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1953-11-21 第17回国会 参議院 大蔵委員会 閉会後第4号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十八年十一月二十一日(土曜 日) 午前十一時十七分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
大矢半次郎
君 理事
西川甚五郎
君 小林 政夫君 菊川 孝夫君
森下
政一君
委員
青柳 秀夫君 木内 四郎君 藤野 繁雄君 山本 米治君
土田國太郎
君 成瀬
幡治
君 永岡 光治君 松永 義雄君 平林 太一君
事務局側
常任委員会専門
員
木村常次郎
君
常任委員会専門
員 小田 正義君
説明員
自治庁財政部長
後藤
博君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
租税
、
金融制度
及び
専売事業等
に関 する
調査
の件 (
税制改正
に関する件)
—————————————
大矢半次郎
1
○
委員長
(
大矢半次郎
君) これより
大蔵委員会
を開会いたします。
租税
、
金融制度
及び
専売事業等
に関する
調査
について御審議を願います。
地方制度調査会財政部会
の
答申案
について、
自治庁
の
後藤財政部長
から
説明
を願います。
後藤博
2
○
説明員
(
後藤博
君) 私
自治庁
の
財政部長
の
後藤
と申します。
地方制度調査会
の
財政部会
の
答申案
について簡単に御
説明
申上げます。丁度
委員
であられる
森下
さんがおられまするので、私が
間違
つて
おりましたら
一つ
御訂正を願いたいと思います。
財政制度
の改革に関する問題といたしまして第一は
地方財源
の
所要額
の
総額
に関する問題が前からあるのであります。これは現在
地方団体
に必要な
財源
が果して確保されておるかどうかという問題なのでありまして、これに関する従来からの
問題点
を簡単に申上げますと、先ず第一に、現在の
地方財政計画
の
基礎
にな
つて
おりますところの
財政規模
でありますが、この
財政規模
が果して妥当であるかどうか、こういう問題であります。従来から先ず第一に
問題点
として、この
財政規模
の
基礎
にな
つて
おります数字は、
昭和
二十五年の
決算
を
基礎
にしております。
昭和
二十五年の
決算
を
基礎
にいたしまして、その後の必要な
財政需要
を毎年伸ばして参りまして、現在第一次
補正予算
までに八千九百億という
財政規模
を作つそおるわけであります。これを
基礎
にいたしまして現在
平衡交付金
の算定をいたしておるのであります。その
昭和
二十五年の
決算
を
基礎
にいたしましたこと自体に
一つ
問題がありはしないかというのであります。これは
昭和
二十五年というのは御承知の
通りシヤウプ税制
ができました年でありまして、
昭和
二十四年以来
地方財政
が非常に
赤字
に悩んでおりまして、
財政規模
が非常に圧縮されて参
つて
おる。その非常に圧縮されて参
つて
おる
決算
を
基礎
にしておるから、ここに非常に実際の
財政規模
と狂
つて
おる。この問題が第一の問題であります。 第二の問題は、現在
市町村
でや
つて
おりますいわゆる
単独事業
、独自の
支出
によるところの
財政需要
の増加が十分に織込んでないというのが第二の問題であります。現在の
財政規模
の中には義務的必要のものは入
つて
おりますけれ
ども
、独自の
支出
によるところの、いわゆる
単独事業
というものが十分に見込まれていないのであります。現在の
財政規模
の中で六百七十億
程度
のものを
単独事業
として見ております。六百七十億というものは少いのではないか、この
議論
が常にあるわけであります。これが第二の問題であります。 それから第三に、
給与費
が過小である。これは毎
回議会
で問題にな
つて
おりますが、
市町村
及び
府県
の
職員
の
給与
と、国の
給与
とが非常に
単価
が違うのであります。従来から
市町村
の
給与
は国の
給与
より非常に高か
つたの
が通例であ
つたの
でありますが、それが
財源計算
的には同じ
単価
、同じべースであるという立場に立
つて
計算
がなされておる。教員なんかは特にその問題でやかましい問題があるのでありますが、
つまり
給与費
が非常に過小に見積られておるというのが第三の
問題点
であります。 それから第四の
問題点
は、
国庫補助
の
基本額
、
国庫補助職員
及び
国庫補助事業
というのがございますが、この
国庫補助
の
基本額
が非常に過小に出ておる。これはまあ
補助金
というものが非常に細分されて参
つて
おります。
従つて
、国の
予算
で上
つて
おるものを、そのまま例えば三分の一
補助
といろ
事業
があるといたしますると、三分の二の
地方負担
があるわけでありますが、それが
現実
には三分の二以上の
地方負担
にな
つて
おる、と申しますのは、基にな
つて
おるところの
基礎
が過小であるために、
地方負担額
にしわ寄せが来ておる、こういう問題がございます。これが
一つ
の大きな問題だそろうと思います。 それから第五に、
地方税
の現在の
財源計算
のうちで、
地方税
のうち
増税部分
に当るべきものが入
つて
おる。これはまあ具体的に申しますと、
市町村民税
の取り方にいろいろあるわけであります。第一のほうは
所得税
の一八%を取る
方式
、第二の
方式
は
所得税
の元でありますところの
課税
総
所得金額
を
課税標準
とする
方式
と、それから
税引所得
を
課税標準
とする場合と三つあります。その第一の
所得税
を
課税標準
にするという
方式
が、まあ大都市はそうでありますが、従来は、二十五年は大体第一
方式
が多か
つたの
でありますが、だんだん第二
方式
が多くな
つて
参りました。現在は八割五、六分のものが第二
方式
をと
つて
おります。第二
方式
をとるというのは、第一
方式
がとれなく
なつ
た、
所得税
が滅
つて
参りましたので、とれなくな
つたの
で第二
方式
をとりますと、大体
増税
にな
つて
おるのであります。
従つて
、その
増税分
が
財源計算
の中に入
つて
おる、これが大体八、九十億毎年入
つて
おります。それから
法定外普通税
というものが
財源
の中に入
つて
おります。これはよした額ではございませんけれ
ども
、
法定外普通税
というものは大体見合うところのものがありまして、これは目的税的に使われておりまするから、そういうものを
一般財源
として持
つて
行くのはおかしくはないか、こういう
議論
が前からあるのであります。そういうふうな従来の
財源
の
総額
、
地方財政
の
規模
の中に含んでおる問題があるのであります。この問題に対して
地方制度調査会
におかれましては、大体三百億
程度
のものが抜けておるような御
決定
をされております。細かく
計算
しまうと三百六、七十億になると思いますが、丸くいたしますと三百億の
財源不足
がある。更に
国家地方警察事務
を
都道府県
に委譲するということが
行政部会
のほうで
決定
されておりますので、なお国から
都道府県
に百四十億
程度
の
財源
を与えなければならん。
つまり
三百億と百四十億
程度
のものが更に加わ
つて
それを
財源
の
所要額
に加えなければならない。こういうことになるわけであります。併し一方積極的に
法令改廃
を
行なつ
たり、膨脹いたしました
行政機構
、
人員整理
を行いますならば、大体二百億円
程度
の
財源
が出るのではないか、こういう
決定
をされておるのであります。この内訳は大まかに申しますと、
国警
と
自治体警察
との縮減によ
つて
大体六、七十億の
節約
ができるわけであります。それから
教育職員
の
設置基準
の
法定
をいたしますと、その結果で大体五十億
程度
の
節約
ができはしないか。
各種
の
行政委員会
の
改廃
によ
つて
大体五、六十億、それから
各種
の
行政事務
の
整備
によ
つて
約三十億、合せて二百億
ちよ
つと出るのでありますが、大体二百億
程度
の
財源
は捻出される、その差額が
財源
の
所要額
としてプラスすべきものではないか。こういうふうに御
決定
にな
つて
おるのであります。これが
財源
の
所要額
の
総額
に関する
つまり
必要な
財源
が確保されるためには、もう二百四十億
程度
のものが必要ではないか、こういうことであります。 それから第二に
税制
の
改正
の問題でありますが、
地方税制
の
問題点
として現在までいろいろ言われておるものに
五つ
か
六つ問題点
があるのでありますが、それを極く簡単に申しますと、第一は税の
総額
が不十分であるということであります。現在
地方団体
の総
収入
のうちで税が占める地位が大体三五%ぐらいになります。
府県
におきましてはこれが非常に低くな
つて
おります。県によりましては全体の一二、三%、総
収入
の一二、三%のような県があります。一五%前後の県が非常に多くあります。
市町村
にな
つて
参りますると、これは四〇%乃至五〇%、非常に税のウエイトが大きくな
つて
参りますが、
府県
において非常に
総額
が不十分である。
従つて平衡交付金
に待つところが非常に大きいという問題が第一にあります。第二に、
道府県税
に普遍的な
税種
がないという問題があります。
道府県税
の一番大きいものは
事業税
でありますが、
事業税
も大体都市的な
税種
であります。それから
遊興飲食税
、
入場税
