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1953-10-30 第17回国会 衆議院 建設委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十月三十日(金曜日)     午前十一時十五分開議  出席委員    委員長 久野 忠治君    理事 内海 安吉君 理事 瀬戸山三男君    理事 安平 鹿一君 理事 高木 松吉君      岡村利右衞門君    高田 弥市君       仲川房次郎君    松崎 朝治君       山田 彌一君    赤澤 正道君       村瀬 宣親君    志村 茂治君       三鍋 義三君    中井徳次郎君       細野三千雄君    世耕 弘一君       只野直三郎君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局次長) 原  純夫君         建設政務次官  南  好雄君  委員外出席者         建設事務官         (大臣官房長) 石破 二朗君         建設事務官         (計画局長)  渋江 操一君         建設事務官         (住宅局長)  師岡健四郎君         建 設 技 官         (河川局長)  米田 正文君         建 設 技 官          (道路局長)  富樫 凱一君         専  門  員 田中 義一君     ————————————— 十月二十八日  委員佐藤虎次郎辞任につき、その補欠として  世耕弘一君が議長指名委員に選任された。 同月二十九日  委員池信辞任につき、その補欠として山田  彌一君が議長指名委員に選任された。 同月三十日  佐藤虎次郎君の補欠として高木松吉君が理事に  当選した。     ————————————— 十月二十九日  日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約  第三条に基く行政協定の実施に伴う土地等の使  用等に関する特別措置法の一部を改正する法律  案(岡良一君外二十六名提出、第十六回国会衆  法第一九号)  建築基準法の一部を改正する法律案瀬戸山三  男君外十四名提出、第十六回国会衆法第三七  号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  国政調査承認要求に関する件  災害復旧に関する説明聴取の件     —————————————
  2. 久野忠治

    久野委員長 これより会議を開きます。  お諮りいたしますが、去る二十八日、理事佐藤虎次郎君が委員辞任されておりますので、ただいま理事が一名欠員になつております。この際理事補欠選任を行わなければなりませんが、委員長において指名することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 久野忠治

    久野委員長 御異議なしと認めます。高木松吉君を理事指名いたします。     —————————————
  4. 久野忠治

    久野委員長 次に国政調査承認要求の件についてお諮りいたします。調査する事項といたしましては、国土計画地方計画都市計画住宅建築道路河川その他建設行政に関する事項及び調達庁の業務に関する事項とし、調査の目的といたしましては、建設行政実情調査し、その運営を適正ならしめるため及び調達庁運営を適正ならしめるためとし、調査方法は、関係各方面より説明聴取、報告及び記録の要求等とし、調査の期間は、本会期中といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 久野忠治

    久野委員長 御異議なしと認めて、さよう決定いたします。なお諸般の手続につきましては、委員長に御一任願います。     —————————————
  6. 久野忠治

    久野委員長 次に、災害復旧に関しまして、当局より説明を聽取いたすこととしますが、まずこれに関連して、本年度補正予算建設省関係予算につきまして、政府より説明を聴取いたしたいと存じます。米田河川局長
  7. 米田正文

    米田説明員 河川局所管補正予算概要について御説明申し上げます。  お手元の印刷物の予算内訳書の順序で申し上げますと、まず河川等事業費であります。これは二十八年度成立予算百八十八億のものが、追加額四億になつておりますのは、これは内容がまた中で二つに分れておるのでありまして、すぐその下にあります直轄河川改修費というのに一億、海岸堤防修築費補助というのに三億、合計して四億でございます。初めの直轄河川改修費一億は紀ノ川、遠賀川の二河川災害復旧する災害復旧費抱合せにして工事をやる費用でございます。海岸堤防修築費補助の方の三億円はこれは補助費でございまして、二分の一補助でありますので、工事費にすれば六億円になるのでございますが、これは愛知、三重両県の海岸災害復旧抱合せになる経費でございます。  追加額の方から先に申し上げますが、その次の問題は砂防事業費でございます。砂防事業費追加額は五億八千万円でございます。これは今回の災害によつて生じました各地の地すべり対策補助をする費用でございます。補助率は九割という補助率経費でございます。これは特例法に基く地すべり対策費補助でございます。  それから、道路関係都市関係を飛びまして、第二ページの一番下の段から五段目に、昭和二十八年発生河川等災害復旧事業費というのがあります。これは二十八年度発生災害復旧費でございまして、総額百三十四億六千二百万円でございます。その内訳直轄河川災害復旧費直轄砂防災害復旧事業費災害復旧土木事業費補助の三つの項目からなつております。直轄河川災害復旧費が十億二千百八十万円でございまして、筑後川、淀川等河川を含んでおり、それから直轄砂防災害復旧事業費は一千百二十万円、それから災害復旧土木事業費補助、これが各府県補助をいたします事業費でございまして、百二十四億二千九百万円でございます。  それからずつと次のページに参りまして、次のページの一番下からこれも五段目に、水防施設費というのがございます。これに追加五千万円でございまして、これは今度の特例法に基きまして、水防に使用した資材の全額補助をするという経費でございます。  河川局所管項目は以上でございますが、削減の方は、修正減少額というものが右の欄に載つております。これはある項目についてでなくて一般的に申しますと、河川の全体といたしましては、災害復旧費は、従来の過年災復旧費減少しない、修正しないということで、河川改良費に属する河川等事業費について平均二・五%の修正減少をいたしたのでございます。そしてこの二・五%平均としていたしましたが、砂防は一%にいたしましたので、その他残り河川としては三・三%というのが修正減少いたしたパーセンテージでございます。河川に関してはそういう状態なつております。そういう修正率によつて追加額も次の修正減少額というのがここに記載をされておるのであります。概要以上の通りであります。
  8. 富樫凱一

