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1953-11-28 第17回国会 参議院 人事委員会 閉会後第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十一月二十八日(土曜 日)    午前十時三十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     村尾 重雄君    理事            宮田 重文君            千葉  信君    委員            加藤 武徳君            松岡 平市君            溝口 三郎君            岡  三郎君   事務局側    常任委員会専門    員       川島 孝彦君    常任委員会専門    員       熊埜御堂定君   説明員    大蔵政務次官  愛知 揆一君    大蔵省主計局長 森永貞一郎君    大蔵省主計局次    長       正示啓次郎君    大蔵省主計局給    与課長     岸本  晋君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国家公務員給与問題に関する件  (給与ース改訂に関する件)  (勤務地手当に関する件)   —————————————
  2. 村尾重雄

    委員長村尾重雄君) これより人事委員会開会いたします。  昨日に引続き国家公務員給与問題に関する調査を議題に供します。大蔵省主計局長森永貞一郎氏、給与課長岸本晋さんが御出席されておりますから、御質疑のあるかたは御発言を願います。
  3. 千葉信

    千葉信君 御質問申上げる範囲は大体大蔵省事務当局として御答弁できる範囲に限らなければいけないと思うのです。まあ大体そのつもりでお尋ねをいたしますが、今度の臨時国会に提出を予定されている給与法一部改正の中で、地域給おのおの級地から五分ずつ減額してこれを本俸に繰入れるという方針大蔵省のほうでお考えになつておられて、それが今度の法案に盛られるという話を承わりましたが、一体大蔵省のほうで持つておられるその構想はどういうものか、この際明らかにして欲しいと思います。
  4. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) 今回補正予算に計上いたします公務員給与のべースは、一月一日から一万五千四百八十円ということで考えておるわけでございますが、その場合に只今お話がございましたような勤務地手当整理の問題、又いわゆる中だるみ整理の問題も併せてできるだけ考えたほうがいいのじやないかということで、いろいろまあ考えておるわけでございますが、未だ結論には達しておりません。
  5. 千葉信

    千葉信君 中だるみの問題は抜きにいたしましても、地域給の問題についてまだはつきりした結論が出てないというお話でございましたが、大体政府のほうの意向としては、今お話のように一万五千四百八十円の水準にするということでお考えのようでありますが、そういたしますと、大体十二月に公務員給与がなると予想されている一万四千百五、六十円程度給与水準に対して九・三%増額して、そうしてお話のように一万五千円水準にするということになりますのですが、これは中だるみの問題は抜きにしても、若しも本俸だけに九・三%の増加率、大体そういう方針になるということになりますと、これは本俸引上率が人事院勧告とは大分違つた数字にならなければならないと思うのですが、それは御承知通り、十二月現在の給与水準自然増加率を含んで六百円近い上昇を示しているはずでありますから、この点についてはどういうふうに本俸を操作されるというおつもりでしようか。
  6. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) 人事院勧告では大体三月頃の総別計数、現実の号俸の配置状況等考えまして、それに人事院勧告を適用するとまあ一万五千四百八十円、そういう計算になるような勧告であつたのでございますが、今度の政府給与改訂は、一月一日から実施するわけでございます。その間に期間のずれがございますので、御指摘のように人事院勧告をそのまま実施するというわけではないのでございまして、財政の許す限度におきまして、できるだけ努力いたしました結果が、一月一日から一万五千四百八十円をまあ実行できるということになつたわけでございまして、従いまして、今お話がございました通りに、勤務地手当をそのまま据置くといたしますれば、人事院勧告俸給表に対しまして数%内輪に俸給表を提出すると、そういうことにならざるを得ないわけです。併し一方勤務地手当整理につきましては、かねてから国会方面におきましてもいろいろ御意見がござましたところでございますので、無級地一級地に格上げして、その代り五%ぐらいを本俸に繰入れたらどうかというようなお話もございますが、それは今度の給与改訂機会に実行するほうが適当ではないかというようなことも考えられるわけでございます。そうしますと勤務地手当は一級切下げて本俸に繰入れるということになりますので俸給表のほうは上つて来るわけです。大体その場合には人事院勧告俸給表をそのままずつと実行できる。即ち新らしい勤務地の方は一級上るわけでございます。そういうようなことにもなろうかと思います。それらの点につきましては、なお国会方面意向も十分尊重いたすことにいたします。目下慎重に検討中でございます。結論を得ておりませんのは、そういう問題につきましての最後的な決定に至つておらないということでございます。
  7. 千葉信

    千葉信君 私の明らかにしたがつた点は、大体二十一日の閣議、それから昨日の閣議等を通じて、給与引上げに関する大体の根本方針はきまつた。そうしてそのきまつた方針の中に只今地域給処理の問題がございましたので、一体具体的にはどういう内容なのか。その点を明らかにしたがつたのですが、只今の御答弁ではその点はまだはつきりきまつておらないという御答弁なので、そして又更に併し国会等決定もあることであるから、その方針等に大体余り背反しないような方針大蔵省としても考えたんだというお話でございますが、まあ具体的な内容の問題は今明らかにすることはできませんけれども、そこで私としては、今お話のございました、国会でお考えられた地域給の問題の改正方針について、伝えられた大蔵省案と言いましようか、閣議で取上げられた内容と言いましようか、かなり国会決定と喰い違つている点があつたように思います。むしろ逆行しておる傾向さえありますので、その点で一体国会決定はどういうものかということを、この際はつきりと確認してもらう必要があろうと思いますので、この点一つ申上げておきたいと思います。  衆参両院人事委員会合同打合会で最終的に十月の十五日に決定されました案は、数次の会合を通じて次のような申合わせになつております。  第一は、地域給級地別実施の現在のアンバランスの是正は早急にこれを行う。これはつまり現在の五段階の中で、更に級地別指定等に不均衡が生じて来ておるから、この点を早急に是正しなければならない。  それからもう一つは現在の五段階を実質的に圧縮すること。これはできれば二段階くらいということに圧縮するということに考えて、それが可能ならばということに考えたわけなんです。ところがこの場合に問題となりますことは、この方法をやる場合の前提条件として、次のような確認事項はつきり、お互に確認しております。  それは第一番は給与改訂の問題と切離して別個に行う、両者を混淆せざること。この点なんか、今度の伝られている本俸引上げに、地域給の解消した減額分を充当するなぞといつた方針は、この確認事項とは完全に喰い違つておる。  それからもう一つ従つてそういう両者を混淆しないで、やるという頭の上に立つて更にもう一つ確認事項は、現行実給額を割らないようにするというような条件、現行実給額を割らないようにするという地域給解決方法は、御承知通り地域給支給方法は、本俸家族手当の何割何分という支給方法をとつております。従つて本俸に対する五分なら五分というものと家族手当に対する五分なら五分というものは大体これは併給されているのが地域給であります。そういう併給されている給与の実給額を制らないように、而も給与改訂別個に行うという条件をこれははつきりと開会できめられた申合事項なんです。  ところが今度伝えられている政府のとろうとしている大蔵省の原案としての考え方は、地域給の分からおのおの五分ずつ減額してもそれを今度大よそ無級地面にも充当されるわけですから、おのおのその減額した分を全体に四・六%くらいの平均率本俸給与引上に充当するという方針がとられているわけですから、そうすると無級地諸君に対しては今度の給与改訂に当つて本俸引上に振当てられるから、この点はかなり有利になるという条件でありますけれども、それ以外の国家公務員全体の八八%を占める地域給支給勤務著たる公務員に対しては、これは減額措置なんです。地域給の分だけとして減額措置なんです。おまけ給与改訂の問題と別個に切離すというはつきりした条件から言いますと、給与改訂のほうで何ぼか引上げられるのだからいいじやないかということは理由にならないと思うのです。飽くまでも給与改訂と切離して地域給の実給額を下廻らないように問題の解決を図ろうという点から言いますと、例えば家族手当に対する何%なるものは全然見られないという結論になつてしまう。おまけ本俸へ繰入れる分も本俸に対する五分の分が四・六という恰好に切下げられてしまう。今具体的にはまだきまつていないということでありますから、その点についてこれ以上具体的にどうこうということをお尋ねしても無駄だと思うのですが、少くとも以上申上げたような状態では、少くともやろうとしている方向は、国会衆参両院人事委員会申合を完全に蹂躪した方向でとられようとしている。これは恐らくこういう恰好では、衆議院の人事委員会のほうもそう簡単にはこの問題は了承されないことは明らかだと思うのです。一体大蔵省では国会衆参両院人事委員会申合をどう確認しておられるか、以上私が申上げた点と違つて確認しておられるのかどうかその点を先ず承りたいと思います。
  8. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) 只今の御決議趣旨はよく了承いたしておるのでございますが、勤務地手当整理の場合には、只今決議についてお話がございましたように手取りが減らないという条件が必ず伴わなければならんわけでございまして、そうしますとべース・アツプと別に勤務地手当整理をやります場合には相当の財源が要るわけでございます。従いましてまあ財政的見地からいたしますれば、給与ベース改訂のような際に徐々に勤務地手当整理して行くという方針によらざるを得ないわけでございまして、べース・アツプ勤務地手当整理を別に実行いたしますということになりますと、これはやはり相当の財政負担になると思います。それらの点を十分勘案いたしました結果、今回のベース・アツプ勤務地手当をそのままにいたすといたしますれば、本俸につきまして人事院勧告をまあ若干下廻り、併せて九・三%ぐらいのべース・アツプになるわけでございまして、その中でできるだけそういう御趣旨に副うように努力をいたしたいと、そんなようなことで検討しておるわけでございますけれども別個措置するという点は財政上の観点から困難であつたために、そういうことにならざるを得なかつたということを御了承願いたいと思います。
  9. 千葉信