もやはり都市的な
税種
で、非常に
偏在
をいたしております。
従つて
普遍的な
税種
がないために
府県
の
行政運営
がうまく行かない、こういう問題が従来からあるのであります。
従つて
、
府県
に普遍的な
税種
を設けてもらいたいという
要望
があるのであります。これが第二の問題であります。第三の問題は
税源
が非常に
偏在
をしておるということであります。これは
事業税
、特に
法人事業税
を御覧になるとよくわかりますガ、これは非常に
偏在
をいたしております。それから
遊興飲食税
、
入場税
も非常に
偏在
いたしております。それから
市町村
のほうの
固定資産税
の、例えは
償却資産あたり
も非常に
偏在
いたしております。そういう
偏在和種
が非常に
地方団体
に多いために非常に
ロス
が多くな
つて
参ります。或る
一つ
の
団体
は、
偏在
いたしておりますために非常に有利にな
つて
おりますけれ
ども
、全体から見ますると
総額
の
計算
においては
偏在
しないような
計算
にな
つて
いますから、全体として見る場合には
偏在
しておるために非常に
ロス
が多くなるという問題があります。第四に
非課税規定
や
税率
の
特例
が非常に多くな
つて参つたの
であります。
事業税
の
非課税規定
、それから
固定資産税
の
非課税規定
、
電気ガス税
の
非課税規定
、そういうものがだんだん毎
議会ごと
に殖えて参ります。それから
税率
の
特例
が非常に多くな
つて
来ておる。
国税
のほうはそういうことはないのでありますが、例えば
事業税
で申しますと、クリーニングに対して特別な
税率
を作るとか、
散髪屋
に特別な
税率
を作るとか、風呂屋に特別な
税率
を作るとかというようなのが、毎
議会ごと
に
一つ
ずつ殖えて参るのであります。
税率
の
特例
が多くな
つて
来て、非常に
租税体系
が混乱をして参
つて
おります。この問題を何とかしてもらいたいというのが第四の問題、それから第五に、
課税手続
をもう少し
簡素化
してもらいたいという
要望
があります。で、これは独立税的な建前にした
シヤウプ税制
でありますから、
従つて
従来の
賦課秤制度
のものと違いまして、それぞれの
地方団体
において
調査
をし、
調整
をし、
徴収
する、こういうことにな
つて
おります。
従つて
、
徴税費
が非常にかかるのであります。
国税
でありますと、大体
徴税費
は、二・五%ぐらいが
徴税費
だと思います。ところが
地方団体
に参りますと、
県税
で大体二十六年は五%くらいでしたが、二十七年になりますと、六、七%にな
つて
いるかと思います。それから
市町村税
にな
つて
参りますと、
固定資産税
という厄介な
税種
がありますから、大体八%から九%くらいの
徴税費
がかかります。非常に
コスト
の高い税ばかりが
地方税
にありますから、そういうことになるのでありますけれ
ども
、この
徴税費
を何とか減らす
方法
はないか、もう少し
徴収手続
の
簡素化
を図る必要はないか、こういう問題がございます。 大体、大まかに申しまして、そういう問題が
地方税
の問題としてあるのであります。それに対して、まあ
調査会
におきましては、いろいろ
検討
をされた結果、そこにありますような一応の
結論
が出ているわけであります。第一は、
附加価値税
を廃止いたしまして、
現行事業税
及び
特別所得税
に改変を加えて存置する、これは今申しました点と
ちよ
つと離れておりますが、
シヤウプ税制
の一番問題になりました
附価値税
をどうするかという問題が、今まで長い間
検討
されてお
つたの
でありますが、
調査会
におきましては、
附加価値税
を廃止して、
事業税
及び
特別所得税
の名称を
事業税
に直しまして、
非課税規定
を廃止して存続する。
課税標準
はおおむね
現状
の
通り所得
を
基礎
にいたしまして課する、
つまり
内容
は人税的なもので多るが、表向きは物税的なものとしての
事業税
を存置して行く、これを残して
附加価値税
をやめる、こういうことに
なつ
たわけであります。 それから、新らしく先ほど申上げました
普遍的税種
を
府県
に与えるために、
道府県民税
を創設するということが第二に
決定
されております。これは
納税義務者
は、
市町村民税
の
納税義務者
の範囲でありますが、大体百七十五億
程度
の税を
徴収
し、
所得
の
段階
によ
つて税率
に差等を設ける。
徴収
は
市町村
に任せる。できるだけ
徴税費
のかからないようにいたしたい。
府県民税
というのは非常にいい
税種
でありますが、残念なことに非常に金のかかる税でありますが、
コスト
は、私
ども
は九%から一割、一割以上かかりはしないかと、こういうように私
ども
考えております。併し理論的に申しますと、こういう
税種
は必要なのでありますから、一応
調査会
では採用されたわけであります。
現実
には非常に金のかかる税金ではないかと私は思
つて
おります。 それから三番目に、この先ほど申しました
税源
が非常に
偏在
しておるという問題に対して、
遊興飲食税
、
入場税
のような非常な
偏在税種
は、大体大きな県の
五つ
か
六つ
かくらいで、半分ぐらいと
つて
おるのでありますが、そういう
偏在
しておりますところの
税種
を
国税
に委譲して、
税源
としては、委譲するこの大
部分
を更に入
品按分
によ
つて都道府県
に返して行く、
譲与税
と由しておりますが、
つまり
跡興飲食税び入場税
を
譲与税
にして、そして
財源
は国に置くが、
とつ
たものは環付してやる、
譲与
をする、こういう
方式
をと
つて
おられるのであります。 第二に、非常に
偏在
しております
償却資産
の、
固定資産税
の半分だけ
市町村
にやるが、半分だけは
府県
に移して行く、こういうふうにこれがきま
つて
おります。それからもう
一つ
、
市町村民税
のうちで
法人税
割というものは非常に
偏在
をしている、これは
法人税
と同じでありますが、非常に
偏在
をしているのです。その二割
程度
を
国税
に譲るということ、まあこの三つの
方法
によ
つて
現在の
偏在
の是正をしよう、こういうことであります。 それから次に第四として、新たに
財源不足
を、最初に申しましたように
松額
が非常に不十分である、こういう問題を解決するために、
たばこ
の
消費税
を新らしく創設する。で、
たばこ
の
消費
に対して、
都道府県
及び
市町村
にそれぞれ
たばこ消費税
を起させる。これは
府県
には大体
小売価格
の一〇%
程度
、それから
市町村
は二〇%
程度
の税額を
徴収
することを目途として
税率
を定める、この
徴収
の
方法
はできるだけ簡素にいたしまして、
徴税費
のかからないようにしたい。このとり方はこれは現在の
段階
では恐らく
本数
を、
売上げ金額
じやなくて、
本数
を
基礎
にするという
意見
が非常に強か
つたよう
であります。
税制調査会
のほうでもやはりそういうことでありましたので、恐らくそういうふうになると思います。
つまり
売上げ金額
をそのままと
つて
行かないで、一本幾ら、こういうふうな
計算
でとるのであります。
つまり
従価税でなくて従量税、こういうことになるかと思います。 それから第五に、
たばこ
及び
都道府県民税
の創設に
伴つて
、
市町村民税
中の
都道府県税
を減額すること、
つまり
これは
府県民税
を起しますけれ
ども
、その
府県民税
は
増税
ではなくて、
市町村民税
の
所得割
を減らして、
所得割
ばかりでなしに
法人割
も含むと思いますが、
市町村民税
を減らして、そうしてその分を
府県
のほうへ持
つて
行く、こういうことになるのであります。 それから第六に、
地方税
の各
税日
において、
非課税規定
及び
税率特例規定
、先ほど申しましたいろいろな
特例規定
を
整理
する。
徴収手続
につきまして、国及び
地方公共団体
の
協力体制
を確立する。 次は、その
財政状況
と睨み合せて
雑税
を
整理
する。現在あります荷車とか自転車とか、そういうふうな
雑税
が相当
地方団体
の税としてあるのでありますが、こういうものはできるだけ早く
整理
をする、こういうことであります。これが
税制改正
に関する
答申
の大体の
内容
であります。 それから次に岡及び
地方公共団体
間及び
地方公共団体
その他の
財源調整
に関する
事項
、これは簡単に申しますと、現在の
平衡交付金制度
というものがいいか悪いか、これを直す必要はないかという問題であります。現在の
交付金制度
というのは、御存じの
通り財政調整
と
財源付与
と二つの機能を課せられているのであります。ところが、この
地方財政平衡交付金制度
についてていろいろまあ従来から非難があるのであります。それは
総額
の
予算計上
に当
つて
、例年のように国と
地方団体
との間に
争い
が絶えない。毎
予算
時期になりますと、
地方団体
の連中が押し掛けて参ります。そうして
大蔵省
乃至国会にいろいろ
陳情
を申上げて、
交付金
の増額を要求している。こういう
争い
をやめたらどうか、こういうことが
一つ
であります。 それから第二の問題といたしまして、
交付金
の
交付額
というものは
年度
当初によくわからん。
年度
の途中にな
つて
、まあいろいろ
改正
をされまして、
地方団体
としては非常に迷惑をしているのじやないか。
従つて
、もう少しはつきり
地方団体
に
年度
当初にわかるような
方式
に変えたらどうか、こういう大きな問題があります。こういうふうに
地方財政
そのほかにもいろいろ
地方財政平衡交付金
