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1953-11-07 第17回国会 参議院 大蔵委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十一月七日(土曜日)    午前十一時十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     大矢半次郎君    理事            西川甚五郎君            小林 政夫君            菊川 孝夫君            森下 政一君    委員            青柳 秀夫君            岡崎 真一君            木内 四郎君            藤野 繁雄君            松岡 平市君            山本 米治君            土田國太郎君            前田 久吉君            野溝  勝君            松永 義雄君            堀木 鎌三君            平林 太一君   政府委員    大蔵省主税局長 渡辺喜久造君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君   説明員    農林省農業経済   局農業保険課長  久宗  高君    食糧庁総務部長 新沢  寧君    通商産業省企業    局長      記内 角一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農業共済保険特別会計歳入不足  を補てんするための財源措置等に関  する法律案内閣提出、衆議院送  付) ○昭和二十八年度における特別鉱害復  旧特別会計交付金支払財源に充  てるための資金運用部からする借入  金に関する法律案内閣提出、衆議  院送付) ○租税特別措置法の一部を改正する法  律案小林政夫君外十七名発議)  (第十六回国会継続) ○租税金融制度及び専売事業等に関  する調査の件  (報告書に関する件)  (酒造米に関する件) ○継続審査要求の件 ○継続調査要求の件   —————————————
  2. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) これより第六回の大蔵委員会を開会いたします。  農業共済保険特別会計歳入不足補てんするための財源措置等に関する法律案議題といたしまして、質疑を願います。
  3. 小林政夫

    小林政夫君 前回の際にもいろいろ御質問したのですが、その結果支払補填金不足が生じた場合に、資金運用部資金等によつて補填をする、融資等によつて補填をするということであるが、資金運用部資金には余裕がない。結局農林中央金庫からの融資に待たなければならん。こういうような状態になつておると思うのです。ところが農林中央金庫資金に依存するにしても、営農資金その他かなり通常の正当融資以外に、災害に伴う資金のしわが農林中金にかなり寄つてきておる。一応資料によつて見ると、三月末まではどうにか行けるのじやないかという気もいたしますが、それから先は非常に困難なように思う。最後に改めて、というか確認する意味において、その農林中央金庫資金繰りを中心として、今の本件関係した不足金補填方法について、確信ある説明を願いたい。
  4. 久宗高

    説明員久宗高君) 前回お尋ねの際に申上げました通り資金運用部等からの融資ということになつておるわけでありますが、只今お話がございましたように、現実には預金部関係が非常に困難であるということで支払いに事欠いてはなりませんので、具体的には農林中金その他の金融機関からの融資を裏打ちといたしまして支払いをいたさなければならんと思うのでございます。この点は特別会計としてし得る補填金を払うのでなく、補填金の仮渡しといつたような若干変則な形をとらざるを得ないと思うのでありますが、只今財源問題につきましては、物論営農資金でございますとか、その他の災害に伴います関係もございまして、仮に中金という問題を考えました場合でも、資金繰りを確定的に申上げかねると思います。ただ時期として考えました場合に、年度末まで、つまり三月末までの状態を考えますと、必ずしも困難ではないと考えられるわけでございます。従いまして農林省といたしましては、そのような形をとりました場合のそれぞれの機関、つまり中金なり市銀なり連合会におきまして、こういう若干変則な形をとりますので、それぞれの負担において行うことが困難でございますので、そのような場合の利子補給の問題を災害予備費の中から考えるということで準備をいたしておるわけでございます。なおその際に仮に資金繰り自己資金ではどうしても困難だといつたような事情が、他の経費との関連で具体的にできた場合におきましては、恐らく何らかの、例えば国庫余裕金指定預金といつたような問題も出て来ざるを得ないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  5. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
  7. 小林政夫

    小林政夫君 私は本案賛成をいたします。但し、質疑応答の際に私の意向は明らかにしておきましたが、政府は当初百三十億の補填を要するということを確信を以て提案をしておきながら、三党協定の線で冷害対策のほうに金が要るということで四十五億を割いて八十五億にした。従つてこの法案審議に際しては、政府の認定によつても、今年度内に少くとも八十五億を補填したのみによつては、四十五億は不足するのだということが窺えるわけでありますが、その資金繰りについて資金運用部資金等によつて賄うということであるが、資金運用部資金は殆んどその補填は不可能だ。で他の金融機関によつて賄わざるを得ない、結局系統融資を辿つて行けば農林中金、こういうことになつて行くのでありますが、事務当局からいろいろ説明はいたしたわけですが、責任を以て円滑な保険金支払のできるように、言明の通りやられるということを条件として賛成をいたします。
  8. 森下政一

    森下政一君 私は本案反対します。ということは、当初政府予算説明を我々に配付しておるのでありますが、それによつて一般会計からこの会計へ繰入れることにきまつた百三十億というものの算出の根拠を示しまして、更に支払保険見込額はまだ不確定であるが、最低見込額によるということを明示しておるのであります。そうしてその最低見込額が明示されて、百三十億の追加は絶対必要だということを謳つておるにかかわらず、三党協定によつて直ちに四十五億を削減するということは、誠に一時的な方便によつたものであつて、信念のないものだということをいわざるを得ないのです。いわんや蔵相はこれに対する補填資金運用部資金その他によつて善処するなどと申しますが、それらの資金繰りを質してみると、あいまい模糊としておる自信のない答弁であります。従いまして、全く三党協定の要請による一時的な方便として、かくのごとき削減をしたという不安定な状態にあることが歴然といたしておりますので、これに反対せざるを得ない、以上のような理由反対いたします。
  9. 野溝勝

