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1953-11-04 第17回国会 参議院 内閣委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十一月四日(水曜日)    午前十一時開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小酒井義男君    理事            上原 正吉君            竹下 豐次君    委員            白波瀬米吉君            井野 碩哉君            成瀬 幡治君            松原 一彦君            野本 品吉君   政府委員    建設政務次官  南  好雄君    行政管理庁管理    部長      岡部 史郎君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君    常任委員会専門    員       藤田 友作君   説明員    行政審議会会長 村瀬 直養君    建設大臣官房文    書課長     水野  岑君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○建設省設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○行政機構整備等に関する調査の件  (行政審議会答申に関する件) ○恩給金庫復活に関する請願(第一六  五号)   —————————————
  2. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 只今より内閣委員会を開会いたします。  建設省設置法の一部を改正する法律案議題といたします。前回に引続いて御質疑のあるかたは御質問をお願いいたします。——それでは質疑に先立つて前回資料の提出生要求してありますので、政務次官からそれの資料に対する説明をお願いします。
  3. 南好雄

    政府委員南好雄君) 前回委員会におきまして、この海岸堤防によるいわゆる受益面積を御質問になつたのでございますが、お手許にそれに関する資料を差上げまして、総計約三万三千町歩の受益面積になつております。
  4. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 参考資料として頂きましたこの一にあります海岸延長キロ数でございますが、愛知が一一五・四キロ、三重県が九五・五、それから静岡八〇〇と、こう出ておりますが、これは決潰箇所の総延長キロ数か。或いは福井と書いてあります、これは福江の誤りだと思いますが、福江海岸とか田原海岸とか、或る程度ちよいちよいと刻んだそのトータルであるのか。そこを一つ説明願いたいと思います。
  5. 水野岑

    説明員水野岑君) お答え申上げます。これは台風十三号によりまして決潰した箇所のみならず、改良工事を併せてやる必要がある海岸、そういうものも含めた海岸の総延長でございます。ただお断わり申上げたいと思いますが、静岡県におきましては、極く一部の海岸をやるというふうに考えております。
  6. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 大変念を押すようで相済まないと思いますが、そういたしますと、これは決潰箇所全部入つておる、こういうふうに了承してよろしうございますか。
  7. 水野岑

    説明員水野岑君) 結構でございます。
  8. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 それからこの災害のほうの立法関係で申しますと、昭和三十九年度までにやれというように大体立法が進んでおると思います。そこで、建設省でこういうものを作つておやりになるわけですが、大体その立法趣旨に副つて工事参立案計画を進められてゆくのか。その辺を一つお答え願いたいと思います。
  9. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。昨日、衆議院におきましては、この海岸堤防復旧に関する特別法が、政府提案が議院によつて修正をせられたのが本会議を通過いたしました。それによりますと、二十九年度までに復旧に努めなければならない、こういう文章になつております。勿論、建設省といたしまして、法律が参議院を通過いたしまして成立いたしますならば、その趣旨努力いたしますもりでございまするが、本年と来年と三カ年計画前々から計画を進めております。従つて恐らくはほぼそういうように参ると思いますが、お手許に出してあります予算関係その他から申しますると、二年で完全に行くと申しますことはちよつと言い切れぬと思います。大体三年くらいかかるのじやないかと考えております。無理をいたしましてもいけませんので、本当の見通しといたしましては大体三年で行く、そういうような計画で、三年と申しましても、本年はもうあと六カ月しかございませんし、のみならず冬季のことでもございますので、どういたしましてもまる二年で、三十九年までに完全にこれを施工してしまうということは、ちよつと私は技術的にも無理じやないか。やはり三十年までにこれをやるという計画で一応進めておるような次第でございます。
  10. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 予算関係資金的に非常にむずかしいというような点は、水害対策特別委員会のほうでも私たちも承わり、なお知事と大蔵大臣との直接折衝においても非常に困難であるやに聞いておるわけですが、一つ私は、あの法に、ああいう文句、二十九年度というものが入れられる趣旨というものは、ああいうことを認つて頂かなければ人心が安定しないというのも一つの大きな狙いだと私は思いますけれども、やはり工事のほうもそれに合せて進めなくちやならないと思いますから、私は建設省として大蔵省と資金関係において今後大いに一つ努力して速かにできるように、特別な御努力をお願いしたいと思います。  それから次に、あの欠壊しまして浸水、冠水してしまつたあの辺の農家の人たちは、勿論備えもなければ一銭の収入もないといつたようなかつこうなんです。ですから、失業対策といつてはいけないかも知れませんが、そういつたようなものを考えて、相当数人夫のようなかつこうで、失業しているような人たちは大体仕事があるようになるのでしようか、どうでしようか。
  11. 南好雄

