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1953-11-06 第17回国会 衆議院 大蔵委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十一月六日(金曜日)     午前十一時十二分開議     —————————————  出席委員    委員長 千葉 三郎君    理事 淺香 忠雄君 理事 大上  司君    理事 坊  秀男君 理事 内藤 友明君    理事 佐藤觀次郎君 理事 春日 一幸君    理事 山本 勝市君       大平 正芳君    黒金 泰美君       苫米地英俊君    藤枝 泉介君       宮原幸三郎君    三和 精一君       福田 繁芳君    本名  武君       小川 豊明君    久保田鶴松君       柴田 義男君    井上 良二君       平岡忠次郎君    福田 赳夫君  委員外出席者         大蔵事務官         (管財局長)  窪谷 直光君         大蔵事務官         (管財局国有財         産第二課長)  牧野 誠一君         参  考  人         (日本大学教         授)      井関 孝雄君         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 十一月六日  委員石橋湛山君辞任につき、その補欠として島  村一郎君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  閉会中審査申出に関する件  小委員会設置に関する件  参考人より意見聴取の件  麦食普及推進に関し農林委員会に申入れの件  委員会の所管に関する件  金融に関する件  国有財産管理状況に関する件     —————————————
  2. 千葉三郎

    千葉委員長 これより会議を開きます。  本日は、まず金融に関する件を議題といたします。本件に関しまして、年末金融対策の一環としての庶民金融対策について、日本大学教授井関考雄君に参考人として御出席願つておりますので、この際本問題について忌憚のない御意見を拝聴いたしたいと存じます。井関さんお願いいたします。
  3. 井関孝雄

    井関参考人 まとまつたお話は、私何もないのでございますが、さしあたり、御承知のように日銀あたりで非常に金融の引締めをやつておるというように新聞でも承つております。それから一般銀行が、将来の中小企業者自由競争の激甚を見越してでありますか、自分企業の傘下のいわゆる系列金融の方へ主力を注いでおるというようなことで、一般のそれ以外の中小企業者の方へは、わくをだんだん縮めて来るというような状態が見えますので、かなり年末の中小企業金融は、一般中小企業に対して苦しいのではないかというふうに考えております。  しからば一体応急的な措置としてどういう手を打てばいいかということになりますと、私自身も実は名案を持つていないのでありますが、資金をなるべく銀行その他特に下層の金融機関信用金庫信用組合に流して行くという方法以外にないと思います。従つて今度その措置をとられました預託金引揚げの延期は、これは一般金融界に、特に年末金融に対して相当の効果があるのじやないか、かように考えておるのであります。ただ根本的に申しまして、この預託金期間は、制度として今まで非常に短期に出されております。ところが末端金融機関では、この資金を貸し出す場合に、長期金融をやりたくてもやれないというので、金融部面には短期に出す以外に方法がないので、短期に出しております。さらに末端の小さい金融機関であまりすと、どういたしましても月賦償還方法による長期貸付をとりますので、この資金をそういうふう使うことができないというので、従つて連合会預金にしていつでも返せるようにするとかなんとかいう方法で、実は貸付金には主としてまわしていないようであります。ただ間接的に、自分資金連合会出資し預託する金がいくらか緩和されますので、間接的には役に立つておりますが、なるべくこの預託金長期にいたしたらどうかというふうに私は考えております。それから国民金融公庫方面にも、むろん年末資金でたくさんまわしてあげた方が、店も多くなつているし、非常に効果的に、有効に年末に使える。これは御承知のように、直接店のみならず、間接に代理店の方へ参りますので、かなり広範囲の中小金融になりはしないか、かように考えております。しかしこれとても、むしろ皆さんも御承知のように、直接貸付の方で、人員が少くてとても消化するのに限度がありますから、ある一定の限度を越えての消化は、期間も短かいし、年末金融としてはそう多額の金額消化はむずかしいのじやないか。二十億くらいやれば、あるいは消化できるかとも考えますが、その点私最近の情勢を存じませんので、どの程度消化できるかということは、私ここではつきり申し上げることはできませんが、大体そのくらいの見当じやないか、かように考えております。その他劈頭に申し上げましたように、末端金融機関へ何らかの方法資金の流出ができると、これまた非常に役に立つと思います。これには預託金以外には例のないことでございますから、どういう方法でやるかということは、私自身も目下のところ具体的な方法はございません。  応急的の年末の金融対策といたしまして、私の考えております概要は以上の通りでございます。その他これに関連して皆さん方で何か御質疑がございますれば、私の知つている範囲でお答えいたしたいと思います。
  4. 千葉三郎

    千葉委員長 以上の御意見につきまして、御質疑がありますればどうぞ……。
  5. 山本勝市

    山本(勝)委員 参考人に伺いたいのですが、御案内の通り保全経済会が問題になつております。なおそのあおりがいわゆる株主相互金融方面にも波及いたしております。保全経済会の場合は法務委員会その他でも問題になつておるようでありますが、これは法律的な見地から違法かどうかという点で問題にされておるのだと思います。こちらの委員会としては、金融、ことに庶民金融という見地からこれらの問題にいかに対処すべきかということが大きな課題になつておるわけであります。ああいうものが生れて来るには一つ理由があると思います。また同時に放置すべからざる欠点もある。保全経済会もそうでございますが、なお株主相互金融という、ああいう組織に対してどういうお考えを持つておられるか。またこれを改善して行くとすれば、どういうふうな改善すべき点があるかというふうなことで、お考えがございましたらお聞かせ願いたいと思います。
  6. 井関孝雄

