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1953-10-31 第17回国会 参議院 風水害緊急対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十月三十一日(土曜日)    午後二時十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     矢嶋 三義君    理事            藤野 繁雄君            三浦 辰雄君            成瀬 幡治君            永井純一郎君    委員            大谷 贇雄君            重政 庸徳君            田中 啓一君            松岡 平市君            井野 碩哉君            上林 忠次君            新谷寅三郎君            亀田 得治君            竹中 勝男君            山田 節男君            松浦 清一君   政府委員    農林省農地局長 平川  守君   説明員    厚生省公衆衛生   局環境衛生部長  楠本 正康君    建設省大臣官房    文書課長    水野  岑君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○小委員長報告水害関係特例法中、建設厚生、農  林関係法律改正を要すべき点に  関する件   —————————————
  2. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 只今から本日の会議を開きます。  先ず各小委員長報告を求めます。第一小委員長松浦君。
  3. 松浦清一

    松浦清一君 第一小委員会におきまする審議経過並びに結果を簡単に御報告申上げます。  本小委員会としましては、現行特例法改正又は新立法意見提案者より、改正又は新立法を要するに至つた理由並びにその内容について説明を聞き、且つ建設省厚生省等専務当局意見を徴して審議を進めたのでありますが、一応八、九月の風水害についても適用するという改正案が、政府より提案されました場合に、それに対する修正を行うことを前提といたしまして、先ず改正又は新立法すべき内容について仮決定をいたしたものであります。  第一に法律第二百五十七号、たい積土砂排除に関する特別措置法に対する改正でございますが、三浦委員より、門司、小倉、若松、博多、下関等の港湾のたい積土砂排除事業は国が直轄事業として行うものであるが、同法には国の直轄事業規定がないため、地方公共団体の長が事業を行う場合には、全額国庫補助であるのに対して、十分の二乃至十分の三の地方負担がかかつて来るという矛盾が生じて来るので、これを是正するため、新たにお手許に配付してあります改正案のように、第十条の二として、「国のたい積土砂排除の施行」の一条を起して全額国庫負担規定し、その他必要条項改正を行わねばならない旨の説明がございました。この原案については新谷委員から、改正法案は第三条第二項に言及していないが、不都合はないかとの質問がございましたが、実際問題として、それに該当するものがないということで疑義が解消し、原案趣旨改正することに意見一致したのであります。  次に法律第二百五十六号、公共土木施設等災害復旧等に関する特別措置法改正についてでありますが、これについては次の三点に分れるわけであります。  即ち先ず第一点は、第五条の地「すべり等の防止施設に対する補助規定に関するものであります。これはさきに申述べましたたい積土砂排除事業を国が直轄で行う場合と全く同様の趣旨を以て、地すべり等防止事業を国が直轄で行う場合も、地方公共団体事業を行う場合の地方負担率と同一の十分の一とする趣旨規定を第五条の第二項として挿入する必要がある旨松岡委員より説明があり、改正することに意見一致をみたのであります。  次に第二点として、同じく松岡委員より提案されたものでありますが、長崎、佐賀、和歌山等の各県においては、今後も引続き地すべりが起る危険があり、防止手段として決定的に有効なものがないので、被害を生ずる虞れのある家屋に対して、地方長官家屋移転を勧告している所が多いのであるが、これに対しては、当然国がその転居又は家屋移転費用について補助する必要がある旨の説明がありました。この改正案としては一応法制局で作成したものをお手許に配付してあります。これに対して建設省事務当局より政府部内の意見としては、私有財産について国が補助することは疑点があり、衆議院附帯決議としてあつたように融資によつて救済するほうがよいと考えているので、大蔵省折衝の結果、すでに移転を要する家屋一千九百戸のうち移転不可能なものを除いて九百戸に対して、一戸当り十二万円の融資を行うように決定しているという意見が開陳されたのであります。かく種々論議を尽しました結果、松岡委員を初め、各委員の強い要望もありまして、一応原案趣旨による改正を行うことに意見一致をみたのであります。  第三点としまして、高潮等による災害防止事業に対する補助規定を新たに第五条の二として設けることであります。これについて井野委員より、今回の第十三号台風により愛知三重等海岸堤防は殆んど決壊したが、地震による地盤沈下の影響も考慮して、当然改良を加えた災害復旧を早急に実施せねばならんこと並びに従来の補助率では地方財政が負担しきれない等の理由のため、お手許に配付してあります衆議院法制局作成案参考に提示されたのであります。これに対して建設相当局より、海岸堤防復旧は延長二百十一キロに及び、総事業費二百億円に達する大事業であるので、建設省としては府県の委託を受けて直轄工事として施行する準備をしているが、資材、人員等関係から、昭和二十九年度に完成することは極めて困難であること並びに国の財政面を勘案して改良部分にまで十分の九の補助をすることは、却つて事業量の減少を招き、事業の進捗を妨げる結果となること等の理由を以て反対の意見が述べられたのであります。かくて長時間に亘り熱心に論議が尽されたのでありますが、結局現行補助率では到底地方財政がもたないこと、民生を早急に安定させる必要があること等を考慮いたしまして、改正を行うことに意見一致を見たのであります。なお、改正案の条文の整備については法制局において衆議院案参考として早急に作業を行うことになつております。  次に厚生省関係について御報告申上げます。  厚生省関係特別措置法は六件ございますが、今回改正せんとする趣旨要点等につきまして、松岡委員及び厚生当局から詳細なる説明を聴取した後、慎重に審議いたしたのであります。  次に改正要点を申上げますと、第一に、六件の特別措置法を本年八月及び九月に発生した風水害にも適用すること。第二に、母子福祉資金貸付に関する特別措置法につきまして、現行規定ではこの特別指置水害による被害を受けないものにまで及ぶ虞れがありますので、この特別措置対象風水害等により被害を受けたものに限定すると共に、この特別措置実施範囲風水害等を受けた全地域に及ぼし得るようにすること。第三に、災害救助に関する特別措置法につきまして現行法第二条第一号及び第二号に定められている応急架設住宅及び救助事務費等についての国庫補助措置が、本年八月三日に公布された災害救助法の一部改正法規定されるに至つたので、これとの調整を図らんとすること。第四に公衆衛生保持に関する特別措置法第四条第一項第三号中、屠畜場の災害復旧に要する費用に対しても、国庫より三分の二を補助することができるようにすること。  以上でありまして、本小委員会におきましては慎重に検討いたしました結果、いずれも妥当な措置と認め、了承した次第であります。  以上御報告申上げます。
  4. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) お諮り申上げますが、第二小委員長報告を求めて、あとで、質疑に入りたいと思いますがよろしゆうございますか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  5. 松浦清一

