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1953-11-26 第17回国会 参議院 建設委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十一月二十六日(木曜 日)    午後二時二十一分開会   —————————————   委員の異動 本日委員溝口三郎君辞任につき、その 補欠として飯島連次郎君を議長におい て指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     石川 清一君    理事            石井  桂君            三浦 辰雄君    委員            石坂 豊一君            小沢久太郎君            小滝  彬君           小笠原二三男君            木下 源吾君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君    常任委員会専門    員       菊池 璋三君   説明員    厚生省引揚援護    庁引揚課長   木村 又雄君    建設省住宅局住    宅企画課長   前田 光嘉君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○建設行政に関する調査の件  (住宅問題に関する件)   —————————————
  2. 石川清一

    委員長石川清一君) 只今から委員会を開会いたします。  先ほど来御懇談を申上げましたことは、北海道の無縁故引揚者住宅問題に関しまして、木下委員から質問がございました。只今援護庁引揚課長から、昭和二十五年以降二千百五十八戸の計画で以て引揚無縁故者住宅解決に当つてつたと、昭和二十八年度には第二種公営住宅別枠として百八十戸の計画建築中だ。現在の情勢では、木下委員から要望のありました第二種公営住宅の三分の二の補助を十分の八まで引上げるという要望に対しては、非常に困難であると、こういうような質疑が行われておりました。あと引続いて御質疑を願うことにいたします。
  3. 木下源吾

    木下源吾君 この十分の八にするということになれば、法律単行法か何かで一つきめなければいかん、それを議員提出でやるほうが都合がいいと、こういう御意見でありますが、いずれにしても問題は今の単価で、政府つまり一坪当りの単価と実際の建築単価というものとは開きがあるのです。従つて八割の補助で二割というものを起債に仰ぐにしても、この単価の差額はやはり地方市町村負担になるし、それが延いてはいわゆる無縁故者負担になるということになる。ここが非常に困難なところなので……。併し八割を補助してもらえば、たまたまそこに古い建物があつたお蔭でそういうつまり不利益を甘受しなければならんという市町村立場、これはまあ併し忍ぶとします。忍ぶとしても、一本政府は今二千戸からのものを一年に百八十戸くらいずつやるならば、これからまだ十何年もかかるわけなんです。すでに今まで五、六年もたつて皆困難な、つまり不自由なそういうことをやつて来ておるのが、更に十何年もかかるということになる。これではとても本人たち希望も持てないわけです。ですから、そういう法律でも仮に作つたという場合には、見通しとして二年くらいでこれをやるというようなことにならないのかどうか。これは勿論大蔵当局とも関係がありますが、第二種の別枠としてそれくらいの何は見通しとしてどうか、こういうことを建設のほうからお聞きしたいのです。
  4. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 二十八年度に百八十戸の建設がありましたが、二十九年度から建設省におきましては引揚援護庁の御意見をお聞きいたしまして第二種公営住宅でこの問題を解決したいと思いまして、その当時の調査によりますと、そういう収容施設で非常に施設が腐朽いたしまして悪くなつたもの、或いは又立退き要求を受けておるもの、こういうふうな相当緊急度の高いものとして調査に上りましたのが、北海道地区におきましては千百三十二戸でございました。そこでこれを二カ年でやろうと思いまして、二十九年と三十年に分けまして、二十九年度には、四百七十カ月、それから三十年度にはその残り五百戸ばかりになりますが、一応緊急度の高いものを二カ年でやつてしまいたいと、こういう計画で実は今年二十九年度予算といたしまして現在大蔵省要求をし折衝をしておる段階でございます。
  5. 木下源吾

    木下源吾君 今現地の要求ですね、これを容れるとして、法律を改正するか、立法措置をするということになれば、二十九年度に間に合せるためにはいつ頃までにそういうことをやればいいのですか。
  6. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 予算関係いたしますので、予算は一応総額で現在のところ三分の三で要求しておりますが、これが実際に予算を取りましても、配賦するまでに法律が通れば十分の八でも行けるではないかと思いますが、ただ予算の枠が若しきまつてしまえば、戸数がそれだけ減るのではないかという気がいたします。
  7. 木下源吾