    井関参考人 保全経済会問題ですが、類似匿名組合、あるいは株主相互金融、こういうものの続出について私はかねがねから多大の興味を持つて参りました。皆さんも御承知通り匿名組合は、金融業を営まないで、匿名組合によつて大衆資金を集めてその大衆資金投資する。事業性質といたしましては金融機関じやないのじやないか、しかし大衆から金を集めるという方法は、他の各層の人も言われているように、銀行その他ではなしに、投資信託みたいな広い意味の金融機関という形で大衆の金を集めておるのじやないか、これは何らかの形でやはり取締る必要があつたのじやないか、かよう旭考えております。匿名組合は、御承知のように商法上は、また経済行為といたしましては、数人の親戚もしくは知己から出資を仰いで、それで事業をやるのが匿名組合の本来の性質だと思います。これは立法当時の参考書をさかのぼつて調べればおそらくそうなつておると思います。ところが保全経済会の場合は、その特定の親威友人の数人の間の出資を集めるという形式を、不特定多数の人から集める形にかえて来た。そこに今回の問題があつたのじやないか。立法趣旨がそうでありますれば、それをかえて解釈して、不特定多数から集めたのですから、商法上の目的以外のものに使われる。これは根本的にいえば商法がそういうふうに不完全でありますれば、商法改正をする。もし商法改正ができないとすれば、ほかの行政的処置によつて取締るべき性質だと思います。これは初めから一割とか八分とか言いましたが、だんだん五分に下げ、三分に下げ、二分に下げて行きましたが、そういう月八分だの五分だのとい、つた金利を払うような有望な投資は、常識的に考えてあり得べからざることだと私は考えております。被害は、地方におきましては、——郷里へ帰つておりまして郷里の話を聞いたのですが、香川県で約三億、徳島県で約四億、ちようど私池田の町で話を頼まれてしたのですが、そのとき来た聴衆、この人も被害者であつたらしいですが、体裁が悪いというので、自分でもあまり世間言つていない。そこで三億、四億というのは表面に出たもので、もう少し多いのじやないかと言つておりましたが、とにかく多数の人は迷惑を感じております。但しこの金は、ほかの預金を下げたというのでなしに、その預金は主としてタンス預金のような性質のもの、もしくは不動産あたりを売つて金にかえてやつたというようなもので、金融的影響はない。むろん未亡人その他の零細金融は集めておりまして、生活には困りますけれども、経済的に活動しておつた金はあまりないようであります。そういうふうなほかの預金をここへ吸収して来たというようなことじやないと思います。しかし私考えますのに、今までの金融機関がこういう金を集め得なかつたということは事実だと思います。銀行にいたしましても、積極的な活動をいたしておりません。信用金庫にいたしましても、ああいう組合金融ですから、個人営業をやるように積極的なすみずみまで行き渡つた預金の集め方はいたしておりません。なぜならば、そういうふうにして資金を集めますのには、非常に資金コストが高くなります。一方今の合法的な機関におきましては、貸出しの金利を押えられております。たとえば相互銀行においては大体日歩三銭五厘、信用金庫あたりにおいては、確かな記憶はありませんが、四銭五厘から五銭の割ということで頭を押えておる。従つてこういうコストの高くつく金をすみずみまで集めることはできなかつた。そこに一つのねらいがあつたんじやないか、かように考えております。もう少し高い金利を許して、高いコストの金を使つてもかまわぬように、小さい額の貸付一般金融機関違つた今でも多少は違えておりますが、もう少し違えて、高い金利を入れて高いコストの金を使つてもできるようにやらして行くという方法がいいのではないか、かよう考えております。  それから性格は違いますが、類似のもので株主相互のものでありますが、私は大局から見て、こういう機関は圧迫しても次から次へ出て来ると思うのです。古い例を顧みてみますと、無尽業法ができます前に、頼母子会社無尽会社信託会社——信託業法ができない前ですが、そのときにそういうものが族生いたしまして、時の検察当局が、別の立法をするでなければ、こはをつぶすということであつたわけですが、これは無尽業法をこしらえましてようやく免れたのであります。その後法律ができましても、昭和六、七年ごろだと思いますが、もうすでに金融機関が完備いたしておりますにもかかわらず、モーリス金融なんかがある。ごく最近では、また無尽業法ができましたにもかかわらず、例の殖産会社殖産会社のある部分殖産無尽になり、小さい残つた部分株主相互金融になつている、それをまねてやつたわけであります。この株主相互昭和六、七年ごろできたモーリス金融と全然同一なものでございます。そういうふうに、零細庶民金融は、俗な言葉で申しますればちよ売春婦と同じように、私はいかなる法律をもつてしてもできると思います。それは組織的な金融機関として行き届かないところが私はあるからだと思うのです。今度のそういうものができましたのも、国民金融公庫におきましても、一般経理機関みたいなところで人員を増してみても、町のすみずみまで村すみずみまで行くということはおそらく不可能であります。それから信用組合信用金庫相互銀行にいたしましても、信用金庫はだんだん上の方へ行きます。その方は楽なので確実なところへ貸せます。金利の確実に入つたり、返還日もはつきりするので、だんだん上の方へ行くわけです。これは一つ目的を持つた企業体としてはいたしかたがない。むしろ地方信用組合あたり、あるいは農業協同組合あたりにはもう少し積極性を持たせればよいのであります。これも組合員中心のものですから、外部へ働きかけて行くには積極性が少い。積極性が少いと申しますのは、さつき申しましたように、貸付金利を押えられておりますので、すみずみまで高い募集のコストをかけて預金を集めても、貸付金利は低く押えられる、それで引合わぬところからこういう結果を来した。だから私は、いいにもしろ、悪いにもしろ、むろん欠陥もあろうし、いい方面もありますが、既成の金融機関がそこまで手が届かぬところをねらつて自然発生的にできた、かよう考えております。  そこでこれはこのまま放置していいかどうかということを考えますと、元来今の金貸しというものは、届出制度みたいでは、相当な高金利は許しておるのです。さきの相互銀行の三銭五厘、信用金庫の四銭五厘、五銭以上の日歩五十銭まで許しておるのであります。日歩五十銭の当否は別として、相当高い金利をとることができるのですから、これは企業として成り立ちはしないか。しかし今の形のものでなく、許可制度にして、相当いい人物——法律がないものですから、いい人物でない、いいかげんの連中が金が三十万か五十万あればやるというのですから、大きい相当の人がやればもう少し一般資金も集りますし、また一般資金が集まらぬにいたしましても、相当高い金利営利事業としてやらせれば行きやしないか。そうすると、そういう寝た資金の、株主相互経済保全会行つた資金が得られはしないか。それにはいい人物で、相当資本を持つた連中だけを許可営業する、こういう方針をとるのが一番いいのじやないか、こういうように考えております。しかしそれだからと申しまして、ただちに現在の株主相互自体をそういうものに認められるかどうかということについては、私は疑問を持つている。なぜならば、私は現在の株主相互自体がはたして企業としてペイしているかどうか、これが私にはまだ納得が行かない。決算報告を見ておりませんし、会社の実態をつかんでおりません。しかし一般的に原則的に言つて、営利的の高い預金金利を許し、高い貸付金利を許せば、相当人物を集め得る。しかも資本力相当つた個人的企業体を許せば、そういうようにすみずみまで行くのじやないか、また監督も十分できやしないか、かよう考えている。これが私の庶民金融に対する全般的な意見でございます。それに関連いたしまして何かはかに御質問がございますれば、お答えいたします。
  7. 福田繁芳

    福田(繁)委員 ただいまの参考人井関教授の、むしろ井関教授大学教授というよりも、中小金融問題に対するエキスパートである、権威者である。こういう意味合いではわれわれは非常に常日ごろ敬意を表しているわけである。そこでただいま山本委員の御質問に関連して、そういつた立場から率直にひとつあなたの御高見を伺いたい、こう私は思うのであります。今あなたのお話の中に上つておりますところの株主相互という金融業者でありますが、これはできまして、聞くところによりますと、もうすでに三、四年は経過しておるという。ちようどその間はあなたの庶民金融、いわゆる国民公庫最高幹部というお立場でつぶさに手にかけられ、それをながめておられたはずなのである。そういう現職にあられたあなたとして、株主相互金融というものは、その当時の中小企業連中金融問題として貢献するところがあつたか、あるいはは害毒を流しておつたかということを、率直に御高見を承ればわれわれ参考になると思う、まずこれから伺いたいと思う。
  8. 井関孝雄

    井関参考人 今までにあります株主相互害毒を流したか、それとも中小企業者に利益をしているかという福田委員の御質問でございますが、私自体も、健全なる発達を初めから祈つてつた。というのは、個人の小資本金貸しがやつている、たとえて近い例を申し上げますと、私がやめました後に小坂という全国質屋組合長が、井関さん、退職賜金をたくさんもらつたでしようが、私のところで月四分で預かつてあげますと言う。そういう零細企業金融資金源を持つていない。銀行から金を貸してくれません。どういうところから金を得ておるかと申しますと、親戚友人知人あたりの金を預かつてつておるわけであります。それで資金源が高くなるわけであります。三分か四分でなければ、ほかのものに投資することになる。質屋なんかもそれである。そこで質屋が現在月一割で、小さい資本営業をやつている。四分の金、あるいは高いときには五分の金を他人から借りて質屋をやつておる。そうすると株主相互というものは、合理的にやれば私は大体引合うのじやないかという考えを持つてつたんです。ところが現実に各会社利害得失をよく見てみますると、害毒を流したところもある。これは現につぶれたところを私たくさん知つておりますが、小さい資本のところで長野県、福島県その他でつぶれた例を知つております。  それから役に立つた例は、中小企業者に接してみましても、公庫行つても一箇月も一箇月半もかかるのでは困る。とにかくあそこに申込めばすぐ貸してくれて役に立つのだ、特に一万円から五、六万円くらいの金はすぐ役に立つのだというので、役立つた例としては、われわれの手の届かない部面があつたということを私は知つております。従つて功罪相半ばすると申しますか、質屋の例をとつてみましても、相互銀行信用金庫以上の高い金利をとつておるのですから、まじめに経営すれば私はできるんじやないか、かように考えておるのですけれども、個々会社が、はたしてその経理がうまく行つておるかどうかということについては、私は決算報告も実はのぞいておりませんから、いいか悪いかということの判断はつかないのですが、ただ質屋あたり営業から見て、大資本でいい人物がおつて、まじめにやればやつて行けるんじやないか、おぼろげながらそういう結論を持つておるのですが、個々会社に対しましては何とも言いかねます。
  9. 福田繁芳