につきまして、
議論
があるのであります。で、
地方財政平衡交付金
を昔のように
分与税制度
に直して行
つた
ほうがいいではないかという
意見
が一方にございます。どちらがいいかということでありますが、私
ども
は
平衝交付金
のほうがいいのじやないかと思
つて
おりますけれ
ども
、それについていろいろ
議論
がありまて
交付税
という一種の税の形を
とつ
たらどうかという
意見
が出て参りましてそうしてそういう
方式
に
なつ
たわけであります。
平衡交付金制度
をやめまして、
地方交付税
ということにいたしまして、今までのような
財源
の細かい
計算
をして
平衡交付金
を出す、こういう恰好でなくて、
所得税
とか
法人税
、酒税のそれぞれ
一定割合
を
法定
いたしまして、それによ
つて年度
当初に
交付税
の
総額
をきめて、もう動かさない、こういう
方式
にしたらどうか、こういうことであります。ここにいろいろ書いてありますが、大体
内容
はそうでありまして、その九二%は
普通交付税
にし、八%は現在の
特別交付金
のように
特別交付税
にしたほうがよろしい、こういうことであります。ただ
年度
の半ばに非常に
財政需要
が多くな
つて
参りましたり、それから
財政需要
が減少したりするような場合がございますので、そういう場合の
年度
間の
調整
を図るために
特別会計
を設ける、そして超過した場今と不足した場合との措置を考えて行
つた
らどうかというのが、この五に書いてあることであります。
つまり
「繰入額が
普通交付金
の
総額
の九十二分の百四
程度
をこえる場合は、そのこえる額をも
つて
2により借り入れた
金額
を返済し、なお余りあるときはその
超過額
は
特別会計
において積み立てる」、
つまり余り
があれば積立てをし、足りなければ借り入れをするということによ
つて年度
間の
調整
をしよう、こういうふうにな
つて
おります。
税制調査会
のほうの
答申案
はここのところは少し違
つて
おりまして、これはやらない、やらないで
特別交付税
の八%でも
つて
操作する、こういうことにな
つて
多少異
つて
おります。まあそういうのが
交付税
の
制度
であります。 それから第四に
地方債
の
制度
でありますが、最近の
地方債
の
現状
を見ますると、
地方債
というのはもとは非常に
政府資金
に依存しておる率が多か
つたの
であります。一番昔には大体
公募公債
でありましたが、大体戦争中から戦後にかけて九一%から九四、五%は
政府資金
に依存してお
つたの
であります。ところが
資金部資金
が
財政投資
、
産業投資
、いろいろな方面に出される結果、
地方団体
の
起債
に充当される額が非常に減
つて
参
つて
おるのであります。現在では四五%、
起債総額
の半分ぐらいしか
政府資金
はないということになるのでありますが、昔、
昭和
二十四年は九五%であ
つたの
でありますが、それが現在では半分以下にな
つて
おります。現在
起債
の
総額
は千二百十八億でありますが、
公募
が非常に殖えて参
つて
おります。それで本年の
公募
も現在までのところ二百二十五億ぐらいにな
つて
おりますが、そのほか
地方団体
の一時
借入れあたり
でも銀行を非常に使
つて
おりまして、
資金部資金
をなかなか借りるのがむずかしくな
つて
おります。
公募債
が非常に殖えて参りましたので、その
公募債
の消化を図るためにどうしたらいいかというのが問題になるわけであります。それに対して
地方公共団体中央金庫
というものを設けたらどうかという
意見
が
地方団体
間にあるわけであります。それを取上げられまして、
地方団体中央金庫
を作るということが、この
地方債制度
に関する
答申
の
内容
の第一であります。 第二の点は、現在の
地方債
の
許可手続
につきまして、
許可
及び融資の
手続
が非常に煩雑にな
つて
おりますので、それをもう少し
簡素化
したらどうか、こういうことで実際問題として
大蔵省
と私
ども
のほうでいろいろ協議をしておるのでありますが、それに対して
調査会
のほうでも、ここにありますような
簡素化
の
方式
をお示しにな
つて
おるのであります。 それから第五でありますが、第五に
赤字地方公共団体
の
財政再建整備
に関する
事項
、これは
赤字団体
が非常に殖えて参りまして、二十七
年度
の
決算
で見ますると大体
赤字
の
総額
が三百億くらいであります。そのうち
府県
が百四十億、
あと残り
が
市町村
ということになります。
府県
の
赤字
、これは形式上の
赤字
と実質上の
赤字
と両方ありますが、約百四十億くらいと記憶しておりますが、全体の
地方団体
で約三百億くらいあります。この傾向がベース・アツプことに
赤字
が殖えて参
つて
おります。
従つて
、この
再建整備
をまあしなければならないという声がほうぼうからあるのであります。
地方制度
の
改正
を機会に従来の
赤字
を
整理
する
方式
を
一つ
考えるというので、いろいろ研究の結果、ここにありますように、簡単に申しますと
赤字
の
整理計画
を立てて、そうしてその場合には必ず税を二割以上
徴収
するか、それに代るような
節約
をするか、どちらかの
方式
をと
つて
行く。国はこの
赤字
に対して二百億を
限度
として
地方
の
赤字起債
を認める、こういうことであります。で、一応その
再建整備計画
を立てて、
赤字起債
をやる
団体
に対しては相当準禁治産者的な制限を加える、これが
再建整備
の
内容
であります。将来の
赤字
の問題もありますが、一応この
赤字公債
で以て
再建整備
をやらせるということであります。その場合大体二百億を
限度
として、原則として五年償還の無利子、こういうふうに
決定
されておるのであります。 それからその次に
国庫支出金
及び
使用料
、
手数料
に関する
事項
であります。
国庫支出金
及び
使用料
、
手数料
につきましていろいろ従来問題があ
つたの
でありますが、
補助金制度そのもの
に伴うところのいろいろな讐がございます。例えば非常に総花的に
補助金
がまかれておりますために起るところの弊害、それから
補助金
を通じて人事に干渉して行く、これは各省がしております。それから非常に少額の
補助金
のために非常に煩瑣な
手続
をしなければならない。例えば十万円か二十万円くらいの
補助金
のために
地方団体
の
職員
を東京に出張させて、そうして書類の
整理
をさせる、旅費と
補助金
とが殆んど違わない、こういうふうの例も
現実
にあるのであります。そういうふうなものとか、非常に
陳情
が多くな
つて
参りまして、そのために労力と経費が非常に嵩んで来る、こういう問題もございます。それから
補助金
が多くな
つて
参りますと、
監督
とか
監査
とかいう名前でも
つて
二重、三重の
監督
、
監査
を受ける。そのために
地方団体
は非常に困
つて
おる。こういうふうないろいろ
補助金制度
をめぐ
つて
の問題がございます。それについていろいろ御
検討
の結果、ここにありますような
結論
が出ておるのであります。現在
地方団体
で申しますと、
補助金
の
総額
は大体二十八
年度
の当初
予算
では二千三百八十四億であります。それに見合うところの
地方負担額
は千八百億であります。
事業
の
総額
は合せますと四千百八十億、これは全体の歳出の四九%にな
つて
おります。全体の
地方
の歳出の四九%が
補助金
及び
地方負担額
であります。で、税及び
交付金
のこれは四一%くらいに当
つて
おりまして、
地方財源
としては非常に大きなものであります。これに対して公共
事業
費に対する総花的な
補助金制度
を
検討
して更に効率的な
補助
制度
を、国庫負担の
制度
に改めるというふうに、これは
府県
の例を見ますと、例えば県で申しますと十五万円以下の
補助
が百種類ぐらいはあると思います。非常に細かい、例えば県で千円ぐらいの
補助
があるのであります。意味はないのじやないかと思うくらいの、まあ旅費の
補助
みたいなものでありますが、そういう詰らん
補助
がたくさんございますので、そういうものを
一つ
この際やめてもらいたい、こういう意味であります。 それから義務教育につきまして、全額国庫負担及び半額国庫負担と、二つの説がございますが、
制度
調査会
では現在の半額国庫負担
制度
がよくて全額国庫負担
制度
はとるべきものじやないという
結論
を出しております。 それから警察
制度
が今度
国警
と自治警と一緒になりまして
府県
に参るわけでありますが、その場合に警察行政に対する
国庫支出金
をどうするかという問題でありますが、これは義務教育とは異な
つて
教育、装備、通信、鑑識等の極度に全国的百
調整
を必要とする経費については、全額を国庫負担にする。それ以外のものは大体
地方負担
にする、こういうことにな
つて
おります。これを半分に、昔のように分担金といいますか、連帯支弁金の
制度
にするかどうかということが問題に
なつ
たわけであります。そういう連帯支弁金
制度
ではなくて、全国的
調整
を必要とする経費のみを
金額
国庫負担、それ以外を
地方負担
、こういうことに
決定
されております。 それから
国庫補助
負担金は先ほど申しましたように、特に存続を必要とするもの以外は
一般財源
に振替わり、少額のものは
整理
してもらいたい、こういうことであります。それからまあ
手続
を非常に簡素にしてもらいたい。それから
許可
認可
制度
をもう少し
整理
してもらいたい。それから
使用料
、
手数料
を原則として
地方公共団体
の
決定
に委ねてもらいたい。これは国でいろいろな法令がありまして、その法令に基いて
