運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1953-11-25 第17回国会 参議院 内閣委員会行政機構の整備等に関する小委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十一月二十五日(水曜 日)    午前十時二十八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小酒井義男君    委員            竹下 豐次君            白波瀬米吉君            天田 勝正君            松原 一彦君            野本 品吉君   委員外議員            八木 幸吉君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君    常任委員会専門    員       藤田 友作君   説明員    日本専売公社副    総裁      勝田雄次郎君    日本専売公社総    務部長     小川 潤一君    日本専売公社総    務部総務課長  高橋 時男君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○公社制度に関する件   —————————————
  2. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 只今より内閣委員会行政機構整備等に関する小委員会を開会いたします。  本日は公社制度に関する調査を議題といたします。日本専売公社昭和二十四年の機構改革によりまして従来の官業から独立採算制による公共企業の形体に変更されたのであります。日本専売公社公共企業体として業務を始められてから今日まで約四年を経過しておりますが、この間の経験によつて現在の公社制度官業と比較して経理能率等の面において、特に有利と認められる点はどういう点であるか。又不利と認められる点はどういう点であるか。なお他の公共企業体におきましても、従来官業時代に比し、国の監督監察の力が弱くなつておるので、業務の上においてルーズな面が現われて来たという世上のうわさも開くのでありますが、以上述べました諸点について、本日の当委員会におきまして専売公社の副総裁等より御説明を承わることにいたしたいと思います。では勝田総裁から説明を受けます。
  3. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) 先ず専売公社が今現在行なつております現況を申上げまして、それから逐次御説明申上げたいと思います。  それでは専売公社現況について御説明申上げます。専売公社資本金は二百三十二億五千九百万円でありまして、本年度成立予算による納付金予定額は千四百三十三億九千八百万円となつております。で、専売公社の行なつておりまする各事業について一応御説明申上げます。  たばこ事業について申上げます。たばこ事業国民生活の安定に伴う消費水準向上、人口の自然増加等によりまして製品売行がよく、回内におきまして原料葉たばこ生産の増、並びにたばこ製造もこれに応じて拡充せられまして、品質も又逐次改善せられておおむね順調に経過しております。葉たばこ生産につきましては、製造たばこ原料用葉たばこはその大部分国内生産いたしまして、冨士ピース、光の原料用といたしまして若干アメリカ及びインドから輸入しておる状況であります。で、国内生産葉たばこは毎年九月上旬から全国九百五十一カ所の収納所におきまして収納を始め、おおむね翌年三月を以て終了する予定であります。製造たばこ需要の急増に対応しまして、国内における葉たばこ耕作反別は毎年増加して来ておりますが、昨二十七年度全国で五万五千町歩、本年度は六万五千町歩でありました。明二十九年度は七万町歩予定であります。でこの増反は両切葉たばこ需要がふえて来ておるので、その原料として使用される黄色種に重点をおいております。この収納価格農業パリテイ指数及び葉たばこ生産費を基礎として公社が定めておりますが、本年度は昨年度価格に比べまして平均六・九%の引上げを実施いたしました。  次にたばこ製造について申上げますが、たばこ製造能力は現在全国で三十九工場、年産八百五十五億本を有しております。終戦当時には戦災によりまして三百五十億本程度にまで激減したのでありますが、鋭意復旧に努めまして現在では戦前の八百億本を超えておるのであります。で、昭和三十三年度までにはこれを千百八十一億本に拡張する計画を立てております。本年度におきましては公社は九百四十七億本の製造予定して実行しておりましたが、売行の好調に対応いたしまして更に増製を図つております。  たばこ販売について申上げます。たばこ売行ピース光等高級品が予想以上に伸びて来たので好調を続けておりますが、この傾向消費水準向上による一面、品質の改善によつてうまいたばこが供給できることになつた結果と考えております。で、外貨節約の見地から現在では輸入に制限があり、外国興の配合が戦前のように行かないので自然たばこの味をよくすることも思うに任せぬ点がありますが、国内産葉品質向上製造技術向上によつてピース並びに本年度から新発化しました富士などは公社としましてはかなりの自信を持つております。本年度におきましては輸出を含めて当初数量九百三十六億本、金額二千八億円の売上を予定していましたが、大体この予定を四%程度上廻つておる次第であります。この売渡高昭和十一年当時に比べると数量におきまして六割近くを増加しておりますが、昭和三十三年度には一千百億本を超えるものと推定され、前述のように葉たばこ耕作並びに製造能力の拡充を図つているわけであります。  次に塩事業について申上げます。塩の需給状況終戦後の極端な不足状態を切抜けまして最近は全く安定いたしておりますが、需要量の約七五%を外国塩に依存するの止むを得ない状況であります。  塩の生産について申上げますが、現在塩の国内生産者価格は一トン一万三千六百円でありまして、これに対して輸入塩は高いときで八千円、安いときで三千五百円であります。内地の塩は輸入塩より品質は或る程度優れているとしてもかなり割高であります。これは内地の塩は雨と湿気が多く自然の条件に恵まれない塩田で多くの人力使つて海水を濃くし、これを更に燃料を使つて煮つめるという、世界的に見て極めて特殊の製造方法を採用しなければならない事情で、止むを得ず生産費がかさむことに基くものであります。併しながら製造施設合理化は窮屈な資金事情にもかかわらず着々と進められておりまして、又少量の電力を最も有効に利用して、海水から直接塩を作る加圧式工場公社の手で完成いたしまして、更に人力を大いに節約できる流下式塩田等研究がすでに実用化段階に入りつつあることなどは、国内製塩の前進に明るい希望を与えているわけであります。  ただ国内生産の現状は遺憾ながら必ずしも満足な状態ではなく、戦後の回復もやや立遅れの感がありますが、これは長い戦時中及び戦後にかけての荒廃と数次に亘る手ひどい台風の被害によるものでありますが、最近国内生産に対する施策は漸く進展しまして、例えば昨年七月施行された製塩施設法により塩田復旧、改良、新設に対する公社の補助や、製塩施設の保全に必要な措置が整備されたことは、今後その運用に少からず期待がかけられるところであります。又農林漁業金融公庫法に基く融資、本年八月から施行された塩業組合法による経営合理化促進等は、国内塩業の刷新に寄与するところが大きいものと信じております。  昭和二十七年度におきます国内塩生産実績は四十五万トンで前年度より約二%微増いたしましたが、本年度においては五十八万三千トンを予定していたが、目下の見込ではこの予定を下廻ることになると思われます。ちなみに昭和九年と十一年の平均実績は五十九万九千トンであります。  塩の輸入について申上げますが、塩の輸入戦前におきましては中国、台湾等のいわゆる近海塩に依存していたのでありますが、戦後の国際事情によりまして最近は心らインド、アデン、エジプト等遠海塩及び仏印タイ等の準近海塩に切替えております。本年度においては総計約百五十五万トンの輸入予定いたしておりましたが、十月末までにすでに八十三万六千トンが入荷し、輸入面格も大体九ドルの線に落着いております。なお本年度においては七月以降に中共塩十九万トンの輸入が成約いたしております。公社としては成るべく日本に近い地域からの輸入をふやしまして、輸入数量の確保と輸入価格の低減とを図るべく常に検討を加えて来ましたが、昨年タイインドシナ及び台湾塩業視察団を派遣したこともその一つであります。この調査の結果、東南アジア地域が極めて製塩条件に恵まれていて将来の日本にとつては確実で有利な供給源となり得ることが明らかとなり、塩の輸入の前途に光を見出すことができたと言えます。  塩の販売について申上げますが、本年度一般用百五万トン、ソーダ工業用百五万トン、合計二百十万四千トンを予定しておりますが、輸入価格の低落に伴いまして、その売渡価格ソーダ工業用については七月十五日から引下げ輸入船内渡しの場合でトン当り九百六十五円の引下げを行いまして、又一般用につきましても八月一日からトン当り千円の引下げを実施いたしました。  樟脳事業につきましては、我が国特産品である樟脳或いは副産油は、セルロイドを初め香料、医薬品、フイルム、防虫剤などの原料であつて、これらの製品は重要な輸出品となつております。本年度は四千百十五万トンを売渡す計画でありますが、市況に必ずしも活発ではありません。現在我が国樟脳生産台湾よりも多く、昨年度は三千七百七十五トンでありましたが、本年度は三千八百トンの生産予定しております。外国合成樟脳に対して我が国においても昭和十一年以来各方面で研究を重ねて来ましたが、最近における世界各国技術進展に応じ研究を進めましてその結果を以め得る段階に達しております。今後セルロイドヘの原料獲得と楠の蓄積とを睨み合せまして、公社におきましては合成樟脳製造法完成に成功し、本年度から中間工業試験を実施するに至りました。  次に運営について申上げますが、従来の専売局から公社移行後四年有余を絡ましたが、その間第一に努力したことは役員の気風を切換え、いわゆる前垂れがけの精神を以て仕事に当ることを部内に徹底させたことであります。又能率向上経費節約ということも公社になつてから特に心を用いて来たことであります。帳簿組織官庁会計組織から企業会計組織に切換えるとか、原価計算を精密に行なつて無駄の排除に努める等の努力がそれであります。更に公社移行後の経験に基きまして昨年三月相当大規模機構改革を行いました。特に内部監査制度を充実して経営合理化を推進しております。又予算制度につきましても公社発足当時は一般官庁予算と異なるところは少く、公社としての事業運営に不便を感ずることが多くありましたが、本年八月の公社法改正によりまして予算制度は相当大幅な改正を受け、企業機動的運営が図られるようになり、又業績賞与制度も設けられましたので職員の士気を一層高揚せしめることができることともなつたのであります。以上事業現況並びに運営現況について申上げました。
  4. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 今副総裁から現況公社になつてからどんな点がよくなつたかという点を最後のところにかいつまんで話されたと思いますが、恐らくどういうところがよくて、今後どういうところが直さなければいけないか、公社はどう考えているかということが問題じやないかと思いますので、この点に関しまして若干内部で一致して今のところ感じておるところを申上げたいと思います。  実は御承知のように公社制度になりましたのは、公社制度自身が発生的には目的じやなくて、たまたま公務員のストライキを禁じるというマツカーサーからの指令が出まして、その結果当時鉄道も我々専売もみんな公務員であつたのでございますが、この半ば企業をやつておる者に罷業権を認めないというのはおかしいということで、この両者だけはまあ罷業権は極端だけれども団体交渉権だけは認めようということから、公務員制度から切離しまして一つ公共企業体にしようというのが主たる動機つたように開いております。たまたまそういう動機がありまして、内容は企業だからこの際別個にして公共企業体というものにしろということで、急遽法制の整備をされたようでございます。併し発生的動機はとにかくといたしまして、結果的には確かに公務員制度一環として官業事業という形であつたよりも我々は結果がよかつたというように考えております。  第一点は先ず非常に経営陣といいますか、大岡の人事が安定した。今までは率直に申上げますと大蔵省の一部局として次官が代れば局長が代る、局長が代れば専売局局長も代るというふうに、絶えず大蔵省異動一環として不安定でありまして、主として余り専売事業経験のない人がぼそつと来てから又異動のたびにどこかへ行かれるというようなことで、上の人も余り落着かなかつたし、下の人もまあ上の人はいつか代つてしまうんだからというような気持で、上下の関係がぴつたり行つていなかつた。それがこの制度ができまして、総裁だけは大蔵大臣任命、これは全財産が国に属しておりますので当然だと思いますが、大蔵大臣任命によつて総裁以下副総裁理事或いは我々職員というものは全部総裁任命するという形になりまして、現実的には非常に安定性を持つて来たということが人事の面にいてこれは根本をなす点でありますが、非常に大きな影響力を持つたと思います。  その次は公共企業体になりまして経理制度がかなりいわゆる会社経営といいますか、事業をやるのに比較的適合した姿になつて来た。当初公共企業体なつたときは時間がありませんでしたから、一応従来の予算制度をそのまま引継ぎまして、歳入歳出という形をとつて、而もその歳出のうちは今まで通りに細かい区分をして、一々その使い方或いはそれからちよとでもはみ出すときには大蔵省へ持つて行つて相談をしなければ動きがとれないというような形をこなしていたのでございます。例えば最近のようにどんどんピースが売れる、売れるけれどもピースに対する原料手当用のお金は年間五十億円なら五十億円しか予算ない。そうするとどうしてもピースが売れるから原料費を六十億手当しなければならないという場合にその十億に関しては大蔵省へ持つて行く、場合によつて国会が開会していなければこの問題は手当てできないというような制度つたのでございますが、その後の改正によりましてこういうことも事業に応じて支出を膨らますということは、或る条件の下では企業体が自由にやつてよろしいというような形に改正して頂きまして、或いは又全体の売行きが非常によくて工場超勤居残りをしてまで生産をしなければならないという場合には、たとえそこに表向には最初の予算には超勤予算がなくても、必要に応じて超過勤務をやつてよろしいと、その財源はほかの科目から流用してあとで届出でしておけばよろしいというような改正をして頂きまして、これは一般官庁にはとても及びもつかない大改正をして頂きまして、我々としては非常にやりよくなつたということを言えると思います。  それからもう一点は、企業体になりまして総裁責任を持たれるということから、今までのようにやり放しではいけない。工場全国に三十五ですが、三十九ありまして、そこでいろいろの同じ製品を各工場で作つている。例えばピースの例をとりますと、恐らく今はつきり数字を覚えておりませんが、十三工場或いは十四工場ピースを作つている。その原価が一体どこの工場能率を上げているかというようなことは、今までの官庁組織では甚だ無責任つたといいましようか、余りに大して深い検討はしておりませんでしたが、そういう点を微細に研究しようということで、先ほど総裁の言われましたように先年三月の大改正の折に部内審査部というものを設けまして非常に組かい原価計算をとる、而も機動的に各支部局へ出張して検査員がむしろ行届かないところを検査して行くというようなことで、而もその報告は毎週私らのほうで部長以上集つて、或いは理事も、理事会と称しておりますが理事会報告をして、悪い所は直し責任を取つてもらう所は取るというような形で部内改革の実を挙げております。これは内部で我々が進んでやつた、ことですがこの効果は非常に大きいように思つております。大ざつぱに言えば大体その三点が大きな公社制度なつた長所だと私ら部内の者は一政して考えております。  なお、じやどういう所を今後残されている欠点かというような点に関しましては大分はつきりした結論というような、まだ統一ができておらないのでりますが、まあまあこういう点がどうもまずいのじやないかなあとおぼろげながら感じておりますのは、率直に申上げますと、予算制度そのものに、我々の仕事には税金部門コスト部門、例えばピースを作りますと、定価は四十円ですが、その中でコスト部分が仮に六円五十銭ならば、大体十円以下なんですが、直接経費を六円五十銭としておきますと、六円五十銭が直接経費あとの三十三円五十銭というものは税金部川であるというような感じが、分析してみなければわからない。これは私のほうの経理のほう或いはさつき申しました審査のほうでは確定した資料を持つているのですが、世間から見てわからない。従つて何か専売公社はどんどん売れて儲かつているのだからというような感じを受けるので、我々としては非常にこの点はむしろはつきりしてもらつたほうがいいのじやないかピース幾ら作つて旧益金部分幾らならそれを毎月なら毎月国へ納めてしまつて、それ以上安く作つたら、お前たち能率を上げたのだからむしろお褒めを頂く。或いは今言いますように、労働問題に対応しても業績賞与とかいろいろな問題について、これだけの原価引下げがあつたのだから、お前のほうはこれだけ少し職員や労務者にボーナスをやれというような形にして頂いたらいいのじやないかというような感じを受けております。今の制度では益金というものは一年の終りに千四百、去年は千三百何がし、今年は千四百何がしというものを一括して納めることで、何か我々としてもそこに張り合がない、もつとはつきりしてコスト引下げたら何とか国会からも大蔵省からも褒められるというような感じにして頂いたらどうかなあというふうに、少くとも私は丁度経理を担当しておりますので感じております。この問題は仲裁裁定の労働問題にも関係して来るのでありまして、欠点のもう一つとも言えるのでありますが、例えば仲裁裁定があつても自主的にこつちが給料を、お前たちにそれじや幾らお互いに分け合うというような結論がどうも出ない。給与に関してはやはり大蔵省へ持つて行つて相談しなければ、自分らで自主的にものを判断することができないのであります。
  5. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止上〕
  6. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 速記を始めて下さい。
  7. 竹下豐次

