運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1953-11-20 第17回国会 参議院 厚生委員会国民生活改善に関する小委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十一月二十日(金曜日)    午前十時二十七分開会   ————————————— 昭和二十八年十月三十日厚生委員長に おいて本委員を左の通り指名した。            中山 壽彦君            高野 一夫君            廣瀬 久忠君            林   了君            山下 義信君            藤原 道子君            有馬 英二君 同日厚生委員長において左の者を正副 委員長に指名した。    委員長     中山 壽彦君    副委員長    山下 義信君   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     中山 壽彦君    副委員長    山下 義信君    委員            高野 一夫君            林   了君            廣瀬 久忠君            有馬 英二君   事務局側    常任委員会専門    員       草間 弘司君   参考人    製粉協会専務理    事       沼田恵之助君    日本パン技術協    会会長     阿久津正蔵君    日本乳製品協会    専務理事    米田  富君    女子栄養短期大    学学長     香川  綾君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○粉食対策に関する件   —————————————
  2. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) それではこれより開会いたします。  本日は粉食問題を議題といたしまして、関係団体代表者並びに学識経験者の御意見を拝聴いたしたいと存じます。参考人のかたがたにおかせられましてはお忙しい中を御出席頂きまして誠に有難うございました。厚くお礼を申上げます。おのおのの立場から御意見のお述べを願いまして私どもの審議の上に有益友参考資料といたしたいと思います。何とぞよろしくお願い申上げます。  参考人のかた全部から御意見を伺いました後にまとめて各委員から御質問をお願いいたします。  では最初製粉協会専務理事沼田さんからお話を願います。
  3. 沼田恵之助

    参考人沼田恵之助君) 沼田でございます。お尋ねのありました点につきまして若干申上げて見たいと思います。私どものやつております業は小麦粉製造関係でありますが、並びに精麦も含んでおりますが、麦の関係は御承知のごとく昨年の七月の、正確に申しますと六月でございますが、統制撤廃された関係なつているのであります。従いまして昨年以降は価格並びに配給につきましては自由な形が出て参つたのであります。併しながら実は先般の厚生省で御開催になりました食生活改善懇談会のときにもたしか御質問のうちにあつたかと思いましたが、この麦の移動についていろいろどうなつているかというような御質問がたしかあつたと思いますが、統制撤廃と申しましても実は完全な撤廃ではないのであります。と申しますことは、申すまでもございませんが、外国から入ります小麦、これは全部政府が一手に輸入する、民間では輸入できないのであります。而も小麦消費というのは、通常消費がいわゆる配給部門に乗る消費国内でできます小麦年間四十万トン程度であります、それに対しまして外国から輸入します小麦が百六十万トン、これは通常消費でありますが、つまり二百万トンのうち僅かに五分の一が国内生産されるのでありまして、他の五分の四というものは外国から輸入しておるという関係なつておるのであります。その外国から輸入しておりますものは全部政府買上げるというわけでありまして、民間で自由に買うことはできないのであります。而もその買上げました小麦は内麦も外麦も同様でありますが、全部一定価格で払下げるという関係なつております。内地小麦も実はこれはいろいろ議論があとで出て参ると思いますが、実は小麦と申しますのは、外国から入る小麦のほうが遙かに品質がよろしいのであります。従いまして内地小麦につきましては政府といたしましては、いわゆる農業生産の確保という意味から相当内地小麦を、何と申しますか高く買う、外国小麦は非常に国際市場価格は安いのでありますが、内地小麦と釣合いのとれた値段で売却するという、内地小麦との関連におきまして国内に売却する価格一定価格にきめておりますので、従いまして若干と申しますか、相当に外国小麦は高くなつて売る。これは内地生産を確保するという、いわゆる農業生産立場からそういうふうにおきめになつておるのであります。そこで国内小麦は今申しましたように自由になりましたけれども、実は品質が悪くて値段も高いという関係なつておりますので、殆んど全部政府に入つてしまうのであります。で而も政府はやはり農業生産意味からいたしまして価格維持政策とつておるのでありますが、内地小麦も自由とは申しながら大部分はやはり政府に入つてしまう。本年のごときは非常にそれが顕著に現われておりまして、自由の市場に出廻る小麦は無論ございますけれども、これはほんの僅かでございまして、大部分小麦はやはり政府内地買上げてしまう、そこで結局製粉原料につきましては実は政府が全部収めまして、そうして一定値段で売却する、こういう関係なつておるのであります。従いましてそれからできます小麦粉価格につきましても、政府一定価格を予定しておるわけであります。その予定している価格以上に製品価格が上つて来る模様がありますれば、政府みずから持つておる小麦製粉業者委託加工をいたしまして、製品の形でこれを市場に放出して小麦粉価格を調整する、こういう仕組に昨年からなつておるのであります。従いまして現にそういう形で昨年から実行されておりますので、小麦粉価格が非常に上昇して参りますれば直ちにこれを政府が抑えるという関係なつております。現に最近に至りまして関東、東北方面におきまして米の闇値上昇から小麦粉価格も幾らか値上り気味なつておりますので、政府はこの際東京、名古屋、大阪、神戸の四大都市におきましては、通常消費量の一カ月分を備蓄いたしております。その他は東北北海道でありますが、そこに若干の備蓄をいたしましてそうして何どきでも、つまり市中の小麦粉が高いと思えば誰でも政府に買いに行つていい、政府は直ちにそれに応じて売るから、こういうような態勢を現在とつております。従いまして大体小麦粉価格政府が妥当と思う線に釘付けになるという状況に現在なつております。  そこで実際の生産状況につきまして簡単に申上げたいと思いますが、小麦粉生産は実は昨年いわゆる配給統制撤廃になりまして以降若干減退しておるように思われるのであります。大体原料にいたしまして、例えば前年同月をとりますと、昨年の十月は十五万一千六百十八トンの製粉加工をいたしております。これに対しまして本年の十月を見ますと、大体二十二万五千トン程度に上つておるように思います。これは勿論直ちにこの数字を比較するわけにも参りませんが、大体本年の六月頃までは一カ月十五万トン乃至十六、七万トン程度加工して参つたのでありますが、本年の八月以降になりまして加工数字が殖えて参りまして、七月は十九万一千トン、八月が十九万三千トン、九月はちよつと落ちまして十八万六千トン程度でありますが、十月に至りまして一十三万五千トンと急激に上昇しておるというような関係なつておりまして、最近の米の凶作に伴う粉食需要ということが急激に九月以降において現われて来ておるように思われるのであります。これは単に私ども関係仕事ばかりでなく、粉食関係しておりますパン、麺並びにイースト或いはその他バター、マーガリンのような関係でも、どちらのほうにいたしましてもそれぞれ九月以降急激に消費が殖えておるというふうにお託になつておられます。従いましてそういつた関係が現実に起つておるものと思われます。  ただ製粉能力はどのくらいかと申しますと、大体全国で一カ月に四十五万トン程度製粉する能力があるのであります。従いましてこれはいろいろ地域的には若干問題がございますけれども全国能力は一応政府の査定しておりますところは四十五万トンとなつております。勿論電力事情その他によりましてそれに規制を受けますので、いわゆる能力四十五万トンが必ず今出るかと申しますとそうは参らんと思いますが、いずれにしても、内輪に見ましても三十万トン程度のものは能力として考えられるんじやないかというふうに思われますので、これは現在の状態では能力的に差障りがあるということは考えられないと思います。  それからお尋ねのうちの学校給食の問題でありますが、学校給食はこれは毎月大体五千トン乃至六千トン程度のものを学校給食用小麦粉といたしまして委託加工いたしまして、政府がこれを政府の予定しております価格のいわゆる半値で売却するわけであります。これは現在でも続けてやつておるわけであります。そうして学校給食の粉を作ります場合は委託加工でありますから、一定加工賃に基いて加工いたしておるわけでありまして、その加工賃の額は政府がこれを決定しておられるわけであります。  極く大ざつぱなことでございますが、なお詳しいことは御質問によつて又お答え申上げたいと思います。
  4. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 次に日本パン技術協会会長阿久津さんに……。
  5. 阿久津正蔵