    野溝勝君 森下委員の御意見に同感でございます。と申すのは、普通の場合ならば、私は消極的賛成といいましようか、特に必要なる制度であり、又内容であるという点において、まあ消極的には、普通ならば賛成をするのでございますが、事いやしくも風水害、冷害等々の曾つて見ざる凶作に会いまして、その復興に朝野を挙げて大わらわとなつておる際に、特にそれが影響するところは食糧問題であります。かような罹災者並び生産者である農家には、この際に安心を与える施策を講じなければならん。かような意味政府は銘打つて救農国会とか、或いは災害国会とかいう銘を打ち出したのであります。然るに何事ですか、一体百三十億という予算を最初に出した。一体この百三十億の予算などは余りに少過ぎて問題にならんと思う。一体政府は、御承知のように今日新聞に発表しておるじやないですか。今回の減収予想とは千二百六十万石、千二百六十万石というのは、昨年の実収からみると、昨年は六千六百万石、本年の予想というものは五千三百四十七万九千石、丁度千二、三百万石も減収になつておる。全く昭和十六年以来の凶作だと言いますが、私ども経験してからこんな凶作はありません。かような大きなる凶作、この悲劇、このシヨツクは、ちつとやそつとの政策くらいじや落着くものでも解決するものじやないのです。ましてこれが波及するところは日本の食糧問題に大きな影響をする。政府は呑気なことを言つていますが、私は日を経るたびごとに深刻になつて来るものと思う。来春の端境期などにおいては、大きなる食糧問題としての社会不安が起る。そうすると、これは共産党だとか何とかいつておりますが、共産党なんていうそんなものじやない。自然発生的に、食生活の問題が脅かされると、問題が起つて来る。こういう時に一体どうしたらこれは防衛できるかというならば、私は生産者に善政を施すことだと思う。成るほどよくやつてくれた、これならば我々も励まなければいかん、これならば我々はいもを食つても、粉をなめても少しでも多く出してやろうというような気持になるように、政治というものが仕向けて行かなければならんのです。そういう点において、百三十億の当初予算でさえも問題にならんと思つておる。一千何百万石の減収を受けたのは大きな凶作ですよ。大きな悲劇です。こういうものに対して百三十億ぐらいでは問題にならんと思つたところ、これを又四十五億もひつ削つて、それは冷害のほうに廻したからいいじやないかと言いますけれども、私は冷害のほうに廻そうと、或いは農業共済保険のほうに廻そうと、とにかくこの内輪の中で左右するというこの予算措置というものは無意味だと思う。よそから財源を持つて来れば別でございますけれども内輪の中で、例えば災害予算或いは救農予算等その施策の対象となつておるもののやり繰りによつて左右すべきものじやないのです。こういう点におきまして、私どもはすでにこれに対する組替えの予算左右両社で出しております。併しそれに対しまして自由、改進、鳩自、保安三派はこれに妥協いたしまして、ついにこんなへんちくりんの修正をしたのでございますが、これは恐らく農民に知れた場合におきましては、この擬装極まる修正案に対して憤激を感ずると思うのです。さような意味合いにおいて、普通の時ならば少しでも予算が多くなるという点において、消極的賛成をするのでございますが、今日かような悲劇の前に当つて、いやしくも計上されておつたところの当初予算の百三十億を削つて、四十五億もよそへ廻すというような、かような擬装的な予算措置に対する修正案には、断じて反対、以上私は反対理由を申上げまして、本案反対いたします。
  10. 平林太一

