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1953-11-28 第17回国会 参議院 電気通信委員会 閉会後第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十一月二十八日(土曜 日)    午前十一時五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     左藤 義詮君    理事            久保  等君    委員            津島 壽一君            新谷寅三郎君            小林 孝平君            三浦 義男君   事務局側    常任委員会専門    員       後藤 隆吉君    常任委員会専門    員       柏原 栄一君   説明員    大蔵政務次官  愛知 揆一君    郵政政務次官  飯塚 定輔君    郵政大臣官房電    気通信監理官  庄治 新治君    日本電信電話公    社副総裁    靱   勉君    日本電信電話公    社職員局長   山本 英也君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○公共企業体等労働関係法第十六条第  二項の規定に基き、国会議決を求  めるの件(日本電信電話公社)(内  閣送付) ○電気通信事業運営状況に関する調査  の件  (報告書に関する件) ○電波行政に関する調査の件  (報告書に関する件)   —————————————
  2. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 只今より委員会を開会いたします。  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会議決を求めるの件、日本電信電話公社関係を議題といたします。  御質疑のある方は御発言願います。
  3. 小林孝平

    小林孝平君 政務次官にお尋ねいたしますけれども、今回の政府のこの伸裁裁定国会に上程した事由説明資料というこの提案理由を見ますと、「これらの経費は、昭和二十八年度政府関係機関収入支出予算に含まれておりませんので、給与総額につきましては予算総則第二十三条の金額を超過することは、明らかでありますから、これを支出することは、予算上不可能であります。」、こういうことが書いてあるのですけれども、この国会承認を求める際には、経理上、予算上これを変更しなければならない場合に、国会承認を求めなければならない。こういうふうに法律には書いてあるのです。だからこれは当然初めから国会承認を求める際には、そういうことは前提条件なんです。それを理由にされておるというのは、少しもこれは提案理由説明にはなつておらんと思うのです。その点如何ですか。
  4. 飯塚定輔

    説明員飯塚定輔君) 只今小林委員の御質疑の点にお答え申上げますが、恐らく大臣からも前に御説明があつたことと思いますが、この理由はやはり予算総則二十三条の金額を超過することは、現在の経理面から見て明らかでありますために、これを支給することはでき得ないという理由を付してありまするが、その点を国会において御審議を願うという、今の当局としての態勢は、そういう御審議を願うという態勢になつておるのであります。
  5. 小林孝平

    小林孝平君 今の御説明ではさつぱり御説明になつておらんのです。この十六条に「公共企業体等予算上又は資金上、不可能な資金支出内容とするいかなる協定も、政府を拘束するものではない。又国会によつて所定の行為がなされるまでは、そのような協定に基いていかなる資金といえども支出してはならない。」、こういうことを書いてあるわけです。これに基いて国会承認を求められておるわけなんです。だから初めから求めるに当つて経理上、予算上不可能である、こういうことはもう明らかなんです。ここに書いてあることは、こんなことは理由にならんので、それだから今度はどうするとかこうするとか言わなければ説明にならんのです。恐らく政府かいろいろ予算案或いは法律案提案される際に、こういうふうな説明にならんような提案理由をされたことは殆んど例がないのじやないかと思うのですが。
  6. 飯塚定輔

    説明員飯塚定輔君) この点は小林さんの仰せらるること御尤もと存じますが、政府としては国会意思決定を求めるために、率直に現在の状態を申上げて御審議を願うという気持でこれを理由にしたのでございますから、理由にならないと、何か話は循環しておるような形でありますけれども、現在の実情を率直に申上げて、国会の御審議を願おうという気持で提出したのでございます。
  7. 小林孝平

    小林孝平君 国会の率直な決定を待つと言われますけれども、こういうふうになつておるから、仲裁を呑んだらいいか呑まないほうがいいかというふうにお聞きになるならいいのです。今度はそうじやなく、ちつとも我々の率直の決定を待つておるのじやなくて、政府はこういうことだからできないと、こう言つて承認を求められておる。だからあなたがおつしやつていることと書いてあること、或いは政府のおやりになつていることは矛盾しているのです。非常に誠意がないと思うのです。私は、できないならできない。こういう理由でできない。こう言うならいいです。ちつとも理由になつていないから言つているのです。更に言えば、政府はこの仲裁裁定などというものはもう無視するのだ、提案理由から見ればそういうことになります。如何ですか。
  8. 飯塚定輔

    説明員飯塚定輔君) そう仰せられると御尤もと言う以外にできないような感じがしますけれども、実は専売公社の場合も、去年でしたか、やはり予算上の措置としてやり得ないということを率直に申上げて、御審議御協力を得て、こういう問題を取扱つたことと記憶しておりまするけれども、今度も決して、誠意がないと仰せられればそういうことかも知れませんが、政府もできるだけ、無視するというような気持ではないというその誠意は披瀝したつもりでこれを提出した次第でございます。
  9. 小林孝平

    小林孝平君 あなたは馬鹿に誠意ということに力をお入れになりますけれども、私はその誠意もさることながら、少しもこれは手続上正当の手続を踏んでおらないと、こういうふうに私は申上げておる次第です。この前の専売のときにたまたまそういうことが見逃されただけであつて、少しもそのときも恐らく理由になつていない。こういうふうに申上げるより仕方ない。而も政府はこういうことでできないなら、これは飽くまでもこういう原則に基いてできないと、こういうことで頑張られるならいいけれども、政府はその後少しならやれる、こういうことになつて来たではないですか。だからこれはますます理由にならないですよ。
  10. 飯塚定輔

    説明員飯塚定輔君) その点は少しやれるのを最初からそういう手を尽さずに、最初はやり得ないのだということを国会に訴えておいて、あとには少しならばやれるというようなことをしたのじやないかというお言葉のようですけれども、それは当初の既定予算既定計画等からいつてやり得ないという結論が出ましたために、この前にはそういう只今提案理由と同じ理由で御審議をお願いして、その後の経理面をいろいろ勘案した結果、少しでもやり得るという結論に達したことと私は只今想像しておりまするが、今度の場合もいろいろな面において更にこれらの点について御審議願つた結果、やり得るように努力できれば努力したいというその誠意には変りないと思いますから、その点御了承願いたいと思います。
  11. 小林孝平

    小林孝平君 あなたはそうおつしやいますけれども、この理由書には、経理関係只今のところはできませんということは書いてないのです。予算総則第二十三条の金額を超過することは明らかでありますから、できませんと言つておるのです。今でもこれは超過するのです。飽くまでもここに書いてあることを固執されるからそうなるのです。明らかに政府説明誤りです。政務次官、率直に誤り誤りと認められたらどうですか。
  12. 飯塚定輔

    説明員飯塚定輔君) お言葉ではありますけれども、例えば私がここでこれは誤りだということを申上げても、政府、しぼつて申しますと郵政或いは電通全体としての総体の意思でこれは誤りだということをここで表現することは、これは私個人としては僭越でありまするから、私は只今小林さんの御意見によつて、それはそういう点があるということを私が認めますれば、それを認めるというと僭越な言葉でありますけれども、自分がそれに納得すれば、大臣その他のこの問題を作り上げるに至りました我々全体の総意を以て将来お答えするのが適当だと思いますので、その点を御了承願います。
  13. 小林孝平

    小林孝平君 或る程度私は政務次官は私の話を認められたものだと、こう思いますが、大体これをお作りになるとき、さつきもおつしやつたように、さつき専売の例のときにこうした、今度もこれは郵政独自の考えでおやりになつたのでなくて、他の林野とかアルコールとか専売とか、そういうものと歩調を合せてこういうふうにやろうということで、ただ画一的にやられたのじやないか、独自の立場に立つてこの公社経理上からそういうことが可能であるか不可能であるかということを十分検討された結果ではないのじやないか、こう思いますが、どうですか。
  14. 飯塚定輔

    説明員飯塚定輔君) この点については、最高の意思決定としての大臣から申上げると一番いいと思いますけれども、私の只今まで伺つたことと、又小林さんの御意見とを総合いたしまして、小林さんの御意見にも私として納得する点もあるのでございますけれども、我々としては、この理由を作り上げるのには、他の公社その他とも均衡をとつた結果、この理由が作り上げられたのでありますから、他の公社に対してどうということは、直接私が折衝したのでありませんから、若しこの資料を作り上げるまでのいきさつ等についての意見等をお聞き取りになるとすれば、直接折衝した担当当局から考えを申上げたほうがいいと思います。
  15. 小林孝平

    小林孝平君 今他の公社との均衡をとつてという意味はどういう意味でございますか。
  16. 飯塚定輔

    説明員飯塚定輔君) 先ほど小林さんから、私が専売公社の去年の記憶を辿つて申上げたことに対して、これは郵政ばかりではなく他の公社と折衝の結果、例えば政府全体の意思決定をするのにほかとも相談をされただろうという意味の御意見がございましたために、それにお答えしたのでございます。
  17. 小林孝平

    小林孝平君 この他の公社との均衡をとつて、そういうお話は私が申上げた点にも関連しておりますけれども、ほかのほうも上げないことにしたから、こちらも大体他の三公社現業とも均衡をとつて上げない、こういう意味なんですか。
  18. 飯塚定輔

