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1953-07-16 第16回国会 参議院 労働委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月十六日(木曜日)    午前十時五十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     栗山 良夫君    理事            井上 清一君            田村 文吉君            田畑 金光君    委員            伊能 芳雄君            田中 啓一君            宮澤 喜一君            吉野 信次君            梶原 茂嘉君            阿具根 登君            吉田 法晴君            上條 愛一君            寺本 広作君            堀  眞琴君            市川 房枝君   国務大臣    労 働 大 臣 小坂善太郎君   政府委員    法制局長官   佐藤 達夫君    法制局第一部長 高辻 正己君    労働政務次官  安井  謙君    労働省労政局長 中西  實君    労働省労働基準    局長      亀井  光君   事務局側    常任委員会専門    員       磯部  光君    常任委員会専門    員       高戸義太郎君   —————————————   本日の会議に付した事件参考人の出頭に関する件 ○電気事業及び石炭鉱業における争議  行為方法規制に関する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○労働情勢一般に関する調査の件  (けい肺病対策に関する件)   —————————————
  2. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今より労働委員会を開会いたします。  本日の会議に付する事件は、電気事業及び石炭鉱業における争議行為方法規制に関する法律案公共企業体策労働関係法の一部を改正する法律案地方公営企業労働関係法の一部を改正する法律案労働情勢一般に関する調査のうち、けい肺病対策に関する件等でございます。  最初に御報告を申上げて御承認を得たい件がございます。昨日の委員長及び理事打合会におきまして、明日の会議に付する事件一つといたしまして、労働争議関係いたしまするピケツト・ライン正常性限界につきまして、学識経験者を本委員会に招致いたしまして、意見を伺うことに意見の一致を見たのでございます。従いまして明日さように議事の取運びをいたしたいと存じまするので、御承認を得たいということと、第二には、参考人人選につきましては委員長に御一任を願いたいという、この二点につきまして御承認を得たい、こう存ずる次第でございます。
  3. 寺本廣作

    寺本広作君 理事会でおきめになつたということでありますので、特に強い反対の意味で申上げるつもりはございません。ただ併し、先日来委員長お話になつておりましたことは、ピケツト・ライン合法性の問題については、検察庁学識経験者並びに一般というお話でございます。只今お話では、卓識経験者と、こうされまして、その人選委員長一任と、こういうことでございますが、特に範囲を絞られる意味でそうされましたのかどうか。
  4. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 検察庁は勿論おいでを願います。こう考えております。
  5. 田中啓一

    田中啓一君 どうぞそれは委員長理事でおきめを願いたいと思います。委員長理事で。
  6. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それは昨日のときと同じよう委員長に御一任を願いたいという意味は、そのことも含めてのことでございます。
  7. 田中啓一

    田中啓一君 わかりました。
  8. 田村文吉

    田村文吉君 それから昨日の理事会申合せは、昼前は引続いて電気事業及び石炭鉱業における争議行為方法規制に関する問題をやつて、昼から公述を聞くと、こういうふうに私承わつたのですが、その意味と承知してよろしうございますか。
  9. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) さようでございます。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それでは御異議もないようでございますから、さよう決定をいたします。   —————————————
  11. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今から電気事業及び石炭鉱業における争議行為方法規制に関する法律案議題に供します。本法案場につきまして御質疑のおありの方は順次御発言を願います。  本日出席政府側は、労働大臣小坂善太郎君、労政局長中西實君、法制局長官佐藤達夫君、法制局第一部長高辻正己君でございます。
  12. 田村文吉