    福田(繁)委員 先ほど山本委員の御質問に対して、中小株主相互金融といつたようなものは売笑婦みたいなもので、断とうと思うても断つことができない。必ず出て来るもんだというようなお話もありましたし、また今不肖私の質問に対しての、いわゆる株主相互というものは功罪相半ばするものであるということで、しかも、ある程度詳細に伺うことができたんですが、そこで私はもう一つ率直に掘り下げて伺つてみたいのですが、株主相互は御承知のように、世間で今ああいう実情にあるのです。われわれ立法府におるものとしましても、大蔵当局の御意向もわかつておるので、これをいかに処理するか、これ以上時間的に傍観するわけに行かぬという立場に実は立つておるわけなんです。そこであなたはそういつた経歴もあられ、またそういつたところを御研究されて来られましたあなたとされて、これを一体どうすればいいか。言いかえれば、大蔵当局金融方針に基いて事実上これをぶつつぶせばいいか、それとも売笑婦のごとくにつぶしてもあとからどんどん出て来るに違いないのだというところの、実際扱われておられたあなたとしてはそういつた御見解もあられるわけであるから、どうすればいいかということを、実際その部門に携わつておられた立場として御意見を伺えると、立法府のわれわれとしてこれを処理するのにたいへん参考になると思いますから、もつと掘り下げて御高見を伺いたいと思うのであります。
  10. 井関孝雄

    井関参考人 大蔵省当局で、大体現在の各会社内容は御検査になつてつておられるのじやないかという気がするのですが、あるいは知つておいでにならぬかもわからぬのですが、そのうち弊害なくていい会社があれば、私は私の持つておりました別の案、個人金融業として株式的なものでやらしてみたらどうか。しかしこれは経営者経歴、それから資産状態を見て転換してやる。悪いのは必然つぶしていいのじやないか。また新しく出願があれば、人物資本力をよく見て許してやつてもいいのじやないか、こういうふうに対策としては考えておるのであります。ただ小さいものがたくさんありますので、中には悪いのがあるのじやないか。私の県に行つてみても、県に質屋があるそうで、県の模様を聞いたのですが、一社だけは確実にやつておる。人もまじめにやつておるし、いいのじやないかという話も承つております。一社は確実だということを言つておりました。これも私は経理内容を見ておりませんので、それがいいかということになると、金融業をやつている人だけのうわさだけでありますから何でありますが、現在の会社を一応調べてみて、経理内容人物を見て、経営がやつて行けるものならば許してもいいのじやいなか、かように考えております。
  11. 福田繁芳

    福田(繁)委員 教授に対する質問は、相当他の同僚諸君からあるようですから、私一人が独占することは、同郷のよしみのそしりを受けてますから、一点だけで遠慮いたします。ちよつと伺いたいのでありまするが、御承知中小企業金融公庫というものができておるわけなのでございますが、これが立法趣旨は、いまさら申し上げるまでもなく御承知通りであります。同時にまたここ数目来の委員会におきまする同僚諸君からの御意見を承ると、相当立法趣旨と間違つたような結果になりつつあるような御意見伺つて、われわれは非常に失望いたしておるわけなのであります。いわゆる国民金融公庫最高幹部でおられたあなたとして、今日の中小企業金融公庫の行き方をどういうふうにごらんになられるか。もし法案をつくつた立法府のわれわれの失望するような傾向をたどりつつあるとするならば、いかにすればこれを是正できるかといつたことも、今日は国民金融公庫にいらつしやらないのだから、御遠慮なくあなたの体験に基いて批評できるわけですから、御高見を伺いたい、こう思うのでございます。
  12. 井関孝雄

    井関参考人 中小企業金融公庫は、私が前に勤めておりました国民金融公庫の総裁としてこの立場でなしに、これを離れましての意見ですが、その当時から私は、なぜ国民金融公庫にしたか、商工組合中央金庫にいたさなかつたか、こういう疑問が私はいまだに抜けないのです。と申しますのは、それを立てた趣旨あたりからみますると、国民金融公庫になる大口に走つて小さい方の金融がおろそかになる、こういう御趣旨だと思います。これは大口の貸出しには総額これだけの金額を貸し付ける。それから小さいところはこれだけ貸し付けるというように、全然経理を別にしてもできるのであります。現に更生資金引揚者の金は、資金わくを別にいたしまして、更正資金にはそれだけ貸しておいて、それから一方普通国民金融公庫貸付には別な貸付で貸している、こういうことができるのですから、これは経理の取扱いでできたはずです。それから商工組合中央金庫におやりにならせても、経理を別にすれば私はできたのではないかと、かように考えておりますが、どういう根本的の理由がおありになつたのか、この設立の趣旨は私は知りません。それと特に直接の貸出し機関を持たないで、代理業務でやらせた。これは私の方自体にも苦い経験があるのですが、信用金庫にいたしましても、相互銀行にいたしましても、銀行にいたしましても、おのおの自分企業目的を別に持つており、それに使われる傾向がかなりあるのです。つまり抱合せです。これは現に国民金融公庫では監督をやつておりますが、それでも往々検査漏れがある。直接の店をお持ちにならないと、検査を克明におやりにならぬと、どうも公庫自体の本来の目的でなしに、委託した金融機関目的にお使いになる向きがあるのではないか、かように考えておるのであります。しかしこれも検査を克明にやれば是正できるかもわかりません。私の率直な意見として申し上げておきたいのであります。
  13. 山本勝市

    山本(勝)委員 関連質問があつて、途中で切れましたけれども、私はもう少し伺つてみたいと思います。  今、井関先生のお話で非常にヒントを得たのですが、庶民金融をいかにやればいいかという真剣な問題で、従来の金融機関ではうまく行かない。そこで、先生のお考えは、別に金利も高くとるが、高く貸し付ける、そうしてたんす預金その他を集めて、今までの金融機関ではやらなかつたような、資金コストは高いが、そのかわり貸付金利も高い、こういう機関をつくる必要があるというお考えであります。非常に傾聴すべき意見だと承つたのですが、今までの株主相互金融というものを、先ほどおつしやつたように、何か経営者人物とか資金とか、あるいは貸付する場合に、庶民だけを相手にして、金額も十万円なら十万円以下でなければ貸せないとか、あるいはその集まつた金を株式に投資してはならないとか、とにかく庶民の金融ということに関して、貸付金利も高いが、しかし預かる方も高いというふうに、株主相互金融をかえて行くということができるとお考えかどうか、承つておきたい。  それからもう一つついでに伺います。質問はこれだけにいたしますが、株主相互金融というのは——結局貸金業法というものでは、自己資金でなければ貸してはいけないというようなことにきめられているが、しかし自己個人が持つている、あるいは友人だけで持つているような資金では、これはたかが知れていますから、庶民金融としては意味がない。先ほどおつしやつたたんす預金というようなものを集めて来なければやはり意味がないと思う。そこで今までも、事実貸金業が預かり金をやつて、不特定多数の者から預かつてはいけないということになつておるにもかかわらず、これでは何にもならぬから、それで株主という一つの形を整えて貸金業法に触れないように、やつてつたにすぎないと思うのです。ですから、もしこれをかえるとすれば、やはり貸金業法というものをかえて、一方でコントロールにもするが、しかし不特定多数の者からやはり高い金利で集めてもよろしいというふうにしないと、自分の金だけを貸しているというのでは、範囲が狭くて意味がないと思うのです。この辺はどういうふうにお考えですか。
  14. 井関孝雄

