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1953-11-13 第17回国会 衆議院 内閣委員会行政機構に関する小委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
本小
委員
は
昭和
二十八年十一月四日(水曜日)委
員長
の
指名
で次の
通り
選任された。
平井
義一
君 船田 中君
山崎
巖君
高瀬
傳君
稻村
順三
君
下川儀太郎
君
鈴木
義男
君
山本
正一
君 同日
稻村
順三
君が
委員長
の
指名
で小
委員長
に選任さ れた。 ――
―――――――――――
会議
昭和
二十八年十一月十三日(金曜日) 午後一時四十二分
開議
出席小委員
小
委員長
稻村
順三
君
平井
義一
君
山崎
巖君
高瀬
傳君
下川儀太郎
君
鈴木
義男
君
山本
正一
君 小
委員外
の
出席者
行政管理庁次長
大野木克彦
君
総理府事務官
(
行政管理庁管
理部長
) 岡部 史郎君 参 考 人 (
行政審議会会
長)
村瀬
直養君 参 考 人 (
行政審議会委
員)
杉村章三郎
君 専 門 員 亀卦川 浩君 専 門 員 小関 紹夫君 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した事件
行政機構
に関する件 ――
―――――――――――
稻村順三
1
○
稻村委員長
ただいまより
内閣委員会行政機構
に関する小
委員会
を開きます。 この小
委員会
は休会中にもできるだけ今一番大きな問題にな
つて
いる
行政機構改革
に関して
調査
を進めて行きたい、こう思いまして本日は
行政審議会
の
会長
の
村瀬
君と、それから
委員
でありますところの
杉村教授
をわざわざ
参考人
としておいで願いましたことに対して、われわれ
衆議院議員
といたしましては感謝のほかはないのであります。いろいろ皆様に対してもごめんどうな
質問
その他が出るかもしれませんが、その点はひとつ御了承くださいまして、私たちの
調査
に御協力くださいますようぜひお願いする次第でございます。 開会のごあいさつといたします。
村瀬直養
2
○
村瀬参考人
これから私から
行政審議会
の
審議
の
経過
及び
答申
の
概要
について御
説明
を申し上げたいと存じます。
行政審議会
は昨年七月の
行政機構改革
によ
つて行政管理庁
に設置せられました
諮問機関
でありまして、
委員
の任命を見ましたのは昨年の十二月二十四日でございまして、その任期がきま
つて
おりませんので、政令に基きまして本年の十二月二十三日に現在の
委員
はその任務を終了することにな
つて
おるのであります。
審議会
は
委員
の発令を見まするとすぐに昨年の十二月二十五日に第一回の
会合
を開きまして、その席上で
会長
に私が、それから
会長
の代理に
荒井誠一郎
さんがそれぞれ、
指名
をせられまして議事を開いたのでございます。 まず
行政制度
の
改革
と
行政運営
の
改善
、この
二つ
の
項目
にわたる
諮問
に接しまして、それに応じて
制度部会
と
運営部会
をその
内部
に設置いたしたのでございます。そうして前者すなわち
制度部会
の方の
部会長
には、互選によりまして私が、それから後者すなわち
運営部会
の方の
部会長
としては
荒井誠一郎
さんがそれぞれ就任をすることにな
つたの
であります。
運営部会
の
審議
につきましてはその後着々
結論
に到達しつつあるのでありまして、近く何分の
答申
、これは主としてその
運営法
というものでございまするが、何分の
答申
をいたす段取りと相な
つて
おるのでございます。それから
制度部会
におきましては、その後現在に至りますまで、合計二十回余にわたりまする
会議
を重ねまして、そうして総会にかけて
二つ
の
答申
を提出いたしました次第でございます。これにつきましてその
審議
の
経過
と
内容
の大体の
概略
を御
説明
いたしたいと存ずるのでございます。
制度部会
におきましては各
行政機関別
に
実情
を
調査
いたしまして
審議
する
方針
を立てまして、まず
総理府
の
現行機構
から
審議
を始めたのでございます。その
審議
にあたりましては相当の時間を費して
総理府
の各
外局
、
部局等
につきまして詳細な
検討
を加えました結果、その
機構
には相当
改善
を要するものがあると認めましたので、その
改革
に関する
答申
をまずまとめたのでございます。その
概要
を申し上げますと、次の
通り
であります。
総理府
は
行政官庁
としての
内閣総理大臣
の
権限
を補佐する
総合行政機関
として設置せられたものでありまするが、これに包括せられている諸
機関
の性格はほんとうに雑多でありまして、統一がなく、これを統轄いたしまする
内閣総理大臣
及び
内閣官房長官
を真に奔命に疲れさせているのが
現状
でございます。
従つて
この
所掌事務
の中に
各省
に
共通
する
事務
、または
各省
のいずれにも
関係
のありまするところの
企画
の
仕事
、たとえば
行政管理庁
、
経済審議庁等
の所掌いたしております
事務
、それを
内閣
の
補佐部局
に移しまして、
総理府
はいずれの省にも属せしむることを適当としない特殊な
実施事務
、たとえば
宮内庁
とか
保安庁
というようなもののみを所掌せし
むるという基本的構想
のもとに
総理府
を簡素に再編成して、同時に各
機関
の
整理統合
を行うのが適当であると認めたのであります。しかし
総理府
を右のような墓本
方針
に基いて改組いたしましても、その
事務
の
内容
がなお相当広汎かつ雑多でありますので、
国務大臣
を長とする
外局
を
総理府
からはずしまして、
府省
、主として省でございますが、省と並びますところの
独立
の
行政機関
といたしましてその長を
内閣法
に
言つて
おりまする主任の
同房大臣
といたしまするとともに、
総理府
に新たに
総務長官
というものを置きまして、できるだけ簡素な
機構
のもとに
府務
の
総合調整
に当らしめることを適当と認めたのでございます。
内閣
の
補佐部局
につきましては、
内閣官房長官
は
内閣
の
補佐部局
の
所掌事務
のみを調整いたしまして、もつ
ぱら政務
に参画すべきものといたしまするほか、
国家行政組織法
及び
行政機関職員定員法
の
適用
を受けしめることを適当と
考え
たのでございます。 次に
人事院
でございまするが、
人事院
は
総理府
の
外局
である
行政委員会
といたしまして、さらに要すれば
担当国務大臣
または
連絡官
を設けまして、
内閣
との
連絡
を密接ならしめまするとともに、
人事行政
の
総合調整
と
実施
の部門を担当させるために、別に
人事
に関する
部局
を
総理府
の内局に設けることが必要であると認めたのでございます。 次に、
外局
及び
付属機関
につきましては、特に
総理府
に存置する
必要性
を認めないものについては、適当な
各省
に移管をし、他の
機関
に
統合
もしくは民間に移譲をしあるいは、廃止することを考慮することを勧告いたしておるのでございます。
最後
に
国家公安委員会
の存在及びその
権限
は、別途
警察制度
の改正の一環として扱うことといたしまして、また
科学技術行政
を所掌いたしまする一
部局
を
総理府
に設けるか、さしあたり
科学技術行政協議会
の充実にとどめるかというような問題は、さらに慎重に
検討
考慮すべきものである、かように
考え
ておる次第でございます。 以上が大体第一の
答申
の
内容
でありますが、他
方面
において、
政府部
内におきましても引続き
行政
の
改革
に関する
措置
が始められていたようでございますが、前国会のころから急に全面的な
行政改革
を
実施
する
方針
が具体化いたしまして、右の
答申
の第一号、これが提出せられましたときには、すでに
内閣
に
臨時行政改革本部
というものが設置せられまして、
具体案
の
検討
をお始めにな
つて
いた次第でございます。従いまして、仄聞いたすところによりますと、私どもの提出いたしました答中の第一号も、ただちに
右本部
の
検討
に付せられたということでございます。
制度部会
といたしましては、右の
総理府
というものに引続きまして、順次
各省
各庁に関する
審議
を継続いたす
予定
でありましたところ、
政府
の
行政改革
が右に述べましたように急に短時日の間に具体化する
方向
に進む
情勢
と相なりましたので、
審議会
といたしましても、
行政管理庁
の
長官
と
協議
をいたしました上、
政府
の右の
施策
に同調いたしまして、でき得る限り、これに協力することを必要と認めました結果、若干右の
予定
を変更いたしまして右の
方針
第一号において取上げました
総理府
をも含めまして、
行政改革
の
全般
に関する
意見
を至急にとりまとめることといたしたのでございます。右のような次第で、すなわち
行政制度
の
改革
に関する
答申
、つまり
答申
第二号でございますが、そういう
答申
を提出いたすように
なつ
た次第でございます。この
答申
の作成にあたりましては、すべての
