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1953-10-31 第17回国会 参議院 建設委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十月三十一日(土曜日)    午前十一時十分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     石川 清一君    理事            石井  桂君            石川 榮一君    委員            石坂 豊一君            小沢久太郎君            鹿島守之助君            赤木 正雄君            飯島連次郎君            江田 三郎君            近藤 信一君            田中  一君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君    常任委員会専門    員       菊池 璋三君   説明員    建設省道路局長 富樫 凱一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○建設行政に関する調査の件  (昭和二十八年度建設省関係予算補  正に関する件)   —————————————
  2. 石川清一

    委員長石川清一君) 只今から建設委員会を開会いたします。  本日、現在見えておるのは道路局長、続いて官房長が見えることになつておりますが、その他の政府委員は目下衆議院建設委員会出席中でございまして、午前中に出席できるかどうかわかりません。以上のような政府委員出席の上で本日の審議を願うことにいたします。  それでは道路局関係について御質疑がありましたら逐次発言を願います。
  3. 田中一

    田中一君 多少一般的な質問になるかもわかりませんけれども、今度の修正減少された事業種というものは、実際施行されていない未着手或いは当然減少していいという現実にあるという前提の下に減少修正されたものか、無論追加のものははつきりとわかります。併しながら減少したものは、道路の面で見る場合に、その実態と数字とがどういうことになつておるか。
  4. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) この節減いたしましたものは止むを得ないものでございまして、これだけ節減しても事業のほうには影響がないというものではございません。止むを得ず節減いたすことになつたわけでございますが、この節減いたしますにつきましては、暫定予算の付きました分、又二十八年度において完成いたします分、又二十八年度において効果を発揮いたします分、これからは節減をいたしませんで、その他のものから節減いたすことに考えております。例えば着手が遅れた関係で寒い地帯のコンクリートの仕事というふうなものは、現実には幾らも二十八年度にはできませんので、これらを明年度に繰延べるという措置をとつた次第でございます。
  5. 田中一

    田中一君 今寒いところとおつしやるけれども、二十八年度予算が通過したのは八月十日頃ですから、従つて仕事の割振りは恐らくその年度に完成する工程を踏んでいると思うのです。ですからあなたがおつしやることは一応わかります。一応わかりますが、実際の現地においては或いは請負に付してしまつたとか、すつかり準備をしてしまつたとかいうものがあると思うのです。そういうものの実態とこの減少額というものは、その実態に即した減少をしたのか、それとも大まかな緩急順序というものを睨んで机の上でチエツクしたものか、その点を伺いたいのです。
  6. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) すでに契約もし、着手もしているというものからは節減はいたしておりません。事業実態に即してできるだけ節減を合理的にやるように努めております。
  7. 田中一

    田中一君 北海道などは全部入れまして約六億の公共事業費節減なつておる。これは官房長に伺うべきかも知れませんけれども、五十何億のうち六億を節減するということは、北海道の土地はもう冬季仕事ができないことはわかつております。わかつておりますから、当然その準備はしていると思うのです。例えば資材のほうの契約とか、いろいろなことは十分何というか、現場にはかかつておらんけれども、事務的なものも入れまして全工程の相当な、三分の一くらいのものは進んでいると思う。そういう場合にはその実態までもお調べになつたのか、或いはそうした場合、そうした損害というものは誰がどこで負担するのかという点もお考えなつておつたのでしようか。
  8. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 北海道道路事業に関しまして申上げますが、北海道道路事業につきましては、暫定予算も内地に比べて余計配賦いたしております。又事業北海道冬季できないというような関係で早く着手しております。これは仰せの通りでございますが、そこで北海道におきましては今から節減するということは非常に無理でございますが、併し冬季にやります事業のうちで、例えば明年度に備えての砂利採取仕事であるとかいうふうなものは北海道において相当の額あるわけであります。そういうものは節減いたしたわけでございますが、併しこれは冷害対策のほうでその分はカバーできる部分がございますので、実際にはこの砂利採取には余り悪い影響はないように考えております。
  9. 田中一

