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1953-11-24 第17回国会 参議院 建設委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十一月二十四日(火曜 日)    午後一時五十七分開会   —————————————   委員の異動 十一月七日委員田中一辞任につき、 その補欠として片岡文重君を議長にお いて指名した。 十一月九日委員片岡文重辞任につ き、その補欠として田中一君を議長に おいて指名した。 本日委員近藤信一君及び飯島連次郎辞任につき、その補欠として木下源吾 君及び溝口三郎君を議長において指名 した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     石川 清一君    理事            石井  桂君            石川 榮一君            三浦 辰雄君    委員            小沢久太郎君            小滝  彬君            溝口 三郎君           小笠原二三男君            木下 源吾君   国務大臣    建 設 大 臣 戸塚九一郎君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君    常任委員会専門    員       菊池 璋三君   説明員    建設大臣官房長 石破 二朗君    建設省河川局長 米田 正文君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○建設行政に関する調査の件  (災害査定並びに復旧進捗状況及  び臨時海岸堤防建設部設置状況と  その事業計画に関する件)  (行政機構の改革及び治山治水対策  に関する件)  (建設省関係水害特例法、政令及び  地域指定に関する件)   —————————————
  2. 石川清一

    委員長石川清一君) それでは只今から建設委員会を開会いたします。  第十六臨時国会の最終の委員会におきまして、閉会中も本院におきましては、水害関係特別委員会が存置されないことになりましたその関係上、従来水害関係特別委員会審議して参りました案件につきましては特に本委員会で引続いて御審議を願わなければならん状況になりましたので、本日それらの関係を主として審議対象にして御審議をして頂きたいと存じております。  建設大臣から本予算が確定後における災害復旧進捗状況並びに特に臨時海岸堤防建設部設置を見ておりますが、この見通し並びに現在の状況説明を伺うことにいたします。
  3. 戸塚九一郎

    国務大臣戸塚九一郎君) まだまとめてこうと申上げるような準備は実はいたしませなんだので、甚だ申上げ方が悪いかも知れませんが、本日お手許に差上げました書類の中に、第四というのを御覧頂きたいと思いますが、被害額査定対象額、それに対して査定をいたしたものを挙げてございます。  一番しまいの欄C/B、の査定を実施した結果は、まだ査定中のものもありまするが、大体査定率は七割五分、地方においては少し辛過ぎるとか、厳重過ぎるというような非難もあるように承知いたしておりまするが、そう無理に厳重にしたわけでもありませんけれども、実地について査定した結果でございます。まだ今復旧の実施の状況取りまとめ中でありまするが、今までにすでに復旧使つた、実際に支出した金額が五十数億に相成つつおります。それからなお着手をいたしておりまするのが百億余になつております。そのほかにもまだ成るべく年度内或いは来年の出水期前までにはどうしてもと思うのが取りまとめ中でありまするが、これもやはり数十億乃至は百億ぐらいの希望を地方としてはみんな持つているのじやないか。ただ要はこれがどれほど実績として上つて来るかという点が心配なのでありますが、まあ勿論金のほうも心配ではありますが、そういう点については努めて大蔵省のほうと折衝をいたしまして、例の融資乃至は地方の借人というようなことをだんだん進めさせて参りたい。こういうふうに地方によつて地方銀行との借入の交渉ども進めているところもございます。まだ只今その点は取りまとめ中でございますので、十分に申上げる段取りまで参つておりません。  ただその中で一番心配になりまするのは例の三重愛知海岸堤防でありまするが、議会中にも、私せめて五、六十億の事業は来年の出水期までにはできれば年度内に、まあ年度内を越えても来年の出水期までにはそれくらいやらなければ、あの地方の耕地の確保ということが非常に困難だという意味で是非やりたいと申上げておつたのでありますが、その後御承知のように臨時建設部中部地建に増設し、大体組織もきめまして、なお今回はこういうふうな場合でありまするので、建設業者にも到底普通の行き方ではいけないというので、あらかじめ協力を依頼いたしまして、それぞれ快諾して協力をしてくれることになつております。自然普通の入札という形式でなくつて特別の随意契約でこの仕事を進めて行きたいというふうに図つておるのでありまするが、第一回の入札が例えば明日、三重県のほうで十億ばかりの金額の分を入札といいますか、契約をするというふうな段取りになつておるようなところで、だんだん御覧頂いておると思いますが、なかなか難事業でありまして、思うに任せず甚しく渋つておりますことは誠に申訳ございませんが、実情は只今さようなわけであります。  中部地建に増設いたしました臨時海岸堤防建設部には、建設省としては技術の陣も最も優秀な者を集めて全力を尽すという建前で進んでおるようなわけでございます。  以上簡単でございますが。
  4. 石川清一

    委員長石川清一君) 御質疑がありましたら。
  5. 木下源吾

    木下源吾君 この「北海道国費」と、今の第四のこの資料にありますね。
  6. 戸塚九一郎

    国務大臣戸塚九一郎君) 一番上のですか。
  7. 木下源吾

    木下源吾君 いや、この下のと上のとどう違うのですか。
  8. 戸塚九一郎

    国務大臣戸塚九一郎君) 一番上のは道庁の関係……。
  9. 木下源吾

    木下源吾君 下のが国費関係
  10. 戸塚九一郎

    国務大臣戸塚九一郎君) 下のほうは国費開発局のほうの関係です。
  11. 木下源吾

    木下源吾君 じやちよつと続いて。そうしますとこれはこの既定つまり事業節約したのですね。やはり北海道の場合開発庁の……、そうするとそれはこの割合はどのくらいになつておりますか。
  12. 石破二朗

    説明員石破二朗君) 私から代りましてお答えいたしますが、既定経費につきましては、各事業の費目によつて違いはありますけれども内地北海道大体同じ比率で節約いたしております。公共事業費は原則として一割を節約しようということだつたのでございますけれども治山治水は時節柄そう節約の余地はありませんので、内地北海道をおしなべまして約三%程度節約をいたしておる次第でございます。
  13. 木下源吾