    千葉信君 財政上の見地からだけお考えになればまあこれは全くおつしやる通りだと思うのですが、大体御承知通り現在の給与水準から言いますと、人事院勧告しました程度給与水準引上げはどうしても不可欠であると同時に、人事院勧告通り切換えられました場合でも、まだ標準生計費さえも保障されていないというような公務員の現在の給与実態なんです。そういう実態から言いますと、やはり給与引上げを行う場合に当つてもそれぞれの既得権といいますか実給額を割るような方法をとるということは、人事院勧告の建前から言つても好ましくない方法だからこの点は十分考えなければならないと思う。  そこで私どもとしてこの地域給処理の問題を衆参両院で協議しました場合にもそういう条件確認の上に立つて、併し一方ではやはり地域給の問題に関して精当いろいろな混乱も起つているから、この問題については何らかの解決策をとらなければならないだろう。とらなければならないだろうけれども、我々もまたおつしやるように財政上の理由から一挙に地域給の問題の処理ということは不可能であろう。その不可能左場合には可能な段階を待つて地域給の問題の解決をしようではないか。そうしてその可能な段階を待つてやる場合にも、財政上の問題から仮に二段階圧縮するということをきめても、これはそのままには実行できないような状況が起るかも知れない。従つてそういう財政上の可能という問題を睨み合せながらこの問題を解決する必要がある、私どもとしてはそう考えていたのです。ですから最初段階圧縮ということをか撮り強硬に意見も出ましたけれども財政上の問題からこの問題を若しきめてもできないような恰好ではあぶはちとらずに終るから、財政上の可能性考えつつ両院の打合せをやろうじやないか、こういうことになつて、そうして最初段階ということだつたのをここではつきり表明しておりますように、二段階ぐらいをということに幅をもたしたのです。ですからそういう条件から言いますと私どもとしても財政上の問題を考えてこの申合をちやんと作つてあるはずです。それを財政上の理由が今おつしやるような理由であるとすれば、国会にも政府にも人事院から当然近い機会に出ると予想される勧告案を、もう出るのを知りながら人事院勧告の何もまだ出ない矢先に、こういう地域給改訂方策政府としてとらざるを得ないのか。而も御承知のように財政上の理由が今度の地域給改訂の問題を非常に大きく左右して、公務員にとつては有利どころかむしろ不利なやり方でとられようとしている。而もそのやり方たる国会申合を完全に蹂躪した恰好になつているのです。なぜそういうふうに、大蔵省当局として特に財政上の理由があるのに、地域給の問題を解決するどころかむしろ混乱させる方向へ問題を押しやろうとしているのか、その真意を捕捉できないと思うのです。どうして大蔵省は積極的にこの問題を解決しようとなさらんのか、而も国会方針とくいちがつた方針でやろうとするのはおかしいじやないか。あくまでも政府としては、大蔵省としては、この方針を今度強行しなければならんと考えますか。
  10. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) 先ほども申上げましたように、勤務地手当整理がそれだけで相当実は財源が要るわけでございまして、現在の政府財政事情から考えますと、それを切離して単独に実行することはかなり問題が困難である。例えば国鉄等におきましては現在四段階整理されておりますが、やはり既往におけるベース改訂の際に併せてこれを実行したというようなことになつておりまして、徐々にベース・アツプ機会が来たようなときに整理して行つて不公平を除去する、そういうふうな方策によらざるを得ないわけでございます。従いまして今度九・三%、勤務地手当を含めましてベース・アツプと申しますか給与改善が行われるわけでございますが、これはやはり勤務地手当整理する一つのチヤンスではないかというふうに私ども考えて検討いたしているわけでございます。勤務地手当を今のままということになりますと、勧告よりはもちろん下廻つた給与表を提出することになるわけでございますが、その段階の後に勤務地手当整理するという考えをとり入れるとすれば、勤務地手当整理によつて本俸のほうは一部勤務地手当が繰入れられて上つて行くという、その考え方段階につきましてはいろいろな考え方ができると思いまして、私は只今の御意見とあまり結果においては変らないことになる、ただ考え方の過程におきまして、どう考えるかという問題によつていろいろ見方があると思いますけれども、そこはお互い考え方の問題でございまして、財政力限度から、この際許容し得る勤務地手当整理並びにベース・アツプ、この両方を九・三%の中でいかに取扱うかという問題に帰着するわけでございまして、その財源がこれ以上出ないとすればどちらを先にやるかという問題になるわけでありまして、そこは両方考え方相違になるのじやないかと考えております。  つまりベースのほうは、勤務地手当に手をつけておいてベースを低くするというのがまず固まつた考えとして出て参りまして、そこに今度は勤務地手当整理してそこに五%を繰入れるということによつてまた本俸を上げたのだというふうな考え方もできるわけでございます。考え方によつてこの問題はそうくいちがいがないのじやないかというふうに実は想像するわけでございます。
  11. 千葉信

    千葉信君 ここで事務当局考え方の点について、お互い両者意見を言い合つても仕方がないと思いますが、併しおつしやるように考え方相違はつきりあることは私はわかります。わかるけれども、一体それでは、そのあなた方の意見ではない私どものほうの意見できめられた国会決定というものを、あなた方は一体どういうふうにお考えになりますか。国会決定を尊重する意向をあなた方はもたないのですか。
  12. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) これはお答え申上げるまでもございませんが、国会の御意向は十分に尊重してやつているつもりでございます。ただ主計局長から縷々申上げましたように、私もそう考えるのでありますが、千葉さんの御意見でございますと、これが全体として今具体的に最終の結論政府側としても持つておるわけではございませんが、伝えられるような政府考え方であると、公務員全体について非常に不利である、それから国会意思を完全に蹂躪していると、こういうような御意見があつたのでありますが、その点は私どもとしては財政上の関係も考え、又国会の御意向を尊重し、且つ全体として現在のところ我々の見解を以てすれば、公務員全体に大局上有利であるようにということで、考えつつあるわけでございますから、必ずしも両院人事委員会でお申合せなつたものと的確に同じ線にはなつておりませんが、考え方の筋道は十分尊重し、且つ完全に、国会意思を蹂躪するどころか十分尊重し、又全体として公務員諸君の有利であるようにという考え方でやりつつありますことを御了解願いたいと思います。
  13. 千葉信