    田中一君 北海道の例といいましても、北海道では約六億の公共事業費減少なつておるけれども、冷害対策その他の事業事業量としては少しも変つていない。ただその場所工事現場は甲が乙になつた、或いはAがBになつたという点だけで解決されるものですか、そういうものの解釈でよろしいのですか。
  10. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 道路事業についてはさような御解釈でよろしいと考えております。
  11. 田中一

    田中一君 この特定道路整備事業、これだけ拝見いたしますと、戸塚国道減少なつておりますが、これはどういう根拠でやつているのです。
  12. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 戸塚国道節減いたしておりませんが、戸塚国道はだんだんに交通量が増して参りまして、この事業を促進しなければならない事態になつておりますので節減をしなかつたわけであります。
  13. 田中一

    田中一君 わかりました。それでその松江の場合は、松江はこの減少ということの根拠はどこにあるのです、理由は。
  14. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 松江国道は二十八年度新規事業でございますが、まだ着手しておらなかつたわけで、その点で節減いたしております。
  15. 田中一

    田中一君 私は大体こういう土木工事などというものは一応計画が立ますと、セメントの集積とか砂利採取とかいうもので、現場工事が始まらんでも相当その事業全体から見るときには工程が進んでおる。その事業工程が進んでおるというように理解しておるのですけれども、今度の公共事業費の中の減少というのは、そういうものには全く支障がないと了解してよろしうございますか。  それからもう一つは、現場に現われない工程ですね、これが進んでおつたものが発見されない場合、後に発見された場合、その損害というものは誰が負べきものか、この点はどういう工合に解釈しておりますか。
  16. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 今度の節減止むを得ずいたしたものでございまして、二十八年度計画についてはその通り実行できないわけでございまして、支障を感じておるわけでございます。又着手しないものでも、それぞれ施工者準備いたしておるというふうなものつきましては、それが実際に工程に上つて来るものについてはその損害を与えないように考えたいと思つております。
  17. 田中一