    木下源吾君 その北海道金額はどのくらいになりますか。
  14. 石破二朗

    説明員石破二朗君) 今ここに資料を持つておりますから、調べましてお答えいたします。
  15. 石川榮一

    石川榮一君 只今大臣から大体のお話伺つたのですが、最近委員会から派遣せられましていずれ詳細な報告はいたしますが、私ども派遣議員の見た眼から考えてみまして、十三号台風三重愛知、岐阜、滋賀等災害は思いのほか激甚なんであります。特に愛知県の海岸堤防欠壊は非常に尨大なものであるようであります。県の説明を聞きますと、総延長約二十五キロ、現地を見ますると千五百或いは千八百という大きな従来からできておりました干拓の提防は寸断されておるようであります。而もその寸断された所は非常に押堀いたしまして、一メートル乃至三メートルの深さを持つておる。現在の三重県下における海岸堤防は漸く査定をしている最中であるようで、大部分災害堤防は手が著いておらないというのが現実であるようでありまするが、あの大きな災害を、来年の出水期までに強靱な海岸堤防完成するということは、勿論しなくちやなりませんが、恐らく明年の災害期までにできるかできないか、私は非常に疑問を持つ。その原因はいろいろありましようが、石材或いは砂利のようなもの、要するに骨材骨材運搬に対する見通しもまだ付いておりませんで、まあ天龍川から取るというような考えもあり、或いは三重県の宮川附近から取れるというような考えもあるようでありますが、宮川附近における砂利採集は、これは当該県であります。三重県の災害復旧に充当すれば、さまで愛知県側に供給する余力が少いようであります。そうなりますと天龍川から取らなければならない。天龍川から取りますと非常に距離がありますのと、それから浅瀬を船によつて運搬しなくちやならんという関係から非常に困難を極めると思います。併しながらあのままじや置けないですから、どうしても明年度災害期までに或る程度のあの部分における災害復旧はなし遂げて行かなければならんと思います。これらに対してはよほど全国的にそういうふうな砂利要求地とかいうものに対しては、経費を或る程度まで無視してでも協力をしてやりませんと、恐らく完成が困難ではないかと思うのであります。建設省はあの一連の三重愛知県における海岸提防復旧に対する資材の面、人の面等について本腰でおやりになつておられるかどうか。またその計画も立つておるかどうかわかりませんが、漸く臨時海岸建設工事部長任命を見て、部長はまだ赴任していないというような状況でありますので、そのうちに十二月、一月になりますれば、如何にあの附近といいましても非常に寒風が襲いますので、相当工事上支障を来たすものと思います。一つ急いで人事の整備をいたしますと同時に、資材の調達並びに人夫に関する問題等についても本省はしつかり一つ肚をかまえてやつて行きませんと、私どもは非常にあの工事は困難に陥るのじやないかと思いますが、本省として特にあの海岸堤防に対してお考えがありまするならば、一つお伺いいたしたいと思います。
  16. 戸塚九一郎

    国務大臣戸塚九一郎君) 只今も申上げましたように、伊勢湾等工事はなかなか容易ならんことでありまする。が、多分今石川委員の、到底着手もできないじやないかというふうに御覧になつた所は、愛知県で言えば一色附近三重県で言えば津の手前になる港鵲村でしたか、あの辺だと思います。三重県のほうもその大規模の所を除いたほかの点には一応の仮締切が大部分できております。ただ今の両方の大きな所が手が著かん、状態だと思いますが、私どものほうでは勿論完成というようなことは到底望み得べくもないけれども一色あたりの、つまり一番外の堤防第一堤防……。第二堤防は仮締切してある。第一提防という一番海に接した所についても速かに工事着手いたしまして、これは勿論満足なものまでは到底行くまいと思いますが、せめて高潮が越えない程度のところまでは来年の出水期までにはやるというような見込でやつております。  今お話骨材その他資材が非常に多量に必要なのでありまして、これの入手手当に今一番困難を来たしておるようであります。なかなか三重県から取れば、三重県では愛知県のほうにまでやる分はない。愛知県のほうはどこから取るか、天龍川か木曾川か、そういうふうな遠方からでもいうように考えております。その他建設業者もそれぞれにこの骨材手当はして行こうという段取りに進んでいると思いますけれども、何分にも所要の量が非常に大きいものでありますから、非常に心配をいたしております。まあ河川局長からなお詳しく申しげてもいいですが、とにかく来年までは第一堤防も一応は手を著けて行こうという今計画でやつております。もう少し詳しく……。
  17. 米田正文