    参考人阿久津正蔵君) 阿久津でございます。日本パン終戦後におきまして主食形態に入りまして、大量の主要食糧の分に入つたのでございますが、従つて戦前菓子的存在とはここに状態が一変したわけでございます。この転換期に当りまして、非常に急激に業界が膨脹いたした関係上、非常に不完全なる設備、不完全なる技術、不完全なる状態の下に今日のパン界が置かれておるわけでございます。統制によりまして配給をいたしましたパン最高量年間六十万トン、月産五万トンというのが大体の最高の量であると思います。昨年統制が解除になりまして特に米の端境期、米の出来秋を通しまして、配給当時の製造高に比べまして需要……、需要と申したほうがよろしいと思いますが、需要が約半減したと思います。最近におきまして、米の闇値の高騰と共に再びこのパン需要が増して参りまして、大体昨年の暮あたり状況は、食パンにいたしまして月二万五千トン乃至三万トン、菓子パンにいたしまして一万トン乃至一万五千トン、両方合せまして約月四万トンぐらいの消費という見当をつけております。これは統計がございませんので、特に業界が非常に混乱をいたしておりますので推計が非常に困難なのでございます。特に配給制度が崩れて以来組合の力が非常に弱まりました関係上この統計類或いは一般的な連絡というものは非常に困難でございまして、そういう数字も明らかにつかむことができないのでありますが、製品の全体的な流れを申しますと、配給食パン的形態から菓子パン的形態にんだんだん移つて参りまして、その傾向はだんだん顕著でございましたが、ここ米の闇値上昇と共に菓子パンのほうは大体そのままでございますが、主要食糧であるところの食パンコツペ、こういう方面が増加いたしまして、殊にコツペパンよりも食パン的な形の物が増加しております。これは明らかに菓子パンから食パンに移つて行くという食形態と見られるのであります。主食的な形態菓子パン形態というものは、非常に日本では不明瞭でございまして、殊にコツペパンというものはいずれに属するかがわからないのが全体を通じての問題でございます。なぜかと申しますと、サツカリンパンに入れまして食べておりますので、砂糖の代りにサツカリンを入れますから、これがパンだけを食べて腹を満たすという点から申しますと主食のようにも見えますが、一方これはお菓子の部類に入るというようなところがございまして、この両方の境、境目の役のコツペパンというものは非常に不明瞭であります。こういう形態のものがかなり食ハンの中にもありまして、概して日本パンを見ますというと、明らかに主食的形態ということが、しつかり食生活改善の目標に向うであろうとするところの食形態のうちの食パンというものは、非常にパーセンテージが少いと見てよろしいと思つております。  学校給食の問題でございますが、学校給食配給制度のあつた時分におきましては、大体配給の一割、一〇%が学校給食の量でございましたが、現在では学校給食のほうはややこれより殖えておりまして、今沼田さんが申された数字をもうちよつと今年あたりは超すのではないか、八万トンぐらいになるかも知れないということでございますが、学校給食の問題はこれはコツペパンを主体にしておりますので、コツペパンの先ほど申上げましたところの主食としての形態の大きな欠陥がこの学校給食に現われておりまして、而もこれは非常に小さなパン屋さん、数の非常に多い不完全な設備、不完全な技術パン屋さんが全国に、主要都市にたくさん入れておりますので品質が悪いという問題はこれは事実と思われます。殊に配給当時においての配給統制と同じ規格で、きめられた規格が殆んどそのまま現在残つておりますので、この点において市販品よりも劣るのは止むを得ないと思われる。学校給食について私は特に強調して申上げたいと思いますのは、あらゆる制度がそうでございますが、学校給食パン自身本質的に良いパンでないということ、これは市販品より本質的に良いパンでないということを基礎にしておるものでございますが、最近におきましてぶどうを、レーズン学校給食で入れて食べますと子供が非常に喜ぶというので、パン業界においてはこの運動が盛んなのでございますが、これは果してよい傾向であるがどうか。学校コーヒーを飲むということもあるらしいのでございますが、一体そのパン本質的なものの改良を忘れてコーヒーや、ぶどうの、レーズン輸入品を食べるということがこれが果していいのか。こういう問題は私は政治的に御批判を願いたいと思います。こういうものを改良するにあらずんば我が国食生活改善基本にした学校給食改善というものは絶対に成立しないということを申上げたいのであります。  ハン改良に関する問題は、只今申上げました点から極くかいつまんで申上げますというと、先ず最初本質的な問題を申上げたいと思うのです。我が国パン大衆がまだパンというものの味をよく知つておりませんから御飯に似たようなパン、うどんに似たようなパンを欲しがるのであります。つまり食生活段階が非常に低いのでございますからこれは止むを得んことでございまして、この製品大衆が好み、この製品パン屋が造り、この製品政府が認めて配給をしておつたのでありますから、その状態が依然として今日まで続いておるのでございまして、この本質改良するにあらずんば主要食糧としてのパン食生活改善としてのハンというものはできないと思うのでありまして、この問題を解決するためのいろいろな方法、これが品質改善方法であると思うのであります。従つて良い悪いということは何を中心にして申上げるか、これが非常にむずかしい問題でございますが、今までのは良いというのは大衆が好み、パン屋が造りよい、そうして配給統制なり、或いはこの取締に都合がいいということで、現在のような状態になつたのでございますが、これは実情でございまして、こういう実情を根本的に改革するためにはもつと指導面を強くする、つまり啓発をする、嗜好の改革というものを民族的な力で持ち上げて行くということが考えられなければいけないと思うのでございます。およそ主食の転換というものは長い民族の歴史の上に育つた食習慣というものから突き抜けるのでありますから、これは非常に大きな決心と非常に大きな政策とが相携えまして実現ができるものだと思うのであります。そういう意味で現在のパン改良するための方法といたしましては、先ず原料の問題を最初に申上げますと、私たちの考えるところでは世界的に値段の高い米を安く売つて、世界的に安い麦を高い値段で売ると、本質的なことから申しますというと、食文化的な本質から申しますというと、パンというものは飯よりもおいしい味覚世界一つ開いておるわけでございまして米の味覚の上に別なパン味覚という世界があるはずなのでございます。従つて文化的段階においては非常に高い段階にあるわけでございますが、そういう段階にあるべきこのハン形態というものを日本の現状においては非常に低い段階のものを食べておるわけでありまして、従つてそのものは而も高いという状態でありますから矛盾が二重にここにかかつているわけでありまして、この問題を解決しなければいけないと思うのであります。単にパン屋が原価の安い小麦を買いたいという意味の主張を私は申すのではありませんで、もつと大きな主要食糧としての政策国民食生活改善基本というものをはつきりする立場からこの価格政策というものをもつとおとわになることが重要であるということを申上げたいのであります。  次には製造設備でありますが、この設備最初に申上げました通り非常に不完全でございまして、現在全国ハン業者の数は配給当時において八千と申しておりますが、そのうち本当にパン屋らしいハン主要食糧として合理的に製造のできる工場というものは幾つもないのであります。非常に不完全なる設備でございますので、この設備を拡充する合理的な生産のできる設備を持つということが、これが極めて重要な問題であると思うのであります。これに伴いまして最も大きな問題は燃料の問題でございますが、電力事情は最近において殊に悪うございますが、この燃料問題を又根本的に解決することでなくては、この最初から申上げております。パン本質的改良というものはできないのでございまして極端に申しますというと、現在の電力燃料の倍を使わなければ、日本パンというものは本質的に焼けないのでございます。この点は非常に大きな問題でございまして、これを何らかの方法によつて解決を要すると思うのであります。技術の問題でありますが、これは、これも最初に申上げました通り、非常に不完全なる技術でございまして、日本パンというものは英国から入り、欧州から移り、そうしてアメリカから習つたという輸入技術でございまして、本質的に日本ハン主食になるようなパンというものはどうしてどのようなものが標準であるかということが今日なお不明瞭なのでございます。これらは技術的に非常に研究すべき余地が多いのでございまして、従つて技術者養成というようなものも、これは今日においては非常に不完全なる制度の下に置いておかれておるのであります。曾つて統制中に政府におきましても学校を作り、各県から技術者を呼びまして、これで配給統制指導者をつくるという努力をしたのでありますが、パン業界のこれに協力する者がございませんので、遂に成功せずして今日に至つたのでありますがこの技術問題は根本的に重要なものの一つであると思うのであります。従つてこの技術の問題と並びまして労働力の問題が非常に問題でございまして、昨年以来労働基準法に基く技能者養成制度製パン工のほうに適用されまして実施されておりますが、この制度をもつと拡充いたしまして、技術養成をすることが重要のことであると思うのであります。これらの問題を総括いたしまして一つパン企業というものを考えて見ますと群小の非常に非合理的な工場パンを作つておりますので、これらの大部分中小企業でございますが、この中小企業のこれらのものをどういうふうな形において、基本的なパンを焼けるような線に持つて行くか、而もそれが営業として成立つかという問題、並びにこれと並んで非常に大きな工場が出現しようとしておるのでありますが、この大きな工場というものを如何にして合理的な線に育成して行くかということが、このパン主要食糧に取入れ、そして大きく拡大し国民嗜好を根本的に開拓いたしまして、食生活改善への途を開く根本の問題の最も重要な問題であると思うのであります。  極く粗筋を申上げましてあとで御質問にお答えいたします。
  6. 中山壽彦