    政府委員南好雄君) 先ほどがらの御注意もございましたし、その点につきましても十分に考えているつもりでございます。前回においても、松本委員からも、成るべく現地における罹災民現金収入の点も考えて、十分に工事施行について建設省としても万全の措置をするようにという御注意がございました。前々からこういう生活のもとを断たれているような大きな罹災でございますから、私たちといたしましても、請負にいたしましても、人夫その他はできるだけ現地の人を使用するように、請負に出す一つの条件に現地民を使用するような条項を付して請負に出すつもりでございますから、全部が全部というわけには参りかねると思いますが、工事施行に差支えない範囲内において、恐らく現地人間も、勿論いわなくても相当の人を使うのでありますが、そういう請負条項存付ければ、もつとたくさんの人を使つてゆくようになるのじやないか、こう考えております。
  12. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 仕事が遅々として進まないのは、資金関係もありまして、とかく設計とかそういうことが手間取つてできないというようなことがあるからだと思うのです。で、建設省増員しない。或いは愛知県ばかりではございませんが、三重県なども、県庁関係技術者を集めて、大体二百人ぐらいの人を増員をしてそういうようなことをやるのだというような話を、水害対策委員会のほうで聞いておるわけですが、大体そのくらいで、あなたのほうで約三年ぐらいにおいて完成するというので、それができる自信がおありなんですか。
  13. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。政府が今行政関係につきましても、極力不生産的な方面の節約を図つております趣旨を考えまして、建設省といたしましては、これだけの大きな工事をいたします人間が要らんとは決して……、それほど暇な人間を抱えておるわけではないのでございますから、本当はもう少し人が欲しいのでございます。欲しいのでございますが、建設省政府の一部門でございますので、政府全体の一つの制約というものを頭に入れまして今おる人間を使い、且つ愛知三重静岡土木部の人達に協力を求めましてこの工事をやつて行こうと、こういう態勢を一応とつて提案いたしましたようなわけなんでございまして、来年の三万までに、大体設計それから請負に出す一町工事と、いわゆる仮工事の本締切りというようなことになつて参りますので、恐らくは三百名の人間で十分とは申しませんけれども、趣旨趣旨でございますから、私は参ると思います。来年度になりましてどうしても事実上支障がある場合には、又改めて必要な人間をよく調査いたしまして、増員措置に出なければならんかとも考えております。併し今のところはできるだけ現員を以つてともかくやり抜こうという決意を持つて進んでおる次第であります。
  14. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 ですから、その請負に出される場合に、指名になるか、公開入札になるか、私はよくわかりませんけれども、今まで建設省のやつてお見えになつた慣行というものを知りませんけれども、一ついかがわしい噂のないようにして頂きたいと思います。愛知県にもそういう例をまま聞きますし、岐阜県の例で言うならば、儲けた儲けたという噂があつたが、それを掘り返してやるわけには行かない。ところが決壊してやはりそうであつたというようになれば、私は、国の事業にしろ或いは県が公共事業としてやつても、そういうものに対して不信を抱く。いわゆる政治に対して不信を抱くと思いますから、私は一つ万々手落ちのないように、何と申しますか、監督と申しますか、そういうような点については十分一つ御留意を願いたいと思います。
  15. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) ほかに御質問ございませんか、ほかに御発言がないようですが、本法律案に対する質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは質疑は終了いたしましたので、本案に対して御意見のあるかたは一つ賛否を明らかにして意見をお述べ願います。
  17. 上原正吉