    説明員米田正文君) 愛知三重海岸防復旧に関しましては、只今大臣からお話申上げましたように全力を挙げてこの復旧努力をいたしております。  御承知のように、あの海岸堤防決壊個所については一応海水の出入をとめるということが先決問題でございまして、設計ができたり、査定ができたりというようなことは到底待つておれないというので、早速地元の者を動員して、その仮締切にかかつたのでございます。これが愛知三重の両県で非常にやり方は違つておりまして、愛知のは主として地元町村単位に仮復旧、仮締切をいたしたのでございます。三重のほうは初めから請負業者の手によつて締切をいたしております。そういうやり方の相違はございましたが、いずれも非常な努力によりまして一応の仮締切完成をいたしたのでございます。三重県側にちよつとできない箇所もございますけれども、大部分はできたと言つても差支えない程度にできたのでございます。次は引続いて本復旧にかかる予定でございます。  御承知のように前国会中部地建海岸堤防建設部設置されることになりまして、設置法の改正が成つたのでございます。現在陣容を整備している途中でございます。本局の中に海岸堤防建設部ができております。それから現地に、三重県には三重海岸堤防工事部設置し、愛知には碧南海岸堤防工事部設置することにいたしたのでございます。それぞれの部長任命を現在大半やつたのでございますが、まだ現地に到着をいたしておらん部長もございます。今日、愛知側工事部長は本日赴任をいたすことになつて、先ほど出発いたしたのであります。  そういうわけで、人の整備と同時に只今お話のございましたように、災害査定は現在三重県を査定中でございます。もうほどなく完了いたすのでございますが、愛知県は明日から査定に入るのでございます。これはどうも遅れているじやないかというようなお感じを抱かれるかとも思いまするが、これは査定設計を作りますのに相当な時日を要するのでございまして、何しろあの災害直後から県は全力を挙げて仮締切にかかりまして、査定設計を作るという手がなかつたので、遅れておつたのでございます。こちらといたしましても災害査定設計書を作るよりも、先ず仮締切だという方針をとつたような次第でございます。いよいよ三重県側はこの三十日に第一回の入札をいたしまして、工事着手をすることになつたのであります。五カ所ほど第一回の入札をいたしたのでございます。今後逐次三重県の委託工事区間互つては順次入札をいたす予定でございます。愛知のほうでは今のところそこまで行つておりませんが、これも今月中には入札に出せる程度に進める予定でございます。  問題になりますのは、只今御指摘のありましたように、使用資材が主として石材でございます。割り石或いは砂利、砂というような石材類主要資材でございます。所要数量も二百万立方メートル以上、二百数十万立方メートルという量を必要といたすのでございます。これを迅速に而も適正な価格で現地に搬入するということは非常なる実は問題でございます。で、現在は地建中心といたしまして、両県及び業者とが協力いたしまして砂利採集個所数量、単価そういうものを検討いたしておるのでございます。今度の構造は主としてコンクリートを使う海岸堤防方法をとる予定でございますので、それらの砂利及びセメント等計画も同時に進めておるのでございます。決壊個所の本復旧から先に進めたいという方針で進めておりまして、来年の水までには、現在高潮で来ます三メートルから三メートル五十程度のものを一応仕上げたい、全体のでき上りの高さといたしましては、五メートル五十を標準に大体いたす見込でございますが、そこまでは参りませんが、中途の三メートル五十程度のものまでは是非仕上げたいというような計画で進めている次第でございます。
  18. 石川榮一

    石川榮一君 只今可川局長の御説明愛知県の海岸堤防の仮締切は大体お済みになつたという報告でございますが、私どもが最近見ましたのでは一色海岸碧南市を中心とする一色海岸或いは田原町海岸等の大きな海岸堤防は仮締切工事すらまだ見当つておりません。手を著けておりません。元の欠けたままで潮が出入りをしておるという状況なんですが、仮締切をしてあれば一応ほつとするのですけれども、現在の状況では仮締切をしておるところは僅かの部分でありまして、愛知県の渥美半島における大きな決壊口は、殆んどそのままになつておるというような事情のように私ども見て来たのでございますが、御承知になつておるのでございましようか。ですから一つ仮にあの締切を急いでやつて頂くということのためには、よほど地建局長等努力をしているようですが、本省でも全力を挙げてあそこは応援してやるというような一つ気持でありませんと困難じやないかと思う。私どもはあの海岸堤防状況を見まして、潮とめ方法はない、困つたものだ、どうやつてこれを締切るのだろうというように考えられる。恐らく技術的には方法がいろいろありましようけれども石材のようなものにしましても、砂利のようなものを持つて来ましても、持つて来ればあの中を陸路で来るわけには行きませんので、いずれ船で持つて行かなければならない。その船も遠浅のためにややもすると現地まで持つて行けないで、石材ども途中で落して二度或いは三度運ぶというようなことが起るのではないかと思いますし、あれに対する人力も相当に苦難の業だけに、地元人たちがあの工事を遂行するだけの労力を提供し、熱意を持つてつているかどうか。或いは労力問題にしましても、業者が連れて来るところの屈強のいわゆる土工地元土工との摩擦、賃金の差異等から起るいろいろな問題等も起つて来て、随分困難じやないかと思う。愛知三重における海岸堤防復旧に対しましては、中央においても一つできる限りあの地方に対して全力を挙げて頂くということにして行きませんと、現地に着任します工事部長のごときは、非常に不安な気持で行くのではないかと思う。恐らく悲壮な決心を持つて行くのではなかろうかと思う。それだけに本省のほうでは資料を抱えておるだけでなく、地元を鞭撻し、本省中心になつて一肌脱いで応援しとてやるという態勢を整えて行きますればできると思います。地建がやるだろう、或いは工事部長ができたから何とかやるだろうというような気持では困難じやないかと思いますので、心配の余り申上げるのです。御承知でもありましようが、合力を挙げてあそこをやつて頂くということをお願いいたします。非常に困難だろうと思いますが。  もう一つは、これを見ますと百十億と書いてあります。こちらと両方では二百億かかります。それほどかからないと思いますが、この予算は、補正で以て通りました予算の中には二十億程度しか入つていないのではないかと思うのでありますが、若し補正予算で足らざるものは百五十七億までは何とか重点的に出す、まあ工事状況を見て逐次政府は責任を持つてこれを出すということをおつしやつておりますが、なかなか百五十七億の予算をどの面からお取りになるかわかりませんが、今から十分御研究なすつて行きまして、そのときになつて予算が足らないで繰延べ、になつたというようなことになりますと、地元に及ぼす影響も大きいのでございますし、又建設行政としても非常な黒星だと思いますので、これに対しては特に大臣からも大蔵省に御折衝があると思いますが、あの海岸に要する、今の補正予算の枠外でありましても、百五十七億の金は全部でなくても、大部分の金はあそこに投入してやるというような御折衝でも願つておりますかどうか、大あらましでも結構でございますが、一つお聞かせ願いたいと思います。
  19. 戸塚九一郎