行政機関
についてあらためて個別的に
調査
検討
することを避けたのでございまするが、ただ三つの公社及び五つの
現業
につきましては、相当詳細な
検討
を必要と認めましたので、特に
荒井誠一郎
さんを
委員長
とする小
委員
へを設けまして、きわめて短
期間
ではございましたが、その間に相当頻繁に
会合
を重ねまして、それぞれ
実情
を聴取いたし、慎重に
審議
を重ね、結局これを含めて次に申し上げるような
意見
をとりまとめた次第でございます。
行政審議会
の
審議
のごく
概略
の
経過
は以上の
通り
でございますが、今、ここに右の第二号の
答申
、すなわち
行政制度
の
改革
についての
答申
の大綱について御
説明
をいたしたいと存じます。 まず
答申
の前文といたしまして、次のように申し述べておるのであります。すなわち
現行行政制度
につきましては、従来数次にわた
つて
行政整理
が断行せられたのでありまするが、いまだ十分にその
効果
を収めておると認めがたい。また
独立
二年後の
わが国
の直面しております内外の
情勢
にかんがみまして、
わが国
の
自主自立態勢
にふさわしい簡素かつ能率的で、しかも
わが国
の
実情
に適合した
行政制度
を樹立する必要が認められますことから、この際
行政全般
にわたる
改革
を断行すべきことを、要望いたしておるのであります。しかして
行政改革
の進め方につきましては、まず
行政事務
の
改廃
と
事務処理方式
の
改善
とを行いまして、これに
伴つて行政機構
の
改革
と
剰余人員
の
整理縮減
をなすべきものといたしておるのであります。 まず
行政事務
の
整理
につきましては、
占領管理下
に始められました
施策
であ
つて
、
独立
後の
わが国力
にふさわしくないと認められますもの、その他
緊急性
の認められない
事務
を
整理
する
方向
を示しました上に、その
方法
といたしまして
行政事務
を規制いたしております
各種法令
の
整理改廃
を
考え
るべきこと、及び
事務整理
は各般の
施策
にあたり詳細かつ
具体的検討
を要するものでありまする
関係
上、これを
主管各省
の
努力
に期待することが実際的であると
考え
て、かかる
各省
の
努力
を統制結集する
方法
として、
内閣
は
各省
を通じて割出すべき
一定割合
の
過剰人員
の目標を統一することを示唆しておるのであります。しかし、これによ
つて
従来のいわゆる
天引整理
がややもすれば陥るところの弊害であ
つた
ところの
事務
の
縮小
を伴わない
人員整理
に堕することのないようにこの点は特に明確に注意を促しておるのであります。 次に、
事務
の
整理
につきましては、国と
地方公共団体
とを通ずる
総合的行政整理
の実を上げるための
基準
を列挙いたしまして、国と
地方公共団体
との間に
行政事務
の再
配分
を行うべきこと、及びこの場合国の
事務
を
地方公共団体
に移すにあたりまして、十分な財源の確保をいたすべきこと、それから
府県
における
機関委任事務
の
処理方式
につきまして、
実情
に即しました
方法
をとるべきこと等を指示いたしておるのであります。 次に、いわゆる五
現業
、すなわち郵政、
国有林野
、印刷、造幣、
アルコール専売等
の
国営企業
については、主として
作業能率
の向上をはかりまして、
経営
の
合理化
を促進いたしまするために、
人事
、給与、
定員
、
組織
、
会計等
の
管理方式
に関し、
企業官庁等
の
特殊性
を発揮するとともに、そのために必要とする特別の
監督
その他の
措置
を講じ、その限りにおいて
一般行政官庁
に対すると同一の規制をなすことを排除すべきことを指示いたしておるのであります。 次に、鉄道とか
専売
とか、
電信電話等
の
公共企業体
につきましては、その
実効性
について相当の異論もあ
つたの
でありまするが、発足後なお日の浅い新しい
制度
である、こういう事実に顧みまして、さしあたりこれを
改善
するというような
方向
に進むべきことを指示いたしておるのであります。右の
公共企業体
について
改善
に努むべき
方向
といたしましては、
公共企業体
はもともと
国家財産
をその
出資総額
とするものでありまして、ただ事業の
企業的処理
のために
独立
の
法人格
を与えられたものでありますから、
企業
の
自主性
は十分認めらるべきではありますが、
経営者
がこれを私有物視するがごとき
考え方
は絶対に排除しなければならない。こういう見地からその
公共的責任
を必要なる
国家
の
監督
とを確保して、その経常を
合理化
すべきであるとして
現行
の
制度
に対して再
検討
すべき諸点を具体的に列挙いたしておるのであります。 第二に、
事務処理方式
の
改善
につきましては、最小の経費と
人員
で最大の
行政効果
を上げるように
事務処理方式
の
簡素合理化
を行うべきであるとして、その
具体的方法
として
共管事務
、それから
重複事務
または
類似事務
の
整理統合
、
共通事務
の集中、
内部管理事務
の
簡素化
、
行政機関
の
内部組織
の
簡素化
、
権限
の明確なる
内部委任
及び
事務処理方式
の
標準化
、
機械化等
の
方向
を指示いたしておるのであります。 次に
行政機構
の
改革
につきましては、
行政事務
の
整理縮小
及びその
処理方式
の
改善
、に伴
つて
必要な
改革
を行うのほかに、
行政組織全般
の規模の
縮小
を
考え
、かつこれが再び一般的に膨張することを防止すべきものとなし、各
府省
、
外局
、
地方出先機関
、
付属機関
及びそれらの
内部組織
につきましてそれぞれ必要な
改革
の
方向
を提示いたしたのであります。なお
総理府
につきましては、先に申し上げましたように、別に
答申
をいたしておるのでございます。
最後
に
人員
の
整理
につきましては、上述いたしましたような
事務
の
整理縮小
、
事務処理方式
の
改善
及び
行政機構
の
改革
に伴いまして過剰となる
人員
を
整理
すべきこと及びこの
事務
の
整理縮小
の
措置
に伴わない無差別の
天引整理
は行うべきでないということを表示いたしまするのほか、実
人員
の
退職
に伴う困難によ
つて行政改革
の十分なる
実施
が阻害せられること、あるいは
退職者
が一時に多量に生ずることによ
つて無用
の社会不安や
行政
の混乱を生ずることを避けるために、
原則
として
新規増員
を行わないこと。それから欠員不補充の
方針
これを堅持すべきこと。それから
人員
の
配置転換
に努めること。それから
整理
は相当の
期間
にわたる計画によ
つて
実施
すべきこと。それから
退職者
に対してあるいは
一定期間職務
に従事せしめない取扱いをなし、あるいは
退職金制度
を再
検討
し、転職のあつせんに特段の
措置
を講ずる等、その監理を円滑かつ確実に行うべきことを指示いたしておるのであります。 以上
行政審議会
におきまする
審議
の
経過
の
概要
並びに各
答申
の
概要
について申し述べた次第でございます。なお
運営部会
におきましては、先ほど申しましたように、ただいま
行政運営
の
改善
について、各
方面
に
諮問
をいたしまして、それをとりまとめておりまするから、不日まとまりましたならば、
一定
の
答申
をいたしたい、かように
考え
ておりますので、ごく
概略
御
報告
といたします。
稻村順三
3
○
稻村委員長
それでは今の
行政審議会会長
の御
報告
に対して
委員
の方から
質問
があれば願いたいと思います――それでは私から伺いますが、
内閣
と
総理府
の区別でありますけれども、どういうふうにして
内閣
と
総理府
をはつきり区別すべしという
結論
に到達したのでしようか。
村瀬直養
4
○
村瀬参考人
内閣
の方は
各省
に
共通
の、たとえば
企画
の
仕事
のようなものを扱う。それから
各省
に属することが適当でないというような特別の
仕事
は
総理府
でやるという
方針
で、たとえば
法制
に関するものは全体に通じます。それから
経済審議庁
、
行政管理庁
のようなものは
内閣
の方に持
つて
行く。それから
宮内庁
とかいうようなどこの省にも属せしめないようなものは
総理府
に置くという
建前
でいたしたわけであります。
稻村順三
5
○
稻村委員長
しかしどこの省にも属しないという
基準
が非常に問題にな
つて
来ます。
村瀬直養
6
○
村瀬参考人
実は
総理大臣
のところに持
つて
参りますと、形は非常に格が
上つたよう
に見えるのですが、
総理大臣
はそういう個々の
仕事
を一々面倒は見られないものですから、結局その
責任
の
大臣
はないような形になる。だから
各省
に少しは無理であ
つて
も、属せしめられるものはできるだけ
各省
に持
つて
行つて
、残
つた
ものはこちらへ持
つて
来るというような
考え方
です。
各省
と縁も
ゆかり
もないような
仕事
を持
つて
行くわけには行きませんから……。
稻村順三
7
○
稻村委員長
縁も
ゆかり
もないと言いましても、今の
政府
の
建前
から申しますと、
警察事務
と
保安庁事務