    竹下豐次君 公共企業体になつてからよくなつたという点を三つお述べになりました。その最後ピース製造の例をお引きになりまして各工場が大変熱心になつたと、これはそうだろうと思つておりますが、官営が公共企業体なつたからという本質的のものじやないのでしようね。ただその後指導がよろしきを得た、監督がよろしきを得ただけという違いじやありませんか。何か公共企業体なつたがために統制するために都合がよくなつたということがあるのですか。
  8. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 今のは本質的には御質問の通りと思いますが、やはりまあ間接的には人事が安定して一人のひとが長く責任を持つということから出て来るのであります。併し本質的には確かに公社制度そのものではないとも言えるかと思います。
  9. 竹下豐次

    竹下豐次君 バットとかピースとかいろいろありますね。私はたばこをのまんのでよくわかりませんけれども、各種類で、全部でなくともいいのですが、どのたばこが本数にしてどのくらいの程度で余計売れるものかどうかということを、というのは、どのくらいみんなが辛抱しているか、貧乏しているかということを知りたいわけです。
  10. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  11. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 速記を始めて下さい。
  12. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 今の御説明を申上げますと、大体業務概要報告二十九ページに二十七年度製造たばこ実績というのがございますが、これはまあ傾向としては手取早くわかるあれと思います。ピースが上に、ずつときざみですから抜かしまして、ピースが九十八億五千万本、光が三百六十一億、新生が百九十九億、バットが二百五十六億、こういう状況になつておりまして、このうち二十八年度へ行きまして非常なる変化はピースが百三十億くらいになります。これは九十八億です。ピースの伸びが非常に大きいということと、光が二百六十一億になつておりますが、二億くらい下つていると、それから新生バットは大体この調子ですが、新生はもう少し二百億をオーバーするだろう、そういう傾向でございまして……。
  13. 竹下豐次

    竹下豐次君 バットというのは一番これは安いのですか。二百五十六億というのは……。
  14. 小川潤一

    説明員小川潤一君) バットはこの程度伸びておるはずです。もつと二百七十二億まで行きそうです。それで定価ピースは御承知の四十円、光は三十円、……
  15. 松原一彦

