する随意
契約
というものでやつたのですか。
前谷重夫
95
○前谷政府委員 二十八
年度
に売却いたしました一万三千トンにつきましては、まず一%以内のものにつきましては菓子用に充てました。これは各府県に対しまして割当てまして、数量を通知いたしまして、府県の知事が指定しました菓子業者に対しまして直接売却をいたしました。それから蒸溜酒の場合におきましては、直接蒸溜酒業者に対しまして売却をいたしました。アルコール
特別会計
に対しましては、アルコール
特別会計
と直接の
契約
を結んで売却をいたしました。
山本勝市
96
○山本(勝)委員 そうすると、その直接アルコール醸造業者に払い下げたというのは、競売で払い下げたのですか、あるいは随意
契約
で払い下げたのですか。
前谷重夫
97
○前谷政府委員 随意
契約
でございます。
山本勝市
98
○山本(勝)委員 二十六
年度
の分でも若干は指定した数人の者に競売にさしておる。ところが大
部分
は日本糧穀を通して随意
契約
でや
つて
おる。その価格を見ると約一割違う。つまり随意
契約
の方が安い。ですからわずか三人、四人の中に東洋醸造というものも入
つて
おる。しかも東洋醸造というものは、これで見ますと、日本糧穀株式会社の大株主である、それですらも、やはり何人かほかのものをまぜて競売さしたときの落札三千一トンというものの競落値段と、それから日本糧穀へ払い下げたときは約一割差がある。こういうことを考えると、どうもこれはよほど真剣に考えないと、天下の非難を受ける。これから私はもう少し聞きたいことがあるのですけれども、ほかの方もいろいろ聞きたい点もあると思いますから、私はなおあとに質問を留保いたしますけれども、多少迷惑のかかる方があるかもしれぬ。現に私があるところで、こういう
事態
が大体調べたところであるという話をしたところが、某県の米屋が人を通じて私のところへ来て、そうしてその払下げを骨を折
つて
もらいたい、それだけのたねを持
つて
おるならば、払下げを骨を折
つて
もらいたい。そうすればこうする、ああするということを言うて来たのです。それに聞きますと、払い下げたものは何でも倍にはすぐ飛ぶように売れるのだ、こういうことを言
つて
おるので、これはよほど深刻な問題で、多少迷惑がかかるところがあ
つて
も、もう間違つた人は間違つたでしかたない。ちようど国鉄会館問題のようなもので、これはやはり明らかにして、そうして
国民
が承服するようにしなければならぬことである。ですから長官はよく知らないところはひとつよく研究していただいて、そうしてありのまま、今後はこういうふうにして起らないようにするというような結論におちつくように持
つて
行きたいと思います。きようはこれだけにします。
安井大吉
99
○
安井
委員長
代理 先ほど杉村委員の質問で、答弁の足りないところがあつたようですが、杉村委員もう一度言
つて
ください。
杉村沖治郎
100
○杉村委員 先ほど私が伺つたのに対して、どうも答えが足りな
かつ
たのですが、
昭和
二十六年にたくさんの黄変米が出たのだから、
昭和
二十七年と二十八年にこれを減らそうとするならば、先ほど言つたように出先機関もあるのだから、
検査
したのか、しないのかと聞いたら、船積みのときに
検査
させたという。その船積みのときに
検査
させたときに黄変米が発見されたのか、されな
かつ
たのかということですね。そのことのお答えがない。それはどうなんですか。
前谷重夫
101
○前谷政府委員 二十七
年度
におきましては、こちらから
検査
員を派遣いたしておりません。ただ受渡しの場合におきまして、商社をして
検査
をやらせておるわけでございます。ただ
検査
は、御
承知
のように、全量
検査
はとうてい不可能でございます。その際に
検査
をして発見いたしましたものは取除いておるわけでございます。
杉村沖治郎
102
○杉村委員 あつたのですか、な
かつ
たのですか。いろいろよけいなことを言わぬで、二十七年に
検査
をしたときに黄変米を発見したのか、しな
かつ
たのか。二十八年に船積みのときに
検査
したときに、黄変米の発見がされたのか、されな
かつ
たのか。ほかのことを言わぬでそれだけ聞けばいい。
前谷重夫
103
○前谷政府委員
検査
をいたしまして、発見したものにつきましては、それは取除いておるわけであります。
杉村沖治郎
104
○杉村委員 取除いておるとかおらぬとかいうのでなくて、あつたのかな
かつ
たのか聞いている。
前谷重夫
105
○前谷政府委員 二十七
年度
の船積みの場合におきましては、黄変米が発見されな
かつ
たわけでございます。二十八
年度
におきまして、これを
検査
をやりまして、その
検査
をしたものにつきましては引取り拒絶をいたしておるわけであります。
杉村沖治郎
106
○杉村委員 そうすると、二十六
年度