  7. 米田富

    参考人米田富君) 米田でございます。今日は私ども呼びにあずかつたのでございまするが、従来私ども乳製品牛乳の商品の普及ということに対しまして、非常に声を大きくして努力して参つたのでございますけれども、なかなかなか世間の注意を喚起することはむずかしうございましたし、ましてや輿論ということに我々の業界の問題を取上げて頂くということは非常に稀であつたのでございますが、今日こういう席にお招きにあずかりまして、我々の状況を聞いて頂きますということは、非常に嬉しく感ずると同時に、うたた我々の協会といたしましても世の中の変つたことを非常に驚いておる次第でございます。私どものやつております仕事は直接関係しておりますこの協会といたしましては牛乳から製造いたしまする乳製品仕事なのでございますが、便宜飲用牛乳というのは別に飲用牛乳協会というのがあるのでございますが、そういう事情も併せまして簡単にお話したいと思います。この牛乳生産いたします乳牛でございますが、乳牛の飼養は現在約三十二万頭ございまして、これを飼つております農家は二十万七千戸になつております。農家戸数にいたしますれば六百十四万戸の僅か三%くらいしかになつていないのでございまして、一戸々々の飼つております乳牛にいたしますと僅か一・八頭というような非常に少い数でございます。特に北海道のごとく二・二五くらいになつておるところもございます。そういう工合でございまして農家亟めて僅かな部分しか飼つていないのであります。今後相当伸びる可能性もあるということになるのでございます。生産されます牛乳は昨年三百十万石ほどできましのでございます。これは戦前の一番たくさん生産されました昭和十六年の二百九万石に比べますると、約五割の増産をしておるのでございます。戦争中もこの乳牛増産ということにつきましては、政府は非常に力を人心られましたので、終戦の間際まで、十九年まで乳牛も殖えて参りましたが、終戦当時並びに終戦後におきましては飼料事情も非常に窮屈になりました関係上、又牛も相当食われてしまいましたので、一時は僅か八十万石程度に非常に少くなつたのでございますが、最近になりましてこのような乳量の増加を目たのでございます。これひとえに需要の激増という関係もあるのでございますが、只今叫ばれております食生活改善という点からして、国民牛乳乳製品需要を著しく要望して来たということに起因しておると思うのでございます。  この牛乳乳製品のことにつきましては、昭和十五年に酪農業調整法という法律が出まして、これによつていろいろ取引並びに配給価格等につきまして統制をとられて来たのでございます。その後いろいろ変りましたが、昭和二十五年の四月までこの制度いろいろ公団でございますとか、或いは食料品配給統制規則でございますとか、内容は変りましたけれども、大体その統制が続いて来たのでありまするが、二十五年の四月にこれが廃止になりました当時におきましては、生産物が非常に余りまして、滞貨をした関係業界といたしましても、非常に困つたことがあります。乳価もそのために相当大幅の値下げをいたしまして乳牛飼育者にまで非常な大きな影響を及ぼしたことがあるのであります。昨年の春頃まではこの状態がかなり激しく続いておりまして、昨年の夏になりますと、大体夏になりますと牛乳消費が殖え、又ストックいたしました乳製品もこれが夏の間に捌けるというのが大体年々の状態なんでありまするが、昨年は夏になりましても、これが捌けませんで、非常に資金的にも困つたのでございまするが、昨年の九月頃から非常にこの状態が変つて参りまして滞貨しておりました品物も急に捌けて参りまするし、又例年九月頃になりますというと 都市における飲用牛乳というものは需要が減つて参るのでございまするけれども、昨年は残暑も長かつた関係もありましたが、九月十月になりまして一向に飲用牛乳消費も減りません。そういう関係で我々の事業も非常に好転して参つたんでございます。最近におきましても、依然としてこの需要は旺盛でありますので、恐らく我々のこの酪農乳製品業界といたしましては、現在ほど事業の円満なる進展をしておるときはないと思うのでございます。只今申しました三百十五万石の牛乳の利用の状況を申しますと、そのうちの約百五十万石が飲用牛乳といたしまして、生で消費をされておるものでございます。残りの百六十万石がこれが練乳、粉乳、バター、チーズ等の加工品になるのでございまして、練乳の生産は昨年百四十一万箱でございます。これは三百九十七グラムの罐入のものを四ダース、四十八罐を一箱といたしましての計算でございます。粉乳は百六十万箱でございまして、これは四百五十グラム入のものを十二罐を一箱といたしました計算でございます。バターが八百八十五万ポンドでございます。チーズは九十八万ポンドでございます。そのほかに脱脂練乳、脱脂粉乳というものが相当作られております。これらの生産額を金額で申しまするというと、大体三百七十七億円程度なつております。ついでに今年の七月までの状況を申しますというと、牛乳生産は約二百十万石程度なつております。これから大体類推いたしまするというと、今年の牛乳生産は大体三百七十万石か八十万石程度になるだろうと思います。牛乳消費が非常に増加いたしました一例を東京都にとつて見ますると、東京都で戦前に一番一日に多く牛乳消費いたしましたのが八百石くらいあつたことはございまするが、大体一年に平均いたしまして、十六年の一番多かつたときに、一日六百二十石となつております。それがずつと滅つて参りまして二十六年、一昨年に漸くこれが回復いたしまして、そうして昨年一日平均千石となつております。多いときには一日千四百石程度なつたこともございまするが、千石になつております。今年はそれが今までの平均では約千三百石余りになつておりまするが、多いときには千八百石くらいも出たことがあるようでございます。で需要はもつと多いのでございまするけれども、何分に、夏分になりまするというと、原料関係でどうしても需要だけ出せないという状態でございます。このほかに生のクリームでございますとか、脱脂乳でございますとか、そういうものも相当に出ておりますので、そういうものが毎日牛乳に換算いたしまするというと、百五十石乃至二百石程度のものが消費されておるのでございます。この状態はやはり大阪におきましても同じような状態でございまして、大阪は従来余り牛乳並びに乳製品消費は多くないところでございますけれども、最近におきましてはこれが非常に多くなつて参りまして、二十六年の一日平均二百十石から昨年は三百五十石になつております。今年は四百四十石程度までになつておるようでございます。こういう工合でございまして、飲用牛乳というものが非常に殖えて来たのでございまして、これはどこの例を見ましても飲用牛乳の多いのが当然でございまして、加工用の原料乳の多いということは、これはまあ異例であるのでございます。と申しますのは、結局十五年以来配給統制をやりました関係上、乳量の少いときには成るべく配給のしやすいものという関係上、練乳、粉乳に加工いたしました。殊更に加工いたしたことが今までの原料乳の配分の異例であつたことになつたと思うのでございます。  乳製品輸入状況でございまするが、これは極めて僅かでございます。申上げるまでもございませんが、学童給食用の脱脂粉乳というものを、これは相当に輸入しておるのでございまして、昨年の輸入数量は約二方三百トンでございます。金額にいたしまして三十二億円余りのものになつておりまするが、そのほかの練乳、粉乳といよううなものは極めて少数でございまするが、バターとチーズは従来輸入はされていなかつたのでございまするが、チーズは昨年からこれを自動承認制で輸入するようになつたのでございますが、バターもチーズも大体OSSでありますとか、SPSとか、外国人の生活品として取扱われているものが大部分であつたのでございます。一方輸出のほうにつきましては、殆んど台湾、沖縄向けにほんの僅かあるだけでありまして、これは極めて少量でございます。併し戦前におきましては、昭和十四、五年頃におきましては、約四十万箱から五十万箱程度の練、粉乳を東南アジアのほうに出しておりますので、日本の品物についても決して外国製品に劣つているということはないのでございまして、価格品質におきまして外国製品と十分太刀打ちできる自信を持つております。  なお学童給食の関係で只今どういう役割をしておるかと申しますと、まだこういう状態でございまするが、日本牛乳なり或いは脱脂粉乳というものを直接まだ学童給食用に計画的にやつておるものは非常に少いのでございます。一昨年から脱脂乳を、一部東京都ほか地方の都市におきまして僅かばかり脱脂粉乳を使う代りに脱脂乳を使つておるところが一部分ございます。今後の対策等につきましては、あとで又申上げます。
  8. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) それでは次に女子栄養短期大学長の香川さん。
  9. 香川綾

