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1953-11-25 第17回国会 参議院 文部委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十一月二十五日(水曜 日)    午前十一時十四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     川村 松助君    理事            剱木 亨弘君            荒木正三郎君            八木 秀次君    委員            大谷 贇雄君            木村 守江君            谷口弥三郎君            吉田 萬次君            杉山 昌作君            安部キミ子君            相馬 助治君            須藤 五郎君   事務局側    常任委員会専門    員       竹内 敏夫君    常任委員会専門    員       工楽 英司君   説明員    文部大臣官房会    計課長     内藤誉三郎君    文部省管理局長 近藤 直人君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○教育、文化及び学術に関する一般調  査の件  (冷風水害地学童給食に関する  件)  (文部省関係予算に関する件)   —————————————
  2. 川村松助

    委員長川村松助君) 文部委員会を開会いたします。  冷風水害地学童給食について文部当局説明を求めます。
  3. 近藤直人

    説明員近藤直人君) 水害地学童給食対策でございますが、これにつきましては前回にお話申上げました通りミルクにつきましては国際連合の一機関でありますユニセフ、つまり国際児童緊急救済基金でございますが、そちらに依頼いたしまして、救済用といたしましてミルク無償配付を願いましたわけでございます。幸いにして外務省を通じましてその願いが容れられまして、西日本並びに十三号台風被害地に対しまして約三千三百トンのミルク配付されることになりました。併しながら、まだ現物は船の関係上到着いたしませんので、取りあえず手持のミルク現地配付いたしまして、小学校児童に対しましては一回当り二十二グラム、中学校生徒に対しましては一回当り二十五グラムという量を支給することにいたしております。期間は九月中旬から来年の七月までの数量でございます。それを第一期、二期に分けまして、第一期分といたしまして、取りあえず三月末までの分を現地に通知いたしまして現に無償で支給しております。その数は小学校児童が約四十万、中学校生徒が約二十万、計六十万でございます。今回の冷害地域に対しましても、水害地と同様にこの無償ミルクの配給を是非実現いたしたいと考えまして、これ又ユニセフ当局に対しまして外務省を通じて折角交渉中でございます。現に話合いが進行しておりますので、多分来月中には向うから何らかの返事が参ると考えております。それによりまして、冷害地児童生徒に対しましてもこのミルク無償配付をいたしたいと考えております。  それから小麦粉でございますが、パンに使います小麦粉につきましては、これは従来通り水害地冷害地共二分の一の低廉の価格を以ちまして、これは農林省食糧庁のほうで御心配頂きまして、これに要する経費につきましては本年度予算学童給食用といたしまして十五億六千万の予算が計上されておりますが、その中で操作をいたしましてやつて行ける見込でございます。万一この操作の過程におきまして足らないような見込でございますれば、そのときになりまして更に食糧庁話合いを付けるという考えでございます。  それから冷害地学童の数でございますが、これにつきましては、目下県教育委員会を通じまして数をまとめ中でございます。まだ全部集つておりませんのではつきりした数字は申上げられませんが、ほぼ水害地と同様な数字になるのではないかと只今のところ予想いたしております。以上
  4. 川村松助

    委員長川村松助君) 只今説明について何か御質疑がありましたら御発言願います。
  5. 近藤直人

    説明員近藤直人君) なお申し落しましたが、以上のほかに、真に生活に困窮しておりまする家庭の児童生徒に対しまして緊急に救済をする必要があると考えまして、この点につきましては、御承知と思いますが、厚生省所管生活保護法によります教育扶助予算がございます。これは本年度の、二十八年度生活保護法教育費総額は十九億でございます。この十九億によりまして教育扶助救済をするわけでございまするが、特に冷害地につきましては、更に前回の第一次補正におきまして生活保護法予算が七億増額されましたことは御承知と思いますが、その七億のうち、教育扶助といたしまして約四千万円が決定しております。その四千万円は冷害地でございます。これによりまして、例えば学校に弁当を持つて行けないというような児童救済ができる見込でございます。  それから学校給食施設設備のない地域が相当山村にはあるわけでございますので、今回これらの地域に対しましても給食施設設備をいたしたいと考えまして、これ又約四千万円を以ちましてこれらの冷害地域に対しまして給食施設設備補助いたしたい。この予算の額につきましては大蔵省とも打合せまして決定いたしたいと思つております。  以上説明を補足いたします。
  6. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 学校給食施設に対する補助ですが、これは冷害地の分として四千万円という説明ですが、水害地のほうはどういうことになりますか。
  7. 近藤直人