    松浦清一君 それから附加えて申上げておきますが、実は私この審議の最初からずつと経過を余り承知をしていない欠席裁判の小委員長でございますので、その経過結論等についての御質議がございましたならば、この改正意見を出されました松岡委員なり三浦委員なり、その他の委員のほうから御説明を願うことにいたしたいと思いますので、御了承願いたいと思います。
  6. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 風水害緊急対策特別委員会第二小委員会における審議の状況について御報告申上げます。  本日午前十時開会いたしまして、関係政府当局を招致し、小委員会へ付託されました件について実情を聴取いたしました後、大よそ次のように意見がまとまりましたので、その概要を御報告申上げます。  一、淡水魚の養殖及び放流に関して国費を助成すべきであるとの件につきましては、今後予算措置をすることといたしまして、政府に対して要望することに意見一致したのであります。  第二に、風水害によつて被害を受けた製炭窯の構築に対して政府が助成すべきであるとの件につきましては、これ又今後予算措置をとるべきであるということからいたしまして、前回同様に政府に対して要望することに意見がまとまつたのであります。  第三に、排水除塩の件につきましては、政府当局説明によれば、排水については現行法拡大解釈で助成し得るとも思われるので、目下大蔵省協議中であるが、除塩については特別立法をする必要があるとのことであり、衆議院側においてもその線に沿うて立案中であるので、本委員会といたしましては、排水をも含めて一つ法律として立案すべきであると意見一致したので、本委員会決定した後に衆議院側立案者修正方申入れることが適当であると決定したのであります。なお排水除塩に関しましては、原法律があるので、この原法律である農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律政府において速かに改正して挿入すべきであるという申入をすることに意見一致したのであります。  第四番目に、特別立法二十数件を八月及び九月の風水害に適用すべき法律改正につきましては、政府において善処される見込が明らかになつたので、審議を省略したのであります。農林省関係のものは本日午後提案されるという話であります。  第五番目のつなぎ融資利子補給の件については、政府当局審議中であるから、後刻その結果を報告するということにいたしたのであります。  第六番目、農林水産業施設災害復旧事業国庫補助暫定措置に関する法律特別法が「二十八年六月下旬」よりとあるのを、「下旬」を削除すべきものであるという意見については、農林省説明員は、農林省としての見解としては未だ一致を見ていないので、農林省見解としては、更に責任者を招致して確められたいとのことであり、なお委員間でも両様意見あり、小委員会意見一致を見なかつたが、多数委員意見は「六月下旬」の「下旬」を削除するを可とすることに賛意を表されたものと認められた。  右御報告いたします。
  7. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 両小委員長報告は終りました。質疑のあるかたは発言を求めて願います。
  8. 上林忠次