    上原正吉君 本案討論を省略いたしまして採決に入られんことの動議を提出いたします。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは討論を省略して採決に入ることにいたします。建設省設置法の一部を改正する法律案につきまして、政府提出原案通り可決することに賛成諸君挙手をお願いいたします。    〔賛成挙手
  19. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 全会一致でございます。本法鶴案政府提出通り可決することに決定をいたしました。なお本会議に対する委員長報告案文等については前例によつて委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 御異議ないと認めます。  それでは本院規則によりまして本案を可とされました諸君署名をお願いいたします。  多数意見者署名    竹下 豐次   成瀬 幡治    松原 一彦   野本 品吉    上原 正吉   白波瀬米吉    井野 碩哉
  21. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 御署名洩れはございませんか。御署名洩れないと認めます。   —————————————
  22. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは引続いて行政機構整備等に関する調査議題といたします。行政審議会村瀬会長より審議会における答申につきまして説明を受けることといたします。
  23. 村瀬直養

    説明員村瀬直養君) 私、村瀬でございます。行政審議会は昨年七月の行政機構改革によつて行政管理庁に設置せられました諮問機関でありまして、委員の任命を見ましたのは昨年の十二月二十四日であります。そうして政令がございまして、それに基いて現在の委員は本年の十二月三十三日を以てその任務を終了することになつておるのでございます。審議会は、委員の発令を見ますると直ちに十二月二十五日に第一回の会合を開きまして、その席上、会長に私が、それから会長代理荒井誠一郎さんが指名をせられまして議事を開き、行政制度改革行政運営改善と、二つの項目に亘るところの諮問に接しまして、制度部会及び運営部会をその内部に設置いたしました。前者の部会長には互選によりまして私が、後者の部会長荒井誠一郎さんがそれぞれ就任をいたすことになりました。運営部会審議につきましては、その後着々結論に到達しつつあるのでありまして、近く何分の答申をいたす段取になつておるのでございます。制度部会におきましてはその後現在に至るまで合計二十回余に亘るところの会議を重ねまして、総会にかけて二つ答申を提出いたした次第でございます。これにつきまして、その審議経過並びに内容の概略を御説明いたしたいと存じます。  制度部会におきましては各行政機関別実情調査いたしまして、審議する方針の下に、先ず総理府現行機構から審議を始めたのでございます。この審議に当りましては、相当時間を費して、総理府の各外局等について詳細な検討を加えました結果、その機構には相当改善を要するものがあると認めましたので、その改革に関する答申を別紙お手許にございまするように取りまとめたのでございます。他方、政府部内におきましても、引続き行政改革に関する措置が始められていたのでありまするが、前国会の頃から急に全面的な行政改革を実施する方針が具体化いたしまして、内閣臨時行政改革本部が設置せられ、そうして具体案検討をお始めになつたのでございます。従つて私どもの提出いたしました右の答申を直ちにその検討に付せられた模様でございます。制度部会といたしましては、右の総理府に引続きまして順次各省庁に関する審議を継続いたす予定でありましたところ、政府行政改革が右に述べましたように急に短日月の間に具体化する方向に進む情勢と相成りましたので、審議会といたしましても行政管理庁長官と御協議をいたしましたが、政府も右の施策に同調をして、できる限りこれに協力すること必要と認めました結果、若干従前の予定を変更いたしまして右の答申において取上げました総理府の部分をも含めまして、行政改革全般に関する意見を至急取りまとめることにいたしたのでございます。右のような次第で、先ほど、即ち十月三十三日に答申の第二号として行政制度改革に関する答申というものを提出いたすようになつた次第でございます。  右の答申の作成に当りましては、すべての行政機関について改めて個別的に審査検討することを避けたのでありまするが、ただ三つの公社及び五つの現業、官業の現業につきましては相当詳細な検討を必要と認めましたので、特に荒井誠一郎氏を委員長といたしまする小委員会を設けまして、極めて短期間ではありましたが、その期間相当頻繁に会合を重ね、それぞれ実情を聴取いたしまして慎重に審議を重ね、結局これを含めて、次に申上げまするような概括的意見を取りまとめた次第でございます。  