    説明員近藤直人君) 先ほど申上げましたのは、冷害地の分として申上げましたが、水害地につきましては別途約一千万円を以ちまして同様給食施設設備をすることになつております。この予算につきましても大蔵省当局話合いができております。
  8. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そこで実際に冷害地或いは水害地学童学校給食をする場合ですね、それは学校単位に取上げられますか。
  9. 近藤直人

    説明員近藤直人君) お説の通りでございます。
  10. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それで、その取上げられる学校というのはどういう範囲まで取上げられますか。
  11. 近藤直人

    説明員近藤直人君) 冷害関係学童給食範囲といたしましては、やはり水害地と同様に小学校並びに中学校にもこれを及ぼしたいと考えております。
  12. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私のお尋ねしているのは、まあ水害を受けた被害程度ですね、或いは冷害を受けた程度によつて支給されたりしなかつたりすると思うのですがね、その基準がどの辺に置かれているかということなんですが。
  13. 近藤直人

    説明員近藤直人君) 考え方といたしましては、農林省稲作冷害被害報告基礎にいたしまして、大体ミルクにつきまして今考えておりますのは、五分作以下を対象といたしております。大体三分作以下につきましてはこれはその罹災児童につきまして全部考えたい。それから五分作から三分作につきましては、その間大体二分の一の罹災児童について考えたいと、かように考えております。
  14. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そうすると、そこが問題なんですが、三分作乃至五分作の所には二分の一程度学童対象として支給する、こういうふうになると、例えばAという村があつて、そこに学校一つある、そこがまあ大体五分作である、こういうことになれば二分の一を対象にするということになると、その学校で実施する場合に、半数ぐらいは実施して半数は実施しない、こういうことになるんじやないでしようか。そういう意味で私は単位学校にとるのかどうかということを尋ねておつたわけなんですが。
  15. 近藤直人

    説明員近藤直人君) その稲作冷害状況でございますが、これは極めて被害の確定が困難なように伺つております。これは農林当局のほうで折角つておられるようでございますが、話を聞きますと、極めて困難で同じ村におきましても全部の所もあるし、或いは極く一部の所もありますし、又町場におきましても一部冷害の所もあるというような状況でございますので、この取り方は極めてむずかしいので、一応私ども考え方といたしましては、結局その見込が入るわけでございます。見込の取り方によりましてこれは数字が変るわけでございますが、一応私どもの考えておりますところは三分作以下の所は大体山村が主であるという考え方からその山村地方におきましては罹災児童につきましてこれを全部見ると、それから五分作、或いは七分作以下というような点につきましては、これはむしろ町場に近い方、町村も入る、町も入るというような考え方をいたしまして、その場合にはこれをニ分の一というような考え方をいたしておりますが、これは全体を通じた結論でございますので、個々をとらえますと或いは御指摘のような面が出るかも知れませんが、それは実際上配分操作におきまして考えることにいたしまして、一応小麦粉計算基礎、  或いはミルク計算基礎の場合には、以上申上げましたような観点から積算することは止むを得ないのではないか、かように考えます。
  16. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 その積算はいいと私は思うのですが、実際に学校給食をする場合にAという学校学校給食をするという場合に、半数子供には給食をするが、あと半数には給食しない、こういう事実が出て来るのではないかということを心配しておるのです。そういうことは教育上影響するところが大きいと私は思うのです。そういう事実が出て来ると困るという懸念からお尋ねしておるのです。
  17. 近藤直人

    説明員近藤直人君) 我々給食を扱つておる者といたしまして御指摘のようなことがあつては誠に遺憾であります。給食をいたす場合におきましてはやはり学校単位といたしまして、その学校全体を考えましてその地域が三分作以下の地域でありますれば、その地域に対しましては全般的に無償ミルクを配給するというようなふうに考えておりますので、そういつたようなことが起らないように十分注意をいたしたいと思つております。
  18. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 これは私はよくわからないのですが、そうすると五分作以下の地方の所では文部省のほうからは半数子供ミルクとそれから二分の一の補助小麦粉を渡すということになりますね、その村で学校給食を全体の子供にやろうとすれば残りの半分は村が負担するか何かしてやらなければならない、こういうことになるのですか。
  19. 近藤直人