    国務大臣戸塚九一郎君) 先ほども申上げましたように一色海岸或いは三重の鵲辺というのはまだ手が着いておりません。これは仮締切をもうすでにあすこは諦めておる。第一堤防のその次に第二堤防というのがありますが、堤防を仮締切をやる。先ほど仮締切がだんだんできておると申上げたのは、ほかの地点の仮締切が大分でき上つておるということでありまして、今の申上げたその箇所については仮締切というよりはもう本工事にかかる、こういう心組でおります。  それから又本省が乗り出して行かなければならんというお話でありましたが、勿論初めから本省が乗り出してやるつもりでやつておる。実はあの場合直轄事業にして、もうこつちで受持つてやろうかというようなことまで考えたのでありますが、予算関係がいろいろあつて地方の県の委託を受けてやるということだけでありまして、実際には建設省全力を挙げてこの問題に取組んで行こうと、こういうふうに考えております。それからなお金額つまり予算の点でありますが、例の融資何ほどという問題がありますが、これは勿論ほかの地方のことについても融資をないがしろにするという考えはありませんけれども、すでに特にこの伊勢湾の問題については早くから大蔵省とも折衝をしておりまして、子算がない或いは金がないために工事が遅れるというようなことにはさしたくない。その心組で進んでたおります。ただむしろ私が心配しておりますことは、それよりも雑工事である、或いは資材入手或いは運搬というようなことから、工事がそこまでうまく進まないんじやないかという心配をいたしておりまして、これはどうしても全力を尽して最初の計画予定のように来年の出水期までには一応の潮水がとまるようにいたしたい。こういうふうに考えております。  それから今災害復旧改良両方加えて約二百億というお話であります。その通りでありますが、これは切れておらないところの改良も加わりまして三年間でこの仕事完成したい、こういうふうに考えておるわけでありまして、来年度の予算等についてもだんだん相当額を計上されて参りますればこの仕事はやり遂げ得ると、ただ進行上心配があるだけで、是非やつてのけたいというふうに考えておるようなわけであります。御承知のようにこの融資の問題は大蔵省もはつきりとなかなか言い切れんところがあるようなことでありまするが、特にこの地方仕事については早くから大蔵省と打合せをいたしておりまするので、できるだけのことが実施される、かように考えております。予算に上げられた……。補正予算のほうから申せば、この両県の海岸に割当てられた事業費は多分二十億くらい、それに見合う起債が十億近くありまするから、三十億は確保されておると思います。その上に融資或いは地方の借入れというようなことでもう二、三十億というものができればこの工事予定のように進んでいいんじやないか、かように考えております。  なお非常にむずかしい事業だということでありまするが、大体の技術者としての目途はつけておるつもりでありますから、重ねて河川局長から、お答えいたします。
  20. 米田正文

    説明員米田正文君) お話のように大変復旧事業技術的にも困難でございまして、材料の運搬にいたしましても海から行くのと陸から行くのと両方方法をとらざるを得ない。両方方法を適当に按配をしてやりたいと思います。それでなお現地で問題になりますのは、浚渫船の問題でございまして、而も電力施設のない地区が多いので、電力施設を今からすると言つてもなかなか間に合わないところもございます。極力ディーゼル式浚渫船を使いたい。調べますると、今大体民間にあります……、民間公共団体で持つております、遊んでおるというと語弊がありますけれども、まあ借りられる目途のあるものが大体八ぱいばかりございます。そのうち何ばい借りられるかというのを現在各所と交渉をいたしております。まだはつきりした数量をつかまえるところまで行きませんけれども、早急に浚渫船現地に持つて来ることが重要な一つ仕事でございます。それらについても今折衝をいたしておりますが、非常にむずかしい問題でありますけれども建設省としては全力を挙げてこれは仕上げる覚悟であります。現地だけではいかんぞという御注意がございましたが、まさしくその通りでございまして、我々といたしましても、本省も挙げてこの進捗については努力をいたすつもりでおります。予算等の問題も、また今後の問題で、相当な私ども困難は予想いたします。いたしますけれども、極力一つこの困難を打開するように最善の努力をいたす覚悟であります。
  21. 石川清一

    委員長石川清一君) 私からちよつとお伺いしますが。先ほど石川委員から話がありましたように、第一番は資金であり、第二番は資材でありますが、人的資源、いわゆる二百人の現地働く人に対して特別に給与の面で考えられなければならんのじやないか。殊に干満の差のひどいところで長期に互つてこうした事業を行う場合には、そういう点を考慮しなかつたら事業に対する自信というか、そういうものが給与の面から崩れて行くのではないか、こういう点も考えて参りましたが、この点について一般の河川並みの給与その他で行うのか、それとも特別にお考えになつておるかお伺いいたします。
  22. 石破二朗

    説明員石破二朗君) 給与をできるだけよくしてやつて工事能率を上げるということは最も必要なことで、現地で目下検討をいたしております。できるだけ何かの方法考えてやりたいと思つておるのでございますが、御承知のような給与体系になつておりますのと、もう一つあそこの仕事は大体二百人の職員を以てやろうと考えておりますが、そのうち百四十人程度が本来県の職員で、建設の職員の併任になつておる。給料は県のほうから出る。で県のほうでは工事を急いでもらいたいし、成るほど行かせる連中は辛いだろうから、金もあるのですけれども、やはりその同じような所にある本来の工事事務所の職員と余りどうも妙な差もつけられんということで、まだ解決いたしておりませんけれども、実際の働きに相応する給与の、何らかの形における給与の文払は考えてやらなければいけまいと考えております。今日のところはまたそれまでです。実は昨日も現地の事務のほうの者が私の家に相談に参つておりまして、よく検討するようにということを言つてつております。できれば何らか考えたいと思います。
  23. 石川清一

    委員長石川清一君) いま一点お尋ねしますが、これは特に前回の法律の中で滞水に対する補助率まで特別に作りましたのと、塩害除却の法律の明文も作られてあります。農林省と十分連絡をしなかつたら最終段階、明年の播付時期までに滞水が除去されない。或いは除去されてもすぐちよつとした出水に風浪で之の線まで水が上つて来る、こういう点が心配になりますが、この点の打合せで、工事進捗状況と併せてやつて行くのか、それとも前に十分検討して、農林省の措置と平行さして行くのか、この点についてお伺いいたします。
  24. 米田正文