    富樫説明員 道路局関係補正予算説明を申し上げます。二ページの四段目に道路事業費というのがございますが、これによりまして御説明申し上げます。  二十八年度成立予算は百七億七千余万円でございました。これは内地の分でございますが、これに対しまして、追加額が一億六千万円、修正減少額が十億七千四百余万円、差引きいたしまして改定されました予算が、九十八億五千六百余万円になつております。この追加されましたものは直轄道路改修費に一千万円、道路改修費補助に一億五千万円でございますが、直轄道路改修費の一千万円は、三重県の直轄で改良しております国道の手もどりがございましたので、それに充てる金が一千万円でございます。それから道路改修費補助の一億五千万円は、特例法によりまして六、七月に災害を受けました県の、災害によつて必要を生じました道路修繕に対します補助金でございまして、事業費といたしましては三億でございますが、その二分の一を補助いたすことにいたしまして一億五千万を計上いたしております。  次に三ページの三段目でございますが、冷害等臨時対策事業費の中に、道路改修費補助というのがございます。この「道路改修費補助」というのは、スプリントでございまして、「道路事業費」と御訂正願います。この道路事業費が四億九千九百五十万円でございまして、このほかに事務費が五十万円ほどございますので、合せまして五億になりますが、これは冷害を受けました県の救農に充てる道路事業の金でございまして、これが五億でございます。そのページで下から四段目に、特定道路整備事業特別会計への繰入れというのがございます。これは二十八年度におきましては、一般会計から二十五億を繰入れることになつておりまして、すでに十億が繰入れられたのでございますが、この補正によりまして残りの十五億を一般会計でなく融資から入れようということでございますので、一般会計からの方は十五億が減少になるわけでございます。  それから最後ページの二段目に北海道道路事業費というのがございますが、これは追加額はございませんで、修正減少額が三億三千百余万円でございます。道路関係は以上の通りでございます。
  9. 渋江操一

    渋江説明員 計画局関係所管予算について申し上げます。  まず第一に補正追加予算関係でございますが、お手元にあります資料の二枚目をごらん願いますと、都市計画事業費という項目がございますが、これに対しまして、追加補正せられましたものが三千七百万円でございます。その内訳は、都市復興事業費補助が一千万円と、都市防災事業費補助予算が二千七百万円、こういう内訳なつております。  前段の都市復興事業費補助でございますが、その細目は今回の災害によります門司、日田、和歌山の御坊等のそれぞれ市、町におきます区画整理に必要な事業費補助でございまして、災害のために建物の原形復旧原地復旧がきわめて困難であろうと思われる前に申し上げました都市におきましては、この際区画整理事業をあわせて行いましてその復旧をはかろう、かような関係に相なつておるのでございます。補助率は二分の一の補助でございます。  次の二千七百万円の都市防災事業費補助でございますが、これは先般の国会におきまして特別立法と相なりました地すべり対策、おもに都市地すべり防災施設に対する補助費でございまして、該当都市といたしましては、門司下関等が考えられておるのでございます。補助率といたしましては、この九割を国が負担する、かような関係に相なつております。  次に一枚めくつていただきまして、最初都市災害復旧事業費補助が一億六千三百万円ございます。これは今回の災害によります都市災害事業費、これは査定いたしました金額のおおむね一五%分を今年度実行することにいたしまして算定せられた数字でございますが、国の負担といたしましては、今までの都市災害一般の場合と同様二分の一を補助する、かような関係に相なつております。  その次の都市排土事業費補助でございますが、これも先般の国会におきまして立法化されました災害特別立法に基きます補助でございまして、前記法律に従いまして、該当府県、さらに市町村それぞれの排土事業量を一応推定いたしまして、そのうちの二〇%をおおむね本年度内において投下するという前提に立ちまして計上せられた数字でございます。これは特別立法によりまして全額国庫負担ということに相なつておるのでございます。もちろん特別立法関係では、このほかに耕地の排土事業という問題がございますが、建設省所管といたしましては、都市排土事業というものを取上げておるのでございます。  以上が計画局関係災害補正追加予算関係でございます。  節約修正になりました部分につきましては、前のページに返つていただきまして、計画局関係としましては、当初予算四十七億三千万円に対しまして四億七千二百万円、約一割の節約を見ております。これは先ほど道路局からも御説明がありましたと同様、公共事業費災害部分を除きました一般につきまして一割節約という方針を立てられましたのに従いまして、算定せられた数字でございます。  以上が計画局関係でございます。
  10. 久野忠治

  11. 師岡健四郎

    師岡説明員 住宅関係予算につきまして御説明申し上げます。  公営住宅法並びに今回の特例法によりまして、罹災により滅失いたしました住宅は、特例法によりますれば、本年度におきましては三割、また公営住宅法によりますれば三割を大体二年または三年にわけまして建設をいたしまする場合に、これに対しまして国庫から補助をいたす建前なつております。そこで公営住宅法並び特例法によりまして、今年度大体六千六百九十戸の災害復旧住宅建設されるわけでありますから、この事業費十五億三千六百余万円に対しまして十一億五千百万円の補助費を計上いたしております。それから既存の公営住宅に対します建設復旧事業に対しまして補助いたすことになつておりますので、その分としまして百十二戸分、事業費におきまして二千四百十万円、補助額千五百十万円を計上いたしている次第でございます。     —————————————
  12. 久野忠治

    久野委員長 次に前回国会決定をいたしました特例法に基く政令等につきましてのその後の経過について、政府側説明を聴取することにいたします。石破官房長
  13. 石破二朗

