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岡原政府委員 ただいま
警視庁の方も
検察庁がさような態度をと
つたとは言わなか
つたと申しておりますので、弁明が立つわけでございますが、まず当時の事情を申し上げますと、実は昨年末以来、この種のいわゆる
金融業が非常に
全国的にはびこりまして、その前からございましたけれ
ども、だんだん害悪を流しそうな傾向にな
つて来た。これは一体どこに原因があるのだろうか、そしてこれをどういう形で、検挙すべきかとい
つたようなことが当然問題にな
つて来たわけであります。そこでまず
法律問題と事実問題といろいろわけて、現在もう二、三回にとどまらず、私が出席しただけでも三回ほど記憶しておりますが、そのほか私が
国会等に出ました留守中などにもしばしば開きまして、そして
大蔵省の銀行局
当局並びに財務局、国税庁
関係な
ども随時加わりまして
会議を開いたことがございました。その際に
取締りの実際の面からというので、
検察庁のほかに国警及び
警視庁の方からもお集まり願いまして
会議が持たれたわけでございます。その際に問題となりましたのは、まずこの大部分は、いわゆる
株主相互金融の形における一種の
金融業――簡単に
実態だけ申し上げますが、
金融業者が一体
全国にどれくらいあ
つて、その
組織はどういうふうにな
つておるのだろうかというようなことが話題に上りました。その点につきましては、いろいろ各地からの材料もあり、それらを順次訂正増補いたしまして、先ほど申し上げましたような資料ができたわけであります。なおその中に一体合法的なものがあるだろうか、逆にそういうような面で行
つたわけでございます。私はその当時の詳しい議論を一々覚えておりませんが、それを
法律的に詳しくずつと突きとめて参りますと、合法的にやれないことはない。しかし多くの場合は、どうも違法の形をと
つておるやに思われるというふうな大体の
結論だ
つたのでございます。そこで私
どもといたしましては、合法と申しましても中には
匿名組合の本来の
方式からはずれたもの、
株主相互金融の
商法違反とか、そういう形から来るいわゆる
刑事責任でなくて、民事の方のほんとうの形からはずれたものという意味のもの、あるいは
金融の
行政法規の
違反の形をとるもの、いろいろな思わしからざる形をとるもの、こういうことを考えまして、その全体を通じて
大蔵省当局に対しましては、これは全体をすなおに見ますとどうも
金融行政全般に通ずる問題のように思われる。なるほど今の
法律で真正面から貸付
信託法とか、相互
銀行法あるいは
銀行法とかいろいろな金利の
取締り法規であるとか、そういうところから行こうとすると非常に困難な画が出るのはわか
つたけれ
ども、これを事前に、あまり大きくならぬうちに防ぐような行政
措置といいますか、
立法措置は考えられないだろうかということを申したことがございます。この点につきましては、いわゆる
取締りと申しますか、
検察、
警察当局は
意見が一致してお
つたように私
ども考えております。それらの話がありました際に、ざつくばらんに申しまして、事はかなり困難である、そして当時
国会におきましても、これらのいわゆる
金融業者を何とか合法の線に乗つけた方がいいのじやないかという議論、そうでなくこれはつぶすべきであるという議論と二つ大蔵
委員会に出て参りまして、そのいずれに従うべきかについて各
委員から私
ども質問を受けたことがございました。大蔵
委員会においての御
質疑等を通じまして、しかしいずれにせよこれは何とか解決すべき問題ではないかというので、その後も
大蔵省とは随時
連絡をと
つてお
つたわけでございます。ざつくばらんに申しまして、何とか手を打たなければいかぬのじやないか、ただわれわれの面として
詐欺だ、
横領だと言
つて騒ぐのは、ただいま御指摘の通り、ま
つたく末梢的な非常に小さな業者、あるいはボロを出しやすいような、まだ
組織の完全に行かないような、いわば固まらない
組織のうちに手をつけますと、
犯罪がよくわかるのでございます。ところが一旦大きく、合法の線を仮装する面が非常に深く出て参りますると、その
詐欺とか
横領とか背任とかいうものがつかまえにくくなるという面があるわけでございます。そこで私
どもといたしましては、とにかく悪いものは悪い、検挙すべきものはすべきであるというので、
全国的に、先ほど申したように三十数件もあが
つたわけでございますけれ
ども、中には
警視庁等であげましたように、かなり名の知れたものも若干入
つておりますが、
全国的に、
匿名組合方式では一番大きいといわれる
保全経済会が、今までのがれたという点につきましては、私
どもの考えるところでは、やはりその
組織が大きくなればなるほど、その
実態を究明するのが困難である。これは合法を仮装する面が非常に行き届いて来るということではなか
つたろうかということを、今反省しておる次第であります。私
どもといたしましても、決してかような
事犯に対しまして、なまぬるい態度でよろしい、放任してよろしいというふうな態度をと
つてお
つたわけではないのでございます。御了承願います。