の間に縁も
ゆかり
もないということになると、
内閣
の今までの主張をひつくり返すことになる。あれは縁も
ゆかり
もあるのですが、それをどうしても区別するかということです。今の
政府
の
建前
から言えば
自治庁
というものの中に
保安庁
は入れられる。あれは
保安庁
は入れられる。あれは
保安庁法
でも改正すればいざ知らず、今のところは入れられるわけです。
村瀬直養
8
○
村瀬参考人
それは具体的にどこをどうするかというところまではわれわれの方ではしないわけで、抽象的な
原則
を具体的に
適用
した場合にはどうなるかということは、これはまた
内閣
の方でしかるべく御研究を願いたいと思うわけであります。
稻村順三
9
○
稻村委員長
そういうふうに
二つ
のセクトにわけるという
基準
について
考え
てみると、
内閣
と
総理府
というものを区別して行くことには、具体的な問題にな
つて
来ると相当の困難が出て来るのではないか。
村瀬直養
10
○
村瀬参考人
それは困難があるかもしれません。しかし大体の
標準
としては、観念上明瞭にわけられると思うのです。それの
適用
の場合にはいろいろ問題が起ると思いますけれども、大体の
考え方
としてはそういうふうな
考え方
で進んで参
つたの
であります。
杉村章三郎
11
○
杉村参考人
その点、
内閣
に属する
部局
は
内閣
という
会議体
、
国家
の
行政
の主体と申しますか、その
最高機関
としての
内閣
で処理すべきものを補佐するという
考え方
なのであります。片方、
総理府
に属するような
部局
は、
総理大臣
が
行政官庁
としまして単独に
総理大臣機関
として属せしめておる
部局
が相当あるわけですか、その
補佐部局
、こういうふうな
考え方
で行くわけです。私の
考え
では、本来はそういうものには非常に雑多なものがあるのです。というのは、
各省
に
行政事務
をわけるという前提を持
つて
おるのですか、なかなかわけ得ないものがある。
残つて
どこにも属しない、あるいは二省以上にわたるようなものがある。それを今まで
総理府
の方にぶち込むのに、あまり
標準
なくぶち込まれてお
つた
。それを応再
検討
しまして、あるべきところに置けるものは置く、
各省
に移すべきものは移す、そういうふうなことを一応
考え
てみたわけなんです。そういう点で
総理府
というものは、本来いろいろなものが入
つて
いるのがむしろ本質的ものではないかと思いますけれども、それでもそれを、ほかの
部局
に属せしめ得るものは属せしめるということで、なるべく範囲を狭くするとともに、
外局
のうちにおきまして、将来のあり方として本来ならば省として
独立
させるべき
保安庁
みたいなものもあるけれども、それは今日の場合においては、一応
総理府
に所属すべきものという
考え方
、
自治庁
などについても、今のところは小さい、それではほかの省と一緒にして
外局
のようなものにするならばそれもいい。そういう
意味
において、
標準
としては今
国務大臣
をも
つて
充てている
総理府
の
外局
で、しかも国民に対して
行政権
を行使するような
機関
、これは
国務大臣
を
専任大臣
としてそこに
責任
を持たせてもいいんじやないか、今までの
考え
と少しかわ
つて
おりますが、そういうことを応提案しておるわけなのであります。その点
ちよ
つと補充しておきます。
山崎巖
12
○
山崎
(巖)
委員
総理府
の
行政機構改革
に関します御
答申
でありますが、私は非常によくお
考え
願
つて
おると思います。本年正月私の調べましたところによりますと、
総理府
の
機構
が、
外局
に相当します
委員会
を含めまして、
外局
が十六、部が三、課においては実に百八十四に及んでおるような状況であります。もちろんこれは
官房長官
お一人の
所管
ではございません。たとえば
保安庁
とか
自治庁
とかそれぞれ
所管
の
大臣
がございますけれども、おそらくこの
機構
につきまして、
官房長官
は、自分のところで何をや
つて
おるのかということについて十分お知りにならぬのではないかと思います。そういう
意味
で、今回
総務長官
というものを
内閣
に置かれるという御
答申
はごもつともだと思いますが、ただ
ちよ
つとわかりにくいのは、
総務長官
と
官房長官
の
事務分掌
がどういうふうになるのか、その点を
ちよ
つと伺
つて
おきたい。
村瀬直養
13
○
村瀬参考人
先ほど
杉村先生
からお話がございましたように、
内閣
の
補佐部局
と
総理府
の
部局
とわける。それで
官房長官
は
内閣
の
補佐部局
の方の
仕事
だけに
限つて
、
総理府
の方は
総務長官
が総括して行くという
建前
にな
つて
おるのです。
山崎巖
14
○
山崎
(巖)
委員
具体的に
署務
をお示し願いますと非常にわかりよいと思いますが……。
村瀬直養
15
○
村瀬参考人
具体的に申しますと、たとえば
法制局
とか
経済審議庁
、
行政管理庁
は全体を通ずる
企画
的な
仕事
ですから
内閣
に持
つて
行つて
、こまかい
仕事
は
総理府
に持
つて
行く。それにしても
総理府
にたくさん残るものがありますから、それを総括するものが必要であろうと思いますので、そういうのに
総務長官
を置きまして、
官房長官
は
内閣
の
補佐部局
の方、つまり
共通
的な
企画
の
仕事
と政治、そういう
方面
に専念し得るようにしたい。つまり
官房長官
の
仕事
から
総理府
の雑多な
行政事務
を切り離して簡素にして行こう、実際は非常に大きな
仕事
がたくさんありましようけれども、そういう
建前
でや
つて
おります。
山崎巖
16
○
山崎
(巖)
委員
行政機構改革
の
答申
でございますが、国と
地方公共団体
との間の
共通事務
の再
配分
の問題――
現状
におきまして
地方公共団体
に委譲すべき
事務
がたくさんあると思います。
地方
の
出先機関
が戦後膨大になり、多数の
人員
を擁しておりますが、これはやはり知事が
公選制度
にた
つた
結果から来ているのではないかと想像する。
公選制度
の是非についてはいういろいろ議論があり、ここで
言つて
もしようがない問題でありますが、その点についてもこの
答申
は相当お
考え
にな
つて
いるかどうかお聞かせ願いたい。
村瀬直養
17
○
村瀬参考人
山崎
さんの今おつしやいました
出先機関
の
整理
ということは非常に重要なことだと思います。今までたびたび
行政整理
をやりましたけれども、
出先機関
の
整理
というころまではまだ十分打
つて
おりません。なぜ
出先機関
があんなに錯雑したかという点は、ただいま
山崎
さんのおつしや
つた
通り
だと思います。
従つて
その点を十分解決しないこと
出先機関
の
整理
ということはあるいはできないかもしれません。
府県
の
性質
をどうするかというふうなことは
行政機構
の上からは
ちよ
つと論じられない問題であり、
行政機構
の方の問題として並行してや
つて
行かなければならぬと思いますけれどもあらゆる観点から見て
出先機関
をどうや
つて
整理
するか、大きな原因は
山崎
さんがおつしや
つた
ようでございますが、それのみでなしに、
出先機関
はいろいろ複雑しております。ですからそれを
整理
することは
行政整理
として一つの大きな
項目
だと実は思います。
従つて
その点についていろいろ
考え
てもらいたということを繰返して実は
言つて
おるわけであります。ただしかし、一番大きな問題は
府県
の
性質
の問題に関連して参りますることはもちろんでありますが、
府県
の
性質
までここで議論するわけに参りませんから、そういうような形で研究しております。
下川儀太郎
18
○
下川委員
「第一
行政事務
の
整理
」の中で、「(1)
占領管理下
に始められた
施策
であ
つて独立
後の
わが国
情又は
国力
に適わしくないと認められるもの(産業、労働、厚生及び
文化行政等
にその例が多い。)は、これを是正する。」と書いてあります。その例が多いということの具体的な
説明
を願いたいと思います。
村瀬直養
19
○
村瀬参考人
それは何がそれであるかということは
政府
の方でひとつ十分研究していただきたいと思
つて
おります。ただ抽象的に
考え
てみまして、いろいろこういうほうめんいついて
占領管理下
において始められた
施策
であ
つて
、
わが国
の
国情
または
国力
にふさわしくないと認められますものがいろいろあるように見受けられますが、具体的に何がそれに該当するかという問題は
政府
において十分
検討
していただきたい、こういうことだけです。
下川儀太郎
20
○
下川委員
しかしこういう
答申
が出て来ると、いろいろな形で
政府
の意向をやはり強化する場合もあると思うのです。たとえば労働の面とかあるいは文化
行政
とか、こういうようなことになると、非常にわれわれ見るべきものがないという観点に立ちますし、それからあなた方の産業というのはどういう点をさしているのですか。
村瀬直養
21
○
村瀬参考人
たとえば産業なんかについて申しましても、これは税制
調査
会でもいろいろ議論があ
つた