    説明員米田正文君) お話のようにこの海岸堤防の一連の復旧工事の中に農林省の復旧工事がございます。これと港湾局の復旧工事もございます。そこで一連の海岸堤防施設としては、この三省が統一した復旧計画を立てなければならないのでございます。そこで実はまた農林省及び港湾局は査定をいたしておりませんので、はつきりいたしませんけれども、私どもでは今両省との掛合いを始めておるのでございますが、現地では、例えば愛知県では海岸堤防の中にある水門が各所にございますが、水門の災害復旧費は農林省の復旧費として取るけれども工事の施行は建設省に純一に施行してもらうという方針をきめたということでございます。そこで私は農林省の農地局長と相談を今いたしておりますが、農林省の水門工事は、どうせ建設省現地に機構をこしらえて、技術着を派遣して工事をするのであるから同時に施行したい、又同時に施行することが、工事自体を適切な施行をせしめ得る方途でもあるからという申入れをいたしたのであります。実は農林省農地局内で、建設部長が今出張中でおらないので、帰り次第局内の意見をまとめて建設省に返事に来る、こういうことでございます。それから港湾局については、港湾区域内は港湾局でやりたいということを、港湾局長から私にそういう話がございました。それは従来災害復旧というのは従来のやり方一つやり方がございまして、港湾区域であつて建設省の関連の工事として建設省でやる。国庫負担法の精神で行けは運輸省は港湾施設復旧に当ることになつておるのでございます、原則は併しまあ今度の場合は、そういう問題は原則的にはするけれども、実情に合うように両省で仕事をして行こうじやないかということを、今申入れをして話をきめようとしておるところであります。まだきまつたというところではございません。そういう次第であります。
  25. 石川清一

    委員長石川清一君) もう少しお尋ねしますが、今のように農地局長から、農林省から委任をされて、特に滞水するところの水口その他を委任をされて、建設省復旧に当る。ところが播付け或いはその前後までに工事が進まなかつた、こういうような場合には責任はどこが背負うことになりますか。
  26. 米田正文

    説明員米田正文君) 今私が申上げました農林省との打合吉せというのは、海岸堤防の中にある水門のことでございます。それの背後地にある水口、用排水等がございますが、これは農林省自体でおやりになることになるので、それは調子を合せて、調子を合せてというよりも、これは急いでやる必要があるので、堤防復旧をやるという方針さえ確定すれば、各県の農地部はすぐに仕事をやるということになつております。
  27. 石川清一

    委員長石川清一君) それはそういう形で、緊急といいますか、突貫工事として明年の高潮の時期までに事業が進められると思いますが、往々私たちの聞くところでは、突貫工事には不正というよりも、工事が粗雑になり勝ちだと言われておりますが、特に本省から工事の正確というか、堅実といいますか、それを期するために特別の何か監督課というようなものを持つお考えがありますか、その点を……。
  28. 米田正文

    説明員米田正文君) 今のお話は、私どものほうでは一応海岸線の工事ということに限定をいたしておりますので、その点については実は制度として監督をするという機構を別に設けたわけではございませんけれども本省としても必ず月に何回か行つて工事の促進について協議すると同時に、工事やり方についても適正を図るように努力しようというつもりでおります。今度の入札等についても、本省現地とが打合せをして、後日いろいろな問題が、トラブル等が起きないように、客観的に見て厳正にやつておるというような方法にいたしたのでございます。とかくこういう突貫の場合には、そのときにはいいのですが、後になつてあいつはどうもおかしいとか、入札方法が悪いとかというような問題が起き勝ちでありますので、そういう点についても十分慎重にやつておるつもりであります。
  29. 石川清一

    委員長石川清一君) もう一それじやその工事が一応三年を予定されて計画をされ、事業を進められるようでありますが、その間技術者その他事務関係にしても更迭をせずに、一応きめたんで事業完成せるというお考えに立つておりますか。それとも適材を適宜に変えるという従来からのお考えに立つておるか、その点をもう一つ承わつておきたいと思います。
  30. 米田正文

    説明員米田正文君) これは機構が整備されましたので、人の配置を現在やつておるのでございますが、先ほどからお話もございましたが、建設省としては最も優秀な人材を配置をいたしましたのでございます。その影響を受けて、各省で非常に優秀なのを抜かれたために非常に困つておるところもあろうかと思われるのですが、一応はいいのを配置いたしたのであります。そこでいいのを配置いたしたので、あんないいのは余り長くおいておかれないじやないかという御心配でのお話じやないかと思います。我々といたしましては、今配置いたしておる人間が最も適切な人事だと思いますので、これらに全責任を持つて一つ仕事をやり得るようにさせたいのでございまして、中途半端で人を変えたりするということは考えておりません。
  31. 戸塚九一郎

    国務大臣戸塚九一郎君) そういう意味では別に変えようと思つておるわけではございませんけれども、併しこれは人事でございますから、どんな理由で変らなければならん場合が、或いは出て来るかも知れませんが緒についてたらすぐ変えるというように甘く考えておるわけではございません。
  32. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 今のに関連して、かねてこの委員会でも研究していた例の海岸保全法ですね、あの問題が一応何らかの形において出て来たという感じもあろうかと思いますのですが、この点についてはどうかということですね。一つその点の御意見を今までのあの案として。
  33. 石破二朗

    説明員石破二朗君) 海岸につきましては、御承知のように法律は公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法に海岸が入つておるだけでありまして、法律的には全く不備なものでございまして、今度のように災害復旧だけでなしに改良までやろうということになりますと、現在のままではやはり不便でございまして、御承知通り数年前からも海岸堤防の保全法につきましては、当委員会でも御検討を頂いておるわけでありますが、御承知通りいろいろ従来からの沿革もありまして、一挙に解決することは困難と思いますが、差当り両県、静岡県も一部入りますが、あれの災害復旧につきましては、又これに必要止むを得ず関連する改良工事につきましては関係各省の間でよく協議しまして、双方齟齬のないようにしようというところで、大体各省の下打合せはできておるような状況であります。根本的にはやはり保全法という法律があつたほうがよいのではないかと思つておりますが、事務的には内内は研究はたいしておりますけれども……。
  34. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 確にどうもあの辺がもやもやしていることは御指摘のようだが、あれは従来議員立法という形で出ておりましたが、この際政府のほうから部内の統一を十分つけて政府が出す、こういうふうにやるようなお気持がありますか、ありませんか、その点を……。
  35. 石破二朗