    田中一君 昨日たしか大蔵大臣江田君に対する答弁だと思いましたけれども、これで足りないものは融資するというような言明があつたように思うのですが、これは融資は国が直接やるものはいいでしようが、そうすると都道府県市町村ですね、そういうものが補助金で以てやつておる事業に対する融資も含まれておるものですか、その答弁は。
  18. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) これは推測を申上げて誠に申訳ございませんが、これは災害事業に対しましては建設省においても融資というものを考えておると聞いております。併しその他の補助工事に対しましては従来通りやはり起債ということで賄うのではないかと考えます。
  19. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 ここに道路改修費として一億六千万円計上してあるのですが、その内容ちよつと道路局長に御説明願いたいと思います。
  20. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 御説明申上げます。追加額が一億六千万円になつておりますが、その内訳は、直轄道路改修費に一千万円、道路改修費補助に一億五千万円となつております。直轄道路改修費の一千万円は三重国道事業に対します追加額でございまして、これは今町の災害手戻りを生じましたので、それに対する費用でございます。それから道路改修費補助の一億五千万円は特例法に基きます費用でございます。砂利道の、砂利道とは限りませんが、道路修繕に対します補助金でございまして、半額を国で負担することになつております。結局三億の事業ができるわけでございます。
  21. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 例えば国道の中に、この前の雨で非常にうんでしまつて交通が杜絶したような箇所があるのですが、そういう所はやはり対象として入つているのですか。
  22. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) この一億五千万円は六、七月の災害に基くものでございまして、只今お話長雨等によりまして道路が非常に傷んだというふうなものは災害で取るというふうに只今折衝をいたしております。
  23. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 そうしますと我孫子のところとか、鴻ノ巣、熊谷国道が非常に傷んで通れなくなつた。そういうような所は災害で取るわけですか。
  24. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 具体的な箇所が出ましたのでお答え申上げますが、六号国道のほうにつきましては、金額は無理と思いますが、或る程度災害で取るように只今折衝いたしております。それから高崎に行きます国道につきましては、安全保障費から路盤改良の金が取つてありますので、それらによつて道路を直したいと考えております。
  25. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 そうしますと六月、七月といいますと、具体的にはどういう所がありますか。
  26. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 六月、七月の特別法に基きまして指定されます所がどの程度になるかまだはつきりいたしておりません。ということなどでございまして、又八月、九月災害による道路修繕も又考えなければならないというようなこともありまして、この対象県というものは、我々の推測によるものでございますから、まだはつきりいたしたわけでございませんが、それらがはつきりして来れば、結局一億五千万円の配分もはつきりして来るわけでございます。
  27. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 そうするとそのきまるのはいつ頃きまるわけですか。
  28. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 昨日衆議院予算委員会で緒方副総理からの御答弁がございましたが、それによりますと間もなくできるということでございます。
  29. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 これはもうとにかく年度も迫つて来ることですから早くきめてやつて頂きたい、そういうふうに思います。それからもう一つ冷害の問題ですが、冷害の今度の五億はどういうふうにするのですか。例えば県道に限るのですか或いは町村道もやるのですか、その点ちよつと伺いたいと思います。
  30. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) この冷害等臨時対策事業費の中の道路事業費でございますが、これは冷害対策の目的に副うように場所を選ばなければなりませんが、兼ねて道路計画を進めるようにも選びたいと考えておるわけであります。そこで対象になりますのは、地方道の中でも幹線ということになつて参りますので、県道ということになりますが、市町村道といえどもこの対策事業にマツチするものはとらなければならんと考えております。
  31. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 そうしますと結局県道市町村道、全部の中からいわゆる凶作地関係して選ぶということに解釈してよろしいのですか。
  32. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 五億の金でありますので、余り多くの箇所はやれないと考えておりますので、従いまして県道市町村道いずれもやるのでありますが、県道のほうが重点的にとられることになると考えております。
  33. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 例えば人夫人夫賃の率に制限があるとか、そういうような今度の凶作対策として何か特殊な制限でもありますか。
  34. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 特殊な制限はまだ聞いておらないのでございますが、ただこの金の使い方といたしましては、できるだけ労務を吸収できるような仕事只今のところでは七〇%ぐらい土木費に廻るというような仕事というふうに打合せがあるようでございます。
  35. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 それから県ですね、例えば五億を配当する県はどういうふうな基準でお選びになりますか。
  36. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) これもはつきりいたしておりません。ここに挙げましたのは、ただ我々の考えで、従来言われておりました冷害を非常に受けた県ということで一道十五県ぐらいを対象にいたしておるわけでございますが、これがだんだんにはつきりいたして来ますと、その内容もそれによつて分けなければならないと思つております。
  37. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 一道十五県というと大体どの辺になりますか。
  38. 富樫凱一

  39. 赤木正雄

    赤木正雄君 私は昨日委員会で、都市計画の中で防災事業に対して官房長質問して、今日の委員会で具体的な設計を以て説明してもらうように昨日話したのです。それにもかかわらず、私の顔を見て官房長は出て行つてしまう。実にけしからんと思う。こういうことはあり得べきことじやない。私は議運にいたから遅れてしまつたのです。そうでなければ当然時間に来ますから……。私の来たのを見たら向うから進んで説明すると私は思います。それに私の顔を見てすぐ逃げてしまうということは、こういう態度では実に私は不満に思う。これは十分あなたのほうから政府にそういうことを伝えて頂きたいと思います。私は官房長にまだ言いたいことがありますけれども、今日はもういませんからやめます。
  40. 石川清一

    委員長石川清一君) 赤木委員から御意見がありましたが、官房長が来たのは私は知つておりましたが、帰るのはよく存じませんでした。ただ昨日赤木委員から資料の請求がありました点については、最後に私はやはり政府側にも伝え、速記録にも残しておいたのでありますが、今日も時間を見ましてさよう伝えて、早急に資料を提出するようにしたいと思います。
  41. 赤木正雄

    赤木正雄君 私は官房長態度は非常に委員会を無視しているような気がするのです。そういう態度をすべきではない。少くとも質問者が来たときに、向う出席してここにいるのですからして、進んで答弁すべきだと思う。これは私は決して委員長を責めておるものではありませんから、その点を誤解にならないようにして頂きたいと思います。
  42. 石川清一