    石破説明員 前回国会におきまして、大水害復旧のための特別立法が二十四できたわけでございますが、その後政府側におきましても、これが施行令を早急に制定いたしますようにいろいろ検討をいたしており、また国会におかれましても、衆参両院の両特別委員会でたびたび御審議なつておりまして、大体のところは政府側国会側の御要望とが一致しているような状況でありますけれども、なお若干問題があり、さらに政府部内の手続上の問題がありまして、建設省関係分二つ特例法施行のための政令はまだ公布に至つておりません。ここ数日中には何とかまとめまして公布しなければならない、かように考えております。  現在私どもの考えております案を申し上げますと、問題は二点あるのでございまして、特例法をどの地域に適用するかという問題と、それから排土事業に関しましては、どの程度以上堆積したものをもつて異常の堆積土砂とみなすかという一点あるのでございます。第一点の、どの地域にあの特例法を適用するかという問題に関しましては、六、七月災害のために要しました復旧費総額と、当該都道府もしくは市町村標準税収とを比較いたしまして、その復旧所要費標準税収を上まわる都道府県なり市町村に適用しよう、かように考えております。  なお、ちよつと御参考に申しあげておきたいと思いますが、われわれといたしましては、その際に災害復旧事業費当該都道府県なり市町村経費に属する災害復旧費を合算したもの、かように考えておつたわけでございますけれども、国会側等の御意見もあり、またたとえば農地復旧に個人が支出した経費、これらもすべて合算しようということに一応今のところは考えております。さらに災害救助法に基きまして、それの所要経費標準税収の百分の一を越えたという地方にも適用する。それでありますから、災害復旧の総所要額標準税収を越える地方または災害救助法に基く所要経費標準税収の百分の一を越えた地域、どれかに該当するものを指定しよう、かように考えております。  なおその政令の肯定の形式でございますが、目下被害額等の査定も実は済んでおらぬのがありまして、個々の具体的な府県並びに市町村が、はたしてこの基準に該当するかどうかもすぐはじき出せぬ点もありますので、さしあたりはそのものさしだけ政令で書いておきまして、後日これを明確にする意味におきまして具体的の市町村名を書いたらどうか、かように考えております。なお県につきましては、そういうことでなしに具体的の県名をこの際書いた方がいいんじやないかという強い意見がありまして、その点については今検討中でございます。  大体以上でございます。
  14. 久野忠治

    久野委員長 ただいまの政府説明について質疑を行いたいと存じます。質疑の申出があります。よつてこれを許します。村瀬宣親君。
  15. 村瀬宣親

    村瀬委員 大蔵省はお見えなつておりますか。
  16. 久野忠治

    久野委員長 今要求しております。向うを出かけたといいますから、もうしばらく……。
  17. 村瀬宣親

    村瀬委員 今度の国会救農災害復旧をほとんど全部の使命として開かれておるのでありまして、建設委員会審議を進めねばならない点も非常に多かつたと思うのでありますが、今まで委員長の海外御出張等があつて農林委員会等に比して審議の時間も少かつた関係もありますので、私は根本的に現在の日本災害対策について当局の御意見をただしてみたいと思うのであります。特に大蔵省建設省と御一緒にお聞きする方が焦点を明らかにすると思いますので、それを希望するのでありますが、やがて大蔵省関係の方もお見えになるそうでありますから、それまでにただいまの御説明についての簡単な部分的なことを伺つておきます。  先ほどの御説明の中に、特定道路関係の繰入れは、最初予算が二十五億でありましたものを十五億削減をいたしまして、これは融資から入れようというような話であつたと思うのでありますが、融資ということになりますと、予算編成の時から融資であるならば、もつと大きく入れられるのではないかというような関係もあつたのでありますし、また現在五百十億の予算の折衝に当つております分も、災害については、一応五百十億のわくが動かせないとするならば、百四十三億八千万円ほどを融資によつて、いわゆる今すでに出しておる融資引揚げないで長期債の形で処理してはどうかという点が、今非常に問題の焦点なつておるのであります。この十五億の方は簡単に融資から入れるということが御決定になつたのでありますか、その間のいきさつを承りたいと思います。
  18. 石破二朗

    石破説明員 私から便宜御答弁申し上げたいと思いますが、もともと有料道路の制度は、預金部資金なりその他いわゆる国の財政資金によらないでやろうという建前つたことは御承知通りでございまして、当初予算を編成いたします際に、あるいはそういうのが建前じやないかというような御意見もあつたことをよく承知いたしております。その際預金部資金財源を仰いでおれば、もう少しよけいとれたじやなかろうかという御意見でございますが、私から何とも言えませんけれども、あるいはそういう考え方も成り立つたんじやなかろうか、かように考えております。  なお今回他のいわゆるつなぎ資金長期債に繰りかえることが非常に困難な際に、これだけは簡単に行くかどうかというお話でございますが、これはもともと国の財政支出によつてまかなおうとしておつたのでありますから、これは最優先的に扱われるべきものであり、さらに金額からいたしても、この程度のことは実現可能なもの、われわれが予算において計上し予定しておりますものは必ず借り入れられるもの、かように考えております。
  19. 村瀬宣親

    村瀬委員 これは各当該有料道路の箇所では、それぞれもう計画を立てて工事を進めておると思うのでありますが、この予算修正減少額を御決定になるときに、そういうことは大蔵省とはつきりしたお約束ができておるのでありましようか、もう一度お尋ねをいたします。
  20. 石破二朗