    千葉信君 尊重しているなんとおつしやるけれども、実際は尊重した考え方でないじやありませんか。こういう条件をあなた方はどうお考えになりますか。給与改訂の問題と切り離して別個に行なつて両者混淆しないこと、一体この点はどうお考えになりますか。
  14. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) その点だけを取上げて強調なさるならば、その点は確かに食い偉いがございます。併しながら全体として実質上の給与引上げるようにするという条件別個にあるわけでございますが、その点等につきましては同じことになつておるのでありますから、全体としてでき得る限りのことは政府側でも考える。ただ別個考えるという点から見れば、地域給の問題を取上げて処理するという点は或いはお話のように混淆されておると言われても、これは今の我々の考え方はやむを得ないと思いますが、それ以外の点につきましては十分尊重していると、私は信じておるものでございます。
  15. 千葉信

    千葉信君 十分尊重しておると信じておると言つても、まだもう一つ条件があるのですよ。もう一つ条件は現行実給額を割らないようにすることという条件があるのです。現行実給額を割らないようにすることという条件は、前の両者を混淆しないこと、別個に行うという条件の上に立つての現行実給額を割らないようにすることという条件ですから、これは地域給地域給現行の実給額を割らないようにするという条件なのです。それをあなたがたのやり方は割つているじやないか。これはどうですか。
  16. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) 九・三%の範囲内で勤務地手当を一級整理いたします場合には、現行実給参額を割るというような事態は全然起りません。
  17. 千葉信

    千葉信君 あなた方は感違いしておられるのです。九・三%の引上げという問題とこれは別個の問題です。はつきり聞いてもらいたいと思うのですが、給与改訂別個考えて切り離して行うということです。混淆しないこと。  それからもう一つは、そういう切り離して行うという前提の上に立つて、現行実給額を割らないことという条件なんですから、この現行実給額を割らないことというのは、地域給支給額を割らないことという条件なんですよ。あなた方の場合には割つているじやありませんか。例えば今の一級地状態を御覧なさい。
  18. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) ちよつと、私は細かい点につきましては御議論申上げるだけの自信はないのでありますが、現行実給額ということは地域給の現在実行されているところの実給額と、こういうわけでございますか。
  19. 千葉信

    千葉信君 そうです。
  20. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) そうだという御解釈であれば御指摘通りだと思います。
  21. 千葉信

    千葉信君 これははつきりしておるのです。給与改訂引上げの問題と切り離して行うという条件の上に立つて、更に現行実給額を制らないという現行実給額地域給を指しておる。いいですか。給与改訂の問題と切り離して地域給の根本的な解決方策をとる。その地域給の根本的な解決方策をとる場合に、地域給の現行実給額を割らないこと。ところが今お考えになつておる方針というのは、例えば具体的には一級地のほうをとらえて見ましよう。一級地の場合は本俸の五分とそれから家族手当の五分を支給されておる。ところがそれが今度は本俸の分の四分六厘くらいは全体として地域給の削減した減少を以て本俸改訂に振り充てられますけれども……。
  22. 森永貞一郎

    説明員森永貞一郎君) 千葉先生、いろいろ御議論ございます事が、考え方でございまして……。
  23. 千葉信

    千葉信君 考え方じやないですよ。
  24. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) ちよつとお待ち下さい。本俸に入れて組入れるのですから、減額するという考え方じやないんですから、従つて地域給の部分が本俸に入つておるのです。財布の中に入る月給としては笑給額を割らない、そういうことを申上げたのです。先生、いろいろ誠に専門的な御意見で恐縮なんですが、この圧縮ということをはつきりおつしやつておられるわけですね。この段階はその方向には逆行しておらんと私ども考えておるのです。無論たくさん余計にもらうという立場から行けば、これは非常にあれなのでございますが、併しその全体の段階圧縮して行く。即ち現在の無給地というものは非常に問題でございますから、そういうものを整理するという方向には副うておるわけでございます。そこのところは御了承願いたい、こういうふうに思うのです。
  25. 千葉信

    千葉信君 圧縮をするということは地域給の六段階若しくは五段階というのを、一段階若しくは二段階圧縮して四段階、五段階にするということ、これはあなたの確認通りです。  ところがこの実給額を割らないという問題については今あなたは勘違いして、本俸に入れるということはちやんときまつておる条件のようにおつしやいますけれども、その点は実は現行実給額を割らないためには、本俸に入れるというやり方とつた場合は必ずその実給額を割るという条件が出て来るのです。いいですか。例えば一級地勤務する公務員本俸額は皆違いますから、その本俸の何パーセントかを入れるということになると、例えば家族の数に応ずる地域給支給割合なんかを完全に本俸の中にでこぼこなしに入れることはできませんから、従つて本俸に入れるということは実給額を割らないでやるならいいけれども、若し本俸に入れるということが実給額を割るということになれば本俸に入れることもいかんということになるんですよ。それじやまるでむちやくちやじやありませんか。
  26. 岸本晋

    説明員岸本晋君) 只今千葉先生の御指摘の点でございますが、勤務地手当の実給額を割らないということで、又勤務地手当段階整理するということになりますと、例えば現在の段階勤務地手当が大体二千円近く出ておりますその金額の上に更にプラスになつて整理のためにプラスした金額を出して行かなければならない、こういう結果になるだろうと思います。これは現在の財政状況全般から当然できないことでございます。  又勤務地手当整理、一段階圧縮ということで参りますれば、結局本人の手取りを割らないということで考えて行けば至つて、至つて言つてはこれは恐縮でございますが、これは常識的な行き方ではなかろうかと考えるわけです。現在の支給額以上に更に何パーセントかの一段階整理するための金額を出して行く、これは今の財政ちよつと段階ではできないのではないかと考えます。
  27. 千葉信