    木下源吾君 さつきからもしばしば言う通り、これは国の責任なんですよ、無縁故者措置というものはね。国のほうで押し付けたと言つては語弊がありますが、全くその当時は押し付けですよ、北海道に対してですね。だからざつくばらんに話合い一つやりたいと思うのです。これはお前たちのものだ、おれのものだというのではなくて、これは国の責任なんですから、話合いでやりたいと思うのだが、法律は、今申上げれば誰でもこれは肯けることだし、賛成もしてもらえると思うのです、だからできるだけ早く立法してやろうと思うのですが、大蔵省のほうへあなたたちだけで予算の問題は今から話合いはつきませんか。
  8. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 当初第二種公営住宅ということで三分の二出しておりますので、その後北海道事情考えて十分の八にしてもらいたいということで出しましても、相当大蔵省は最近財政状態が悪いものですから、むしろ公営住宅補助率も引下げるというようなことをしばしば聞くくらいでありますから、相当困難なことであろうと思います。勿論話はしましたけれども、すぐ賛成して何しようということはなかなかやれないだろうと思います。
  9. 木下源吾

    木下源吾君 大蔵省建築のほうの事務のほうは非常に理解があつて何しておるのですが、殊に私さつきから言う通り、それは豊平のごときは共産党の巣ですよ。この頃大分よくなつたのですよ。これを只取るというようなことで、ああいう腐つたものを只もらつたつてしようがないのだけれども、そういうようなことを扇動されます。ああいう実情になつておれば、共産党を何ぼ防ごうつたつてできませんよ。とても。子供までなつてしまう。これは何とか希望を早く持たして、早く措置することが政治的にも私はいいと思う。事務の人は理解を持つてくれておるし、それでそういう問題は、これは皆調査した人は、委員長初め皆知つておるのですから、北海道実情は相当政治の面でも私は理解が付くのじやないかと思う。一つできるだけ我々も努力をして、皆さんの御賛成を得て立法措置を講じたいと思う。二年くらいでできるだけこれを解消するように一つ誠意を持つておやり願いたい。これは援護庁の長官もこの前お会いしたが、当然早くやらにやいかんということです。それから大蔵省も今申上げたように事務のほうで事務的には行つております。建設省一体となつてその問題を早く解決してもらいたい。  先ほども言う通り、戦犯も皆釈放されるのです、できるだけ釈放されておるし、それから古い軍人恩給が復活する、いわゆるそういう面と関連があるのです。そういう関連がある人たちをそう置去りにしておくということは、これはほかの面から見てもよくありませんし、それでさつきお話のように、永年たつておるから独立の何ができるだろうと言つてもそれは無理です。ああいうところに、六畳に五人も六人も突つ込んでおいて、そうして独立ができたらなんというようなことは無理です。なかなかそんなわけのものじやありません。もう環境が橋の下の環境になつてしまつておる。だから一つ社会問題としても十分にこれを解決する義務が政府はあると思うので、どうか一つ皆さん御相談して、二十九、三十年度で全部解消するように努力願いたいということを要望します。
  10. 石川清一

    委員長石川清一君) 私からちよつとお尋ねしておきますが、私その頃道議会におりまして、そのことで数度上京したことがあるのですが、初めには一収容所で一船上つたのを大抵置きまして、町村なら町村、市なら市が何百人置いて、その中から有縁故者だけを出して、残りを臨時的にそうした所へ収容したわけなんです。その次の年からはやはり連絡した名簿なんかで有縁故者はそのまま出ますし、無縁故者のためには特に独立した住宅が七坪半ずつきめられて、これらの人々の入つておる住宅家屋に対しては若干の修繕費ですか、維持費が出たように思つております、で、その後における引揚者は全部片付いておりまして、これだけが残つておる、こういうように聞きますが、今住宅企画課長が言う千百三十二戸の二カ年計画というものは、これは一応予算折衝数字であつて大蔵省で削減されるようなことはあるのですか、ないのですか。
  11. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 千三十二戸と申します数字は、実は引揚援護庁のほうからお伺いしまして、この数字は腐朽が甚だしいもの、或いは破損が甚だしいもの、それから借上施設所有者から引渡しを要求されたもの、こういうものが千百三十二戸である、こういう数字です。ですからこの数字自体については事実の認定があるかも知れませんけれども、大蔵省は一応了承していると思います。
  12. 石川清一

    委員長石川清一君) それじやこの数字は二十八年度予算のときにも大体使つた、そのときの基礎的な数字でございますか。いわゆる百八十戸を別枠で取つたときにも大体こういうような数字使つたのでございますか。
  13. 木村又雄

    説明員木村又雄君) この千百三十二戸の数字でございますが、これは引揚援護庁としましては、北海道庁と密接な連絡をとりまして、北海道庁では今建設省前田課長が申上げましたように、極めて要疎開緊急度の高いものにつきまして検討した結果出ました数字でございます。なお二十八年度予算要求のときも大体この数字に近いものを要求いたしたのでございます。
  14. 石川清一