    平林太一君 本案に対して希望を附して賛成をいたします。この四十五億削減いたしましたる処置、更に百三十億に対しまする原案、これらに対しまする私の意図いたすものは、只今野溝君が反対理由を極めて明確にお述べに相成つたものと同様の感懐を持つておるものであります。従いまして、今日まで本案審議に当りましては、鋭意政府本案に対する予算上の取扱い措置に対して今後に対する反省を求めて参つたのでありまするが、そのことによつて私の今日まで述べたことによりまして意は尽しておるのでありまするが、この際特に希望を申述べるに当りまして、強く今後の処置に対する政府措置を求めて置きたいことは、いわゆるこの農業災害補償制度現行法におきましては、これを根本的に改革いたしまして、進んでこの全額国庫負担にまで処置せなければならないということは、今日の社会保障制度は、極めて我が国における全体が非常に従来の封建時代制度の域から脱せない状態にあることが、社会会保障制度の中におきましてしばしば見受けられるのでありまするが、そういう観点からいたしましても、今後のこの農業災害補償制度なるものが大いにこれから検討をいたして、これに完璧を期さなければならないということを、この際痛感いたすのでありまするが、この際特に申上げて置きたいと思いますことは、四十五億の補填に対しましては、鋭意これに対する急速なる補填処置を講ずることを強く要望して置きます。先刻来お話のありました通り、この預金部資金等においては甚だ今後処置することに対しまして非常に不安定なものに置かれております。でありまするから、この補填に対しましてはそういう常套的な、限られたものにこれは固着してはならない。すでにこの処置が非常に災害に対する処置として、かくのごとくなし得べからざる処置をいたしたのでありますから、今後補てんの遂に対しましては幅を多く考え、いわゆるこの財政投融資の、本年度におきましては三千億円内外に達しておると承知いたしますが、そういうものの中から、特にこれらの補てん処置というものは、単に従来の預金部資金というものに固着せずに、そういう方面から求めることにいたしまするならば、寸刻の間にこれは解決のできることである。それが社会保障制度に対しまする農業災害等に対しまする根本的の理念が従来と少しも変つておらないので、今日固着した一部の資金にのみ依存し拘泥しているということであります。先日来申上げてよく御承知のことと存じますが、いわゆる日本開発銀行等がいやしくも今日八百五、六十億円内外の厖大な資金を抱いておる、こういう中から見ればその十分の一を処理しただけでも八十億というものが出て来るので、あります。而もそれが日本の産業に対して何も動揺を来すということはない、明年の三月まで一時の措置といたしまして、明年の三月以後において同銀行は恐らく数百億の繰越をいたすことに相成るということは、私は断定して輝かりません。前年度におきましても二百五十億を抱いて、いわゆる本年度を迎えたわけでありますから、かてて加えて本年もこれに六百億を附加いたしたのであります。これは財政投融資内容というものをつぶさに検討いたして見ますれば、これも農業関係資金が如何に依然として資本主義的なものに圧迫せられておるか、そういうものを一歩も出ていないということを考えるのであります。これは非常に重大なことでありますから、政府はよくこの点を反省せられて、そうして只今野溝君のお話になつた通り、百三十億を以て足れりとするものではなく、この際四十五億を補填するという機会に、百三十億を更に多くするという補填方法というものを幅を広く考えて、いわゆる農業災害に対しまする制度の確立を期せられることを強く要望いたしまして、本案賛成をいたしておきます。
  11. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますので、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。農業共済保険特別会計歳入不足補てんするための財源措置等に関する法律案を衆議院送付通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手
  13. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 多数であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本会議における委員長口頭報告内容は、本院規則第百四条によつて委員会における質疑応答討論、表決の要旨を報告することとして、あらかじめ御承認を願うことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。それでは本院規則第七十二条によつて委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名     堀木 鎌三  西川甚五郎     松岡 平市  木内 四郎     藤野 繁雄  平林 太一     前田 久吉  岡崎 真一     小林 政夫  青柳 秀夫     山本 米治   —————————————
  15. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 次に昭和二十八年度における特別鉱害復旧特別会計交付金支払財源に充てるための資金運用部からする借入金に関する法律案議題といたして質疑を願います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 別に御発言もないようでありますが、質疑を終了したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより採決に入ります。昭和二十八年度における特別鉱害復旧特別会計交付金支払財源に充てるための資金運用部からする借入金に関する法律案を、原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手
  19. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、諸般の手続は前例により委員長に御一任願いたいと存じます。それから多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名     前田 久吉  森下 政一     小林 政夫  平林 太一     山本 米治  岡崎 真一     西川甚五郎  青柳 秀夫     木内 四郎  松岡 平市     松永 義雄  藤野 繁雄     菊川 孝夫   —————————————
  20. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 次に租税特別措置法の一部を改正する法律案議題といたします。御質疑を願います。
  21. 小林政夫

    小林政夫君 昨日参考人を招致して、出席を求めていろいろ意見を聞いたわけでありますが、主税局長及び企業局長お話願つて、いずれにしても政令等準備も要するわけでありますから、その取運び方についてもう一度よく事務当局の見解というか、決意というか質したいと思いますが……。
  22. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 承知いたしました。さよう取計います。  昨日本法案に関しまして、参考人を招いていろいろ意見を聴取いたしましたが、その中におきまして毛織関係及び綿関係のかたには、さして異議がなかつたようであります。ただ化繊関係のかたにおきまして或る程度反対意向があつたのであります。従つて、こういう情勢を勘案いたしまして大蔵当局通産当局におきまして本法案或いは政令案等を相当御協議いたしまして、次の適当な機会までにはつきりした御意見をきめられまして発表いたして頂きたいと思いますが、如何ですか。
  23. 小林政夫

    小林政夫君 今委員長から話のあつた少し異議があつたというのは、念のために申上げておきますが、一人の化繊協会理事長ですか会長ですか、これはああいうフエーバー制度そのものについて相当何か疑念を持つておられた、たまたま私は本会議において発言するために途中で中座したのですけれども、その趣旨はどうも我々としてはこの制度を置いておくとしての問題としては、少し如何かと思う、更に貿易業者或いは問屋というようなものについてのフエーバーの問題が主であつて、いやしくもメーカーに対してフエーバーを与えるという場合、加工段階において、その製造分担量においてフエーバーを分け合うということについては異存はなかつたのであります。
  24. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 昨日私ちよつと他に用件がございまして、参考人のかたの意見を直接聞く機会を得ませんでしたので非常に相済みませんでしたが、私のほうの係も出席しておりましたし、委員長の今御発言の御趣旨によりまして、いずれ我々のほうでよく検討してみたいと、かように思つております。まあすでに何回も申上げておりますので、改めて繰返すことはいたしませんが、加工の問題だけで全体が済む問題かどうかといつたようないろいろな関連する問題もございますし、そうした場合に、一体どの程度のところで限界が引けるだろうかといつたような問題など、問題の所在につきましては何回かここで御説明申上げたわけでありまして、そういつた点につきまして通産当局のほうとよく検討しました上で、一応我々のほうの結論を申上げることをいたしたいと、かように考えております。
  25. 記内角一

    説明員記内角一君) 只今主税局長からお話のありました通りでありまして、私ども主税局とよく協議いたしまして、極く近いうちにはつきりした意見を取りまとめたいと考えておる次第であります。
  26. 青柳秀夫

    青柳秀夫君 国の行政が二省或いは数省に跨る場合は、これは当然あることなのでありますけれども、とかくそういう場合には両省間の話合が比較的はつきりしないで行く場合が多いように見受けられます。この問題につきましても問題は国家のためにいい措置をとればいいわけでございまして、無理をお願いするわけではありませんけれども、どうか一つ両省で慎重御協議を願いまして、二つの省に分れておるからお互いに譲り合うというか、余り力を入れないでやつて行こうというようなお考えでなしに、一つ相当強い要望でございますので、結果の出ますように至急御処置を願いたくお願いを申上げます。
  27. 小林政夫