    委員長石川清一君) 委員会出席する政府態度並びに出席します政府委員に対する只今の御意見は、委員会の運営の上に立つて注意することにいたします。
  43. 石井桂

    石井桂君 私はこの予算が修正減額されてありますが、修正減額された暁にはどういうふうにお困りになるか、それがわからんものですからお聞きしたいと思うのですが、修正されてもかまわない、ちつとも迷惑をこうむらんものかどうか。
  44. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 修正減額いたしますと、これは先ほど御説明申上げたように、完成するものその他については節減いたさないという方向でやつておりますので、従いましてこれから着手するものが節減されることになるわけでございます。そうしますと、これを二年計画或いは三年計画でやつておりますものがそれだけ完成期間が遅れるということになりますので、道路政策はそれだけ延びたということになります。
  45. 石井桂

    石井桂君 そういたしますと延びることが困る。困るには一応困るのですけれども、一番いわゆる痛手のないところだけは我慢して呑んだと言われるのですか。
  46. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) そうでございます。
  47. 石井桂

    石井桂君 了承いたします。よろしうございます。
  48. 石川榮一

    石川榮一君 今日は河川局長は参りませんか。
  49. 石川清一

    委員長石川清一君) まだ見えておりません。
  50. 石川榮一

    石川榮一君 道路局長の先ほどの小澤委員に対する御答弁の中で、高崎線安全保障費から出るということになつているというのですが、あの線にどれだけその経費を見ておられますか、わかりましたら……。
  51. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 今ちよつと覚えておりませんのですが、鋪装の補修とその路盤改良を入れましてたしか二億程度、だつたように思いますが、なお調べまして御返答申上げたいと思います。
  52. 石川榮一

    石川榮一君 そうするとあの道路高崎までをその眼目としておりますか、もつと延長して見ておりますか。
  53. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 先ほど道路改良路盤改良をやると申上げました区域は、吹上、鴻巣辺でございます。高崎までは今度の道路改良五カ年計画によりまして改良いたしたいと考えております。
  54. 石川榮一

    石川榮一君 あの路線は非常に交通量が多いのは御承知の通りでありますが、又従つて現在改修しつつありますのですが、旧道のほうが非常に傷んでいるにもかかわらず、殆んど手を著けておりません。従つて道路は今開設中であり、旧道路は非常な破壊のままに存置されて非常な交通支障を来たしているのであります。これは議員諸君等が軽井沢或いは上越方面に行かれた場合に必ずあそこを通られて非常に苦情を私ども言われているのであります。ああいうふうな主要道路に対してはもう少し重点を置いて改修いたしましたらば、同時に鋪装でがきますようにお願いいたしませんと、むしろ改修したために交通を阻害するという形になつております。特にここでお考え願いまして、ああいう主要道路に対しては思い切つた鋪装をして頂くように留意して欲しいと思います。別にあの路線に対してお考えはありませんですか。
  55. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 御尤もでございます。そこで只今路盤改良をやりまして、悪い所につきましては早急に舗装をいたさなければならないのでございますが、路盤が悪いとその上に舗装いたしましてもじき傷みますので、暫らく猶予いたしまして、路盤を安定させて鋪装させるような計画でございますが、路盤改良が早くできるようになりましたので、従いましてそのあとで直ちに鋪装いたしたいと考えております。
  56. 石川榮一