ようでごいざますが、現在申告納税
制度
ということにな
つて
おります。それは必ずしもそのもの自体が悪いとはいえませんでしようけれども、現在の日本の状態にすぐそれが合うかどうかというような点について十分
検討
してもらいたい、こういう
意味
なんです。それからたとえば課税
標準
の問題なんかについても、何べんもその課税
標準
の
調査
が国からも自治体からも来るということになりますと、受ける方では実は非常に困るのです。これはほんの一例でございますけれども、具体的なものについて何がどれになるかということは、ここで必ずしも示しておるわけではないのですけれども、そういう点についてさらに再
検討
をして――なければないでもちろんいいのですが、しかしあるとすればそういう点についてよく
調査
研究をしていただきたい、こういうことを、
言つて
おるだけのことなんです。
下川儀太郎
22
○
下川委員
ただ「
占領管理下
に始められた
施策
」とこう
言つて
おるのですが、ぼくたちはやはり厚生あるいは文化、労働、こういう面が戦前は非常に封建的だ
つた
。それが占領政策の一番いい点はやはり社会政策の面がクローズアップされて来たという点を一つ
考え
ておるのです。それによ
つて
労働者は自由権が尊重されあるいは厚生面が非常に推進され、あるいは文化
行政
がわずかでも出て来たという面で、何か終戦後の社会不安がかなり緩和されて来たというふうに
考え
ておるのです。これは見解の相違もあるでしようが……。
村瀬直養
23
○
村瀬参考人
その
占領管理下
に始められた
施策
でありましてもいい
方面
のあることはもちろんでありますが、そういう面についてそれをやめるとか廃止するとかいうような
意味
はちつともないのであります。また場合によ
つて
は
わが国
情とか
国力
にふさわしくないと認められるものがあり得るのでございますから、必ずしもやめるという
意味
ではないのですけれども、いろいろその欠陥のあるものについては是正を願いたい、こういう趣旨だけのことでございます。
下川儀太郎
24
○
下川委員
どうも伸び切
つて
おらない。労働あるいは文化
行政
なんかは最も尊重せられなければならぬ。それがこういう
行政改革
などの案が出て参りますと非常に縮減されるという形をとられがちなんです。それを非常におそれるわけです。むしろこれは拡大して行かなければならぬ。
行政整理
は常に首切りが対象にな
つて
来るということでなしに、こういう社会政策的な面は、なるべく
配置転換
するなりそうい
つた
形で人間の
整理
を防ぐというような
方法
をとられたらいいとわれわれは
考え
ておるわけです。それと第二に、先ほど
山崎
さんがおつしや
つた
国と
地方公共団体
との
行政事務
の再
配分
、これで
地方
財政との問題はどういうふうになりますか。
村瀬直養
25
○
村瀬参考人
これは
地方
制度
の方と
関係
がございますから、
地方
制度
調査
会に
関係
を持
つて
おられます
杉村先生
から詳しくお話を即し上げた方がいいと思います。
杉村章三郎
26
○
杉村参考人
私
地方
制度
調査
会の
委員
ではないのですが、前に
地方
行政
調査
委員会
の
委員
をや
つて
おりまして、この
事務
配分
のことにつきましては一年半ばかり前に
委員会
を
組織
しまして研究しまたその
答申
をこちらの国会へも出しておるわけでありますが、その後多少事情がかわ
つた
ようでありますけれども、しかし基本的な
考え方
は大体正当であろうと思
つて
おります。それでなるべく
地方
団体で処理できるものは
地方
団体にやらせるという
方向
に行くべきものであろうというふうに
考え
ております。それは一面におきまして国の
行政整理
という問題とも関連して来るのでありまして、つまり国としては
地方
団体にある程度
事務
を委譲するということによ
つて
それだけ国の負担を免れる。何もかも国が取上げて国の
機関
で処理するということでなくして、
地方
団体に対していろいろな
方法
で負担を課して
事務
をやらしておるというのが
現状
であるわけです。その
関係
をもう少しすつきりさせることによ
つて
国の方ではそれだけの
事務
負担が少くなる、こういうふうな
考え方
で私どもはおるわけですが、しかし今となりましては、やはり一方においては
行政事務
というものを中央集権化するというような実際上の要求もあるといいますか、事柄としてそういうことが要求せられる。たとえば衛生
事務
にしましてもあるいは開発
事務
というようなものにしましても、中央で
国家
として大きくやらなければ実際行えないというようなものがだんだん出て来るわけであります。そういうことと、
地方
の
事務
は
地方
で処理するということの両方の行き方の調和をはかるべきであろうというふうに
考え
ますが、そういう点につきましてこの
行政審議会
の立場としましては、やはり一応国の
事務
というものを
整理
して、そうして
地方
で行えるものならば
地方
にやらせる、こういう
方向
をとるべきだろうというふうに
考え
ておるのでありますが、しかしただ
行政整理
のために、漫然と国の
事務
をいたずらに
地方
団体に移すというようなことは適当でないということをここに
言つて
おるわけであります。
従つて
国の
事務
を
地方
団体に移すにつきましては、これも各
地方
団体、都道
府県
と市町村によ
つて
それぞれ能力が違いますから
事務
の
性質
も違うわけですけれども、全体として言い得ることは、十分な財源の裏づけをしなければならないということは言えるのではないかというふうに
考え
るわけであります。私個人の
考え
としましては、なるべく国と
地方
団体との間の
事務
を明らかにして、それぞれの
行政事務
について
責任
を完全にとり、またそれに応ずる財源の裏づけをするというのが理想の形態と今でも思
つて
おりますが、しかし
地方
制度
調査
会の
答申
におきましては、それは理想であるけれども、しかし現実の問題としては、
機関
委任というような
方法
、あるいは
地方
事務
官
制度
というようなものをなお活用して、そして将来においては、その
事務
を
地方
事務
にまかすかもしれないけれども、今のところそういうような
方法
もと
つて
行く。と言いますのは国の
各省
というものは、なかなか
事務
を
地方
団体にそのままおろすということを好みませんから、将来においては
地方
にやらせるとしても、今の段階においては、そういうような
機関
委任とか
地方
事務
官
制度
というものも一応認めて行こうではないか。そういう
答申
をしているわけでありますが、その
答申
に一応ここでは歩調を合せておるというのがこの再
配分
というところに出ております、われわれの方の
答申
の
内容
でございます。それだけ
ちよ
つと申し上げておきます。
下川儀太郎
27
○
下川委員
御
意見
はわかるのですが、ただ財政の
措置
の問題が非常に問題になると思うのです。私は静岡県選出ですが、長らく県会の方にもいたのですが、静岡県に例をと
つて
みますと、入場税、料飲税が国税に移管されるという問題が出ておりますが、これは違
つた
形で八〇%が返還されるということを聞いております。しかし、一応国庫へ入
つて
しまうと再
配分
がはたしてどの程度来るのか。静岡県あたりは県財政の約三分の一くらいを入場税あるいは料飲税でまかな
つて
おります。観光地帯ですから……。そういう
関係
が非常に複雑にな
つて
来ると、
出先機関
その他の
事務
が
地方公共団体
にいろいろ委任された場合において、その裏づけの財源をとろうとしても、それが逆に国の方に吸いとられてしまう。そうい
つた
面で中央と
地方
との摩擦、あるいは複雑なものが出て来るのじやないか、このように
考え
ております。それに対してどんな
考え
を持
つて
おりますか。
杉村章三郎
28
○
杉村参考人
私はその点については、
地方
制度
調査
会の
答申
なるものは、そう理論的に一貫しているものじやないように思
つて
おります。それで私どもの
考え
としては、遊興飲食税あるいは入場税の
府県
から国税への移管ということは
考え
ておらなか
つたの
であります。これは
地方
制度
調査
会の方の
答申
がそうな
つて
いるということでありますが、むしろそれは富裕
府県
と貧弱な財源の
府県
とを調整するという目的のもとに、ああいう税制が
答申
されておるように聞いております。
下川儀太郎
29
○
下川委員
ですから、こういう
行政機構改革
の問題の
答申
を出す場合においても、かかる財政の問題を研究していただかないと、この
答申
それ自体が、いろいろ複雑な問題を起すと思います。塚田
長官
はこの
答申
に沿
つて
や
つて
行きたいということを仰せられましたので、勢い財政の伴わない、あるいは
地方
と中央との財政にからんだ複雑な問題の解決策ということを、明確に出しておらない
答申
というものは、後日に災いを残すと思います。そういう点について研究して出していただきたい、かように
考え
ております。
稻村順三
30
○
稻村委員長
それと関連してですが、
答申