    小林政夫君 私は特に通産側に望んでおきますが、昨日出席された人、特に中小企業の非常に多い織物屋さん、それから綿或いは絹、毛を問わず、いずれも積極的な賛成です。それから染色整理というほうは、毛、綿、絹、まあ毛、綿、絹に限りませんが、全部の毛を含んだ染色整理という業界は全部賛成しておるというようなことでございますから、輸出の振興という見地から、もう少し今まで以上に積極的にあなたのほうが出て、この大蔵当局が受身なんですから、一つその意味で推進をして頂きたい。それで委員長希望申上げますが、いずれにしても今の段階においては、これは継続審査にせざるを得ないのでありますが、その休会中……十八日ですか。
  28. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 十九日。
  29. 小林政夫

    小林政夫君 十九日に本案審査をやりますから、それまでに両省はつきり話をつけて、その政令案準備をしてもらいたい。できるかできないかそれを念を押しておきます。いつまでもこれをこの委員会でしよつちゆう委員会の都度いろいろ審議するということは……聞くべき人は全部聞いたし、結論を出す段階でありますし、勿論政令は遅れても法律だけは通しておくという方法はありますけれども、まあいろいろ執行上の問題があるということでございますから、少くともこれとこれとは違う、こういうものについてはつきりこれこれはやりますと、こういう案を……これは大蔵当局よりは一つ企業局のほうがしつかりこれはやるんだということで、大蔵省に申入れをして打合せをしてもらいたい。
  30. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 今の小林委員の御発言は我々も御尤もに思うのでございますが、同時に縷々御説明したように、いろいろ関連する問題があるわけでありまして、十九日にはつきりした結論を出すとかいう点につきましては、一応責任を持つてお約束するだけの自信はございませんが、十九日の委員会におきまして少くとも若しそういう結論まで行きませんでしたら、一応相当整理しまして、こういうふうな問題があつて、ここにまだ結論の出にくい問題があるというように、はつきりした問題の整理をしておくというところまでは、これは責任を持つていたす、でき得れば今のお話のようなところまで進みたいと思いますけれども、なおそこまで行かれない場合におきましても、その間の検討の結果というものを、御報告申上げるということはお約束申上げていいと思います。
  31. 記内角一

    説明員記内角一君) 私どもといたしましては、それまでに結論を得るように努力したいと思います。
  32. 小林政夫

    小林政夫君 それでは継続審査に付することに賛成をいたします。
  33. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 本案質疑は今日はこの程度にとどめます。   —————————————
  34. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 次に、租税金融制度及び専売事業等に関する調査に関してお諮りいたします。  本委員会は前国会より引続いて本件調査を行なつて参りましたが、現下の諸情勢に鑑みまして、種々調査すべき問題が多く、又調査も終了するに至らないのでありますが、会期の終了に当り、議長に報告書を提出しなければならないことになつておりますので、調査未了の報告書を提出することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) なお、報告書内容等につきましては、前例により委員長に御一任願いたいと存じます。  それから本報告書にも多数意見者署名を付することになつておりますので、順次御署名を願います。   多数意見者署名     松岡 平市  西川甚五郎     藤野 繁雄  松永 義雄     菊川 孝夫  平林 太一     前田 久吉  青柳 秀夫     小林 政夫  岡崎 真一     山本 米治  森下 政一   —————————————
  36. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 次に継続審査及び継続調査要求に関してお諮りいたします。  昨日本件に関し、理事会において協議したのでありますが、理事会の申合せ通り、一、租税特別措置法の一部を改正する法律案、二、協同組合による金融事業に関する法律等の一部を改正する法律案、三、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、印刷事業関係、四、同じく日本専売公社関係、五、同じく造幣事業関係、以上五件を閉会中に継続審査し、租税金融制度及び専売事業等に関する調査を閉会中に継続調査することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。  なお、本件につきましては、継続審査要求書及び継続調査要求書を議長に提出しなければならないことになつておりますが、その内容手続等を委員長に御一任を願いたいと存じます。  速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  38. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 速記をつけて下さい。
  39. 野溝勝