    説明員近藤直人君) これは多少推定が入りますが先ほど申上げましたように、五分作の所は町が入るという考え方、三分作の所は大部分これは山村であろうという考え方からいたしまして、五分作以下の所では町場の所はこれはそういう罹災児童が少いであろうと、で、大体その五分作以下の町村を合せて考えた場合にその二分の一をとればほぼ充足できるのではないかと今考えております。それは決して一つ学校を二つに割つて一部の者には無償給食をし、一部の者は有償の給食をするというような意味ではございませんで、学校数の取り方の場合に町村を合せて考える、そういう意味でございます。
  20. 川村松助

    委員長川村松助君) 速記をやめて下さい。    〔速記中止
  21. 川村松助

    委員長川村松助君) 速記をつけて下さい。
  22. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 当初ですね、説明によるとこの冷害地とか水害地の場合、小麦粉についてもできるだけ全額補助してやりたい。こういう意向であつたわけです。今日の説明によると二分の一補助、こういうことになつておるわけですが、この二分の一補助ということになれば今学校給食をしている学童に対するやり方と全然変らないわけですね。冷害地水害地だから特別に見るということは全然ないわけなんですね。そういう点もう少しうまく話はつけられなかつたかどうか。
  23. 近藤直人

    説明員近藤直人君) 確かに御指摘のように水害地冷害地について更に二分の一以上の補助をやることが望ましいことでございまして、実は関係方面話合いをしたのでございますが、その点につきまして十分話がまとまりませんので、取りあえず困つておるものにつきましては先ほど申上げました生活保護法によりましてその面からこれを救済するという方針にきまりまして、先ほど申上げたようなわけでございます。
  24. 安部キミ子

    安部キミ子君 冷害地と申しましても文部省計算の中には北海道僻地で見てきましたようなみじめな農村の子供対象はどういうふうになつておるのでございましようか。全然入つておりませんでしようか。
  25. 近藤直人

    説明員近藤直人君) 冷害地につきましては北海道は勿論入つております。只今一応考えておりますのは、二十一道府県でございます。まだ報告が参つておりませんのが相当ございますので、先ほど申上げましたように正確な数字を申上げるまでに至らないわけでございますが、北海道につきましてはしばしば私のほうにも陳情が参つております。又農林省のほうにも報告が参つておりますので、その点につきましては福島或いは岩手と同様に我々のほうでも考えております。
  26. 安部キミ子

    安部キミ子君 釧路の奥のほうの標茶とか、この間報告しましたあのようなところの僻地子供は、このたびの冷害地に当つておりますでしようか、どうでしようか。
  27. 近藤直人

    説明員近藤直人君) ちよつと資料を持合せませんので、その点なお調べまして、後ほどお知らせ申上げたいと思います。
  28. 安部キミ子

    安部キミ子君 そういうふうなお答えでしたらここでは話になりませんけれども、ああした土地ではそういう特別な冷害がなくとも、当然私は国庫全額を持つて、早く給食をしてもらいたいと思つておりますのですが、そういう意味でも、過日の僻地の視察によつても、私どもは何とかしなければならないということを御報告申上げましたわけでございますので、この際こうした動機に、この問題を全額国庫負担給食してもらいたいということを私はお願いするわけなんでございますので、早くそういうふうな対策を立てて頂きたいと思います。これは要望でございますが附加えておきます。
  29. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 今の問題に関連して、学校給食法通常国会に提案するような用意があるのかどうかという点ですね。この際お開きしておきたいと思います。
  30. 近藤直人

    説明員近藤直人君) お答えいたします。学校給食法につきましては、御承知通り、前国会におきまして、審議未了の経過をとつておりますが、これを来るべき通常国会に提出するかどうかということにつきましては、まだはつきりいたしておりません。その前にともかく予算の問題がございますので、この予算の見通しがつきました上におきまして、これを出すか出さんかという肚をきめたいと思つております。併しながらこの問題につきましては、今回のみならず、暫らく前からいろいろ請願陳情もございますので、我我といたしましては、十分研究をしておりますが、なおこの上とも研究いたしまして、出す、出さんの方針がきまるまで、ともかく我々といたしましては研究をするという態度でございます。
  31. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私は不勉強のせいか、よく知りませんが、学校給食法には前国会審議未了なつたというお話ですね。私は提案されたということをちよつと記憶がないのですが、その点どうなつていますか。
  32. 近藤直人

