○寺本広作君
国会法の常任
委員会の所管事項に関する解釈としては、
只今小笠原さんのおつしやる
通り、私は必ずしもはつきりしたものではない。どちらでも片が付く。労働
委員会の所管に関する事項は、労働省の所管に関する事項という解釈……。併し今
小笠原さんが言われる
通り、この問題は、裁定そのものとして上
つているわけでなく、
予算上、資金上、実施不可能として上
つて来るのですから、それに関する限りは、
予算の問題になります。又各企業の職員処遇に関する問題として、各企業の所管の問題にもなろうとと思います。併し今までは専売と国鉄だけの問題でありましたが、今度はこの
国会に上
つて来ているのは八つの裁定がある。この二つのほかにアルコールとか印刷とか、電信電話公社、造幣、林野その他のものが上
つて来ておる。そしてその裁定が出るまでのいきさつを見ますと、各関係の労働組合から要求していますのも、或るものは昨年と同じように、マーケツト・バスケツト方式の賃金要求をや
つておる。或るものは民間企業との比率を
言つている。更に他のものは労働生産性が非常に上
つて来て、戦前同様にな
つて来ているから、戦前の給与を出せというような要求をや
つておる。要求の方式も、組合でまちまちであります。又これを裁定した
あとで、実施上可能か不可能かということを検討しますときに、形式論としては一応全部
予算総則の給与総額に、ぶつかるということで、ここに上
つて来ておる。ところが一応
予算総則を外して、
予算総則を割
つて中に入
つて見ますと、企業体それから現業庁の経理状況ではこの裁定を実施し得るものも相当あります。例えば印刷事業のように日銀券の引取の価格を少し上げれば、印刷代を少し上げれば済むものとか、造幣事業のように回収準備金を少し上げればいいということで、個々に、
予算総則を割
つて、個々の企業なり現業庁の中に入
つて見れば、実施し得るものが相当ある。併しそれが一応実施不可能として
国会に上
つて来ているのは、
予算総則の給与総額にぶつかるからです。そうすれば、事業を所管していられる個々の
委員会で、個個の裁定を洗
つてみても、妥当な判断は生れてこないのじやないか、やはり
予算総則で今のような恰好でしば
つておくことが妥当であるかどうかという問題と、この現業庁なり公社の職員の給与問題をどうするかという観点から、それを洗
つてみなければ片付かん問題ではないか。
そうしてみると、従来二つしかなかつた裁定が、今度は八つにもなる。而も従来の
委員会に関係のない新たな
委員会に上
つて来ている、所管として上
つて来ている機会でもありますので、それらの問題は、一応再検討して見て
行つたらどうであろうか。これは私の労働
委員会の中における立場でもあるし、私の党の議員総会で議論してみた私
どもの立場であります。