    野溝勝君 この際お伺いをしておきたいと思います。と申すのは、国会も遺憾ながら今日で終りそうなんですが、特に今問題になつております食糧問題、これがまあ勢い日本の財政金融にも影響して来るのでございますが、つきましては昨日予算委員会におきまして、大蔵大臣は或る議員の質問に対して、湾のほうに米を廻すのを少くするという意思ありや否やの質問に対しまして、勝手に農林大臣と大蔵大臣は減石をするようなことの意思表示をしたのですが、誠に大蔵委員会を侮辱するにも甚しいと思つた。以上は一応大蔵委員会において審議して、乃至は助言を当局から述べて、その上に立つて予算委員会において発言するというのが、これは順序です。と申すのは、すでに酒の問題につきましては減税を前国会においてしたばかりです。そうして税収を多くする、収入を多くするということで、さような措置をとつたんです。ところが我々は大蔵委員会で慎重審議の結果賛成した。今回はいろいろ食糧事情の関係があるから、そういうような御意見もあるとは思うけれども、勝手に予算委員会あたりで発表をするのは、大蔵委員会においてもう少しその間の経緯並びに助言等につきまして、あらかじめ大臣乃至は主税局長から、この間の見解というものを表明しておいてもらうのでなくちや、これは大蔵委員会というものは、これは天井に上つちやう。こういうような経緯について軽率なことを発表されたのだが、その間大蔵大臣並びに農林大臣等々と、事務当局である主税局長との間に、以上の意見の交換なり、或いは案の検討なりが行われておつたかどうか、その点一つお聞きしたいと思います。
  40. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 酒造米の問題につきましては、政府のほうといたしましていろいろ話合をしておりますが、まだ結論は出ておりません。まあ一般的に考えられますことは、今年の食糧事情のことから考えますと、農林省のほうの主張といたしましては、相当酒造米に向けている米を減すべきじやないかという御意見があるわけでありまして、これは我々も事情をよく伺いまして、或いは或る程度減すということも考えなきやならんかということも考えられるのでございますが、もう少し事情をよくお伺いしますと同時に、一体又減すべきものかどうか、或いは減すとしましてもどの程度減すべきものかといつたような程度の問題もございましようし、減すか減さないかという問題、減すとしましてその程度の問題、こういうものがあるわけでございまして、もう少し農林省のほうとよく話合いまして最後の結論を得たい、まあ我々の考えられますところといたしましては、何と申しましても、密造の問題がございますし、やはり酒を減すということになりますと、おのずから密造といつたような姿における結局は酒のために米を潰すという問題が片方に考えられますので、その辺の事情も考慮に入れながら最後の結論を出して行きたい、かように考えておりますが、この問題につきましては大蔵大臣の御意向をよく伺つて、我々の御意見を申上げるといつたような、実はまだとつくりお話合いする機会を持つておりませんので、もう少し酒の問題について、この問題の結論を出したいと、かように考えております。
  41. 野溝勝

    野溝勝君 そうだとするとますます理解に苦しむのでございますが、一体、この問題について農林大臣は、渡辺さん昨日三、四十万石減石しようということをはつきり言つておりますが、大蔵当局といたしましては、税収並びに予算上の問題から考えておられるのであつて、特にそれが税収において酒税は大体において千四百億円というものが見込まれておる、今の政府当局の予算措置、財政的措置から見ると、財源の問題について相当窮迫に見られるが、我々は勿論防衛費に手をつければ案外予算措置は楽なんでございますけれども、今の政府から見るとなかなか窮屈にかかわらず、さようなことを勝手に農林大臣保利君は言われておるのですが、そういうことに対して渡辺さんの見解では大蔵当局に話がないという今の御意見なんですが、具体的に数字のそれについて食糧局の食糧庁の総務部長はその間の事情について知つている範囲のことをお答え願いたい。
  42. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 酒米の問題についてお答え申し上げますが、実は二十九米穀年度の需給計画の精密なもの、最終的なものは、まだできておりません。従いまして、最終的な意味において主税局或いは国税庁と酒米の問題を幾ら減すかという数字的な御相談はまだできておりません。ただ先般先月の末に本年産米の不作に基きまして、食糧政策の方向をどちらへどういう方向に持つて行くかということの概略の事項につきまして閣議の決定を願つたわけでありますが、その際に説明申上げ、大臣には酒米のことも一つ御考慮に入れておいて頂きたいというようなことは、大臣に申上げたわけであります。閣議の席上で大臣がどういう表現でお話合いになつたのかわかりませんが、一応事務当局としては数字的な最終的なものはきめておりませんが、酒米の問題はどうぞ今後の問題として、御考慮に入れて頂かなければならなくなるでしようという意味合のことは、大臣に閣議決定いたす前に申上げてあるわけであります。
  43. 野溝勝

    野溝勝君 そうすると災害国会とか、救農国会と言つて金を急いでおるので、国会の終幕を急いでおりますから、これは我慢をいたしますけれども、普通なら許しませんよ。これは新沢さんにしても、渡辺さんにしても、あなたたちは財政の問題についても、食糧の問題についても、僕らより敏感に新聞を見ておられると思う。今日の保利君の言明がはつきりしておるのです。若しあなたがたお二人が、特に事務当局のお二人が答えられておるように、そういう減石数字の問題には触れておらんというなら、今日農林省から最後的収獲数字が発表されたのですから、ああしたことは私は心外だと思う。保利君がさようなことの具体的な話がないのに、軽卒なことを言うとすれば、これは許し難きものだと思う。更にこの点は御両氏においてもお話があつたように、例えば酒米と言つても、米を使つている雑酒等の問題が相当ある、その雑酒の整理から始まつて行くのか、或いは酒米、特級のほうに使う米を加減するということなのか、或いはそうした場合において、密造酒が今言つたようにこれから殖えて来ることに対して、一体どういうような考えを持つておるか、密造酒をむしろ取締るようにして処置するようにするとか、或いは三、四十万石のほうはともかくとして、表の帳面ずらだけでも減石するというのか、そういうようなことにつきましても具体的に何ら発表になつておらなくて、ただ三十万石乃至は四十万石減石しようと思うというだけじや、折角この大蔵委員会におきまして先般決定いたしました酒税に対する本委員会のとつた態度が誤りを犯したことになつて来る。そういう点で、この際一に私は事務当局でありまする渡辺さんと、それから新沢さんにいま少しくどういうような企図といいますか、規図といいますか、考えによつて折衝されておるか、又大蔵当局としては、場合によつては、この面を一つどうしようとか、又はこれはこの分でこうしておこうとかというようなことについて、或る程度話合が行われておるならば、この際私は露骨に話してもらいたいと思う。そうしないと、私ども審議の上で非常に迷惑を感じます。又帰つてから、君たちの間で勝手な案を作つて、僕ら家に帰つてから、いやそれは知らなんだ、そんなことではちよつと恥かしい。衆議院議員や参議院議員は勤まりませんよ。君らは、僕らが帰つてしまつてから、ぽんと方針を出されては迷惑だから、この際その経緯、或いは構想なりを話して下さい。
  44. 小林政夫