    参考人(香川綾君) 香川でございます。「食生活改善の方途について」という御質問でございますので、それについて簡単に所見を申上げたいと思います。日本人の健康度を高めるということと、それから活動のできる年齢を長くいたしますということ、その二つは日本の民族を再興するのに一番大事な基本的な条件だと思つております。多産多子、或いは低能率とか病弱とか早老、短命というようなことが一般の生活改善によつて改良されなければならないことですけれども、特に合理的な食生活をいたしますことが一番これを改善するのに直接な問題だと思うのです。そうして欧米人の一人と日本人の一人が相対しまして、その能力において劣らないというようなところまでどうしても持つて行かなければならないと思います。それで食生活改善ということは、そういうような根本的な国民の実力の問題になりますが、又同時に日本の只今の国民生活のうちで経済問題が、食生活が、非常に大きい役割を占めるように戦後特になつて来ております。非常に貧困になりましたためですが、そういうことと、又婦人の家事労働に要する時間のうちでも食生活に要します時間が最も大きいのでございます。こういう労力的な問題、そのようなことがすべて食生活改善と関連をいたしましております。現在の国民生活の状況はどうであるかと申しますと、これは終戦後毎年四回ずつ国民の栄養生活の調査が行われまして、非常に明瞭になつて来ております。その結果、併しながらいつでも欠陥として現われて参りますことは、蛋白質の欠乏、これは戦前からありましたけれども、戦後もやはり幾分都市のほうは上昇しておりますが、農村ではまだあります。殊に農村の動物性蛋白質はまだ十分必要量に達しておらないのであります。それから日本全体についてカルシウムがどうしても足りません。それからビタミンAとかB1、B2、C、その他でありますが、そういうビタミン類の欠乏もやはりございます。このように我が国食習慣によつてこういう欠陥が来ておりますのでありますが、そのうち特に目立つ食習慣といたしましては米の偏重であります。米或いは米麦の偏重であります。そういう偏食の結果、非常に心身の発育を阻害いたして十分に発育いたしておりません。或いはそのために早老……早く年が寄ります。或いはそのために胃腸疾患が多いし、又各種のビタミンの欠乏症等がよく起つております。又結核病の多発とか、又は高血圧症の多いこと、若くて高血圧症になることなども、これらの食生活と関連しているように考えられております。でこのような食習慣というものは一体何から起りますかと申しますれば、結局はその地域の生産する食物によつて長い間自然に起つて来た、習慣付けられたものでございましようけれども、又食習慣、食物の変ることによりまして生産される食物が変ることによりましてこの食習慣は必ず変ることができるものであろうと思います。併し又これには相当年月を要しましよう。併し大人よりも子供におきましてはその食習慣は非常に早く、新らしい習慣に変り得るものであります。つまり私は食習慣は変り得るという前提の下に食生活改善を考えたいと思うのであります。そこで日本の食物事情が、食糧の生産事情が昔から言われたような瑞穂の国のような事情が続いているかどうかということでありますが、それは全く今では様相が違つておりまして、昨年のように非常に豊作と言われておりましたときでも、その食糧の主食糧の内訳を見ますと、内地米の生産が六千六百万石で、そしてそれでも足りませんで外米を買いましたし、又小麦や大麦が約二千万石とれましたがそれでもまだ足りませんで小麦、大麦を買入れております。そして米が殆んど全消費量の半分くらいしか、半分強しかなかつたのでございます。本年はその中から更に千二百万石の減収でございますから、到底本年は外米を買いましたのも合せましても米は消費量の半分しかないのでございます。このように食糧事情が変つて参りましたから自然に食生活も変つて来るでございましよう。それでそれに対する政府の今年の対策というものを見ますというと、輸入米を、昨年の約七百万石に対して更に四百万石の追加をいたしております。又輸入小麦輸入大麦なども相当多量に買入れましてそこに人造米の二百万石が予定されておるようでございます。ですけれどもそれだけでもまだ今年の減収に対しては十分補えておりませんので来年の早場米等を充てておることと思います。併しこういうものはただそのときの姑息な手段によりまして欠けているものだけを買整えて補充すればよろしいというようなことでいいでございましようか。私どもはやはり日本の食物を買入れますときには、それをどのようなものを買つたら一番経済的で又栄養的であるかということの根本に遡つて考えなければならないと思います。一〇〇カロリー当りの輸入食物、輸入カロリーのカロリー源の単価を申しますと外米は二円二十二銭で、外小麦は一円二十八銭で、外大麦は一円六十九銭で、大豆は一円二十一銭、砂糖は一円二十六銭というふうでこれは全部のカロリー源として輸入されるもののうち外米だけが特に高く、約全体のどれから見ましても約二倍に近い価格を占めているのでございます。で、こういうものを輸入する場合、栄養上からと、それから世界市場の睨み合せから、両方考えて買入れなければいけないと思います。  次にこの食糧をどういうふうにとつたらばよろしいかということが栄養的に見まして非常に大切な問題で、これが根本的には戦嘉からもたびたび審議され、又最初国民食として規定が作られました。又戦争後には二十二年に、栄養食糧対策審議会でその数字が出されております。最近は資源調査会の食糧部会におきましてその数字が出されております。それは熱量が二千百八十カロリー、蛋白が七十三グラム、脂肪が三十グラム、カルシウムが一グラム、鉄十ミリグラム、ビタミンAが三千七百国際単位、ビタミンB2が一・ニミリグラム、ビタミンB2が一・二ミリグラム、ナイアシンが十二ミリグラム、ヒタミンCが六十ミリグラム、ビタミンDが四百国際単位というふうにきめられたのでございます。このようなきまりがございますけれども、これによつてこのような栄養をとるにはどのような食物を持つて来たらいいか。その食物の配分、つまり食糧の構成でございますが、まだ今年の分は食糧構成案が食糧部会においては製作されておりませんので、試みに二十二年に作られましたもののうち、その十年後を見越して将来案というのがございます。それを持つて参ります。そういたしますと、それは少し栄養量が低いのでございますから、丁度今度の栄養量を合せて考えますと、全部は申しませんが、大体米は玄米で二百七十グラム、それから大麦が、裸麦が十グラム、小麦が六十グラムというふうになつておりますが、この小麦をもう少し多くしまして九十グラム、それからさつまいもが百グラムになつておりますけれども百五十グラムというふうに、昭和二十二年の食糧構成案をちよつと仮にカロリーを合わすためにそのように国内生産量、或いは輸入量のうち可能なものの数字をそこに附加えまして、そうして一応これを置換えて見るといたします。そういたしますと、牛乳などは一日の消費量が六十グラムというふうに出るのでございますそうしてこのような食糧構成をいたしまして、この食糧構成で日本の食糧の生産が間に合うかどうかということを考えて参るわけなんです。  今日までこういう審議会が開かれて、栄養審議が行われましてこれだけ食べれば完全に日本人は栄養が確保される。又そういうふうに食糧が生産されればよろしいということを栄養学者のほうでは非常に真剣に、非常な努力をいたしましてこしらえるのでございますけれども、食糧行政におきましては一向そういう数字は考えられておりませんでございます。そういう空虚な栄養の数字をもつて扱うだけでありましたならば、栄養審議会というものの意味がないのでございます。例えばここに規定されました食糧構成案でやられましたような米の二百七十グラムというようなものは、これは仮にこの数字を一人当りに一年間に当てはめて見ます。二百七十グラムというのは一合八勺なんです。この一合八勺を只今のこの計算の基礎になつております、人口が八千三百万人で計算いたしておりますから、この八千三百万人に当てはめて見ますと、五千四百五十三万石あれば米は丁度よろしいはずでございます。そのような栄養的に見まして米の数量が丁度今年のような凶作のときでさえも、丁度よろしい程度の米を食べていたほうが栄養的にはよろしいということが、すでに昭和二十二年の栄養対策審議会で決定になつているわけでございます。併しながらそのためには、その他のものをいろいろ多くしなければならないことは無論でございます。例えば牛乳にいたしますと、只今御報告がございましたように、大体三百五、六十万石しか日本ではできませんので、それを一人一日当りといたしますと、僅かに一勺半ぐらいの分量でございましてそうしてこの六十グラムというものにいたしますためには、これの二倍余り牛乳を殖やさなければならないのでございます。さてこのように栄養的に見て、国民の必要な食糧の全量を計算いたしまして、最も自給度を高めるように、且つ又最も安い値段で買い得る輸入食糧を計算いたしまして、そうして食糧のほうからきめて参りますことが必要だと思います。つまり必要な栄養量を算出いたしましてそれによつて食糧を生産し、且つ輸入するというような計算が必要なのではないかと思います。そういたしますと、米麦のうち、米は生産量で十分でありますから、麦、殊に最も安くつくところの小麦輸入するのがよろしいでしようし、豆は、大豆は後ほど申上げますが、大豆は輸入すべきであります。又魚肉類では、これは成るべく自給のほうへ持つて行つたらよろしいし、又農村では水田の養魚のようなものをもつと奨励することが必要でございましよう。いもはこれは自給ができますのでございますが、品質改良しなければ食糧としては不十分でございますし、又もう少し加工のことも研究する必要がございましよう。緑黄野菜は自給が大部分できますが、なお多くあつたほうがよろしいと思います。淡色野菜はその中にはなくてもよろしいものもあろうと思います。乳は少くとも今の二倍、或いはそれ以上に増産されることが是非とも必要であります。砂糖は輸入されることが必要であります。そのように見まして、さて栄養と申しますものは食習慣を無視しては行われないのでございまして、食習慣を考えて見ますと、私の学校の学生の都内居住者の家庭だけを百軒調べて見たのでございますが、それによりますと、大多数の家庭では一日二食米飯をとつております。そのうち配給は一食半ですから、一カ月のうちに四日乃至五日分の闇米を買わなければやつて行けないのでございまして、買つている家も買つていない家も全部百軒平均いたしまして、一升ずつの闇米になつております。一人一升、一カ月に使つておつたわけでございます。そういたしますと一日の闇米代は十円に当るのでございます。併しそれを場所を変えまして、下町、又は工場労務者のところで調べましたところが、一日の闇米代が二十円に当つております。つまり平均二升に当る闇米を食べているのでございます。そうして小麦粉製品消費状態は、学生の家庭におきましては、パンが六七%で、うどんが三三%でございましたが、工場労務者の場合には、パンが三円五十銭で、うどんが十円というふうに反対になつております。これはパンがインテリ層若しくは山の手方面に多く消費されて、そうしてうどんが却つて労務者のほうに多く消費されているような面が少し出ているように思います。それで闇米をどうして買いますかという理由を聞きましたところが、大多数の答えは好きだからと言つて参りました。それで私ども食生活改善を強制的にすることはできません。好きなものをどうしても好きでないでしようと言うことはできません。それで米食希望者のために早速何を持つて行つたらいいか。どこでも一食、或いはそれ以上をパンにして、或いはうどんにしておりますのですから、更にその上にうどん、パンを持つて行つても受付けない部分が又幾分あるのでございます。そういう点にはどうしても嗜好の点とか、或いは栄養の点とか、価格の上がり、若しも人造米というものがその点でいろいろな性質が合うことでございましたならば、これを用いてもいいのではないかと思つております。又農村におきましても、今年は非常にきつい供出をしている場所もございます、場所によりますけれども。そういう場所では供出をいたしましたあとは、是非とも外米を頂きたいということを異口同音に聞くのでございます。でそういうときに非常に高い外米を買つて上げるよりも、それよりうんと安く作れる、半分の値段で以てできる小麦粉を主体といたしまして人造米が作れたら、それを上げたほうがいいように思います。  ついでに人造米のことにちよつと触れたいと思いますが、人造米は、澱粉を主として作られるものは、栄養的に見ても、非常に又味の上でも不都合であると思います。澱粉には蛋白質も、又脂肪も、カルシウムも、ビタミンB1B2もすべてございませんで、澱粉質のみでございます。で日本人の栄養欠陥の大きいものは、この蛋白質、そしてカルシウム、ビタミンでございます。然るにこの澱粉の中には、米にあるよりも更に蛋白質がゼロであるし、又カルシウムも、ビタミンもないということで、そういう澱粉を米の粉の代りに半分も、又それ以上も入れて作るというような人造米は、これは非常に国民の栄養のために、危い危害を感じるものでございます。それでそういうようなものにつきましては、先だつて厚生省が警告を発しられましたことは、誠に適当な処置であると思います。消費者といたしましても、私どもはいつもこの点については警告を発しているわけでございます。併しながら只今調ベましたように、現在の食習慣と照し合せまして、そして又農村などの希望を聞き合せましたときに、これに外米を入れることは、経済的にどうしても日本の今日堪え得ないところでございますから、どうしても小麦粉を使つた合成米をここに入れることが必要でございましよう。  