案にはこういうこともしたい、ああいうこともしたいといういういろなことをここに出したのですけれども、しかし今
下川委員
から
質問
がありました
通り
、この
答申
案が一体財政問題を中心として主としてなされたものであるか、それとも
行政機構
の能率を主として
答申
されたものであるか、その点についてお伺いしたい。
村瀬直養
31
○
村瀬参考人
財政問題を主としてということではない。また能率だけとい
つて
も、適当であるかどうかわかりませんが、
行政
能率をうまくや
つて
行くということであります。 それから、先ほど御
質問
ありましたような点につきましては、
杉村先生
がお答えいたしましたような点でございますが、国の
事務
を
地方公共団体
に移すにあた
つて
は、十分な財源の裏づけをなすことを要する。その具体的な
適用
の問題については、いろいろ問題がありましようが、根本の
方針
としては、十分な財源の裏づけをなすことを要する。それから
行政
の再
配分
にあたりまして、国の
事務
をいたずらに
地方公共団体
に移すというようなことのないようにしてもらいたいという
意見
が強く主張せられまして、特にここでは第一の二の一番初めの終りのとこに、「国の
事務
を徒らずに
地方公共団体
に移すが如きことのないように注意すべきである。」ということを明示をしておりまして、大体この
方向
でや
つて
もらいますれば、適当な結果が得られるのじやないだろうかと思います。 それから全体の問題でございますが、先ほど
ちよ
つと簡単に御
説明
を申し上げましたが、個々の
行政機関
についての
行政整理
をや
つて
行くひまが、実は事態によ
つて
なくなりました。しかし、他
方面
から、この
行政整理
ということは非常に重要な問題であるか、実行がなかなかむずかしい問題でありますから、
政府
の方で行革本部というものができましたが、あらゆる
機関
において力を合せて目的を達するようにしなければならぬ。換言すれば、
行政審議会
としは
行政審議会
の立場においてできるだけお助けをしたい、こういう意思を持
つて
おります。時間が非常に切迫してお
つて
、お助けをするといたしますならば、どうしても
行政整理
をやる根本の
方針
を明示しておいて、そして具体的の
内容
にまで入るひまがありませんし、また事の
性質
上それは
政府
の方でや
つて
行くことが適当と思いますから、そのや
つて
行きます場合において、根本的の、抽象的な
標準
を指示しておくということは、お助けをする
意味
におきましても最も有力な
方法
じやなかろうか、こういう事態の
情勢
とそれから目的を合致させるという観点から、ごらんの
通り
この
答申
案というものは割合抽象的にな
つて
おりますが、それはそういう
意味
でございます。 それから今お話のございました
地方
行政
との
関係
は、ただいまのような抽象的な
標準
をよくごらん願いますれば、大体おわかり願えるのではないかと思います。 それから、財政を主とするか、能率を主とするかという問題につきましては、これはもちろんいろいろの
方面
について
考え
ておりますけれども、財政問題は、ここですぐに取上げるというような観点ではないということだけを御了承願いたいと思います。
稻村順三
32
○
稻村委員長
そうしますと、私のさつき言
つた
ように、財政問題が主であれば、結局支出を減らすという観点から
機構
の
整理
がなされると思います。それから能率ということになれば、その点もあるかもしらぬけれども、しかし必ずしもそうではなくて、能率上の問題として出て来ると思います。そういうような目標が一体どこにあるか伺いたい。
村瀬直養
33
○
村瀬参考人
それは今の状態で、財政をできるだけ節約するということは、どうしても必要だろうと思います。そういう点と合せて、それだけでなしに、やはり能率を阻害してはいけないから能率の方も
考え
る。しかしながら、能率だけでその支出の方を全然
考え
ないという
意味
では全然ないのであります。むしろ支出を節減したいこういうところだろうと思います。
稻村順三
34
○
稻村委員長
そうすると、財政が第一で、能率の強化がそれについて行く、こういうことだとすると、今度の
行政機構改革
は、やはり
人員整理
を前提とする
機構
改革
として
答申
せられたものであるかどうか。
村瀬直養
35
○
村瀬参考人
それでもただいたずらなる天引き
整理
だというようなことになると、実際の目的を達しませんから、ここにも書いてありますように、
事務
の
整理
をして、それに応じた
人員
の
整理
をや
つて
行かなければならぬ、その場合には
人員整理
についていろいろ摩擦が起りますから、その善後
措置
を行い、たとえば待命
制度
とかいろいろな
方法
、それから
人員
の
配置転換
というような面について十分
考え
なければならぬが、根本においてはやはり
事務
の
整理
に伴
つて
人員
の
整理
をなすべきものであるということを明示しております。
稻村順三
36
○
稻村委員長
そうすると
人員整理
というようなこともひとつ
考え
てみるとすれば、一体その
人員整理
の対象となるものの主点は一般
行政
職員を主点としているものか、それともいわゆる
国家
を雇い主としているところのあらゆる公務員というものが対象とな
つて
いるのか、おもな対象にな
つて
いるのはどこなのか、この点もお尋ねしておきたい。それでややもすると
政府
では、発表する場合にはすぐ四十何人について一人の公務員とい
つて
発表するのです。ところが私が計算してみるというと、一般
行政
職員ということになると、四百四十何人について一人ぐらいになります。鉄道職員だとか、電信電話の職員だとか、公社の職員だとか、郵便局の職員だとか、あれはほんとうのことをいうと
企業
体なんでありまして必ずしも公務員ということも言えないように思う点もありますし、たとえば
現業
官庁で、林野庁の職員などは林政というものに
関係
しているのはほんのわずかで、大部分の職員は切
つて
払い下げをして、売
つて
もうける、そういうような
仕事
をしておる。あるいは運搬だとか、そういうような
機構
に大部分のものが参画しているというようなことも言えますし、またたとえば同じ建設局の職員の中でも、建設
行政
に
関係
しているものもあるけれども、たとえば技術屋で、ただ橋を設計したり、かけたりシヤベルを持つ
仕事
を指揮しているというだけで、
行政
の認可だとかあるいはそういうものには全然関与をしない職員も多いのです。そういうのもずつとあれしてみますと、私は非常非常に官吏が多い多いとい
つて
も、むしろそれだからとい
つて
今度はその官吏のうちでは、たとえば公務員だからというので、国立学校の先生を
整理
の対象と同じようにしてしまえば、これはもう文化施設が
縮小
することになるのです。文化
国家
としての役割はぐんと落ちるわけなんです。国立病院のものをやると、これは厚生
制度
が落ちまして、国民保健に大きな影響を及ぼして来る。国立の保健所などの
機構
の
縮小
などということにな
つて
来ると、これはたいへんな問題にな
つて
来やせぬかと思うような点もあります。そういうようなことにな
つて
来ますと、私の
考え
るのは、もし
行政整理
をするということになれば、一般
行政
職員も対象になるのではないか、これが主なんじやないかと思うのだが、そういう点について
行政審議会
において十分な
検討
がなされたかどうか。そしてまたきようの新聞などを見ると、十一万人になるとい
つて
おりますが、もし十一万の人間をやれば、十八万しかないのに十一万ということにな
つて
それを削られてしまえば、あとに残る職員はた
つた
七万しか残らないのです。(
高瀬
委員
「それはどこです」と呼ぶ)それは一般
行政
職員は十八万しかないのです。そうすればそれを主としてやるとすれば、十一万でなくても七、八万だけは主として一般
行政
職員を
整理
するということになると、一般
行政機構
が動かなくなろという危険がある。事実私たちはこの前の風水害のときに、気象観測のことに支障がなか
つた
かとい
つた
ときに中央気象台の人たちが、第一次、第二次の
行政整理
で六百何人やられまして、敏速なろ予報ができませんでしたということをここではつきり
言つて
おるのです。中央気象台の方がこの
内閣
委員会
でそういうことを証言しておるのです。だからそういうふうに
考え
て来ますと、主点は一般
行政
職員に置いてあるとすれば、
政府
がきよう発表した十一万の
行政整理
というようなことが、
考え
られるかどうか、そういう点もひとつお尋ねしてみたいと思います。
村瀬直養
37
○
村瀬参考人
きようの発表はわれわれに
関係
ない問題で……。
稻村順三
38
○
稻村委員長
ぼくのいうのは
責任
あるものでなく、あなた方の御見解がどつちを主としてお
つた
か。
答申
の問題になるとやはり主点があるはずです。ただや
つたの
ではなくして、さつき言
つた
ように財政問題が主か能率の増進が主か。能率の増進というような問題あるいは財政の問題が出て来れば、それならばそういうことがやはり
答申
なら討議されておるはずです。そうなればその際には一般公務員か、それから一般