    説明員飯塚定輔君) それは他のほうが上げないから、自分のほうでも上げ得るけれども上げないというような、そういう意味ではございません。よほどベースアップのとき、或いはその他の年末手当にいたしましても、自分のほうとしてはできるだけ、例えば裁定或いは勧告等に対して忠実にやりたいという気持を以て、自分のほうではその面に対しての独自の立場において努力はしておるのでございますが、他の五現業公社等との釣合いというのは、おのおのの立場において自分経理面を検討しておるということは御了解願えると思いまするが、例えばほかの簡単な、その適用職員が少くて、予算面においても簡単にやり得るところがありましても、他の部面においてやり得ないという大きな予算面の問題が起つて来る場合には、やはり政府として、これは私の言い過ぎになるかも知れませんが、ほかの部面とも折衝するということは当然のことと考えておるのでありまするが、ただ自分たちの担当しておる現業員に対しては、できるだけその期待に副い得るような施策を講じて行きたいというその努力は独自の立場でも考えておるのであります。
  19. 久保等

    久保等君 今の質問に関連すると思いますが、飯塚政務次官の言われておることも、併し突きつめて行くと、多少この前の大臣答弁とは食い違つて来るのではないかと実は思います。大臣は非常にまあ各三公社現業の問題については、これは十分に権衡をとつて行きたい。更に又人事院勧告との均衡もとつて行きたいということを非常にやかましく主張せられておつたと思います。やはり若し今政務次官の言われるような考え方から行くとすると、私はまあまあ偶然の一致として、たまたまベースアップの問題は来年の一月から実施することになつたのだということになるんじやないかと思います。というのは、要するに各企業或いは事業内容を十分に検討して、でき得る限りのとにかく努力をそれぞれの企業実態に応じてやつたのだということでありますれば、まさか来年の一月一日から実施するベースアップがあのようなきれいな形で線が揃い得ないんじやないかと思います。これはまだ直接御説明を願つておらないので、私も実は新聞報道で聞いておる程度ですが、これらの経緯については、是非一つ大臣から御説明を願いたいと思つておるわけなんですが、たまたま昨日も今日も御出席がないので、非常にその点遺憾に思つておるのですが、いずれ極めて近い機会に、大臣からも承わりたいと思いますが、まああの新聞等報道により伝えるところを見ましても、それぞれの政府の見解としては、相当無理をしてとにかくやつたのだ、それはとにかく線を一線に揃えて公務員の人事院勧告といい、公企体関係労働法適用を受けているそれぞれの企業体に対しても、線を揃えて一月から実施するのだという結論が私は政府態度だと、一応新聞紙上を通じての態度を了承というか、理解しておるわけですが、今の政務次官答弁は、一応の答弁として、まあ最大の努力払つておるのだということを表現するために言われた。私は気持としてはまあわからないでもないのですが、大臣の言われておる従来の説明態度とは若干食い違つておるというふうに考えるわけです。そこでもう少し突込んで言えば、本当に具体的に各企業実態というものに対して最善努力払つてペースアップをやつて行くのだ。従つて結果的には、それぞれの企業体実態から出て来るベースアップ実施ということになつて来れば、実施時期の問題についても差が出て来ることもあり得るかも知れないという気持でおられるのかどうか。この点一つ明確に御答弁願いたいと思います。
  20. 飯塚定輔

    説明員飯塚定輔君) 久保さんの御質問お話の中に大臣食い違いがあるということは、或いは大臣が前に私よりも多く委員会にも御出席になつておりますし、私は決して怠けておるわけじやありませんけれども、大臣と同じように出席はしておりませんので、その間大臣の御答弁と、只今私の申上げたことと若干食い違いがあるとすれば、その点は大臣に対して、私から今日の皆さんに申上げたことを大臣に申上げて、どういう点で私はこういう気持で申上げたかということも御了解を得るつもりでありますけれども、私としては、この自分の担当しておる企業体に対しての努力は、大臣と同様に努力はしておる。その努力だけは御了解願えると思います。この間五現業或いは三公社というような、一連の現場をあずかつておる団体の繋がりが五現業公社というふうに、而も同じ政府監督下に置かれておるものであるから、その権衡をとるということは、これは当然のことだと思いますけれども、私としては例えば電電、或いは郵政というものに対して、蓋しも単独ででき得るものであれば、これは個々の、電電のみならず、郵政のみならず林野であつても、単独でやり得るものであれば、その予算措置において努力の結果、或いは時期的に一致しなくてもやり得ることもあろうと考えるのでありますけれども、只今申上げましたように、一つだけ抜けがけするとか、或いはその結果として、他の公社、他の現業に対して影響するところが大きいということになれば、やはり大所高所から考えられた権衡をとつてやるということに対して、大臣のお考えも尤もなことと存じます。私としてはでき得ることであれば、自分たちのあずかつておる現業において独自の立場でやり得るとすれば、例えば一月にやり得ないとすれば、或いは来年度からやるとか、或いはもつと早くやり得るものであれば八月にやるとかいうことは、これは直接あずかつておる、監督の衝にある郵政省、大臣或いは我々現業との交渉によつてそれは成立するものと思つております。なおそれができ得るものであれば、私としてはそれもやつていいのじやないか。むしろそういうふうに経理面においてやり得るならば、その公社なりその現業なりにおいて、例えば私であれば電電現業の問題を取扱つて単独にやり得るとすれば、それは経理面の許す範囲内においてこれは他と連絡をせずにやつて行きたいという気持も持つておりますけれども、その気持が今の答弁の中には現れて、大臣が統一してやるのと幾らか食い違いが出て来るのじやないかと思いますが、その点私の気持を御了承願いたいと思います。
  21. 久保等

    久保等君 私の質問いたしておるのは、勿論大臣政務次官との言葉の若干の差異という点に、言葉の端しくれを捕まえてのお話質問をしておるのではありません。飽くまでも今度の仲裁裁定なり、或いは人事院勧告、こういつた給与改訂問題をどういう考え方政府態度決定しておるかという極めて重要な基本的な問題についての御質問をいたしておるわけです。今の御説明だけを伺つてみましても、実は政務次官の言われる今の御答弁自体の中に相当大きな矛盾が含まれておると思うのですよ。要するに他との権衡をとることは当然だという今表現をされておるかと思えば、最後にはその事業実態からはでき得る限りの措置をとつてやることもこれは当然考えなければならんというふうなことを言つておられると、一体今度の問題はどつちに重点を置いて政府としてはこの問題を決定したのか。今の政務次官の言つておられる答弁、それには前とうしろとは相当矛盾しておるのじやないかと思うのです。それで少くともこの前の大臣答弁は、主として均衡論に終えたような御答弁であつたわけです。そのいい悪いは別として、又これをだからどう扱つて行くかということは他の問題として別問題なんですが、そこいらのお考えを明確に伺つておきたいという意味で御質問をいたしておるのです。ところで、まあ今度の仲裁裁定、特に電通の場合には仲裁裁定になるのですが、仲裁裁定の問題について、私は、少くとも政府態度としては、均衡論ということにとにかく重点も置いておるというように理解を一応いたしておるわけです。併し政務次官の言われるように、事業実情としてやり得るならば、まあ八月からでもというようなこともちよつと今言葉に言われましたが、とにかく一カ月でも二カ月でも或いは三カ月でもその事業実情から来る特殊性というものはこれは当然あると思うんです。人事院勧告とそれから仲裁裁定、こういつたものとの間における性格差異も勿論それぞれあると思うのですが、裁定の中でも五現業公社というものは、それぞれ又性格が違うと思うのですが、それから経理内容も大同小異だとはいつても、やつぱりそれぞれ多少の相違はあると思うんです。なければむしろおかしいと思うんですが、とにかくあると思うんですが、そのある実情に副つて給与改訂の問題を政府としては最善努力をやはり払つてつて行きたいと思つておるのだ、今度の結論もそういう立場から出たのだということであるとするならば、私は又大分給与改訂の問題も違つた結論が出て来るのじやないかというふうに考えるわけなんです。この点、私はむしろここで郵政大臣答弁との関連をとやかく余り政務次官が気にせられると、前のほうで大臣説明をし、あとのほうで自分意思説明するというようなことになると思うので、むしろ率直に政務次官がどう今度の給与改訂については理解しておられるのか。その理解しておられる気持を実は率直に申して頂きたいと思うんです。若し私の質問人事院勧告に及び、更に他の公社関係に及んでおりまする質問でありまするだけに、まあ郵政政務次官としては、若干そういつた今度の給与問題全般についての政府態度説明することは、どうもいささかまあ自信がないと仰せられればそれも止むを得ないと思うんです。ですからそういつた立場一つ明確にして頂いて、おれは郵政政務次官という立場で他の問題は全然余り考慮に入れておらないのだということであれば、それならそれで私も理解のしようもあるかと思うんですが、そういうことで極めて率直な答弁一つはつきりと願いたいと思うんです。
  22. 飯塚定輔