それで人造米の配合の問題でございます。人造米のことは、これは稲が作るのではなくて、人間が作るものであるということで以て、人造米が若し実用に供されるようになりましたならば、徹底的に監視が必要なんであります。稲のように正直ではないと思いますから……。それで白米に比べまして、蛋白質は、白米では六四、よい配合の人造米、即ち小麦七〇%、澱粉二〇%砕米一〇%の場合には、それは蛋白質約七グラムになります。悪い人造米のときに、即ち五〇%の澱粉を使いましたときに、蛋白質は三・五になるのであります。この蛋白質の違いは最も大きいものであります。併しこれだけで、よい人造米を作つたと言いましても、これだけでは何にもならないというか、余り推奨に値しないと思います。なぜならば、小麦粉よりも加工費だけ余計かかりますから、同じ加工費をかけるならば、ビダミンB1とカルシウム、即ち日本の白米食によつて非常に障害が起り得やすいところの栄養、B1とか、カルシウムを強化することが絶対に必要であります。これらの強化をしておきました場合は、却つて白米だけ食べるよりも、強化した米としまして、人造米を常に食べたほうが、常に混合したほうがよろしいということが言えるのでございます。それは勿論又混合いたします率にもよるのでございますが、取りあえずB1とカルシウムを強化することは絶対に必要でございます。それから味が絶対に白米に近いことです。そのためには製造技術の問題がございますが、これには余り触れませんが、とにかく食味のために、嗜好のために米が欲しいのですから、その嗜好を害するような、炊いて融けるような人造米ならこれは推薦はできません。それから又値段の上におきましても、配給米と同じ程度値段であることが至当と思います。これは小麦粉なり、或いはそれに加えるところの砕米なりは、非常に安いのでありますから、それを加工いたしましても、加工賃を合せても配給程度値段であることが必要だと思います。このようにいたしました人造米は、私どもは推薦いたします。但し人造米をいも澱粉のはけ場と考えているような、粗悪で、そうして栄養価値の低い、そうしておまけに高いようなものは、これは全く食糧行政上から見ても、又国民栄養の上から見ても非常に非科学的で、悪い、劣悪なものでありますから、厳重な取締規則を要すると思います。そして検査をいたしまして、悪質業者や又若し破廉恥な役人がいるといたしましたならば、そういうものに対する警戒は、常に厳重にされなけれげならないと思います。  次に消費経済と、国際の価格でありますが、阿久津先生からも先ほどもお話がありましたように、私ども消費者としていつも割切れない考えを持つておりますのは、最も国際市場で高い米を、非常な補給金操作をいたしまして、安く売つてくれる、これはまあいいかも知れませんが、けれどもそのために、或いはそのためでないかも知れませんが、反対に安い小麦が、国際価格を聞きますと非常に安い小麦が、非常に高く売られているような感じがいたします。本当に外米を買うように強制されているような形に見えるのであります。私どもは高い外米を買わないで、パンやうどんの価格を国際価格に準じて下げて頂きまして、そうして安く食べたいと思います。パン価格は、一番安いのは、只今私ども消費者のほうで手に入りますのは、小麦粉の一食分が六円五十銭、乾麺の六円、それから押麦の七円十五銭、それから外米が七円五十四銭……、ちよつと上つているかも知れません。それから内地米が八円八十四銭、うどんが九円、素麺が九円、食パンが十一円三十二銭、これが一斤三十円の百三十グラムでございます。粉で百三十グラムとして……。マカロニが二十六円、オート・ミールが二十八円六十銭となつておりまして私どもは絶えず価格を考えながら主食の調整をしておりますので、この点小麦製品がずつと下のほうへ並んでもらいたいのでございます。食習慣を尊重しつつ栄養的な指導と、価格操作とを一本の線に沿うように政治が行われなければ、国民を納得させながら、これを食生活改善の方向へと導いて行くことは非常に矛盾が多くてできないのでございます。  次にさつまいもについて一言申しますと、さつまいもは、非常にビタミンAとか、B1、Cの豊富な食品でございまして、これを単なる澱粉食品というふうに考えている見方は、終戦前後代替食品として、食糧行政の中へいもを米と一緒に入れてしまつたあのような考え方から今日まで改まつておりませんのですけれども、カロチンの多いいもを作りまして、その収穫期には生のいもを十分利用して、そうして又その後もこれを加工いたしまして常用することが望ましいのであります。米の九勺に匹敵する分量は百目でございまして、その中のビタミンの分量は、若しビタミンAの多い種類を作りますと、ビタミンAが、米の零に対していもは一万四千、国際単位で必要量の四千国際単位を遥かに超過します。B1も米飯の〇・二四に対して〇・五二でございます。B2も〇・〇六に対して〇・一四でございます。ビタミンCに至りましては、米の零に対して一〇五でございまして、これも必要量を超過する分量でございます。このように私どもはいもは単なるカロリー源であつて、澱粉源だとは考えておりませんのですが、その生産の奨励方法が誤つて、まずい加工用のいもを奨励いたしました結果、今でもいものことを考えると身震いするほどいやなのであります。つまりうまいいも、栄養のあるいもを作らなければならないのであります。二十四年には一〇八グラムとつておりましたものが、二十七年には僅かに四三グラムしか平均とつておりません。然るにその生産高は、二十七年には十六億貫とれております。十六億貫、一貫目は一升に当るのでございます。そのいもが十六億貫とれておりますのに、そのうち食べております分量は僅かに四分の一でございます。そのほかは澱粉にしたり、又その澱粉を持て余して、変な人造米を作ろうという企画をしたり、或いは加工を十分できませんで、腐敗させたりもいたしておりますが、これはどうかもう少しおいしいいも、又カロチンの多いいもを作りまして、日本のAとかCの給源の足りないのをここで補いましたり、或いはビタミンのBの補いにもすればもつとよろしいし、同時に百匁一食に当るということも大いなるこの際の助け舟であります。  それでそのいもの生産と匹敵いたしまして、私どもはいつも考えることは大豆でございます。大豆は非常な熱量源でありまして、又同時に蛋白源でございます。これは今の相場は知りませんが、二、三カ月前の相場で、アメリカの大豆はトン当り四万円、満州は五、六万円、内地産が七万円とか伺いましたのですが、この四万円でございますと、非常に安いカロリーが得られるわけでございます。その上米麦より蛋白、脂肪源として非常に役に立ちますが、聞きますところによりますと、国産菜種の油の値段を引下げないために、大豆は輸入制限しているように聞きますのでございますが、大豆は蛋白源として大きな役割がございますことを忘れております。豆腐は庶民的な食べものでございまして、戦争前までは風呂銭と豆腐は同じ値段でいつも来たのでございました。ところが戦争後に大豆の輸入が思わしくなくなつたときからだんだんその割合が変つて参りまして最近の制限によりましてとうとう十五円の風呂賃に対して十五円の豆腐は、昔百匁あつたものが五十匁になりました。豆腐の代は風呂賃と同じですけれども、分量を半分にいたしましたので値段が倍になりました。それですでに庶民的な蛋白源という線からずれてしまいまして、豆腐十五円からは十一グラムの蛋白質しか取れませんのに、魚十五円からは二十グラムの蛋白質が取れる始末でございます。これはもつと蛋白源としても、熱量源としても豆を欲しいと思います。  それから乳を増産することもこれも非常に結構なことで、是非これは増産して頂きたいのでございますが、このどうしてこんなに乳がどんどん売れるようになつたかということについては、きつと学校給食や何かが日本中に非常に牛乳がいいということを宣伝したのがあるかも知れませんし、又米国式のハウザ一式の栄養法などがきいたのかも知れませんが、いずれにいたしましても、日本人はもうパンを食べなければならないところまで追い詰められて来たのですから、ここで牛乳をせめて一人一日六十グラム、つまり三勺まで欲しいと思います。で、小麦をたくさん輸入する。米の輸入に代えて小麦をたくさん輸入すれば「ふすま」が系取れてそれで牛か飼えるから、それで又乳が取れるだろうというふうに、バンとミルクを関連して考えたいと思つております。農村における食生活は特に米食が多いので御座います。そして私たちは都市では一日につまり一食半、即ち一日三勺半くらいの割でございますが、農村では保有米が四合ございます。今年はそんなに行かないころも多いでしようけれども、とにかく農村の米の食べ方は非常に多いのでございます。これをもつと、そのために又非常な欠陥、身体的症状も多くなつているのですから、この栄養を改善するためにもパン食と牛乳、或いはこのもつと強化された人造米などを入れることが必要なように思います。そして一村の中にパン工場を作りまして、そこでパンを焼いて農家の一食分でも手助けをするような考え方、又その小麦が非常に安い或いは裏作小麦をそのまま物で交換するような方法ども考えられると農村など案外パン食が入り得るのではないかと思います。それからそういう場合にはこれは同時に農村に学校給食も行われるとよろしいと思います。学校給食都市にばかり集中的に今まで行われておりましたけれども、これは本来は食習慣を次の世代において米から引離して行くように持つて行くのが大きな目的なんですから、最も米食に偏るところの農村においてこそ学校給食が必要なのであろうと思います。本年は凶作で大分農村におきましても弁当を持つて来られない子供が殖えたようでございますから、この機会に是非農村にパン工場を建てて、そうしてそれが永続するためにも学校給食を同時に行うようにされたいのでございます。そうしてパン食の食べ方というものをパン食をせられます当初において指導をいたしませんことには、米の飯を山盛り食べるごとくにパンを食べたのでは却つて栄養が害われますから、どうしてもパンとミルク、或いはそれに野菜などの、或いはお魚などの食餌を添えたところの完全なる学校給食というものを土台にいたしまして、その地区のパン食を普及して行くように努めることが非常に必要で、勿論そのほかに農林省においては農村生活の改善普及が行われるでしようし、厚生省におきましてはその地区の保健所がパン食の普及に指導をされると思いますが、全部が各省相寄つて一つの問題を集中的に改善して行くように考えなければ、パン食の普及は農村におきましてはなかなか完全に入れることが困難ではないかと思います。併しながらどんなに困難でも農村にパン食を入れない限り日本の米では日本が自給することができないで、永久に外米を買わなければならない状態になると思いますから、どうしてもパン食を農村に入れたいと思います。学校では只今の人口を合せて見ますと、学齢期が丁度小学校が一千百二十一万四千人でございます。そして中学校は五百三十三万人おります。合せて一千六百五十四万四千人の義務教育の学童並びに生徒がいるわけでございます。でこの人たちが毎日九勺の弁当を持つて来ると九十五万トンの米を二百日の間に食べるのでございます。この九十五万トン、即ち昨年買つた外米の半分の量でございます。その量を昼の弁当にして学童並びに生徒が食べているので、これを価格にいたしますと三百四十五億円でございます。小麦粉の百グラムに換算いたしますと、加工費を別といたしまして小麦代だけといたしますと、外貨の支払がその半分で済むのです。そうして又それと同時にこれに要するところの補給金も非常にたくさん要るようになつておりましてこれだけの米の補給金が約五十三億になつております。これでその買いました小麦の補給金の三億円を引きましても五十億円が残ります。この差引いたしました米の輸入価格小麦輸入価格との差引の金と、それからこの補給金の差引の金と合せますというと、二百二十二億円となります。このお金がございましたら本当にこの全国の義務教育の子供たちに今よりももう少しいい条件で学校給食が全部にもでき得ると思うのでございますが、これは或いは勝手な考え方かも知れませんが、とにかくそういうふうにいたしまして差当りこの子供たちを先ずパン食へ導きたいと思います。このような凶作の年に特に農村の食生活を米食から小麦食に、つまりパンであろうと、人造米であろうと、それが小麦食という方向へこれが転換させて行かなければ経済的には駄目でございましよう。又米以外の麦とか、豆とかいもとか乳とか油とかを加えましてもつと栄養を高め、全体の経済的にも安いもの、而も自給度の高い食事というふうに変えて参りますことができましたならば、非常に経済的にも栄養的にも、且つ又パンと食が入ることによつて家庭の炊事労力についても非常にプラスになると思うのでございます。従来の栄養改善の方策というものは、栄養関係のものが専ら一生懸命立てるのでございますけれども、それが農林省の食糧方面におきまして一向にそれにタイアツプしてもらえないのでございます。そういう点で非常に栄養改善が空虚に終ることが多かつたと思います。又栄養改善を申しますときに、余り理想的な数字にこだわりましてそして実際の食生活習慣を無視いたしますようなやり方をいたしますというと、これも又生活から浮いてしまうのでございます。栄養的でそして食糧経済的で、そして生活技術的なところの栄養改善というものも、各関係のかたがたが広い視野に立つて日本の今後をどうするかという非常に重大な問題として総合的にお考え頂きたいと思います。
  10. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 有難うございました。これで四君から一応お話を承わりました。各委員から御質疑がありましたら御質問を願いたいと思います。
  11. 有馬英二