    上林忠次君 建設関係の先ほどの三重県、愛知県ですかあの土地の陥没と、それに伴う今回の堤防の決壊、それの復旧の問題でありますが、復旧ではなしに、改善もやる、改良工作もつけてやるということを、先ほど第一小委員長から話がありましたが、農地法によつて農地関係した堤防もあそこにあるのであります。片方が、建設関係のほうが、そういう工合に改良工事もやるということになりますと、両方合せてやらにやいかんということで、そこに片手落にならないように、建設関係にバランスするように農林省関係も考えてもらわないといかんというので、農林省もその係官のかたを一応呼んで頂きたいと思うのであります。
  9. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 私は昨日のこの委員会で、地すべりについての改正案内容一つである住宅移転住宅費の問題をも含めて一応了解という線が出た。私もあえてそのときには発言をしなかつたのですが、いよいよ小委員会議論の末なつたということでありますが、この点だけは私ちよつと確めておきたいのです。一般のやられた河川とか、或いは堤防とか、それらの破壊によつてやられた農家、すでにやられた農家或いは住宅、こういうのはいわゆる災害救助による特別措置法、あれによつて応急仮設住宅の供与を受けるけれども、いよいよ本建築になります場合は、或る程度の融資を受けるけれども、補助対象にはならないという点に比べて、片方はたとえそれが知事の避難命令に基くものに限つた住宅移転ではあるにしても、それと比べた場合に、何か釣合いのとれない感じがある点については、皆様どういうふうにお考えになつているか、ちよつとその点が疑問であると同時に、釣合いの点から問題じやなかろうかという気がいたしましたので、私は一つ何か蒸返すようですけれども、ここに意見を、関係官庁がおりましたら官庁、或いは委員の中で御意見があられましたらその人、一つこれを問題にしたいと思います。
  10. 水野岑

    説明員水野岑君) 只今三浦委員からお話がございましたような点もございまするし、又住宅のような個人財産になるというようなものにつきましては、私どもといたしましては融資でこれをやる、補助金を出すというのは果して如何であろうかというふうに考えておりまして、先般来から政府部内でいろいろ相談しておりましたが、地すべり等避難命令を出す、そういう場合の住宅の一部につきましては、取りあえず一億円の融資を認めることになりまして、一億円を関係地方公共団体に貸付けまして、そうして関係地方公共団体から転貸をする。利率が六分五厘で五年乃至七年間、一年間は据置期間というような、長期且つ低利資金を融通するという措置をとることにいたしたのでありまして、政府といたしましてはこれは一つ補助でなしに、融資でお願いしたいというふうに考えております。
  11. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  12. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記をつけて下さい。
  13. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 厚生省政府委員にお伺いするのですが、公衆衛生保持に関する特別措置法、それの三条の簡易水道等に関する規定ですが、「昭和二十八年六月一日又は同年七月一日から昭和二十九年三月三十一日までの間に、簡易水道復旧又は布設をしようとするときは」云々と書いてあるのですがね。それで今度出された補正予算を見ましても、大体二億四千万円くらい計上しておられる。ところが先般の御報告によると大体百九十一カ所、十億くらい要るのだというお話です。一方補正予算を見ますと、繰越明記がついておつて、翌年度でこの二億四千万円を使えということになつているのです。この法律に書いてありますように、二十九年三月三十一日までに布設、又は復旧云々とありますのは、恐らくこれはこの間に着手すればいいという意味だと思いますが、更に来年度になつてから復旧工事を始めようというものは、これの法律の表てからいうと入らないのです。こういうふうな予算の要求の仕方をしておられるのに、厚生省がこの二十九年三月三十一日というのをもう少し猶余期間を置いて、そうして災害復旧なんだけれども、予算がないから後年度に廻すのだというものがあれば、ここを改正されないと、あとに入らないのだということになると思いますが、なぜ厚生省のほうでは、その点の修正案をお出しにならないのか伺いたい。
  14. 楠本正康