行政審議会審議経過は以上申述べました通りでございますが、今ここに右の行政制度改革についての答申、これの大綱について御説明を申上げたいと存じます。  先ず答申の前文といたしまして次のように述べております。即ち、  現行行政制度につきましては、従来数次に亘つて行政整理が断行せられたのでありまするが、末だ十分にその効果收めているとは認めがたいこと。及び、独立二年後の我が国の直面いたしておる内外の情勢に顧みまして、我が国自主自立態勢にふさわしい簡素且つ能率的な、而も我が国実情に適合した行政制度を樹立する必要が認められますることから、この際、行政全般に亘る改革を断行すべきことを要望いたしておるのであります。而して行政改革の進め方につきましては、先ず行政事務改善と、事務処理方式改善等を行いまして、これに伴つて行政機構改革余剰人員整理縮減をなすべきものといたしておるのであります。  先ず行政事務整理につきましては、占領管理下に始められました施策であつて独立後の我が国力にふさわしくないと認められまするもの、その他緊急性の認められない事務整理する方向を示しました上、その方法といたしまして、行政事務を規制いたしておりまする各種法令整理、改廃を考えるべきこと。及び事務整理は各般の施策に亘り詳細且つ具体的検討を要するものでありまする関係上、これを主管各省努力に期待することが実際的であると考えまして、かかる省の努力を統制結集する方法として、内閣各省を通じまして割り出すべき一定の割合の過剰人員の目標を統一することを示唆いたしておるのであります。併し、これによつて従来のいわゆる天引き整理がややともすれば陥る弊害であつたところの事務縮小を伴わない人員整理に堕することのないように、この点は特に明確に注意を促しておるのであります。  次に事務整理につきましては、国と地方公共団体とを通ずる総合的行政整理の実を挙げるための基準を列挙いたしまして、国と地方公共団体との間に行政事務の再配分を行うべきこと。及び、この場合、国の事務地方公共団体に移すに当りまして十分な財源の確保をいたすべきこと。府県における機関委任事務処理方式につきまして実情に即しました方画をとりますこと等を指示いたしておるのであります。  次に五現業即ち郵政、国有林野、印刷、造幣、アルコール専売等国営企業については、主として作業能率の向上を図り、経営合理化を促進いたしまするため、人事給与、定員、組織会計等管理方式に関し、企業官庁等特殊性を発揮すると共に、そのため必要とする特別の監督その他の措置を講じ、その限りにおいて一般行政官庁に対すると同一の規制をなすことを排除すべきことを指示いたしておるのであります。  次に鉄道、専売及び電信電話公共企業体につきましては、その実効性について相当の異論もあつたのでありまするが、発足後なお日が浅い新らしい制度である事実に顧みまして、差当りこれを改善する方向に進むべきことを指示いたしておるのであります。右の公共企業体について改善に努めるべき方向といたしましては、公共企業体はもともと国家財産をその出資総額とするものでありまして、ただ事業企業的処理のために独立法人格を与えられたものでありまするから、企業自主性は十分認めらるべきではありまするが、経営者がこれを私有物するがごとき考え方は絶対に排除しなければならないという見地から、その公共的責任と必要な国家監督を確保し、その経営合理化すべきであるとして、現行制度に対して再検討すべき諸点を具体的に列挙しておるのであります。  次に事務処理方式改善につきましては、最小の経費と人員で最大の行政効果を上げるように事務処理方式簡素合理化を行うべきであるとし、その具体的方法として、共管事務重複事務又は類似事務整理統合共通事務の集中、内部管理事務簡素化行政機関内部組織簡素化、権限の明確なる内部委任及び事務処理方式標準化機械化、等の方向を指示いたしているのであります。  次に行政機構改革につきましては、今日、事務整理縮小及びその処理方式改善に伴つて必要の改革を行うのほか、行政組織全体の規模の縮小を考え、且つこれが再び一般的に膨脹することを防止すべきものといたし、各部署、外局地方出先機関付属機関及びそれらの内部組織につきましてそれぞれ必要な改革方向を提示いたしたのであります。なお総理府については先ほど申上げました通り別答申をいたしておるのでございます。  