    石破説明員 この予算計上額預金部資金から貸すということについては、完全に約束がついております。     〔委員長退席内海委員長代理着席
  21. 村瀬宣親

    村瀬委員 今度のこの補正予算を組まれるにあたりまして、むろん建設省としては満足でないであろうということは、私たち十分想像のつくところでありまして、御苦心のほどはまことに御同情申し上げるのであります。たとえば住宅公庫出資減少による二十二億円というものが出ておるのでありますが、これなど住宅事情の困難な今日、こういうふうに無理々々承認をさせられたものでありましようし、これらに当られる当局の方は、まことに血の涙であつたであろうと思うのでありますが、問題は災害をどうやつて復旧して民生を安定し、食糧増産に支障なからしめるかという基本になることでありまして、これを無理々々押しつけられたものであろうということは想像に難くないのでありますが、そのときにも、なお災害復旧については初年度三割、次年度五割、その翌年度に二割という線を堅持なさる御方針でこれをお組みになつたのであるかどうか、これは政務次官からひとつ承つておきたいと思います。
  22. 南好雄

    南政府委員 お答え申し上げます。村瀬君の御質問の通り建設省といたしましては、災害復旧につきましては初年度三割、次年度五割、最終の三年目には二割という方針を堅持したかつたのであります。またそうする予定のもとにおいて財政当局と交渉したのでありますが、国家全般財政事情から、将来いずれ大蔵省財務当局の方からも御説明あると思いますが、現在の状態においてはこの程度金額しか捻出できない。百四十億ほど既定経費節約して、しかもその財源に充てて行くというようなやり方しか、財政的に切り抜ける方法がない、こういう全般的な見方のために、やむを得ずこういう予算になつたのであります。しかしながら、私たちの考えといたしましては、御承知通り、そうは言いましても、災害地実情に応じましてすでにどうしてもやらねばならぬものもたくさんあると思います。この金額ではやれぬものもあるに違いないと思います。これらの金をどういうふうにやつたならば一番現在の災害復旧に効果的にやれるかが、これからわれわれに課せられた一つの大きな義務でなかろうかと考えております。どうしても足らぬような場合におきましては、別途また大蔵省その他と交渉をいたしまして、少くとも民生安定上必要な災害復旧につきましては、万遺漏のないようにいたしたいものだ。現在の状態においては、インフレ防止のために、こういうような予算も一時は国家全体として承認しなければならぬのでありますが、そうかというて、この金でやれぬような場合が起きた場合に、しかたがないのだといつて放置することはできないものだ、こういうふうに考えております。重点的に予算施行することも、その一つ方法でありまするし、また今村瀬さんが言われたように、すでに出されたものを長期債に切りかえて行くように交渉することも、一つ方法であります。いささか乱暴な方法でありますが、最後最後には、もう一ぺんつなぎ資金を出して、必要な工事施行して行くというやり方も、場合によつてはやらなければならぬのじやないかというふうにも考えておるのであります。国家全体の要請と私たちの考えております民生安定上ぜひとも必要な災害復旧との調整をどの程度やるかは、今後与えられた予算を最も有効に使つて行くことにあげてかかつておるというような状態でありまして、私みずから政府の一部におりましてこういうことを申し上げてどうかとも思いますが、できるだけ与えられたこの現在の予算で必要な災害復旧をやつて参りたいとは思つておりますが、これでどうにもならぬときには、また皆様によく御協力を願つて、次の方法を考えて行かなければならぬのじやないかというふうに考えておる次第であります。
  23. 村瀬宣親

    村瀬委員 政務次官の御苦心のほども十分拝察ができるのでございます。なるほどインフレの危険ということにつきましては、財界その他学者の間でも、ずいぶん議論がきついのでありまして、私たちもそれを軽視するものではありません。しかし災害復旧に関する限り、結局あとに延ばすというだけでありまして、やるだけのことはやらねはならないのであります。こういう基本的な議論をこの建設委員会でしようとは思いませんが、来年になればそれでは災害復旧に必要な経費を出してもインフレにならないか、それだけ日本経済機構が一年間に拡大されるかといいますと、そういうめどはつかないのであります。貿易関係その他、あるいは産業構造から考えましても、来年になつてもやはりまた、インフレになるからこれは延ばそうじやないかということになるといたしますならば、単に予算数字の上では、これは来年に次次と延ばして行くよりほかにインフレを防ぐ道はないのかということになるのであります。三年たてばもうこの災害を直さずに済むというのならば、これは一年延ばしに延ばして行つてもよいでありましようけれども、かえつて災害をつくろわずに置くということは、傷口を大きくするだけでありまして、いずれはこの災害復旧はやらねばならないといたしますならば、それはただいたずらにインフレの危険におびやかされて、必要なこともやらないということは、かえつて国土開発また予算の使い方においても、非常にむだなことになると思うのでありますが、この点は非常に根本的な議論でありますから、この委員会ではいたさないといたしまして、今日お伺いいたしたいと思いますことは、三、五、二とか、今年は二割で済ますとか、一割九分二厘とか言つておりますが、その基礎になりまする最後の査定額は、幾らに御決定になつたのでありましようか。私たち最初考えておりましたのは、一応災害の見込みを二千八百億円と見た。そうしてその被害を査定してみると二千十一億円。この二千十一億円という数字は、かなり根拠のある固まつた数字であつたと思うのであります。この二千十一億円から市町村負担を除いて、ぎりぎりのところ千八百億円である。これの三割、五百四十億円をぜひこの補正予算で必要とするというのが、われわれの考えであつたのであります。ところが、その後大蔵省の発表によりますと、二千八百億円と言つていたのは、実は二千六百十九億円であつたのだ、それから査定したのが千八百四十八億円となり、さらに千七百七十五億円となり、そうして最終の査定は千五百六十五億だというふうにこの予算説明には出ておるのであります。一体千八百億円というかなり固まつた数字が、どういう関係で千五百六十五億円となつたのであるか、これについて大蔵省はいろいろなことを言つております。     〔内海委員長代理退席、委員長着席〕 文教、厚生の九十四億円のうちの二十億円とかあるいはこのうちには凍霜害の五十八億円が入つてつたのだとか、推定したものが五十億円とあつたものが、机上推定過去三年間の平均をとつたものが百七億円あつたのだとか、いろいろな説明をしておるようでありますが、建設省としては一体この千五百六十五億円という基礎の数字をお認めになつたのであるか、もしお認めになつたとすれば、その内訳を御発表願いたいと思います。
  24. 石破二朗