    井関参考人 その点は非常にむずかしい問題で、私は実は苦慮いたしているのですが、私が高い金利で集めて高い金利で貸し付けるように改正をしたいというのは、これは、既存の信用組合信用金庫相互銀行、この範囲のものを考えたのです。株主相互の新しい形のものに不特定多数の人の預金を集めるということの善悪、これは、どうも私は経験のない新しい会社については、ただちにそこまで許すことはどうかという考えがある。やはり貸金業は貸金業にいたしまして、相当資本金を持たして、そうして貸金専門でやらせる。これはアメリカあたりでは、いい人が貸金業をやつているのです。小口貸付会社、スモール・ローンコンパニーといつて、それは株式も募集できるし、社債なんかも募集している。一般大衆の金を、つまり企業者の株式の金と同じように集めている。そういう形のものにすれば、いい人が事業をやれば、私は金が集まるのではないかと思う。今の株主相互金融については、そういう人がやつていない。短期に募集している。そうして借りて必要つがあれば株の買いもどしをやつている。そこに資金の行き悩みがある。三箇月、五箇月、六箇月です。それを借りて済むとそれを返さなければならぬ。そうすると新しく募集しないと貸付資金がないということになる。そこに買取り返済ということが起ると思う。この株を普通の株式会社の株にすると、配当があれば配当する、解散のときでなければ、途中で自分たちで売買するのは自由であるが、これを会社で買取りをする、買取りの世話をするというような現在の株主相互のものは資金的に行き詰まりが来ると思う。相当大きい資本を持つて——そうは言いましても、信用金庫ほどの資本力がなくてもいいと思う。そうしてその際大きい既成の金融機関から比べますれば、金利は高いのですから、二銭五厘か五銭にいたしましても、日歩五十銭ですから十倍です。ですから十分の一の資本力でもできはしないか、こういうようにも考えている。この点は、私は新しい金融機関に不特定多数の人の預金を許すかどうかということは疑問を持つております。
  15. 山本勝市

    山本(勝)委員 今のお答えについてちよつとわからぬ点があるのです。先ほどおつしやつた金利を高く預かつて高く貸すというのは、今までの信用金庫信用組合というもののほかに、あるいはその中でもいいのですが、とにかく従来の銀行とか、信用金庫とか、信用組合というものがあれだけの金利で貸したのでは、とても資金コストが高くついて集まらないというものを集めて来て、高く貸すという部門をつくることが必要だというお話でしたが、従来の信用組合を、もう一つ別の信用組合とか信用金庫をつくつて、その中でそういう部門を置くか、あるいは今までの株主相互のようなものをそこに持つて行くのか、とにかく私もそういうものをつくる必要があのではないかと思う。金利は高くても、そのかわり手軽に借りられる、金利が高いのですから、預金も利子が高くなければ集まらない、そういう点は私の理解が間違つていないとすれば、先生のおつしやる御趣旨に合いますか。
  16. 井関孝雄

    井関参考人 それは既成の信用組合信用金庫だと、一応預金の集まる実績を持つておりますし、技倆も持つておるのですが、これが活動するの灯、活動の源泉に少し利益を与えたらいいのではないかという建前から申し上げたわけであります。新しい貸金業を法制化するというのが私の考え方なのですが、新しい貸金業法の法制化は、相当資本を持ち、いい人物を持つておるならば許可するという場合に、やはりそういう不特定多数の人から金を集めてもかまおないように法律上するのがいいか悪いかという御意見ですか。
  17. 山本勝市

    山本(勝)委員 そうです。
  18. 井関孝雄

    井関参考人 これもやはり苦慮いたしておるのですが、それを断言して、それは毛頭さしつかえないとも言い切れませんし、あるいは相当なりつぱな人がやればできるのじやないかというふうにも考えるのですが、しかしこれは預金の吸収をその方にとられやせぬかということで、新しいものにそれを許すということは、一部既成の金融機関からかなり反対があることを予想しなければならない、かように私は考えるのですが……。
  19. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 庶民金融について、いろいろ経験のある井関さんが見えておるのですから、ひとつお伺いしたいと思います。今山本さんからもいろいろ質問がありまして、いわゆる類似金融とか、あるいは最近は保全経済会が問題になつておりますが、こういうことができるということは、社会的な根拠があると思うのです。現にわれわれいなかでは、頼母子講とかいろいろなことで、こういう庶民金融をやつておるわけです。御承知のように、現在そういう金融機関が大資本に圧倒されておる関係上、小資本では金がまわらないということで、こういう事態が生れて来ておるのですが、そういう点でアメリカあたりは非常に金融の面がうまく行つているらしいので、金持ちでも貧乏人もそれに応じて生活できるようになつておるのでありますが、日本では、おもに有産階級は自由に事が処理できるけれども、大衆金融機関が非常に乏しい。こういう点で何か解決する方法はないか。だから現実にあるものを、何らかの法制化によつて生かすような道があるのじやないかというようなことも考えるのですが、何かよい御意見がおありでしたら、簡単な御意見でけつこうでありますから、お伺いしたいと思います。
  20. 井関孝雄

    井関参考人 佐藤委員の御質問でございますが、これは先ほど福田さんでございましたか、山本さんでございましたかお尋ねがあつたことと同じで、私は現在の株主相互について新しい貸金業法の別な法律をつくるといつたしましても、現在の株主相互の中によいものがあれば、新しい業法で行くこともあつてよいのじやないか、悪いものは当然しかたがない、合併さすとか、あるいはよい会社に吸収さすとかいう方法で解決したらよいと思います。要するに貸金業法自体を今の中途半端な届出主義でなしに、相当な人材を集め、相当の資産を持つて、堂々と相当の高い金利経営ができるようにやれば、いい人がその中に入つて来ると思う。従つて今の株主相互の水準の引上げ運動にもなるし、それからいいものを助けてやることにもなりはせぬか、かように考えておるのでございます。今の株主相互のものが経済的にペイしてないということになればしかたがないのですが、ペイしてやつて行けるものがあれば、新しい法律によつて救済するのも一つ方法である、かように考えております。
  21. 千葉三郎

    千葉委員長 他に御質疑はありませんか。——それでは質疑はこの程度で打切ります。     —————————————
  22. 千葉三郎

    千葉委員長 次に、国有財産管理状況に関する件を議題といたします。
  23. 春日一幸

    ○春日委員 その前に議事進行でちよつと。十一月一日の法務委員会会議録によりますと、保全経済会の問題に触れまして、古屋委員から次のごとき言葉が発言されておるのであります。それは「今の大蔵省の消極的な態度をとるに至つた原因があつたかどうか。」そこでその次でありますが、「たとえば十三国会のときに、大蔵委員会保全経済会から委員が招待を受けたときに莫大な現金をおみやげにもらつてつた。そのときの委員の一人から名前を言いませんが、ある私の友人委員から、そういう事実があつたかどうか知りませんが承つた。」こういう発言が行われておるのであります。これはまことに国会の権威並びに国会の名誉のためにもゆゆしき発言でありまして、もしそういうような事実があつたといたしましたならば、これは国会がみずからその権威を保つ立場において、当然遡及して事の真相をつまびらかにし、その責任を明らかにしなければならぬと思うのであります。従いまして私は、この当該発言者である古屋君に当委員会に御出席をいただいて、この問題について事の真相を明らかにするために、質疑をさせていただきたいと思います。従いまして、この機会に古屋君に当委員会に御出席を願うことをお願いいたしたいと思うのでございます。この点ひとつお諮りを願います。
  24. 柴田義男

    ○柴田委員 関連して……。今速記録を朗読なさいましたのでわかりますが、その中に友人のだれかから聞いた、こういう言葉が入つているようでありますが、その友人のだれかというものも、委員長からでも古屋委員にお確かめの上、一緒に証人としてお呼びを願いたい、こう思います。
  25. 千葉三郎