    説明員近藤直人君) 衆議院の文部委員会におきまして、提案されまして審議未了なつたと承知しております。
  33. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 議員立法なんですか。
  34. 近藤直人

    説明員近藤直人君) そうです。
  35. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私のお尋ねしておつたのは、政府として提案する気があるのかどうかという点を尋ねておつたわけなんでございますが、政府ということになると、なかなか面倒だろうと思いますが、文部省方針としては、学校給食法を出したいという意向を持つて努力しておるのか、そういう点を一応お聞きしておきたいと思います。それを出すとすれば、中身は大体どの程度までしなければならんと考えておるか、そういう点伺つておきたいと思います。
  36. 近藤直人

    説明員近藤直人君) 文部省として、この法律を出すかどうかという点でございますが、この点につきましては、まだ最終的な決定をしておりませんので、私ここで責任を持ちまして態度につきまして申上げることを御遠慮申上げます。ただ私個人としては、所管局長といたしまして、この問題につきまして、従来から研究を続けて参つておりますので、これは一つ慎重に検討いたしまして、情勢が至りますれば立法化する必要があるのではないかというふうに考えております。それから前回議員提案でなされました法案の内容でございますが、これは給食用のバンに用います小麦粉につきましては二分の一の国庫補助、それからミルクにつきましても同様二分の一の国庫補助が骨子になつております。
  37. 安部キミ子

    安部キミ子君 大変私北海道のことでこだわるようですけれども、どうも僻地のみじめな姿を見て来ておりますので、気にかかつてしようがないのです。そこで国が法律を一律に全額国庫負担だとか、或いは半額国庫負担だとかいうような、或いはミルク小麦粉半額負担というような形式で事を処理されますと、それ以上に困つている北海道のようなああして中標津とか、標茶とかいうような開拓民実情というものを十分御理解頂いて、これは結局私は政府開拓政策間違つている原因にあると思うのでありますが、それらのことも当然私は政府責任がある。こういうふうに思つておるのでございますので、現実の姿は、地方の都会の人たち、或いは割に恵まれた地方子供たち給食をしてもらうというふうな生ぬるいようなものじやないのです。食べるものもない、自分たちで搾つている牛乳、それでさえが子供に一滴も飲ましてやれないというほど窮迫した生活でございますので、そうしたところの子供たちは、非常に栄養も悪いし、背も伸びていない、それから肉付も悪い、顔色も悪い、目は大変病んでいるというふうな、見たからに不健康そのものでございますし、又自然の天候の圧迫によつて萎縮している、これが教育を受けている子供であろうかというふうな、非常にわびしい気持になるのでございますが、私はこういうふうな子供には別途の方途が当然なされなければいけないのじやないかというふうに考えているのでございますから、こうした子供対策には十分あなたのようなお立場のかたも現地を一度見て頂いて、或いは本当を言えば文部大臣現地を見て頂いて、日本国民の中に、こういうふうな教育を受けているものがあるということを見て頂いたならば、ただ形式一片でああだ、こうだと事を私はおきめになることはできないだろうと思うんです。そこでそうした現実に即した施政をやつてもらいたいと、こういうふうに考える次第でございますので、そういうふうなところにはそれに適した給食法を立法するなり、又政令で出してもらうなりして十分な措置を講じて頂きたい。更に強く要望しておきます。よろしくお願いいたします。
  38. 剱木亨弘

    剱木亨弘君 学校給食問題でありますが、私の考え方としましては、学校給食救済対象として考えるということは根本問題としては私は賛成できないのでございます。冷害地とか、水害地について学校給食を実施するということは一つ救済事業としての考え方なんじやないか。本来の意味学校給食としては本筋ではないと私考えております。これは一つ教育的な見地からでも又もつと大きな国民の体位の向上とかいう面から申しましても、将来の学校給食の問題として考えるならば、私はもつと大きな観点、基本的な面から考えて行きたいと思つているのでございますが、まだ私ども結論を申上げる段階に至つていません。そこで当局にお願いしたいことがございますが、全部に、義務教育を行ないまする学童に対しまして全部小麦粉給食するといたしました場合にどのくらいな量が必要であるか、又そのことによりまして、いわゆるその結果からわかるかと思いますが、米のほうの消費量に対してどのくらい粉食に切換えできるか、この金額とかいうような問題は別といたしまして、全体の一つ数字的な基礎を一応資料をお示し願いたいと思います。それだけお願いをしておきます。
  39. 近藤直人