    石破説明員 大蔵省の千五百数十億という数字は、建設省だけでなく、お話の通り各省の分を含んでおりますので、そのうちで建設省を幾らということはまだ実は聞いておりませんので、その数字がどうかということについてはお答えは申し上げかねますけれども、建設省の被害報告額、査定見込額というようなものに関しまして、現在の実情を申し上げたいと存じます。  建設省に今日までに府県から報告のありました分を全部総計いたしますと、千四百六十億円ばかりになります。その内訳は、いはゆる公共土木施設の災害復旧所要額として報告がありましたのは、直轄分にして七十二億、補助分にいたしまして千三百九十七億、合計千四百六十九億という報告であります。それから特例法によりまして道路の修繕に要する経費として県から報告いたしましたのが七十六億、それから地すべり対策その他緊急砂防事業費に要する経費として報告いたして参りましたのが二百三十六億、それからこれも特例法によりまして、農地は除きますが、排土に要する経費として報告いたしましたのが百四十四億、それからこれまた特例法に基くものでありますが、水防資材を失つたためにこれを補填するためにその経費を国から補助する建前なつておるのでございますが、これに要する経費として一億七千万。住宅災害につきましても、これを滅失した民家の報告が正しいものとしてそれに特例法を適用した場合、公営住宅建設に要する経費というものを一応算定しますと、三十九億。これらを合計いたしますと、先ほど申しました千四百六十億程度に相なつております。  それではこの査定状況はどうかということについて申し上げますと、公共土木につきましては過去何十年査定の経験もありますし、さらに被害報告後どんどん査定いたしておりますので、もちろん全部は完了いたしておりませんけれども、大体の査定見込額というものは、ある程度の根拠は持つております。過去の例によりますと、査定率は大体四割八分見当でございます。それによつて一応今度のを推定いたしますと、千九十億というような数字に相なつております。これは補助金でございます。直轄の分は、これも若干減ると思いますけれども、一応建設省の出先から報告しておりますものを七十二億と考えておりますが、それを合計しますと、公共土木の関係は千百六十二億であります。これは若干の違いはあると思いますけれども、まあ信頼の置ける査定見込額だと思います。  その次の、道路修繕に七十六億という報告があつた次第でございますが、これはいかに考えましても非常に大きいものだと思います。目下査定中ではございますが、これが査定の結果どの程度に納まるものかということにつきましては、まことに申訳ありませんけれども、現在確たる自信を持つておりません。砂利道の補修に要する経費を一キロ当り大体二十万円見当と考えますと、いかにもこの七十六億という報告は多いようでございます。これは幾らに査定になるかということは、ちよつと申し上げかねます。  その次の砂防地すべり対策でございますが、二百三十六億の被害報告に対しまして一応査定いたしておりますが、四割程度の歩どまりになるのじやなかろうか。これは相当推定が入つておりますので、はつきり申し上げかねますけれども、四割程度、つまり九十数億円程度になるのじやなかろうか、かように考えております。  次に排土につきましては、百四十四億円かかるという報告が参つておるのでありますが、これも先ほど申し上げました道路修繕に要する経費と同じような状況でございまして、過去にも実例がありませんし、まだ査定をいたしておりませんので、これがどの程度に納まるか、どうも非常に申訳ありませんが、はつきりしたことを申し上げかねると思います。  その次の水防資材の一億七千万、これはすでに支払つたものを国庫で補填するわけでございますから、よくその支払い状況を見れば査定できるわけでございますが、これもまだはつきり査定いたしておりません。従つてどの程度になるか、はつきり見当がつきません。  その次の住宅、これは三十九億かかるといつておりますが、これにつきましては、実は十三号の分につきましては、まだ査定いたしておりませんが、西日本の分は査定いたしておりまして、三十九億というのはそうひどい数字ではありませんので、査定しました結果は大体三十六億程度にとどまるのじやなかろうか、さように考えております。それらを合計いたしまして、どうもはつきりした合計が出せればよいのでありますが、公共土木と住宅とははつきりしたものは大体見当がつきますが、その他の雲をつかむようなものと合計いたしますことは、かえつていかがかと思いますので、建設省が被害の査定の見込額というものを締める点につきましては、ちよつとごかんべん願いたいと思います。はつきり申し上げられますことは、公共土木の査定見込額千百六十二億、若干は動きますけれども、これは大体その見当だろうと思います。公営住宅建設所要見込額三十六億という程度のものは大体この程度でおちつくだろう、かように考えます。
  25. 村瀬宣親