使用料
、
手数料
はきま
つて
おるのでありますが、必ずしもこれが各省の間でうまく均衡が保
つて
おるかどうかというような問題がございます。
従つて
、これは
地方公共団体
に全部任せて、それぞれの
使用料
、
手数料
の料率をきめるようにして頂きたい、こういうことであります。 それから最後は自転車競走、小型自動車競走、モーターボート競走による売上金の一部を国庫に納付させる
制度
は廃止してもらいたい。これは
地方財源
として
地方団体
が取るようにしてもらいたい。現在はたしか八%か九%が国のほうに参ります。そのうち自転車におきますと、連合会が三%ぐらい取りますが、あとは国に参るわけであります。 それから最後に、大都市
制度
に関する
事項
でありますが、これは
行政部会
のほうで警察及び教育
制度
が大体大都市が
府県
と同じようになりまするので、そのために必要なこの
調整
措置を考えなければなりません。
従つて
、まあ税につきまして
調整
の措置を図る必要がありますので、大都市の区域に属する
償却資産
税、
たばこ消費税
、自転車税は大都市のほうに持
つて
行く。
府県
税から大都市のほうべ移す。それから道
府県
の
遊興飲食税
及び
入場税
のうち、大部市の区域にかかる分は大都市に持
つて
行く。これは教育及び警察が大都市に移りますために、非常に
財政需要
が多くな
つて
参りますので、それに見合うところの税を移して行くということであります。 それから
地方交付税
のうちの交付基準についても特別の配慮を加えてもらいたい。現在は
平衡交付金制度
で態容補正ということで、補正係数で以て
財政需要
を延ばしております。そういう措置をと
つて
おりますが、それでも十分に見られない点がありますので、更に特別な配慮をしてもらいたいということであります。 それから最後の
地方債
の配分についても特別な配慮、大都市でありますために、普通の都市にはない異常な
財政需要
があるのであります。それに対して現在の枠の中で、もつと考えてもらいたいということであります。大体
財政部会
の
答申案
を概括的に簡単に申上げた次第であります。
大矢半次郎
3
○
委員長
(
大矢半次郎
君) 御質疑はございますか。
松永義雄
4
○松永義雄君 質疑の前に……。今の
地方制度調査会
ですか、そこで速記録があ
つて
一冊にまとめるのじやないですか。そこでや
つて
いないのですか。
後藤博
5
○
説明員
(
後藤博
君) 速記録はあります。まとま
つた
ものじやありませんけれ
ども
、毎回の速記録はございます。
松永義雄
6
○松永義雄君 それをまとま
つて
何か謄写版刷りか何かしたようなものはたいですか。
後藤博
7
○
説明員
(
後藤博
君) ちやんと印刷たものができていると思います。
松永義雄
8
○松永義雄君 それじやそれを一部づつもらいたいのですが。
後藤博
9
○
説明員
(
後藤博
君) 非常に厚いですよ。非常にたくさんあるのですか
松永義雄
10
○松永義雄君 財政だけでいいですよ。
後藤博
11
○
説明員
(
後藤博
君) さあ、余分がありますかどうか。
松永義雄
12
○松永義雄君
委員長
一つ
骨折
つて
もらいたい、無理なくもらえるようでしたら……。
大矢半次郎
13
○
委員長
(
大矢半次郎
君) できるだけ御都合をつけて配付して頂ければ結構です。
後藤博
14
○
説明員
(
後藤博
君)
一つ
聞いてみましよう。私よくわかりませんけれ
ども
……。
森下政一
15
○
森下
政一君 この
財政部会
の
答申
とは別なんですが、
行政部会
が
答申
して総会で
決定
したことの中に、
府県
の性格の問題を明らかにしておりますね。これがかなり
財政部会
の
答申
に関連を持
つた
と私は思うのですが、
自治庁
の端的な考えとして、この
答申
に現われている
府県
の性格、即ち、国と
市町村
との中間に位いしている広域自治
団体
で、国家的な性格を有する事務を処理するものだから、この
答申
で余ほど
府県
というものが国の出先機関のような性格が明瞭にされたと思うのですが、このことはどうですか。
自治庁
の考え方としてはこれでいい、これでいいというと適当でないかもわからんが、この
答申
をそのまま呑んでいいというふうなお考えができておりますか、どうですか。ということは、なぜ私がこういうことを聞くかというと、私は
行政部会
には出席してないのでよく知りませんが、中には、
府県
はこの際廃止したらいいじやないか、
地方
自治を伸長して行くということは、要するに
市町村
を培養して行くことである、
府県
というものは不用だ、これがあるために不必要に国民の税負担というものが過重になるきらいがある。これはもう止めたほうがよろしいという
議論
がかなり行われたようであるのですね。
税制
審議会の例えば代表的な大日本紡の社長の原吉平さんは、極力その主張をされたという話を聞いているのですが、どうもそういうと、あなたがたには耳障りになるかもわからんが、
自治庁
の役人さんたちは、何とい
つて
も現在の
府県
の人たちとは非常に親密な関係にあるというか、知合いも多い、そういう関係か知らんが、
地方団体
で言えば、従来
市町村
というものは比較的なおざりに考えて、
府県
というものを中堅的に考えて来られたようなきらいがあるように私は思うのですね。だから今度こういう
答申
が出て、
府県
の性格というものは、国家的な公益的な事務を処理するのだ、それが大
部分
の仕事だ、いわゆる
地方
事務というものは、
市町村
が、これが担当するのが本来的な姿である、こういうことが打ち出されたと思いますが、そうな
つて
来ると、今後のいろいろな財政問題なんかにしても、
市町村
というものをかなり大きく取上げた考え方が
自治庁
自体においてなされて行かなければならないと思うのですが、そういう意味でこの
答申
を妥当なり、そういう考え方で行こう、こういう心情えができているかということを聞きたいのです。
後藤博
16
○
説明員
(
後藤博
君) 私がお答えする筋ではないと思うのですけれ
ども
、まあ、これにつきまして、
調査会
の
答申案
全体につきまして、実はまだ政府として、どれを採
つて
どういうふうに考えるかということをきめておりません。実は今日の午後ぐらいから
一つ
始めようじやないかということで本当は午前中からやりたか
つたの
でありますが、私がここに出て参りますし、それからほかのほうにも出て参る者がありまして、そして午後にやることにな
つたの
であります。大体事務当局として全体のうちどれとどれをと
つて
行くか。全体をとるかという問題もありますが、どういうふうな考えで行くかということを一応事務的にきめて、そして政府の
決定
されるところの材料にしてもらいたい。そして各党の御
意見
もお伺いしたい、こういうふうに思
つて
おるのですが、まだこれをそのまま採るかどうかというところまで行
つて
おりません。確定的な
意見
がまだ出ていないわけであります。
森下政一
17
○
森下
政一君 その点で第二番目に私が開きたいということは今おつしや
つた
点なんですが、折角こういうふうな
地方
自治
制度
調査会
の
答申
が出たわけなんですが、殊に財政面ではあの会合の空気はあなたが目の当り目撃されてよく御承知の
通り
なんですが、利害関係を持
つて
おります各
団体
の中で、みんな不平を言うておる。一応表向から観察すると
府県
も不満足、都市も不満足、なかんずく大都市も不満足、それから中小都市ももとより不満足、
市町村
も又不満足だと、こういうふうにまあ述べてはおる。だけれ
ども
本当の腹の中を考えてみると、不満足ではあるけれ
ども
、この
答申
に盛られた
内容
というものに対して、殊に財政面については真底から反対しているものがあるとすると、東京都と大阪府ぐらいだと思うのです。ほかは不満々々と言いながら実は現在よりよくなるというので、もう中小
府県
の都市は大歓迎、それから大都市も先ずこれで、財政的措置の避け得ない面はたくさんあるけれ
ども
一歩前進だというので満足しておる。殊に
行政部会
の
答申
においても、大都市
制度
というものが認められ、
財政部会
も又その裏付けの税財政の措置を講じておるというから、これはまあ非常な、非常なと言うとどうか知らんが、都市も又大歓迎しておると私は観察しておる。中小都市においては勿論のこと、町村も大体これでいいというので満足しておる。だから本当の内心のところはこれが全面的に受入れられて政府において実施されることに
なつ
たら本当に不平を持
つて
おるものと思われるのは東京都と大阪府ぐらいであ
つて
、それはみなほかのところは満足たというのが私は本意だろう、真意だろうとこういうふうに伊うのですね。そこでこれを政府が全面的に採択することが望ましい。そうして立法化してもらいたい。そうでなか
つた
ら、この
答申
というものは何にもならん。殊に財政面においてはこの中の
一つ
だけを取上げて他を捨てられるということになると、これはもう
答申
を作るのに苦労した
調査会
の労苦というものは水泡に帰してしま
つて
、どれ
一つ
除外しても必らずどこかにしわが寄
つて
来るということになるのではないだろうか。とるなら全面的に取消さなければならんと私は思う。そのためだと思いますが、
税制
審議会のほうが出しておる
答申
も、
地方制度調査会
の
財政部会
の
答申
というものをかなり尊重して、それと並行的に歩調を合して行けるような工合に
答申案
が出されておると、こう私は見ておるのですが、そこで事務当局としてどの
程度
までこれを政府に採択を要請して行こうというお腹構えができておるものだろうか。又これは昼から談判に入るので、今