    千葉信君 これじやまるで大蔵省は全然国会決定されたその結論も知らなければ、その過程も知らない、それからこれをきめた条件もよく理解しておらない。今給与課長答弁では、若し僕の言うような条件を充たすためには、地域給段階圧縮するためには、どうしても財源を必要とする、予算がかかる、それじやとても圧縮ということはできないじやないかということになりますけれども国会として決定されたことは、この地域給の問題については実に大きな混乱が起つておるから、そして又かなりこの制度自体にも不合理な点が散見されるから、これは何らかの解決法というものをとらなければならない。併しとる場合には、今ここに読上げた二つの申合事項と二つの確認事項の上に立つて段階圧縮するために、どうしても或る程度の予算は必要だということは、はつきり結論が出ておるのです。そういうふうに財源が必要であわ予算がかかるからという理由で、国会としては二段階くらいの圧縮という方針考えたのだけれども、それも財政上の考慮を加えて、できればという恰好に含みを持たした。これは国会意思なんです。国会決定なんです。圧縮するとすれば予算がかかるということは、国会でもちやんと初めから考えておるのです。考えつつ、余り厖大な予算を必要とするのでは折角解決しようとしてもできなくなるから、そこで財政上の問題も考慮しつつできる方法について慎重な考慮をめぐらして、そうしてできないときには一段階でもよろしい。而もその時期についてもなにもいつまでにということははつきりきめないで、その内容等については人事院勧告を待つてやるという方針国会ではきめておる。それをあなた方は財政上どうだとか予算がどうとかいうことを言い立てるのです。圧縮するとすれば予算がかかるから駄目じやないかと言つて、予算のかからない而も逆に年間二百億も予算を回ることのできるような方法地域給の問題の解決を図ろうとしておる。国会意思と完全に食い違つておる。食い違つておるばかりでなく蹂躪しておるじやありませんか。而もあなた方は問題の中身を完全に誤解しておるじやありませんか、今の答弁から言いますと。例えば本俸に繰入れるという方針はつきり国会できまりておつたような答弁の仕方じやありませんか。これじやもう完全に、衆参両院人事委員会の苦心に苦心を重ねて前後二カ月に亙つて会議を開いてきめたことを、敝履のようにあなた方は蹂躪しておるじやありませんか。あなた方は少しあれですよ、財政の問題、予算の問題に籍口して国会軽視の態度も甚だしいですよ。
  28. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) 先ほども申上げましたように、国会の意志を蹂躪すると言われるようなことは、私どもとしては実に心外でございます。私先ほども申上げましたように、公務員給与の問題については、財政上の非常なむずかしさもあるけれどもそれを克服しながら、且つ人事院勧告を一方において尊重して、給与体系をできるだけ人事院勧告通りにしようということに努力をし、併せてできるだけ地域給の問題についても一歩前進させようということで、私が先ほど申しましたように、総体的、大局的の観点から言えば国会の御意思の線に沿うてやつておるつもりであります。これは誠意を尽してやつておるつもりでありまして、現に先ほど主計局長から御説明申上げましたように、全体として基本給と地域給と合せれば手取りの実額というようなものは完全に上るわけでございますから、そういう点においては国会のほうでお考えになつておるその御意思に、基本的には完全に私は副うてやつておるつもりでございます。
  29. 千葉信

    千葉信君 てんでその答弁答弁になつていませんよ。もう一回国会確認事項申合事項を続上げますからよく聞いておいて下さい。申合事項は「地域給級地指定の現在のアンバランスの是正は、早急に之を行う。」、第二は「現在の五段階を実質的に圧縮へ二段階ぐらいを)すること。」、そうしてこれをやるための前提条件としてはつきり次のような確認事項がある。「一、給与改訂の問題を切りはなして別個に行い、両者を混交しないこと。」「一、現行実線額」、この場合において実線額というのは、給与改訂と切離すという条件の上に立つての現行実給額ですから、これは地域給のことなんです。その地域給の「現行実給額をわらないようにすること。」とはつきりしている。こんなにはつきりしていることをあなたは混交さして、圧縮するためにはどうしたつて本法と地域給との混交の中でしか実績の保障はできないとか、既得権の保障はできないという考えを持つのはおかしいじやありませんか。国会方針はつきりあなた方はその点で蹂躪しているじやありませんか。尊重しているとか重んじておると言つても蹂躪しているじやありませんか。(「予算のかからない圧縮なんてきめてないよ」と呼ぶ者あり)
  30. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) 千葉先生、たびたびの決議を私どもはよく承知をいたしております。そこでそういう決議のような方法をとる、この給与改訂を別箇にやる場合はまさに先生のおつしやる通りでございます。これは併し、今日地域給の問題は非常に混乱をしている、国会が開かれることに各地からいろいろな陳情がございまして、先生方も大変その点はいろいろとお困りになつておることは私どもよく承知している。そこでそういう大きな方向を先ず私どもは一言の文句よりはむしろ大きな決議の精神というものを酌んだわけであります。それは即ち圧縮するという先ほどから申した方法でなければならん、こういうことを先ず頭に入れまして、而も今回の給与改訂機会にこれをやるとすればどういう方法でやるか、こういうふうに考えたわけであります。ここに公務員全国三百万諸君の誰一人といえども手取りが減るものはありません。皆ふえます。その点はふえるのでございます。(笑声、「ナンセンスだ」と呼ぶ者あり)ナンセンスではございません、まじめなんですよ、私ども。そういう考え方でやつたんでございますから、それは国会決議の精神に反しておるとおつしやるなら、これはお叱りを受けざるを得ないと思いますが、大きな精神から言いますとその精神に副うているというふうに私ども考えているのであります。
  31. 千葉信

    千葉信君 大きな線ということになれば問題はむしろ大きな混乱を起すと思うのです。若しあなたのおつしやるように大きな立場から給与の問題を考えたということなら、なぜ一体大蔵省なんかが給与の問題に介入するのですか。いいですか。大蔵省設置法のどこに一体給与の問題を考えるという条件がありますか、あなた方のほうは。退職手当なんかの問題についてはあなた方の立場から考えることは当然かも知れませんけれども、本来は給与の問題については総理府設置法によつて総理府がやつているじやありませんか。ただ併し総理府のほうでいろいろ事務的な問題などについてはあなた方のほうで一応のスタツフを持つているから、例えば給与課というようなものを持つてるから、そつちのほうでいろいろな計算をさせたほうがいいという利便上の立場から、あなたのほうに一応そろばんを弾かせているに過ぎない。ですからそういう意味から言うと、私ども大蔵省に対して大蔵省の問題でないことを追求するそのこと自体がおかしいのです。併しあなたのほうで答弁しますと言つて出て来てるのですから僕は聞いといるのです。それから官房長官、副長官のほうでも、大蔵省事務当局でいろいろ弾いておるから具体的な内容について聞いてくれというから聞いたのです。ところが具体的な内容についてはまだはつきりきまつてないというからそれについては一体どういう方針でやつてるのだと言つて聞いたら、答弁しないのだ。そこで問題がここまで来た。あなたのほうで大きな立場から給与の問題を考えたということになると、大蔵省設置法の給与に対する建前と総理府設置法の給与に対する建前からいつても、あなた方は答弁するらち外に立つて答弁している。大きな考慮からこうした、そういうことになると、大蔵省設置法の立場それから総理府設置法の立場からいつてもあなたたちは少し出過ぎた答弁をしていますよ。併し仮にそれでもよろしい。よろしいが、今あなた方は給与の問題の内容に至つてまで見解を申述べましたけれども、あなた方は一体現行給与法の第二十四条をどういうふうにお考えになつておりますか。現行給与法の第二十四条をちよつと読んでみます。「国会は、給与の額又は割合の改訂が必要であるかどうかを決定するために、この法律の制定又は改正の基礎とされた経済的諸要素の変化を考慮して、人事院の行つた調査に基き、定期的に給与の額及び割合の検討を行うものとする。」ここまで国会給与の問題を審議する条件をきめておるのです。それからそのきめる根柢として、「この目的のために、人事院は、総理府統計局、労働省その他の政府機関から提供を受けた正確適切な統計資料を利用して、事実の調査を行い、給与に関する勧告を作成する。」あなた方は今全国的には今度の給与改訂によつて九・三%を上げる云々の問題と関連して、実給額を割るものがないからこれでもよろしいじやないかというような意見まで申述べになりましたけれども、その方法についてはいろいろな意見があるのです。あなた方の意見と全く食い違つている意見を持つている人もいるのです。そういう食い違つた意見が出て、とんでもない結論が出ては公平を最大の原則としなければならない給与の問題を決定するに当つて、むしろ行政能率の低下を来すような条件が起つては困るから、給与の問題に対しては正確を期して、而も慎重を期して給与法はこういう建前をきめているのです。而も具体的に地域給の問題に至つては、国会としてもさつき申上げたような、二カ月に亙る衆参両院人事委員会申合せ、慎重に慎重を重ねた協議を行なつて国会方針をきめる。而もこの国会できめた方針というものは、飽くまでも人事院勧告を基礎として行うという条件の上に立つているのです。その他あなた方は人事院勧告も出ない矢先に、大体において圧縮という方針を皆考えているようだから、おれのほうじやこういう方針考えたのだと言つて、とんでもない公務員にとつてありがた迷惑な方針で、而も今度の地域給処理方針を見ますと、予算がかかるというが逆に現在の地域給の予算額から予算を削減しておるじやありませんか。
  32. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) ちよつとそれじやこれから前段のほうをお答えいたしますが、千葉さんの前段におつしやつたことは誠に御尤もなんで、実は余談に亙つて恐縮なんでありますが、公務員給与の問題については総理府がその掌に当ることになつておるのは組織法上当然と私も考える。それで実は年来この給与の問題については、現在政府部内におきましてもどうもはつきりした処理の機構が確立しておりませんので、我々としては総理府にこれを完全に移管するか、或いは別個の機構を確立してもらいたいということは、大蔵省として政府部内におきまして年来これを提案しておることは或いは御承知かと思います。ただ現在においてはあなたの御指摘通り、主計局においてそろばんの達者なところがおるからそこでそろばんをはじくということになつておりますから、そういう関係において我々がどういう方向でそろばんをはじいたらいいかということを今やつておるのでありまして、その限りにおいて御要求がございますから出て参りまして御質問にお答えをしているわけであります。従つてはじくにつきましても、今申しましたように卒直に言うとはつきりした機構がございませんから、我々は我々の立場において国会の御意図はこうであろうということを忖度しながら、又ほかの関係も考慮いたしてこういう案を一応作りつつある。併し政府としては閣議でこれを決定して、細かい法案なりその他の手続として御審議を願つて国会でおきめを頂くのでありますから、さような点につきましては私もあなたとお考えは同じなんでありますから、我々か二御答弁するのはこの程度以上にはお答えができませんから、然るべきほうからお答えをいたすことにさせて頂きたいと思います。
  33. 岡三郎