    説明員近藤直人君) 承知いたしました。
  40. 川村松助

    委員長川村松助君) ほかに御発言ありませんか。速記を止めて。    〔速記中止
  41. 川村松助

    委員長川村松助君) 速記を始めて。
  42. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 計数についてはまだ最終的に固まつてはおりませんが、大体の考え方を申上げさして頂きたいと思います。  第一に、給与改善費でございますが、この給与改善費は一万五千四百八十円のベースにいたしまして、この場合に勤務地給の従来五段階のものを四段階に整理いたしまして、二割五分が二割、以下五分ずつ繰下つて行くわけであります。平均月額を一月から実施するといたしまして三ヵ月分だけ見ておるのであります。それで文部本省国立学校所轄機関文化財合せまして二億四千七百万円という額でございます。  それから期末手当及び勤勉手当につきましては、期末手当の〇・二五を去る七月に出しましたので、この穴埋めをいたしました点が一つと、もう一点は勤勉手当を〇・二五上げたわけであります。合せて〇・五の額でございます。それが文部本省、各国立学校所轄機関文化財を入れまして五億六千四百万円。  それから暫定予算事務処理関係で、これは各省共通でございますが、暫定予算がたびたび出ましたので、予算書印刷代がかかりましたので、この印刷代だけを特に見る。金額は非常に僅かでございますが、九十七万七千円。  次に、義務教育国庫負担金でございますが、五十一億八千四百万円を計上する予定でありますが、そのうち義務教育教職員給与改善費として九億九千九百万円、この中には東京大阪の分は一応含まれておりません。  それから次の期末手当及び勤勉手当。これは半額の分で、やはり給与改善と同様に半額見込みまして〇・五の半額を見ておりまして十七億一千万。これも東京大阪、神奈川、愛知等富裕府県の分は一応落ちております。  それから次の義務教育国庫負担金増加額二十四億六千五百万円は従来の四十県の分についての不足額と、それから富裕府県に対する八、九、十、十一と四カ月分のものを見込んでおるのであります。それが二十四億七千五百万円。で、合計いたしまして、一番右の欄にございますように五十九億九千七百万円が今度計上される予定なつております。  ところで節約による既定経費減少文部本省で二千七百十四万一千円、文化財で一千百七十三万六千円、合せて三千八百八十七万七千円というものが既定経費減少でございます。この考え方は、この前行政費の大幅な節約をいたしましたので、行政費のほうは殆んど節約する余地がございませんので、特に補助金節約とそれから外郭団体に対する補助金、こういうものを節約したのであります。大体一割程度目標にしたのですが、なかなかそうも参りません。節約方針としては、大体補助金の一割、それから外郭団体に対しましては、人件費を除いた分について一割、人件費物件費の区別のないものに対しては、大体五%程度目標節約をいたしましたのですが、非常に無理な点もございますので、三千八百万程度で余り無理のない程度節約をいたしたわけであります。  不用による節約額が三百十三万八千円、これは国際計数センター国際分担金、これが不用になりましたので、それの額と、日本芸術院不用額合せまして三百十三万八千円。合計いたしまして四千二百万程度節約及び既定経費不用額、差引き五十九億五千五百万円というのがこのたび第二補正として計上される予定であります。従いまして、二十八年度改訂予算総額は一千五十八億、こういうことになります。
  43. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 この義務教育国庫負担金五十一億八千四百万円、その内訳の中に、義務教育職員給与改善費として九億九千九百万円あるのですが、あと半額はどういうふうな予算措置がされますか。
  44. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) これにつきましては、地方財政計画の中で、税の自然増収を見積りまして、差額だけを平衡交付金で出す。こういう考え方で一応地方財政計画では残り半額を見ていることになつております。
  45. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 同じような意味で同期末手当、これのあとの〇・二五はどういう予算措置なんですか。
  46. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 同様に地方財政計画に〇・二五を織込んでおります。
  47. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 これは又非常に私は問題になると思つているんですがね。まあ地方の税の自然増収ですね、それに政府は期待をしているようですがね。今の地方財政実情から言つたら、とてもこれを給与改善のほうに廻し得る余裕が実際にないのじやないかと思うのですがね。そういう懸念が私は相当多いと思うのです。昨年の問題についても本文部委員会でいろいろお世話願つたのですが、それでも実現しなかつた県もあるわけなんです。今度は期末手当だけでなしに、ベース・アツプの分についても地方自然増収に待つというふうなことであれば、これは事実上ベース・アツプは困難になるのじやないかというふうに考えますが、それについて文部省は十分な成算があるのか。見込みがあるのか。そういう点を二つ御説明願いたいと思います。
  48. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) この点につきましては、地方自治庁とも十分連絡をとりますし、結局は自然増収の見方の問題なんで、大蔵当局と自治庁とがどの程度自然増収見込むかという問題。結局差引額が平衡交付金によるのでありますから、自然増収を低く見積れば平衡交付金が多く算出されるし、自然増収を高く見積れば交付金は少くなる、こういう相関関係になることは御承知通りだと思いますが、そこで自然増収が非常に無理な見込をいたしますれば、只今荒木先生から御指摘のような結果が起きないとも限らないのですが、大蔵当局としては無理な見方はしていないという説明をしているわけであります。結局期末手当に関しましても給与基準に関しましても、税のはね返りは当然ございますので、そのはね返りのほかにどの程度のものを見ているかという問題になると思いますが、相当技術的には問題でもありますし、地方自治庁はこの程度の財源は自然増収として見込めるということで大蔵当局と妥協しておりますので、私どもは大蔵当局と自治庁との交渉に待つて両事務当局がやれるというなら私どもはまあやつて行けるのじやないか、かように考えております。
  49. 川村松助