    田村文吉君 それでは一つお尋ねいたしたいことがあるのですが、先ず労働大臣に伺いたいのでありまするが、今度お出しになりました、御提案になりました電気事業及び石炭鉱業における争議行為方法規制に関する法律と、えらい長い文句法律案件でございまするが、一部分ストライキを禁止するということで、或る意味からかようなふうにおつけになつた題目であるかと思うのですが、いわゆる憲法の二十八條ですかの問題に関係がありまして、この問題について政府はえらい御遠慮的な文句をお使いになつているのですが、もつとはつきりと、こういうものは電気産業ストライキ規制、又石炭鉱業における特殊の方法規制というようなふうにこれは言われてもいいんですが、もつとはつきりとそういう点について御明言なさつてもよろしいのではないか、又却つて国民としましては、不明瞭な文句法律の出るということは余り喜ばしいことじやないと思うのですが、そういう点は根本的にはどういうふうにお考えになつておるでしようか、先ず一つ伺いたいと思います。
  13. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) お答えを申上げます。私どもといたしましては、憲法二十八條規定されましたところの労働基本権というのはできるだけ尊重しなければならんと考えておりますけれども、これはやはり十二條、十三條にございまするような、公共福祉のために用いなければならないし、公共福祉か阻害してはならんという、そうした限度があるのですから、無制限にこれを濫用してはならないのだという、こういう考え方を持つておりますので、昨年の御承知のような電産、炭労の二大争議のにがい経験に鑑みまして、只今議題となつておるようなこういう争議行為というものは一つ遠慮してもらいたい。この争議行為というものはこれは違法であるのだ、不当であり違法であるのだという限界を明確にする必要があろうと、こういう意味でここに提案をしておる次第であります。田村先生の言われるもつとはつきりというお尋ねもわからないではないのでありますが、私ども気持は、そういうふうに範囲を明確に、解釈を明らかにするということがこの法規の主体である、こういうふうに考えておる次第でございます。
  14. 田村文吉

    田村文吉君 第三條につきましては、成るほどその解釈を明かにするというよう意味にはとれんことはないのでありますが、第二條は全く新らしい電気事業に対するストライキ規制、禁止をおきめになつ法案なのでありますので、私は争議行為規制とかというえらい複雑な文字をお使いになつているが、もつとそういうことをはつきりと、今御説明にありましたように、憲法第二十八條意味は、公共福祉に関する限りにおいては制限されても止むを得ない、こういうことをはつきりと御信念がございますならば、その意味においてそういうことをなさつてもよかつたんじやないか、こういうふうに考えまして、なぜこんな長つたらしい、争議行為方法規制に関するなんという文字をお入れになつたのか、こういう点について重ねてお伺いいたします。
  15. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) お説のよう争議行為というものは、申すまでもないことですが、一般的には業務妨害等刑罰法規に触れる場合が多いわけであります。併しこれを普通通り刑罰に付して参りますれば、争議行為ということを行う余地は殆んどなくなる虞れがあるわけであります。そこで労組法一條第二項によりまして、正当な争議行為というのは、刑法第三十五條にいう正当な業務行為として処罰されないと規定しておりまして、この規定によりまして正当なストライキたるときには刑法その他の刑罰法規適用除外、刑事上の免責があるということにいたしているわけであります。そこで問題は正当であるか否かということであるかと存じますけれども、正当ならざる争議行為というものは、例えば法律違反労組法違反である、或いは労働協約違反であるということはもうはつきりしております。併し一般的には法令や協約に明文がなくても、いわゆる甘しく行過ぎのストライキというものは正当でないということになると思いますので、それをもつと概括的に申しますると、不当であるということは、健全な社会通念に反すると、こういうことになると考えておるのであります。で、これをもつと具体的に申しますると、公益均衡の原則とか或いは労務不提供の域を越えた積極的なものであるというふうなことをいろいろ言われますけれども、それだけにとどまるものではありませんので、ここに正当ならざる争議行為、即ち社会通念上不当であると思われる争議行為範囲を明確にする必要がある。そこで私どもは、この二條によりましてこういう争議行為というものは電気事業の場合不当であるのだという、こういう範囲を明確化したわけであります。即ち非常に、田村先生指摘よう争議行為方法規制なんというのはわかりにくいというような印象を一般国民に与えるという御議論もわかるのでありますが、やはりこうした争議行為方法はどうであるという解釈を明定する必要があると思います。こういう趣旨でこの法案社会通念上正当でないものについてこの範囲を明確に確認したものである、こういうふうに考えておる次第であります。
  16. 田村文吉

    田村文吉君 問題は、争議行為方法という文学の問題が私は何だか非常に問題をぼやかそうとするような意図に見えて、私は遺憾に考えますのでちよつと伺つたんですが、今の大臣の御説明でもちよつと私納得しかねるのですが、法制局ではこの問題についてはどういうふうにお考えになつておりますか。
  17. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) おつしやること御尤もと拝承しておつたわけでありますが、今大臣のお答えしたところにも繋がつて参りますが、まあ一品に申しますと、我々の考え方は、この法律というものは、争議権そのものに触れる、或いはそのもの剥奪するというものじやないのです。今大臣お話にありましたように、その争議行為方法としてとられるものの中で、不当なものの範囲をここではつきりきめて頂くという趣旨でございますからして、その趣旨を正直に表題に表わそうとすればまあこういう形になるわけであります。というふうに考える次第でございます。
  18. 田村文吉