    石川榮一君 その線ばかりじやありませんが、新線を改修された場合に、路盤がまだ安定しないにもかかわらず、これを府県移管をするような傾向が多いようでありまして、府県のほうでは突然それを移管されるような形になりますので、その路盤改修が思うように行かない。予算措置がしてないというので、改修道路を非常に厄介視するというわけではありませんが、予算的な都道県準備がしてないものですから、非常にその改修した部分が悪い。ですから少くとも路盤が安定されまして舗装する場合に、舗装をして都道府県のほうに移管をするという建前をとつて頂きたいと思いますが、現在ではどうなつておりますか、お伺いしたいと思います。
  57. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 御意見御尤もでございます。従来は改修いたしましても維持ということができませんので、改修いたしましたならばできるだけ早く移管するようにしておつたわけでございます。そんな関係で県に御迷惑をかけておる点もあるわけでございますが、これは予算の立て方の上から行きまして、維持費というものを含んでおりませんので、止むを得ない処置であつたわけでございます。今後はできるだけ早く舗装するとか、又もう一つの問題は、将来一級国道については国が維持するというような方針も立てなければならんかと考えております。
  58. 江田三郎

    江田三郎君 道路事業調査費補助というのは大体どういうところへ出るんですか。
  59. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 道路事業費調査費補助でございますが、これは来年度着手するというふうな箇所につきまして、その箇所を測量し、実施計画を立てるというようなものに補助をいたしております。これも重要なものに限つておりますので、事前にそういう調査をしなければ実施計画が立たない。例えば大きな橋梁でありますとかトンネルでありますとか、そういうものがあつた場合に調査費補助をすることになつております。
  60. 江田三郎

    江田三郎君 大体都道府県に出るわけですか。
  61. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) さようでございます。
  62. 鹿島守之助

    鹿島守之助君 実業界の一部では、有料道路なつても産業上重要な道路は至急直してもらいたい。その製品が何ぼ舗装をよくしてもこわれる、道路が悪いためにこわれる。それからスピードの点ですね、早く物を送れる、それからトラツクの傷む点、そういう点で、政府としては有料道路にして産業上重要なものを至急整備される御意向がございますか。
  63. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 有料道路制度が始りまして、ぼつぼつ完成するものもできているわけでございますが、この制度はできるだけ活用いたしまして、産業的に間に合う道路を早く作りたいという考え少持つております。ただ国道でありますとか重要な府県道でありますとか、そういうものについては料金を取るのはどうかというような意見もありますしするので、その点につきましてはまだ結論を得ておらないわけでありますが、従来着手いたしましたものは、国道においても有料道路制度をとつておりますし、その他のものについても有料道路制度工事を続けておるわけでございます。この制度につきましては、できるだけ早く日本道路改良したいという点に大いに貢献するものと我々は考えておりますので、できるだけ予算も余計頂いて発展させて行きたと考えております。
  64. 江田三郎

    江田三郎君 あの駐留軍保安隊も多少関係すると思いますけれども、駐留軍重量車両が通るために道路が非常にこわれる。これは必ずしも特定通路でなしに、直轄道路或いは府県道等重量車両のために非常に破損を受けるという場合には、そういう改修費はこれは一般道路事業費から出るのですか、それとも安全保障諸費のほうか、そんなほうから出るのですか、どうなつているのですか。
  65. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 実はその点につきまして只今折衝しておるわけでございますが、駐留軍重量車両によつて破損されます道路については安全保障諸費から出してもらいたいという折衝をいたしております。只今のところではそういうことがきまつておりませんので、一般道路事業費からそういうものが出ておるのでございます。
  66. 江田三郎

    江田三郎君 大体建設省の見積りで行きますと、そういうような破損のために改修を要する経費というものは現在どのくらいの事業量なつておるか、又向う交渉をせられておるとすれば、どのくらいの事業量について交渉をされておるのかということをお尋ねします。
  67. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 安全保障諸費からすでに百五十億の補助を出しまして、駐留軍のために必要を生じた道路事業をやりましたが、これは大半が改良事業でございます。そこで駐留軍の重車両のために傷められた道路修繕という問題についてはまだ一文も出しておらないわけでございますが、これはどれだけ駐留軍車両のために傷められたかということを握ることがなかなか困難な問題であります。特に駐留軍キャンプ附近でそのために傷められたというものははつきりするわけでございますが、混合交通日本車両も通るし駐留軍車両も通るというところについては、どれだけ駐留軍車両について傷められたかということをきめることがなかなか困難でありますが、できるだけ我々のほうとしましては、その交通量比等で押えまして、それに要する維持修繕というふうなものを要求したいという考え折衝しておるわけでございます。で、どれだけのものを対象にするかでこの金額が非常に違つて来るわけでございますが、只今までのところではそういう問題の起きましたのは駐留軍キャンプ附近でございまして、これは殆んど駐留軍専用道路言つても差支えない。そういうような道路維持修繕費というものは積算いたしておりますが、これは大したものじやございません。まあ一般的に言いまして、重い車が通るから日本道路が傷むんだというようなところをどういうところで押えるかということが問題になるわけでございますが、これはそれらのことがきまつて行きませんと事業量のほうもはつきりつかめないわけでございます。
  68. 江田三郎