行政
職員か、それともすべての公務員にわた
つて
おるかということが第二の問題にな
つて
来ます。そうしますと、あなた方がそういう
建前
で
答申
したものだとすれば、
政府
が今日十一万に発表したとすればあなた方の
答申
と食い違
つた
ことになる。そういうことをお
考え
になるかどうか、こういう点をお尋ねしたので、あなた方から
政府
の職員としてのそういうものを聞いておるのではないのです。
高瀬傳
39
○
高瀬
委員
ちよ
つと関連して
質問
いたします。
村瀬
さんにお聞きしたいのですが、先ほど小
委員長
と
村瀬
さんとの間に御
意見
の交換を拝聴しましたが、私はひとつはつきりしておきたいのは、この
答申
が先ほど
委員長
の言われたように――財政上の考慮から根本的にいわゆる経費の節約という観点からこの
答申
をなされて、その結果能率の増進になるのだというふうに、
委員長
の御
質問
に対してお答えに
なつ
たように拝承しましたが、私自身根本的にこれを読んで、あるいはただいまの御
説明
を伺
つて
感じた全体の感想は、むしろ今回の
行政制度
の
改革
に関する
答申
案というものは、根本的にいうと能率の増進というねらいがあ
つて
、その結果付随的に
人員
の
整理
とか、あるいは
行政機構
の
改革
とかいうものが伴
つて
来るので、結局結果として財政の負担の軽減という現象を持ち来らすことになる。
従つて
いわゆる
行政審議会
の
答申
というものは、
全般
的に国の能率の増進というところに根本のねらいを置いてある、かように私は了解をいたしております。先ほどのお話は
ちよ
うど逆なので、私は今びつくりして、実はきようは何もお聞きせぬつもりでお
つたの
ですが、その点をはつきり伺
つて
おきたいと思います。
村瀬直養
40
○
村瀬参考人
先ほど
ちよ
つと財政問題云々という御
質問
がございましたが、これを
ちよ
つと私は誤解したかもしれませんが、あとで
委員長
は経費を節約する目的でや
つて
いるのか、能率を増進する
意味
でや
つて
いるのか、つまり能率増進のためには経費は増してもかまわないのかというような御
質問
でございましたが、現在の
情勢
から見て非常に経費がたくさんかか
つて
いるということは事実ですから、その経費の節減ということが要点である。しかしながら同時に能率を増進するということは決して矛盾するものじやないのですから、両方を目的としているということを申し上げようとしたのでございます。しかしもちろん経費をできるだけ節減したいということが、その中心の目標であることは言うまでもありません。たとえば、これは
府県
の
制度
で、これは
行政審議会
に出た問題じやないのですが、私が調べた範囲においては、
府県
の
仕事
、たとえば警察とかそれから教育とかいうものは、みな
仕事
が少くな
つて
おるにかかわらず、
残つて
おる
仕事
について
部局
が戦前よりも何倍とふえておる。そういうような点はやはり
仕事
がなくな
つたの
に応じてできるだけ人を節減し、経費を節減するのは必要である。しかしながら経費を節減することだけで、能率が非常に悪くな
つて
もかまわないのかといえば、もちろん能率を増進するということは必要であります。それで両方どうしてもや
つて
行かなければならぬということをお答えしたのであります。
稻村順三
41
○
稻村委員長
それはわかるけれども、現在置かれている立場からいえば、どこかに主点を置かないと……。
村瀬直養
42
○
村瀬参考人
しかし主点は一つということは必要ないのですから……。
稻村順三
43
○
稻村委員長
しかし主点が一つであるということが必要でないということは、主要
努力
が重ねられて、初めて……。
村瀬直養
44
○
村瀬参考人
たとえば経費を節減したいという目的を持
つて
出発するが、しかし能率が阻害されては困りますからね。
稻村順三
45
○
稻村委員長
私がなぜこんな
質問
をするかというと、第一回、第二回の
行政整理
は能率が落ちています。ことに農村
関係
の能率というものはひどく落ちてしま
つて
、それで首切
つた
あとで、元の連中を臨時雇いとして入れているのです。
村瀬直養
46
○
村瀬参考人
そういう行き方であれば、能率を阻害しても経費を節減するという観点は絶対とらぬつもりであります。
稻村順三
47
○
稻村委員長
そういうことだとすれば、さつき言
つた
ように、問題になることは、今のあなた方の計算からい
つて
今日の
答申
をする以上は、十一万の
整理
というものが可能か可能でないか。ことに私が問題にしているのは、それはだれでもわか
つて
いることで、今裁判官を少くしようとか、それから国立学校、大学を
縮小
しろと、そういうような話はあまりないだろうと思う。主としてやはり一般
行政
職員なんだ。その一般
行政
職員を中心として十一万の
整理
をするというきようの発表が、これは可能であるか可能でないか、あなた方の
答申
した立場から
考え
てどう
考え
ろかという点……。
村瀬直養
48
○
村瀬参考人
きようの発表の問題にわれわれは入る余地もないと思いますが……。
稻村順三
49
○
稻村委員長
ただあなた方のお
考え方
だけなんですね。
村瀬直養
50
○
村瀬参考人
私どもの
考え
は先ほど申しましたように、それは一般職員というものが中心だろうと思います。それから
現業
についてはできるだけ人を増す。減らすのでなくて、能率の増進とか、それから
事務
の
改善
とか、そういうような
方向
に伴
つて
人員
の
整理
ということができれば、それが適当であろう、こういう
考え方
でございますから……。
平井義一
51
○
平井
委員
結論
は、
答申
の主体というものが、このくらい
統合
しても、このくらい人間を減しても能率は下らぬという、私は能率本位で
答申
をされたんだと思うんだが、これは経費の節減と両方あ
つて
もいいというようなことになれば、これはあるいはまが
つた
整理
もしなければならぬということになるので、これくらい人間が少くても能率は少しも下らぬ、むしろ上るんだという、やはり一つの大
方針
は能率というところに置かなければ、これは
ちよ
つと話がおかしくな
つて
来ると思う。そうでなければ、能率が下るじやないかと言われれば
整理
ができないということになりますから、あなた方の立場としては常に能率本位ということにしてくれぬと、われわれの
審議
も
ちよ
つとできかねる、こう思います。
村瀬直養
52
○
村瀬参考人
ですからそれは
事務
の
整理
をすれば人がいらなくなりますね。ですから
事務
の
整理
をして
人員
を
整理
するという
建前
をと
つて
おるわけです。
平井義一
53
○
平井
委員
政府
の方で節減したいというねらいがあ
つて
も、あなた方の立場は、能率が第一だ、減しても能率は上
つて
も下らぬ、
統合
して課や係を廃止してもいいということにしなければ、ただこれをこうすればこれくらい減るんだということでは困るというわけでございます。
村瀬直養
54
○
村瀬参考人
それはそうであります。
山崎巖
55
○
山崎
(巖)
委員
私は
人員整理
ということもあわせて相当
考え
なければならぬじやないかと思います。もちろん対象は一般の公務員ですからそれが中心になることは当然であろうと思いますが、この
内閣
からお配りに
なつ
た表を見ましても、
現業
官庁でも相当尨大な
人員
が増加しております。鉄道が
昭和
六年は十九万人であ
つたの
が現在は四十四万、電気通信事業が
昭和
六年が十万だ
つたの
が現在では十五万八千、こういうふうな膨脹をしておる。むろん今日
行政
が非常に高度化しておりますから、
人員
の増大が必要でありますけれども、
現状
から見ますると
人員整理
というものもあわせて相当
考え
て行かなければならぬ、こういう感じを持
つて
おります。
村瀬直養
56
○
村瀬参考人
繰返して申し上げますが、単に
人員
を
整理
して能率が非常に落ちるというようなことをわれわれは
考え
ておるわけじや全然ないのでございます。
人員整理
は必要である。しかしながら決して能率は下らない。能率を下げないような
方向
において
人員
の
整理
を
考え
るということを繰返して申し上げておるのでございます。
稻村順三
57
○
稻村委員長
今
山崎
君が言
つた
例は、それはいい一つの例ではありますが、ところが
考え
てみると、前の鉄道にはほとんど超勤手当も出さず、ま
つた
くの単純なる労務者ですよ。単純なる労務者に超勤手当も出さず、それから夜勤手当もろくにやらぬで、ただ官吏としてだというので強制的に働かして来たのだが、今では労働
基準
法だとかあるいは労働組合法だとかいうようなことがあ
つて
、これができなく
なつ
たために人間をふやさざるを得なく
なつ
たということになれば、前に四十何万人の人間を使
つて
お
つた
ものが、今十何万人でや
つて
おること自身が文化
国家
として非常に低度なものだ
つた
ということが
考え
られるので、その点を
考え
ておく必要があろんじやないでしようか。そういう社会
情勢
のかわ
つた
ことを全然無視して昔に返れという立場は、むろん
審議会