    田村文吉君 今佐藤法制局長官お話でございますと、又政府の元来の御説明の中にもちよつとそういう言葉に類似した言葉が出ておつたのでありまするが、争議権剥奪するのじやないと、こういうふうにおつしやるのですが、事案的には或る種の人たち争議ができないということになるのでありますので、やはり争議権剥奪という言葉は使わなくても、規制という文字は当然に或る種の行為については争議をやつちやならんというのであると、その基本憲法の第十三條によつてつて来ておると、こういうふうに私どもは拝承したいのでありまするが、併し政府の御解釈を、私は強いて私ども解釈はこうであるからそういうふうに解釈なさいと申上げるわけじやない、政府は御勝手に御解釈なさるのですが、どうもはつきりしない。そういう点が私はもつと行くならば、大らかにはつきり、こういうことが公益上いけないから争議をやつちやならんというようなことでお入れになるべきじやないか、こういうよう意味から、私はこれに争議行為方法の何のというややこしい文字をお入れなつ趣旨が一体どこにあるのかということをお伺いしておるのであります。もう一遍一つ法制局長官争議権剥奪しないというよう言葉はちよつとどうも当らないと思うのでありますが、その点についての御意見を伺いたい。
  19. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 剥奪という言葉はちよつと言葉が激しいかとも存じますけれども、私の申します趣旨は、憲法争議権というものが与えられておるわけでありますから、その憲法で与えられておる争議権というものは、先ほどのお言葉にもありましたように十二條、十三條をかぶつて争議権であろうということになるわけであります。従いましてそういう争議実体は何かということをあらゆる角度からさめて行くということも一つ方法でありますが、この際といたしましては、今までの経験から、その本来の争議権でないという部面をどうしてもはつきりさしておく必要があるという必要性が出て来ておるわけであります。その部面を捉えましてその限界をここできめたわけでありますから、争議権そのもの立入つて、その一部或いは全部損なうというようなものとは考えておりません。従いましてその気持を先ほど触れましたように素直に現わせばまあこういう形になるのではないかと、それだけの趣旨であります。
  20. 田村文吉

    田村文吉君 実際その電気事業におきましていわゆる電源ストをやるとか、或いは送電ストをやるというようなことは、もういわゆる電気事業における骨をなすので、それが根本なので、他の集金ストであるとか事務ストというようなのは、やつたつてやらなくたつて大して痛くも痒くもないと言つては悪いですが、比較的問題にしないのですね。問題はやはりその電気送電を停止するということによつて国民を場合によつては脅やかして、或いは一般人たちにこういうことをやつてそれで自分たち目的を達するというのが電産ストの行き方なんだろうと思う。そこでそれをお禁じになるということであれば、電産の一体争議行為というものは大体やつちやならんと、こういうことをおきめになるので、これは私はいい悪いではない、そういうふうにおつしやるならおつしやるではつきりとお進みになつていいじやないか。それをおつしやるよう争議権剥奪しないというよう言葉でカモフラージユするということでは、私どもはちよつとすつきりしないのであります。そこで根本観念として審決の十二條、十三條においては、二十八條規定はあるけれども公共福祉に反する場合においては国民権利も禁止されるのだという場合もあるということがはつきりとした解釈となつて行くのかどうか。それを一つ、これはひとり二十八條の問題だけじやないのです。そのほかにも国民に与えられた権利はたくさんございます。そういうよう権利に対してはつきりした御解釈をお持ちになつているのだろうと思いますので、あえてお伺いする次第であります。
  21. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) この二十八條権利というものの性質の問題になりますけれども、これはまあ今まで学者言つておりますところを見ますと、この権利性質そのものとして天賦人権というようなものよりも、むしろこの二十世紀的な一つ社会権として憲法が創設したというようなふうにその性格を論じておるようであります。そういう点から見て、その実体をどういうふうに意義づけるかということの問題が当然出て来るわけであります。そこでそこに只今のこの公共福祉との関連における限界線をどうして引くかという問題が出て来ると思います。そういう関係から来ますというと、今のお言葉のありました電気事業については、例えば集金ストその他ぐらいじや一向ききめがないじやないかというお言葉でございました、こんなことが出て来るわけでありますが、私どもは、まあここで禁止されております、ここで認められておらない以外のストライキ方法として考えられる、今お挙げになりました集金その他のストのその効力というものが弱いものかどうかということは存じません。併し全然そういうものがストライキ手段として無効な、効果のないものとは考えませんけれども、これはまあ労働省のほうがお詳しいと思いますが、いずれにいたしましてもそのような建前から二十八條権利というものを考えてみますというと、結局その事業その事業性格というものによつて今の争議権の幅というものが公共福祉との関連の深いか浅いかということによつてきまつて来るのは、その事業その事業の本来の宿命として考えなければならんものじやないかというふうに考えるわけであります。これは電気事業よう公共福祉に、公共利益というものに非常に関係の深いものにつきましては、その事業そのもの性格から今第二條に挙げてありますようなことは当然なものと見られざるを得ないという結果が導き出されて来るのじやないかというふうに考えられます。
  22. 田村文吉