    委員長川村松助君) 速記を止めて。    〔速記中止
  50. 川村松助

    委員長川村松助君) 速記をつけて。
  51. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 その次に義務教育国庫負担金の増加という項目があつて、この中にはいわゆる八、九、十、十一の四カ月分の予算化されていなかつた金額をここに改めて盛つておることと、それからその他の府県の不足分をここへ計上した、こういうことですね。不足分というのは来年三月までを見込んでの不足分を計上した、こういうことですか。
  52. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) さようでございます。
  53. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そうすると、この予算編成上これはいつもこういうふうにやるわけですか、というのは、半額負担するわけです。その半額は実績による半額ですね。ですから通常言えば、昭和二十八年度の不足分は二十九年度予算でその不足分を計上するように普通はなるのじやないかと私は思つてつたのですが、そうでなしに、本年度のうちに補正の中にその不足分を予算化する、こういうのが普通になるのですか。
  54. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) ええ、その点は従来も、国庫負担当時から大体の実績がわかりますれば、年度内に補正の機会がありますれば補正いたしまして、それから更に補正いたしましてもそこに増減は必ず起きて参りますので、最終的なものは精算補助でございますから、次年度或いはその次の年度になると思います。
  55. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 その不足分の金額は幾らになりますか、二十四億のうち。
  56. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 大体一億五千万程度だと思つておりますが、まだ、今、詳細にあばいておりますが、大体の額はそれくらいです。
  57. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 ここに二十四億七千五百万円という数字が出ているわけですが、これは四ヵ月分と、それから不足分ということになるわけですから、不足分の数字というものははつきりしているんじやないですか。
  58. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) はつきりいたしておりますが、今ここに資料ちよつと持合せませんので、大体一億五千万程度と私は記憶しております。
  59. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それでは話は前に戻りますが、教職員の給与改善及び期末手当勤勉手当の支給については、非常に、先ほど劔木先生からおつしやつたように、果して国家公務員と同様に措置が行われるかどうかということについては懸念をしておるわけです。これはどうしても文部、自治の大臣、長官から十分な説明を聞きたいと思いますので、委員長のほうでもその手配をして頂きたいと思います。
  60. 川村松助

    委員長川村松助君) 承知しました。  何かはかに御発言はございませんか。  ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  61. 川村松助

    委員長川村松助君) 速記をつけて下さい。  ほかに御発言ありませんか。御発言がなければ本日はこの程度で散会いたしたいと思います。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 川村松助

    委員長川村松助君) では本日はこれを以て散会いたします。    午後零時二十四分散会