の方でもお取上げにな
つて
おらないのではないですか、どうですか。
村瀬直養
58
○
村瀬参考人
もちろんそうですね。また
山崎
さんのおつしやるのは、昔に返れというのでなしに、ただ場合によ
つて
は人が非常にふえると能率を阻害するというような場合がございますよ。ですから、できるだけ人を減してとおつしやるのも、もちろん能率が落ちてもいいというようなことをお
考え
にな
つて
いる
意味
じやないと思います。
山崎巖
59
○
山崎
(巖)
委員
今の日本の人口は非常にふえておるのでありますし、
行政
のやり方も非常に高度化して来ておりますから、そういう点で人間がふえるということは当然だと思います。われわれこの表を見ましても、全体の総計のところをごらんになりますとおわかりになるように、
昭和
六年のときは陸海軍が入
つて
お
つて
、それを差引いても八十万です。それが今日では百五十二万六千、これもどうも私はちつと尨大になり過ぎているんじやないかと思います。
稻村順三
60
○
稻村委員長
それは
公共企業体
も全部入れて…。
山崎巖
61
○
山崎
(巖)
委員
入れております。そういう点をあわせて
考え
なければならぬと思う。もちろん能率増進も
考え
なければならぬことはお話の
通り
であります。
稻村順三
62
○
稻村委員長
それからもう一つ関連して御
質問
したいのは、
事務
の能率化というようなことと関連して、
事務
の機械化ということについては
答申
の場合にお
考え
になりましたか。
村瀬直養
63
○
村瀬参考人
どういう行き方をするかということは具体的に研究しなければなりませんが、全体の
方針
として、
事務
の
簡素化
をするとか機械化するとかいうようなことは、もちろんみんな異口同音に
言つて
お
つた
ことでございます。ただ機械化と一口に申しましても、具体的にどういうふうにするかということは非常にむずかしいものですから、具体的の問題については、なお
政府
の力で十分研究してもらいたいというふうに
考え
ておりますけれども、根本の
方針
としては機械化ということも一つの大きなねらいどころであるというふうに
考え
ております。
山崎巖
64
○
山崎
(巖)
委員
杉村さんに
ちよ
つとお伺いしたいのですが、
地方
制度
調査
会の
答申
に基いて
出先機関
の
整理
に関する
意見
が出ておりますが、ここに例示がありますようなものを
整理
することは非常に無理が来るような感じを持つのです。
地方
制度
調夜会の方でお
考え
にな
つて
おります一、二、の例を見て具体的にお話願えればけつこうです。
杉村章三郎
65
○
杉村参考人
それはどういう……。
山崎巖
66
○
山崎
(巖)
委員
地方
制度
調査
会の方はここで、
府県
区域またはそれ以下の管轄すべきものを
整理
する、それから
府県
の区域を管轄するものについての
整理
を下ると具体的に例示してございますが、これを一々見ましても、これを
府県
に委譲することがなかなか困難な役所ばかりのような感じを私は持
つて
おるのです。
行政制度
審議会
の方でお
考え
にな
つて
おりますのはこういうものでしようか、具体的に例をひとつ示していただくと非常に参考になるのですが……。
杉村章三郎
67
○
杉村参考人
そういう
地方
精度
調査
会の
答申
がありましたので、それに歩調を合せて一応出しているわけでありましてやはり同じ
制度
の
委員会
ですから、そう別の視点で
答申
するわけにも参りませんですからこういうような抽象的なことに
なつ
た次第であります。実は私の
考え
は、先ほど下川さんからいろいろ御
質問
がありました
通り
、
地方
制度
調査
会の
出先機関
の問題については
行政審議会
と共同で
考え
ることの方がまとまりがいいのではないかというふうに
考え
たこともあるわけでありますが、この具体的な問題につきましては、これは大体
地方
制度
調査
会の方に一応まかしてあるというふうな形でございます。ですから具体的にいいますれば、お説の
通り
私としても従来の
考え方
の上から申しまして、あの列挙というものはあまり重きを置くべきものではないのじやないかと私個人としては
考え
ております。もつと
調査
に時をかけて、はたしてできるものかできないものかということを
調査
して
結論
を出さなければならぬのじやないかという気がいたします。
下川儀太郎
68
○
下川委員
それに関連して、
地方公共団体
に
出先機関
を
統合
したりあるいは委任する場合、その財政的な
措置
は国から平衝交付金というような形で含んで持
つて
行くものですか。従来の
出先機関
の費用ですね。それを
地方公共団体
に委管する場合、あるいは
統合
する場合、その財政の裏づけはどういう形ですか。
杉村章三郎
69
○
杉村参考人
地方
財政法でしたか、
事務
を委任する場合には財源
措置
を講じなければならぬという規定がありますね。それを考慮して私は
考え
ておるわけです。
下川儀太郎
70
○
下川委員
それが
地方
においてはきわめてずさんな形でやられておる。それをやはり
答申
の中で明確にや
つて
いただかないと、たとえば先ほどの入場税とか飲食税の問題、これなども天引きして持
つて
来るので、結局
地方
財政の破綻になるのです。これが明確にされれば、これはいろいろと簡素とかあるいは能率的な面が出るかもしれないが、財政の面は天引きされて来る。そして人間だけが押しつけられて来る。そうすると
地方
財政が破綻してしまう場合がある。それをどういうふうに
考え
ますか。
杉村章三郎
71
○
杉村参考人
それはほんとうにお説の
通り
でございます。私
地方
制度
調査
委員会
議の
委員
をしておりまして、そういうことは非常に痛感しております。
下川儀太郎
72
○
下川委員
一応例に載
つて
おりますね。そういう形の名で載
つて
おります。しかし実際の面においてそういう面はルーズだと思います。
杉村章三郎
73
○
杉村参考人
そういうことだろうと思います。しかしやはり今までの
行政
のやり方、国と
地方
団体の
関係
、ことに
府県
との
関係
が、やはり
府県
が国の
出先機関
というふうに
考え
ておる
考え方
が、ずつと継続して今でもあるというように私は
考え
ております。だからそういう点をもつと――私どもは
責任
の明確化、そういうことを言うわけなんでして、
事務
をやらせるならやらせるで、それをただ国の
機関
としてやらせるというのではなくて、
地方
団体なら
地方
団体としてやうならばそれだけの財源の裏づけをしてやらなければならぬ、そういうことは当然だろうと思います。
平井義一
74
○
平井
委員
それでは関連してお伺いしますが、たとえば遊興飲食税、入場税が非常に多い県と少い県というので、非常にこの問題が違
つて
来ると思うのですが、県によ
つて
特別静岡などは、ほんとうに多いとい
つて
もそれがはたして裏づけがあるかどうかということは国が見きれない。そこの点は県別に平衡交付金なりその他の財政の裏づけを
地方
団体にしてや
つた
らどうか。これはあなたたちの職責ではないと思いますが、そこまで
考え
なければ実際はいかぬと思います。
下川儀太郎
75
○
下川委員
だから抽象的な
答申
を持
つて
来られて、それをそのまま
政府
が
ちよ
つと手を加えられた程度でやられると非常に迷惑する。先ほどの能率増進の問題もそうなのですけれども、これには能率増進でしようけれども、やはり
人員整理
の問題が出て来る。
人員整理
されれば経費が縮減されるのは当然です。そうなろと大きな犠牲の上で能率増進をさせられる。昔のように牛馬のごとく酷使されるような封建的な形がとられて来るようなことにな
つて
、抽象的なこういう
答申
が結局大きな犠牲を伴
つて
来る。そして社会不安を醸成する。
地方
財政は
地方
との委管問題で破綻を来す。そのような複雑な事購情でこういう
答申
が出て来る。だからこの
答申
は感覚的にずれがあると
考え
るのですが、財政の裏づけのない
答申
は非常に困ると思う。
山本正一
76
○
山本
(正)
委員
村瀬参考人
に二、三お尋ねいたしますが、今大分技術的なお話が入
つて
いるようですが、
ちよ
つと
原則
均な問題ですが、この
審議
の過程において日本の人口、同時にまた面積、こういうものが一つの基本にな
つて
おります。そしてそれには、いろいろ面倒な、要素が伴うと思うのですが、国民の思想、それから経済、その一部分をとりましても、治安
関係
の職員というものの確保ということが
考え
られるのですが、国民の経済力あるいは思想動向ということによ
つて
治安の状態が違いますから、そこで治安
関係
の職員の数というものはよほど考慮が払われて来ると思う。それからまた治安を確保することについて国民生活の、特に居住性――こまかく言いますと、建物が比較的堅牢であ
つて
、治安的に非常に容易である、あるいはまた交通
関係
、通信
関係
あるいはまた一般教育の程度が非常に水準が高いというふうなことで、治安を確保する職員の要求量というものがよほどまた考慮に加えられると思うのです。この御
審議
の過程にはそういうような点が十分考慮されているとは思うのですが、何かこの