    説明員飯塚定輔君) 只今久保さんの御指摘になりました、前が大臣答弁になり、あと政務次官考えを発表した、矛盾があるのじやないかということは、或いはお取り上げの久保さんから御覧になればそういう、ふうになるかも知れませんが、大臣は統一した閣僚としての閣議の決定をする意思としてのお答えだつたと思いまするが、率直に郵政政務次官として答弁しろというお言葉に対して、私は率直に今申上げたのでありますけれども、もう一つ率直に申上げたいことは、自分立場として、自分たちのあずかつている現業に対してどう考えておるかということについては、去年の電電団体交渉によつてべース・アツプをされた。そのあと郵政の全逓の諸君から電電との不均衡是正の問題が今年の春問題になつたのであります。その問題については、私は完全に郵政人間として只今申上げるのでありますけれども、自分たち立場としてやり得る場合であれば、これはその時期も、金額におきましても、できるだけ自分たち経理面の許す範囲内で期待に副い得るようにやりたいという努力は続けて参つたのであります。又是正のときに一般会計から繰入れる、大体昨年度は五億だつたと記憶しておりますが、その五億が繰入れられますると、郵政の不均衡是正の問題が、四月一日からこれを実施することはできたのであります。その問題について私も及ばずながら四月一日からこれを実施したいという独自の立場からこれを考え努力して参つたのでありまするけれども、最後予算の修正のあつたときに、改進党、鳩山自由党と我が党との三派の協議の結果、一般会計から是正に対する五億の繰入ということをこれは除外されてしまつた。それで実際申上げますると、それまでに努力をして来た者としては、非常に涙を呑んで六月一日から実施を余儀なくしたという気持も、これは私白日耳考えで申上げますけれども、そういう考えを持つてつたのであります。それでありまするから、自分のあずかつておる現業或いは公社というものに対しての考えを申し上げることになれば、只今事例を以て申上げました気持だけは現在でも変りはございません。
  23. 久保等

    久保等君 それではこういうように理解していいのか。まあ私のほうから申上げて一つ政務次官のお考えをお間きしたいと思うんです。今度のベースアップの問題、それから年末手当の問題も含めてですが、一応まあ結論政府として出ておるわけですが、まあこれは今言つた答弁の中から要約して考えれば、結局他の人事院勧告なり、それから公社或いはその他の現業官庁、こういつたところとの均衡をとつて結論を出したことも事実だ、が併し、それぞれの事業の実体なり企業実情によつては、若干それぞれの特殊性も活かした給与改訂乃至は期末手当というようなことも考えておるのだけれども、併し一応出ておる結論というものは、どちらかと言えば、権衡論の上に立つた給与改訂になつておるし、期末手当という問題で実は今度の問題は処理したいと思うけれども、併し今後といえどもなおその事業実情によつて十分に考慮して参る、又努力をして行きたいという気持には変りはないのだというふうに理解してよろしいのですか。
  24. 飯塚定輔

    説明員飯塚定輔君) やはりこれも私自身の郵政人間としての独自の立場考えを申上げてよろしいのですか。郵政政務次官としての単独のその気持で話をしろという場……
  25. 久保等

    久保等君 まあここは電通委員会ですから、少くとも私はまあ電通委員会に対する政府を代表した御答弁として御答弁を願いたいと実は思つておるわけです。従つて少くとも塚田郵政大臣と同じ気持乃至は大臣一つ代弁者という程度の意気は一つ堅持して頂かんと、郵政政務次官個人という程度の御答弁では、どうも電通委員会として納得しかねるわけです。
  26. 飯塚定輔

    説明員飯塚定輔君) 少し言葉言い過ぎがあつたので、これは私も先ほどの立場に返つて申上げますが、郵政当局者としての考えは、久保さんのお言葉通り、ほかに影響を及ぼすようなことは、これは権衡の面から見て、余り自分たちだけの抜けがけをするとか、独自の立場自分たちだけよければいいのだという、或いは自分たちが悪くつてもこれは止むを得ないのだという、そういう考えは毛頭持つておりません。併し権衡をとつて行くということは、大臣からもお話がございましたと思いまするけれども、併しその企業体特殊性というものを活かして企業努力によつてやり得ることは、できるならばそれをやつて行きたいという気持は、私はこれは個人としては持つておりますが、これらの点についても、大臣とも十分話合つてそういう気持でやつて行きたいと思つております。
  27. 小林孝平

    小林孝平君 この問大臣説明のときに私はおりませんでしたからあれですけれども、均衡をとつてやるというのは、大体仲裁裁定の本質から考えるとおかしいのです。むしろ今政務次官がおつしやつたような、その企業としてそれが可能であるかどうかという立場に立つて仲裁裁定というものを行うのが当然である。あなたのお考えはいいと思う。ただあなたは個人として言つたり、これは郵政関係の人として言つたりというよううな、いろいろのことを言われるのが大体おかしいので、あなたは政府委員ですからしつかり一つ答弁して下さい。私はその個人の話など聞かんでいいのです。そこであなたは企業体として可能であればやりたいと、こうおつしやられたけれども、あなたはこの仲裁をお読みになりましたか。仲裁裁定のこれをお読みにならんのじやないのですか。ちやんと書いてありますよ、はつきりできると。そうして十分これは検討されたかどうかということは私は怪しいと思うのです、あなたの御説明では。ここには十分研究して公社の側からも両方から考えて可能であるということが書いてあると思うのです。あなたは政府として十分この仲裁裁定内容を検討されたかどうかということをお尋ねしたいのです。
  28. 飯塚定輔

    説明員飯塚定輔君) 先ず只今のお言葉最初一つは、公人として或いは私人としてというのは、先ほどの久保さんのお話の中に、はつきり公人として私人としてというのでなく、郵政人間としてほかのことを考えずに一つやれというお話がありましたので、私は決して飯塚という議員の個人立場で申上げるのじやなく、郵政という一つの何といいますか、三公社現業に繋がりがあるけれども、一つ現業なら現業をおあずかりしておる者として申上げたので、若し個人という言葉が出たとすれば、そういう意味でございますから御了承願いたいと思います。  又裁定をよく読んだかどうか。これは私も決して読まないとは申上げません。ただその解釈の仕方等によつて或いはこれは不勉強の結果だというお叱りを受ければこれは止むを得ませんけれども、先ほど郵政の問題を、この春の問題を申上げましたように、こういう勧告或いは裁定等について忠実にやつて行きたいという気持で、春の電電郵政との不均衡是正のときには、郵政自体の経理面考えて四月からとれを実施したいというふうにその企業体、或いは公社なり現業なりの自体を考え努力をしたということを先ほど申上げましたように、現在でもその気持とは変りないということを再三申上げたのはその点でございまするから。ただその裁定の全文を読んだか、而もその解釈はどうだということならば、或いは私の智力においてお答えするのに不十分であつたかも知れませんが、その点だけはこれは個人として、本当の個人としての智力の問題になりまするから、その点を御了承願いたいと思います。
  29. 小林孝平

    小林孝平君 これはここに両方でこれで満足されて、而もその程度はできるということを仲裁裁定でやられておる。それをあなたな無視されてできないと、こう言つたかと思うと、今度は昨日資料が配られましたように、この程度はできる、こういうことになる。而もその資料の内零は、これは今日は時間がないから他の委員の方からこれはおやりになるでしようが、相当疑問の点が多々あるのです。ですからこういうことを一般の仲裁裁定に関連して、こういうことをお出しになる資料等を見ておりますと、相当郵政電電公社に関する勧告というものが、その事業に対する理解程度というものが非常に浅いのではないか。まじめになつて、まじめと言うと悪いかも知れませんが、まじめになつてこれを研究しておるかどうか、非常に怪しいのです。今でも電電公社経理内容については相当疑点があると言うと言い過ぎかも知れませんけれども、相当問題にしておるわけです。それはあなたたちの態度がこういうあやふやで、昨日はできると言つたかと思うと、今日はできない、そうして収入がぎりぎり一ぱいだと言つたかと思うと、忽ち三十五億も余計出て来る。こういうことであなたのほうは一々こういう資料を出して来る。こういうことだから世間の人はこれに疑惑を持つのは当然です。だから本当にやつておるのかということを疑問に思うのです。政務次官どうなんですか。
  30. 飯塚定輔

    説明員飯塚定輔君) これは恐らくこの資料を出したのは昨日の委員会でございましたか、その資料を出す直前の問題は、私郵政関係の用事で二、三日旅行しておりましたので、その点は私はつきり努力した結果である、或いは勉強した結果である、動強しない結果であるということは、私としてはこの資料に対してのお答えは、只今お答えを持ち合せておりませんけれども、努力した結果こういう経理面においてもぎりぎりの、最後の何といいますか、ゆとりといいますか、それを出したのも、結局これは裁定を忠実に実行するために、恐らく苦しい立場を相当十分に研究の上で出された経理面の数字だと私はそう考えております。
  31. 小林孝平

    小林孝平君 ちよつとおかしいですよ。あなたはこれを御覧にならんのでそんな抽象的なことをおつしやいますけれども、後ほど又三十五億の問題等はいろいろ研究されると思いますが、先ずそう熱心に仲裁裁定をまじめに実行するために全力を尽したとは思えないのです。私は又あとでやります。
  32. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 大蔵次官がやがて来るそうですから、いろいろこれに質問をする前提として伺うのですが、これはまだ御説明を伺つてないのではつきり率直なところを伺いたいのですが、期末手当の問題ですが、新聞等によりますと、一般公務員には大体こういうことを実施しよう、公社なりにはこういうふうにしようというような政府の腹案が何か新聞に出ておりましたが、電電公社関係期末手当は、一体今度はどういうふうにされるおつもりですか。それからその原資といいますか、財源はどうなつておるか。それと公務員と或いは他の公社と比較すると、これはどういうふうになつておるか。その点大蔵次官に説明を聞きたいのですが、その前提として、今あなたのほうで交渉中であるかも知れませんが、その結果はどこまで行つておるのか。実情をはつきり知りたいのです。
  33. 飯塚定輔