    松原一彦君 冨士幾らですか。
  16. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 富士は十本六十円、これは二十本詰めになつておりまして、百二十円で売つておりまして、十本に換算しますと六十円、富士はほんの僅かしか出ません。全体で、今年の一年間で三億という予定です。ほかのものは再億ベースなのにそういうふうに非常に少い。まあ日本でもこういうたばこもできるのだぞという技術保存ということです。二十本百二十円、進駐軍の理相場よりちよつと高いのです。それからピースが十本四十円、光が十本三十円、それから新生は二十本売りで出しております、四十円です。十本にしますと二十円。ゴールデンバットも二十本で出しておりすす。これも十本に換算しますと十五円。それで知つておいて頂きたいのは、一つ原価をこの際ちよつと聞いておいて頂きたいのですけれども、如何に税金を余計納めているか。例えば富士の六十円に対して原価、これは間接費、我々の給料なども含めまして十三門二十五銭。それからピースの四十円に対しまして間接費償却費一切含めまして九円二十七銭、それから光の三十円に対しまして七円三十六銭、それから新生が三十円に対しまして四円五十銭、それからゴールデンバットが十五円に対しまして三円八十七銭。ですからまあ七割五分は大体税金に払つておる、そういうふうになつております。
  17. 天田勝正

    天田勝正君 この七十六ページですか表がございますが、その表を一つお開け願いまして、各部局がずつと列記してございますが、その下のほうに括弧がしてあつたり又大括弧がしてあつて更に又それに区分けがしてある。こういうのはあれですか、例えば地方局の初めから二番目の所にたばこ販売部たばこ生産部というのがあつて、下のほうに括弧がしてあつたり、たばこのみこれは地方局規模の大きさによつて二つのものを一つにまとめて、これをたばこ部でやると、こういうふうに見ればよろしいのですか。
  18. 高橋時男

    説明員高橋時男君) そうです。
  19. 天田勝正

    天田勝正君 それから第二の点はこの部に付属するという課が誠に少いように感ずるのですが、これらは随分廃合して一つの部にしてもいいように名称だけを見るとそう感ぜられるのですが、例えば生産部製造部なんてこういうふうに分ける必要があるのか。部は一つでも課がそれだけあれば十分やれるのじやないかという気がするのですが、例を挙げればたくさん出て来ますが、こういう点はさつきのいわゆるいい点のほうの能率主義という関連からいたしますとどういうことになるのでしようか。
  20. 高橋時男

    説明員高橋時男君) 生産部製造部はちよつと外部のかたには非常に煩わしい名前でございますが、生産部というのは葉たばこを購入するほうの部であります。耕作指導、それからその結果できた葉つぱを買上げるもの、年間三百億前後、場合によれば四百億近くになるかと思いますが、そのくらいのものを購買する部でありますので、どうしても一つの部が要るわけでございます。製造部というのは全国三十九の工場指導監督する、これもやはり一つ部がどうしても要るというような考えで、従来ともずつと沿革的に分れておるのです。
  21. 天田勝正

    天田勝正君 それはどうしても分けなければならんと言えば部内の人はそういうふうに認めるかも知れませんが、僕らも工場には経験がありますが、工作課、動力課というものは一つの課でもいいのだし、一つのほうがむしろ私は都合よく横の連絡もとれると思うのです。そのためにわざわざ課を無理に拡げたような感じがするから今御指摘申上げたのです。或いは又用度課と材料課、これらもその一つです。例えばここにも括弧がしてありますけれども、用度課と材料課とでは……、括弧して需品課になつておる、このほうがむしろやりよかろうと私は思うのです。
  22. 高橋時男

    説明員高橋時男君) この需品課だけは御指摘のようなことがございまして、内部では大分論争いたしましたりしますので、私のほうは用度関係をやつておりますので、二つに分けるのは不利になる虞れがあると思いましたので一年ぐらい抑えておりました工場もございます。これは大変大きい京都の工場なんでありますが、京都の工場は普通の製造工場のほかに、ピースの紫色の印刷をしております箱とか、そういう材料品もやつておりまして、職工も或いは相当おりますので、どうしてもそういう関係でと、それからそのほか一般の工場で使うこまごましたほうのいわゆる需品と言いますか、用度と言いますか、そういう例えば工場の中を清掃するほうきだとか、雑巾だとか、或いは石鹸だとかこまごましたものを買う方面と、大量的にピースの箱の材料になるような紙を紙会社から受入れるというように二つに分けたほうが監督の目も届きやすいし、とにかく需品の関係は手が廻らないというと、得てして間違いを起しやすいということで二つに分けた点もございますので、内部にも御指摘のような議論が起つたこともございます。
  23. 天田勝正

    天田勝正君 第三点は、さつきよくなつた面とまだ悪いままで置れておると言いますが、改善したいという面と二つに分けてお話になりましたが、いい面のほうではこれは単独で確かによくなつておると思われるのは人事の安定が行われた。この点はまさにその通りだと思うのです。そのよくなつたという点は、これは真によくなるためには一切悪いほうと言つて指摘されたいわゆる張り合のないということ、給与の自主性がないということも大まかに言えば張り合のないということになるが、張り合のないということが改善されなければ要するにいいほうの万全も期し得ない。こういうふうに我々は事業経営の面から考えるのですが、その点どうなのですか、やはりそうなのですか。
  24. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 如何にも御指摘の通りなのですが、これは実にむずかしい点で、全部の財産が二百億となつておりますけれども大体再評価しますと千億を突破するわけです。それがとにかく国の所有であり、すべての運転資金も国のものですから、どうも我々も民間企業的に自由に儲け、自由に配るということも何だか良心に反するような気がするので、まあここのところ張り合を少し付けて頂くように調整して頂くという点がいいところじやないかという感じでございまして、遮二無二に民間企業的にうんと儲けてコストを下げただけ配つてしまえという考えはちよつと言い切れません。
  25. 天田勝正

    天田勝正君 最後に本社の関係にも、それから地方機関、工場に至るまで診療所というのがありますけれども、これは何としても労働能率を上げるのに、又確保するのに一番必要なことじやないかと思うのですけれども、この機構について若干御説明して頂ければ幸いだと思います。
  26. 高橋時男

    説明員高橋時男君) 診療施設は東京都内では御承知のように赤羽橋の済生会病院の隣に病院がございまして、最近鉄筋コンクリートで外観も内容も立派なものができましたが、あれが全国的な総合病院でございます。その他に京都にもございます。終戦直後で建物が新築できなかつた関係で既設のアパートを買収してそれを病院風に改造したというのがございます。東京と京都が総合的な病院でございます。これはどこそこに所属するということじやなしに、本社に直属しておる総合病院でございます。その他に各工場事業場別にそれぞれ従業員の数に大体マツチしたような規模の診療所ができておりますが、厚生省の規定に従つて病床二十以上を有するものを病院と称するというようになつてつて、病院には又病難相応のいろいろ人的物的な直接具備条件がございますので、そういうものは病院という名前でそれぞれ厚生省の指示に従つて設備をいたしております。それから人数の少い小さい工場とかそういうような所は嘱託医というような制度を用いまして一日おきに午後なら午後来てもらうというような制度でやつております。大体そういう状況でございます。
  27. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君  ちよつとお伺いしますが、このたばこ耕作反別は七万町歩まで行けば大体それで一応限度とお考えになつておるのですか。
  28. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) これはたばこ製造のほうと関係がありまして、ふえればまだ必要がありますが……。
  29. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 たばこ耕作希望というものは終戦後相当多いと思いますが、この地域の選定とか以いは希望の申込に対しての取捨選択というようなことは農林省が主としてやるのですか。あなたのほうが主体になつて協議されるのですか。
  30. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) これは専売公社が主体になつてやります。その選定はこちらのほうでございますけれども、全体の耕作面積につきましては各地方局でも県庁と連絡はとつておるはずであります。
  31. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 そうすると、農林省は何も関係ないのですか。
  32. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) 関係ないと思います。
  33. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 これは今は余り多くないと思いますが、養蚕と非常に接触地帯と申しますか問題をよく起すのですが、こういうものに対する、何というか調整というものはあなたのほうで独自でお考えになつて御決定になつておりますか。
  34. 高橋時男

    説明員高橋時男君) 養蚕の桑畑とたばこ畑が隣接しておる場合にしばしばトラブルを起した事例がございますが、最近ではそういう方面の各地方ごとにそれぞれの責任者が寄り集まりまして、大体トラブルを起さないようにしております。例えば養蚕では養蚕の市町村別若しくは部別ぐらいの組合長とか、そういうかたがたと、こちらは市町村別若しくは出張所別にそれぞれたばこ耕作組合というのがございますから、そういう組合の理事者とお互いに話合いましてトラブルを起さないようにやつておりますから、全国的に見ては殆んどトラブルはないという状況でございます。いずれにしましても葉たばこを栽培しておる畑の枚数も相当多いのでございますから、まあ突発的には事故を起すこともございますが、えらく問題となつておるというようなことは全般的にはないと思います。
  35. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 そうすると、現在のたばこ反別を殖やされるということに対しては、やはり県といいますか、関係町村というだけであつて、農林省というものとは何も関係なく殖やすことをおやりになつておるのですか、地元の了解さえ得れば……。
  36. 高橋時男

    説明員高橋時男君) 大体そういうことになつております。戦時中は食糧増産との関係で農林省と反別の打合せをいたしました。それから県庁とも密接に連絡をいたしましてやつておりましたが、現在は農林省のほうでも、米作についてはいろいろとまだあるようですが、畑作については特に作付面積の割当とかそういうものはないようでございますので、たばこにつきましては、大体県によりましては、県の農務部長といいますか、経済部長といいますか、そういう農業関係の部長さんが我々の所へも見えられまして、来年度一つ我が県へはもつとたばこを作らしてくれんかというような陳情に来る部長さんも多いような状況でございまして、特にトラブルはないようでございます。
  37. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 その次にお伺いしますが、たばこの小売店の問題ですが、あれを設置されるというか、許可されるというのは一定の基準があるのだろうと思いますが、併しながら地方によつて又同じ都会でも非常に条件が違つておるのですが、それをあなたのほうで誰が許可されるのか、そしてどういう基準で決定されるのですか。
  38. 高橋時男