    説明員楠本正康君) お答えを申上げます。御指摘のように簡易水道関係予算は、大蔵省との事務的折衝の結果におきましては、二カ年継続の事業に考えられております。従いまして本年はおよそその半分の額を予算に計上してあるわけでございます。従つて残りの半分は当然来年度事業として持ち越されるわけでありますが、この場合只今も御指摘のように、本年度中に事業に着手さえすればいいわけでありますので、すべての事業につきまして二カ年に区分いたしまして事業執行いたして行きたい。従いまして何カ所いたしましようとも、すべて本年度分事業量と来年度分の事業量というものを見定めまして、予算執行をして行きたい。こういう点で予算執行上は別に支障はなかろうと存じます。ただ強いて心配の点を申しますれば、府県政令指定は近日中に決定を見る予定でありますが、府県指定から漏れまして、村町指定の分になりますと、これは決定が急いでも相当延びるということを聞いております。従いまして著るしく町村指定決定の延びました場合に、中には事務的な手続等のために、或いは本年度中に着工ができなかつたものがありはしないかということは当然心配されますが、併しながら少くも水に不便をしておるということは、何よりも重大な問題でありますので、来年度着工が持越されるものは、まああるまいという見込みでございますが、併し強いて心配の点を申上げますれば、只今申上げましたような点はないとも言えんわけでございます。
  15. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 それでは今のところは二十九年度に大体着工する、それでまあ広く浅くやるわけですね、要するに。そうして着工さして二十九年度で完成さしちまう。だから今のところは不便はない、それでは結構です。ただ若し今のお話のように市町村の指定が遅れて困るような問題があれば、次の通常国会にでも厚生省側からこの改正案をお出しになることをお忘れないようにして、今回の立法からは、そうすると、省いてもいいということになりますから了承いたします。
  16. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  17. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記をおこして下さい。  先刻両小委員長から報告のありました立法事項についてお諮り申上げる前に、先ず確認をいたしたいことがありますのでお諮り申上げます。  第十六国会に成立いたしました二十四の災害特例法改正法律案並びに本国会において新たに提出するところの法律案は本特別委員会の全委員発議者とすること。  第二に、衆議院側と連絡をとつて円滑に立法が遂行されるように努力いたしますが、これからお諮り申上げて法律案を提出すると、決定した事項については、本日からその立法作業法制局をして当らしめ、一日も早く国会に提出し、その後に起る事態については衆議院側との調整委員長及び小委員長において図る。  第三点として、八月以降の異常災害については、内閣提出の形において六、七月の災害にとられた二十四の災害立法と同様の法律案を提出するよう政府に本委員会決議申入れ政府はその要望を容れて、伝えられるところによりますと、五本の法律案として近く国会に提出するようでございます。併しながら、前特別委員会においても確認いたしましたように、若しも前国会立法しました二十四の法律の中から一部を落して政府が八月以降の異常災害に対して法律案を提出するような事態があつた場合には、その落ちた部分については議員立法として追加、国会に提出すること。  以上三件を改めて確認いたしたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 御異議ないようでございますから、さよう決定いたします。  先ず第一小委員長報告からお諮り申上げて行きます。たい積土砂排除に関する特例法改正法律案を本院の議員立法において提出することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 御異議ないようでございますから、さよう決定いたします。  次に公共土木施設に関する特例法中の一部を改正する法律案、その内容については小委員長報告並びに先刻懇談会種々論議のあつた通りでございますが、そういうものの内容とするところの改正法律案を本院の議員立法の形において提出することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 先ほど懇談会意見を申上げたのですが、私は第一の小委員会に出て、意見をその際述べればよかつたのでありすが、片方のほうに出ておりましたために、機会を失して誠に恐縮に思うのです。この公共土木施設に関する特例法改正を要すべき点のうち、五条に第二項を設けて、いわゆる直轄事業についての規定がなかつたのを入れるという点は、これは当然法律の完全に補完的な問題でございますから、異議はございません。ただその次のいわゆる地すべり等発生又は発生の虞れが著るしいために住居が危険になつたところを退去避難命令を出す。これに対するいわゆる政府補助事業という問題については、先般懇談会中に申上げたような点を、この委員会としてはもう少し御研究の上に善処せられるのが然るべきかと思う。今主たる法案者であられる松岡委員がお見えになりましたから、直接おやりになるかどうか、これは委員長にお任せするとして、この点はもう少し研究するとして、いわゆるあまりに議員立法についての批判がないような形において行われたい、私はかような希望を持つております。
  21. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 委員長はお諮り申上げますが、その問題については先刻協議会のときにも種々協議がなされ、又政府説明員からも一応の見解が開陳されたようでございます。そこでこの公共土木施設に関する特例法の一部改正法律案は本院の議員立法で出す。併しながら、いろいろ議論の出ました家屋移転費の件については、更に立法過程において協議するところの余裕を残して、只今最終結論としてでなくて、更に検討して最終的決定は後日にするという条件付で、この第二項を御承認頂きたいと、こういうふうに委員長考えるのでございますが、如何でございましようか。
  22. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 これは入れる、入れない、入れるとすればどうする、入れないとすれば或いは他の委員会がやつたように政府に対する申入れの形になるか、そういつたような広い範囲内においての研究前提として、この特例法改正の問題を取扱うと、こういうことだと了解するならば私は結構だと思います。
  23. 松岡平市