ちよ
つと渡し得ずという
段階
にあるかも知れませんが、差障りのない
程度
にこれを確めたい。私が今日ここにあなたに来てもら
つたの
は一番の狙いがそれなんです。
後藤博
18
○
説明員
(
後藤博
君) どうも行、財両方にわた
つて
の御
意見
のようでありますが、私は財政のほうの立場、私は税から財政のほうに途中で代りましたから税のことを申上げるのは
ちよ
つと筋が違うかも知れませんが、行政のほうを一応固めてもらわなければ財政のほうは困る。一応
段階
的には行政をはつきり固めてもらいたい。
行政機構
は大体今の
答申案
の
通り
やられるようでしたから、財政はそのままや
つて
よろしい。併し行政のほうが、例えば警察よりもむしろ教育が問題なのではないかと思う。教育関係がこの
通り
ならなか
つた
場合には、財政面から申しますと非常に又混乱して参るのであります。
税制
そのものはいいかも知れませんが、非常に全体が狂
つて
しまいますので、やるんだ
つた
ら全部や
つて
もらいたいというのが私
ども
の希望であります。その上で税及び
財政制度
というものをそれに合して行きたい。これは全体としては合
つて
おると私
ども
は思
つて
おります。ただ財政の中で直ぐやらなければならんことと、そうしないこととは財政の中にもございます。例えば政府は直ぐやらなければなりません
国税
にするか、
交付金
にするかということは、これはどつちにした
つて
地方財政
から見れば大した問題はないのであります。
現状
をどこがいいかということ、これは比較の問題であります。それから中央金庫の問題もやはり同じような問題があります。
従つて
行政のほうの問題とは非常に異
つた
ものが財政のほうにはあると思います。一応まあ前提として行政
制度
のほうを早く固めてもらいたい。その固
つた
上で我々の財政はどれとどれをつけるか、先ず税をつけなければならんと思います。その税をつけて、併せてほかの
制度
とも、
交付税
の
制度
と何かを合せて出す。それから
再建整備
のほうも出さなければならんし、そういうふうに順序を立てて行きたいと思うのですが、どうか事務的に、いくらこれをや
つて
もらいたいと言われても、政府全体の気がうまく調子が合わなければやはり私
ども
のほうだけでやるのではないのでありますから、その関係省の法律でも
つて
やらなければならん。例えば御
決定
したら御
決定
したところ自体が出す法律であります。それだから教育関係でしたら、文部省自体が出す法律でたければならない。それがどういうふうに変化するか。如何に変化するかによ
つて
財政は崩れて行くのであります。その行き方を成る
程度
見通しを立てる
段階
でない、財政のほうはくつついて行けないと、こういうように私は考えておるのであります。
森下政一
19
○
森下
政一君 それはおつしやる
通り
で、行政の方面で若しこの中で採択されるものと採択されないものと、できる。例えば今あなたが例として挙げられている教行政が、その
答申
通り
行かなければならんというのは、財政面に影響して来るというの、おつしやる
通り
であります。
地方制度調査会
でも、
財政部会
は
行政部会
の
答申
の出るのを待
つて
、出たものを一応前提として、その政府財政の裏付けをするというのは、
財政部会
の仕事の
一つ
でなければならんという行き方をや
つた
わけですね。だから今おつしやることはよくわかる。ところで、こう解釈してよろしいのですか。今おつしや
つた
ことは、若し行政面の
答申
が全面的に採択されるということになれば、
財政部会
、殊に税の面ですが、これはもう全面的にこのまま採択されるべきだ。事務当局の見解としては、そういう考えを持
つて
おられる、こう解釈してよろしいですか。
後藤博
20
○
説明員
(
後藤博
君) 税の問題、税の中で個々のものは、税のやり方をこの
通り
やるかどうかということにつきましては、これは税務当局にも、私
ども
にもいろいろ
意見
があるようであります。併し大きな筋は別に反対ではないのでありますが、ただ問題は例えば
入場税
、
遊興飲食税
を
譲与税
にしたほうがいいか、そのまま
地方財源
に移行しておいて、
現状
通り
でよいかということが
一つ
ある。これに対しては
税制調査会
は
自治庁
のほうに、はつきりした
意見
を求めております。
事業税
、
入場税
、
遊興飲食税
、これは
地方財源
として存置しておいてもらいたい、こういうことであります。この問題は
府県
と国とが問題でありまして
市町村
とは余り関係のない問題であります。ですから、全体の税の
総額
については大した変りはないのであります。国は一割ぐらいしか持
つて
行きませんから、
府県
と
府県
との間の問題でありますから人口で配分するか、そうでなしに現在の
偏在
をそのまま認めた
制度
にしておくか、これだけの問題でありますから、その辺が
ちよ
つと
自治庁
の事務当局の
意見
と多少違
つて
おります。それから例えば
固定資産税
のやり方、
償却資産
税のやり方等についても、これ以外の
方法
はあり得ないという
意見
もあります。
従つて
この
償却資産
税を設けること自体は別に反対ではないのであります。多少やり方については問題は事務的にあるのであります。
従つて
この
通り
ということにはなるかどうかということには私
ども
はつきりしたことを申上げられないのでありますが、大体
財政部会
の
答申
を
基礎
にした方向において
税制改正
をして行くという基本的な考え方は私はと
つて
行くべきであり、又そうなるだろうと思
つて
おります。
森下政一
21
○
森下
政一君 今
自治庁
の各事務当局の考え方として、
税制
審議会でははつきり
意見
を表現したとおつしや
つた
遊興飲食税
及び
入場税
ですね、それを
地方財源
として存置して行く、強く堅持して行
つて
もらいたいということを一言
つた
というお話ですが、
地方制度調査会
の
財政部会
ではこれを
国税
に移管する、そうしてその人口に按分してその大
部分
を
府県
に返してやる。これは私は
シヤウプ税制
の、シヤウプ勧告による
税制
改革の行われた当時に各
地方団体
がそれぞれの個有の
財源
を与えられたところは非常にいいことだと思いますが、そういう点に眩惑されて無批判にいいことだと私
ども
は考えて、私
ども
というと語弊があるかも知れんが、私自身はそう考えた。ところがその後における
地方団体
の財政事情を見てみると、
府県
は比較的、
府県
という中でも特に大
府県
ですね、比較的財政に余裕があるところは黒字である。ところがその
府県
の中にあるところの都市、なかんずく大都市というものは従来健全財政をと
つて
お
つた
ものなどは連続的に
赤字
である。
単独事業
を
整理
したり、人員や
整理
したりしてもなお且つ
赤字
で困難を来たしておる。一体どこでそういうことに
なつ
たかをだんだん究明してみると、結局
遊興飲食税
とか或いは
入場税
とかいうものが
府県
の
財源
にな
つて
しま
つて
おる。これは景気の変動に敏感に響くもので、エラステイシテイーを持
つて
おる、弾力性に富むものである。
府県
は
遊興飲食税
でどんどん税収が殖えて行く。ところが市のほうは
固定資産税
とか市民税とか、すぐ景気によ
つて
左右されないようなものが主なる
財源
にな
つて
おるというところに結局しわ寄せが都市に生れて、
赤字
財政に悩まなければならんことにな
つて
おる。だから今度の
地方制度調査会
の
答申
の中でこの両税を
国税
に移管するということは、
地方
に与えられてお
つた
財源
を取上げるというだけの短所、欠点からの反対論はあ
つて
も、
偏在
を是正するということでは、而もすべてに潤おいを与えるものだということでは、これは私は
一つ
の非常にいい
答申
をしておると、こう考えておるのですがね。ところがいずくんぞ知らん
自治庁
が現在の
偏在
をそのままに認めて、
地方財源
に存置することがいいのだというようなな事務当局の理由は一体どうですか。
後藤博
22
○
説明員
(
後藤博
君) 私
ども
としては一体
税制改正
をしてもらいたいということは、
地方団体
に二分の一基本的な自主
財源
を殖やしてくれということであります。自主
財源
を殖やしてくれというのが大事な
議論
であります。これは
地方
自治
団体
としては当然なことだと思うのであります。そういうことを言いながら
府県
の一部の人が
入場税
、
遊興飲食税
を取上げられることにどうして賛成するのかということが
一つ
の問題であります。私
ども
は
偏在
是正とか、いろいろおつしやいましたが、大都市、
府県
のほうに置いておいても可能ではないか、例えば
府県
でとりまして半額を
市町村
に人口按分して還付してやるという手もあります。それによ
つて
偏在
も流せる。
偏在
是正は
府県
の
財源
、
地方団体
の
財源
として置いておいても可能ではないか。その可能な
方法
を考えないで持
つて
行
つて
しま
つて
、
譲与税
の恰好にしますということは本当の自主
財源
ではないではないかということなんであります。従来の基本的な考えと逆行するような主張をするのはおかしいじやないかということでありますが、
税種
として考えても私は
遊興飲食税
のようなものはこれは
国税
の
税種
ではない。
税種
からしてもうこれは
地方団体
の税であると、こういうように考えております。まあ私
ども
の連中の
意見
は大体そうであります。
森下政一
23
○
森下
政一君 ここであなたと論争をしてもしようがないことになるのですけれ
ども