    説明員高橋時男君) たばこ小売人の許可につきましては、大体大都会、中都会、或いは町村というふうに分けまして、大都会の中でもメイン・ストリートに直接面しておる所とそれから裏通りになる所といろいろ段階がありまして、一等地、二等地、三等地というようにいろいろ分けてあります。大体ここならば月額は何万円ぐらい売れる土地であるとか、この裏通りであれば半分ぐらいしか売れないとか、更にもう一つ通りであれば、三分の一ぐらいしか売れないとか大体評価があるのでございます。そういうことに従いまして大体距離間隔が、一等地なれば隣接小売人と少くともこれだけは離れていなくちやならない。或いは村に至れば大体供給人口が何戸以上でなければ一戸の小売店を新設するに価しないとかいろいろ細かい標準はございますので、地方限りでこれを非常に逸脱したような許可というものはできないことになつております。ただ中央できめた標準といいましても、全国一万以上の町村ですから千差万別の状況があるわけですから、一概に物差で測るようなわけには参らない場合もありますので、その場合には地方局長の単独で或る程度の裁量はいたしますけれども、余り苦しく中央の基準に離れたような許可ということはできないようになつております。で手続と申しましては、まあやりたいという人がありますと、その地域を管轄しております私どもの出張所宛に、所定の様式の紙が置いてありますからそれに書き込んで頂いてその出張所長に提出すると、出張所ではまあ申請があつたからすぐに駆けつけて見るというわけにも必ずしも参りませんので、まあ所在地のところであればすぐわかりますけれども、五里も八里も離れた山奥からたまたま申請があつたというような場合には、成るべく速かには処理いたしますけれども昨日申込んだら今日見に行くというわけには参りませんが、大体速かに処理さして行く。そういうようにして調査した結果、これは隣接小売人とどのくらい離れておるか、ここに置いた場合に供給予定人口はどのくらいであるか、そういうことを調べましてそれを地方局へ申達する。地方局としてはその結果に基いて許可決定をいたすわけであります。東京都内では旧区内に存する区域では地方局で直接調査しておるような便法を講じておりますが、他の地方においては先ほど申上げましたように出張所を経由する。出張所の調査の結果これは許可したほうがよいとか、許可しないほうがよいとかいうような意見を具申した調査書を地方局に出すと地方局長が判断する、こういう手続になつております。
  39. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 たばこの小売店にはあなたのほうとして何か特別に援助されるとか特典を与えるということがあるのかないのかということと、それからそれをいわゆる調査と申しますか、許可するというか、そういうのは地方局長ですか、その辺を一つ伺いたい。
  40. 高橋時男

    説明員高橋時男君) 地方局長の責任でやります。出張所長限りでやるということはございません。全部地方局長がやります。それから特別に援助とかそういうようなことはありません。何か営業資金を最初に貸すとか、そういうようなことをお指しになるのですか、そういうことはございません。
  41. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 そうすると、単なる個人のいわゆる資金で個人が営業するだけにとどまつておるわけですね。
  42. 高橋時男

    説明員高橋時男君) さようございます。許可をしまして、許可されそうになれば最初の買受代金に何万円くらい要るであろう、それからたばこの小売店であるから飾窓を付けたり、たばこを売渡して現金を受取るようなガラスの店台等を作る改装費に何万円くらいかかるだろうとかいうことを自分で児積つて自己の危険において始めるわけですから、たまたま始めてみて案外自分が予想したほど儲らないということも或いはあるかも知れない。専売公社としては特に援助するということはございません。
  43. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 そうだつたらなんじやないですか、余りそういうあれの許可に対して、あなたのほうでこだわる必要はないのじやないですか。
  44. 高橋時男

    説明員高橋時男君) この専売制を布いておりますために、アメリカとかその他と違つた事情にあるということを一つ御了承頂きたいと思いますが、アメリカ等ではまあ御承知のように全然自由でございますから、石鹸やチユーインガムを売ると同様にどんな店にも人通りのある所にはたばこを若干置いてございますし、自動販売機等も置いてありまして特に制限するということはございませんが、専売制の下におきましてはやはり正しい値段で売られる、ピースはどこの店に行つても四十円であるということが必要なのでございまして、アメリカへ行けばラツキーストライクが州によつては二十三セントの所もある、二十一セントの所もある。或いはワン・カートンで買えば十九セント半ぐらいの割になることもある。そういうことでございますが、専売制の下においてはそういうわけには参りませんので、どうしても四十円ときめたピースは四十円で売られることが日本全国津々浦々において法律的に要請されるわけでございます。ところが小売人を誰にでも許すということになりますと、一つにはそこに不正競争が起る虞れがある。自分の売上げをたくさんにしたいために、例えば四十円のピースを三十九円八十銭で売るというようなことにいたしますと、そこへ相当お客さんが集まる。従つて、近所の小売屋が又これに負けてはならないというようなことで値引の競争をする。こういう不正競争になつて延いてはたばこの買受にもだんだん支障を来たして来るというようなことで、専売益金の確保までだんだんに怪しくなるという危険もございます。どうしても不正競争を避けるという意味から、むやみやたらに許可するということはいけない。それからもう一つは、やはり適正な供給人口を大体の目安にした率で許可しないと、むやみやたらに濫設する結果はたばこを売つてつても大したあれにはならん、何か一つぼろい儲けでもしなければならんというような、そういう収入の面からも又小正競争の慮れがあるのじやないか。こういうことで余りたくさんの数を許可しないようにいたしております。
  45. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 そういうことも言い得るでしようが、とにかくその問題に対していろいろなことを聞きますから、それでまあ何にも特別の恩典を与えずに、それから価格の問題をお話になつたけれども、それは自分の懐が痛むことなんで、余りむずかしく考える必要はないのじやないかという感じを、私はむしろその半面にいろいろなことをちよつと聞くからそれで聞いたわけなんですが、私はそれだけ伺つておきます。
  46. 野本品吉

    ○野本品吉君 これはまあたばこや塩、樟脳等の専売公社だけの問題じやないと思うのですが、特に私がこういうことを伺いますのは、最近例の国有鉄道の仲裁裁定の問題をめぐつて、労働組合が駅という駅、列車という列車の全部をあの労働運動のポスターで埋め尽しているのですね。あれは私は国のものである鉄道を経営に関係する者が私有物視する思想の現われじやないかと、かように考えるわけです。逆に言えば今後我々が何かの運動をするときに、国有鉄道というものは庁舎の貼紙、列車の貼紙を拒むことはできないと私は思うのですよ、あれを認めている以上はですね。これは国が資本の全部を負担しておる公社を私有物視する思想の現われとして考えますと、非常に大きな問題だと思うのです。で独立採算制とか、先ほどお話のございました働いて張り合のある給与とかということも、無論我々は考えなくちやならんですけれども、公社は私有物ではないという、こういう考え方の指導を必要とするのじやないかと思うのですが、この点についての副総裁のお考えを承わりたいと思います。
  47. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) 只今お話がありましたが、鉄道でそういうことをやつておるということは私まだ見ておりませんですが、専売公社におきましてはそういう組合運動のビラは、各事業所とも一定の場所をきめまして、そこ以上には貼らせないことにしております。そうして今朝も丁度あすこの虎の門に新らしい庁舎ができまして、そこにこういう大きい「裁定完全実施せよ」を貼り下げましたが、これは出がけに小川務部長が自分の責任において実力を以てこれを取払つておるような次第でありまして、そういう考えは私どもにおいては毛頭ございません。
  48. 野本品吉

    ○野本品吉君 只今の副総裁のお話を伺つて非常に敬意を表するわけです。今後経営の全面に亘つてそういうものの考え方の誤りであることを、日頃総裁初め幹部の皆さんか是非御指導下さるようにということを国民の立場においてお願いいたします。  なおもう一つ伺いたいのですが、こういう企業体の経営で赤字が出た場合の処理はどういうことになるのでございましようか、私研究が不十分でありますか。
  49. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 先ほど申しましたように、すべての経費予算で組んでありますので、赤字という場合に考えられることは、予算は一年間で例えば千八百億の売上げというものを見込んでいたにもかかわらず、それが十七百億しか売れなかつたというときには、百億の赤字が出たということが言えると思うのです。現在の場合はまあ今までのところ幸にありませんけれども、そういう場合には給料を減らして埋めるということにも何もなつておりませんので、これは全く遺憾だと言つてあやまるよりしようがないということになつて、この点ちよつと企業体としては無責任な話なんですが、現実はそういう状態でございます。
  50. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) これは余談ですけれども、私の知つておる範囲で赤字が出ましたのは、戦争後二十年か二十一年に予算額に対して本当に赤が出たことがあるのですが、それは売行が悪うございまして売れなかつたのでありますが、そのとき以外には赤字は出ないことになつているのです。
  51. 松原一彦

    松原一彦君 只今専売公社の従業員、の数が四万一千人ばかりかと思いますが、そのほかに組合員以外の職員数はどのくらいでございますか。
  52. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) それも全部込めてなんでございます。そのうち千人くらいがいわゆる非組合員なんです。
  53. 松原一彦

    松原一彦君 それでは公社の従業員、総数四万二千人くらいと見てよろしうございますか。
  54. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) 四万一千人。
  55. 松原一彦

