○山下義信君 私は当局に
一つ十分に御努力願いたいと思うのですが、今福祉事務所とおつしや
つたが、福祉事務所の活動はもとより、民生
委員の活動も、この際私は大いに督励して頂いて、まあ社会局長から御通牒でも出して頂いて、万遺漏のない
ような対策を立てて頂きたい。殊に
生活保護法は、私の記憶するところでは、本人の申告制にな
つてお
つたようにも思うのです。恐らく
北海道、東北のあの農民
諸君は、私が同僚議員などから伝え聞くところによりますと、生活保護を受くるのを恥として、どちらかと言えば逃げるという
ような傾向が非常に強いということなんです。ですから、私も数年前に当
委員会から派遣せられまして、東北数県の貧農の
状態を見たことがありますが、非常に惨憺たる
状態のところしか適用がされていないので、これはまあ全国的に実情云々と言いますけれ
ども、関西
方面からみますとレベルが違う。それで
生活保護法の適用率を見るというと、各府県の中でも東北は幾らか高い、高いけれ
ども東北のほうで、東北各冷害地方で受けておる生活保護の対象者の、との貧困の
程度と、関西地方の生活保護を受けている者との貧困の
程度は格段の差がある。でありまするから、恐らく私は関西地方で受けておる
程度の貧困を若し今の凶作冷害地方に適用したら、恐らく数倍に上るだろうと思う。もう惨憺たる
状態です。例えば児童の人身売買という、あの人身売買をや
つておる所帯を我々は数年前に十数所帯歩いてみるというと、そのうちに生活保護を受けているというものは極めて稀である。子供を売
つている
ような極めて惨憺たる家庭ですらも生活保護を受けていない、そういう
状態です、あちらのほうはずつと。でありまするから、私は本人にも十分申告をさせる
ように、
生活保護法に申告の本人から要求する規定がちやんとあるのでありますから、あらゆる規定を適用せられまして遺漏のない
ように御処理を願いたい、か
ように
考えるのであります。殊に私がお願いしておきますのは、それで児童局長も或いは関連してお願いしたいと思
つておいでを願
つてお
つたような次第でありますけれ
ども、これはあとで
藤原委員から御質疑があるかも知れませんけれ
ども、いわゆる凶作に伴うところの児童の売買、これはもう絶対的に生活保護
関係のあなたのほうの社会局で措置して頂かなければならん。私はそう思う。それで私の話ばつかりしてお
つたんじや質疑になりませんからやめますが、昭和九年の凶作のときに青森県の一県下だけで売られた児童が九千五百人ですかね、あ
つたという。それでその時分にその困窮農家が家畜を手放したのが三千五百、家畜を手放すよりはより以上に児童を手放した。それがみな売られて行
つたということを私は数日前に文献で見たのです。今度でもすでに数日前の新聞に早やそういう傾向が現われつつあるという。殊に一番児童が売られて行く時期が三月だという丁度
学校のお終いなんでし
よう。折角
学校を済まして、親心でし
よう。済んだらすぐ手放すというのでし
よう。ですから私は
生活保護法の適用でもそういう多子家庭、そういう児童のあるのじやなかろうかと思われる
ような世帯については、もう万全の手配をしなければならん。こういうことになりますと児童局とあなたのほうとが、例えば民生
委員兼児童福祉員だという
ようなことになるという
ようなことでありまして、密接な
関係がありまして、この凶作農家から一人も児童を売らしちやならん。それは職業補導や就職はよろしい。又賃金形態や雇用形態のいろいろ問題はありまし
ようけれ
ども、非常によい
意味のそういうふうな出稼ぎは結構でありますけれ
ども、いたいけな女の子等がどんどん売られて行くということを一人もなからしめるということを今日から
厚生省当局は覚悟してや
つてもらわなければならない。七億の
予算をと
つて七億の
予算をばらまくという誤解はしませんけれ
ども、七億の生活保護費ということになりますと一万円ずつこの生活扶助を与えるといたしましても何ぼ救われますかね。一万円ずつということになりますと恐らく七万人でし
よう。如何に冷害地の児童の人身売買が行われるとしましても七億の生活保護、そういうことの出ない
ようにそういう貧しい実庭に、す早く手を打
つたなら、私は一人もこの凶作地帯から女の子を売るという
ようなことは今年は防げたという
ようなことができると思う。あとからじや始末がつかん。私はそういう点に
厚生省は十分や
つて……。一体冷害対策本部というものができているんですか、どうですかね。災害対策本部というのはあるわけなんですが、冷害地の凶作地帯に対しまする諸般の施策というものについてはどういうふうに政府が統一的な対策本部を持
つているのか存じませんけれ
ども、今私がいろいろ申上げましたことについて社会局長、丁度児童局長見えておりますから児童局長、私は今日大臣に来てもら
つて今年はもう凶作地帯から一人も児童を売るという
ような悲惨な子弟の出ない
ようにするという確約を求め
ようとしたが、出席を拒否して来ました。私は強いて出席を求め
ようとはしません、しませんが、両局長から私はこの凶作地帯から児童の人身売買の
ようなことの出ない
ような、悲惨な農家のもう、一家がみな一家心中をしたという悲惨な農家が出ない
ように十分な
一つ完璧の陣を布いて頂きたい。それにはこの凶作地帯の、冷害地帯の生活困窮の、この困窮農家のあり方というもの、基準といいますか、見当といいますか、
調査の大体の方針をきめて、すぐそれをやるというわけじやないが、少くとも水も洩らさん
ような
調査が、私は児童局なりあなたのほうなり
厚生省を挙げて御準備ができておることであろうと思う。
予算は明日
通ります。
予算が明日通
つたらばその日からあなた方の手によ
つて直ちにそれが生きた金が使えるのだ、善政が直ちに現われます。十数万の、何十万というこの二十一都道府県の凶作農家は実にその金をもらわなくても非常に心丈夫な感じがするだろうと思う。心配するな、子供を売るのではないぞ、一家心中をするのではない、いざというときには生活保護を出してやるぞということの、私はそれが凶作地帯の二十一府県の隅から隅までそういう農家に伝わ
つたならば、
ちよつと待て、死ぬる前に
ちよつと待て、という
ような、非常に心丈夫なものを与えるということが政治だろうと思いまするので、当局でそういうことに対して十分、民政部長を結集するなりなんなり、もうなさ
つておると思う。現地に所管課長の会議を開かれるか、丁度十二月の極月にも迫
つて来ておりますので、万般の御準備を頂きますかどうかということを両局長から御答弁を承わ
つておきたいと思う。