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久保等君 お尋ねしたいと思うのですが、前年度の
昭和二十七年度の増収分、結局二十四億という
説明がとの前
説明せられてお
つたのですが、それでも若干足りない
金額に、まあ二十八億六千万円ということになると、なると思うのですが、こらい
つたものを先年度の増収分からそつくりそのまま建設勘定に繰入れて行くのだという
政府の方針が一応きめられたような御
答弁なんですけれども、本来こい
つたようなものを建設勘定にそのまま全部ぶち込んで行くというふうなことは、これはいろいろ
考え方もあるでありましようが、少くとも私は従業員の相当な
努力なり或いは又勤労意欲というようなものの結晶の結果であるというふうに
考えられるこうい
つたものを、うんと能率を上げてとにかく増収をしろ、上げたものはどんどん施設が今足りないのだからその方面に廻して行くのだということでは、こういう形で将来や
つて行くとするなら、実は甚だ勤労意欲というようなものは結果的には減少といいますか、低下して行かざるを得ないと思うのです。どうせ一生懸命働いて能率を上げて増収を上げてみたところで、何らそれが
自分たちの給与問題の改善の一部に持
つて来られるということがやられないというふうにな
つて来ると、非常に重大な問題だと思いますし、特に今回のようなべース・アツプの問題、それから又
期末手当の問題、これは
電電公社独自の問題ではなくて、全般的な国家公務員をも含めて全般的な問題である。こうい
つた問題にすら、こうい
つた資金が一部も実は使われないのだというふうなことで、この問題が先般
国会で問題にな
つてお
つた二十五億の財源の中に全部繰入れて行くというようなことについては、
企業経営のやり方としては非常に私はまずいのじやないかというふうに実は
考えるのです。それで
電通委員会としてもこの前の
国会で二十三億の問題については相当
審議もし、問題にもな
つて大蔵
当局又
政府当局の英断を特に要請しておいたわけです。ところが結果的に出されて来たものは何らそうい
つた政府当局或いは大蔵
当局の
努力の跡は見られないで、むしろ二十七年度の自己
資金という中にすべてを転嫁して行
つた、しわ寄せして行
つたというような形で処理をせられることについては、非常に私は重大な問題が含まれているのじやないか、このように
考えておる。勿論この金を
ベース・アツプに、或いは
期末手当に全部使うということについては、これは或いは私は少くとも
企業の全体的な総体的だ睨み合せから、而も又
政府としてもいろいろ
努力をや
つたのだ、併し足りない一部分或いは大部分はそうい
つた方面からこれは止むを得ない手として繰込んで行
つたということなら、これは又或る
程度話はわかると思うのです。ところが実は
説明せられてお
つた二十四億円以上の自己
資金まで食い込んだ形のものをすべて建設勘定の先般問題にな
つてお
つた原資に充てて行くということについては、これは十分に再検討を加えられる必要があるのじやないかというふうにも
考えるのです。若しこういうようなやり方で行くとすると、明年度はあの二五%の料金値上げが二〇%にな
つたことによ
つて五%の差だけの問題として、本年限りの問題ではなくて、更に来年度に巨額の公募公債の予定もされておるわけです。ところが予定された収入さえ、こういう形で初年度のしよつばなからや
つて行くとするならば、挙げて従業員の
努力という問題が非常に大きく今後充実されて行かなければならない矢先において、こういう対策を彌縫的に、悪く言えば全く彌縫的にとられることは、今後の五カ年計画の私は帰趨を
決定する非常に重要な問題を孕んでおるのじやないか、かように
考えるわけです。実は
ベース・アツプの問題と
期末手当の問題とは若干又問題が違いますので、その面から私も
一つ十分に
政府当局の
考え方もお伺いしたいと実は思
つておるのですが、二十五億の問題に関連しての問題としてここでたまたま
質問もなされておりますし、私もそれを中心にして御
質問を申上げておるのですけれども、非常に私はこれは重要な問題だと思うのです。
国会における問題としても、私は二十五億の問題について
国会の
審議の仕方としては非常に不手際だ
つたと実は
考えておるわけです。併し少くともあの
審議された過程において、
政府が責任を以てとにかく何とかしましようと言われたその責任というものは、詰るところ、押詰めて行くと、結局二十七年度の増収というところにとにかく転嫁して行
つたのだということでは、先般の
国会できめられた決議の趣旨、或いはあの当時
政府当局が
答弁をされた
考え方と非常に大きくそれているのじやないか。成るほど大蔵省の運用部
資金とい
つて本非常に窮屈なんだ、公募公債とい
つても余地がないのだと言われる
気持も、私は或る
程度納得できる面もあるのですよ。併しそれらについて一銭も、鐚一文も実は何ら考慮しなか
つたという点については、これはただ単にどうにも融通がつかなんだとい
つて簡単にこうい
つた形で出されることについては、
政府自体の
誠意のほど、それから今後の五カ年計画そのものの遂行についても、私はこの前の五カ年計画が
国会で
説明せられた当時のように、
政府なり或いは又
郵政当局なりの
説明に対して信をちよつと置きがたいという
気持も実はいたすわけなんですよ。本年の問題がこれでもうすべて終りなんだ、五カ年計画は本年度限りで終りなんだということだ
つたら、それはそれで或る
程度私も納得してよろしいわけです。併し今後伸びるか伸びないかという問題は一にかか
つて、これはものの帰趨の行くところまで、なるようにしかならないのだという状態の
企業経営の
内容なら止むを得ないと思うのです。併し
努力如何によ
つては相当伸びるし、又
努力が若しなされないとするならば、予定の丁程さえもやり得ないという極めて弾力性があると言えば弾力性があるし、それから又従業員の賛歌に非常に士きくかか
つていると言えばかか
つていると思うのです。そういう
電電公社の現在の
実情からすると、私は又他の日本の国内における公
企業体と違
つた特殊性が
電電公社の場合には非常に大きくあるのじやないか。国鉄或いは
専売以上に
電電公社の場合には、先ほど愛知
政務次官も言われたように、国民の需要が熾烈過ぎるほど熾烈な状況の下にあ
つて、今後とにかくこれから五カ年いろいろ問題があるだろう、一生懸命や
つて行こうじやないかという矢先において、先年度のやつについてそつくりそのまま、而も給与問題が非常に大きく問題になり、御承知のように現在国家公務員を初めとして
公企体関係が特に主軸にな
つた形で年末の労働攻勢も非常に熾烈の状態にな
つて来ておるようですけれども、こういうさ中にあ
つてベース問題なり或いは
期末手当を処理する際に、実は先年取
つてお
つた二十四億は勿論のこと、それ以上の上廻
つたものを自己
資金の中ですべて賄わせるのだということについては、これは直接の担当責任でないかも知らんけれども、私は大蔵
当局自体の十分な再考を
一つお願いしたいと思うし、而もこれが動かしがたい
一つの第二次補正
予算の基礎にな
つておるんだというふうな形でこの問題を扱われるとすると、少し失礼な申分たけれども、観念的過ぎるというか、むしろ弱いところにしわ寄せをして行
つたというか、安易な途を選んだというそしりを免れないと思うのです。
従つてそういう点でこの二十八億六千万円という金を先年度の増収
金額の中から見込んでおる、この
考え方について一体大蔵
当局はそういうふうな実はお
考え方をしておるのかどうか。特に従業員に対する給与問題との関連性について、こうい
つたものは当然建設勘定の中に繰入れて然るべきなんたというような
考え方をしておられるのかどうか。その点を
一つはつきりと御
答弁願いたいと思うのです。