    松原一彦君 その中で本社の審査部が大変効果を上げておられるということはいいことと思いますが、この人員はどのくらいでしようか。
  56. 高橋時男

    説明員高橋時男君) 審査部は現在人数の確たることはちよつと記憶いたしておりませんですが、この機構図表にございますように、審査部というのは考査役というところが大体審査をするほうでございます。それから工場会計というのは工場原価を調べる所でございます。総括会計というのは工場のいわゆる製造原価にその他の管理費の原価を加えた最後の締くくりの原価を出すという仕事をやつておりまして、実際に審査をしますのは考査役のほうがします。考査する有力なる参考資料として工場原価なり或いは工場原価プラス管理費という意味の総合原価を調べるのでございますが、考査百役というのは本社におきましては専任考査役と兼任の考査役とございまして、専任の考査役というのは、課長級のもの数名おりますが、兼任というのは各部にそれぞれ一名、二名くらいずつ兼任させておる。それからその専任考査般の下に補助職員が十数名おります。それから各地方局経理部というのがございまして、経理部は予算の配賦と考査の二つを主たる仕事としております。経理部の下に専任の考査員というものを置いております。これは地方局によつて大小ございますが数名置いておるわけでございます。その下にそれぞれ事務スタツフを置いております。本社の考査役は地方局を見ている、ついでにその管内の出張所を見て歩くのでございますが、主として地方局経理部長及びその下の考査員が自分の管轄区域内の支局、工場、出張所を監査しておるわけでございます。  ついででございますが、その効果でございますが、会計検査院の検査のほかに屋上屋を重ねるようなこういうものが果して必要であるかどうかというような御疑問が外部から或いは起るかも知れませんけれども、会計検査院の検査というものは大体が事後検査的な検査でございまして、国会報告になりますのも前々年度の結果について報告される場合が大体常例かと思います。ところが私どものほうは常時監査をいたしておりまして、只今、監査をすれば帰つて来てそれぞれ内部検討いたしますから、半月くらいは報告書を取りまとめるのに時間はかかりますけれども、大体翌月か翌々月には理事会報告がされるということになります。それからどの程度地方の職員にぴりつとした気持をどつちが与えておるかと申しますと、検査院の検査は非常にこれは厳正中立、裁判所的な検査でありますから我々といたしましては過誤なからんことを常に期しておるわけでございますけれども、問題は地方局責任であると同時に、検査院に指摘された事項は本社の責任にもなりますので、地方の職員としては責任が親元で背負つてもらえるというので、或る程度気が楽と言つては語弊があるかと思いますが、そういう気分があると思います。本社の考査になりますと自分が全面的に責任を負わなければならんという、こういう点も相当ございます。それから会計検査院の検査におきましては、不当、違法等の二種類の批難事項がございますが、そういう場合と、金をえらく使い込んだとか、そういう場合には賠償を命ぜられる、或いは甚だしき場合はあの者は首を切れという勧告が検査院長からそれぞれ当該の最高部へ参りますけれども、そこまでに至ることはそうたくさん数はないと思いますが、内部審査というものは事それほどにまで至らない場合でも、あの男はどうもやり方がだらしなさそうだということで、今後の人事異動等に相当影響を及ぼすのではないかというような感触を与えるというようなことで、検査院とは違つた意味で相当さんしようのように非常にぴりつとした感じをそこに与えておるというのが私どもの偽わらざる内部的な事情でございます。
  57. 松原一彦

    松原一彦君 専売公社としては売上が増加するほどいいにきまつておりますが、国民としてはどうもたばこをのむことは私は希望しない。その意味において専売公社は喫煙を国民に奨励するという積極策をお持ちでしようか、どうでしようか。
  58. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 実は我々としても国民の一人でありますので、その点かなり感じておりまして、例えば婦人にたばこを奨励すれば諸外国の例に比してももつともつと急速に伸びる見通しがあるということはわかつておるのですが、今御指摘になりましたような感じから、積極的に婦人に喫煙の奨励はちよつと見合せようじやないかというのでヘジテートしております。  それから耕作反別に関しましても、売るからどんどん作るといつてこれで果して良心的にいいのか、やはり七万町歩なら七万町歩つた一つ自己反省しようじやないかと内部では話合つておるわけでございまして、併し当事者はどうもこういうことを表向言うこともできず、非常に実はジレンマに陥つて悩んでおります。
  59. 松原一彦

    松原一彦君 この表で見ますと国民一人当り一カ年の消費量が赤ん坊まで入れて平均一千本以上です。これは由々しきことだと私は思う。それにもかかわらずたばこ娘等を雇い入れて派手な服裁をさせて市内をたばこを召しませとねり歩くごときは実際妥当なものでしようか。
  60. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) 今御指摘のようなことはしていないつもりでございますが、地方ではやつておるわけでございます。これは二十四年頃でございましたか、たばこが非常に売れない、評判も悪うございましたが、その頃にやはり国家財政のお手伝いの意味でたばこ娘などを雇いましてやつたのが筋を引いておるわけで、現在ではそういう気持は私どものほうではないわけでございます。
  61. 小川潤一

    説明員小川潤一君) なお補足しますが、今でも副総裁も言われましたが暮に行きまして歳暮にピースをというような広告をかなりやるつもりなんです。これは放つておけばとにかくデパートなどのほかの消費資金に廻るところをたばこに吸収すれば、今申上げました七制五分なりの税金の面もあるのですから助かりはしないか、我々としてはそこらに良心を以て売つて行くというより仕方がないのです。我々の任務としては会計稼いで国家財政を楽にしてあげたい。併し源泉所得から引かれる税金なんか非常に大きいですから、たばこから楽に取るほうがいいのじやないか。ただ程度問題でどんどん売れるからとて十万町歩も十五万町歩もやるならこれは問題だけれども、今の程度でほかへ行く購買力をたばこで吸収するというなら、一人当り千本、アメリカなんかの例で申しますとやはり三千乃至四千、三五倍以上になつておりますので、まあまあということでヘジテートしながら宣伝広告をやつているので、この点了承して頂きたいと思います。
  62. 松原一彦

    松原一彦君 これが国民の嗜好品としてはいたしかたありませんけれども、たばこをのめば体格がよつくなるとか栄養になるとかいうものでは全然ない。むしろ私どもは禁煙を奨励したいのでありますが、パチンコがはやり出したと同時に非常にこのパチンコの景品からのまない学生あたりまでがのみ始めている。私は一つの学生寮を持つてつたのですが、学生寮の部屋を廻つて一つの奇観を呈するものは、ピースを安く売りますという広告が部屋のほうぼうに出ておる、割引して安く売つております。そしてその殻か実が入つておるのかどうか知りませんがずらつと壁を取巻くほどたばこが飾つてある。学生でたばこの習慣のない者もパチンコによつてたばこのみが非常に増加する、こういう事実をお認めになりましようか。あれは最も大きい皆さんがたのお得意じやないかと思うのですが。
  63. 小川潤一

    説明員小川潤一君) そのパチンコとたばこは我々は普通に思いますと、パチンコが出たので非常にたばこが殖えたというふうに事実私らも思つたのですが、その後数字的に研究してみますと、パチンコのせいで急激に伸びたということはございません。ただパチンコはピース、光が多い、ピース、光があるので、のめば高級たばこのほうがいいので、次に買うときには今までバットなり新生を吸つていた者はピース、光になつたという現象は出ておるのでありますが、数字といたしましてはパチンコが出たために急に殖えておるというグラフは現われていないわけであります。
  64. 松原一彦

    松原一彦君 併しこの報告を見ますと、犯罪のところで違反行為のうちでパチンコ屋の周囲で安売をしておるとか、無許可の販売をしておる者が非常に多いということが書いてある。パチンコ屋は一体たばこ販売許可を受けておるものなんですか、どうですか。
  65. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 実はパチンコ屋自身は受けておらないわけです。従いましてパチンコ屋はたばこの小売店から買つて来る。併しその量が非常に大量なものですからついたばこ屋もパチンコ屋へ売れば手数が省けていいものですから安く売る。こういう現象がありまして、先ほど総務課長も申しましたようにいろいろ歴史の問題もありまして、現在の日本専売制度としては定価売ということを原則、建前としております。従つて犯罪が一番そういう面に多い、パチンコ屋へ割引で売渡す、パチンコ屋は大量に消費するものですからいわゆる偽造たばこがパチンコ屋へ直接流れて来る。従つて我々のほうの犯罪の面としてはパチンコ屋をめぐつて研究すればかなりの材料がつかめるという現象はおのずから出て参ります。
  66. 松原一彦

    松原一彦君 もう一つつておきますが、たばこの小売店というものはどのくらいな手数料で卸しておるもつのでございますか。
  67. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 今年の四月くらいまではいろいろ数本建でありましたが、現在は全部定価の八%ということになつております。
  68. 野本品吉

    ○野本品吉君 食料塩と工業塩との割合といいますか、それから輸入関係はどんなものですか。
  69. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 数字は今調べますが、大体食料塩は年間八十万トンから百万トンの間を上下しております。それから工業塩が百万トンから百五十万トンの間を上下しているという状況であります。それで内地生産は毎年四十万トン平均です。あとの差額の約百五十万トンというものは、食料塩も今申しましたように八十万トン以上要るのですから、内地の四十万トン程度では半分しか賄えませんからその分と、それから工業塩の百二十万トン程度のものは全都輸入して賄わざるを得ないという状況でございます。
  70. 野本品吉

