○
中野委員 短期の
国会なのですから、
委員会のすべての案件が重複してお
つて、お互い
委員の方々もお忙しいと思いまするから、いろいろお聞きしたい点があるが、あまり私一人で伺
つておることはどうかと思いまするので、私は
あと三点に限
つてやめます。
なお、
関東財務局長は
けつこうなのですが、
管財局長には後にあらためて
証人に来ていただかなければならぬと思うので、そのときには、ひとつ勉強して、はつきりとした
数字を持
つて来てもらいたいと思う。
そこで、第一点として
合金の問題について伺いたい。
合金は二十六トンとあなたの方では出しておるのですが、その後
国会の方に修正を求めて来ておられまするのによりますと、これは銀がまざ
つてお
つたということであります。これは、銀と振りかえるのか、どういうのかわかりませんが、
合金二十六トン。今日金は建値で一匁二千二百円ですが、大体七千貫近くあるので、一匁千円ずつに見ても七十億円がとこあるものなのですが、この
合金についてはどういうふうに考えておられるか。銀に振りかえた経緯を聞かせてもらいたい。
それから、次に伺いたいのは、売りもどし
条件付の
品物をなぜ早く返してやらないかということです。戦争中必勝態度確立のため、祖先伝来の骨董美術品に至るまでことごとくを国家のために売り払
つたのです。しかし、この
品物は、戦争に使わないときは当然売りもどしをするという
条件で証書が一本入
つておる。そのものは、住所も名前も、当時の金額も、匁数も明らかに
なつておるのでありまするから、もし
大蔵省がこういう点に親切であるなれば、これらの人々にすみやかに返してやるのがほんうです。あなたの方で、先ほど、金の問題について、
日本銀行と立会いの上で、ナンバーが合致してお
つたからこれを使
つたとおつしやるが、その観点から申しますれば、明らかに個人のものであると認められますから、
日本銀行にこれを返してやる、
日本銀行は、
国民との約束に
従つて、戦争中の契約に基いてこれを売りもとしてや
つてこそ
国民に親切であると思う。この売りもどし
条件付の
品物をどういうふうに処分するつもりであるか、これが第二点。
第三点として伺いたいのは、あなたは、先般大蔵
委員会で、どうも銀の
数量が相当多いということと、
ダイヤモンド等について、外国に売る以外には道がないという見解を明らかにされておる。私は、これはははなはだも
つて不届千万であると思うのです。少くとも世界的貴石である金剛石が日本の国内にとめ置かれることは
国民ひとしく希望するところです。これを外国へ持
つて行つて処分しなければ処分する方法がないとおつしや
つたが、これを処分するには、当
委員会の決定による処理
委員会というものをつくり、十五回であろうと、二十回であろうと、三十回であろうと、少数にわけてこれを売却し、国内にこういう金剛石を
保有しておくということは、
国民性から言
つても、
国民の感情から言
つても、当然なことであると思うが、
窪谷管財局長は、就任早々であるにかかわらず、大胆に、外国へ全部持
つて行つて売るのが妥当であると
発言をしている。銀においても、何がゆえに外国へ持
つて行つて売らなければならぬか。私は、銀と
合金は、今日の
段階から言えば、できればこの
国会において所有権を明らかにして、そうして大体二百九十億に余るこのものをば、国家緊急欠くべからざるところの災害救助の対策費に充てることが正しいものであると考えたから、水害対策
委員会において
大蔵大臣にこのことの言明を求めております。小笠原君が明らかに、この
国会において所有権をばきめていただければこれを災害対策の費用としてまわす
考え方を持
つているという言明をしておられることは、あなた方もおいでに
なつて、御
承知の通りである。してみれば、私は、役人がもう少し心掛けを改めて、国家
国民本位に考えて、この金の問題とかダイヤ等は、それぞれ命ずるところに
従つて処理をし、銀とか
合金というものはすみやかに処分して、適当なる価格によ
つてこれを払い下げる、——一ぺんにできなければ、数回にわた
つてこれをする。数十回にわた
つても
けつこうです。そうしてその金は今日のような緊急対策費としてまわすことが妥当ではないでしようか。ただ財源がないと言
つて惑
つている時期ではない。こういう
政府の隠し財産と言
つてもよいような
金銀をば、いたずらに
日本銀行の
地下室に死蔵さしておく必要はない。こういうものを国家緊急の場合に役に立てることこそ、私は政治の妙であると考える。ところが、あなたは、外国に売らなければならないという見解を持
つている。これが私にはわかりません。
私は三点に限定をして伺いました。
合金を銀に還元しなければならぬ理由がどこにあるかという点、売りもどし
条件付の
品物を一体
大蔵省はどういうふうにするつもりであるかという点、外国に売らなくても他に方法はたくさんあると思うが、あくまでも
管財局長は外国に売るという大蔵
委員会における言明を主張なさるかどうか、この三点を伺いたいと思います。