    委員長石川清一君) それではこの数字北海道庁援護関係、現在の援護庁建設省とも大体了解をしておる、いわゆる住宅解決する基礎になつておる三者が一体になつておる数字だと、こういうふうに了承してよろしいですか。
  15. 木村又雄

    説明員木村又雄君) 取りあえずそういうふうに御了承頂いて結構でございますが、実はこれにはいろいろ経緯がございまして、例えば二十七年度におきまして疎開住宅建設いたした場合におきましても、函館の例を取つて申上げますと、実は函館市に六十戸からの建設をするように割当をいたしたのでございますが、併し当局財政事情その他によりまして、実は今年度建設はできないのだということで返上があつたのでございます。実は二十八年度の分についても、函館市においてはそういう返上がございまして、この数字は緊求度の高いものという条件のほかに、なおやはり設置したい市町村のそれぞれの財政負担能力と申しますか、財政事情というものも多少加味されて出された数字であるというふうに我々考えております。
  16. 木下源吾

    木下源吾君 そこなんです。それが市町村財政の問題は、これは当然だと思いますけれども、引揚者それ自体困難性などというものは一つも入つていない。それを何すると今言う約二千戸に近いものがある。これは当然その二千戸はやらなければならん。函館は不親切なんです。函館の或る港寮隣接亀田村なんですが、そこへそれを押付けたというか、隣接亀田村の領分へ持つて行つて、たまたまそこに古い工場の建物があつた。そこに押込んでしまつて、誠に不親切なんです。私どもは実際においてその人々の困難を救い、その人たちの復興することをそれを念願としておるので、それで先ほどから私は二千戸とこう言つておるのです。これはそれだけの戸数の無縁故者があることは間違いないんで、あなた方も御承知の通りなんです。これを一つ解消してもらいたい。まあ予算のことだから、今の町村でもそういうことを言つているのだし、又国でもそうだろうと思う。それを二、三年のうちに解決するというめどさえつければ、本人たちは待つているだろうと思うのですが、それだけより作らんということでは、これは本当に困るんです。今立退を要求されておるとか、雨漏りで駄目だとか、又六畳間に重なつて寝ておるというものだけ今緊急にやるというならわかりますけれども、それだけであとやらないというならそれはちよつと困る。そこのところをよくその点も十分考慮の中に容れられておやり願いたい、こう思います。
  17. 石井桂

    石井桂君 只今のような緊急を要する引揚者住宅というのは北海道以外にもどつさりあるのですか、それをちよつと……。あればどのくらい全国にあるのか。
  18. 木村又雄

    説明員木村又雄君) 只今資料を持合せておらないのでございますけれども、北海道以外の地域におきましても無縁故者が定着したような都道府県もございまして、これらにつきましても、大体二十七年度までの間に三カ年計画措置をいたしておりますが、まだ未了の個所も多少ございます。例えば尾道市であるとか或いは岩手県の岩手でございますか、そういつたところに多少残つておりまして、この分につきましては建設省のほうで北海道疎開住宅と合わしまして考慮に容れまして予算要求を一応いたしております。ただ北海道以外の地域につきましては、これは第二種公営住宅別枠ということでございますけれども、その際に北海道のごとき特殊事情特殊事情と申しますのは防寒住宅でございます。ああいうふうな特殊事情がございませんので、設置主体である市町村負担北海道に比べますと遥かに軽減されますので、第二種公営住宅という一線でやれるのではないかというふうに考えられるのであります。
  19. 石井桂

    石井桂君 私がお尋ねした内容は、引揚者住宅で、そして腐朽したり立退きが迫られたりして、そうしてどうしても緊急に建てなければならない戸数はどのくらいあるのか、こういう質問なんです。
  20. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 私のほうで援護庁と連絡いたしまして、先ほど申上げましたように緊急度の高いものとして考えました数字全国で五千四百五十五戸でございます。北海道が一番多くて千百三十二戸、その次に大きいところを申上げますと、東京が六百二十でございます。福島四百四戸でございます。福岡が二百九十四戸、あとは百台苦しくはそれ以下でございます。これにつきまして北海道と同じような趣旨によりまして、その約半分の二千六百三十八戸を二十九年度に第二種公営住宅といたしまして目下予算要求いたしております。
  21. 石井桂