    松岡平市君 特に三浦委員から私の名前を指摘してお話がありましたので、この機会に、言わんでもいいことかも知れませんが、一言申上げておきます。これは御承知のように、衆議院のこの法律についての附帯決議がついておる。それは融資をしろと、この家屋移転については融資をしろということであつて、休会中のこの特別委員会で、私は建設省政府委員に来て頂いて、融資がどうなつておるかと言うたところが、今なおそれは折衝中であるがきまらないと、こういうことであつて、勿論立法されておらないから、補助等はできないと、こういうことでありました。そこで止むを得ないから、これは当然何らかの経済援助をしてやらなければならない性質のものであるということで、こういう提案をいたしまして、御審議を願つて来たわけであります。先ほど建設省のほうから初めて一億円の融資が極く最近の機会にきまつた。この立ち退きを命ぜられ移転をしなければならん家屋の数は、調査されておるもので、西日本台風の一番初めのものだけで約千九百戸ある。そのうち融資をしてやるものの対象に約九百戸考えて、一戸当り十二万円、こういうことで一応融資の枠を漸く作つたから、この立法はやめてもらいたい、こういうような意見の開陳があつたわけでございます。私はそういう経緯と考え合せられて、地方長官危険防止のために命令をしたという場合に、何らかの補助をしてやるということが議員立法として妥当でないということであれば、もとより退けます。併しながら、この地すべり防止ということには十分の国の補助をするということになつております。併し、山が崩れるのを防止するというのに幾ら金がかかるか、今日の日本の経済情勢において、これは山の崩れるのを何十億かかつても、何百億かかつてもどんどん防止するような施設ができるかというと、これは言うべくして容易に行われない。この現在の予算措置を見ましても、これらについては明らかである。そうすれば、崩れたときに思いもかけない惨害を引起しそうだと思えるところを、地方長官移転を命ずるということは、この際残念ながら地すべり防止に先んじて是非やらなければならん応急措置であると考える。地方長官移転を命じて、なんらの補助を与えない。与えなくても移転ができれば別でありますが、多くは山間の狭いところに家を構えて農業をやつておる。そしてそういうところは今回も非常に大きな災害をこうむつておる。引続く災害に会うておろうというところでありますから、いずれも非常な困窮した状態にあるわけです。これを地方長官が次の災害を防止するために、災害というのは家がつぶれる災害であります。それを他に移転を命ずる。それに従つた場合に、なにがしかの国庫補助をするということは、当然のことであると私は考えております。
  24. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) この問題については、随分と長い間いろいろ議論のあつたことでございます。これから更に協議すれば相当時間がかかるかと考えるのでございますが、本日委員会開会の冒頭に確認いたしましたように、本日はできるだけ最小限度の協議において確認された結論を出そうということで、委員会を運営いたしておりますので、この点につきましては、両論があるようでございますから、甚だ法制局にはお気の毒ですが、両方の場合を予想して準備しておいて頂きたいと思います。そしてこれを各党に持つてつて、そして各党における意見のはね返りを待つて、最終決定をいたしたいと思います。よろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 第三点といたしましては、二件あわせお諮り申上げます。海岸堤防の件については、小委員長報告の線に沿つて、速刻議員立法として提出をする。厚生省関係の諸案件については、小委員長報告通りに一部改正法律案を提出する。以上の態度を決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 松浦清一

    松浦清一君 先ほどの御報告の中で、説明が少し足りなかつたかも知れませんが、法律二百三十二号の母子福祉資金の貸付に関する特別措置法の問題に関しましては、すでに厚生省から、本国会に提出する案を作つているという御報告がありましたのです。それは昭和二十八年六月及び七月の大水害並びに同年八月及び九月の風水害被害地域において行う母子福祉資金の貸付に関する特別措置法というその表題にして、その内容を当委員会で今まで審議がありましたその通り内容が、そこに盛られて、内閣提出として出そう、こういうことになつているという説明でございましたので、これは議員立法としての修正案は出さない、こういうことに小委員会決定をいたしましたので、或いは先ほどの報告に言葉が足りなかつたかも知れませんが、追加御報告申上げます。
  27. 田中啓一

    ○田中啓一君 防潮堤の話は、これは今の地すべりと同じようなふうに、私のほうもまだそれは十分にみなに相談してないのです。で、ちよつとそういうことは一応留保して頂いて、そしてよく相談しよう、こういう今段階なんです。でありますから、この地すべりの家の移転命令の問題と同じに扱つて頂きたい。別段、両方の法律関係があるということは、これはどちらでもよろしゆうございますが、ただそうやるかやらないかということは、今日のところ、ちよつと留保して頂いて、あれと同じようなことにして、持ち帰つてはね返りを待つて頂きたい。
  28. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 但し海岸堤防について立法を要するという点については、本委員会としては意見一致して異議がないように、委員長は確認しておきます。よろしゆうございますね。  それでは松浦委員長報告説明を含めて、第三点として私からお諮り申上げた点、御異議ないものと思います。よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 異議ないようでございますから、さよう決定いたします。  以上、私からお諮り申上げた部分を除く、第一小委員長報告を承認することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 御異議ないものと認めて決定いたします。  次に藤野委員長の件についてお諮りいたします。淡水魚並びに製炭窯、これらの助成の件については、その善処方を政府要望することにとどめ、新たに立法はしない、こういう小委員長報告であつたと思いまするが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 御異議ないようでありますから、さように決定いたします。  次に第二点に、排水並びに除塩の件に関しましては、衆議院と十分連絡をとつて、ともかく国会において、この立法化を図る、こういう基本態度を確認することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) さよう決定いたします。  次に第三点として、つなぎ資金の利子補給の件については、小委員長報告は結論が出ていなかつたと思いまするので、如何いたしましよう。
  33. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 これは政府当局を呼んで話を聞いている最中に、今閣議が済んだ、長官は財政部長と協議せなくちやできないから帰つて来てくれ、こういうようなことであつたのでありますから、財政部長は大臣と打合せて、後刻報告をするからということで、結論に達しなかつたのであります。
  34. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 従つて、この項は保留ということに決定をし、後刻結論を出すことにいたします。  最後に、しばしば問題になりました「六月下旬」の「下旬」という字句を削除するところの一部改正法律案を提出するかどうかという件でございますが、小委員長報告は、結論には明確には達しなかつたが、他の法律との関連上、これは削除するところの法律案を提出すべきであると考える、こういう御報告でございます。この小委員長報告を了承することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 重政庸徳