にたくさんの黄変米が出たから、二十七年には
検査
させたわけでしよう。二十七年に
検査
をさせたならば、
検査
のときに発見しな
かつ
たというのですね。ところが二十七年に今度こつちへ来たらまた黄変米が出たわけでしよう。それでは二十七年に頼んだ
検査
は不完全であつたということはおわかりになりましような。二十六
年度
にたくさん出たから、二十七年には今度船積みのときに
検査
させた。そして
検査
のときには少しもな
かつ
た。ところが陸揚げしたところが黄変米が出た。そうすると二十八年にはどういうような
方法
をとりましたか。二十八
年度
に
検査
したときはいかがですか。
前谷重夫
107
○前谷政府委員
検査
の場合におきましては、発見したものは引取り拒絶をいたしておるわけであります。ですから二十七
年度
におきましても、
検査
をいたしましたものにつきましては……。
杉村沖治郎
108
○杉村委員 そういうことを聞いているのじやないんですよ。わかりませんか。二十八年に
検査
をしたときには、あつたのかな
かつ
たのか。二十七年にはな
かつ
たというが、二十七年にはな
かつ
たのに、こちらへ陸揚げしたらあつたという。だから二十八年には、
検査
をしたときにはあつたのですか、な
かつ
たのですか。いろいろなことを言わないでいい。あつたかな
かつ
たか、あつたらどうしたか。
前谷重夫
109
○前谷政府委員 申し上げますが、二十八
年度
におきましては、
検査
をいたしましたときにはありました。ありましたから、それは結局引取りを拒絶いたしております。現地であつたものにつきましては、引取りを拒絶して引取らないむけであります。
杉村沖治郎
110
○杉村委員 数量は。
前谷重夫
111
○前谷政府委員 数量は、これは現地の状態でございますからわかりません、引取らな
かつ
たのでございますから。それから二十七
年度
におきましても、
検査
をいたしまして、あつた場合にはそれを引取
つて
おりません。つまり引取拒絶をするわけでございます。
杉村沖治郎
112
○杉村委員 今二十七年にはな
かつ
たと言つたじやないですか。
前谷重夫
113
○前谷政府委員
検査
をして、現地で引取り拒絶をしたものはあつたと思います。あつたろうと思います。これは私も現実にやつたわけではございません。
吉田賢一
114
○
吉田
(賢)委員 さきのこの受取
契約
と品質との
関係
について、この際なおちよつと聞いておきたいと思います。それは提出のこの資料によりますと、政府と政府との間の
契約
、GG米、この場合には品質を確定して買付
契約
をする、こういうことにな
つて
おるわけでありますが、そうするとこの品質を確定するという中には黄変米もしくは黄変というようなことは、品質に入るのか入らぬか、そこをきめておきたいのだが、いかがですか。
前谷重夫
115
○前谷政府委員 ビルマ政府の規格といたしましては、黄変米はその規格の中に入
つて
おりません。日本政府といたしましては黄変粒の混入を一%以内とかいうふうに、パーセンテージで押えております。
吉田賢一
116
○
吉田
(賢)委員 そうしますと日本側においては黄変は品質に触れる問題である。そういう場合にはそうすると政府と政府間においてクレームの問題が生ずると思うのだが、その点はどうですか。
前谷重夫
117
○前谷政府委員 従来におきましては、この問題はクレームの問題といたしまして、政府間におきましてビルマ政府といろいろ交渉いたしておりますが、ビルマ政府側としてはこれはクレームの
対象
にならないという見解を主張いたしておるわけであります。そこで今後の措置といたしまして、本
年度
におきまして
契約
をいたします場合に、その条項を入れるということにいたしておるわけであります。
吉田賢一
118
○
吉田
(賢)委員 しからば、従来政府間の
契約
を取結んだ場合には、クレームの問題が生じた、こういうことにな
つて
おります。その経過はひとつ次回に詳細に述べてもらいたいと思います。先方の意向のいかんにかかわらず、
契約
でありますからこちらの主張もあるわけです。次回にいたしましよう。
杉村沖治郎
119
○杉村委員 これは議事の進行上次回に当時の
農林
大臣鷹川引禪氏を参考人として呼んでもらいたい。
安井大吉
120
○
安井
委員長
代理 お諮りいたします。黄変米の問題についてはなお十分調本日の必要があると存じます。本日国政
調査事項
として
要求
いたしてもおります。また
予算
と関連した一貫した問題でありますから、次会はこれの
調査
をさらに進めて行くということにして、本日はこの程度で散会いたしたいと思います。御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
安井大吉
121
○
安井
委員長
代理 本日はこれをも
つて
散会いたします。 午後三時三十三分散会