    石井桂君 この引揚者のために予算を取られて、そうして何千戸か建てられる計画は非常に結構だと思うのですが、今まで住宅計画が一本建でなかつたせいか知りませんが、例えば第一種、第二種の公営住宅を建てながら、突然その年度の全部引揚者住宅に充てろとか、いろいろな指令が政府から出ておると思うのですが、一般公営住宅の入居に対する公募を中止しなければならん。そうすると東京なんかの例を取ると、半年くらい公募を中止しておる。そうして一般住宅に苦しんでおる人が一つも入る機会がない。これは住宅に対する万全の策が立つてないのじやないか。今の引揚住宅の緊急なことは申すまでもないのですが、やはり何十万となく足りない人の住宅も建てなければならん。従つて若し必要に迫られて引揚者のために住宅を廻さなければならんという場合には、これは緊急度従つてそれに入居せしめるのはいいと思いますが、その年度にすでに計画しておつた住宅をそれに充てた切りで一つも建てないというようなことであつては、それは住宅問題がしまいまで片付かない、こういうことは昨年あつたと思うのです。そういう場合には企画課長一番長い間苦労されておるのですが、どういうふうにしてやつて行こうと思われておるか。今年のように住宅予算をやすやすと切られてしまつて、そうして災害のほうに大切でしようけれども、そつちのほうへ持つて行かれちやうというふうなへつぴり腰住宅政策では困ると思いますが、企画課長芯が強くて、そうして住宅局長もみんな揃つてつて下さればいいのですが、そういうものに対する態度、決心というものをお聞きしたいのです。
  22. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 只今石井先生から御指摘のありました点は、実は特別な例でございまして、例の住宅緊急措置令に基きまして特別に国が強制的に使用した住宅を、住宅緊急措置令を廃止する法律が出ましたものですから、そのために至急返さなければならん、そのときに第二種公営住宅を、別枠をその分だけ取つておけばよかつたのでありますけれども、その当時はその手配ができなかつた関係上、止むを得ず昨年度の第二種公営住宅の枠を相当大幅にそつちのほうへ活用願つたためにそういうものが出ました。これは併し東京だけでございます。あとは殆んどございません。神奈川も多少ございましたが、殆んど東京でございます。そういう関係もありますので、従来第二種公営住宅一般的に扱いまして、事業主体は主として民生部長が主管おりますが、いろいろな種類の困窮者がおられます。例えば引揚者とか或いは傷痍軍人とか未亡人とかたくさんございますが、住宅困窮度に応じて適当に公正に入れて行くということになつておりますので、特別の、特定のグループの人だけに特別の割当をするということは実はしていなかつたのであります。ところが引揚者につきましては、すでに或る公共団体などが供給しておるところの住宅が非常に悪くなつて、緊急に立退いて疎開をする必要が迫つて来ましたので、特別にこれは第二種公営住宅の枠の外に要求するという対策をとつております。でありますから二十九年度におきましては、只今私が申上げましたように、この関係の第二種公営住宅を二千六百戸ほど要求しておりますけれども、これは一般の三カ年計画に基く公営住宅別枠でございます。三カ年計画に基きます分は、いろいろ調査の結果、住宅供給の二割五分を相当と考えまして、二割五分に相当する戸数を別に要求しております。それは一般困窮者の方方に入つて頂く。そのほかに特に問題の多い引揚者については、特別にこれだけ要求いたしましてそこに入つて頂くという態度で、昨年東京で起りましたような問題は今後は出したくないと思つて努力いたしておるわけであります。
  23. 石井桂

    石井桂君 もう一つ先ほど木下さんからお話がありましたが、やはり住宅単価の問題ですが、これは先ほどお話通り建設省で組まれた単価では到底できないことは明らかなんです。こういう無理を平気で地方庁に押し付けたりしましては、到底公営住宅なんかできないと思うのです。これはこの前も近藤さんも御質問なつたのですが、住宅金融公庫単価罹災地の分はこれから値上げしようと思つているという住宅局長お話があつたのです。併し罹災地以外のところでも災害地と同じように物価が上るのですから、工事中のものや何かは途中でみんな立腐れになつてしまう。だから住宅金融公庫予算が消化できないのは当り前だと思うのであります。例えば百万円で家を作りたいというものは百五十万円になつてしまいますと、五十万円足らないのでありますから、これは急に勤労階級が出そうと思つてもなかなか出せない。その場合に本当に家を建てさせようという態度であれば、私はやはり単価を上げて、そしてまあ家を早く建てさしてやるのが普通じやないかと思うのですが、単価も上げないで、例えば一坪三万五千円から四万円かかるものを、二万五千円か六千円でやるようなことになつておると、住宅公庫では八割貸すと言うても実際は五割くらいにしか当らない。頭金は非常にどつさり取られる。こういうことは住宅局長も言われて、罹災地だけは上げてやると言うておられたのですが、今でもそうでしようか。皆さん建設省としてのお考えは、どうせあなたのところで立案されるのでしようが、大蔵省との折衝もあるでしようが……。
  24. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 御尤もの点もあるのでありますが、まあ一応当初契約を結んですでに仕事をしておるのでありますから、契約したあとは多少値上りがあつても、当初やるというお話があつたもので、それで何する。若し途中で値上りしたものを上つた従つて認めて行きますと、怠けていて、ずるずる延ばした者が得するという結果があつたりしますから、非常に困難なことであります。一応すでに契約を結んだものはそれでおやり願いたい、そのほかに、今年は実は罹災地以外には今後貸付ける予定はございませんので、実質上は今年度罹災復旧住宅とか、若し何かの理由で罹災復旧住宅以外にも今年度中に貸付が始まれば、勿論それは新らしい単価に持つて行きますが、大体そういう考えで進んでおります。
  25. 石井桂