    千葉委員長 ただいまの春日委員からの発言はきわめて重大な問題であります。本委員会の名誉のためにも、十分これを掘り下げて真相を明らかにする必要があると思います。そこで法務委員会で発言した古屋委員、また間接にその情報を得たという方を、ここに参考人としてお呼びするという御提案でありますが、これはいかがいたしましようか。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 千葉三郎

    千葉委員長 御異議ないようでありますから、さようとりはからいます。
  27. 福田繁芳

    福田(繁)委員 それは衷心から賛成するのですが、今国会に初めて大蔵委員になつた私として、一応参考伺つておきたいと思う。大体十三国会の大蔵委員の諸君はどういうメンバーであつたか、そのお名前を読み上げてもらいたいと思う。
  28. 千葉三郎

    千葉委員長 第十三国会は昭和二十六年の十二月十一日から昭和二十七年の七月三十一日まで行われました。その間大蔵委員会における委員長は佐藤重遠君であります。理事は奧村又十郎君、小山長規君、佐久間徹君、内藤友明君、松尾トシ子君。それから委員を申し上げます。委員は有田二郎君、淺香忠雄君、川野芳滿君、大上司君、島村一郎君、塚田十一郎君、清水逸平君、高間松吉君、苫米地英俊君、三宅則義君、宮幡靖君、夏堀源三郎君、武藤嘉一君、荒木萬壽夫君、宮腰喜助君、早稻田柳右エ門、久保田鶴松君、高田富之君、深澤義守君、中田四郎君の諸君であります。従つて現議員もこの中に入いつてますから、どうしてもこの名誉のために真相をはつきりする必要があると思う。さようにお呼びすることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 千葉三郎

    千葉委員長 御異議なしと認め、さように決します。  それでは井上君。
  30. 井上良二

    ○井上委員 ただいま議題になつております国有財産払下げの件に関連をしまして、政府に質問をいたすのでありますが、この案件に関しましては、昭和二十八年七月八日の本委員会におきまして、私は枚方製造所の小松製作所への払下げ問題に関連をしまして、この査定がはなはだ当を得ていないし、また国有財産管理状況の全体におきましても非常に不行届きが多いということを取上げまして、これが払下げについていろいろ質疑をいたしましたところ、政府の方では、一応払下げの手続がとられておる、こういうことでありましたので、詳細を調べましたところ、まだ大臣が決裁をしていないことが明確になつて参りましたので、そこで本委員会としては、払下げ事務の進捗状況、かつまた払下げのすみやかなる完結を得る立場からも正当な評価をすべきであるというところからして、事態の急なることを考えて、委員会は五名の調査委員をあげまして、現地にこれらの方々が出張しまして調査をいたされたのであります。その結果一応国会として、政府の考えておる払下げ価格を妥当とするか、それよりも現地調査により諸般の調査の結果、さらに検討を要すべき点があるかどうか、そういうよう知国会として一応この問題に対する正当なる価値判断をいたしまして、この価値判断に基いて、政府は一応国会の意思を聞いた上で、払下げをするものならするということの手続をとられるのが妥当ではないか、こういう質疑委員会行つて参りまして、最後に大臣は、本件につきましては、大蔵委員各位がなるほどこうやつたら納得が行くなという皆さんの納得の行ける方法で処理いたしたいということを申し上げてきおます。さらに内藤委員から、政府の持つております一応の査定はこの際白紙に返して、もう一ぺんやり直していただきたい、こういう結論が出ましたら、大臣は今のお言葉からして、それを尊重していただけるようなことになりますか。こういう質問を最後にいたしております。そうしますと大蔵大臣は「国会の御意向は尊重いたします。」こういう答弁をされているのであります。実はこういう町議がありました後、調査委員の間においてそれぞれ委員長に対する調査の報告を検討され、かつ統一した調査報告書が当然提出された上で、本委員会に諮られて、議長を通して政府なり関係方面に国会の意思を明らかにする手続がとられるべきごとに、一応はなつてつたわけであります。ところが会期が終りまして休会に入つたのであります。従つて調査委員各位の総合的な調査報告書は、結論的にまだまとまつたものが委員長の手元へ出ておられないままに、休会になつておるのであります。また委員長からも、その報告は本委員会にいたされておりません。しかるにこの休会中に、承るところによると、国会の意思が表明されたという一つの報告に基きまして、その写しを大蔵当局は手に入れられて大臣の決裁をとりまして、小松製作所に払下げを完了したということであります。さようなことになつておりますが、一応局長からその間の経過を御説明願いたい。
  31. 窪谷直光

    窪谷説明員 先般当委員会におきまして、枚方の払下げの問題につきましていろいろ御審議を賜わりましたことは、私も着任して間もなく速記録で拝見いたしました。その処理につきましては、慎重になすべきものであるという前局長からの引継ぎもございまして、慎重に処理をいたして参つたつもりでございます。それでただいまお尋ねの点でございますが、先ほどお読み上げになりましたように、大蔵大臣から、当委員会の御意向を十分に尊重をして処理をして参るというお話がございました。さらに先ほどお読み上げになりました次のところに、調査団の報告が出るまでは、省議をお開きになることはけつこうではあるが、結論を出さないでお待ち願いたいという御質疑がございました。それに対しまして大蔵大臣から「仰せの点は了承いたしました。さようにとりはからいます。」こういうことを言明されておるのであります。それで私どもといたしましては、さらに再検討をずつといたしております。そのうちに八月の十七日付で調査団の方から大蔵大臣あての報告書をいただいたのであります。それで私どもといたしましては、当委員会の御意向はこれで判明をいたしたものというふうに了解いたしまして、八月二十五日に大蔵大臣の御決済をいただきまして、当面の契約当事者であります大阪、の財務局長に、その旨を指示いたしたのでございます。それに基きまして大阪の財務局長は、九月の二十五日と十月の十五日、九月の二十五日の分は甲斐田地区の分でございますが、十月十五日の分は中宮地区の分でございまして、その日に契約を終了いたしました。十月の十五日に甲斐田地区の分につきまして、二割の頭金と申しますか、即納金が納入済みになつております。十月の二十日に中宮地区の分が同様に、払下げ金額の二割の即納金が納入済みに相なつておりまして、目下登記の手続をいたしておるような状況でございます。
  32. 井上良二

    ○井上委員 ただいま管財局長から御報告の通り、八月十七日に調査団の報告書を大蔵大臣に提出したということになつておりますが、委員長はそういう手続をおとりになりましたか。
  33. 千葉三郎

    千葉委員長 今ちよつと聞き漏らしましたが、井上委員のお尋ねは、当委員会から大蔵大臣にその報告書を提出したかどうか……。
  34. 井上良二

    ○井上委員 私の聞いておりますのは、八月十七日に、ただいま管財局長は大蔵委員会の調査団の報告が大蔵大臣に提出されておる、こういう御説明でございます。そうすると、大蔵委員会の調査団の報告は、委員長が議長を通して報告すべき手続になつております。それをとらずにやつたか、それともそういう手続をおとりになましたか。それを伺つております。
  35. 千葉三郎

    千葉委員長 その点は昨日も申し上げましたように、小委員長から当委員会に対する報告がまだ未了でありますから、従つて審議をしておらないわけであります。その結果、当委員会から大蔵大臣に約する報告がまだ出ておらないはずです。
  36. 井上良二

    ○井上委員 しからば八月十七日に調査団が大蔵大臣に報告書を出したというのは、それはどういうことですか。委員会の意思を無視し、委員長の存在を無視し、議長の存在を無視してそういうことが一体許されますか。国費でもつて、院議でもつて調査に行つている。その調査の結果は、院議に諮つて処置すべきものであります。それをやらずに、そういうことを一体だれがおやりになつたのですか。
  37. 千葉三郎