    有馬英二君 香川先生にお伺いするのですが、さつまいものお話がありましたが、勿論さつまいもは日本の各地にとれるのですがじやがいものお話がありませんでしたが、何かじやがいもでお調べになつたことがあつたら一つ伺いたいと思います。
  12. 香川綾

    参考人(香川綾君) じやがいもも栄養的には非常に結構でございますけれども、さつまいもほどたくさん無駄にしていないかと思いましたので申しませんでしたけれども、ビタミンの含有量の点におきましても、又カロリー源といたしましても非常に結構で、さつまいもを例にとりましただけでいも類とお考え頂いて結構でございます。
  13. 山下義信

    山下義信君 私は沼田さんにちよつと伺うのですが、あなたのほうの協会加盟の製粉会社の状態一つ教えて頂きたいのです。つまりどのくらいの会員があるか、それから殊に顕著な代表的なメーカー、大会社というものは二、三どういうのがありますか、その工場の規模、それから協会の主たる…………本当のところをおつしやつて頂きたいのですが、協会の主たるお仕事の中心は何を中心にしていらつしやるか。例え政府とのいろいろの交渉だとかその他どうせ加盟会員の利益のための協会でしようから、ちよつとそういう協会の扱うお仕事を承わりたいと思います。
  14. 沼田恵之助

    参考人沼田恵之助君) 私ども協会は、昨年の七月、統制撤廃前は私どもの会員工場が、会員の数が約二百九十二名おりました、統制中はでございますね。全体の製粉工場というのは約三千工場であつたわけでございます。これは私どもの加盟会員以外に非常に零細ないわゆる小企業があるわけなんです。それに政府統制中は全部業者に……現在でもそうですけれども委託加工仕事をさせておりましたから、工場の数は多かつた。併し仕事の分量は、私どものほうが統制中でも七〇%ぐらいあり、二百九十二人でやつておつたわけです。あとは人の数は多いけれども約三〇%のものをやつておつた、これは規模が違いますから……。それが統制撤廃後一年間に、いわゆる製品の販売については、先ほど申しましたように、原料一定価格製品は自由競争になつておるわけなんです。その結果設備の過剰と消費の減退とが一遍に現われまして非常に業者が倒れたわけです。現在製粉協会、私どものメンバーで残つておりますのは百七十三名でございます。つまりそれだけ業者が倒産したわけです。やめてしまつたわけです。それから全体で申しますと千二百五十ぐらいになりました。全体で申しまして私ども含めまして約半分以下になつたわけです。そういう工合にこの一年間はいわゆる原料一定価格製品自由競争といういわゆる半統制の結果非常な競争を現出しまして、現在そういう状態に入つております。ところでこの九月頃から今の米の凶作に伴なつて非常に需要が増して参りましたので、ややここで操業度が向上して参りましたので、現在やつておりますものは大体において息をついておるというところへ参つております。  それから製粉工場といたしまして代表的なものは、これは御承知かと思いますが、日清製粉会社、日本製粉会社、昭和産業会社、日東製粉会社、これは四大製粉と俗に称しております。これはいわゆる兜町に株の上場されておるものであります。これが四大製粉であります。その他有力なメンバーは、いわゆる相当大規模の会社、一日に五十トンの原料を処理する工場というのが大体約四十会社くらいございます。その他は私どものメンバーでありましてもそれ以下でございます。  それから製粉協会仕事というのは、これはいわゆる業者団体でありますから、無論業者の利益代表機関でありますが、公的なものといたしましてはいわゆる粉食の普及でございます。これはいろいろな方面で努力されおる。厚生省の御関係におきましても例の栄養改善普及会という会もございまして、それに我々関係業界挙つて厚生省の御関係粉食普及に努力しております。それから農林省関係におきましても、無論そういつた食生活改善推進協議会というものがございまして、そういう方面で努力されております。それから実際の仕事は、その仕事のほか先ほど申上げましたように半統制でございますので、官庁関係のいわゆる食糧庁との関係仕事が非常に多いのでございます。そういう面も実際の面はやつております。これは非常に多いのであります。常時そういうことを大体やつております。
  15. 山下義信

    山下義信君 わかりました。今あなたのほうで人造米に躍起になつておりますね。
  16. 沼田恵之助

    参考人沼田恵之助君) 人造米は実は私どものメンバーもやつておりますけれども、これは全然別個であります。ということは、人造米は、先ほど香川先生の御意見もございましたけれども、大体政府の御意向は澱粉処理に重点を置いておりますので、澱粉業者が大体主体になつております。澱粉業者と製粉業者は全然別でございますので、これは私どもも無論関係しておりまして、いわゆる財団法人人造米協会というものの私も理事をやつておりますけれども関係はしておりますけれどもこれは全然別個でございます。ですから関連する部門において私どもの会員に連絡をとるという程度でございます。
  17. 山下義信

    山下義信君 わかりました。ちよつとこの機会に伺うのですが、栄養改善普及会設立に大変御尽力下すつたようですが、いろいろ会費等の分担も協会に願つておりますか。そういうものは、会費等は出しておりませんですか。
  18. 沼田恵之助

    参考人沼田恵之助君) 無論会費を出しております。
  19. 山下義信

    山下義信君 出しておりますか。年額どのくらい分担しておりますか。
  20. 沼田恵之助

    参考人沼田恵之助君) 私どもの会でございますか。私どもの会は、大体協会といたしましては従来月額二万円出しております。それから無論私ども協会以外に、製粉会社が、例えば四大製粉その他現在では六、七のものが直接メンバーに会員として六つておりますから、そういうものの負担もございます。
  21. 山下義信

    山下義信君 わかりました。
  22. 廣瀬久忠

    廣瀬久忠君 大変皆さんから結構なお話を伺つて有難いのでございますが、一つ香川先生にお伺いしたいのですが、栄養関係の審議会の見地から見ました日本の食糧政策というような点にお触れ下さつて先ほど来お話を頂いたわけですが、実は私そういう方面、つまり栄養審議会のいろいろな審議した材料を中心として、そうして日本の食糧政策というものはかくあるべしというような論議をした著書なり或いは何かレポートなりというようなものを何か教えて頂きたいと思うのですが……ありませんでしようか。
  23. 香川綾