    石井桂君 只今罹災地以外には貸付ける予定がないというのは、今年度予算がもうなくなつてしまつたのですか。
  26. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 全部契約が終りました。
  27. 木下源吾

    木下源吾君 建築課長さんに伺いますが、今の単価の問題ですが、私の見るところによれば、あの台風十三号以来三割上つていますな。実際の建築費、材木は込み五千五百円、セメントが四百七十幾ら、まあ五百円近いでしよう。それから砂バラスでも七百五十円というようなことで、三割以上、瓦も勿論のこと、それに準じて壁もそうでありますし、それですからあなた方の今度の設計ですね。今予算要求しておるのはもう非常に少いのです。今半分と言われたのですけれども、半分以下です。そういうことを十分に実際の計算を出しておやりを願わんと、公庫住宅も建ちませんし、地方でもそれを消化することができない。ただ机上でそれだけやつてやるというくらいの程度で、又返上が出て来たりいろいろいたしますから、実情に即したように一つ親切におやりを願いたいこういうように要望しておきます。
  28. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 私この機会に、むしろ課長さんだから率直な赤裸々ないわゆる回答というか御説明を願えると思つてそれを期待してお聞きしたいのですが、例えば住宅問題なんかも、さつきから引揚者のことについて問題があつたが、それのみならず、今年の年度の初めに当つても三百数十万戸というものが何としても建たない。それをあれだこれだと言つて、自力でやるのがたしか六十万か何かを期待しながら、一応建設省のいわゆる局長さん以上の首脳部としては、住宅解決の望みを如何にも遠慮しながらではあるけれども、何とかやつているんだというふうな説明に持つて行つているんです。で、私この機会に率直に聞きたいのは、あなた方専門の、いわゆる実際にやつておる、そして政府側に必ずしも遠慮しなければならない立場でないあなた方として、どういうふうにこの住宅問題を解決するか。私はなんなら速記なしでいいのです。私は事実どうにもわからない……。今日は私自身資料を持つて来ないで恐縮なんですが、総括的に今までの三つの方面からのそれぞれのなし崩し的な或る程度住宅建設をやつておるのだが、本当はどうなんだ。そしてそれの解決のためには、例えば一口によく土地の問題が出る。今言つた材料の問題が出る。資金の問題は勿論、それらを合わせて一体どうしたら本当にいいのか。私は、その場その場であつちの角度からもこつちのほうの角度からもそれぞれ或る程度ずつお建てになる方向に今日なつておるけれども、本当にそれを、この日本の住宅問題を解決して行くのにどこが一体ネックになるのか、どうすればいいのか、これを勇敢に御感想を聞きたいのです。で、なんでしたら速記は私は要りません。
  29. 石川清一

    委員長石川清一君) ちよつと速記をやめて下さい。    午後二時五十九分速記中止    ——————————    午後三時十一分速記開始
  30. 石川清一

    委員長石川清一君) 速記を始めて。只今懇談中、更に先ほど質疑を通じまして政府が特に引揚無縁故者住宅解決のために、単に北海道だけの問題ではなくて、全国的な問題として、一応これを五千四百五十五戸と押え、二十九年度予算で二千六百三十八戸の建設計画を立てておるようであります。これは第二種公営住宅別枠として、この特殊性並びにこれらの問題の重要性から扱つておるのでありまして、今日までの経過から考えまして、引揚援護庁並び建設省住宅局が一丸となられまして、この実現を引揚無縁故者の住んでおる町村要望に応えますように解決されるように希望いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時十二分散会