    ○岡三郎君 ちよつとお聞きしたいのですが、そうすると、まあ実給額を割らないという話で大分論争したのですが、全体をくるめて現行の手取りよりも減らないのだというならば改訂をやつたということにはならないので、当り前の話なんだ。私はだからナセンスだと言うのだ。ベース改訂して行こうというのは、現行の手取額から減るような場合を考えて、我々はここで決議をするなんということはしないのですよ。だからあなた方のお答えをナンセンスだと言つたんだ。我々の考えているのは地域給圧縮した場合、一段階でも二段階でもこれを本俸に完全にすり替えられないで入れるということをみんなで注目しているから、しばしば繰返してそれをやつて来たわけなんです。  そういう点で一つ聞きたいが、今一級地圧縮したね。だから当初のように二級地まで圧縮したら、この方法では実綿額を割ると悪うがそれはどうか。現行の手取から割る。あなた方のようなやり方で。例えば二級地まで減らしたという場合にはベース改訂にはならん、実給額を割ると思うが、その点はどうですか、圧縮した場合に。
  34. 岸本晋

    説明員岸本晋君) 差当り政府で一段階ということを考えておる、内閣もそう考えておるのでありますが、これを二段階圧縮した場合に今の改訂で納まるかどうか、これはでき上つた俸給表の姿如何でございまして、又その俸給表によつてどれだけの金を食うか、水準がどれだけ上るか、そういう問題でございまして、現在の一万五千四百八十円の給与水準の中で納まるかということになると、これは又別の問題でございます。従つて先生の御質問の二段階の場合一万五千四百八十円の中で納まるかどうか、これはまだ計算しておりませんのではつきりわかりません。
  35. 岡三郎

    ○岡三郎君 計算されてなくても実給額を割るということは、ここで大蔵省に代つて言つてもよいと思います。その方法では幾らやつても、これは実際には米価の改訂をするということの理由にそこばくの賃金を上げたということにして、一般国民にはベース改訂をしたのだという、非常に不逞な精神が私は入つておると思う。いいですか。つまり二十九年度よりベース改訂をやる意思が果してあるのかどうか、どうなんですかという点が問題になると思うのです。私の考え方では年度内にはやる気はなかつたのだ。今までの答弁を聞くと、本会議において緒方さんなり或いはそのほか大蔵大臣の答弁を聞いてみると、今までベース改訂をやる意思はなかつたのだ。この点については政務次官どうですか。
  36. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) 只今非常に我我の気持を忖度なすつたお尋ねでございまして、そういう忖度をなさることも御尤もな点もあると思います。この給与改訂の問題につきましては、御指摘通り本会議等における従来の閣僚の答弁では必ずしもはつきりお約束はしていなかつた。    〔委員長退席、理事千葉信君着席〕  それはやはり見通しの問題として財政上もなかなか困難であろうということがあつたので、はつきり給与改訂ということを打出し得なかつたのでありますが、その後の御承知のようないろいろな情勢、それから例えば歳入の状況などの関係も見まして、これはできるだけ早い機会人事院勧告を実行したほうがよかろうということになりましたので、この際給与改訂をいたそうということをはつきり決意をいたしたのであります。でありますから経過においては今御指摘のような経過があつたかと思いますけれども、今回ははつきわ給与改訂ということを打出すことにいたした次第であります。
  37. 岡三郎

    ○岡三郎君 非常に都合のいいような答弁をされたのですが、結局一級地まで圧縮したらこういうようなやわ方では実給額を割るというふうに非常に微妙な操作がつきまとつておると思う。そこで先ほどの御答弁にあつたのですが、五分を切捨てたのか、本俸に入れたのか、これははつきりしておいて貰いたい。いわゆる四段階にした場合に級地を切捨てたのか、それを本俸に繰入れたのか、それははつきりしておいて貰いたい。
  38. 岸本晋

    説明員岸本晋君) 現在一万五千四百八十円ということを考えておりますけれども、その中身としては、給与改訂の部分と勤務地手当の今の本権繰入の分と、二つに観念的には分かれるわけです。その繰入の分につきましては、級地圧縮に伴います勤務地手当の減少の分は、当然本俸に繰入れられて、本俸を上げるということであります。
  39. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうすると、五分は本俸に入れたと、こういうことですか。
  40. 岸本晋

    説明員岸本晋君) さようでございます。
  41. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうすると、今回実施せんとする改訂は、実質的に現在の手取額から言つて、一月以降の手取額はどのくらいの増になりますか。
  42. 岸本晋

    説明員岸本晋君) 勤務地手当の分だけでございますと……。
  43. 岡三郎

    ○岡三郎君 全体ひつくるめて……。
  44. 岸本晋

    説明員岸本晋君) ひつくるめて総体として九・三%のアツプ……。
  45. 千葉信

    ○理事(千葉信君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  46. 千葉信

    ○理事(千葉信君) それじや速記を始めて下さい。
  47. 岡三郎

    ○岡三郎君 今のお尋ねの点で、まあ人事院給与表からいうと、四級程度までも、まあ上のほうが非常にアツプが少くなる。これはまあ今までの給与表自体が非常に杜撰なものであつたので仕方がないとしても、現在のようなやり方によつて、そのままあの勧告の表を受入れるということになれば、これは非常に気の毒だと私は思うのです。やはりあの一三・何%かというあれが、実質的に与えられたときに、あの俸給表というものが適用されるならば、凸凹是正の意味があるのだけれども、実質的に中味のない改訂であのままやられたということになれば、本当に低額者のほうは、これはかわいそうになるというふうにも考えるわけです。それはなぜかというと、一応本俸は上るとしても、地域級の五分を取られると、実質的には、七百円上つたつて四百円ぐらいにしかならんのじやないかというふうに私は考えるのです。そういう点で、これは今後の問題に残るとして、次に一つお聞きしたいのだが、これは政事ですが、地方公務員に対して、平衡交付金を今度増額することを決定しましたね。それを一つ内訳を開かしてもらいたい。
  48. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) 今予算書が刷り上つておりませんので、今計数整理中でございますので、概略で申上げます。年末手当とベース改訂両方合せまして、御承知の義務教育の国庫負担、二分の一負担分が二十九億五千三百万円、それからその半分も含めた残りの半分と、それから一般教職員以外のかたの給料の分が七十六億円になつております。
  49. 岡三郎