、先年
遊興飲食税
なり入掛税なり、元来が
国税
であ
つた
ことがあるわけでありますね。それを
地方税
に移管するということを
大蔵省
は非常に反対した。反対したということはこれを移譲することによ
つて
実は税収が必ず減
つて
来る。国の税にして置くことによ
つて
仮に一〇〇%の徴税ができるものならば、恐らく半減するだろうということを言うて大蔵当局の
意見
はこれに猛烈な反対であ
つた
。ところが
地方
に
財源
を与えることがいいとシヤウプ勧告でやられたものだから、ひとたまりもなくそう
なつ
たものですが、ところが実際の実情はどうかというと、各
府県
とも料理飲食業組合、それらのそれぞれ喫茶店なら喫茶店、旅館は旅館、料理屋は料理屋というものの組合との折衝によ
つて
馴れ合いの徴税をや
つて
、それで定めておるところの税金なんか取
つて
いないというのが本当であります。さればこそ今日なんか
国税
移管ということが具体化されると、早くも猛裂な反対運動をどんどんや
つて
、幹部連中も若しこれに賛成すれば、
国税
移管に賛成されるというなら、この次はあなたに投票しないと脅かされるものだから、甘い返事をして、大局を見ることを忘れて、単なるあなたの今言われたような
地方
に
財源
を与えておくことがいいというようなだけの単純な理由で、
国税
移管に反対なりということを軽々しく言われておる連中がある。私は非常にこれは大局を見ておらんと思うのですがね。 そこであなたの言われるように、如何さま
地方
の
収入
を殖やしてもらいたい、
財源
を殖やしてもらいたいということが
地方団体
の年来の担いであ
つた
には違いないと思うけれ
ども
、そうならばこの
偏在
は
地方財源
として残しておいても、例えば半額を
市町村
に移譲しよう、県から
市町村
に移譲しようというようなことで是正できるじやないかとおつしやるが、その是正よりも国が取上げておいて各
府県
の人口に按分して返すというほうが、その是正の普遍性ということから非常に豊かにな
つて
来ると私は思うのだが、同時に
自治庁
の事務局が言われるように、成るべく国のほうから
税源
を
地方
に委譲さして、これまでもら
つて
おるものはそのまま取
つて
おるということはやらずぶ
つた
くりなんだ、国の事情というものを一面考えて見ると、それは今までも四苦八苦しておるのである。その中から
たばこ消費税
を出せ、酒の
消費税
を出せ、但し俺たちの持
つて
おるものは何もかにも国に返してやらんぞということでは国の財政というものは成立
つて
行かない。総合的に全体を観察して行くことが必要だと思
つて
、これは私はあなたと論争しても
結論
が出ることじやないけれ
ども
、
自治庁
事務当局が大所高所に立
つて
観察されることが必要じやないかと思うのですが、どうですか。
後藤博
24
○
説明員
(
後藤博
君) まあおつしやるような考えもときどき承わ
つて
おりますけれ
ども
、従来から私
ども
実
財源
を多くするという主張、これはそのためには全然持
つて
おるものを出さないという意味じやありません。今までただ
大蔵省
系統の連中が盛んに言
つて
おりました
法人税
割、これも二割しか出しませんけれ
ども
、もう少し出してもいいかと思います。丁度これはこういうものは欲しくなくて、逆に
遊興飲食税
、
入場税
が欲しいということを
議論
されたので、
税制調査会
においても同じような
議論
がされております。但し
遊興飲食税
、
入場税
が欲しいという理窟が私
ども
よくわからんのであります。
偏在
も多いことはそれは事実であります。とり方も非常に悪いことも、これは
遊興飲食税
においても大
府県
においては成るほど悪いのであります。併し
国税
のときが十分にとれたかというと、そのときでも非常にむずかしい税で、とりにくか
つた
問題の税であります。私
ども
のところに参りましても、だんだん
徴収
率は上
つて
参
つて
おります。これはまあ
府県
によりまして非常に悪いところがありますけれ
ども
、全体的に見ますると、非常に
徴収
率がよくな
つて
伸びておる税でありまするから、私
ども
としてこういう伸びる税もやはり
地方団体
に置いてもらいたい。それから
税種
としてもこれは
地方団体
の税で、
遊興飲食税
というものは小さい
法定
外の普通税で雑種税から始ま
つた
ものであります。
国税
として持
つて
行くのはおかしくはないかというのが私
ども
の気持としてあるわけであります。
偏在
の是正の
方法
としては私
ども
別に
方法
もあるのではないか、
従つて
譲与税
という恰好で持
つて
参りますと、これは実
財源
ではなくて非常に不安定な
財源
ではないか、まあ
平衡交付金
のようなものではないかも知れませんけれ
ども
、非常に不安定のものではないか、本当の実
財源
とは言えないものでありますが、
地方団体
としては非常に困る、こういうふうな気持が抜けないのであります。
間違
つて
おるかも知れませんけれ
ども
……。
森下政一
25
○
森下
政一君 大体
遊興飲食税
、
入場税
というようなものは営業をや
つて
おる人が納税はしますけれ
ども
、その税なるものは実はお取次ぎしておるだけに過ぎないはずなんで、納めておる人は遊興しておる人なんだ、飲食する人が納めておるわけなんだ、それを百と
つて
おいて五十だけ馴れ合いで納めるということは、彼らに非常に都合のいいことなんだ。それなればこそ
国税
移管に反対しておると思うのだが、そういう不公正なことを
自治庁
みずから
ちよ
うちん持ちをするような考えを持つちや困ると私は思うのです。何も営業しておる料理屋が納めておる税金ではあるけれ
ども
負担していない、お客さんが負担しておる。それを公正に取次ぎをせずに自分の懐に入れて私腹を肥やしておる。それだからこそ
地方税
に存置しておいてもらいたいと彼らが言うておる。それの
ちよ
うちん持ちをするような態度にな
つて
もらうということは僕は非常に困ることだと思うし、殊に国全体として今財政的な
収入
をどこに求めるかということに悩んでおるときに、そういう不公正なことが行われておるものはすべからく是正すべきなんだ。私はこれを
国税
に移管することによ
つて
偏在
を是正することもできる、全体が潤うものをやるべきだと思うし、それからこれを
国税
に移管することによ
つて
、これを
国税
にもらえるのならば、
たばこ消費税
も出そうという気持にも
大蔵省
は
なつ
たと思うのです。それを
大蔵省
は一体
地方税
であるものを
国税
に取上げて、その大
部分
を
地方
に返えすならば何にも得るところがないじやないか、而もこれを
国税
に移管するならば、
たばこ消費税
を出してもいいんだというような気持にな
つたの
はなぜかということになるかもわからんけれ
ども
、国がこれをとることによ
つて
今
地方団体
がとるよりも余計とれる、百
とつ
たものを百返えすんじやない、そこには徴税をするところの
大蔵省
側の費用もかかるし、多少の潤いがあるだろうということで、河野次官は九〇%まで
地方団体
に返えせというのを飽くまで
大蔵省
の考えとしては八〇%ということを力説してお
つた
。恐らく私は、国が
国税
に取上げることに
なつ
たら
地方
に還元するのは八〇%くらいで
大蔵省
が抑えるのじやないか、而もその僅かな鞘を国が稼ぐのだけれ
ども
、実はその
金額
は現行
税率
に据置いても相当なものだということを睨んでおるのだと私は思うのですが、
自治庁
みたいにやらずぶ
つた
くりを考えておるのでは、やる代りにくれということにならん。而もその
市町村
はどうかというと、
徴税費
は何にもかからないのに、
たばこ消費税
なんというものをもらえる、非常に私は有難いことだと思うのです。併しこれはあなたとここで論争してお
つて
もしようがないと思うのですが、一番私の今日聞きたか
つたの
は、願くば長官に言
つて
もら
つて
、どのくらいの決心を持
つて
この
答申
を政府をして採択せしめるという勢いで閣議に臨まれるのか、又政府としてどういう考え方でまとまりつつあるかということが知りたか
つたの
ですが、事務を担当しておるあなたにこれを質しましても、これから相談するのだというお話でありまして、これ以上しようがないと思いますから、以上
意見
を申上げまして、
一つ
是非私の考え方にも御再考願いたいという希望を申上げまして、私の質問を打切ります。
松永義雄
26
○松永義雄君 間接に関係あることですが、今度の救農国会で百十五億円ときま
つて
、今現にその割当の何といか、
調査
をや
つて
おるらしい。
府県
のほうではまあそれの来るのを待
つて
、そうして
府県
は
府県
なりの実質上の担になる金を出すことにしないといかん。ところが聞いてみますと、もらうのは有難いが、五割
補助
なら五割
補助
ということになると、残りの五割を何とか、捻出しなければならん、ところがその
財源
はない、金はない、県会を開きたくても開けない、何とか考えなければならんのですけれ
ども
と……こう言
つて
おるのですけれ
ども
、そういうことは本当なのか。若しそういうことが本当だとすればどういうふうにや
つて
行かれるのかというような点で、何か参考になるようなことがありましたら……。
後藤博
27
○
説明員
(
後藤博
君) 災害のお話でしたらそういうことは全然ないはずなんでありますが、災害でありますと、公共災害の
地方負担
分については全額
起債
を認めます。これは
政府資金
で全部私
ども
やるつもりでおります。
従つて
、例えば八割五分の
補助
が、復旧額が査定をされまして、その二割を本年やると、その場合の
地方負担額