    ○重政庸徳君 今のは政府から訂正して来なかつた場合には政府の案を訂正する、こういうことなんでしよう。
  36. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 私ども先般来、当委員会でいろいろ御議論があつたので、会のほうへ持ち帰つて相談をしておるのであります。で、先ほどの地すべり等に関する家屋移転問題等と合わして、やはり各党で態度をきめた上で、この委員会で御決定願うようにお諮り願いたいと思います。
  37. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) この「下旬」の問題については、もう長いことの問題でございまして、各党に諮る期間が余り長いと、委員長委員会の運営に非常に困るわけでございますが、いつまで各党の態度を決定することにして、本日これを保留にするか、或いは本日の小委員長報告を、ここでこの特別委員会としては承認するというような形で行くか、いずれかお諮り申上げます。
  38. 重政庸徳

    ○重政庸徳君 小委員長報告ははつきりしなかつたのですが、小委員会では三浦委員からも、これが大多数で承認せられれば、あえて反対はせんと、こういうことで最後であつたのであります。そういうことになると、小委員会で大体決定した報告を小委員長はせねばならんと私は思うんですがね。
  39. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 いささか口を封ぜられておりましたので遠慮しておつたんですが、私の趣旨はもうかねてから言つているので、もう再び繰返しませんけれども、何としても私は線を置くべきであるというのが理論的であること、そして而もその予算の形を見れば、やはりああいつた憤慨に堪えないといつているほどの額である。それを徒らに広くやつて期待を持たせておきながら、行くところのものは誠に少いなどというような問題にもなりますので、線を画すべきが私は本当だと、今でも思うんだけれども、その小委員会に私が言つた……併しみんながやるんだということであるならば、私は孤軍奮闘するけれども、それはあえて自分ばかり主張したつてしようがない。これが本音の、私一個の考えです。けれどもこれは六月の「下旬」を取るか、取らないかというただ形式の問題じやなくて、その裏は当然二号台風を遡つて入れるかという問題なんです。だから私はそこで今新谷さんが言われたように、一応持つて帰られて、できるものならすつきりとおきめになるのがいいだろうというように思う。私の意見です。
  40. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) それではお諮り申上げます。問題が非常にむずかしい問題でございますので、先刻の小委員長の本委員会報告も明確を欠いておつた委員長は考えます。従つて委員会における小委員長の責任ある報告をもう一回して頂いて、その小委員長報告を各党に持ち帰りまして、次回の本委員会において結論を出すということにいたしたいと思いますが、よろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 恐れ入りますが、藤野委員長、もう一回御報告を願います。
  42. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 さつきも報告いたしました通り、「六月下旬」をとるかとらないかということには意見がいろいろあつたのでありますが、最後になりまして、多数の意見が「下旬」はとるべきものであるというように、意見がまとまつたということを、さつき報告したのであります。
  43. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) お聞きの通りであります。  只今私が逐次お諮り申上げました部分を除き、藤野委員長報告を承認することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  45. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を始めて。
  46. 大谷贇雄

    ○大谷贇雄君 先ほど新谷委員から簡易水道の問題について、厚生省のほうへ御質問があつたのですが、この簡易水道の問題は災害復旧に非常に重大な関係があるわけですが、厚生省はこれについて約五億円程度の予算措置をしておられるというようなふうに聞いておりますが、これは西日本、それから十三号台風、両方が含まれていると思いますが、これは約五億円では非常に少ないと思うのですが、その割振りはどんなふうになつているか、厚生省、おいでになると思いますが、お伺いしたい。
  47. 楠本正康