答申
の中に入
つて
いるような部分がありますればお聞かせ願いたい。
村瀬直養
77
○
村瀬参考人
ただいま
山本
さんのお話のように、
答申
の中に具体的に表現していないと思いますが、今お話のような戦後における日本の、たとえば領土とか、人口とか、そのほかいろいろな
情勢
から見て、どうしても現在の
情勢
がもちろん考慮の中に入
つて
おりますが、その
結論
として現在の
行政機構
が非常に
実情
に合わないほど複雑にな
つて
いて、また
人員
が相当に尨大にな
つて
おる。
従つて
これらをできるだけ
整理
をして簡素にして行くことが戦後の日本の諸般の
実情
によく合うものである。こういうことを前提としてこれらの
答申
ができております。
山本正一
78
○
山本
(正)
委員
そこで今の問題の
結論
的なことになるのですが、大体日本の今の
国情
において、人口が何名に対してどういう種類の職員何名ということは、一応統計というほど厳密なものでないにしても、おおよその数が基本的に何か
考え
られましようか。
村瀬直養
79
○
村瀬参考人
それは大体その数から
結論
が出るかどうかはわかりませんが、現在の
実情
から見ると、人口に対して役人の数が昔に比べまして非常に多い。
従つて
これらを適当な数に縮減しなければならぬということは、大体一般の輿論だろうと思うのです。
従つて
その前提の上においてできるだけ縮減をする。しかしさつきお話のように、それがために能率を阻害するということは適当でありませんから、能率を阻害しないという点を十分に考慮に入れて、たとえば
行政事務
の方を
整理
してそして人を縮減する。しかしそういう問題が起
つて
来るゆえんのものは、要するに現在の諸般の
実情
から見まして、官吏の数が多過ぎる。
従つて
どういう種類の官吏が幾ら、人口何人に対して一人でなければならぬ。そういうところまではかげんはとれませんけれども、全体の客観としてこれはもうほとんで一般の輿論として日本の終戦後の
実情
、諸般の
情勢
から見て役人の数が多い。
行政機構
が複雑にな
つて
いるということは、これは問題はないところだろうと思います。そしてこういう
審議
が行われたれたのでございます。
山本正一
80
○
山本
(正)
委員
これは先生にお尋ねするのはあるいは角が違うかもしれませんが、実はこの
委員会
でさきに
自治庁
長官
から簡単にお話があ
つたの
ですが、その中の一説に
行政機構改革
の一つの構想をお示しにな
つたの
ですが、たとえば
国家
警察の要員であるとか、あるいは保安隊、警備隊の要員であるとかいうようなものは持殊の事情があるから
所管
大臣
におまかせ願うことが望ましいと思
つて
、
自治庁
が今立案しておるものは、これを一応除いたという趣旨のお話があ
つたの
です。それでこのお話を平面的に
考え
ると確かにそう思います。けれども特殊の事情の
内容
を見ると、程度の差はあれ、どの省のどの部門にもみんなそれぞれの
特殊性
は持
つて
おる。そこで漠然と事情が特殊なるがゆえに総合的の
行政機構
の構想からはずして行くことになりますと、たとえば今お話に出た
国家
警察にしても、保安隊だけに例をとりますと、これをはずしてしまうと全体の総合的な
行政機構
の姿が非常に乱れて来るのではないかということを私は非常におそれておるのですが、これは他日の機会に
所管
庁に聞きたいと思いますが、先生の御
意見
はいかがでしようか。
村瀬直養
81
○
村瀬参考人
それはお話の
通り
であると思います。
特殊性
ということを申しますと、どの
仕事
でも多かれ少かれ
特殊性
を持
つて
おるということはあると思います。しかしながら程度の問題でございまして、その中で
特殊性
の非常に顕著なものとそれほど顕著でないものとがおのずから存在する。
従つて
その非常に
特殊性
の顕著なものはこれを除外をして行く。それほど顕著でないものについては、これを一体として観察をして行く、もつとも実行の場合においては、それぞれの場合においてそれぞれ違
つた
方策が出て来ると思いますけれども、その中で
特殊性
の非常に顕著なものは一応これを別にするという
考え
も成り立ち得るだろうと思います。
山本正一
82
○
山本
(正)
委員
これはさつきも申しました領土であるとか、人口であるとか、それに伴う諸般の環境、これを主としてさつき先生がお話に
なつ
た
行政
能率の方に重く考慮を払う。能率というものはやはり面積とか、人口とか、それに伴う経済力、思想動向、交通、通信の事情とか、すべての環境から必要とする最小限度の能率は確保しなければいかぬ。それと一面先生のお話は私にはよくわか
つて
おりますが、国民生活に必要な最小限度の
行政
能率というものは確保しなければならぬ。それをやりながら経済負担を軽減して行く。これはよくわかりました。そこでその経済負担を軽減するという基本は、やはり国民所得というものが一応の
基準
になるだろう。第二は、
地方
にしても国にしても、考慮の
方向
としては、財政的に統計の上に占むるところのこういう経費のパーセンテージがどろいうところにひつかか
つて
来るかということになるのだろうと思う。それについて日本の国民所得とか、
地方
財政、こういう財政の統計の上に占むるこの種類の経費のパーセンテージが、はたして国民個人の場合、国もしくは
地方
自治体の場合において、たえ得る限度であるかどうかということも十分考慮いたさなければならぬと思います。
村瀬直養
83
○
村瀬参考人
それはごもつともだと思います。全体の国民所得の上からこういう
行政
的の費用がどのくらいあるかというようなことはもちろん正確な、数字はあると思います。ただここには持
つて
おりませんが、しかしこれらの具体的の数字に入
つて
からも十分に
説明
はできると思いますが、入る前にもうすでに非常に
行政
規模が拡大しておるということは一般の常識だと思います。たとえば先ほども申しましたように、これは中央じやございませんが、
府県
について申しましても、警察あるいは教育というような
方面
の
仕事
がなくな
つて
おる各
府県
の
仕事
が
機構
の方から申しますると、それらがあるときの
機構
の何倍にもな
つて
おるというようなことは、いかなる観点から見ても妥当なものとは
考え
られないのではなかろうか、こう
考え
ております。もつともそれを正確に御
説明
申し上げまするについては、あるいは
事務
的に、あるいは国民所得というようなものと、
行政
費がどういう割合にな
つて
おるかということは十分に
説明
がつくと思いますけれども、ただいまここで御
説明
いたしかねますが、これらがなくても当然そういう一般の見解から申しまして、そういう
結論
が来るのだと
考え
ております。
平井義一
84
○
平井
委員
ちよ
つと
最後
に一点だけお聞きしますが、
行政制度
の
改革
に伴う
人員整理
という場合において、停年制というものをしくのが妥当と思われるかどうか、もし思われればこういうむずかしいことをやらんで、年をと
つた
者を
仕事
のひまな係、あるいは部課に向ければいいと思います。賛成ならばその点をひとつお聞かせを願いたい。あまり複雑にや
つて
、しまいには何もなか
つた
というようなことでは困りますが、この点いかがでしようか。
村瀬直養
85
○
村瀬参考人
一般
行政
官について、停年制の問題は一ぺんも議論に上
つた
ことはございません。またこれは個人になりますが、停年制とい
つて
も人間は人によ
つて
みんな違います。ですから一律の停年制をも
つて
律するということは、はたして妥当なりやいなや。また現実において停年制を設けて、惜しいような人が
仕事
につけないというような場合をずいぶん私は見受けるのでございます。
従つて
行政審議会
では停年制の問題は一ぺんも議論に上
つた
ことはございません。また実際において停年制を――裁判官とか何とかいうようなものは別かもしれませんが、一般の
行政
官について停年制を設けるということはいかがなものであろうかと私は思います。これは個人の
意見
ですが、実際は停年制にひつかかるまで
行政
官というものはおらないのであります。
平井義一
86
○
平井
委員
それはそうでもない。年寄りはいやがるけれども、これは
地方
に及ぼす影響が大きいのです。御承知のごとく
地方
の公共団体になると、七十にな
つて
も勤めております。特殊な人以外は、停年制をしいてもそこまで勤める人はおらぬというなら、それはいい。
村瀬直養
87
○
村瀬参考人
しいても
適用
がないというのならばなおよいとおつしやいま出すが、他方から言えば必要がないということも言えるのです。それから実際停年制とい
つて
も、人間のインデイヴイデユアリテイがありますから、一率に年だけでも
つて
何か
基準
をつくるということがはたして適当であるかどうかということは少くとも非常に疑問があると思います。
稻村順三
88
○
稻村委員長
それでは本日はこの程度にとどめまして、次会は
委員長
におまかせくだされば、公報をも
つて
お知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十二分散会