    村瀬委員 大蔵省はどういう方がお見えになりましたか。
  26. 久野忠治

    久野委員長 原主計局次長が出席しております。
  27. 村瀬宣親

    村瀬委員 大蔵省にお尋ねいたします。今お聞きの通りであります。そこであなたがお見えになる前に私が申しましたのは、われわれは今度の災害最終査定を大体千八百億見当と思つておる。ところがあなたの方でお出しになつた二十八年度補正予算説明によりますと、これが千五百六十五億円ということになつておる。それで一体建設省はこれらの変化に対してどういう数字を持つておられるのかということをお聞きいたしましたところ、今官房長からお聞きの通り説明があつたわけであります。そういたしますと、公共土木の方ではやや確実な、ややでなくほとんど確実なものが千百六十二億円、住宅関係は三十六億円、その他の道路修繕砂防、排土、水防資材の点は非常に査定が困難だということであります。四割なんかの数字はむちやな数字と思いますが、非常に少い。四割で計算してみましても、これで千四百七十三億円という数字になるのでございます。建設省の方では数字はお出しになりませんでしたが、私が今ここで計算してみますと、四割というようなむちやくちやな切下げをしてみても、なお千四百七十三億という数字が出て参る。そうするとこのほかに農林省で、あるいは八百八十一億円という数字も、われわれは一度聞いたのでありまするが、それが幾らになつたかはともかくといたしまして、千五百六十五億円から千四百七十三億円を引きますると、九十二億円というのが農林省その他のものになる、こういう不合理な数字が出るのでありますが、一体千五百六十五億円という数字は何から出たのでありましようか、お尋ねをいたします。
  28. 原純夫

    ○原政府委員 お答えを申し上げます。水害の特別委員会で御審議がありました間に、お話の約千八百億に上るという資料を差上げてあつたのでありますが、それと今回の千五百六十四億とはどうしてそう開くのかというお尋ねであります。まず先般差上げました資料は、十月初めに差上げたと思いますが、報告が入つて参りますのが必ずしもかたまつてはおらないという時代でありましたが、一番大きく今回の数字と違います理由は、当時申し上げました数字の中には公共事業関係、つまり主として建設、農林、運輸の各省の所管で行いますいわゆる災害の土木復旧事業のほかに、文教、厚生関係復旧所要額ないし凍霜害等の分というようなものが入つておりまして、なお当時、若干の災害がなおあるかもしれないというようなことで、それも見積つております。そういうようなものをきわめて条件が未熟なまま見積りました数字が千七百九十九億と出まして、そのうちただいま申し上げました文教、厚生ないし凍霜害というような分に計算されましたのは百五十億、それからその後発生するかもしれないというので、予備的に見ましたのが五十億、合せて二百億ばかりが今回申し上げております千五百六十五億円のわくのほかにあつたわけであります。ですからそれを抜いて御比較いただかないといけないのであります。それを抜きますと、千五百九十九億、約千六百億というようなことに相なるわけでありますが、これとの差は、ただいま申しましたように、当時数字がよく動いております。その後訂正で減つて来たというようなものもございまして、十月の五日現在で整理いたしてみますと、千五百六十数億ということになつて参つたわけであります。およそそういう事情でございます。
  29. 村瀬宣親

    村瀬委員 今の御説明では、そういう事情でございますと言われても、何もわかりません。文教、厚生、凍霜害が百五十億円、予備的なものが五十億、推計して二百億、それは算術でやるならば、そういうことになるでしようが、一つもわからない。一体百五十億の内訳は何でありますか。しかしこれをお尋ねしてみても意味をなしませんから、やめましよう。おわかりになつていないようでありますから、逆の方から聞いてみましよう。ただいまあなたがここへおいでになつたときに、建設省の官房長がお話になつておつた通り、公共土木費千百六十二億というのは、まず動かぬ数字である。住宅の三十六億もこれは建設省が責任をもつて出せる数字だとおつしやるのであります。そのほかに道路修繕費七十二億、砂防費二百六十三億、排土費百四十四億、水防資材で一億七千万円というものがあるが、これは良心的になかなか査定が困難だとこうおつしやるのであります。そこでこれら道路修繕砂防、排土等をかりに四割と査定する。四割と査定するというようなことは例がないことでありまして、これは単なる想像であります。六割か七割になると思うのでありますが、かりに四割と査定いたしても、その合計は千四百七十三億となるのであります。建設省が責任を持つている千四百七十三億に対し、大蔵省は何ぼと見ておるのでありますか、それを承りましよう。
  30. 原純夫

    ○原政府委員 私どもの考えましたところは、結論では建設省関係の被害報告額千六百十四億、うち査定になるであろうという見込みが千百十二億、うち国費の負担となるであろうと見込まれますものが九百九十六億というふうに見ております。
  31. 村瀬宣親

    村瀬委員 そういう査定をなさる場合に、何もあなたの方は手にどろを塗つて復旧事業をやるわけではなく、苦労して災害復旧をやるのは建設省なんですが、その建設省とは全然打合せをなさらないで、あなたの方が机の上でそろばんをはじいてそういう数字を出した。それがいつも予算には毎年出ておるものであるかどうか。予算ができ上るまでの過程をひとつ説明していただきたい。
  32. 原純夫