    説明員石破二朗君) まだ十分討検いたしておりません。やはり各省ごとに法律で表に出すということになりますと、各省の責任ということを、繩張りと言えば非常に言葉が悪いのですけれども、やはり表沙汰になると各省の責任がそれじや果せないということで心配する向もあるようでございまして、もう少し検討さして頂いてから政府提案にするかどうかという点につきまして又改めて協議して御相談申上げたい、かように考えております。
  36. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 私はどうも議員立法の形で出ると、それぞれの立場から妙にいろいろな議論をする人があつて、むしろその法律が出たあとにおける施行の責任者たる政府として、出たあとでいろいろな問題をそれぞれ討議を改めてするといつた形も出ると思うので、できれば関係の省の間で十分打合せをして、どうすれば一番保全の上にいいか、或いはその後の維持においていいかという点において政府自身が或いは解決したほうが望ましいような気がするのです。だが今御研究中だというから、あえてそれ以上は申上げません。  それに関連しますが、同様な意味で例の問題の河川法、これも恐らく治山治水のいわゆる根本対策というようなことからいうと、何かもう少しはつきりした線が出たいと、こういう問題があろうかと思うのです。ところが聞くところによるというと、経済審議庁ですか、あそこの中にある調査の水都会というようなところでは、それぞれな線から、いろいろと利水等の関連まで入れた考え方からおのおのその主張を異にしているということも聞き、一部は新聞にさえ出ておる。そこで非常に関係の深い従来の取扱の各省の関係ではありますが、あの一体河川法はどうされるか、恐らく主たるものはあなたのほうですから、そこでどういうふうに今のところお考えになつておるか、一つお聞きしたい。
  37. 戸塚九一郎

    国務大臣戸塚九一郎君) 今海岸保全法も河川法も同じようなあれだと思います。私も先般来そういうふうなお尋ねを受けた場合に、努めて早く関係省の話合いを経て河川法の改正をやらなければならんというふうにお答えしておりましたが、この間今お話のように、審議庁のほうでどうしたとか、通産省案というようなものが新聞に出たりするので、これにはちよつと驚いておるのですが、こんなことではなかなか話合いというものもスムーズに行かんじやないかというように心配いたしておりますが、これはどうしてもそう申上げては失礼ですが、議員立法でやるより、本当に政府として国の法律としてという意味で各省をまとめて行かなければならんというように努力は十分いたしております。又海岸保全法についてもそれぞれ関係省のいろいろ考えておるところもありましようから、そういうようなところをできるだけ、できるものならば話をまとめて、早くそういうことを解決して行かなければならないというふうに思つておりますけれども、何分にもああいうふうな調子だと、なかなかこれは相当病がひどくなつているというような気がいたしまして、ここでやるんだと余り強く言うと、又建設庁は勝手にやるのだというようなことになるので、うちうちでは、これはどうしても河川法というものを早くはつきりしなければならないい。殊に従前と違つて、この問題は御承知のようにダムの方式が出て来るとか、水利権の認可についていろいろ問題がありまして、早くはつきりしたものにしなければならない。今までの法律で無理に適用してやればできんこともないというような考えもあるようですけれども、やはり国の法律としては本当にまとまつたものにはつきりしなければならない。こういうふうに私は切なる願いとしてこれは持つておるのでございますけれども、なかなかお話のようにむずかしい。これは両方とも努めて話を進めて行きたい、かように考えております。
  38. 石川清一

    委員長石川清一君) ちよつと速記をやめて下さい。    〔速記中止〕
  39. 石川清一

    委員長石川清一君) 速記をつけて下さい。  大臣が今晩から北陸のほうに旅行を予定しておりますので、明日並びに明後日御審議願う予定にしておりました治山治水関係の対策並びに行政機構の改革について審議を進めたいと存じます。  新聞を通じましてまあ我々が見るところでは、政府は行政機構の改革の中に、特に今回の災害等に鑑みて、建設省関係その他これに関係をしておる部局を統合しまして、国土省なるものを新たな構想の中に入れられておるようでありますが、その経過の中で、大臣が御存じになつておる面と、又存じなくても、大臣考えがありましたら承わりたいと思います。
  40. 戸塚九一郎

    国務大臣戸塚九一郎君) 行政機構の改革のことがだんだん新聞などで言われておりますが、実は私どもも、この国土省といいますか。行政機構を変えることが必要な点も、これは随分いろいろ研究はいたしておつたのでありますけれども、これもなかなか摩擦の多い問題であるようでありまするが、実は私といたしましては、先ず河川法の改正だけでもはつきりすることに努力するほうがいいのではないか。殊に建設省の所管にいたしますと、行政機橋の改革は、何か建設省が勝手なことを言い出すような誤解を受けるきらいもありますので、一応差控えておりました。ところが行政管理庁でだんだん研究をしているようなことが新聞にさえあるので、この間も塚田長官に聞いて見たのですが、まだ御相談を申上げる域に達しておらない、新聞にはいろいろとあるけれども、まだそういうところまで進んでおらない、いずれ御相談を申上げるという機会があり得るかも知れないけれどもというような話でありました。  それでこれはここで余り内割つて言うと叱られるかも知れませんけれども建設省が余り言い出すということかく問違の元になるのであります。こちらとしては受身で、様子を見ているほうが却つていいのではないかというふうな気持只今おります。新聞にだんだん出た、何か管理庁の案のA案だとかB案だとか出ておりましたが、あれらについてもさてとなればいろいろな意見も出て来るはずたと思いますし、又皆さんの御意見も伺わなければならんと存じますが、今のところは余りはつきりは申上げないほうがいいのではないかと思つております。例えば道路行政と河川行政とが別々になるような案も実はあるようであります。そういうことはちよつとどうかと思うのですが、併しそれだけを私がここで言いますと、ほかの点はいいのかということになつても困るので、もう少し私の意見を申上げますことは控えておいたほうがいいのではないか。むしろ皆さんのほうで御注意を頂くことがありますれば、こういう機会にお伺いをいたしておきたいと思います。
  41. 石川清一