    小林政夫君 それに関連して、私も全く同感なんで、三十万石を減らしても酒税の減収が起らない、こういう発表をしておる。そういう点に重点を置いて、今の野溝さんの質問に答えて頂きたい。
  45. 平林太一

    平林太一君 更に一緒に、序でに私からも申しておきますが、これは今両君からお話通り、甚だ大蔵委員会としては遺憾の意を表せざるを得ない。そこでこの清酒と合成酒の混合による混合酒というものは今禁止してある、これに対して、これと当然並行して来ると思う税の問題については、いわゆる合成酒と清酒による混合酒、これらの処置をして行くということが自然清酒を圧迫することによつて生じて来る、こういうような問題にもなると思う。定めしこういう問題にも今両君のお説によつて相当酒米に対する明年度の数字が具体的な数字になつておるのでありますが、こういうものに関連して伺えれば伺いたいと思いますから、それを総合して一つお答えを願いたい。
  46. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 先ほども申しましたように、農林省のほうからの御意見といたしましては、米の需給関係からいたしまして、酒造米に対する米の割当を相当減らして欲しい、又減らすべきだという御意見のあることは伺つております。ただその場合におきまして密造の問題もございますし、それからまあ……。
  47. 野溝勝

    野溝勝君 雑酒を減らすというのですか。このほうはどうやるのですか。
  48. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 今の話といたしましては、先ず第一の問題といたしまして、全体の枠をどう考えるかというところで話が進んでおりまして、全体の枠が大体一応の結論に達しましたことは、今の野溝委員のおつしやいました雑酒のほうへ減らすものも、或る程度つて行くのか、勿論雑酒に向いております来というのは、絶対数量から言いますと、そう大きな数字ではございませんので、そのほうを減らしたらほかのほうは減らさなくとも済むとか、済まないとかいう問題とは全然別問題で、むしろお考えといたしましては、雑酒のようなものであれば先ず以て減らすべきじやないかというお気持だと思いますが、その雑酒に対する酒造米を減らすということによりまして、ほかのほうの酒造米がそれによつて減り方が少くなるとか、或いは助かるとかいつたような問題には殆んど影響ないくらいの量的な関係にあろうと思います。併しそれはそれといたしましても、一体雑酒のほうをどう考えるかという問題は、第二段の問題としては当然検討さるべき問題だと思つておりますが、現在の話合いの過程におきましては、先ず以て酒のための米を絶対量としてどれくらいにするかという問題のほうが、先ず第一段の問題でございますので、現在といたしましては、その程度につきまして主として国税庁が直接農林省の食糧庁と話合いをしておりますが、その事務的な折衝を続けているという過程にあるわけであります。それによりまして、結局酒の税金はまあ絶対に減らなくて済むということになるものか、これは我々のほうといたしましては、例えば清酒で以て減石した分が合成酒に変るとしますと、又そこにおのずから税率のほうの開きもございますから、数量が従来と同じなら清酒が減つて合成酒が殖えれば税収は減ることはおのずから出て来ると思います。ただどういうことになりますか、ビールなどは割合にまあ今年は予算で百九十万石ほど見ておりまして、去年が百五十余万石の実績だつたのですが、恐らく今年の実績としては二百万石ぐらいは出るのじやなかろうかというふうな見通しもあるわけでございます。その代り焼酎とか合成酒とかそういうもので、どうも量が減りそうでございますし、今年としましてはそんな関係といたしまして、差当りまして補正予算におきまして酒の税金の総体においての見積替えは、我々としましては現在まだその時期にあらずと言つてそのままにしてございますが、傾向といたしましては、ビールなど割合に殖えておりまして、合成酒、焼酎が当初予算に比べてさほどまだ伸び切つていない、酒のほうの需要は割合に活発である、これが現在の実情であります。従いまして、明年度において酒造米が減りました場合に一体どういう措置をとるのか、これはいろいろなことが考えられるわけでございまして、例えば御承知だと思いますが、いわゆる三倍増醸、これは清酒でやつておりますが、どの程度可能か、これはおのずから技術的に一つのリミツトも私はあるのじやないかと思つております。現在はどちらかというと、普通のアルコールを入れております普通の清酒が三分の二、三倍増醸が三分の一という割合になつておりますが、これはまあ終局におきましては、大体両方混ぜて市販しておるようでございまして、三倍増醸が余り殖えるとまあ品質が落ちるのじやないだろうかという危惧される面もございますし、いや、もう少し技術的に改善を加えて行けば或る程度三倍増醸を殖やしても、そう品質を落さないでも済むのじやないだろうかという意見もあるわけですが、もう少しこの辺を検討して見なければならん。ただまあ酒造米の減が或る程度のところで収め得る程度ですと、そう酒の税金も減らさないで済むと思いますが、それが相当大幅になりますと、まあ合成酒とか焼酎がそれに代り得るとしましても、やはり酒の税金は減るかも知れない、減るのじやないだろうか、ただその場合にビールなどが麦を使います関係からしまして、来年度そう原料的に制約をしなくてもいいということになりましたときに、その分がどのくらい代替し得るか、こういう幾つかの点がフアクターとして考え得るわけでありますが、結局酒造米の減り方如何によりまして、或る程度のところですと、そう酒の税金を減らさないで済みますが、それが非常に大幅になりますと、まあ税金が減らないで済むということになり得るかどうか、我々のほうとしては自信がないというのが、実際の姿じやないかというふうに思つております。  それから平林委員お話にございました合成酒と清酒混合の問題でございますが、これはいろいろ我々も検討しておりますが、なかなか簡単な問題でないというふうに思つております。税率も現在は合成酒が相当清酒に比べて安くなつておる。混合すれば勿論これはまあ税率の差異がつくのはおかしいわけでございますが、又酒屋のいろいろ事情もございまして、そう簡単に混合を認めてもいいという結論は出にくいのじやないか、余ほどこれは慎重に考えて行くべき問題じやないか、かように考えております。
  49. 野溝勝