    ○野本品吉君 そこで塩の増産対策といいますか、それはどういうことになつておりますか。
  71. 高橋時男

    説明員高橋時男君) 塩の増産対策につきましては先般、去年でありましたか、閣議決定をとりまして成るべく自給度を高めるということで、そういう決定を頂きまして、それ以降農林漁業金融公庫の融資の枠を殖やして頂いたり、或いは塩田災害復旧補助法というような法律を作つて頂きまして、キテイ台風その他例のああいう大きい台風があつて塩田の堤防若しくは塩田自体が破損した場合に補助をやる、大体五割程度のものですが、甚だしい場合には八割程度の場合もありますが、そういうことをやつておりますが、これはそういう援助ですが、技術面ではさつき副総裁から説明がございましたように、電気による加圧式製塩法というものをモデル・プラントとして福島県の小名浜に専売公社として作りまして、これは年産一万トン程度工場であります。そのほかの従来の砂浜式塩田に代るシステムとして流下式と申しまして、粘土を敷きまして下に水が通らないようにして、地面へ上から海水を徐々に下に流す、流れるまでに太陽の熱で塩水が濃くなる、これを石炭で煮つめるというような施設に切替えるとかいろいろやつておりますが、何にいたしましても海水を相手に地面の上でやる仕事でございますので、一般の科学工業技術のような飛躍的な大躍進というものは短い期間にはちよつと望めないと思いますが、専売公社としては国民の重要な食料でございますので、供給の混乱を来させないということのために、なお一生懸命やつて参りたいと思います。
  72. 野本品吉

    ○野本品吉君 只今お話のありましたように、終戦後私どもはむしろ米とか麦とか食べ物の問題よりも、塩の問題のほうが深刻な場合があつたと思うのです。ああいうことを考えますと、食糧の自給度を高めると同じように、或いはそれ以上に塩の自給国策とでも言いますか、そういうものについて何か御計画があるのでございますか。
  73. 高橋時男

    説明員高橋時男君) 只今事務的には塩の増産五ヵ年計画というようなものを作りまして、内部検討いたしておるのでございますが、現在の四十五万トン、実際には六十万トンくらいの生産の実力はあると思うのでありますけれども、労働事情、燃料事情それから採算等、その他の関係が集まりまして、実際にはこの数年は悪天候に非常に災いされたというような突発的な事情もございまして、なかなか能力一ぱいに生産ができなかつたようでございますが、これを七十万トンくらいに殖やしたいということでやつておりますが、その場合には相当の資金投入が要るということで、いろいろな場合について検討はいたしておりますけれども、まだ案として外部に公表するほどに固まつておりません。事務的には一生懸命勉強しておる次第であります。
  74. 野本品吉

    ○野本品吉君 只今の問題は考え方によつては非常に大きな問題だと思うので、私は是非公社のほうで塩の自給策についての具体的な御研究を進めて頂きたいことを希望するわけであります。  なおもう一つお伺いしますが、これはたばこの問題ですが、たばこ製造に従事する者の特殊な病気と申しますか、それはどんな状況なのでありますか。
  75. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) たばこ工場は非常に埃つぽい工場であるとお感じになりまして、職業病、何か肺病でもないかというような、そういうお考えであろうと思いますが、昔私ども若い頃には共済組合なんかでも特症金と言いまして、病気になつた場合に肺病であればたばこからなつたのであろうということで、特別に給付が多かつたのでありますが、実際はよく研究した人の話を聞いてもそうたばこでそういう病気になることはなさそうなのでありまして、而も最近の設備はいわゆる除菌装置というものが労働基準法なんかでもやかましくなにしておりますし、組合のほうからもやかましく申します。それを完備しておりますのでそういう病気は割合に少いのであります。近頃職員の中なんかでも非常に結核が多いのは、戦後の一つ状況だろうと思います。そういうふうな意味で、全然そういう特殊な病気はないように私は見ております。
  76. 野本品吉

    ○野本品吉君 もう一つだけお伺いしておきますが、たばこの産地は葉たばこの病気その他で随分移動するらしいですね。
  77. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) あれはなす科と同じでありまして連作を忌むものでありますから、毎年両切りに使います黄色種というものは、アメリカから種を取りまして、こちらで仕立ててやるのであります。非常に病気に弱いので、而もなす科であつて連作を忌むものでありますから、毎年畑を変えなければならない。移動するわけであります。
  78. 野本品吉

    ○野本品吉君 地域的に動くというようなことは……。
  79. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) そういうことはありませんです。それは我々のほうでもこれを買集めるのに非常に経費がかかります、離れておりますと。できるだけ集団した産地にしております。その産地の中で場所を変えるわけであります。
  80. 野本品吉

    ○野本品吉君 ああそうですか。
  81. 松原一彦

    松原一彦君 製塩の方式に真空式は六三・二%、蒸気利用式は二九・八%とありますが、真空式というものを私知らんのですが、どういうことなんですか。
  82. 小川潤一

    説明員小川潤一君) これは、最後の煮詰める段階が真空罐を使つてやることでありまして、その前提といたしましては、いわゆる皆さん御承知塩田で十八度程度、二十四度で納品するのでありますけれども、十八度ぐらいまでは塩田で全部天日製塩をやる。非常に塩分の多くなつたものを罐へ持つて来て煮詰める。煮詰めるのに原始的に言えば蒸気利用というのですか、塩水を入れましてこちらでボイラーを焚きまして下に熱い蒸気を通してだんだんあれする。これが普通のやり方であります。もつと酷いのは、直蒸式と言つていきなりここへ火を当てるのであります。ただ蒸気利用というのは、熱効率がいいというので蒸気利用をやつておるわけであります。それよりももう少し進歩したのは真空式と言いまして砂糖などを煮詰めるにはこの釜を使つております。真空にしますと非常に温度が低くても蒸発するという理論があるらしいので、従いまして、真空のボイラーによつて煮詰めるというだけの話で、主なる塩田地帯は大体この真空方式に切換える。ところが一釜作るのに一千万円以上もかかるので、弱小業者が依然として蒸気利用によるという状態であります。
  83. 松原一彦

    松原一彦君 流下式というのはここにありませんが、私は一遍流下式を鹿児島の指宿で見たことがあるのですが、あれは失敗したようですが、最近天日利用の流下式というのがありますか。
  84. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) 現在山口県でかなり何しております。これはまあ昨年頃からなんですが、本当に実用に入りかけておるのです。山口県、岡山県これは何か粘土の供給源が近くなければできないものですから、どこでもできるというわけに行かないのです。
  85. 松原一彦

    松原一彦君 先刻の御報青の中に中国塩が入つて来ると言われましたが、距離も近いしというのですが、中国との間に食塩のバーター制か何かあるのでございますか。取引関係が……。
  86. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) これは今年成る商社が向うの何と協定しましてまあ入れることになつたわけなんです。これはバーターらしいのですね。
  87. 松原一彦

    松原一彦君 あなたのほうとは御関係ないのですね。
  88. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) あるのです。
  89. 松原一彦

    松原一彦君 直接には。
  90. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) 直接にはそうではないのです。中に仲介の輸入業者があるのです。
  91. 松原一彦

    松原一彦君 それは山東塩みたいな結晶塩ですか。
  92. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) それは普通の結晶塩であります。
  93. 竹下豐次

    竹下豐次君 たばこ耕作地の判別の割当ですね。実は私宮崎県の南のほうでたばこの適地なんです。よく国に帰りますと聞かれるのですが、もうちよつと作りたいのですが併し割当面積が比較的少い。まあ自分たちの希望する通りには思うように行かない。併し自分ということを抜きにしても一段高いところを考えてみて、こんな適地にもつとたくさん割当てる。自分たちが見て不適地とまでは行かないまでも、ここよりも劣つている所を減らすなり、減らすことができなければこつちを殖やすなりしてやつたほうが専売局としちやあ利益じやないか。何かそのほかに政治的の考慮があるとすればちよつと変なものだというような声もちよちよい聞かされるのですが、あの割当はどういうことになるのですか。
  94. 高橋時男

    説明員高橋時男君) この割当につきましては、各地方々々の熱望の非常に強い所がございまして、まあ私どものほうの生産部というところで取りまとめておるのですが、地方の実情は各地方局生産部長がそれぞれ取りまとめて本社へ持つて来まして、生産部長会議で仔細に各地方別の実情を聞きまして、大体の検討をして更に局長会議を招集して局長会議で正式に決定するというような手続をしております。最近たばこが相当売れる、従つて葉たばこも増産しなければ間に合わない、こういうことから反別もここ一、二年で数十町歩ずつ毎年殖えておるような状況でございますが、大体黄色種を主に殖やしております。在来種としては松川を殖やしておるだけで、その他の在来種は大体現状維持にさしておりますので、黄色種となりますればどうしても宮崎県などは最も恩恵を受けるほうの地域だろうと思つておりますが、ただたまたま或る地域については御希望ほど割当がなかつたということは或いはあろうかと思いますけれども、達観して見ますればやはり九州とか瀬戸内沿岸のほうが黄色極に向いておりますので、あの辺へ重点的に割当てておる、結果的にはそういうふうになつておるように思います。
  95. 竹下豐次

    竹下豐次君 よく聞かされますのでお尋ねしているわけなんですが、で、私が疑問を起しましたのは、九州地方に大方何町歩、東北地方に幾ら、関東地方に幾らというような大きな枠を先ずこつちのほうでおきめになつて、それが方々に行つて私のほうの地方のものが言うところによると、能率的でない割当になつておるという非難をしておるわけで、併しこれも主に中国を検査して歩いたわけではないので、どこまで当つておるか私にはわからないのですけれども、何かもつと全体的な国全体を考えてずつと能率的に御調査なつたらもうちつと換えようがあるのじやないかという気持が素人ながらしているのですけれども、その点如何ですか。
  96. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 去年の例なんかで行きますと、非常に黄色種は大いに作つてもらわなければならないので、まだ引取れないかまだ引取れないかと本社は実は各地元の地方部長にこつちから押付けたわけなんです。ですから今おつしやるような例は殆んどないと思うのですけれども、あるとすれば余ほどその土地が非常に管理上不適当だとか、よりほかのほうがいいとかよりほかがよくてもそこが希望してできるなら恐らく割当をしたはずなんです。私のほうとしてはもつと引取つてくれ、もつと引取つてくれと言われたのです。今おつしやいましたように、制限とかそういうことはしなかつたのです。二回も三回も局長会議をやりまして、まだ引取れないかまだ引取れないかと言つたわけなんで全体の方向としてはそうですが、何かそこに行き違いがあるのでしようから具体的な……。
  97. 竹下豐次