    ○岡三郎君 二つに分けるのですね。
  50. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) 御承知のように、義務教育費のほうは、これはもうまるまる半分を持つということになつております。それから平衡交付金のほうは、御承知のように、普通財源で支弁する残りを持つと、こういう建前になつておりますので、分けております。
  51. 岡三郎

    ○岡三郎君 その場合に、まあいわゆる富裕府県というものに対しては当然平衡交付金は出さないと、こういうわけですな。
  52. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) さようでございます。
  53. 岡三郎

    ○岡三郎君 その場合に半額国庫負担のほうは富裕府県にも出すわけですか。
  54. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) これ又閣議の御決定は、十一月までは御承知のように現行法がございまするので、これはそのままですが、十二月以降は新しく法律を出しまして、富裕府県分を打切るという方針を御決定になつております。
  55. 岡三郎

    ○岡三郎君 それはよく政府が、仮定の上に立つてという言葉を使われるが、政府みずから仮定の上に立つていると思うのです。この問題については今の御回答によれば、政府は十二月以降打切るという方針を立てて予算を編成した、こう言われるわけです。ところが十二月になつてこの審議がどういうふうになりますかわからない。それが延引されて、政府の言われているように、十五日の支給がどうなるか、これも仮定の上だからわからんとしても、それを握り潰して継続審議という問題になつた場合には、当然この負担をやらざるを得ないと思うのだが、その点政務次官どうでしようか。
  56. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) その通でございます。
  57. 岡三郎

    ○岡三郎君 その通りということになるというと、まあ審議の経過によつては十一月打切る部面についても止むを得ず出さざるを得ない場合も想定しているわけですね。
  58. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) 想定しているとおつしやられると困るのですが、結果においてそういうことになるのだと思います。
  59. 岡三郎

    ○岡三郎君 次に、これは少し予算委員会の部面になるかと思うのですが、非常に財源で心労せられている点もわからないわけではないのだが、併し問題はやはり政務次官も行かれているけれども、MSAの問題と連関した日本の防衛の費用という問題が、非常にしわ寄せされて、あらゆる面が窮屈になつて来ている、こういうふうに考えるわけであります。そこで巷間伝えられているように、まあ保安隊を三万人或いは四万人、五万人、いろいろな数がときどき出ているわけですが、仮に三万人増とするというと経費がどのくらいかかるか、もつと簡単に言えば、保安隊一名増加するについて総合経費が幾らかかるかという点について、ちよつとお答え願いたいと思います。
  60. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) 実は、この問題につきましては、御了承下さると思うのでありますが、非常に重大な問題で、どういうふうにするかということについて、政府としても基本的な考え方がまだまとまつておらないわけでありまして、この問題は御指摘通り二十九年度、或いはそれ以降の全体の財政計画上でも最も大きな問題でございますし、又関連するところも非常に大きいので、それだけ極めて慎重に且つ深刻に只今研究をいたしております。今お尋ねの点は、いろいろやはり条件その他によつて異りますが、極く常識的に申上げますと、保安隊の隊員一人、主として陸上に勤務するような、まあいわゆる陸上保安隊一人当りの大体の通俗的な基準となる経費は、維持費が一年三十万円、それから諸度費が大体一年百万円、でありまするから、一万人増員ということであれば、諸度費において百億円、維持費において三十億円、合計百三十億円というのが一応常識的、通俗的な基準というふうに計算されるわけであります。ただ併し、今お断りしましたように、これにはいろいろの条件やそのほかの事情がございますから、必ずしもそれだけはかからない場合もございましようし、又それだけでは済まない場合もございましようが、日本として負担を予想せられる経費というものは、一応通俗的な基準に挙げられております。
  61. 岡三郎

    ○岡三郎君 まあ今の御答弁で、今後の行政整理の問題、或いはこういうふうな諸給与の問題、その他国家支出の面が、非常に保安隊の増強と経費の面において相剋をしておるというふうにも、これは常識的に考えられるわけであります。その点で政府自体はベース改訂を大幅にするということによつて、インフレが高進すると言われておるが、我々は一応今までのケースから言うと、悪循環がいろいろな面であつたとも考えられる。純粋に言つて給与は物価のあとを追つてインフレ期には追随して来ているわけです。実質給与というものをカバーするために、順次ベース改訂ごとに、我々の実質賃金というものは或る程度つている。だから長期勤務しても、実質賃金は昔のように半分にも向上していないというふうにも言われているわけです。だからそういう点で、軍備の内容にもよるけれども、インフレーシヨンとの関連が非常に絶大だと思うので、今後我々が最も注目していることである保安隊の問題、或いはその他海上或いは空軍、こういつたような問題について、費用をいろいろと捻出して行かなければならんというふうに政府考えているようだけれども、現在までストツクされているところの政府予算の分は大体幾らぐらいあるのですか。使い残りとか、いろいろなものをまとめて。
  62. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) この点は、実は二十八年度予算が御承知通り八月に成立をいたしましたような関係で、率直に申しますと、若しこれが三月に成立をしておりまして、そうしてその後ずつとやつて参るとすれば、不使用額とか或いは繰越になりましたものが相当あつたかと思いますが、八月に本予算が成立されたので、大体それからあとの状況の見通しも相当確実になつて参りましたし、それからその後御承知のように補正予算の問題等もございましたので、現在のところでは、的確には申上げられませんが、殆んどそういうふうな、いわゆる繰越、キヤリオーバーとなるものが私はないのではなかろうかと思うのであります。ただ細かいことを申上げれば、例えば保安庁或いはその他の官庁におきまして、購入したもので、実際は二十九年度即ち翌年度にもそれが使えるというような、そういう種類のものが或る程度出て来ることはあると思いますが、金として大きく不使用の額が出るということは私はないと思うのであります。たとえて申しますると、昭和二十七年度では、いわゆる防衛関係の諸費とでも言われるものが千八百億を超えておりましたが、現在の二十八年度の予算の姿では千二百三十四億円になつております。こういう点から見ましても、前年に見られましたような大きな繰越額や、不使用額が出ることは当年度にはないと思つております。
  63. 岡三郎