    千葉委員長 この問題は十分調査をしなければならぬと思いますが、これに関連して苫米地委員から発言がありますから、これを許します。
  38. 苫米地英俊

    ○苫米地委員 私からして一応弁明をさせていただきます。調査に出かけました直後から、数回にわたりまして調査団の各位に集合を、時間をきめて場所をきめて再三再四お願いいたしましたが、一回もお集まり願えなかつたのであります。そこで私は、お集まり願うのには原案が必要であろうと思いました。その原案は、私がつくるよりも事務当局に観客的立場に立つてつくつてもらう方がよかろうと思つて事務当局にそれを依頼いたしたのであります。それができて参りましたが、それは非常によくできたと私は考えました。客観的で主観を交えないでできている。しかしそれを検討してみますと、焦点がややぼけておつた。そこで私は、焦点は、この問題の大蔵当局の取扱いが適法に行われているかどうか、スキヤンダルなどがあつたかないか、適法であるかないかというところに第一の重点を置いたのであります。その準拠した法規が適当であるかないかということは、価格の評定にも当然影響して来るのであります。しかし現在存在している法規自身については二次的に考えて、将来この法規については考慮を要するというような註釈を加えましたけれども、まず取扱いとしては、現存法規に正しくよつているかどうかということが、その問題の解決の中心であると思いましたから、この焦点を合せるだけの修正をして、これをもう一度つくり直してもらつて、これを各関係者に配付してもらつたのであります。その配付された範囲がだれだれであつたかは、記憶もありませんし、またこれはまことに申訳ありませんが、突きとめてもおりません。とにかく関係者に配付してもらつたことだけは事実であります。それからその後も数回にわたつて委員の各位に御参集を願つて、その報告書を検討いたしたいと思いましたけれども、一回も集まつてくださらなかつたのであります。かくしているうちに、もう会期も終りになつて来ましたので、私は委員各位に向つて、お集まりを願えないのならば、意見書を提出していただきたい、かようにお願いいたしたのであります。ところがこのお願いに対して三名から出て参りました。大上委員と平岡委員と佐藤委員、この三名から出て参りましたが、大上委員の御意見は、少し修正しさえすればその原案に織り込み得る程度のものでありましたから、これは原案に織り込みました。他の両委員意見は、これは織り込むことができないものでありましたけれども、根本的否定ではなく、むしろ現存法規に対する批判と見るべきものがあつたのであります。その提出せられた平岡、佐藤両委員に対して、諸君のこの御意見を添付をして提出することに異議がないかということを確かめたのであります。そのほかの各位にも、意見があつたら早急出してもらいたいと再びお話いたしたのでありますけれども、出て来なかつたのであります。そこでその修正をし、それからして反対もしくは批判の意見を添えた書類をこしらえたときには、すでに会期も終りになつてしまつたのであります。そこで私は、かくのごとき問題は、一つの国会から次の国会に持ち越すべき性質のものでないと思いましたので、大蔵委員長に対してはまことに申訳ありませんが、委員長の名あてのもの、議長の名あてのもの、大蔵大臣名あてのもの、こういうものをつくりまして、私は委員長にお目にかかりたいと思つたのでありますが、委員長は御旅行中か何かでお目にかかることができなかつたのであります。そこで私は議長のところへ参りまして、議長招待のお礼を述べたあとで、私ども調査団を派遣していただきましたが、一致した結論を得ることができないままに今日に及びましたが、そのまま放置すべきものでないと思いますから、これを議長に提出いたしますからごらん願いといつて、議長に手渡しました。それから大蔵省の方にも、大臣がお留守でありましたから、秘書にこれを提出いたしまして、その翌日私は帰郷いたしたわけであります。しかしながら、この報告書は客観的事実を述べたたけで、許可すべしとも許可してはならないとも書いてないのであります。そこで私はこの報告書を公表するにあたりましても、大蔵委員会の名前は用いておりません。調査団長という私の名前で報告してある次第であります。これは大蔵当局がごらんになれば、適法でないという指摘が一つもないのでありますからして、これはさしつかえないとおとりになつたのは当然であろうと思う。これは私は、委員長に対しましてはまことに申訳ありませんが、その後委員長にお目にかかつたのは飛行場でお目にかかつただけで、そのあと海外に出かけてしまいまして、最近もどつて来たような次第で、もどつてからお目にかかりましたが、ほかのいろいろのことがありまして、このことを申し上げることを怠つておりましたことは、まことに委員長に対しては恐縮で、深くおわび申し上げる次第でございます。以上が現在までの経過でございます。
  39. 井上良二

    ○井上委員 よくわかりました。問題は、苫米地さんの団長としてとられましたことが一事態を非常に重大なことにさしておることにお気づきになつておとる思います。御承知通り、全体でもつて評価された額が約九億円から十億円に近い国有財産であります。それがいろいろの角度から評価をされると、いろいろそこにはかわつた見方もありますけれども、つまり政府みずから払い下げる価格の評価をわれわれが伺いましても、十億に近い国有財産の払下げであります。しかるゆえに、国会はこの払下げの内容に対してきわめて重大に考え、わざわざ委員の選定をして現地に派遣をいたしたわけであります。しかも国会は、国会として一応妥当な結論を出した上で、省議をきめて、払下げるなら払下げの手続をとつてもらいたいということを、払下げの執行者である大蔵大臣との間に約束がされております。しかるにあなたは、その報告書の作成の非常に困難な実情はいろいろ御説明なりましたが、あなたが直接議長や大蔵大臣に調査報告書を出さなければならぬ責任が一体どこにあるのですか。あなたは委員長というものに報告をし、委員長委員会に諮つて、初めて委員会の意思として議長に提出する手続をとるべきであります。そういう手続を当然とらなければならぬのに、どういうわけでそういう抜けがけの功名的なことをやりますか。そういうことをするから、いろいろ疑獄があるとか、減つたとか、疑いの目をもつて見られるのです。もつと筋道をはつきり通して正々堂々とおやりになれば、何ら疑いを生ずることもなければ、疑われることもありません。そういう正当な手続を何ゆえにおとりになりませんか。あなたが委員長であるなら、それはあなた御自身、国会を開くことができなかつたから、大体の意見はわかつたから、私の責任において出しておきましたということは、委員長ならやれるかもわかりません。しかしあなたはこの委員会から任命されて派遣された一団にすぎない、調査委員にすぎない。それで自分がその調査団のうちの責任者になつた関係から、意見をまとめる立場に置かれて、意見がまとまらなければ、まとまらぬまま委員長に報告して、委員長からその処置を請うべきであります。こういうわけで意見はいろいろわかれて、なかなか結論が出ません、どうしたものだろう。そこで委員長が、それではなかなか困難だから、一ぺん委員会に諮つてみようということになる。そこで委員会ではいろいろ意見ありましよう。ありましようけれども、多数の意見というものはきまりますから、そこで一つの結論というものが出て来ます。その結論が委員会意見であります。そういう合法的な正当な手続をおとりにならずに、一体どういうわけでそういうことをせればなりませんか。もしまた、これだけの大きな物件でございますから、委員長が必要であると思いますなら、休会中でありましても委員会は開けますから、当然委員長は召集しましよう。そしてあなたの報告に基いた処置をとりましよう。そういう処置が休会中でもとれぬことはありません。それを何かあなたひとりのものの考え方でそういう措置をとられて、一体それが正当な議員行動とお思いになりますか。相手は営利会社です。相手は個人の軍需会社です。このことのために、いろいろな疑惑が国有財産の払下げをめぐつて世上伝えられるときに、そういうあなた個人的な行動をとられることは、はなはだわれわれこの問題を扱う者としては遺憾しごくであります。私はあなたの行動に対して別個にものを考えたいと思いますが、しかもこの問題は、一方行政監察委員会にも提起されておるのであります。行政監察委員会においてもまだ結論を出してないのであります。最初の報告書を見ると、全部五人の調査団員の名前がタイプに打つて並んでおるじやありませんか。それで最後に、あなた個人の団長として苫米地英俊という署名をして出しているにすぎないじやありませんか。書類全体を見たものは、これは、委員会全体の報告書であると誤認するのは当然ではありませんか。そういうあなたむちやくちやなやり方がありますか。あなたみたいな人格高潔な、識見のある方が、そういう下手な議員行動をとられたのでは、われわれ非常に迷惑しますよ。あなた責任をお感じになりませんか。
  40. 福田繁芳