    竹下豐次君 自分で耕作しているほうの人たちもそう言いますし、それから組合とか何とかの関係もありますが、その代表者の人たちがそう言うのです。
  98. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 何とか一つ調べたいと思いますから取次いで頂きたい。
  99. 竹下豐次

    竹下豐次君 私のほうでも調べまして又お尋ねしますが……。
  100. 小川潤一

    説明員小川潤一君) ただ大きな問題としては真心の問題もありますので、或る程度まで来たら自己批判をしなければならないと思いますが、まだ本社ではそこまでの段階には至つておりません。
  101. 竹下豐次

    竹下豐次君 それから樟の造林は成績はどうなんですか、専売局のほうでは。
  102. 高橋時男

    説明員高橋時男君) 樟の造林はちよつと数字は忘れましたが現在の実績が二千五百町歩ぐらいになつておるかと思います。それで現在は大体拡げるだけの手は一応拡げ終つておる形で、若干スロー・ダウンしまして余り手広くやることは差控えて、むしろ植えたものの事後管理をよくするほうに……。
  103. 竹下豐次

    竹下豐次君 そこをお尋ねしたかつたのです。どうもお始めになりました当時から、危いぞ、あとの手入はどうだろうかと……。それでまあ私のほうは樟がいい所なんです。一方、杉が非常にいいのです。杉がいいか樟がいいかということは、地元の関係者も大分研究したわけですけれども、併し専門家の研究じやありませんので……。何分広い面積をとりますし、そういう意味でどつちが利益だろうかということを考えて、そのあとの手入は営林署のような専門家の人がおるのだから、専売局にという点が一つの疑問だつたのですが、それはまあいらつしやるわけですね。
  104. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 相当数採用いたしております。
  105. 竹下豐次

    竹下豐次君 そうするとあの管理は誰がやるわけですか、山の管理は。例えば私のほうなら、私の地方の樟の成育がどうかということはどこでお調べになるのですか。
  106. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 鹿児島の地方局の造林課でやるわけです。
  107. 竹下豐次

    竹下豐次君 鹿児島から宮崎まで出張しなければ山が見られないのですか。
  108. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) 宮崎県の都城にございましてそこでやつておりますが、指揮系統は鹿児島の地方局で指揮しております。
  109. 小川潤一

    説明員小川潤一君) ついでですから樟の収納状況をお話ししましようか。実は御心配になるような点も若干あるので、御承知のように合成樟脳というものは非常に世界的に発達して来たわけです。それで我々のほうも台湾日本で半々ぐらいに作つていた樟脳が世界市場から若干……若干どころじやなく、毎年後退しているわけです。それで非常に専売公社としても正直なところ弱つているわけなんです。遮二無二この樟を造林して樟脳を作つて生産過剰になる。そうかといつて一応植えて、又樟の業者から収納するといつているのに、売れないからといつて引取らないわけには行かない。それで引取るとすると国家として無駄な金をそこに使わなければならないということで、今総務部長も言いましたようにまあ造林も手控え手控えで行こう、今までの跡仕末をしようというような空気がある。公社のほうではそういう後退作戦ばかりではいけないから、合成樟脳でも手を打つて行かなければならない。幸いうちにも北島博士という非常に学のある人があつて日本独自の合成樟脳の方法を発表されました。これもテスト・プランでありますがかなりの金を注ぎ込んで今の大森の試験所をつくりまして、ドイツの合成樟脳に負けないようにということで今研究しております。そういう状況樟脳に関してはざつくばらんに申しまして非常にデリケートな立場にありますので……。
  110. 竹下豐次

    竹下豐次君 いや、あれを始めましたときに、まあ山のほうは営林署というものが地方にあるのでこれは手近でやれるしそのほうの技術も揃う。専売局のほうは何かそれに当らしたのでは駄目だ、収納のほうは営林署に任せたほうがいい。あとで切つて収納することは別ですが、樟脳を作るのはそれは専売局仕事だから育てるところまでやるというのは少し慾張り過ぎているのじやないか。あとがうまく行くかどうか。それで民間のほうにあれを、何といいますか官のほうでお植えになつて、歩合で、あのときなど非常に心配しながらお役所のおつしやることだからおつきあいしなければということで、大抵そんなことでしぶしぶやつたのです。ところがその後の育ち方がよくないので、実はうまくいつているかどうだろうかということで今お尋ねしたわけです。これは結局何ですか、やつぱり今もうすでにやつていましよう、山の管理などは営林署のほうにお任せになるということのほうが専売局としても利益じやありませんか。今ならまだいいだろうと思つておりますけれども、まあ山は何といつても手入れしなければならない。都城の例から申しても技師の人がそうたくさんいらつしやるわけでもないでしようし、どうせ鹿児島だつてたくさんいらつしやるわけじやない。その点はあつさりお考えになつて今までの行き方から離れて、営林署は喜んでやりますよ。
  111. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 研究いたします。
  112. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 委員外議員の八木幸吉君より発言の許可を求められましたが、これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  113. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 御異議ないと認めます。八木君。
  114. 八木幸吉

    委員外議員(八木幸吉君) アルコール専売のことをお伺いしたいのですが、あれは通産省のほうへ移管になつたのですか。
  115. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) アルコール専売は通産省でやつております。
  116. 八木幸吉

    委員外議員(八木幸吉君) おやりになつておる……。
  117. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) 現在やつております。
  118. 八木幸吉

    委員外議員(八木幸吉君) アルコール専売を通産省のほうに移管されたその理由、これを民間に移したら何か都合が悪いことがあるかというその積極的の理由を伺つてみたいのですが。
  119. 小川潤一

    説明員小川潤一君) これのいきさつば大蔵省乃至通産省からお答え願つたほうがいいんで我々としてはよく存じませんが、何か聞いておるところによりますと、できるだけアルコールの工場を民間に買わせたいということで、二三それの成立ができておるようなふうにも開いておりますが、これはまあ私が第三者として聞いた程度で、大蔵省或いは通産省に一つ聞いて頂いたほうが結構だと思います。大蔵省は国有財産関係のほうに…—。
  120. 八木幸吉

    委員外議員(八木幸吉君) 前にアルコール専売を管理なすつた関係上、何か特に専売にしておかなければならんという積極的の理由を、今からでもまあ第三者的にでもお考えになることはありませんか。
  121. 小川潤一

    説明員小川潤一君) まあ酒の関係で税金が非常に大きな面を占めておるからという点で、やたらに製品が流れないというためにチエツクしなければならない。つまり、相当高額な税金を取つて行かなければならないということが唯一の理由じやないかと第三者としては思つておりますが……。
  122. 八木幸吉

    委員外議員(八木幸吉君) 少しぱつとしたお尋ねなんですが、たばこ専売仕事そのものですね。民間に移すといいますか、民営に移すというようなことに対して、極く大ざつぱなところで結構ですが、積極的な御意見があれば一つつておきたい。
  123. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 実はよく民営論に、安くてうまいたばこを供給するために官じやだめだということも、我々も成るほどだなと初めは思つてつたのですが、よく原価を分析してみますと、例えば四十円のピースは先ほど申上げましたように、原価はこれは全部入れて九円三十七銭、で、安くするにはこの九円三十七銭をうんと値切つておかなければならない。そうすると九円三十七銭のうちの一番大きな面は、原料費がこれで六円二十銭する。そうすると、これを下げるということは、どうしても耕作の関係上、麦米その他の関係でどうしてもパリテイ計算でやつて行く傾向ですから下げる余地はない。そうすると、あとの三円何がしというもののコストを下げるわけですが、果して民営にしたからといつて下るかどうかという点に私は非常に疑問を持つております。特に外国の例なんかを見ますと、民営にいたしまして非常なる広告費を使つておる。例えば今度調べてみたのですが、アメリカの五大会社の人件費、広告費というものは、全体の職工さんから重役に至るまでの給料の全体の支払額よりももつと上廻つた額を広告費に使つておる。そういう状況ですから民営にしたら却つてたばこは高くなりはしないかということが考えられる。それから給与でも民営にしたら、今の公務員ベースで果して納まるかどうかという問題もあります。安いたばこを作るということは恐らく逆の結果になる。ただ品種でいろいろなバラエテイに富んだものは確かに出て来るであろうが、これは自由にすればはつたりをやつていろいろないわゆるサイズとか、或いはコルクのついたものとかいろいろ外国の例にならつてきりと出て来るだろうと思います。併し確かに市場はにぎやかになると思いますが、そのために我々が果して何を得するか。むしろそのたばこより上る益金の納入というのは、税金部門というのは減つて行く。従つてこの部門はどうしても我々の勤労所得税なりそのほかの法人税で引上げて行かなければならんということで、私は中で経理を担当いたしておりまして、まだ民営というものはどうであろうかという感じを率直に抱いております。
  124. 小酒井義男