    ○岡三郎君 大体一応この程度にとどめておきます。
  64. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 政務次官にちよつと申上げておきたいと思いますが、先ほどからお伺いいたしておりますが、まだ地域給の取扱いについて最終的の決定になつていないようなお話を伺つたのです。私お話を伺つておりまして、まだ納得のいかん点もあるのですが、地域給につきましては、七月の人事院勧告には、その当時の勧告地域給には触れない新給与ベース、そして給与準則だけを勧告するということだつたのでありますが、国会におきましても、地域給の成立については是非慎重に調査をして、適当な機会改訂を発表するということを人事院言つていましたし、私ども緑風会等におきましても、地域給整理についても決議をしたらどうかという強硬な態度を持つてつたのです。それで先ほど千葉委員からお話がありましたように、衆参両院人事委員会は合同委員会までやりまして、地域給の取扱いを、先月の十五日でありましたか、申合せたのでございます。その申合せは、先ほど千葉委員からお話がありました通り給与改訂とは切離してやるのだ、そして二段階整理をして、不合理の是正をするというような線で行こうというようなことだつたのです。それにつきまして、段階整理をやると約百七、八十億の金が要る。その予算の経費については、これは衆参両院でできるだけ協力してやつて行こうじやないか。とにかく段階整理するについては経費が要るのだ、一段階整理するには、一段階整理しておいて、本俸に五%繰上げて、そして今の二割五分の地域給については五%ずつ下げて行くということにすると、人事院の資料でも七十億年間に経費が余計かかる。それは一段階整理するには七十億かかる。整理するには是非とも経費が余計かかる。それをただ給与改訂と一緒にやると非常にもたつくから、これは別にやつたら、どうかというので、補正予算閣議の前までは、人事院でも勧告をする準備をして、そしてその点は二十九年度の予算にも計上できるように、自分たちは準備を進めるということを言明をしていたのでございますが、なおそれと同時に、不均衡是正をやりたい。それは大体八十億くらいかかる。不均衡是正で八十億かかる。一段階縮小するには七十億かかる。そういうようなものを勧告したいということを、委員会に出まして人事院言つてつたのが、突然二十一日の閣議で、地域給を一段階整理して中だるみを是正して、そして人事院勧告の一万五千四百八十円、それを尊重して給与改訂を行なおうというのはどういう意味か今もつて私にはわからない。それは非常に私は大きな問題に、給与改訂についてはなるのじやないか。将来問題を紛糾することになるのじやないかと思うのでございます。又二十九年の本予算にも尾を引いて来る問題かと思います。はつきりした最終的の考えがないようなお話でありましたが、是非その点は予算をお組みになる場合に、十分御考慮になつて頂いて、なお、その点を是正する点があれば、是正して頂きたいと、私はこう考えております。それについて愛知さんのお考えをもう一遍お伺いしておきたいと思います。
  65. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) この点は、地域給の問題だけではなく、公務員給与の改善全体の問題ということは、先ほどもちよつと申上げましたが、なかなかやりたくともできないというような状況で従来おつたのでありますが、いろいろの状況から呈して、この際、いわゆるベース・アツプも取上げ得るというように見通しができて参りましたので、人事院勧告を一月から実施するということを一つやろうではないか。その際に、これも又従来切離して、或いは地域給だけをというような考え方もございましたが、全体として目た場合に、ベース・アツプのほうに手をつけるならば、この際、併せて地域給のほうの問題にも、我々の考え方としては一歩前進するような考え方が取入れ得るのではなかろうか、そういうようなことから、急に実は実現したいという気運が政府部内に起つて来たのだと、こういうふうに私考えておるわけでございます。それからなお、今朝来しばしば質疑応答がございましたが、細かい点はまだ政府側としてもはつきりきめ切られておらないのでございますが、大体二十一日の閣議では、先ほど千葉さんからも御指摘がございましたように、今日我々から御説明したような見解で、一つ政府としてはやつてみようじやないか、大体の考え方はそういうふうにまとまりつつあるのでございますが、なお、これも先ほど非公式のときにお話がございましたように、いろいろ政府部内でもまだ細い点、或いは考え方の点について、いろいろの論議も十分尽されて出ておりませんので、更に至急二両日中に態度をきめたいと思つておりますが、そういう際に、今日伺いましたようないろいろの御意見につきましても、誠実に一つ再検討の参考に是非させて頂きたいと思つております。
  66. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 今の愛知さんのお話で、二十一日の閣議で大体の方向をきめた点は、地域給につきましては、現在の五段階を四段階にするのだ、そうしてそれは五%ずつは率を下げるのだ、そうして下げたものは本俸には繰入れてはないのだという線でおきめになつていたのですか、その点をはつきりして頂きたい。
  67. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) 二十一日の閣議の場合には、五段階を四段階にする。そうして削る分については本俸に繰入れられるという考え方をとろう、大体こういうような話合いでございました。
  68. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 時間がないようでございますから、もう一つ簡単に。繰入れることになりますと、先ほど私が申上げたように、人事院の資料から五%ずつ繰入れることになると、年間七十億くらいかかる。その点は人事院勧告したあの給与表の上に七十億というものをプラスして、号俸表を捕えるということになるのでございますか、その点をはつきり伺つておきたいと思います。
  69. 岸本晋

    説明員岸本晋君) つまり人事院の号俸表をそのままとりまして、その上に地域給に伴うものを本俸に繰入れることは現在の財政状況ではなかなかむずかしいのでございますので、地域給本俸繰入れのほか一万五千円百八十円という総体のベースの中で許される限度の中のベース引上げを行うわけでございます。その分は先ほどの勤務地手当本俸に繰入れる分とは別個考えられるということであります。
  70. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 そういたしまして、地域給の一段階縮減ということは、七十億のものを、これを財源にしたのだというふうに考えるのでございますか。
  71. 岸本晋

    説明員岸本晋君) 只今の七十億円というのは、少し一般会計以外のいろいろな地方まで入つた数字だろうと思いますが、その点別にいたしましてその財源であると同時に、それが又俸給表の上に撥ね返つて、俸給がその分だけ、相当する分だけ俸給表が上がるということでございます。
  72. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 政務次官はお時間がないようでありますから、計数について給与課長にお伺いいたしたいのですが、十六国会におきまして、人事院勧告通り給与ベース改訂をやると、年間に七百三十億かかる。これは国家公務員と地方公務員と併せてだろうと思いますが……。そういうことを大蔵大臣も官房長官も言つておられた。ところが今度人事院勧告通りに一月一日から実施するのだ、そうしてその三カ月分は国家公務員の分と地方公務員の分と併せて八十二億六千万円。これを年間にいたしますと、二十九年度においては大体四倍すると三百三十億くらいになるのだ、もう少しいろいろな手当等が殖えて来るかも知れません。十六国会において人事院勧告通りにやれば七百三十億かかるというのが、今度の補正予算で出るのを年間に引伸ばして行くと三百三十億になる。その内訳のほうを勘定しましても、七百三十億の中の一般会計は二百三十二億ぐらいある。それも五割二分くらいになつている。七百三十億の中の地方公務員の分は約五百億であつたのです。それが今度二百十億になつている。四割何分ぐらいの計算だと思うのですが、どうして半分くらいになつて来たか、それの原因を数字で一つ説明をして頂きたい。
  73. 岸本晋

    説明員岸本晋君) 細かい数字を持ち合せませんので誠に恐縮でございますが、大体の考え方を申しますれば、七百三十五億円と申しますのは、人事院勧告をそのまま採用した、つまり勧告俸給表をとり、勤務地手当整理もいたし、年末手当も或いは特別手当を二カ月にするという趣旨の下に、中央、地方を通じて七百三十五億でございます。正確に計算いたしますと、七百五十億くらいだと思いますが、その見当の数字でございます。ところが今度の補正に現れましたのは、一般会計三十億、地方が五十億、合せて八十何億でございますが、その数申はまず第一に御注意を頂きたい分は、ベース改訂分だけだということでございます。人事院勧告に伴う〇・五の増加分はその中には入つていない。先ほどの七百三十五億には入つていない。もう一つは基本のベースがちがつていることでございます。人事院勧告を尊重はしております。併し文字通り尊重いたしますと、一月一日に仮りに実施いたしますと、一万六千円はやはり超えるのでございます。それを一万五千四百八十円ベースでやる、その点で相当な開きが出て来る。その点が大きな数字であろうかと思います。    〔理事千葉信君退席、委員長着席〕
  74. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 給与課長にもう一つお伺いしたいのですが、人事院勧告の一万五千四百八十円でございます。これは一月一日からその通りの実施をして行こう、だから実体が三月のときから四百円ばかり昇給していいから、一人当り約一万四千百六十円くらいのことだから、それに対して九・四%上げて行こうという説明なんです。ベースは一万五千四百八十円というものはさまつている。その内訳は人事院勧告では本俸の八割、家族手当が六%、地域給が一四%ということになつているのですが、そこで本俸の八割というのは一万二千四百三十円ということになつている。今度改訂する号俸は人事院勧告通りといいますから、それに同じ人数をかけると一人当り一万二千四百三十円という一人当りの本俸が出て来る。家族手当は九百五十円の六%、これは変らない。そこで地域給を一率に一段階つて五%削つたというと、一万五千四百八十円の中で二千百円というものに入れたやつがいくらか減つて来るのじやないか。地域給は一割四分というのが減つて来るのじやないか、一割一分くらいになつて来るのじやないか。そうすると一万五千四百八十円じやなくて、一万四千五百円くらいになつて来るのじやないか。この一万五千四百八十円に対する本俸と扶養家族手当、そうして地域給、その率をどういうふうになさるか、その計算を伺いたいと思う。
  75. 岸本晋