    野溝勝君 主税局長にもう一点お伺いしておきたいのですが、まあ三倍増醸の技術が非常に進歩したということを言われておりますけれども、私はそう簡単に、その原料を少くして幾ら三倍増醸の技術が出て来たといえども、そんなに私は酒造の税金乃至は需要等の問題が解決されるとは思いません。特に業界方面の意見を聞いてもなかなかそう簡単には行かんということを言われておるのであります。更に三倍増醸の設備等々につきましても、そう簡単にできるものではない、全国におけるところの業界といえどもまだ三倍増醸をやつておるところは少い。そういう点から見ても、これから更に私は設備資金関係いろいろの関係等がありまして、そう簡単に行かんと私は思つております。そこで、そういうようになつて見ますると、結局先ず酒代を上げるか、酒代を表向き上げなければ結局酒税法違反というものが起る、酒税法違反というものが起つて来ると、やはり水をうめて来る、度合というものをごまかすから、そういうようになつて来ると、誰が迷惑をするかと言えば、これはやはり大衆が迷惑をする、そういう点でやはりこれはむしろ取締行政のみが中心となつて、生産行政とか積極的なそういう行政というものが蔭に隠れて、消極的な行政というものが出て来るということになる。そうなつ乗ると、ますます人心は悪化するということになり、更に中小企業資金逼迫の際に、私はこういうことをすることは、余ほどこれはあらゆる角度から考えなければならないと思つております。先ほど主税局長の渡辺さんのお話によりますと、密造業者等々の問題と睨合せて考えなければならない、これは御尤もなんです。どうか私はこの際折角今の酒の税金を下げたことによりまして、大衆の購買力が出て、そこで税収の目的も達することができて、何不自由なくやつて来て成果の上つておるものを逆戻りさせなければならないという政治は、私は反対なんです。すでに速記録を御覧になつてもおわかりの通り、そういう声明をされておる、一千四百億以上の収入があるのです。予想以上に出ておるのです。それを結局今度は変えるということになりますというと、その結果というものは、どつちも得ることができないということになるのでございますから、こういう点を十分大蔵当局においても御配慮願いたいと思います。それから農林当局におきましても、大蔵当局との間に十分何といいますか検討されて、却つて密造酒を多く造らせないような方法を考えて頂きたいと思つております。  以上私の希望をつけての意見でございますから、答弁の必要はありません。  次に、新沢さんにお伺いするのでございますが、私ども大蔵委員会でございまして、農林関係の農林大臣とか或いは食糧庁長官等々に向う機会がないのでございますから、あなたからお伺いしておきたいと思う。一体今の食糧需給計画でございますが、一千二百六十四万石本年度は前年度に比較してそれだけの減でございますが、そうすると大体毎年農家の保有米が三千六百万石、そうすると本年度の五千三百万石の収獲から引きますというと、結局一千七百何十万石というのが今年度の収獲の一応販売米の消費量、それに加えるに政府の持越米と外国の米麦ですね、雑穀は別にいたしまして、そうすると持越米は具体的に発表になつておらないのでございますが、今のところ持越米はどのくらいでありますか、それを一つこの際お伺いしておきたいと思います。
  50. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 需給計画についてのお問いでございますが、精細な十月末におきます持越米につきましては、只今数字的に実際に各倉庫に残つております数量は幾らであるかということにつきましては、数字を検討いたしておりまして、近く数日中には正確な数字はまとまるということになつております。推計で申しますと、内地米外地米合せまして八百八十万石ぐらい十月末に持越しておるわけでございます。これは推計でございます。
  51. 野溝勝

    野溝勝君 そうすると八百八十万石を合せましても、大体内地米はおよそどのくらいかわかりませんか、それがわからんことには需給計画は立たんわけですけれども……。
  52. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) これも推計でございますが、約七百三十万石ぐらいでございます。
  53. 野溝勝

    野溝勝君 そうするとこの持越米というものは、大体多い時でも六百万以上あることはめつたにないのでございますが、前米穀年度のうちに持越米がそんなにできたものでございますか。
  54. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) お答え申上げますが、御承知通り、昨年度は非常に豊作でございまして、政府の集荷も当初私どもが予期いたしております以上に順調に参りました。それらの結果がこういう数字になつて表われたものと思います。最終的な集計を只今つておりませんと申上げましたが、最終的な集計の結果も恐らくこれと大差ない数字が出るのではないかというふうに思つております。
  55. 野溝勝