    参考人(香川綾君) あまり……。審議会自身のものはその都度出ておりますが、それを主にして論議したものというのはございませんです。ほかにあるかも知れませんが、ちよつと私存じません。
  24. 廣瀬久忠

    廣瀬久忠君 何か一つ……何でしたら一つお気付でしたら教えて頂きたいと思います。私らはいつか新聞で見たのでございますが、たしか誰でしたか大学の先生が、ここの、国会の食糧関係委員会で説明をしたときに、米に対して政府が投ずる金を麦に投じたならば、日本の食糧政策は非常に楽になるというような議論を非常にせられておつたのをちよつと新聞で見ましたが、これは大学のプロフエツサーだと思うのですが、或いは誰だつたかちよつと頭に出て来ないのですが、勿論いろいろな嗜好の問題等もありますから簡単に参りますまいが、先ほど来のお話、私も非常に麦に力を入れなければということを感ずるものですから何かまとまつた意見があつたら伺いたいと思いますが……。
  25. 香川綾

    参考人(香川綾君) それは麦を中心とした、麦の生産だけではございませんで、麦の生産輸入も、それから先ほど来阿久津先生からお話のハンを焼く設備技術というもの、それからそれと一緒に食べるところのミルク、乳製品、そういうものに、米に入れるくら  いの熱を入れて頂きましたら、皆喜んでパンを食べると思うのであります。それだけの又補償のようなもの、補給金のようなものも、米を転換して麦の方向に少し向けて下されば、これは本当にパンはおいしく頂けると思うのですけれども、どうもその辺が非常に手薄だと思います。
  26. 山下義信

    山下義信君 私もう一つ伺いたいのですが、阿久津さんですか、おいしいパン、いいパンを造ることに非常に御苦心をして頂いて、御指導に力を入れて頂いているのですが、結局パン業者を改善といいますか、指導して行かなければならない。そのよいパンを造らせるためにパン業者に設備改善等々をさせて、それが果して企業として成立つかどうか、採算がどうなるかということ、又そういうふうに工場等を改善させる資金というような点につきまして、如何なる手を打つたらいいか。例えばそういう資金の融通等々についてどういうふうなおよその金額といいますか、或いは業界がまとまつてそういうような具体的な要望運動といいますか、そういう実行方法等について御協議になりましたようなことがありましようか。そういう点について具体的な御構想がありますか、承わりたいと思います。
  27. 阿久津正蔵

    参考人阿久津正蔵君) 只今のお尋ねでございますが、まとまつたものはございません。
  28. 山下義信

    山下義信君 それでは、パン工場もいろいろありましようが、小さいのですから……およそいいパンを造りますためにかまどの改善とかいろいろ技術ももとよりでありますが、設備等を改善するためにどのくらいの資金を投じたら、ちよつとしたパン工場改善といいますか、改良できましようか。
  29. 阿久津正蔵

    参考人阿久津正蔵君) これはパン屋というのをどの辺のもので定義するかという問題でございますが、極く小さいのになりますとパン屋かお菓子屋か何かわからないようなものもあります。非常に程度の低い殆んど技術らしいものも何もない、一体販売店か製造屋か、そういう限界もわからない、そういうものもございます。それが非常に数が多いのでございますので、先ずハンを造るという限界の大きさというものは、最初から配給パンをきめたときの標準は、日産五十袋の工場を基準にして計算をいたしております。この辺の程度のものを中心にいたしまして工場を整備をするということが、これが一つの合理的な整備の方法だろうと思いますが、その大きさは非常にまちまちでございますので、合理的に生産のできる限界というものは、先ず五十袋ぐらいのところにあると思うのであります。五十袋以下のもののほうが大部分でございますので、どれだけの資金を投ずるかということは実は私たち見当がつかないのでございますが、極端に申しますと、東京には八百五十の配給パン工場がございまして、その工場のうち現在学校給食をやつておりますのが三百五、六十ございますが、その中にも卸しの。パンを自分の店で売つて、学校給食パンだけを自分の店で焼いているというのがございます。これはどういうことを意味しますか、非常に面白い現象でございますが、そういうものはメーカーであるか販売店であるか、はつきりしないのであります。そういうような状態でございますので全体的な資金の算定は……。
  30. 山下義信

    山下義信君 それでパン工場か何かの組合はございますか。あなたは技術のほうの指導をやつていらつしやいますが、業者の組合というのがあるでしようか
  31. 阿久津正蔵

    参考人阿久津正蔵君) ございます。
  32. 山下義信

    山下義信君 別にあるのですね。
  33. 阿久津正蔵

    参考人阿久津正蔵君) ございます。統制によりまして大体大きな六千名を会員とするもの、それから二千名を会員とするもの、食パン菓子パンの系の組合がございましたのですが、これがやはり統制撤廃と共に非常に崩れておりまして、名目はありますが必ずしもどの程度に動いておりますか、これらもはつきりわからないのでございます。
  34. 山下義信

    山下義信君 技術の御指導は、大体において現在のパン屋工場設備でも、技術さえ巧みになればいいおいしいパンができるような御指導ができますか。やはり技術工場設備というものは不可分の関係がございますか、大体においてどうでございましようか。
  35. 阿久津正蔵

    参考人阿久津正蔵君) 或る程度までは現在の設備でございましても改良ができると思います。併し本当に合理的な製品を非常にたくさん造るということになりますというと無理だと思います。つまり日本製造方法は非常に手を抜いておりまして、三年ほど前でございますが、アメリカの小麦の使節団が参りまして、日本にはパンらしいパンはない。ケーキはニューヨーク、シカゴと同じである。こういうようなことを申しておるのでございますから、非常に日本のような手を抜いたパンというのはちよつと外国人には考えられないようなものらしいのでございますが、それでこれを改良する新らしい方法を私たちが導入いたしまして普及しておりますけれども、これにはやつぱり限界がございます。これは古い技術者の頭というものは、経験者が大部分でございますので、この頭の切替えがなかなかむずかしうござまして、比較的戦後の新らしい知識を吸収し得る能力のある若い年齢層の者にこういう新らしい技術が入つております。従つて技術設備と両方相待つて参りませんというと、やつぱり本質的な改善はむずかしいと思います。
  36. 山下義信

    山下義信君 先ほどお話の途中で、あとで話すとおつしやつたんですが、米田さんから乳製品の対策について今後のお考えを一つお聞かせ願いたいのでございます。殊にそれに関連してお話下すつていいんですが、お話願いたいと思うのですが、非常に今市中にバターが不足をしておる。そういうことの対策についてのお考えを、原因並びに対策等についてお触れを願いたい。私どもは今日皆さんの御意見を開きまして非常に傾聴いたしておるのでありますが、いろいろ政治の上に不可分な点があるといつて香川先生等も御指摘があつたが、その通りなのであります。如何にして実際に政治の上に実行させるかということを至急に具体的な案を立てて、できるだけ国会としても努力いたしたいという考えで承わつておるわけであります。御意見は非常に私ども傾聴しておるわけでございます。今の私が伺いたいと思つております点を一つお述べ願いたいと思います。
  37. 米田富