    説明員飯塚定輔君) 電電期末手当の問題に関しましては、恐らく大臣も十分にお考えになつておることと思いますけれども、現在の電電期末手当実施され得る率と申しますか、これはほかのほうと比べますと幾らか低くなつておるはずでございます。なぜ低いかと言いますと、昨年の十一月の交渉の結果ベース・アツプをされまして、それに対して期末手当等の年間の一部分が確かにそれに入つてつた。直接私は担当しておつたのではありませんけれども、そういうふうに聞き及んでおります。そのためにほかの期末手当との間に幾らが少くなつておることと存じますが、これはどれだけの差があるかということは担当官から申上げたほうがはつきりしていいと思いますが、その点は確かに私も幾らか低くなつておるということだけは申上げることができるのであります。ただ低くなつておるからそのままでいいかということになると、今度はいろいろな自分考えもそこに入つて行きますけれども、できるならばそういう差の賃金においては、或いはほかの公社と比べて特別な、上廻つておるというようなことでなければ、或いはこの期末手当等においてはつきりとほかよりも下廻つておるというような場合には、企業努力によつてそれを補填し得るようなことも考えなければならないのではないかということも、これは私も考えておるのでありますけれども、確かにほかの公社と比較いたしますと、期末手当においては幾らか下廻つておることと私は記憶しております。
  34. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 この期末手当をどうするかという問題を聞いているのじやないのです。だから監理官で結構ですがね、今申上げたように、下廻つておるというならどのくらい下廻つておる。それを例えば一般公務員並みにするのにはどのくらいの財源が要るのか。期末手当として他の現業庁なり公社友りは、今度の補正予算によつてどのくらい出せる、然るに電電公社のほうは、このくらいしか出せないという数字の内容を聞いているのです。監理官でもどなたでも、説明のできる方から説明して頂きたい。
  35. 飯塚定輔

    説明員飯塚定輔君) 新谷さんの御質問に対しては数字の上において、或いはパーセンテージの問題については、監理官から詳細に申上げさせることといたします。
  36. 庄治新治

    説明員(庄治新治君) 期末手当という表現をお使いになりましたが、一応二十八年度予算では期末手当とそれから奨励手当というふうに使い分けがしてございます。併しいずれにしても、期末手当と奨励手当を突込みにしたお話を申上げたいと思います。二十八年度の本予算では、電電公社に対しましては、期末手当が一カ月、奨励手当が 〇・五、要するにお盆と暮という二期に、一・五カ月出せるような予算が二十八年度本予算に組んでございます。それでこれは、ほかの三公社も公務員も、名前がちよつと違つていたかと思いますが、いずれにしても期末手当、奨励手当、公務員は少し名前が変つてつたと思いますが、一・五カ月分本予算に組んでございます。それで今度、補正予算でどうなるかということでございますが、補正予算はまだどういう形で出て来るかは聞いておらないのでありますが、いわゆる新聞に出ておるようなものであるとするならば、公務員は〇・五、これは今の期末、奨励、勤勉というようようなことは抜きにしまして、突込みで〇・五カ月分は乗るというふうに新聞には書いてあるように存じております。それから電電公社については、その数字から見ますと、期末に〇・二五ぐらいは出せるだろうという数字が出ております。これを仮定の上の話でありますが、公務員を〇・五、電電公社を〇・二五というように仮定をしまして数字を申上げると、公務員は年間を通じて二カ月ということに相成るわけであります。それから電電公社の場合は、年間を通じて一・七五というふうに相成ると思うのでございます。それで公務員の場合はどういうふうに、その一・五プラス。五、要するに二カ月を割振る、割振ると言いますと変ですが、夏と暮がどうなつたかと言いますと、一般公務員は夏〇・五、法律で出すということがきまつてつたの法律を改正いたしまして、暮の一カ月を〇・二五繰上げて支給するということにしまして、夏は〇・七五出しておるのでございます。そうしますと暮には〇・七五しか残つておらないのであります。これが今度の予算並びに法律でそういうふうに変るという仮定において申上げますと、これが一・二五ということに相成るのでございます。電電公社の場合はどういうふうになつておるかと申しますと、今まで一・五予算で編成しているうちの〇・五分を期末ということではなくて、本給の一部に繰入れるという操作をやつておるのでございます。これは端的に言えば、〇・五月分の原資、財源を使いまして、毎月なし崩しに出しておるというふうに、本給の形で毎月なし崩しで出しておるというのが実情でございます。従つて一般公務員が夏〇・七五出ておる際にも、電電公社では〇・七五を少し下廻つた額が出たというふうに聞いております。それから暮には、原資的には夏。〇・七五で、それから暮に一・〇出るだけの原資があると仮定いたしましても、夏は〇・七五を下廻つておるが、暮も一・〇を下廻るという原資しかないということに相成ると思います。以上であります。
  37. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 もう少し詳しく聞きたいのですが、これは電電公社については、むしろ経理局長の秋草君からその点もう少し詳しく聞いたほうが、秋草君か職員局長ですか、どちらでも、もう少し実情を把握したいのですが、と言いますのは、この〇・五を本給の一部に繰入れてなし崩しに支給したということは、結局内容は例の調停案ですね、調停案をできるだけ守るようにということを我々も決議したわけですが、その線に沿つて若干給与の基準を変えたというような意味じやないかと思うのですが、その点もつとはつきり説明してもらいたいのですが。それから夏一般では〇・七五カ月分支給されたが、電電公社については、今のお話では〇・七五よりも低い率で夏の手当を支給したということですがそれは一体どのくらい支給されたのですか。それから暮には一・〇を下廻るだろうということは、補正予算を出して或る程度補正をしても、それでも一カ月分を下廻るということなんですか。そうすると補正予算というのは、大体どのくらいの分を補正予算に組もうとされておるのか。その辺もう少しはつきりして頂きたいですね。
  38. 山本英也

    説明員(山本英也君) 只今お話に対しましてどうなつたかということをお話申上げます。只今お話通りに、本予算におきましては一・五カ月分が期末、準励合せてでございます。少し話が細かくなりますが、昨年十一月のベース改訂の場合に遡りますと、本年度の給与総額というものが、基準内給与の定められました予算上の単価というものと実行上の単価というものは若干食い違いを生じて参つた。従いまして基準内給与のほうに期末手当の一部を繰入れて経理をせざるを得ないという見通しを持ちましたので、そういう経理を実行して参つておるわけであります。正確に、正確にと申しますか申上げますと、一・五の期末手当。プラス擁励手当の額というものは、実行上は一・四四に当ります。それから今まで期末手当というもののうちて払つたのはどれだけかというお話でありますが、夏期におきましては六月に普通でございますれば〇・五カ月を払い、暮に一カ月を払うという予定でございますが、そういう予算が組まれてありますけれども、〇・三六を支給いたしました。その後三公社現業、或いは公務員も同じでございますが、年末の繰上げをやるということでありまし大ので、それと同じく〇・二五カ月分を追加支給いたしております。従いまして今まで支給いたしましたものは、夏期に支給いたしましたものは〇・六一に相成ります。従いまして現在の予算上、本予算のままで払い得る予算の原資と申しますか、は一・四四かがら〇・六一を引きますと出て参りますが、それ以外に四月から年間を通じまして〇・四八というものを基準内に見込んでおりますので、その分だけ不足して参つております。
  39. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 最後お話になつた〇・四八という数字はどういうことなんですか。そんな数字は今まで御説明の中には出ていませんでしたね。
  40. 靱勉

    説明員(靱勉君) 只今説明を補足いたしますと、夏期に〇・六一を私どもの実行ベースにおいて出しております。更に四月から十二月まで実行べースをそのままやつて行くといたしますと、予算ベースとの差額で以て〇・三六に該当するものを出さなければならん。従いまして……
  41. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 〇・四八と今言つたのは。
  42. 山本英也

    説明員(山本英也君) それは来年三月までを考えました場合に、補正ということを考えない場合の話であります。
  43. 靱勉

    説明員(靱勉君) 十二月までの計算をいたしますと、結局一・四四から〇・六一プラス〇・三六、即ち〇・九七を引きまして〇・四七、これだけ現在の実行ベースとして残るという形になつております。
  44. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 それで〇・四七では先ほど御説明になつたように、一般の公務員とも大分均衡を失するわけですね。そこで補正で仮に〇・五を一般並みに加えるとしても、これは一にならないわけですね。それに対しては電電公社としては〇・五でよろしいというお考えなんですか。或いは少くとも期末手当、奨励手当というようなものは一般公務員なり他の現業官庁と同様に、やはりこれは全体の問題でどれが正しいかわかりませんけれども、少くとも一・二五ですか、くらいは支給しなければならないというお考えで交渉なさつておるのか、その点はどうですか。
  45. 靱勉