    説明員楠本正康君) お答え申上げます。ごく率直に申上げます。実はかねがねこの席でお答を申上げておりますように、約十億余りを所要経費として大蔵省に要求をいたしたわけであります。その内訳でございますが、要求当時の内訳は、率直に申上げまして、西日本六月、七月の大水害の分が約九億、それから十三号台風の分が約一億七千万円ということでございます。で、まだ予算の振分けというようなものは具体的に決定をいたしておりませんが、而も勿論この要求の基礎数字に按分して五億を分けるということはあえて申上げませんが、おのずから多く要求されたところは多くなるということになると、申上げかねますが、この六月、七月の大水害部分に大部分の経費が行くのではないか、五億のうち大部分が使われるのじやなかろうかと、かように考えます。と申しますのは、この十三号台風の場合におきましては、極めて私ども公文を以て地方に照会した資料に基づきまして、予算を編成したわけであります。こちらの勝手にやつたわけではございませんが、ただ突然国会が開かれることになりまして、早急に予算を編成することを大蔵省から依頼されました関係で、十分調査の時間がなかつたことが、その一つの原因だろうと存じます。それからもう一つは、その当時は多分大したことはあるまいと思つたことが、今になつて見ると、まだ未だに塩水の冠水が引かないというようなことで、その後又事態発生しているのではなかろうかと思います。が、いずれにいたしましても、予算要求の当初の資料に基きまして、かような決定を見たわけでございまして、その点はお含みを願いたいと思います。
  48. 大谷贇雄

    ○大谷贇雄君 予算要求の当初の資料に基いたということで、今その比率をお話なつたわけですが、十三号台風のほうに関しましても、詳細なる報告を求められれば、相当の計数になつて来ると思うのであります。その点に関しましては、今の予算要求額が非常に少ないと思うのですが、この十三号台風のほうが。これは一つ十分御調査の上善処方を一つお願い申上げたいと思います。
  49. 永井純一郎

    永井純一郎君 これは立法事項じやないのですが、今日の中になかつたと思うのですが、この前からこの問題に、私がお願いをしておる農林省関係の経済効果の点から言つて補助対象のあの政令の事項ですね。これは今日農林省が見えておるようだから聞きたいのですがいいですか。
  50. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 結構です。どうぞ。農地局長が見えております。
  51. 永井純一郎

    永井純一郎君 この前、櫻井君が見えまして、そのときに質問をして、十分に相談をして回答しますということであつて、まだ回答を受けていないのですが、御承知通り農林水産業施設暫定措置法に伴う政令の中に、この開拓農家を標準にして四十三万何千とかいう数字から逆算して、そうして、事業量の小規模農家が幾ら、標準農家が幾らというような金額を出して、それを補助対象の基準にしておる政令があるのですよ。そのために今度の災害の査定に当つて大蔵省がそれを楯にとつて農林省農地関係復旧を非常に大きく査定をしておると考えられる。これは農林省は当然自分のところで政令は改訂できるのだから、早くからこれを改訂しておかなければならなかつたと思う。それを今頃になつて大蔵省からそういうことを言われて、それが査定の対象になつているということになりますと、これは私は非常に心配しているのですが、中山間部から山間部に亘つての町村では、非常に多数のものが査定から落ちる危険が非常にたくさん出て来ます。そういうことになると重大問題でありますから、早急に政令を、農林省みずからできるのですから作つて、そうして大蔵省との話合いを進めなければいけないということを申上げておいたわけですが、そこで私が聞きたいのは、その後その政令を一体作つたのかどうか。それから今後大蔵省が査定した補正予算に組んで来ておる中には、恐らくそういうものは未査定のままで私は残しておるのじやないかと思うが、その点どうかというこの三点についてはつきりお答え願いたいと思います。
  52. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 答弁の前に申上げますが、その件は衆参両院の特別委員会の完全に一致した申合せ事項となつていることを申添えておきます。
  53. 平川守

    政府委員(平川守君) この、殊に高率適用をいたします場合に、却つて除外されるものが多くなつてしまうというようなことは、非常なこれは矛盾であると思います。従いまして、これにつきましては多少遅れて参りましたことは甚だ申訳ありませんが、少くとも従来の五割なり六割五分の普通の補助前提として適用されるものについては補助対象にして、そうして補助率は九割にするのだ、こういう必要が少くともあろうかと思うのであります。そういう意味におきまして、只今政令の改正大蔵省協議しております。但し今回の予算につきましては、一応従来の対象になるべきものは対象になるという建前での積算をいたしておりますが、勿論まだ査定が済んでおりませんので、具体的に幾らになるということは、まだはつきりはわからないわけでありますが、全体の予算の積算の基礎といたしましては、従来助成の対象になり得るものについては、これを対象とするという考え方で積算はいたしております。これにつきましては、大蔵省との話合いがまだ付きませんけれども、これはもう少くともこの程度までは当然だと思いますので、鋭意話を付けたいと考えております。
  54. 永井純一郎