    ○原政府委員 御審議願つております予算は、建設省その他各省とも打合せをいたしまして、実施の局に当る面からいいますれば、極力やりたいという声が強くございましたが、財政の各般の需要が多い、また財源が御存じの通り少いというようなことから、まあこれでごがまん願うということできめました数字でございます。その間の経緯というお話でありますが、まず本年の災害が非常なものだということは、われわれもつとに感じておりましたし、特に国会におきましても、社会におきましても、非常にそういう点に強い御要望もあり、われわれ財政をあずかる身といたしましても、できるだけいたしたいというつもりで、いろいろな財源の捻出に努力いたしたわけでありますが、結局それのとことんまで参つて、もうこれしかないというところでお願いした。一方災害の被害額、それを復旧いたしますための復旧所要額といつたようなものを、先ほど来のお話のありましたような累次の報告額ないし査定見込額というようなものから見当をつけながら、前々から御要望のありました、早く復旧したいというような御要望も感じながらやつて参りますと、どうも二割程度なつて来る。その辺お互いに苦慮したわけですが、もうとことんまで行つて、相談というようなことで、今回の災害関係三百億という数字が出て参つたわけでありまして、ひとつ御了承願いたいと考えております。
  33. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 ちよつと関連して、私は今日は何も言わぬつもりでおりましたが、むずかしいことを申し上げるのではありません。今はちようど日本の悲劇であると思つておるのですが、大蔵省ももちろん災害については一生懸命早く復旧したいというお考えであると思います。ましてや現業の建設省は当然のことでありますが、ただ今問題になつておるのは、一体今年の災害額をどのくらいに見るかというところで村瀬委員から追究されておる。ところが聞いておりますと、全然連絡なしに災害の見積りをやつておられるような答弁を承つて、先ほど村瀬委員からの、建設省やその他の現業の官庁と何ら連絡なしにそういうことをやつておられるのかというお話に対して、今大蔵省の原さんは、いや、それは今度の予算は打合せてある。それは当然のことでありまして、その基礎が一向明らかにならないから、今貧乏な財政で今年の災害のうちどのくらいやろうかということで苦心をいたしておるのであります。そこで今年の災害をどのくらいに見るかということが、今非常に問題になつておる。建設省の官房長のお話でも、最後決定はできない、これは私たちはよくわかる。その最後決定はできないが、その間においても、全然違うような話を両方からされると、私ども見当がつかない、こういうことです。さつきお話しになつた、これは正確な数字ではありませんが、少くとも建設省関係だけでも千四百億くらいに見られる、農林省だけだつて千億近くのことを言うておられるのに、あと百億ぐらいしか残らないじやないか、それは一体どういうことだ。建設省とか大蔵省とか農林省というような問題を言うのではないので、政府はこの重大問題を、一体どのくらいに見ておられるのかということをこの際明らかにしてもらいたい。
  34. 原純夫

    ○原政府委員 遅れて参りましたために、ただいまの数字とつき合せをいたす時間がないのでありますが、申し上げましたように、実施をされる立場では、私どもも極力やつていただきたいと思いますけれども、さいふが非常に乏しいというような立場のために、いろいろな結論を出します場合に、第一段にこれを計算し、第二段にこれというような各段階で、率直に申して若干の違いを生ずるというようなことがあろうかと思うのであります。たとえば、現地から報告して参りました被害を終局的に幾らに査定になるであろうか、実際の査定が済みますれば、はつきりするわけでありますが、現在の段階では、御承知通り推定がかなり入らざるを御ないので、その推定に際しましても、たとえば建設省側は私どもと若干違つてよけいになるかもしれないというような、若干の意見のわかれが経過においてあつたことは確かでありますが、私どもといたしましては、過去三年の査定率の平均で見るというような線でただいまの数字を申し上げ、そういうような線で予算を組んであるわけであります。建設省側にも御不満はありましようが、これでとにかく今後できるだけやつて参るというふうに御賛成をいただいておると思います。
  35. 村瀬宣親

    村瀬委員 ただいま瀬戸山委員の関連質問の通りでありまして、私は二段では二割が少いとか三割でなくちやならぬというような額の点にも触れたいと思いますけれども、今きめておきたいと思いますのは、瀬戸山委員のお尋ねの、総額が千五百六十五億でよいかどうかということであります。それは建設省には連絡がなかつたように聞くのであります。千五百六十五億というのは、農林省も建設省も一応それではそうしようという了承ができておるのでありますか、どうでありますか。これをひとつ確かめておきたいと思います。
  36. 石破二朗

    石破説明員 初めに、私先ほどたいへんな間違いを申し上げましたから、御訂正願いたいと思います。被害報告の現在までの総額を千四百六十一億と申し上げたと思いますが、これは大きな間違いでございまして、千九百六十五億でございます。実は先ほど申し上げました通り道路修繕砂防と、排土と、水防資材と、私どもの方でも非常に自信のない数字を掲げておりますので一応これをあとまわしにしていただきまして、一番かつちりしていると思います公共土木と住宅に限つてまず先に私の方の考えを申し上げさしていただきたいと思います。公共土木につきまして大蔵省建設省との違いのもとの出ますのは、被害報告の締切り時期においてであります。これは十月五日で押えておられる大蔵省と、現在までで抑えております建設省との違いが大きいと思います。
  37. 村瀬宣親