    説明員(靱勉君) 大体昨年の十一月に調停案を実施いたしましたのは、調停案におきましては本俸を十一月一日以降一万一千七十四円、それに勤務地手当及び家族手当が加わりまして今の実行ベースというのが出て来たのでありますが、これに対しまして予算としましては本俸が一万九百七十五円、扶養手当、勤務地手当を加えまして予算ベースは一万三千四百三十円と予算的には定められまして、それに人員を掛けまして給与総額というものができたという形になつております。然るに調停案というものは、一万一千七十四円を本俸とするということで、これを含めますと相当の額になりますので、勤務地手当につきまして若干級地別に二%或いは一%を公務員より引上げまして、結局一万三千四百三十円というものを一万三千六百三十九円ということで実行して参つたわけであります。これは先ほど申したように、基準内賃金をそういうふうに定めました関係上、基準外の貸金、即ち期末手当、奨励手当というもののうち、期末手当の〇・五を先取りしまして実行いたしたことになつておりますので、それは給与総額の中でやつておることでございますし、期末手当の〇・五を流用するということは違法では勿論ないのであります。併しながら予算的に申しますれば一万三千四百三十円で、それに人員を掛けて給与総額の基準内賃金が出ておりますから、一方申しますれば、それは勝手にやつたことだから〇・五を先食つておるではないかというような御意見も立つかと思います。併しながら私ども昨年におきましては、調停案を更に裁定にかけるいとまがなたつたのでありまして、調停案を実施したという形になつておりますので、止むを得ずそういう措置をとつてつた。さて現在残つておりますのは、先ほど御説明しましたように〇・四七でございまして、これば実行ベースに立つての〇・四七になつております。従つてここで問題になりますのは、公務員は一・二五は出るが、それは勿論公社が勝手にやつておるベースと比較して〇・四七ということも困る、こう言われますれば、この〇・四七はどのくらいになつておるかということに相成るわけでございますけれども、これが大体〇・七五以内になつておるかと思います。いずれにしましても、仮に新聞等に出まして、公務員の方におきましては奨励手当に更に〇・二五ということで一・二五出すといつた方式をとられるとしましても、私どものほうとしましては予算ベースに対しまして約一月、或いはそれを下廻るということが計算されるわけであります。私ども公社立場といたしましては、給与というものについて、最終的に近く政府予算案が提出されることと存じておりますが、かなり統一的な観点でおやりになるということになりますれば、過去のこういう実行上の諸問題につきましても、いろいろこれは理窟があることでございまして、殊にこの事業につきまして郵政省から御提出になりました収支の見積りにつきましても、かなり従業員の努力というものが反映しておる。殊に五カ年計画の工事を本年度ともかく第一年度としまして完遂して行くために、或いは超勤もやつてもらわなければならない、或いは能率も上げてもらわなければならないという状態にありますので、感情的と申しますか、いわば一・二五が出るならやはり一・二五出したいというような考えを持つて各方面と折衝はいたした次第であります。
  46. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 大体よくわかりましたが、政務次官はその事情を御承知だと思いますが、郵政大臣がおられないのでちよつと決定的なことは言えないでしようが、そこで昨日問題にしたその他の建設勘定の、その他財源というものにも関連を持つて来るだろうと私は思うのです。つまり異常な業務量の増加に伴つて出して参つた増収分は、異例の措置としてこれは建設勘定のほうで使うことにした。併し期末手当はこれはもう動かせないわけです。一般公務員や他の現業庁よりも低くても止むを得ないのだ、こういう措置をとろうとなさつておるように見えるのですが、主管官庁である郵政省がそれでいいと考えておられるのか。今靱副総裁が言われたことも私は尤もだと思いますが、こういう繰越金と申しますか、増収して予定の収入よりも多かつたというようなものこそ、従業員の将来の企業努力を盛んにする意味でも、或る程度やはり期末手当のほうにも廻して、ベース・アツプに余り廻しますと、これは翌年度の恒久財源に関係するのですから、こういう増収分なんかを現業庁としては手当の形で以て一時出してやる。而もそれは他の一般の現業や公務員よりは非常に多いというものではない。それと同程度のものぐらいにしてやるという努力は当然されなければならないと思うのです。それを放つておいて資金部の資金が足りないから出してもらえない。二十五億分は増収のほうから建設勘定に入れて、期末手当のほうは放つておくというような態度であつては、これは企業体としてはなかなか経営が困難になつて行くのじやないかと思いますが、どうなんですか。
  47. 飯塚定輔

    説明員飯塚定輔君) 只今新谷さんのお言葉のように実は我々も考えておるのであります。只今副総裁からお答え申上げましたように、企業努力によつてやり得る場合は、いわゆる予算総則の二十三条の、弾力条項と申しますか、そういうことも実際にこれを活用したほうがいいという気持は持つておりますので、この点も大臣とも十分相談の上で、御期待に副い得るようにやりたいと考えております。
  48. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 期待に副い得るようにやるとおつしやるのは、郵政省としては、そうすると大体他の公務員なり現業庁が期末手当として暮に一・二五カ月分を支給されるならば、電電公社に関しても一・二五ヵ月分を支給するようにするという肚をきめておられると考えていいのですか。
  49. 飯塚定輔

    説明員飯塚定輔君) 支給するということに肚を決定しておるということはまだ申上げられないと思いますけれども、その線に沿つて努力は現在続けておるということで御了承願いたいと思いますが、これは最後決定としては、大臣から申上げることと思いまするが、その線に沿うて今日実は大臣にも実際において、公社企業努力によつてそういうことがやはり得るならば、できるだけそれはやりたいということも申上げても参りましたのですが、これはそうするように肚をきめてあるということはここでは申上げ切ると申しますか、そういうことは私としてはでき得ないと思いますが、そのお言葉のような線に沿つて努力をしつつあるということだけは申上げ得ると思います。
  50. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 私のこのお聞きしていることは、そう固くお考えになる必要はないですよ。大蔵省との折衝もありますから、まだ政府としてきめたのだということは言えないのだろうと思います。併し郵政省はこういうふうな一・二五ヵ月分ですか、それを支給する、支給すべきだ、支給をするのが当然だという考えで折衝しておられるのかということを聞いている。郵政大臣もあなたも、関係者はそうでないと電電公社事業が今後非常にうまく行かぬだろうということを心配されて、そういう肚をきめて折衝されているのかということを聞いておるのです。将来企業努力とか何とか言われると、又期末手当ではなしに、年度末の状況を十分見て、それによつて又若干プラスして行こうというようなことになりそうな気もするのですが、あなたのおつしやるのを聞いていると。そういうことではないのでしよう。
  51. 飯塚定輔

    説明員飯塚定輔君) これはそうだと言い切ることはでき得ないというと、又変な答えになるけれども、そういう方向に副つて努力しておるということは、恐らく新谷さんのお考えのようなことになり得ると私は考えて、なお大臣とも相談するというのはその点を言つたのであります。
  52. 津島壽一

    ○津島壽一君 昨日大臣出席でなかつたのでお伺いする機会がなかつた。今日も御出席なかつたけれども、幸い政務次官並びに大蔵省の政務次官がおりますので、大臣にお問いしたいと思つたことを一、二お伺いしたいと思います。  昨日御配付になりました収支見込の計数のことでございまするが、昨日の質問応答で一応は了承したのですが、念のためにそれを確めておきたいと、こう思うのですが、それで建設勘定で、その他の財源というので二十八億六千万円という予定がされておるわけですが、これは二十八年度の第二次補正予算の基礎になつておる計数であるか。又は単純にこうもあり得るという一種の参考計数を書出したものであるか。即ち予算編成の基礎になつておる計数であるか、又こういう計数もあり得るという参考の資料であるかというのが一点です。即ち内容を言いますと、特別国会で電信電話料金の値上げが修正されて、二十五億ばかりの収入欠陥が生じた。それを補正しないままで二十八年度の予算が通過した。その財源がどうなるかということが問題であつたのでありまするが、これに対しては、或いは借入金とか、或いは社債の発行とかといつたようなものが想定されて付帯決議をしたと、こうなつているのですが、この計表が若し補正予算の基礎になる計数だという方針を表わしているものとすれば、借入金も駄目だと、債券の発行も見込ないのであるから、自己資金と申しますか、内部資金によつてそれを補正して行くと。こういつたような意味の方針がこの表に現われておるものであるか、こういう点であります。  それは次に起る問題に関連性があるのですが、そこで、これは二十八年度の問題としての計表でありまするが、この給与改訂、或いは災害復旧費といつたものでともかくも四十億円以上が来年度、二十九年度に負担になる。二十九年度にいたしましてはやはり値上げ率の低下というものもそこに影響が起つて来るだろうということも想定される。そこで自己財源というか、内部財源というものをここで使い切ると、二十九年度以降にはそういつた弾力性が非常になくなつてしまう、そういう事実も想定できるわけです。あれやこれや考えて、結論は五カ年計画というものが予定通りこういう経理でやつて行けるかどうかという基本的の問題にぶつかるので、併しそれは飽くまでも国会としてはやるべきだという決議をし、又それに対する財源を調達するようにという決議もしておるのでありまするが、この二十八年度の補正予算に関連してそういつた後年度の問題がここにからまつて来るのじやないかと思うのであります。それで政府は二十八年度の収支見込を改訂するに当つて、果して五カ年計画を予定通り実施する確信なり手段というものをお持ちであるかどうか。こういう二点になりますが、一つそこのところを御説明願いたいと思います。
  53. 飯塚定輔