    永井純一郎君 今の従来のものというのは幾らの……。市町村の場合の十万円というやつですか、八万円か。
  55. 平川守

    政府委員(平川守君) つまり従来開拓の場合に、国が支出しますところの国の経費と、その五割補助補助金の交付される額とを一定の計算で比較するようになつてつたのであります。そこで五割補助の場合にその五割が比較の対象になる。ところが九割補助になりますというと、その九割の額が比較の対象になりますので、開拓の投資額に比べて非常に割高であるということになる虞れがある、そういうことになるわけであります。そこでそれをそうでなしに、一応この具体的の一つの土地の復旧が、開拓に比べて不利益であるかどうかということを比較します際には、高率適用になる土地でありましても、比較する際には、一応五割補助という前提で、従来の補助率前提にして比較する。そうしてこれが補助対象になるということになつた場合に、その金額に対する九割を補助する、こういうふうにいたしますれば、少くとも従来対象になつてつたものが落ちるということはなくなる、そういうふうに考えております。
  56. 永井純一郎

    永井純一郎君 いや、それはこういうことになると思うのです。従来の適用比率、補助率で適用になるものは落さないということはいいですよ。少くともそれは最低でなければならん。ところが今度の場合はそれだけではいけないので、殆んど全部の、特に農地については、いわゆる小災害に属するすべてを対象になるようにして行きたいというのが、衆参両院が作つた適用基準の精神、ですからそれ以下のもの、あなたが言われる基準以下のものは全部落ちるということですね、反面から言うと、その説明では……。それで困るということを委員会は言つているのですよ。
  57. 平川守

    政府委員(平川守君) これは無制限に幾ら多額でも適用せよ、補助対象として復旧費が幾ら多額でもこれに復旧費をよこせ、こういうことでありますと、これは非常に大きな変革になるわけです。やはりこれは非常に経済効果の低いところにつては何らかの基準で、やはり除外をしなければならないと私どもは考えておるわけであります。但しその基準についてはいろいろ議論があろうかと思います。議論があろうと思いますれども、一応従来の基準で従来ずつと大体のところは補助がされておつたわけでありますから、それが今度の高率適用の制度の関係上、逆に補助が適用にならなくなるということは非常に困る、併少くとも従来相当程度の災害地というものは、皆助成されておつたのであるし、それからいわゆるその三万円までというようなことについては関係ないわけでありますから、従つてこれによつて除外されてしまうということは、殆んどないと、私どもは余ほどの復旧費の割高な、余ほど例外的なものは除外されるかと思いますけれども、そういうものは極めて少いと考えております。
  58. 永井純一郎

    永井純一郎君 その計算の結果が極めて少いとすればいいのですがね。併し今度の場合は、殆んど御承知通り、中山間部から山間部にかけては災害を受けた。というのは、全然村がなくなつて新しく村を作る事業だといつたほうがいいくらいです。そこで入植するよりも、経済効果から見れば、ずつとそれよりも悪い、経済効果から見て行くと下位に属する復旧事業というものは多数ですよ。それは、ですから政令を改正する場合には、そのことをよく考えて、そういうものが相当やはり救える程度のところまで手が届くような改正が私は必要だと思う。あなたがさつき言われたような、従来の補助率対象になるようなものからは、高率で適用するようにしたいということだけでは、とてもいかんのじやないかと思う。それは併し具体的に数字を検討してもらつて、その上で私が言うようなことであれば、これはそういうことを含んで、あの政令をどういうふうに改正したらいいのか、文章はわからないが、そういうふうな意味を含めて私はあの政令を改正してもらわなければいけないのじないかと思います。それからもう一つ、まだ政令は改正してないわけですね。
  59. 平川守

    政府委員(平川守君) 政令の改正につきましては、先ほど申上げましたように、大蔵省の了解が要りますので、これを今鋭意やつておるわけであります。至急に片をつけたいと考えております。  それからなお話の点につきましては、私どもは少くともこれが助成から除外されるという場合は、このように、私どもの案のように改正をいたしますれば、極めて稀であると想定しております。併しまあ運用いたして見まして、お話のような結果であれば、又再考をいたしたいと思います。
  60. 永井純一郎

    永井純一郎君 わかりました。
  61. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 建設省水野文書課長が見えておられますから、委員長からただ一点この際伺つておきます。  ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  62. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を起して下さい。  政令について並びに予算については、その資料の提出を強く要望しておりますが、各委員におかれても、いろいろと質疑されたい点があると思いまするけれども、本日はこの程度にとどめて、次回に譲りたいと思います。  なお、殊に予算の問題については、その後政府の提出した資料に相違を来した面もあり、種々審議をしなければならないと考えておりますが、昨日皆様と確認いたしました予算委員会との連合委員会予算委員会に要求する件、改めて確認いたします。  本日はこれを以て散会いたします。    午後三時三十五分散会