    参考人米田富君) 今後の対策といたしまして、牛乳増産につきましては昨年から十カ年計画、酪農振興十カ年計画というものを政府で一応目標を立てておいでになるのであります。二十六年の乳牛の頭数二十三万頭を元にいたしまして、これを十カ年に百万頭にする。そして牛乳は二十六年の二百三十四万石を、これを一千万石にするという計画でございまして、これを我々は十百千計画と言つておりますが、この計画はずつと前から私ども会長の植垣彌一郎氏が早くから十百千計画ということを言つておつたのでありますが、昨年からそういうことを目標にしていろいろ政策を立てておいでになるのであります。折角農林省でも計画を立てておいでになるのでございますけれども、予算の点では極めて微講でございましてなかなかこの農林省の政策だけではとてもこの目標は達せられんと思うのであります。この一千万石と申しますのは、これは単なる架空ではないのでございまして、先ほど香川先生のお話がございましたが、一日に国民六十グラムの牛乳消費いたしますというと、大体一カ年に一斗一升ぐらいになります。それが丁度一千万石要るわけなのでございます。これを実現いたしますれば、只今おつしやつた一斗一升ぐらいはこれで賄えるわけでございます。先ほどお話がございました国民栄養対策審議会におきましては、希望としては国民一カ年に二斗一升の牛乳が希望であるのでありましてまあぎりぎり一斗一升六合は欲しいのだということでございました。まあいろいろほかの蛋白或いは脂肪その他ビタミン、カルシウム等の資源から申しましてそういうことが出たのでございまして、私どもは是非それを実現したいと、こういうことでそれを進言したのでございまして、農林省でまあそれを取上げたわけなのでございますけれども、このままではなかなか進まんと思います。併し先ほど申上げますように、最近の需要はとみに増加して参りましたのと、又それによつて乳牛の頭数も予想以上に計画の数よりは却つてオーバーするぐらいに殖えておるのでございます。まあこれは需要が然らしめた関係でございまして、計画の遂行とはならないと思いますけれども、このまま勿論放つて置いて計画の数字を達せられるとは思いませんのでございまして、どうしてもこれには農林省初めこの増産に対する方策並びに一方いつも問題になりますのは乳牛を殖やせ殖やせという声は盛んなんだが、実際このできた牛乳並びに乳製品の有効需要というものは、そんなものだというのでいつも我々はその有効需要の点でまあ行詰りをしたのでございます。只今のような消費の促進の状態でありますれば、決して今一生懸命に増産をいたしましても、なかなかそのピッチに合せることはむずかしいと思うのでございます。もつと勇敢に一つやつて頂きたい、こう思つておるのでございます。まあそれにはなんぼ増産されましても、できたものが粗悪であつたり、或いは高いというのでありますれば、これは到底国民の必需食品としては役を達しませんので、できるだけこの生産費を低減するということに努力しなければならんと思うのでございます。それには今飼料の関係特に自給飼料の関係が問題になるのでございます。農林省におきましてはこの点については相当力を入れておいでになるようでございます。併し国内乳牛資源というものは、先ほど申しますようにまだ僅か三十二万程度のものでございますので、これを如何ように努力いたしましても、なかなか百万頭にいたしますにはかなり困難であろうと思うのでございまして、これにはどうしても国内の家畜を盥廻ししておるだけではなかなかむずかしいと思いますので、相当数量の乳牛というものを国外から入れて来ることが必要じやないかと思うのでございます。又加工設備でございまするが、加工設備は現在のところ十分あるのでございますけれども、戦争中から非常に設備はもう老朽いたしまして、殊に先進国の設備に比べまするというと非常な立遅れをしておるのでございます。幸いに昨年来の好況の関係でかなり設備改善もいたしました。又大きなメーカーにおきましては開銀等の融資も受けまして、一部設備改善或いは増設もしております。それから協同組合等におきましては中金或いは農林漁業金融公庫等の金を借りまして、改良、増設も始めておりまするが、一番残されておりますのは中小企業なのでございまして、幸いに中小企業金融公庫というものもできたのでございますが、まだそれに取上げられたものは、私どものほうはございませんのでございます。相成るべくは農林漁業金融公庫等におきましても、直接こういう農村との関係の上に稼業をいたしまする施設につきましては、資金の融資が受けられるような方法が考えられますれば、非常にこの点はよくなるだろうと思うのであります。只今練粉乳の工場というのが全国で百十四ございます。バターの工場が二百四十四ございます。この練粉乳の工場というのは、殆んど余乳を以てバターを造りますので、その数が一緒に含まれておりますが、まあこれらの工場は非常に小さ左もの、或いは中には一旦一百石以上凄取扱うものもございますけれども、大体において、四、五石から十看程度のものが非常に多いのでございます。こういう小さい工場が各地に散在しているということにつきましては、先ほど申しましたように、非常にこの乳牛の僅かばかりの頭数が全国に拡がつておるという関係がございまして、これがこの僅かばかりの牛乳をかき集めますために、非常にこれは集乳費がかかるのでございまして、内地におきましても、平均二円五十銭から三円、一升当りでございます。北海道におきましては、工場によりますと、一升当り十五円もかかるというようなところもございまして、これは消費者の非常な迷惑になることであろうと思いますので、成るべく乳牛工場を中心として、集中的にやつてもらいたいということを希望しておるのでございます。農林省のほうでも、最近無畜農家の解消の運動につきましては、そいう方針で極力やつて頂いておるようでございます。それから従来、農林省の悪口を言うことに在るのでございますが、農林省では、イデオロギーとしてこの協同組合の助成ということに、専らそのほうをやられますために、こういう農業関係、我々のこの事業というものは、農家の毎日搾る牛乳に依存するよりほかに全然ないのでございまして、資本主義的にやつておる工場もございますけれども、それにしましても、普通の大工場と違いまして、全く農村と車の両輪のごとくやつて行かなければならない関係にある工場なんでございます。こういうものにつきましては、特別にやはりその計らいをして頂くということが、結局酪農の円満なる発達を遂げることになると思うのでございますが、ややともしますというと、従来の協同組合でやつておりますものが、集荷配給或いは製造販売ということまで一貫してやるということになりますというと、従来の例を見まするというと、いずれも協同組合でやつたものの締めくくりがいつもついていないのでございまして、そのために、その長期資金にしましても、運転資金につきましても、これが結局消費者にかかつて来る、或いは国庫に累を及ぼすということになるのでございます。やはりその製造でございますとか、或いは販売というようなことになりますというと、やはりこの専門家が、やはりこれを担当してやるということが順当であろうと、こう思います。そうしますれば、この製品或いは牛乳の奨励という点につきましては、もつと積極的に、この農林省も援助されることが必要じやないかとこう思つておるのでございまして、こういう点につきまして、一つ特に議会方面にもお願いしたいとこう思つておるのでございます。  それからさつきお話のございました、農村におきましての食生活改善といたしまして、牛乳の自家消費を極力やるように、一つ進めて行きたいと、こう思つておるのでございます。農家が搾りました牛乳を、殆んどこれを工場に持込むということは、これはまあ誠に馬鹿らしいことだと思いまして、むしろ農家でその自分の食生活のために、乳牛を飼うということになりますと、非常にこれは、又地についた酪農になると思うのでございます。私どものほうで、ここ五、六年乳質改善共励会というものをやつておりますが、工場に持込みます牛乳の乳質の検査をいたしまして、コンクールをやつておるのでございますが、その成績のいいところは、皆農家におきまして牛乳消費が非常に多いところでございまして、自分で食べるものということになりますというと、農家も自然その取扱が非常によくなつて参るのでございまして、従つて乳質がよいために価格も高く買つてもらえるということになるのでございます。これは極めて卑近なことでございますけれども、そういうようなこともございます。農村にもつと牛乳をみずから飲むように一つこれから指導しなければならんと、こう思つておるのでございます。たびたびお話がございましたが、牛乳のただ増産だけではこれはまずいのでございます。どうしましても従来の食糧の増産ということにつきましては単なる米、麦の増産であり、自給計画なのでございまして、どうしても国民栄養並びに食生活という立場から申しますれば、牛乳なり或いは卵なり肉というようなものも魚肉と同様に一つ国民の必需食糧として総合的に計画を立て実施して頂くように是非お願いしたいと思うのでございます。  それから只今御質問のバターのことでございますが、バターは先ほど申しましたように国内生産は昨年は約九百万ポンドでございました。輸入も約百万ポンドございますので、約一千万ポンドの消費ということになつておるのでありますが、今年は七月までの状況を見ますと、今年の一月から七月まですでに約七百万ポンド出ておるのでございまして、この調子で行きますれば優に一千万ポンド以上できることになつております。又輸入につきましても、昨年の九百八十万ポンドに対しまして七月までに輸入が約百八十七万ポンド入つておるのでありますが、これは非常に多い数でございます。その中には駐留軍の入札用のものも入つておりますので、はつきりその点が区別がつかないのでございますけれども、数量にいたしますれば去年より多いことは事実なんでございます。併しながら需要の点から申しますと、非常に急激な増加をしておるように思うのでございますが、少くともパン食の普及の点から申しまして先日も伺つたのでございますが、東京でも大体三割のバターの増加だということでございまするが、まさか三割もバターの需要が増加したとも思いませんけれども、かなり増加しておることは事実だと思います。現在では生産者のほうでは、できますというと、問屋のほうで非常な矢の催促で、有難い悲鳴を上げておるわけなんでございますけれども、できますと右から左に送出しておるような状態なんであります。特に東京都におきましては、デパートにバターを切らすということは非常なマイナスでありますので、デパートだけには品切れのないようにと思つて非常に皆努力しておるようでございます。ところがデパートに朝出しますというと、十ポンドなり、十五ポンドなりまとめて買いに来るという人があるそうであります。これは恐らく料理屋か或いは菓子業者であろうということでございまするが、そういう状態で非常に御迷惑をかけておるわけなんでございましてこの点につきましてはもうすでに一カ月以上も、我我は必要な最小限度は輸入して頂きたいということを、通産省なり、農林省に進言をしております。最近におきまして漸く十万ドル、大体二十万ポンドの輸入が決定されたということを、もうすでに最近と申しましても、一週間も十日も前に聞いたのでありますけれども、まだ外貨の割当をここにはなさつていないようなことも聞いておりますが、成るべく早くこれを緩和してもらうために、一つお願いしようと、こう思つておるわけであります。二十万ポンドぐらい入れましても、私ども焼石に水だろうと思いますので、今後におきましては、或る程度輸入をして頂きまして、そうして折角伸びかけたこの粉食の進展と相待つて一つ一役買わして頂こうと、こう思つておるのであります。何と申しましても、日本内地の酪農と非常に密接な関係がございますので、内地の酪農、殊に農民に対する乳価の圧迫になりませんように十分考慮しつつ、或る程度輸入をして頂くことが、この際必要ではないかと、こう思つております。大体そのようなところで……。
  38. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 他に御質問ございませんか。……今日は四君から長時間に亘りまして時節柄極めて有益なお話を拝聴しまして有難うございました。私から厚くお礼を申し上げます。
  39. 山下義信

    山下義信君 先ほど参考人のかたから国民栄養審議会が云々というお話がありましたが、只今栄養課長が出席されておりますから、お話がありましたような栄養審議会で食糧改善に関して討議して何か結論が出たような資料があれば至急に委員会にその資料を提出…願いたいと思います。
  40. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 次回の小委員会は強化米についての参考人を出してもらいたいというような御要求も一部から出ておりますが、その人選等につきましては私と山下君に御一任願いいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) さように決索いたしました。
  42. 山下義信

    山下義信君 なおそういうかたがたの御意見を伺えるのですから、完全にお聞きできる人をお呼びするように一つ願いたいと思います。
  43. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 次回は十八国会が始まりましてから開きたいと思います。これも御了解願つておきます。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十三分散会