    委員長石川清一君) もう一点大臣説明を伺つておいたほうがよいと思いますが、前々国会来随分論議になりました六月、七月更に加えられた、八、九月水害関係の公共土木施設等に関する暫定措置法の政令について本明日中に何か政府の最後的なものがきまるように承わつておりますが、その経過について大臣から御報告願いたい。
  42. 戸塚九一郎

    国務大臣戸塚九一郎君) 私はよくはつきりいたしませんから官房長から……。
  43. 石破二朗

    説明員石破二朗君) 御承知通り前々国会に特例法が建設省関係の分として、二つ制定になりまして、政府におきましては、国会側と常に連絡をとり、政府部内でもよりより協議いたしまして、一日も早くこれが施行のため政令を公布したいというつもりで準備いたしておつたのでありますが、そのうち臨時国会が召集され、この臨時国会におきまして数カ所に亘つて所要の改正が加えられる、こういう関係がありまして、実は延び延びになつて、施行のための政令もまだ公布に相成つておりません。併し大体の見当では、今日各省の次官会議で案を検討いたしておりまして明日の閣議で最終的に決定し、直ちにこれを公布する手続をとることに相成るであろうと思います。中身に関しましては政令で規定すべき事項は、主な点としましては、どの地域にあの特例法を適用すべきかというのをきめるのが政令の主たる内容でございますが、これにつきましては当委員会並びに衆参両院の水害対策特別委員会におきましていろいろ御意見なり御注意があり、更に衆議院の建設委員会におきましては、この地域の指定について特別の御決議もあつたような次第でありまして、現在準備しております案は、これらの御意見を余部取入れまして、地域指定をするようにいたしております。  概略以上のようでございます。
  44. 石川清一

    委員長石川清一君) 明日になれば恐らくまあわかるでしようが、衆議院の水害対策委員会で決議され、参議院もそれに対して意見が大体述べられたようでありますが、それと大きな変化がありますか、ありませんか。
  45. 石破二朗

    説明員石破二朗君) 私の考えでは変化はないものと、かように考えております。
  46. 石井桂

    ○石井桂君 只今大臣から行政機構の点を大体説明せられて、この際余り大臣のほうから考えを発表することは差し控えたい、こういうお話ですから、なお考えがあればこの際述べて参考になさるお気持があるようですから、ちよつと自分の考えを申上げたいと思います。  大体終戦後建設省の担当しておられる建設面は、主として土木、建築であろうと思うのです。先般来新聞に出ております行政機構の改革の案というものはまあ大臣は御存じないでしようけれども、火のないところに煙は立たないというので、恐らく行政管理庁や何かで下僚がすでに案を作つて、そうしてまあ新聞に漏れているものだと思います。私の同僚議員の一人が行政管理庁の相当な責任者のとこでお聞きした案も承わつております。で、その案によりますと、大体建設省の主たる仕事でありまする土木、建築のうちで、建築の面だけ建設省から外して行くという案がございます。而もその建築の面を担当しておる建設省の機構というのは、大保管営繕局と住宅なんです。その営繕局のほうは、大蔵省か何かに持つてつて、昔のように営繕財局にする。それから住宅局のほうは厚生省に持つて行くという案もあるというのです。私考えますのに、折角まあ土木と建築というのは非常に使用機械もかなり似ておりますし、理論も学術的にも似ているし、業界も一緒だということで、これは一緒にして瞬くのが私は能率的に一番いい方法だと思う。それをまあ強いて持つて行くという理由が私どもにはわかりませんので建設の学界業界と言わずに、合いろいろ案を練つて、若し政府でそういうことであれば、これは相当な対策をとらなげれはならんというようなところに来ております。従つてどもでは十木と建築を離さないということを先ずまあできればお考えおさ願いたい。私どもはそういう気持でおります。  それからもう一つ、住宅局の仕事は大体大臣のほうがよく御存じでしようと思いますが、住宅の建設だけやつているのではあれはない。中の機構を御覧になれば、都市計画に基く大きな都市の構築に対して、各建築物のいろいろ保安上、衛生上、防災上の指導、取締、監督をやつている。従つて厚生省へ持つてつてしまうと、他の都市計画の方面や何かの繋がりをふち切つてしまうということになる。従つていきなり持つて行くわけにも行かない。なおこれを細かく分けて持つて行かなければならないので、住宅局というと何か住宅だけを作つているようですが、そういう仕事をやつている。従つて住宅局を建設省から離せないのじやないか、こういうふうに思います。  それから住宅と今度は営繕局の問題なんですが、両方とも、この政府の各機構のうちで建築のエキスパートを集めているのは建設省が一番集めているそれは集めているからこそ少い人数で機動性を保つて、適材適所に配置して、人数が足らなければ大きいほうから流して行くということが、一つの省で私はできるのじやないかと思います。建設大臣の下でそのように機動性を発揮することができるのじやないかと思いますが、一たび省が違うと、私も三十年間役所の生活をしていましたが、頭が違うと決して機動性が発揮できない。こういう点で営繕と住宅の両局を一つの機構、一つの省から別々に離して行くということが先ずいけないのじやないか。こういうことを考えて来ますと、結局あの営繕及び住宅の両局は建設省に今の姿であつて欲しい。これが一番建築界における要望じやないか、こういうように考えているんです。その他まあ小さいことを言えば、今研究所が土木と建築と二つあるようでございますね。まあ事務的にお考えになると、似ているから一緒にしたほうがいいようですが、学問の研究までもあすこでやつていらつしやるとすれば、やはり離しておいたほうが能率がよく行くんじやないか。今庶務や何かを一緒にすれば人間は少しは減りますけれども、似ているとは言えやはり、目指す目的が随分違いますので、一緒にされると、一つのものにされると非常に困るのじやないか。細かいところまで行けばそんなように考えておりますので、この点いろいろA案、B案、C案と新聞に、いろいろな新聞に出ておりますが、私どもでもこの際まじめに取組んで研究したいと思いますから、どうぞお話大臣のほうにございます時分には、一つどもにいろいろなお意見をお聞き願いたいと思いますし、それから大臣のほうでもいろいろ経過を一つ遅滞なく御連絡願いたいと思います。今進んで大臣から御意見を発表される立場としては困るようなお話ですから、私進んで一つ申上げます。
  47. 戸塚九一郎