    説明員飯塚定輔君) 只今の津島さんの御質問の中の二十八億六千万のその他財源という、この財源は先ほど申上げましたように、これを計上するに至るまでの実際のことは私存じておりませんということを先ほど申上げましたが、今の五カ年計画に対しての二五%の値上げということを計画いたしましたものが一〇%に切下げられてしまつた。そういう点から考えると、この財源の問題から考えると、相当これは、今年だけはこの資料のような財源によつて間に合つたといたしましても、相当な二十九年度以降においては困難な問題が起つて来ることと考えておりますが、その面に対しての計数上の問題は担当者から申上げたいと思います。
  54. 愛知揆一

    説明員(愛知揆一君) 先ず第一点の建設勘定のその他財源二十八億六千万円につきましては、これは誠に止むを得ないことであると思いますけれども、予算上の基礎に私どもとしては考えておるわけでございます。  なお第二のお尋ねの点は、誠に御尤もでございまして、前々国会の際にも非常な問題になり、私どもといたしましても、十分のいろいろの財源を考慮いたしまして、五カ年計画に支障のないようにいたすということを、政府側の所信としても申上げました通りでございます。ただその後の経過を簡単に申上げますると、値上率が二〇%になりましたために、そのままその当時の見込を放置して参りますと、四百六十一億円の建設工程が約二十五億円だけ削減せざるを得なくなりまして、いわゆる五カ年計画の達成がそれだけ遅延することになる、そのままの状態を放置すればそういうことになるという見通しであつたわけでございますので、いろいろの考慮をその後いたしたわけでございます。即ち先ず第一に、公募債券の増額の余地がないかどうか。或いは公社の収入の伸びが相当伸びるのではなかろうかというような点について、あらゆる検討と手段を講じて処理いたしたいと第一次的に考えたのでございます。然るところ、補正予算の編成に当りまして、公募債券につきましては、御承知のような状況でございまして、これ以上二十八年度中に増額することは不可能であるという結論になりました。又収入の伸びの点も、給与の改訂というような問題が起りましたので、止むを得ず結論として、一次的な便法ではございまするが、公社私び郵政大臣からの御協議も受けましたので、利益金の建設資金に充当することの案の協議に対しまして、大蔵当日といたしましても、これを承認をすることにいたしたわけでございます。で、かくいたしまして二十八年度は何とかして泳ぎ抜けるということに、一次的の止むを得ざる便法によつて、さような結末を付けることにいたしたしけでございます。  それから第三に、今後二十九年度以降の五カ年計画に対する不安の点でございますが、これも誠に御尤もだと思うのでありますが、ただ私どもといたしましては、こういうふうに考えておるわけでございます。即ち国民全体の電話に対する、電話の拡充と申しますか、改善ということに対する要望は極めて強く、いわば需要が供給を上廻つておることは御承知のところでございます。そこへ例えば最新式の優秀な施設を建設して優良なサービスを提供する。即ち現金として眠つておる資産を収益資産に転化するというようなことは、取りも直さず収益率を高めますので、将来の欠損の虞れといものがその面から相当少くなるのではなかろうかと思いますし、さような工夫をいたしたいと思います。それから又公社側におかれましても、その性格上から申しましても、巨額の作業資金を、資産を保有しておりまするのでありますが、これも又今後の研究や工夫によりまして、例えば標準在庫量を減少して、それだけ流動資産を増加するというよなことも将来に備える対策として適当ではなかろうかと考えます。又未収金の減少につきまして、経営上の工夫も公社のほうにおいても鋭意研究、実施せられることと思のでございまするので、かよな点についての今後いろいろの工夫によりまして、何とかして五カ年計画に対する不安をなくして参りたい、こいような考え方で二十九年度、或いはそれ以降の対策を至急に樹立いたしたいと、又公社側にもさような努力を払われておるよに承わつておるわけであります。
  55. 久保等

    久保等君 お尋ねしたいと思うのですが、前年度の昭和二十七年度の増収分、結局二十四億という説明がとの前説明せられておつたのですが、それでも若干足りない金額に、まあ二十八億六千万円ということになると、なると思うのですが、こらいつたものを先年度の増収分からそつくりそのまま建設勘定に繰入れて行くのだという政府の方針が一応きめられたような御答弁なんですけれども、本来こいつたようなものを建設勘定にそのまま全部ぶち込んで行くというふうなことは、これはいろいろ考え方もあるでありましようが、少くとも私は従業員の相当な努力なり或いは又勤労意欲というようなものの結晶の結果であるというふうに考えられるこういつたものを、うんと能率を上げてとにかく増収をしろ、上げたものはどんどん施設が今足りないのだからその方面に廻して行くのだということでは、こういう形で将来やつて行くとするなら、実は甚だ勤労意欲というようなものは結果的には減少といいますか、低下して行かざるを得ないと思うのです。どうせ一生懸命働いて能率を上げて増収を上げてみたところで、何らそれが自分たちの給与問題の改善の一部に持つて来られるということがやられないというふうになつて来ると、非常に重大な問題だと思いますし、特に今回のようなべース・アツプの問題、それから又期末手当の問題、これは電電公社独自の問題ではなくて、全般的な国家公務員をも含めて全般的な問題である。こういつた問題にすら、こういつた資金が一部も実は使われないのだというふうなことで、この問題が先般国会で問題になつてつた二十五億の財源の中に全部繰入れて行くというようなことについては、企業経営のやり方としては非常に私はまずいのじやないかというふうに実は考えるのです。それで電通委員会としてもこの前の国会で二十三億の問題については相当審議もし、問題にもなつて大蔵当局政府当局の英断を特に要請しておいたわけです。ところが結果的に出されて来たものは何らそういつた政府当局或いは大蔵当局努力の跡は見られないで、むしろ二十七年度の自己資金という中にすべてを転嫁して行つた、しわ寄せして行つたというような形で処理をせられることについては、非常に私は重大な問題が含まれているのじやないか、このように考えておる。勿論この金をベース・アツプに、或いは期末手当に全部使うということについては、これは或いは私は少くとも企業の全体的な総体的だ睨み合せから、而も又政府としてもいろいろ努力をやつたのだ、併し足りない一部分或いは大部分はそういつた方面からこれは止むを得ない手として繰込んで行つたということなら、これは又或る程度話はわかると思うのです。ところが実は説明せられておつた二十四億円以上の自己資金まで食い込んだ形のものをすべて建設勘定の先般問題になつてつた原資に充てて行くということについては、これは十分に再検討を加えられる必要があるのじやないかというふうにも考えるのです。若しこういうようなやり方で行くとすると、明年度はあの二五%の料金値上げが二〇%になつたことによつて五%の差だけの問題として、本年限りの問題ではなくて、更に来年度に巨額の公募公債の予定もされておるわけです。ところが予定された収入さえ、こういう形で初年度のしよつばなからやつて行くとするならば、挙げて従業員の努力という問題が非常に大きく今後充実されて行かなければならない矢先において、こういう対策を彌縫的に、悪く言えば全く彌縫的にとられることは、今後の五カ年計画の私は帰趨を決定する非常に重要な問題を孕んでおるのじやないか、かように考えるわけです。実はベース・アツプの問題と期末手当の問題とは若干又問題が違いますので、その面から私も一つ十分に政府当局考え方もお伺いしたいと実は思つておるのですが、二十五億の問題に関連しての問題としてここでたまたま質問もなされておりますし、私もそれを中心にして御質問を申上げておるのですけれども、非常に私はこれは重要な問題だと思うのです。国会における問題としても、私は二十五億の問題について国会審議の仕方としては非常に不手際だつたと実は考えておるわけです。併し少くともあの審議された過程において、政府が責任を以てとにかく何とかしましようと言われたその責任というものは、詰るところ、押詰めて行くと、結局二十七年度の増収というところにとにかく転嫁して行つたのだということでは、先般の国会できめられた決議の趣旨、或いはあの当時政府当局答弁をされた考え方と非常に大きくそれているのじやないか。成るほど大蔵省の運用部資金といつて本非常に窮屈なんだ、公募公債といつても余地がないのだと言われる気持も、私は或る程度納得できる面もあるのですよ。併しそれらについて一銭も、鐚一文も実は何ら考慮しなかつたという点については、これはただ単にどうにも融通がつかなんだといつて簡単にこういつた形で出されることについては、政府自体の誠意のほど、それから今後の五カ年計画そのものの遂行についても、私はこの前の五カ年計画が国会説明せられた当時のように、政府なり或いは又郵政当局なりの説明に対して信をちよつと置きがたいという気持も実はいたすわけなんですよ。本年の問題がこれでもうすべて終りなんだ、五カ年計画は本年度限りで終りなんだということだつたら、それはそれで或る程度私も納得してよろしいわけです。併し今後伸びるか伸びないかという問題は一にかかつて、これはものの帰趨の行くところまで、なるようにしかならないのだという状態の企業経営の内容なら止むを得ないと思うのです。併し努力如何によつては相当伸びるし、又努力が若しなされないとするならば、予定の丁程さえもやり得ないという極めて弾力性があると言えば弾力性があるし、それから又従業員の賛歌に非常に士きくかかつていると言えばかかつていると思うのです。そういう電電公社の現在の実情からすると、私は又他の日本の国内における公企業体と違つた特殊性電電公社の場合には非常に大きくあるのじやないか。国鉄或いは専売以上に電電公社の場合には、先ほど愛知政務次官も言われたように、国民の需要が熾烈過ぎるほど熾烈な状況の下にあつて、今後とにかくこれから五カ年いろいろ問題があるだろう、一生懸命やつて行こうじやないかという矢先において、先年度のやつについてそつくりそのまま、而も給与問題が非常に大きく問題になり、御承知のように現在国家公務員を初めとして公企体関係が特に主軸になつた形で年末の労働攻勢も非常に熾烈の状態になつて来ておるようですけれども、こういうさ中にあつてベース問題なり或いは期末手当を処理する際に、実は先年取つてつた二十四億は勿論のこと、それ以上の上廻つたものを自己資金の中ですべて賄わせるのだということについては、これは直接の担当責任でないかも知らんけれども、私は大蔵当局自体の十分な再考を一つお願いしたいと思うし、而もこれが動かしがたい一つの第二次補正予算の基礎になつておるんだというふうな形でこの問題を扱われるとすると、少し失礼な申分たけれども、観念的過ぎるというか、むしろ弱いところにしわ寄せをして行つたというか、安易な途を選んだというそしりを免れないと思うのです。従つてそういう点でこの二十八億六千万円という金を先年度の増収金額の中から見込んでおる、この考え方について一体大蔵当局はそういうふうな実はお考え方をしておるのかどうか。特に従業員に対する給与問題との関連性について、こういつたものは当然建設勘定の中に繰入れて然るべきなんたというような考え方をしておられるのかどうか。その点を一つはつきりと御答弁願いたいと思うのです。
  56. 愛知揆一