    説明員岸本晋君) 一万五千四百八十円の中味でございますが、最終の俸給表が先ほど申したような事情でまだ確定いたしておりません。仮の一応の計算でございますが、勤務地手当を一段階整理といたしますと、これは大体先ほど仰せになりました一一・六%ぐらい、このくらいの率に相成りまして、勤務地手当としては千六百円見当、まあ五百円ぐらい減るわけでございます。つまり二万五千四百八十三円の中で現行勤務地手当通りやつた場合には二千円何がしかかるものが千六百円に減る。その代りにその五百円ぐらいの金が本俸のほうに加つて行くということになるわけであります。
  76. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 私はその勘定がどうもわからないのですが、号俸上は人事院勧告通りにするのだ、そして一般公務員の数は四十九万人ですか、それは変りがない。そうすると、あの号俸をそのまま使えば、本俸の額は一万二千四百三十円を上廻ることも下廻ることもないと思うのです。それが今岸本さんのお話では五百円ぐらい上るということになると、先ほどのお話とは食違つて来る。本俸を一律に何%か上げたという勘定になる……。
  77. 岸本晋

    説明員岸本晋君) 私の説明の不足で恐縮でございます。勧告俸給表とつたということは、一万五千四百八十三円の中で、勧告俸給表をとる場合には、勤務地手当が幾らか殖えるということになる。わかりやすく申しますと、こういう場合を想定して頂くと結構ですが、つまり勤務地手当現行のままに据置く、そして一万五千四百八十二円をやるという場合には、実は本俸勧告俸給表をとらない、それより若干下廻る、勧告俸給表の二%か三%低いところで俸給をきめないとできないということでございます。従いまして勧告俸給表をとつて本俸が……。
  78. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 私にははつきりわかりませんが、これを一つ書いて頂きたいと思います。人事院勧告は先ほど申しましたように、一万五千四百八十円がある。その内訳が八割と六%と一四%が出ていた。これに対してこの適用する人員がわかつている。それの各項目で幾ら増額になるのか、それが国家公務員だけでいうと、七百三十億のうちの、合計したならば二百三十二億ぐらいになる、人事院勧告通りにすれば……。それを今給与課長お話のように、一万五千四百八十円に対して勤務地手当は千六百円ぐらいにするのだ、そしてその下つた分を本俸に繰入れるというようなことになると、そうすると、本俸は今度は全額が幾らになつて、それから地域給金額が幾らになるのか、その比較をするとはつきりして来るのじやないか。そこで私が恐れるのは、今度は公労法の適用者の二十六万人はこの地域給のなにについては政府がきめるのではない、そうすると、国家公務員だけが本俸が非常に高いものになつてしまう。民間給与者よりかも、公労法の適用者よりも本俸が高くなる。そうすると、これは又将来労働攻勢の糸口になる。国家公務員だけなぜ本俸が高いのか。若し賃金、地域給などを整理したならば、公務員だけが本俸が高くなつて来る。民間給与者よりも公労法の適用者よりも高くなつて、一般公務員だけが上にあぐらをかいているような恰好になる虞れがあるのじやないかと思う。はつきりした最終のあれがついていないじやないか。そこに政務次官おいでになるが、この点非常に食違いが出て来るのですが、十分に御検討になつて下さい。それから給与課長にはこの比較表を是非早く出して頂くようにお願いしたいと思います。そうでないと何か宙に浮いたような議論をしてもさつぱり結論がつかない。是非それをお願いしたいと思います。
  79. 岸本晋

    説明員岸本晋君) 後刻至急提出いたします。
  80. 千葉信

    千葉信君 今の溝口委員の質問は非常に重要な質問で、大蔵省答弁通りの恰好では非常に誤解を受けている。とんでもなく公務員本俸が高くなつたような印象を与える虞れがあると思うのですが、これははつきりしておく必要つがあると思う。そこで今の質疑応答を開いておると、大蔵省答弁答弁が下手なためか、それとも又特に答弁をうまくごまかしているためか、どつちかによつて問題がすつきりしない点がある。一体これは、給与課長にお向いしますが、こういうことではないのですか。四月一日から八月までの間に三百五十九円の自然増加率があつた、それから八月から十一月までの推定増加率としては二百十二円、四月が一万三千五百八十七円で、八月が一万三千九百四十六円、それが今度十二月には一万四千百五十八円になるのであるから、その自然増加の合計は五百七十一円。ところが人事院勧告しました俸給表俸給表に切替える場合に、五百七十一円低い場合にその俸給の切替をやつた場合と、五百七十一円高くなつた場合にあの俸給の通りの切替をやつた場合には、総体の、平均賃金の総額が殖えて来ることは当然なんです、二回昇給しておるという前提になるから。その昇給したどころへ人事院俸給表を以て切替えるということになると、これは地域給をいじらない場合には推定一万六千百三十一円になるはずなんです、五百七十一円高くなつた俸給へ人事院俸給表をいきなり適用して切替えるということになると。であるから政府のほうでは四月から十二月までの自然増加を見て、五百七十一円というものをごまかしておる。そしてその分は引上げないようにするために、上つた給料に人事院俸給表をぶつかける、上つた給料にぶつかける、ぶつかければ一万六千百三十一円になるので、そこでこれでは大変だというので、地域給のほうを五分削つて、そうしてその分を本俸の切替の場合に、その財源を使用した。従つて五百七十一円自然増加になつたものはオミツトされて、四月に切替えられるものが一月に切替えられても、これは平均賃金は一万五千四百八十円にしかならない。こういうことになるでしよう。その点を大蔵省はつきり知らないわけはないのであるから、その点を答弁すれば、将来誤解を受けることもないと思う。その点給与課長のほうからはつきり答、えたらどうですか。
  81. 岸本晋

    説明員岸本晋君) 先ほど溝口委員から明確な数字を出すよう要求がありましたので、その資料を提出いたしました上で、御判断頂くということにしたいと思います。
  82. 岡三郎

    ○岡三郎君 いつ頃までに提出いたしますか。
  83. 岸本晋

    説明員岸本晋君) 内閣におきまして、一般職の給与のほうの最終的な閣議決定がありましたら、至急出したいと思います。
  84. 岡三郎

    ○岡三郎君 いつですか。
  85. 岸本晋

    説明員岸本晋君) これはちよつと私のほうでも閣議のなにがありますので……。
  86. 村尾重雄

    委員長村尾重雄君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中正〕
  87. 村尾重雄

    委員長村尾重雄君) どうぞ速記をつけて下さい。  ほかに御発言がなければ暫時休憩いたします。    午後零時二十七分休憩    —————・—————    午後二時二十九分開会
  88. 村尾重雄

    委員長村尾重雄君) 休憩前に引続き委員会を開きます。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十分散会