    江田三郎君 だから一級国道とか、その市要道路舗装をしておる道路ですね、これは従来どのくらいな重量というものを予想して鋪装をしておられるのか知らんけれども、若し何トン車というようなものを予想されて鋪装しておられると、それより重い車が通ればどうしたつてこわれるという答えが出るんじやないですか。従つてそこから駐留軍の重車両が通る場合にはおおむねそれらのものは破損される。従つてそういう所が破損されておるとすれば、而も駐留軍の車が通つたために破損されておれば大体駐留軍の責任、責任というのはおかしいけれども、原因はそこにあるのだという、そういう理論というものは立ちませんかね。
  69. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) 御尤もでございますが、駐留軍の重い車両にいたしましても、一つのタイヤにかかる目方、又タイヤにかかつて道路に及ぼす圧力といいますか、そういうものを調べてみますとそれほど大きくはない。重い車になればそれだけタイヤを余計使い、又太いタイヤを使つておるというので、結局設計の上から行きますと、総体の重量は重くても道路に与える影響についてはそう変らないということになつて来ておるようでございます。そこでまあ交通量というふうなことが問題になつて来るわけでございますから、総体の重量だけではちよつときめかねる問題ではないかと考えます。
  70. 江田三郎

    江田三郎君 例えば横浜附近のあの破壊された状況というものは、これは明らかに主たる原因が駐留軍の重車両にあるということは言えないのですか。
  71. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) これは言えます。言えますがだんだん掘り下げて行きますと、そういうところにぶつかりますし、又横浜の市内において、これは舗装道を維持するには相当の金もかけ、手間も使つて維持して行かなければならない。それを戦時中は維持していなかつたというようなこともありますし、又舗装もこれは寿命があるわけでございます。そういつた寿命がもうなくなる時期に来ておるというようなこともありますし、なかなか細かにやつて行きますとむずかしい問題になつて来るわけでございます。併し横浜におきましては、これは駐留軍車両が入るようになつてから明らかにこわれ方が増して来ておりますので、これにつきましては従来も安全保障諸費からそういう維持修繕費を出すように交渉はして来ておつたわけでございます。それがかなり実現もいたしております。  東海道でございますが、京浜国道あたりにつきましては、横浜市内の分にその維持補修の金も付いたわけでございます。それが全面的にはまだ行つておりませんので、それらの点につきましてはなお今後折衝いたしたいと考えております。
  72. 江田三郎

    江田三郎君 災害の復旧も大事ですけれども、先ほど鹿島さんからも申されましたように有料道路というようなそういう意見はそれだけでなしに、道路破損ということのために起る影響というものは、これは堤防の切れたのと同じよりに毎日影響が大きいわけで、この経費を修正減少するということがいろいろな面で困つた影響が出ると思うのですけれども、それを埋め合わすために、先ほどから言われておるような、もつとはつきりと調べて、安全保障諸費のほうへ振替えて影響を少くするということは今後おやりになりますか。
  73. 富樫凱一

    説明員富樫凱一君) この節減の……、補修費のほうは余り節減せんつもりでおりますが、なおお話の今後そういつたものをできるだけほかの費用も使つて維持修繕を進めるというお考えにつきましては誠に御同感でございますので、そういうふうに折衝いたして参りたいと考えております。
  74. 石川清一

    委員長石川清一君) 本日はこの程度で散会したいと思います。    午前十一時五十一分散会