    説明員(愛知揆一君) 只今久保さんの御指摘になりましたことはもう一々御尤もで、誠に我々としても先ほどお答えいたしましたように、全く一時的の便法として止むを得ざる措置として協議に応じたような次第でございまして、この点は実は智恵がないというか、何と申しますか、非常に各方面からのいろいろの知恵をしぼつたのでありまするが、止むを得ない結果として、一時的の便法を講じたわけでございまして、こういうことが筋としていいということには私は考えておるわけではございません。この点につきましては、将来におきましては二十九年度以降に新たに積極的な努力をいたして参りたいという考えでおりますことは、先ほど申上げました通りでございます。  なお給与問題につきましては又別の機会もいろいろ御討議を願いたいと思つておりますが、ただ例えば弾力条項でありまするとか、或いは業績賞与でございますとか、そういうものは公社において当然考え得るところでございまするし、又さりとて、一方において公社が発足した初年度でありますが、昭和二十七年度で二十四億円の利益を生じたということは、申すまでもございませんが、従業員の給与に対して不必要な圧迫を加えた結果であるとか、或いはそこに何と申しますか、従業員の負担において企業意欲、勤労意欲等を無視してしぼり取つたものを流用したのだというふうには私は実は考えないのでありまして、今申しましたような公社法或いはその他の法律に許される範囲内において、公社従業員の勤労意欲には十分報いることができると考えております。
  57. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 いろいろお聞きしたいことがあつたのでありますが、大体お答えになつたことを一応了承するとして、今の最後の御答弁の中に、従業員の給与のことをお触れになりましたが、そういうきらいのあるような措置がとられようとしているかに見えるのであります。と言いますのは、具体的に申しますと、建設勘定の二十八億六千万円、これの財源が今お話のように、前年度の利益金、積立金といいますか、繰越金から来ておる。ところが先ほどあなたがお見えになる前に、いろいろ事情を聞いておつたのでありますが、電電公社関係ベース・アツプの問題は別として、期末手当の問題ですが、いろいろ調べてみると、前に調停案が出て、これは仲裁まで行かないで、電電公社のほうで大体その線で団体交渉をやつて呑んだらしいのですが、その原資がないので、期末手当の一部分をそれに充当したということらしいのであります。その結果、この年末に支給すべき年末手当の原資が実行ベースに対して〇・四七しか残つてないというのであります。仮にこれを他の公務員とか、現業庁と同様に、例えば〇・五カ月分を増額するという措置をおとりになるとしても、この年末には一カ月には満たないのです。ほかのほうでは恐らくこれは政府考えておられるように一・二五カ月分ですかを支給するようなおつもりじやないかと思うのでありますが、そこに又問題が出て来たわけであります。一方でこういうふうな、従業員だけとは言いませんが、従業員も協力して、予定以上の増収があつた、その増収分は建設勘定のほうに全部繰入れてしまつて期末手当に関しては他の現業庁やら、一般公務員が一・二五カ月分ですか、今の政府の計算によるとそういう率で支給しようとするのに、電電公社の職員に対しては一カ月に満たないものしかやれないというようなことになりますと、最後に愛知さんが言われたような、そういう御意思はないのでしようが、結果としましては、むしろ或る程度、これだけの増収があつて、従業員にも相当奨励金のような形で一般の現業庁よりも多少上廻る程度にやつてもいい筋合いだと思いますが、それも併し困難であるとすれば、少くとも一般現業庁並みに期末手当を支給してやらないと、非常にこれは将来に対する勤労意欲を阻害することになるだろうと思うのです。で、政府間ではどういうふうな折衝をしておるか知りませんが、こういうことは非常に細かい問題であるけれども、大事な問題であるから、私は特に二十五億の問題に関連しまして、この財源をこういうふうに措置するならば、それよりも優先して期末手当問題の、ごときは一般並みに少くとも処理しなければならんと考えるのですが、その点愛知さんどうお考えになつていますか。
  58. 愛知揆一

    説明員(愛知揆一君) この点につきましては、私どもも十分検討しておるわけでありますが、ただ、申すまでもございませんが、給与の問題につきましては、それぞれの企業体、公企業体或いは一般の国家公務員その他の公務員の場合、それぞれの体系とそれぞれ組織がありまして、又それに関係する仲裁とか裁定とかいろいろの経緯や、或いは当該企業体内部のいろいろの特殊の事態によつて、過去において処理し又は約束をし又は実施したということもございましたので、必ずしも一律に、年末手当だけを取上げてこれだけを全部が一律に同じでなければならない、そういうふうな取扱は私は如何かと思いますので、必ずしも今新谷さんの御指摘になりましたようなふうには私どもの考の結論にならんのじやなかろうかと思います。なおこの点については十分検討いたしまして、又別に御答弁申上げたいと思います。
  59. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 意見が違うようですから、我々もいずれ補正予算を見た上で我々の意思をきめますが、これはまあ愛知さんに申上げておきますが、私はそれは各現業庁でそれぞれ勤務の条件も違うだろうし、その勤務の内容が違うならば自然に給与の内容が違つて来るというのは当然だと思います。当然でありますけれども、この期末手当のごときものは、これは何の意味でお出しになるか、どういう御趣旨でお出しになるかということを考えて見る必要があると思うのであります。例えば特殊勤務について、特別の危険手当であるとか、或いは超過勤務手当であるとかいうような種類のものにつきましては、それぞれの特殊性に応じておやりになる必要があると思うのです。又、おやりにならなければならないと思うのです。一体この期末手当のごときは、私は、現業庁と比べてみると、あの現業庁は期末手当をそんなにやらないでもいいとか悪いとかいう種類のものではなかろうと思います。そういう意味で、こういうものこそ、基本給ではありませんけれども、基本給を補充する意味のものとしてこれは特別にお考えになつているだろうと思いますから、そう今おつしやつたような特殊性をここに現わして来なければならない性格のものではなかろうと思うので、いずれこれは補正予算の検討の際に申上げますが、あなたのほうでも、ただ増収があつた分を真先にとにかく建設勘定に繰入れてしまつて、これは異例な措置だと思うのです。本来なら、先ほど津島委員からちよつとお触れになりましたが、借入金とか公募社債なり、いろいろ資金面の心配をしてこれはやつて行くべきであつたであろうと思います。それを、金がないからこれも無理からんことであろうと思いますけれども、止むを得ず利益金をこちらに持つて来ることについて同意した。併しその半面、増収分で相当の関係の深い従業員の期末手当、これも一般公務員のほうは相当増額して一・二五カ月分という額をやるにしても、電電公社のほうは金がないから、或いは今のお話から言うと、特別のいろいろの勤務条件があるんでということにもなりますが、どちらか知りませんが、とにかくそのほうはここで抑えて行くのだということは、我々常識的に考えてみても、もう少し専門的に電電公社の仕事の内容を多少でも知つておるとして、どうも解しがたいのですね。これは大蔵省でも十分その点お考えにならないと、予算についていろいろの問題が出て来ると思いますから、補正予算編成に当つて十分御考慮を願いたいと思います。
  60. 久保等