    福田(繁)委員 本件に関しては、本件を提議した井上議員のおつしやることもごもつともと私は思う。同時にまた苫米地調査委員として、ことに年長者としてとられたことにも一応了承できる点があると思う。そこで今の段階では、大蔵当局は関係がないことです。それで私は申し上げたいのでありますが、本委員会の権威というものと、本委員会の責任を保持する意味合いにおいて、これは後刻懇談会でも開いてもらつて、議員間においてもう一歩よく話し合つた上で、適当に委員長として御善処願いたいと思う。
  41. 春日一幸

    ○春日委員 ちよつとお伺いをいたしますが、井上委員の提議に基いて調査団が派遣されました。調査委員の指名は行われました。しかしながらわが党代表の調査委員の言うところによりますと、別に団長を選挙した覚えもない、また委員長選挙を行つたこともないので、別に苫米地さんを代表だと思つたこともない、そういう書類上の手続をしたことがないと言つております。従いまして、これは当然慣例、あるいは衆議院規則等において、団長とか代表者たるの資格、権限はいついかなる場合に発生したものであるか、この点をちとつ御本人の苫米地さんから伺つておきたいと思うのです。  それからただいま福田さんからお話がありましたが、これはその文書そのものがとにかく衆議院の意見こしての価値を持つか持たぬかという重要な問題でありまして、これは当然政府が責任があるとかないとかという問題ではない。このことは常識的に考えてみましても、これが正式なる委員会のコンフアーメーシヨンを得たものであるならば、当然委員会会議録に載つて大蔵当局も当然これを承知できる機会が与えられるわけである。ところが本件については、一回も委員会に対して報告されたこともなく、議案として上程されたこともない。いわんや審議も結論も何もない。そのことは公報に一回も載つていないのだから、そんなことくらいは、大蔵当局等においても大きな問題として慎重に取扱うならば、そのことは当然いつそんな重大な決定が行われたかということに対して不審を持つべきであろう。ただ個人的な漫然とした、しかも不十分なそういう一片の書類を、大蔵委員会の意思としてさらには衆議院の意思として、そういう最終的処理をしたということについては、大蔵当局の重大なる手落ちでなければならぬ。会議録にも何も載つていない。一体こんな決定がどこで行われたかという不審は当然大蔵当局が持つべきであつて、さらに最終決定を行う前には、委員長にも所見をただし、あるいはその他委員会においてしよつちゆう会議があるのだから、そういう会議の経過てんまつについて精査する私は責任があると思う。そのことはただいま福田さんから、今の段階においては大蔵省に全然責任がないかのごとく言われておるけれども、ただ苫米地氏の個人的な難は、われわれをもつて言われしむれば一片のほご、楽書きと同じごとである。そんなものについて九億何千万というような大きな国有財産の最終的な処理を行うということは言語道断だと思う。従つてこの問題は、当然苫米地氏個人の責任であると同時に、大蔵当局の重大な責任でなければならぬと私は思います。従つてこれはもつと深く掘り下げて、そうして先般大蔵省が行つたところの登記手続、これはただいまの御報告によりますと、今手続中だといわれておるが、はたして手続中であるのか、登記をすでに完了してしまつたのであるか、この点も明確にいたされて、手続中であるならば、なお事態は何か挽回の方法もあろうと思います。この点管財局長から、現在の段階においてはどの程度その処理が進行しておるのか、さらにはまたそういうような重要な決定が文書によつてたとい大蔵当局に提出されたとはいえ、これに対して所要の条件を備えていないということについて一片の疑義をもさしはさむことなく、確認をする処理を行わないで、ただちにこれを国会の意思として処理をされた、その理由について一ぺんお伺いをいたしたい。
  42. 窪谷直光

    窪谷説明員 第一点の現在までの経過でございますが、すでに契約は完了をいたしまして、即納金として、契約書の条件によつて売払い金額の二割を即納するということに相なつております。これはすでに納入済みでございます。歳入にすでに入つております。  なお登記の点につきましては、その後書類の作成に若干の日にちを要しましたために、目下手続中でありまして、予定では、きのうかきようぐらいに完了するような予定に相なつております。それは別に急いだというわけでもございませんので、自然の予定の日付は大体そういうことに相なつております。  それから国会の意見として処理したのは手落ちではないかというお話でございました。私も当時におきましては、この速記録を丹念に読みまして、調査団の方から報告が出て参りましたので、これでいいというふうに考えたのでございまして、その時期におきましては、別に不審も何も持ちませんでございました。今いろいろ伺つてみますと、どうも私のところに注意の行き届かなかつた点があつたように考えております。この書類は、大臣から私にお手渡しくださつたのでありますが、これを読みまして、これによつて委員会の御意向は明瞭になつたものと考え(「ノーノー。」)従つて御決裁をいただいてさしつかえないと思いますという上申をいたしたわけであります。それに基いて大臣は御決裁をされたのでございます。それらの国会の扱い方につきまして十分に注意を払わなかつたという点につきましては、まことに恐縮に存じまして、深くおわびを申し上げる以外にはないのであります。何とぞ御了承を賜わりたいと思います。
  43. 坊秀男

    ○坊委員 議事進行上申し上げたいと思います。本問題は、究極のところ、その対象とするのは小松製作所の払下げ問題で、これは言うまでもないことであるのでございますが、私は議事進行上、この問題は二つの処理の方法考えなければならないと思います。  その第一は、申し上げました通り、小松製作所払下げの問題でございますが、これに関連いたしまして、調査団として調査に行かれた苫米地委員が、委員会の報告について議長なり、あるいは大蔵省に報告をするということについて順序を誤つたとか、誤らなかつたとかいうことにつきましては、これは委員会内部の問題でございまして、究極の目的たるこの国有財産払下げの問題と、苫米地委員がとつた行動に対する委員会の批判というものは、別個に考えなければならない。かかる意味におきまして、苫米地委員のとつた行動についての究明と申しますか、批判と申しますか、これは委員会内部において理事会とか、懇談会とかいうものを開いて考えて行くということが、委員会の権威を保持するゆえんではないかと思うのであります。委員長の御処置を願います。
  44. 福田繁芳

    福田(繁)委員 先ほど私が申し上げたこと、なおただいま同僚委員の申されたことに補足するようなことでありますが、結果から見まして、大蔵当局が当委員会の不備な書類によつてつたその結果に対しては、これは別問題であります。今の段階としては、調査団員おのおの——五人か六人でしたか、その団員にも一応責任があるわけであります。あの時分に、非常に急を要しておつたのだから、いかに国会が忙しくても、調査団員の全員が集まつて、すみやかにその書類を提出し、いわゆる合法的な方法で処理しておきましたならば、今日こんな煩雑な問題は起らなかつたのであります。かような点もあるのでありますから、私もその調査団員の当の一人でありますので、委員長を経て同僚諸君にも懇請するのですが、委員会の責任と権威保持のために、この問題はひとつ後刻懇談会でとくと協議するということにぜひともしてもらいたいと思います。委員長からひとつお諮り願いたと思います。
  45. 井上良二