最後に、人員整理につきましては、只今申述べました事務整理縮小事務処理方式改善及び行政構機改革に伴いまして過剰となる人員整理すべきこと、及び事務整理縮小等措置に伴わない無差別の天引整理は行うべきでないことを表示いたしまするのほか、実人員退職に伴う困難によつて行政改革の十分なる実施が阻害されること、或いは退職者が一時に多量に生ずることによつて無用の社会不安や行政の混乱を生ずることを避けるために、原則として新規増員を行わないこと、欠員不補充の方針を堅持すべきこと、人員配置転換に努めること、整理相当期間に亘る計画によつて実施すべきこと、退職者に対しては或いは一定期間職務に従事せしめない取扱をなし、或いは退職金制度を再検討し定職の斡旋に特段の措置を講ずる等、その整理を円滑且つ確実に行うべきことを指示いたしておるのであります。  以上、行政審議会におきまする審議経過の概況並びに最後に出しました答申の概要について申上げた次第でございます。  このほか行政運営につきましては、只今行政運営法案について審議をいたしておりまして、これもまとまり次第政府答申をいたしたいと考えておる次第でございます。  次に総理府のほうの答申の第一号のほうについて簡単に御説明申上げたいと存じます。この総理府改革の大体の観点は、各省に共通する事務或いは各省のいずれにも関係ある企画、事務を主たる内容といたしまするもの、例えば行政管理庁とか行政審議庁仕事の一部、こういうようなものは、これを大体その内閣補佐部局に移します。それから総理府にありまするむしろ各省に属することが適当でないとこういうようなものを便宜まとめて総理府の中に入れておりまする、これを渉外事務と仮に称しまするならば、例えば公正取引委員会とか土地調整委員会とか調達庁、これは各省に属せしむることが適当でない或いは各省に属せしむることが困難であるというようなものを、一応総理府の所管に属せしめておりまするが、こういうようなものはできるだけ事の性質に応じて総理府から離して各省に属せしめる。こういうような構想に基いて整理をしたらどうだろうかということに基いてできておりまするのでございます。  それから総理府に関する答申の分は、先ほど申しましたように、各部局につきまして詳細にその事情を取調べまして、いろいろこれについては議論があつたのでございまするが、これらにつきまして、その各機関をどこへ属せしめるかというようなことにつきましては、答申の中には結論をすぐに出さないで、政府のほうにお任せしておきまするが、できるだけ総理府の中に混然として存在しておりますものは各省のほうへ移管したほうがいいだろう、こういうような建前から、又政府に置いておく必要のないものは政府に置く必要がない。置かない。こういうようにして、総理府の現在非常にその雑然としておりまするところの部局整理いたしたらばよかろう。換言すれば、内閣補佐部局に移すべきものはこれをそちらのほうに移し、それから各省に振向け得るものはできるだけそちらのほうに向ける。こういうふうにして内閣機構簡素化して行くことが適当であろう。  なお、この際、附加えて申上げまするが、行政審議会審議をいたしました際に、科学技術行政を所管する部局を新たに設けることが必要であるというようないろいろ議論がございまして、これについていろいろそれに対する意見がありましたが、とにかく科学技術行政を所管する一部局を何らか設けるというようなことは考慮に値いする問題である。ただこれをどういうふうにして具体的に構成するかは次に残された問題として、ただ問題の重要性だけを指示しよう。結論においてはそうなつておりまするが、これについては審議の途中においていろいろ議論があつたということが述べられておるのでございます。  それから先ほど申述べましたように、総理府に残りまするもの、即ち内閣輔佐部局に移しまするものは移しまするが、それから又各省に移管いたしまするものは移管いたしまするが、とにかく総理府にはなお相当部局が残りまするから、総理府事務を先ず担任をいたしまする者として総務長官というものを新たに設けまして、その総理府の全体を統括して行く、こういうふうにしたらばどうだろうか。それから人事院につきましては、現在その独立性が不当に強いというふうに考えられまするので、尤も人事院機構の中にはいろいろの機構がございまして、独立して機構を営ましめる必要のあるそういう機構につきましては、別に一つ行政委員会人事委員会というようなものを設けますると同時に、一般行政に関連のある事務につきましては、総理府の中に、一つ人事局と申しまするか給与局と申しまするか、そういうような性質のものを設けたらどうだろうか。二つに分解をしてそういうふうに考えて行つたならば性質がはつきりするではなかろうか。こういうふうに考えておりまするのでございます。まあ非常に不完全な御説明であつたと思いまするが、大体そういうような考え方で、でき上つておりまするのでございます。
  24. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 以上の村瀬会長よりの説明について、何かお尋ねになる点がありましたら御質問願います。
  25. 村瀬直養