    久保等君 私もその問題についてちよつと申上げて、なお最善努力一つ払つてもらいたいと思うのです。まあ今度の期末手当、それから裁定の問題も、全般的な問題について実はお尋ねしようとは思わないのですが、少くとも無い袖は振れない。ここで当面問題になつているのは、裁定と年末手当の問題なんですが、その問題が論ぜられておる過程で、たまたま二十五億の問題がこういう形で説明せられたところに、問題が全般の問題にまで言及して論議されておるわけです。飽くまでも話の中心になつているのは、年末手当ベース、アツプの問題をどうしても政府としても裁定実施したいのだ。当然これは法律的にも拘束せられている性格のものであるし、実施したいのだ。併し無い袖は振れないというこの前の御答弁つたのですが、併し何とか努力してみましようということで、今度こういつた一応の案が出されて参つたと思いますが、ところでやつぱり中心になるのは、給与問題をどうするかということが当面の重要な問題だと思います。年末手当の問題、それからベース・アツプの問題は、政府としてはいろいろ政治情勢も考え併せながら、最低線でいろいろ企業状態、事業内容からいつて実施は無理だ。併し無理なところについてもベース・アツプは一月一日から実施しよう。それから期末手当はまあ一・二五を出そうというような態度政府決定したと思う。従つて私はこの線というものは、少くとも、企業実態とか、やりやすい、或いはやりにくいところがない、とにかくぎりぎり一ぱいのところで線を揃えるということは、この点については政府均衡論を非常に強く主張しておられますし、又そのことが私も一応の政府態度として理解しておるわけです。ところがたまたま期末手当の問題について、而も最もやりやすいであろうと目されておるところの電電公社期末手当の問題については、実は国家公務員の問題については勿論のこと、五現業公社の中でも又更に下廻つておる。それについて、まあ愛知政務次官が今言われるように、それぞれの実は今までの給与の経過もあることだしということを言われておりますが、期末手当なりそれから今度のベース改訂というものは、私はそういう余り個々の内容を抜きにして、とにかく今度のベース・アツプの問題と期末手当の問題をこの線を以て揃えようじやないかというふうに、政府の方針を了解しております。その立場から申しても、一つ矛盾があると思いますし、それから更に事業内容によつてということで参りますならば、私はむしろ今度の仲裁裁定なり、期末手当の問題については、少くとも相当やり得るはずだ。そのやり得る証拠が、実はここへもはつきり数字で出されておるように二十八億六千万円という金は、私は鐚一文手がつけられないと思う。ただ料金値上げをやつてでも或る程度ベース・アツプはやらなければならん。或いは又期末手当も若干出さざるを得ないという政府態度と、こういう二十八億六千万円は料金値上げの問題ではなく、昨年度の増収というよりも、従業員の相当大部分の努力の結果として現われて来たその増収分の中から実はちつとも考慮しないで、期末手当を押えて行くということは、如何に権衡論の面からいつても、或いは又企業実態の面からいつても、私は納得し得ない問題だと思います。ましてや、今後重要な問題を抱えておる従業員の立場からすれば、到底納得できない問題だと思います。そこで是非十分な今後の努力と検討を実は又お願いしたいと思うのです。で、勿論できれば何とか仲裁裁定を完全に実施ずべきだし、それから期末手当の問題についても、当然他が出すものは出すべきだ、こういうふうに考えるのですが、併し仮にそれが困難だとしても、電電公社について、少くとも事業実情というものを無視したような形で画一化されること自体は、私は当然問題があるだろうし、大蔵当局はその点については、他の国家公務員なり、他の公企体関係と全く同じものだという結論はこれ又私は出て来ないと思う。そういつたような点について若干の含みというか、企業としての特殊性というものを是非私は今度のこの給与の問題については活かして頂くような努力をお願いしたいというふうに考えるのです。それでベースなり期末手当の全般の問題は、私どもとしては実はまだ御説明を承わつておらないのです。政府がどういう考え方の上に立つて電電公社の問題について考え、且つ又期末手当の問題について考えておるかということは、正式にお伺いはいたしておらないのですが、特に今日御出席を願つてお聞きしたがつたのは、この前の国会での関連における二十五億の問題を中心にした論議の問題が発展しておつたわけなんですが、併し当面の課題は、やはり何といつても私は非常に給与問題の問題だと思うわけです。その点については是非一つ十分に今後の企業の、活きた企業ですししますので、画一的に型にはめて行けば問題が処理されるということは私は飽くまでもないと思うのです。飽くまでもこの点について十分に一つ検討をお願いしたいと実は思つておるわけです。それで金額二十八億六千万円のうち幾らどうこうというところまで申上げる気持もございませんが、併しこれが第二次補正予算の基礎になつておるのだ、従つてこれはとにかく全然手を触れさせないのだというように考えて行くとするならば、少くとも専売公社企業から申しますならば、既定収入の五十一億というものもすでに予定しておるわけです。この問題については当然論議をされる必要はないと思つておりますけれども、これだつて私は今後の努力如何に相当かかつて来ておる問題だと思う。当然だけれども、これは当り前の話だと言えばそうかも知れませんが、併し事業は飽くまでも活きておるのですし、本年は風水害或いは又奄美群島の建設資金までやはりそういつた増収の中から見込んだ計画が、これは当初の計画とは違つた一つのいわば非常事態といいますか、新らしい特異な例が実はできておる。こういつたものもこれは又企業努力によつてやるのだというような実情になつておる。従つて二十八億六千万円というものについては、これはそういうあらゆる点を統合しますと、非常に重要な意義を持つておると思うのです。とにかく一切合財あれして、それを含めてしまつた増収が二十八億六千万円でなくて、これは全部合せますと、とにかく百億近い増収分が建設勘定その他の中に、予定外の工事の中に入れて勘定になると思う。そういつた点は是非一つ……。  それから事業実情を十分活かして作つたものであるけれども、ただ均衡にばかり重点を置いてそれを考えるよりも、非常に重要なことだと私は考えます。今日愛知政務次官には現状を一応御説明を願うという意味では私も理解したいと思うのですが、併しそのことによつて当面ベース・アツプと期末手当の問題は何ら解決しておりませんし、解決というよりは、他との均衡論一本に政府立場からも非常に大きな問題がある。ただ単に均衡論考えておるだけでは電電公社で非常に大きくここで飛躍しようという段階における給与問題を解決する方策としては余りにも能がなさ過ぎる。初年度はこういうことで解決できるかも知れませんが、二年度から予定された収入はがた落ちする。どうせやるなら飽くまでやつておけば責任の追及もないだろうし、それからまあ落着くところにやつておけばいいじやないか、極論すればそういう見解にもなるのじやないかと思います。そこらのところは、活きた電通事業というものを十分お考えつて、当面の直接の責任者ではないかも知れませんが、大蔵当局は。それよりは電通事業の公企体になつた経過或いは電通事業の置かれておる実情というものについて十分に一つ御勘案を願いたいと思うわけです。  それから次に更に附加えて郵政当局に申上げておきたいと思うのですが、今日大臣がやはりお見えになつておりませんし、それから給与問題について私は先般の二十一日の閣議決定政府のべース・アツプと期末手当に対する考え方というものに対して御説明をまだ伺つておらないわけです。で、私どもとしては、昨日たまたまプリントを出されて事務的に御報告は願いましたけれども、只今申上げますように権衡論の上に立つての大きな矛盾があると私は考えておりますし、企業特殊性というものはここにどう活かされておるのか。今後どう活かして行くのか。こういう点についても何ら御説明は伺つておらないわけです。この点は更に郵政大臣から十分御説明を願いたいと思つております。そこから実は本論に入つて行くと思うのです。そういうことで私の質問は今後むしろ十分に申上げて参りたいと思つております。  今日は一応以上で私は質問を終りたいと思つております。
  61. 愛知揆一

    説明員(愛知揆一君) 今日は実は誠に申訳ないのでありますが、十分その問題についてまだ御説明申上げる準備をいたしておりませんので、後日に譲りたいと思いますが、ただ今の久保さんの御意見は御意見として十分よく承わつておきたいと思います。ただ二十一日の閣議で、最終決定とは言つておりませんけれども、この考え方は必ずしも一律に全部について、こういう基本方針をきめるという問題ではないのでございまして、やはり一般の国家公務員の場合と公企業体との場合におきましてはそれぞれ考え方も違わなければなるまいというような考え方が基礎になつておりますが、十分細かい点まで政府側におきましても打合せが完了しておりませんから、その土で我々の考え方を御説明いたしたいと思います。
  62. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 各委員から只今熱心な御発言がございましたが、極めて短い期間に補正予算をまとめるべき国会ももう明後日に迫つておりますので、一つ只今の発言をよく了承せられて、郵政、大蔵両当局におきまして、補正予算が出てから修正その他のいろいろなことをしますことを、止むを得なければ別でございますが、成るべく当委員会として政府の原案に協力して、この問題の解決しますように、ここ数日緊密な連絡の下に最善一つ努力を願いたいと思います。  本件につきましては閉会中も継続審査を行なつて参りましたが、未だ審査を終了するまでに至つておりません。次期国会において更に審査を続けて行きたいと存じます。  なお本件につきまして議長宛報告書を提出いたさねばなりませんが、その報告書の案文の作成及び手続等、すべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議がないようですから、さように決定いたします。   —————————————
  64. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 次に、電気通信事業運営状況に関する調査及び電波行政に関する調査についても、同様に議長宛報告書を提出しなければなりませんが、その報告書の案文の作成及び手続等、すべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議ないようですから、さよう決定いたします。  報告書には多数意見者の署名を附することになつておりますので、それぞれ御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     久保  等  津島 壽一     新谷寅三郎  小林 孝平     三浦 義男
  66. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 本日はこれを以て散会いたします。    午後一時四分散会