    野溝勝君 まあ私の調査とは違うのでございますが、いずれもう一回私のほうでも調査してから折衝することにいたしますが、例えば今新沢さんのお話通りにこちらで受取りましても、大体五千三百万石から三千六百万石引いた残りが今申上げました通り三千万石足らずなんですが、そうするとこれを加えてあなたのおつしやる通り八百八十万石を加えて二千八百八十万石、そうしてそれだけではとても二合七勺の需給推算は全然問題にならん。そうすると今度は外国の米麦を前年度には大体三百万トン近くの予定を立ててやつてつたのですが、本年はそういう計画は立たないのでございますが、そうすると、私の聞いておるところでは外米の百四、五十万トンというのですが、それがどのくらい確実に買うのか、又買えるようになつたのか、そういう点におきまして、一応長期の需給計画というものは立たんと思うのです。立つわけはない、絶対に。ですから短期でよろしうございますから、的確な需給計画をここで話して頂きたい。私はそれで以て質問を打切ります。別にどうというわけではございませんが、それを聞いておかんというと、需給計画はまだはつきりしたことはきめられないということだから、私は短期でよろしうございますから、この際本年度の収機、保有米はどれだけとか、それからその残りと、政府の手持米と、更に外国から来るものを当てにしてどのくらいか、それをどういうふうに一体配給をするつもりであるということをお話し下されば、それで私は新沢さんに対する質問はその程度でよろしいと思います。
  56. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 需給計画につきましては先ほども申上げました通り、今細かい検討をいたしておるわけでございます。それで短期でもというお話でありましたが、最終的な計画を今立てておりますので、まだちよつと需給計画についてお話し申上げるところまで来ておらないのでございます。これは近く立てることだろうとは思いますが、ただ見通しとして申上げますれば、先ほど御心配になりました外米の輸入につきましても、私どもは外国の米産国は非常に今年は豊作であるというふうな情報が入つておりまして、輸入は相当量期待できるのではないか。百四十万トン乃至百七十万トンぐらいの間で輸入が可能じやないかというような見通しを立てておるわけでございますが、それらにつきましてもなお精細に検討いたしまして、需給計画を立てて行くということで折角考慮中でございますので、ちよつとこの席で需給計画についての数字的な御説明はいたしかねるような状態なので、あしからず御了承頂きたいと思います。
  57. 野溝勝

    野溝勝君 私は非常にこの点は心配なんで、まだ需給計画の完全なものができておらんと言えば、あなたに文句を言つてみても仕方がないのでございますけれども、私はこれは大臣なら無責任だと言わざるを得ないのでありますが、それは長期のものを出せとか、或いは示してくれとか言つたら無理だと思うのです。併し政府で一応大体十月の十五日までの予想収穫というものを出して、これは本年度の同期の確定数と見ても差支えないということを発表しておるのです。そうすれば、そのうち罹災者なり、或いは災害地においてどのくらいのものが、従来の農民のうち、生産者のうちで飯米農家になつたかというようなことは、もうこれは大体できておるわけなんです。そうすると、保有米はどのくらい、それから同時にこれに対する通過供出とか、或いはその他の供出もこのくらいと、現在のこの収穫予想の上から見て大体そういうものは出て来るわけなんです。そうすると消費者には、とにかくこれではとても需給の見積りができない、そうすればこれに対してどういうふうに、例えば混合食といいますか、それを流す。それで或いはこういう方面に対しては、営業用の米食をやめるとか、そうして例えば農家に対してこれだけ、消費者に対してはこれだけというような具体的のものが短期間に示されなければならんと思うのです。そういうものが示されないと、これは新沢さんも御承知のごとく、非常に食糧は先々不安です。実際問題としてこれは深刻だと思うのです。ですから、そういうものが一応事務当局の間においても、そういうまとまつたものがなくても、素案といいますか、試案といいますか、そういうものが検討されておらなければならん。それがあるのじやないかと私は思うが、私はそれをたてにとつて、あの時こう言つたじやないかと言つて追及するというような、そんな考えはありません。併し大体の構想でもいいのですから、ここで一応話してもらつておかんというと、実際僕らが罹災地といいますか、災害地乃至冷害地へ行つた場合において、まだ需給計画はできないのだということだけでは、臨時国会も終ろうという時に如何にも無責任です。ですから私は、数字の細かいものでなくてもよろしいから、計画のあらましというものをここで話して頂かんと困ると思うのです。ですから、今新沢さんがここでどうしても話せないというならば、ほかの議員の諸君がそれでいいようなら、私は個人でお願いします。一つお示し願わんと、私としては議員としての責任を果せないわけですから、その点一つお願いいたします。
  58. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 重ねての御質問でございまして、甚だ恐縮なんでございますが、今申上げましたように、数字的なものはもう少し若干の時日をかして頂きたいと思います。ただ考え方の基本といたしましては、一般消費者の配給、これは引下げないようにして行こうというふうに考えております。従いまして、今年のような不作に直面いたしまして、内地米をどうして集めるかということにつきましては、これは例えば農家のかたに今までよりも多く麦を食べて頂いて、できるだけ米をたくさん出して頂くというようなことで御協力を願い、或いはこれは残念なことでございますが、今まで県といたしまして他県に米の搬出ができていた県が、今年は数県搬出ができないで、逆に他県から米を入れなければならない県ができております。こういうような点につきましては、これは従来生産県としての米食率の適用を受けておつたわけでありますが、これは今年からは消費県なみの米食率で我慢してもらうというようなことはやつて頂かなければならんものと考えます。  それから、先ほど御質問のありました酒造米につきましても、最終的な需給計画ができて、数量的には確定いたし、大蔵当局と折衝いたすわけでありますが、これも相当の節減をお願いしなければならないものというふうに考えております。又従来の持越等、先ほど申上げましたように比較的潤沢に持越して、今年当初は相当潤沢な持越がありましたが、明年へ繰越します際には、この持越を最小限操作のでき得る限度に切詰めますとか、或いは来年の早麦を今年よりも大分多くするというようなことで、いろいろ操作上の工夫をいたしまして、消費者に対する米食率は引下げないというような基本方針の下に、今案を練つておる次第でございますので、御了承頂きたいと思います。
  59. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 暫時休憩いたします。    午後零時三十九分休憩    〔休憩後開会に至らなかつた