    説明員村瀬直養君) まあ私どもは、これは大体の考え方といたしましては、行政整理というものは現在非常に必要なものである。而うして政府においては、行政事務について非常に熱心に事務を進めておられる。併しながらこの仕事は非常にむずかしい仕事でありまするから、我々のような民間の者が集まつておりまする審議会においても、できるだけこれに対してお力を添えて行きたい。それについては、大体の根幹になるような事項を審議会において答申をいたしておきまして、それの具体的な実行方策は、これは内閣において、政府においておやりになるよりほかないと思いまするが、それに力を与える意味において抽象的方針となるようなものについて答申をいたしまして、その答申の具体化を政府においてなさるようにしておきまするならば、この困難な行政整理仕事が多少なりとも外部からお助けができるのでなかろうか。こういうような考え方において全体が成立つておりまするのでございます。
  26. 竹下豐次

    竹下豐次君 ちよ円と抽象的な方針が大体まあ示されておるようでありまするが、具体的にどの省をどういうふうにすべきであるとか、どの外局をどういうふうにすべきものであるとかいうような、そういう具体的な問題についてはちつともお触れになりませんので……。
  27. 村瀬直養

    説明員村瀬直養君) それはいろいろ議論がございまするし、みんながいろいろな意見を持つておりまするけれども、もう現在の情勢において非常に差迫つておりまするので、徒らに政府とまちまちの意見が出て行くことは適当でないと考えましたので、そういう内容に入りまするよりも、むしろその抽象的な方針を示して、そして政府にお助をしたい、こういう考えで出てありまするものですから、答申案としては具体的のどこをどうしようということは出ておりませんのでございますが、その趣旨はそういうようなことでございます。で、その具体的のどこをどうしようかという問題は、只今非常に政府において一生懸命考究をしておられまするので、それを二元的に行政審議会において答申をすることはどうも適当でない、こう考えましたので、その点は避けておるのでございます。
  28. 竹下豐次

    竹下豐次君 正式には抽象的な答申になつておるわけでありますけれども、審議会会議の途中でいろいろな議論が具体的にも意見の交換が或る程度あつたのではないかと思いますが、政府のほうではその辺のことはよくやはりその席に同席されて聞いておられたわけでありましようか。
  29. 村瀬直養

    説明員村瀬直養君) それは或る程度いろいろ時に応じて議論はございましたけれども、勿論政府のほうでも御参考にはなさると思いまするけれども、正式の意見の決定とはなつておりませんですから、その点だけは一つ御了承願います。
  30. 竹下豐次

    竹下豐次君 審議会の開かれておる際に、政府の大臣以下の人たちは、どういう人が……、やはり何か傍聽でもしておられたことじやないかと思いますが。
  31. 村瀬直養

    説明員村瀬直養君) これは、審議会考え方と、それから政府のほうの考え方とが食い違うことは非常に適当でありませんので、政府とも常に緊密な連絡をとつて参りました。政府としては、その政府のほうの行革本部において、行政管理庁が中心になつてつておられまするが、行政審議会としても常に行政管理庁の首脳部とは密接な連絡をとつて審議を進めて参つておりまするのでございます。審議会には、長官を初め次長、政務次官、それから管理部長の首脳部が大体におい、差支えない限り御出席を願つておりまするのでございます。従つて大体において両方の方針が食い違うというようなことは先ずなかろうと存じております。
  32. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 最後の、この答申人員整理の第二項の天引整理を行うべきではないという前提の下に、終りのほうに行つて各省庁に対する共通の整理率による整理定員を要するというのは、これはどういうふうな考え方ですか。
  33. 村瀬直養