    国務大臣戸塚九一郎君) 有難うございました。
  48. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 それじや私も一つ今意見があればというようなお話でございましたから、十分いろいろと御研究中であろうと思いますのでどうかと思いますが、この間の新聞の発表を見て、今度はさすがに山林の関係は全体をくるんで行くという新聞に出ているところだと一つの構想になつている。農林、畜産、その他農業の、今日の農村の安定というか、そういう点からいつて果してどうかという一つの大きい問題があります。でありますから私どもこれは研究しておりますが、とにかく一ふくろにしてどうしようかと考えたという点は私は明らかに進歩だと思うんです。あとはいわゆるどつちが日本の今日の状況、国土保全という線から見て、保全の作用の面を強く取上げて国土保全関係の省に入れる、併し生産事業でもあるのだからその点については十分又伸ばす。併し分類としてはその省に、国土保全的な機能を主とするところに持つて行くというのが一つの趣旨だと思うのであります。ただ今の農業関係が、これから更に開拓その他で以て山へ上つた農業関係の維持安定のために果してどうかという問題は研究しなければならん。そこで確かに一つの進歩だと思うので、一ふくろにして持つて行くという考え方を、私はいずれにしても強くお持ちになつて頂きたいと思います。従来御承知でございましようが、昭和三年だつたか何かに、今日はお見えになりませんが、赤木さんが曾つて内務省当時在勤していた、担当されておつた砂防関係ですね、あの砂防法による砂防の問題と、農林省が現在やつている治山事業と称するいわゆる山腹を主とした仕事、必要とあれば溪流の一部分もやるというあの仕事、あの仕事の面が非常に問題になりまして、昭和三年には閣議決定で、事務調整とかいう名前で申合せがあつて、その間の紛争を努めて避けて来て今日に至つたわけであります。この内閣が行政機構を変えようかと思うたびに一つの問題になつてよくその点だけが出て来るのです。今までも出て来ました、私はこう思うのです。山林というものは、或いは自然の土地、成いはその上に立つもの、これは人類の文化といいますかと共にやはり同様に生きている。又人間の福祉の増強のためにいろいろ利用されてこそのものなんですから、生きている。そこで現在大まかに言つて二千五百万町歩くらいあるでしよう。全体の山林は……、そのうちで四十万町歩程度のものがいわゆる禿赭地と言いますか、禿山のような地肌を出して、ある一つの簡単な工事ですけれども、積苗工だとか、だんだんとやつて、一先ず土地を安定さして、従つて先ず土をとめるといつたような植物を植えて、それが落付いた七、八年、十年後に杉でござれ松でござれというようなものを目的の地所に植えてやる治山事業というものがあるわけであります。それだけが従来まで問題になつていたわけであります。そのことは丁度生きている人間の体の、皮膚の上に起きたできもののような、正常でない病的な部分だけを対象として議論されたということなんです。私はそういつたいわゆる病状的な、而も率から言えばかなり少いそのものだけを取上げて、今まで神経質に議論しているという行き方は実に滑稽なんで、丈夫のほうの皮膚であると思つてつた所も取扱いが非常に悪いと、御承知通りに直ぐ日本の地質状況では病状を呈するわけなんですね。而も又一面病状を呈しているところでも、先ほど言つたように簡単な施工をして七年、十年たてばいわゆる健全化して来る。私はですから山林全体をどこまでも、どつちに付けたら一体行政としていいか。而もその場合においては山林の半分の目的というものは一つの国土保全であり、半分の目的というものはいわゆる生産事業である。この二つを考えながらどつちへ持つて行つたらいいかということを、飽くまで一ふくろにしてお考えになるということが是非望ましい。従来の経過から見ると、だんだん議論が込み入つて来て激しく世間の賛否の話題になりますと、それじや面倒だ、今の治山事業部分くらいまで持つて行こうということにならないとも限らないんです。併し私はそんなことになつたんでは絶対に国土保全上よろしくない。全体の山地を一体どういうふうにいわゆる行政区分として扱うかということを飽くまで考えておやりになつて、一部分だけの病的な部分だけ持つてつて、持つてつて直つたら返す、又生産関係をやつている農林省に返すか、そんなくだらないことは私は是非お避けを願いたい。考える場合は全体としてお考えになりたいことを強くお願い申上げておきます。
  49. 石川清一

    委員長石川清一君) ちよつと速記をとめて。    午後三時十七分速記中止    —————・—————    午後三時三十二分速記開始
  50. 石川清一

    委員長石川清一君) 速記を始めて下さい。
  51. 石破二朗

    説明員石破二朗君) 先ほど木下委員から御質問がありまして、答弁をあとにお願いしておりましたので、この際御答弁さして頂きます。  北海値関係の二十八年度予算のうち、先ほどの臨時国会におきまして補正減、節約しました総額は九億三千二百十七万二千円でございまして、そのうち建設省関係分といたしましては四億三千百十万一千円でございます。その内訳は、河川等事業費六千五百三十九万円、砂防事業費百二十三万二千円、道路事業費三億三千百七十九万円、都市計画事業費七百二十二万五千円、建設機械整備費二千五百四十六万四千円。  以上でございます。
  52. 石川清一

    委員長石川清一君) それでは本日はこれにて散会をします。    午後三時三十四分散会