といのがはつきりして参ります。その
地方
灸拒額につきましては全額
起債
を認める、その場合には
政府資金
で認める、こういうような
方式
でありまして、公共
事業
関係につきましては私問題はないと思
つて
おります。 ただ従前の一般公共
事業
、
つまり
災害に関係のない公共
事業
につきましては、従来の
地方負担
の全額を
起債
で持
つて
行くということはできませんので、例えばその
地方負担額
の七割、八割を
起債
で行く、あとの二割、三割を
一般財源
で自分の税で賄
つて
行く、こういう
方式
はと
つて
おります。併し災害についてはそういうことはないと思います。ただ問題はこういうことじやないかと思うのです。災害の査定がはつきりきま
つて
いない、復旧額というものがはつきり現在きま
つて
おりません。一応政府では十月五日の総災害の二千四百二十億ですか、の災害を
基礎
にして、千七百七十五億の一応復旧額の査定をいたしまして、それを
基礎
にして
予算
を組まれております。併し十月五日の一応の査定でありますから、この査定をもう少し正確にやるために現在や
つて
おられるわけでありますが、それがはつきりきまらないために自己負担額がはつきりきまらん。
補助
額がはつきりきまらんし、自己負担額がはつきりきまらん、こういう問題がございます。
従つて
基の査定額がきまらない上、
補助
額がきまらない。それから施行壁は二割ということにな
つて
いますが、その二割は一般の土木
事業
なんかは恐らく一割なんぼ、二割にな
つて
おりません。一割五分ぐらいにしかな
つて
おりません。そういうものがはつきりきま
つて
参りませんので、
地方団体
として一体
地方負担額
が幾らで、
起債
の量がどのくらいかということが見当がつかないような
段階
であります。一方においては非常に資金繰りに困
つて
おりますので、そのきまるのを待
つて
おるわけでありますが、待
つて
おる状態が長く続きますと、年末の資金に非常に困
つて
参りますので、私
ども
といたしましては、一般公共
事業
及び過
年度
災害の
補助金
を早く出してもらいたい。概算払いを早くしてもらいたい。私
ども
のやれる仕事はそれに対して
起債
をつける。
起債
もこの際全部出すわけには参りませんので、大体
政府資金
の分につきましては、一般公共は大体二百九十億ばかりの
起債
があります。その
起債
の八割ぐらいをこの際出そうというので、昨日総務部長会議をや
つて
おりまして、その際に本年の
起債
を大体このくらい一応出すから、
政府資金
の手当もつくことにな
つて
おるからというので、一応今日全部持たして返すことにいたしております。過
年度
災害の百億についても大体
起債
の手当をいたして、年末の資金に困らないように大体合せて三百億、それから
公募債
の枠も一応公共
事業
については示しております。それで以て大体三百億乃至四百億ぐらいの金で以て年末の資金繰りをしてもらいたい、
大蔵省
の理財局とは大体話をつけているから、こういうふうにしてや
つて
おるわけであります。ただ基本になる古いやつはいいのですが、本
年度
災害の分については先ほど申しましたように、査定がはつきりしておりませんし、
補助
額がはつきりしておりません。
地方負担額
がはつきりしておりません。一応は現在の計画では百パーセント
地方負担
については
起債
をつける、こういう方針でおるのでありますが、私
ども
としては関係各省を督励して早く査定を了えて、早く
補助
額をきめてもらいたい、概算でもいいからきめてもらいたい、こういう要求を現在しておる
段階
であります。
松永義雄
28
○松永義雄君 例えば土地改良なら土地改良があるでしよう。今あなたのお話は、建設省関係の話が主ではないかと思うのですが、土地改良なら土地改良で工事をして、そうして農民の賃金
収入
をここで
現実
的に幾らかでも足し前をしてやろうということにな
つたの
が救農国会の趣旨なんですが、ところが土地改良なら土地改良をやるのに、お話の
通り
府県
の負担分のものもあるし、それからそうでないものもあるでしよう。そうい
つたよう
な場合に、
地方債
さえすぐ出せればそれでや
つて
行けると、こういうことなんですか。
後藤博
29
○
説明員
(
後藤博
君) ただ農林省のほうで査定をしまして、そうして
事業
量をきめまして、それに対して
補助
をなんぼ出すと、こうきめる。そうすると、私
ども
のほうは負担分が例えば八割五分の
補助
でしたら一割五分の負担があるのです。これについては全額
起債
をつける。こういうふうに出て行けるわけですが、その基がきまりませんから
起債
のつけようがありません。全部
起債
でやるつもりでおります。
松永義雄
30
○松永義雄君 そうすると、査定がきま
つて
おらないから困
つて
いる……。
後藤博
31
○
説明員
(
後藤博
君) 今おつしやるような土地改良の問題でしたら、組合施行分と
地方団体
施行分と、こういうふうに分れるわけです。これがまだはつきりしていません。それから
事業
をどこにどういうものをやらせる、そいつもまだはつきりしないのです。
松永義雄
32
○松永義雄君 そうな
つて
来ますと、
府県
営の場合と
団体
営の場合とあるとしますね。その
団体
営のような場合にはそういう金はどうするのですか。五割
補助
なら五割
補助
とい
つて
もあとの金は出さなければならんでしよう。
後藤博
33
○
説明員
(
後藤博
君)
府県
営の場合と組合施行の場合と二つあります。組合施行の場合は
府県
は負担をしていないのが従来の例であります。
府県
常の場合には、組合がやるか
府県
でやるかという問題がある場合にはよく
府県
営でやる場合があります。その場合には
府県
とか
市町村
でやる場合には組合も負担をしている場合があります。併しまあ組合が負担しないで、自己
財源
を充てるというような場合には
起債
を認めなければならんので
起債
をつけているわけです。
松永義雄
34
○松永義雄君 実際問題として成るべく細かいものをやるのが今度の趣旨らしいのです。そうすると、
団体
営なら
団体
営というものを、今お話のように
起債
ができると、まあ喜んですぐ受入れればいいのですけれ
ども
、とても
団体
営では自分のところには金はないし、金がないのは凶作なんですから当然のことなんです。そこで
起債
とい
つて
もおいそれとすぐ
起債
の
手続
をとるかどうか疑問だと思うのですが、
つまり
折角救農国会で以て
予算
をきめたのはいいけれ
ども
、出して来る金は金で結構だけれ
ども
、それに継ぎ出して行く金がない。そうい
つた
場合にこれはどうするかということなんですが、非常にむずかしい問題かも知れませんけれ
ども
……。
後藤博
35
○
説明員
(
後藤博
君) 全然仕事ができないとは私は思われないのでありますが、それは繋ぎ融資も百十八億出ております。それから私
ども
の
計算
では約五十億ぐらいの市中金融機関から借りておる、
地方団体
が借りております。その二つを以て一応仕事を私や
つて
おるのじやないかと思います。或る
程度
の仕事はや
つて
おりますが、それに見合うところの国の
補助
、
つまり
補助金
とそれから
起債
と
特別交付金
と現在出しておる融資ですね。百十八億プラス五十億ですが、それが変
つて
行くわけですが、その総量がはつきりしないと、何がどういうふうに変るかということが
地方団体
としてはわからんわけです。仕事はや
つて
おると思います。繋ぎ融資が出ておりますから、繋ぎ融資を使
つて
地方団体
ではや
つて
おるのですが、どの
程度
のものができるかという見通しがつく
段階
にまで行
つて
いないということを先ほどから申上げたわけです。
松永義雄
36
○松永義雄君 もう一点質問して終わたいと思うのですが、今度の凶作は貧富の差がひどくな
つて
いる。それで土地改良なら土地改良をやるにしてもなかなか村はまとまらん、やりたい人と、や
つて
もら
つた
んじや、折角融資してもら
つて
も元利を払
つて
行く余裕がないのだ、非常にそういう点の困難の度が強くな
つて
来た。そういう場合にどういうふうにこれからして行かれるか。現在営農資金、救農国会の組んだ
予算
というか、金を出すということについて、実際において農村はこれは受入れるだけの能力を欠いておるものもある。そういうものをどうして行くかということなんですが、実際の
事業
をやるについてもなかなか困難があるらしい。どこにどういうふうに土地改良をや
つて
行くかということについても種々
府県
も相当苦心するのではないかと思うのですけれ
ども
、折角金はもら
つて
もそれが全額
補助
ならいいけれ
ども
、五割とか七割、七割になれば結構だけれ
ども
、あとの三割はどうするか、非常に貧乏するような農民が出て来る、借りた金はやはり返さなければ困ると、そういうものに対してどういうふうにされるか。
後藤博
37
○
説明員
(
後藤博
君) 先ほど申上げました
地方団体
が公共災害について
起債
をいたしました場合には、その
起債
の元利償還を
財政需要
として立てまして、そうして
平衡交付金
を出しておるわけであります、災害につきましては。ですから
地方団体
のそれに要する
財政需要
は先ほど
ちよ
つと申上げました
財政規模
の中には人
つて
おる。現在の
交付金
の
計算
にも入
つて
おります。
従つて
災害関係につきましては、現在はそう困らないような
制度
にはな
つて
おるのであります。
地方団体
がそれ以上のいろいろ負担した場合に、
赤字
が出た場合にどうするかという問題もありますけれ
ども
、それも判別
交付金