    ○区委員長小酒井義男君) ちよつと一点お尋ねしてみたいのですが、官営の当時と公社になつてからも機構上に相当変化がありましたか。例えばこういうように課がたくさんやはり官業の当時にもあつたのかどうかということ。この一課というのは大体どのくらいの人員か、これはいろいろ相違があるでしようが、大体どのくらいになつているかという点、そういうような点を伺いたい。
  125. 高橋時男

    説明員高橋時男君) 官営のときから公社に切替わりまして三年間ほどは官営当時の組織を殆どそのまま蹈襲いたしておりますので、例外の場合を除いて大体において増減はなかつたのであります。去年の三月に従来の公社になつて三カ年間経験を取入れまして相当大きく改造したわけです。従来本社は局と言つておりましたのを少し名前を小さくして部ということにいたしまして、局が五つばかりであつたかと思いますが、それが八つになつております。地方も従つて大体一つ乃至二つぐらい殖えておりますが、ただその際にむしろ土地の状況によつて耕作製造たばこ販売とを別にやつてつたの一つにするとか、そういうようなふうに却つて合せたものもございますが、全体としては少し殖えているかと思います。
  126. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それから事務職員と、そして労務に携わつている、作業している人との比率がその当時と公社になつてからとはどういうことになつているかという点はどうですか。
  127. 高橋時男

    説明員高橋時男君) その点は大体変つておりませんです。ざつと四万人でございますが、半分の二万人が工場の職工さんです。あとの二万人が工場以外でございますが、然らば全部ホワイト・カラーかと言えば必ずしもそうではありませんで、そのうち今ちよつと数字を手許に持つておりませんが、一軒々々たばこ屋さんの店ヘトラックなりオート三輪を運転してたばこを卸して歩く販売業務員どいうのがございますが、そのほかにたばこ耕作者の所をずつと巡回してたばこのでき工合いや何かをいろいろ指導して歩く巡回教師のような者がいる。これはたばこ教師と言いますかそういう者も相当ございます。純粋のホワイト・カラーというのは二万人のうちからそういう者を相当落したものであります。こういう比率というものは特に公社になつてから変つているという点はございません。
  128. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それからたばこ生産費と一般に販売する価格の推移と言いますか、現在は先ほど説明を聞いたのですが、官業当時はどういうような状態にあつたかというふうなことを……。
  129. 高橋時男

    説明員高橋時男君) 若しあれでしたら詳しい数字を又大きな計数表から拾い出しまして差上げても結構でございますが、概略を申しますと、最近は私のほうでは使用原単位ということを相当やかましく言いまして、例えば巻たばこ一千万本当り葉つぱはどれだけ年に使つたか、それから鞘紙(ライス・ペーパー)は幾巻使つたか、それからピースの外の箱を幾ら使つたとか中の箱を幾ら使つた、糊を何キロ使つたと、そういうものを一千万本当りに各工場別に毎月毎月実に細かい表を作つておりますが、最近の事例で見ますと戦前よりもむしろ最近は上廻つておるというような次第になつております。たださつき総務部長がお話申上げましたように、九円何がしのうち六円何がしというものは原料費でございまして、あとの三円足らずというものは靴紙とか糊とか或いは我々、職工さんの月給と、こういうものになつておりますので、一番問題は、その一番大きい率を占める原料費を如何につめるかということでございます。我々としては原料の買上値段を安く叩けばこれは一番文句はないわけでございますけれども、やはりそうすれば農村にも非常に打撃を与えるというふうなことがございますので、そうむちやくちやに安い値段で買い叩くということはできませんで、米価その他と均衡のとれた価格で買上げるということで、これは年々或る程度ずつ上つて参りますので、数字面としてはまあ原価は毎年上らざるを得ない。ただ我々としてしなくてはならないことは例えば一千万本のタバコを製造するのに成るべく少い葉つぱで作ろう、ということはまあ余りこぼれた葉つぱがないようにするとか或いは貯蔵品にかびその他の不良品が生じないように管理するとか、そういう研究なら努力をしなくちやならんと思いますが、金額的にだんだん下つて行くということは原料費が上る関係で非常にむずかしいかと思います。
  130. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 実は先ほどの説明ですと四十円のピースは九円二十七銭でできるのだとおつしやつたのですが、戦前の例えば敷島というたばこをこれは原価幾らになるものを幾らに売つてつたのだというようなことの調査はなさつておりませんか。
  131. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) それはできておりますが……。
  132. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 今覚えがないのでして、表にしてお出ししても差支えございません。
  133. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それから最後に、相当紙をお使いになると思うのです。あれはどういう所で主として購入になつておるかということと、それから一カ年の金額にしてどのくらいのものを購入になつておるのか。
  134. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 非常に大量な紙を使いますが、紙の中でもこの中のたばこのライス・ペーパーと称していますが、これは専売制度を布いております。うちの専売公社の許可を受けた会社が今四軒ございます。本州の一流の会社でございますが、そこに毎月割当ててこれだけのものを作つてくれということで買つております。この値段は物価庁のあるときは物価庁と協議しまして原価計算をやつてその値段で買上げています。今日においてはそれを引続いて我々のほうで原価計算をやつて、何がしの償却を見て買上げるという態度をとつております。その他の紙は正直に言つて自由販売という形でありまして、大きなこれは紙の買い方というものは、非常に紙屋には仁義がありましてメーカーから直接に買うということにはなつていないわけです。どんな会社でもすべて紙の問屋を通す、例えば王子三社は服部、大同、中井いわゆる王子御三家と称しておりますがそれを通じて買う。それから三菱製紙系統は柏原、大阪では菱三商会というような問屋を通じて買う。或いは北越製紙はどこを通すというようなことで、我々のほうといたしましてはこの使用する紙の注文を一流業者を中心としまして毎年買付けて行く。従つて一般の紙が下つて来れば専売公社もこの値段を下げて取引するということで、これは専売ではなく自由に買つております。年間の量が、丁度今私がここに持つておりますが、この中の今言つた薄いたばこのライス・ペーパーというのは年額十二億七千五百万円買つております。それから主としてこの包装紙ですがこれは二十二億三千八百万円買つております。中でもこの厚紙というものは日本の厚紙の今では約一割五分ぐらいがたばこ用になつております。一番大きい額は教科書用の表紙だと思います。その次が鉄道の切符それから我が社のこれという工合で、厚紙の比率は非常に大きいと思います。全額にして二十二億三千八百万円、中が十二億七千五百万円、その他蝋紙が五億千二百万円というような内訳になつておりますが、何か又お尋ねの点がありましたら……。
  135. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 別に直接そうしたたばこ用の紙類を製紙をしたらどうかというようなことはお考えになつてはおりませんか。
  136. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 私も資材部のほうの課長をやつていた時代いろいろ考えたことはあるのですが、これは大蔵省は印刷局もありますし、印刷局が直接紙幣の紙を作つておりますので公社一つつてみたらということも考えられるのですが、今非常に製紙会社は数が多くて、下手に我々か手を任すよりも安いものが買えるということで、今のところはそういうことは全然考えておりません。むしろこのライス・ペーパーの専売でも果してこれを継続すべきかどうかという点も若干疑問を持つておるという程度でございます。うちはこの製品の規格が非常にうるさいものですから紙屋はその点が非常に弱つているわけです。併し厚紙なんかはどこへ聞いて頂いてもいいのですが、専売公社の規格は一審むずかしいということで通つております。
  137. 野本品吉

    ○野本品吉君 一つお伺いします。葉たばこの買上価格の決定はどういうふうにおやりになるのですか。
  138. 高橋時男

    説明員高橋時男君) 葉たばこ収納価格の決定は、手続的に申しますと米価審議会に大体ならいまして、葉たばこ収納価格審議会というものを作りまして、これは構成員は各重要産地の葉たばこ耕作連合会長のかたがたに委員をお願いいたしております。米価のほうは生産者と消費者と第三者的な学識経験者とこの三者を入れましてやつておりますのですが、葉たばこのほうは直接消費者という立場を代表するかたがたもございませんので、まあそういうふうに三者を代表した、委員会というものを編成しにくかつたものですから、まあ生産者代表だけを入れましてそこで審議する。そこの答申を得ましてこちらで決定するわけでございますが、まあ答申に先立ちましていろいろこちらの原案と言いますかそういうような案をお示ししまして、それについて詳しい説明なり何なりいたしまして、その結果委員会から答申を得ると、その答申に基いて大蔵省と交渉してこのくらいでどうだろうかというようなことの結果、米価それから麦の価格等とも睨合せて最後にきまるわけでございますが、本年度の決定にあたりましては麦の価格決定の方式と全然と言つていいほど殆んどそのまま方式をまねております。それでパリティの上昇、これはもう殆んど御承知のようになかつたのであります。それから都市と農村にれける所得水準の格差を織込むとか、まあそういう麦で取つた方式というものは全部たばこへ引移しましたので、特にたばこが他の農産物に比べて不利であるとか特に有利であるということのないように公平にきめるということであります。
  139. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは午後は専売公社の品川工場を視察することになつておりますので、できる限り御出席を願うことにお願いして、これにて……。
  140. 八木幸吉

    委員外議員(八木幸吉君) 若しできましたら専売公社の各課別の人員表の資料を頂ければ仕合せかと思つております。
  141. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 出先機関もですか。
  142. 八木幸吉

    委員外離農(八木幸吉君) 出先機関のも……。
  143. 小川潤一

    説明員小川潤一君) 出先機関は各課といつて責任を持たせて名前だけみたいになつている所もあるのですけれども、各課は地方まではちよつと……。
  144. 八木幸吉

    委員外議員(八木幸吉君) それじや本社の各課、地方は適当な部分までで結構です。
  145. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは本日はこれで散会いたします。    午後零時四十三分散会