    説明員村瀬直養君) つまり第一乃至第三の措置を伴わないところの無差別天引整理、この天引整理にしましても、過去の実例によりまして直ぐ復活するのでございますね。それは、第一乃至第三の措置を伴わないところの無差別の天引整理をやつておりますと、ややともすれば、そういう結果になる。併しながら、他面において、整理して行きます場合において各省でまちまちになつてはいけない。従つて共通の整理率を設けるということは必要なんです。併しその場合においても、やはり第一至乃第三の措置を伴つて来るような整理をやらなければ、直ぐに元の通り復活して、却つて害をなすだろう、こういう考えなんであります。
  34. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それから定員法の中に入つておらない非常勤の職員がたくさんあるわけですが、この非常勤職員の問題について何か審議会でお考えになつたことがありますね。
  35. 村瀬直養

    説明員村瀬直養君) それは先ほど申しましたように、具体的にどうするということはありませんが、丁度人員整理の一番最後の項にもございますように、定員外の職員についても前各項の趣旨従つて検討するというふうにしてもらいたいということの要望は出しておるのでございます。お話のように、非常勤労務者と申します定員外の職員は、時と共に殖えて参りますので、どうしてもそれに対しては適当な措置を講じなければいけない。このやり方につきましてはなかなかむずかしい問題でございまするが、大体定員内の職員について、本答申において申述べましたような趣旨従つて定員外の職員についても善処してもらいたいということを申しておるのであります。
  36. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) ほかに御質問ございませんか。
  37. 松原一彦

    松原一彦君 只今説明を承つていろいろお聞きしたいことが多い、特に政府方針が違わないように打合せた上での御答申というのは、私はいささか腑に落ちないものがある、むしろこれは行政審議機関独立の権威を持つて、この日本が戦後厖大になり複雑化した行政機構に対して大きなメスを入れる一つの示唆をお与えになることを私どもは期待しておつたのでありますから、そういう点につきましては若干これを拝見して私は遺憾の点もありますけれども、御質問申上げるとすれば、もう少し私どもにもこれを読まして頂いて考える期間を与えて頂きたいと思いますので、今日の審議はこの辺にとどめて頂きたい。  なお明日は、先般審議の途中で新らしく資料を得ました恩給金庫の設置に関する当面の進行状態として、国民金融公庫が十月二十日から低利の金融を始めておるという事実がある。これを若干調査して見るというと、名目的な出発であつて、その内容には非常に苦しいものを持つておるという事実もあるかに仄聞しますので、この当事君を招致して意見を聞き、懇談もいたしたいという希望を持つのであります。お取計らいを願いとうございます。
  38. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは行政機構整理等に関する調査の件につきましては、本日は説明をお聞きいたしましたので、後日改めて又委員会からお願いをして質疑を重ねることにいたします。  なお只今恩給金庫に関する問題について、委員会においてこれの調査を進めるようにという御発言がありましたが、会期が延長になることがきまりましたら、委員長のほうで関係者を一つ御出頭を求めて、明日説明を聴取するということに手続をいたしたいと思いますが、それでよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それではさように決定いたします。   —————————————
  40. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 次に本委員会に付託されました請願一件を議題といたします。先ずこの内容について杉田専門員から御説明をして頂きます。
  41. 杉田正三郎

    ○専門員(杉田正三郎君) 文書表の第百六十五号に恩給金庫復活に関する請願というのが現われておりまして、これが当委員会に付託になつておるのでございまするが、この種の請願はすでに前にも当委員会に付託になりまして、当委員会ではこれを採択して内閣に送付すべきものというような御決定がありまするので、これは同趣旨の請願でございますから、その点は御了承下さいまして結構かと思います。要するにこの趣旨は、恩給法の中には一応恩給金融の途が開かれてはおるけれども、この恩給金融は現存しております金融機関が片手間に処理し得るような程度のものでなくして、真に受給者の利用に便であつて、その福祉に寄与し得るものであるためには、別途独立した恩給の金融機関の必要があるから、恩給制度の完璧を期するために恩給金庫を復活して頂きたいという趣旨のものでございます。前に出ておりました請願と同一趣旨でございます。
  42. 野本品吉

    野本品吉君 只今の請願は私ども誠に実情に即した請願であると思いますので、私はこの際当委員会において採択すべきものであると、かように考えます。   (「賛成」と呼ぶ者あり)
  43. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは本請願を採択することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 採択と決定をいたします。  それではこれにて散会いたします。    午後零時三分散会