    ○井上委員 私最後に確かめておきたいのですが、私は苫米地さんのとつた行動が出過ぎておつたとか、あるいは行き届かなかつたとか——それは手続上の問題とていろいろ問題はありましようけれども、そういうことを大して問題にしてない。問題はその報告書の内容について、われわれここに列席している委員各位が全然わかつてないということです。その内容はどういうことが書かれてあつて、それが正当な価値評価であるという解釈は、これは苫米地さん個人がしているのであつて、わきの者はだれもしているわけではありません。それが委員会の意思表示として大蔵大臣に報告されているところに問題があるのです。それを根拠にして払下げをしたということになつているのですから、問題はそこにあるのです。従つてこれは別な問題で言うと、公文書偽造の疑いさえ持たれる危険性があり得るのです。そうじやありませんか。委員会の意思が決定してないのに、委員会の意思であるがごとき報告書を所管大臣に提出する行為は、明らかに公文書偽造の疑いを持たれてもやむを得ない行為じやないかとわれわれは思うのです。それほど重大な問題が簡単に取上げられては、私は困ると思つておるのです。問題はそこにあると思う。ですから、それらの問題を含めて委員会全体が懇談をしてみよう、どういう結論を出すかということで懇談をするということなら、私は別に異を立ててここで議論をする必要はございません。ただこの際申し上げておきますが、今管財局長お話になりましたように、実際に大蔵大臣からそういう報告書をもらつた以上は、国会の意思であろうということで払下げられた、そのことについては、これはあなた方としては当然の処置であろうとも考えられるところもあります。だがこういうふうに非常に大きな問題が出て来ておりますから、これを一体国会としてはどう処理するかということを、早急に結論を出していただきたいと思います。
  46. 千葉三郎

    千葉委員長 いかがでございましようか。この問題に対しまして井上さんから提議した心持も十分わかります。同時に先ほどから苫米地さんからの陳弁——今までの経過につきましての御報告も了承ができる。しかし結果におきましては、何といつても手続上の不備、同時にこの内容に対して、いかにも委員会の意思なりというような誤解を大蔵省に与えたことも事実なんです。そこでまた再びこういうような問題が起ることを厳重に戒めなければならぬ点もあります。そういうようなところを加味いたしまして、これはきよの午後懇談会に移しまして、そうしてこの調査団員の六人の方にも十分その当時の状況を思い出していただきまして、意見を述べていただき、この委員会としての結論を得たいと思いますが、いかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 千葉三郎

    千葉委員長 さようにとりはからいます。     —————————————
  48. 千葉三郎

    千葉委員長 なお先ほど委員会として御決定を得ました証人、参考人喚問の件でありますが、これは手続及び他の委員会との関係もありますので、しばらく理事会に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 千葉三郎

    千葉委員長 さよう決定いたします。  なお福田赳夫委員から、麦食普及促進に関する決議案を、大蔵委員会として農林委員会の方に申入れしたいという申出があります。その内容を読み上げます。   未曽有の凶作に対し、かつ今後わが国食糧問題の根本的解決を促進するため、麦食の普及の「大国民運動を展開することとし、政府はすみやかにこれが運動のため、強力かつ有効なる措置を講ずること。   右決議する。右決議案を大蔵委員会の意思として農林委員会の方に申入れしてはどうかということですが、いかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 千葉三郎

    千葉委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。  この程度にして休憩いたします。     午後零時五十八分休憩      ————◇—————     午後三時五十四分開議
  51. 千葉三郎

    千葉委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。  まず閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。ただいま本委員会において審査中の資金運用部資金法の一部を改正する法律案、米穀の売渡代金に対する所得税の特例に関する法律案、並びに税制に関する件、金融に関する件、専売事業に僕する件、及び国有財産管理状況に関する件の六件につきましては、今国会の会期が短かきに失するため、十分審査することができず、これらを閉会中なお審査するため、議長のもとに閉会中審査の申出をいたしたいと存じまするが、この点御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 千葉三郎

    千葉委員長 御異議ないようでありますから、さようとりはからうごとといたします。  それから、右六件が閉会中審査事件として付託されました場合に、閉会中審査のための小委員会を設置して、その人数は十三名として、小委員及び小委員長は、委員長において指名いたしたいと存じますが、この点御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 千葉三郎

    千葉委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。  なおこの際、小委員の異動につきましても、委員長に御一任願つておきたいと存じますが、この点御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 千葉三郎

    千葉委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。     —————————————
  55. 千葉三郎

    千葉委員長 なお福田赳夫委員から発言を求められております。これを許します。
  56. 福田赳夫

    福田(赳)委員 ただいま行われておる常任委員会、特別委員会制度につきまして、いろいろ各方面から批判の声もありますが、その問題は別といたしましても、当大蔵委員会の職責遂行という問題だけを見ましても、近ごろ非常に問題が出て来ております。と申しますのは、古くはガソリン税の問題を建設委員会で取上げまして、これが国会を通過するというような問題になつて来ておる。また先般は預金資金の運用に関して、地方行政委員会においてこれが取上げられておるというような問題もあります。さらにまた今回は、災害対策特別委員会におきまして、政府の補償すべき融資額を増額しようという提案がされておる。これらが若干関係があるにいたしましても、ほとんど大蔵委員会のこれらに対する発言は封ぜられるような形で取運ばれておるということを見てみますと、この傾向が強くなつて来ると、どうも大蔵委員会といたしましては、財政なり、また金融を預かつておる仕事が、実行不可能になるのじやないかというような心配があるのであります。ひいては国の政策に非常に統一性を欠くというようなことにもなろうかということをおそれますので、この際こういう傾向に対して、ひとつ厳重な警告を議長に対して委員長からされたらどうかと考えるのであります。もしお許しを得ますならば、本委員会の決議といたしまして、これを議長に警告するというふうにでもさしていただきますならば、非常に有効ではなかろうかと考えるのであります。今その決議の案文を読み上げます。   近時各委員会において、財政金融に重大なる関係を有する事案につき、当委員会に関係なく決議、立法等が行われる傾向があるが、かくては当委員会の職責遂行に支障を来すをもつて、すみやかにこの傾向を是正するよう議長において善処せられんことを要望する。           大蔵委員会  かような趣旨であります。皆さんの御賛同をお願いしたいと思います。
  57. 千葉三郎

    千葉委員長 右の御提案いかがでございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 千葉三郎

    千葉委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。  なお、明日は午前十時から開会することにいたします。その議案といたしましては、金融、また農林委員会からまわつて参りますところの共済金特例、さらに青色申告の特例に関する件、それぞれこちらの方に付託することになると思います。そのほかに労働委員との連合審査会もございますので、きわめて御多端ではございましようが、明日一日だけは、ぜひとも御出席のほどをお願いいたします。なお、今日は散会いたしました後に……。     —————————————
  59. 井上良二

    ○井上委員 先ほど、休会中の継続審査についての案件の御申出のお話がありましたが、ただいま問題になつております印刷局の仲裁裁定の実施に関する問題、専売装定の問題、並びに造幣局の裁定の問題等が予算的、資金措置ができないために仲裁裁定を実施することができないという法案を今国会に政府は承認を求めに参つておりますが、この専売仲裁裁定の実施に関連をいたしまして、できれば閉会中にこれら印刷局、専売局、造幣局等の実際の実債を調査することの必要があると考えますので、これもやはり継続審査にひとつ御決議を願つておいてもらいたいと思います。
  60. 千葉三郎

    千葉委員長 ただいまの井上委員の御提案はごもつともと存じますが、いかがでございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 千葉三郎

    千葉委員長 御異議ないようでありますから、さようとりはからいます。
  62. 福田繁芳

    福田(繁)委員 明日定刻から開かれます当委員会において、貸金業者に対する取締りに関して、私は犬養法務大臣にいささか質問いたしたいと思いますから、ぜひ犬養法務大臣が御出席されるように、委員長からおとりはからいを願うよう要望しておきます。
  63. 千葉三郎

    千葉委員長 承知いたしました。  本日はこの程度で散会いたしまして、委員部から責任者が出席しておりますから、後ほど懇談したいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 千葉三郎

    千葉委員長 御異議なしと認めます。   本日はこの程度で散会いたします。     午後四時二分散会