あたりで多少従来いたして来ております。全額を見ることができなければ何分の一かをと
つて
成るたけ
赤字
が出ないように載る
程度
のことをや
つて
おるつもりでおります。
森下政一
38
○
森下
政一君
ちよ
つと忘れましたので、もう二三点質問しますが、一番
府県
税として有力な
税源
は
事業税
なんですね。それで
遊興飲食税
とか
入場税
なんてものはあ
つて
も貧乏県へ行けば大した
収入
はない。東京や大阪こそ先ほど申しますように、
遊興飲食税
とか
入場税
というのが大きな
税源
ですが、貧乏県はそうでない。そこで何か
財政需要
が殖えるときには、いつでも
事業税
に頼
つて
貧乏県ではそこへ皺が寄
つて
行くということになるので、
府県
民が非常に困
つて
おる。而も
国税
の関係で、税務署が
所得税
の関係でいろいろな
調査
をする、
法人税
の関係で
調査
をする、そのほかに
府県
が出て来て又
事業税
の関係で
調査
をする。納税者側からいうと、いろいろ調べられて非常に迷惑を感ずるという声が高いのですガ、今度の
地方制度調査会
の
答申
で、
事業税
のほうは純益を
課税
の対象にする場合においては、その
所得税
とか
法人税
の対象に
なつ
たものをそのまま
事業税
の対象にするように
答申
しておりますが、
自治庁
の考えはどうですか。こういうことはすべからく
地方
の
府県
に指示をして、煩瑣なことを何回となく繰返して納税者に迷惑をかけないという瀞殊から、こういう
答申
をそのまま採択してこれを実施せよというようなことを指示される御意向はありませんか。
後藤博
39
○
説明員
(
後藤博
君)
事業税
の
課税
方式
は、
国税
の
所得
をとるということにな
つて
おりますし、御
意見
もその
通り
だ
つた
と思いますので、これは是非そういうふうにするつもりでおります。ただ問題は、それをそういうふうにいたしましても、例えば
所得税
と個人
事業税
と比較しますと、
所得税
はいろいろ控除がございます。ところが
事業税
は
基礎
控除だけであとの控除はありません。
従つて
所得税
では控除失格者になるが、
事業税
では控除失格毒にはならないということであります。その控除失格者の分では当分
事業税
でやらなければならない。ところが
所得税
の控除失格者の
所得
の
調査
を見ておりますと、非常に不均衡な例がたくさんあるのであります。そのために
地方団体
としても従来は非常に均衡をとるために困
つて
お
つたの
であります。ですから、
所得税
のほうの
所得
調査
ももう少しはつきりしたものを……、控除失格者が問題で全部所
租税
がかからんのであります。かからんからその辺は非常に大まかな
計算
をされておるのであります。ところが兼業税はかか
つて
来る。ここのところをもう一遍調べて、そうして不均衡にならないようにする、こういう問題はやつぱり残されておるわけであります。その限りにおいては
調査
をやらなければならない。可得税をそのままと
つて
来ると非常に不均衡になりはしないか。例えば十五万円までの
所得
はいろいろな控除でなくな
つて
しまう。ところが十四万円の
所得
の人と十三万円の
所得
の人と、実際は
所得税
が全然かからんものですから余り遣わないような
所得
計算
をされておるわけです。厳密に言
つて
みると非常に違う。こつちは十万円でこつちは十四万円だと、こういう差別をもつ
とつ
けなければいかん場合があるのです。そういうところはやはり
調査
をしなければいかんのじやないかと思います。併し
所得税
がかか
つて
おる人たちは勿論
所得税
の
課税
所得
をそのままとる、これは
間違
いなくとる、こういう
方式
で今まで私税務部長をや
つて
おりましたときはその
通り
やるつもりでおりましたのですが、新らしい税務部長もやはり同じ方針だと思
つて
おります。
森下政一
40
○
森下
政一君 それから
財政部長
に伺いたいのですが、さつきの
遊興飲食税
なり
入場税
を
地方財源
として残しておく。
偏在
是正のためならば、例えば半額を
市町村
に返してやるというような
方法
もあるのじやないかということをおつしや
つた
が、そういう場合、例えば大阪府が
遊興飲食税
をとり
入場税
をと
つて
半額を返すとしまして、半額を
市町村
に返すというときたには、大阪府下の
市町村
に返すのであ
つて
、岩手県にけ及ばんでしよう、鳥取県には及ばんでしよう、大阪府下に対して返してやる。こういうことですね、おつしや
つたの
は。
後藤博
41
○
説明員
(
後藤博
君) そうです。
森下政一
42
○
森下
政一君 そうすると、国へ取上げておいて各県の人口に按分して返してやるほうが
偏在
是正の度は高くなりますね。
後藤博
43
○
説明員
(
後藤博
君) はい。
森下政一
44
○
森下
政一君 それからもう
一つ
、これはあなたのほうの管掌ではないことですが、いよいよ今日あたりの新聞を見ると、第二次
補正予算
が今日あたり本格的に閣議できまるらしい。それによると、富裕
府県
に対する義務教育費半額国庫負担法としては十二月以降廃止するということに大体きまるらしいのですが、義務教育の面に関する限り富祐
府県
は富祐じやないと私は見ておるのです。例えば東京都なんというものは、恐らく全国で一番小学校の二部教授の多いのは東京都じやないか。それに次いで大坂府じやないか。これらは年々人口が殖えて就学児童が殖えて行く。毎年千人とか二千人とか収容し得る小学校というものを十も二十も作らなければならんくらい殖えている。だからいつまでた
つて
も二部教授は解消しない。貧弱な校舎の中で、不完全な施設の中で授業を受けなければならんというようなことにな
つて
おるのだから、その面だけを取上げて考えても富裕でも何でもない。日本のうち一番貧乏
府県
だと私は思うのだが、それを富裕
府県
なるが故に義務教育費半額国庫負担を廃止しようというのですが、
自治庁
として考えるならばどうですか。そういうことはすべきじやないと、
自治庁
長官は閣議で言うくらいの立場をとるべきじやないかと思うのですが、どうですか。
後藤博
45
○
説明員
(
後藤博
君) 富裕
府県
というのは何が富裕であるかという問題が
一つ
あると思います。併し今の平衡交府金の
制度
の下において、
平衡交付金制度
というのは一体生存権を保障しているのか、最低生活権を保障しているのか、十分なる生活を保障しているのかという問題があるのであります。これは、私
ども
は最低の生活権を保障しいるというふうに考えているわけであります。ところが
現実
の姿は生存権らいしか保障してないじやないか、こういう
議論
があるわけであります、簡単に申しますと。そこで、全体の地上
団体
の最低の生活権を保障する
制度
としての考え方で
平衡交付金制度
というものができているわけですね。その場合に、富裕であるかないかというのは、
つまり
財政需要
額と財政
収入
額と比較しまして、財政
収入
額のほうが
財政需要
額をオーバーしている。
つまり
平衡交付金
を出さなくてもよろしい不交付
団体
、それを富裕
団体
こういうふうに皆言
つて
いるわけであります。私
ども
は実際問題として大部市、大
府県
に特別な
財政需要
があるということもよくわか
つて
おりますし、教育についても特に二部教授が非常に多いこともよく知
つて
おります。併し全体の
市町村
を均してみたときに、やはり不交付
団体
は大
府県
の交付
団体
よりも比較的富裕である、こういうことが一応言えるのではないか。まあ一応の超過
財源
が、
ロス
が、財政上出るというこが言えるわけであります。そういう
平衡交付金制度
をそのまま持
つて
来て、今度は義務教育の頭を
ちよ
ん切
つて
行くというのは、どうもおかしくはないかと私
ども
は思います。そういうことも言うのでありますが、現在の
制度
として一応不交付
団体
にな
つて
いるものにはやはり
ロス
がある。その
ロス
を解消するのには義務教育の半額国庫負担の頭を
ちよ
ん切らなければならない、
制度
としてもこれは法律上できるのじやないか、こういう問題があると思います。私
ども
財政計画では調子を合せておりません。法律でちやんとそういうふうにきま
つて
から財政計価は直すけれ
ども
、それまでは私
ども
のほうは国の財政計画とは違
つて
きまるまでは直さない、こういうことで一応突つ張
つて
おるのであります。義務教育につきましても、やはりいろいろ問題がありますし、
職員
の構成とか、いろいろ違
つて
おりますし、校舎あたりでも復旧が非常に遅れていることもよく知
つて
おります。併し現在の
制度
上出て来る不交付
団体
を富裕
団体
と言い得るかどうかという
議論
はございますが、一応は全体的に見ると、富裕であるということは言えるのではないか、残念ながらそういうことになるのではないかと思います。こういうふうに考えます。
小林政夫
46
○小林政夫君 これは
森下
さんに聞いたほうがいいかも知れませんが、
法人税
割の二割を国に譲るというのは、技術的にはどういうふうにやれという
答申
なのですか。
後藤博
47
○
説明員
(
後藤博
君) 現在一二・五%のあれを一〇・五%でしたか、
税率
を下げるわけであります。
小林政夫
48
○小林政夫君
税率
を下げるだけですか
後藤博
49
○
説明員
(
後藤博
君)
法人税
のほうは別に上げないで、
税制調査会
のほうの案を見ますると、むしろ四十二を四十に下げることになりますから、その分だけは負担が軽減されるわけになります。
大矢半次郎
50
○
委員長
(
大矢半次郎
君) 他に御発言なければ、本日はこれを以て散会いたします。 午後零時四十九分散会