    村瀬委員 何日ですか。
  38. 石破二朗

    石破説明員 建設省は、私は一応十月二十七日というので持つておりますけれども、それの違いと、査定見込額の違いがあるようです。大蔵省は大体七五%ぐらいに査定しておられるようでございますし、私の方では七八%くらいに考えております。その辺の違いであります。ところが、その辺は建設省の方が多いのでございますけれども、さて国庫負担の見込願になると、特例法がどの地域に適用になるのかというような点もはつきりしませず、この点になりますと、実は私の方が少くて大蔵省の方が国庫負担の率を多く見ておるというような状況でございます。そこで問題になります点は、御心配になります通り、まことに申訳ない次第でありますが、私の考えといたしましては、被害の査定は建設大臣の権限でございまして、大蔵省がきよう幾らで抑えるつもりだ、七割五分に抑えるつもりだとおつしやつておりましても、これは事実やつてみまして、七割八分という査定率になりますればそれで確定していただくつもりでありまして、この点は大蔵省が、それは今からもう少し下げろとおつしやつても下げる意思は持つておりません。従いまして、その点については、現在大蔵省と私の方との見解の違いにさして心配はいたしておりません。被害報告の押える時期でありますけれども、大蔵省はやはり全体の予算をまとめます関係上相当前の数字で、各省頭を並べた日取りの数字で押えているだろうと思いますし、私の方はその都度入つて来るのを集計しておりますので、これも報告が遅れたら大蔵省が将来予算を組まぬというような心配は毛頭持つておりませんが、この点若干の食い違いはありましてもやむを得ぬと思つております。ただ問題は、今年の予算で何割復旧するかという点でございますが、この点につきましては、また後ほど御質問によつて申し上げたいと思います。
  39. 村瀬宣親

    村瀬委員 最後大蔵省にお尋ねいたします。私は国庫負担の実際の金額がどれだけかということは、二十四の特例法の適用いかんにあると思うのですが、それにつきまして水害地対策特別委員会で、水害地緊急対策諸法律の適用地域指定基準というものを十月十五日に大体きめたようであります。これは読んでもよいのでありますけれども、時間を空費するからやめますが、この通りのものを実施なさる考えのもとに、この金額は出たのでありますか、あるいはこれの第何号と何号を適用する場合にこの金額になるとおつしやるのか。もしよければ読んでもいいと思いますが、一応わかればそれでお答え願いたいと思います。
  40. 原純夫

    ○原政府委員 特例法地域指定につきましては、水害の委員会基準を御決議になつております。参議院の方でも御決議になつておりますが、それらを十分尊重いたしまして、政令をきめたい。もう最後の段取りのところまで参つております。若干その通りに参らないというようなところもございますが、大体その委員会の意向を尊重して参りたいというつもりでおります。予算の積算におきましては、多くの場合に、基準なつております基準財政収入及び復旧所要額といいますものが、いずれも最終的に確定しますのがずれますために、今日ただいまぴたりとした数字は得ようもありませんので、われわれ一応各般の角度から推測いたしまして、大約八割五分程度地域が指定になるであろうという想定で特例法による高率の補助を計上しております。
  41. 村瀬宣親

    村瀬委員 何の八割五分ですか。
  42. 原純夫

    ○原政府委員 総復旧所要額の八割五分程度が同率補助を受ける地域の分であろうという想定で積算いたしております。
  43. 村瀬宣親

    村瀬委員 若干は違うということでありますから、ちよつとこれは簡単ですから読んでみます。  都道府県の指定は「公共事業復旧費昭和二十八年度標準税収入を超える都道府県」、これが都道府県であります。  それから市町村の指定は、「1、公共事業復旧費当該市町村昭和二十八年度標準税収入を超える市町村、2、災害救助法に基く救助費の支出額が当該市町村昭和二十八年度年税収入の百分の一を超える市町村、3、農林水産物の減収が通常生ずべき収入の三割を超える被害農林漁家戸数が全農林漁家戸数の一割を超え、又は三割以上の減収被害耕地面積の合計が百町歩を超える市町村、4、農地及び農業用施設の復旧費をその区域内で被害を受けた関係戸数で除した場合、その額が三万円を超える市町村、5、林道の復旧費をその区域内で被害を受けた林道の総延長のメートル数で除した場合、その額が三百円を超える市町村、6、漁場並びに漁業用施設の復旧費を被害漁家戸数で除した場合、その額が三万円を超える市町村、」  それから最後に土地改良区の指定でありますが「土地改良区の用排水路及び施設の災害復旧費総額が土地改良区標準賦課金の総額を超える土地改良区」、こういうことになつておるのでありますが、これのどことどこをお認めにならないのでありますか。
  44. 原純夫

    ○原政府委員 ただいまお読み上げになりをした限りのところは、その通りいたそうと思つております。なお市町村の指定各号の基準のうち、建設関係においては、一号、二号、その他は農林関係というような、ただいまお読み上げになりました基準の四にもある通りであります。私ども今若干困つておりまするのは、都道府県の指定基準である公共事業復旧費標準税収入を超えるという基準の、その復旧費の次に括弧を入れられまして、農地及び農業用施設の災害復旧費を含むというふうに書いておありになる。これが県の負担工事でなくて、市町村ないし個人あるいは団体の負担に属する農地、農業用施設の復旧費も含めてというお話があるのでございます。そういたしますと、県の場合に、県に特別によけい補助を出すか出さないかということを、こういう基準でおきめになるという趣旨は、県の財政が非常につらいかどうかということでおきめになるのであろう。そういたします場合に、県の負担に属さない部分の農地、農業用施設の復旧事業費をお入れになるということは、どうもいかがかというふうに実は感じておるわけであります。
  45. 久野忠治

    久野委員長 委員長からも一言大蔵当局に希望いたしたいのですが、先ほど来の説明をお聞きいたしておりましても、まことに雲をつかむようなもので、私自身も納得が行かない面がたくさんございます。明日、朝早くからでもけつこうでありますから、委員会を開きたいと思いますので、もう少し納得の行くような数字をひとつお示しをいただきたいと存じます。特に今回の国会は、救農国会とか、あるいは災害を中心に開かれた国会でありまして、全国民注視の的になつている国会であります。そのような意味から行きましても、われわれ建設部門を担当いたしております委員会といたしましては、事こまかに検討いたしたいと存じますので、特にその点を御注意申し上げたいと思います。  本日はこの程度にて散会をいたします。     午後零時三十七分散会