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赤路委員 この前の
水産委員会におきまして、ただいま議題になりました李ライン問題の国内的な善後処置について、
水産庁長官にるる事情を述べてお願いをいたしておいたのでございますが、その後
水産庁長官の方は十分大蔵省等と御折衝を願えておることと
考えるのであります。
〔
委員長退席、
川村委員代理着席〕
いまさら私が説明するまでもないと思うのでありますが、李ラインの問題から拿捕された者はもちろんでございますが、操業不可能にな
つて母港に繋船されておりまする船等も多々ございまして、これはほとんどが沿岸零細漁民の転換されたもの、または零細な小企業者が大半であります。
従つてこれらの経営者の人たちの力をも
つてしては、拿捕された、あるいは抑留されておる乗組員の留守家族の
生活を補償するということはとうてい不可能な状態にあるのであります。
従つてこれらの人たちはその日その日の生計量を欠くというのが現在の状態でありまして、この留守家族の人たちは、今日ほとんど日雇いとして働き、あるいはまた魚の行商をや
つておるというような涙ぐましい努力を重ねられておるのでありますが、なおかつそれをも
つてしても生計の維持が困難な
現状にあるのであります。こういうような窮状を十二分にお察し願いまして、これらに対しますところの急速なる措置をお願い申し上げたい。もうこれはりくつや理論を越えたものでございまして、何とかして今日この困
つておる留守家族の人たちの当面の窮状を救いたい。この問題につきましては、大蔵省の方でもいろいろと御都合もございましよう。今日水害あるいは台風十三号等によるところの支出方と申しましようか財源、それぞれの面もありましようが全体といたしましては大きな金額にもなるものでないと思うのであります。ぜひこの面だけは何と御無理を願
つてもひとつ大蔵省の方で特別の配慮をも
つて御処置を願いたい。十分
水産庁長官の方とは御連絡もあり、御
交渉も願
つておることとは思うのでありますが、何さま当面急を要する問題でありますので、何かの御処置方をぜひお願い申し上げたいと思うのであります。ここでそれらの点についていささかでもわれわれが納得が行くと申しますか、あるいはわれわれが安心できる
程度のことでもお漏らし願えますれば、まことにけつこうだと思うのであります。もちろん先般の本
会議におきまして大蔵大臣も、この拿捕船の代船建造についての融資等については十分
考える、こういうようなこともおつしや
つておるのであります。代船建造の点は、もちろんいろいろと具体的に
調査をしなければならぬ面もありましようし、それだけでなく操業不可能に陥
つておるこの小さい二十トンから五十トン
程度までの船の操業転換と申しますか、
漁業転換等を
考えて行く場合、これに対する融資の問題、あるいは
先ほど申しましたような、沿岸漁民が無理をして沖合いへあるいは遠洋へ出るためにできたこのさばつり船、これが拿捕されたということによ
つて建造当時における借入金そのものすらも償還できないような窮状に陥
つておる。これは当該銀行に対しましても非常に御迷惑をかけておるのでありますが、これらの延期措置等についても今後十分御配慮を願いたいと思うのであります。何と申しましても当面の急場は、今のこの抑留されておる方々の家族をどうして救済して行くかということであります。重ねてお願い申し上げますが、単にこれは理論やりくつの問題ではございません。大蔵省のいろいろな御事情もよくわかりますが、私の方からぜひその点について何らかの特別の御配慮方をお願い申し上げたい、かように
考える次第であります。幸い何らかお漏らししてさしつかえない点がございましたら、ひとつこの際お漏らし願いたいと思います。