    田村文吉君 ちよつとその問題についてまだ少しはつきりいたさん点があるのでありまするが、又後日の機会にこの点につきましての御答弁を頂きたい。つまり、私は憲法第二十八條その他の国民に与えられたる権利も、十二條、十三條の解釈によつてこれを制限するということはあり得るのだと、大らかにそういうことは禁止する法律をお出しになつてもいいんだ、こういうふうに私は解釈いたしておるのでありますが、いろいろ学者の御意見もございましよう。ございましようが、法制局としてはそういう点についてもつとはつきりした私はお言葉を、解釈を承知したいということが私の念願なんです。で、今これまでお話を頂いたのでございまするが、なおこの点についてはつきりいたしません点がございますか、すぐ御答弁頂いてもよいし、又場合によつては改めて御答弁頂くということにいたしまして、次の問題に移つて行きたいと思います。
  23. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) なお、私先ほど言葉が足りなかつたのでいろいろ御理解に資することができなかつたのでありますが、一言附加えさして頂きますが、この私どものこの法律を通して考えておりますことは、一定の地位に伴つて争議権そのものを失わせるものではないというふうに思つておるのであります。例えば国家公務員の例のよう争議権を禁止するというのではない。ただ只今事務ストとかその他のものは余り効果がないというふうなお説もございましたけれども、私どもはそうした争議行為というものが有効であるというふうな考えを持つておりまして、他に争議行為方法があるというふうに思つておるのであります。労調法三十六條などと同じように、一定争議中段を禁ずるのであります。電源ストとか停電ストとか、給電指令所のウオーク・アウトというよう争議手段を禁ずるのであると、こういうことであります。争議手段、即ち争議方法規制である、そういうふうに思つておるのでございます。なお後ほど又機会がございますればいろいろお答え申上げたいと思います。
  24. 田村文吉

    田村文吉君 今労働大臣から御答弁がございましたのでちよつと私は申上げてみたいのでありますが、電気事業ストライキを起すということは、誠に従業員としても不本意ではあるけれども、併し公衆の不便まで持つて行かなければ自分たちの要求は貫徹ができんと、こういう点からそういうストまで進むのだ、こう私ども解釈しているのですけれども、今事務スト集金ストというのはおやりになつて需用家のほうは却つて喜んでいるので、まあ集金ストなどはせいぜいお続けになつたほうが需用家としては非常に結構なわけです。それじや困るから、真暗くしたり或いは動力をとめたりして一つ脅かすということが、つまり電気事業におけるストライキ目的である、であるからさよう公共利益に反するからこういう規定が要るんだと、こういうふうにあなた方が御解釈なつてこ法案をお出しなつたものと、こう私ども考えておるのです。ただストを全般的には禁止していないのだ。一部分には規制しておるけれども、していないのだというような非常にあいまい模糊言葉で行くということは、その問題を国民に知らしめる意義が私は甚だはつきりしない、こう考えるのでありまするが、これ以上は意見相違でございますから、私はこの問題についてはここで打切りにいたしたいと思います。  次にお伺いいたしたいのでございまするが、労働関係調整法の第三十六條の「安全保持施設の正常な維持又は運行を停廃し、」の意味は、私どもはこれを鉱山に当てはめた場合には、鉱山保安法の第三條の「「保安」とは、」と書いて、一、鉱山における人に対する危害防止二、鉱物資源の保護三、鉱山施設の保全四、鉱害の防止、こういうことが挙げられておるのでありまして、私はここに「工場事業場における安全保持施設の正常な維持又は運行」という言葉には、当然今の鉱山保安法における第三條の四カ條が入ることが文理解釈の上から言いましても、又立法精神の場合から考えましても当然であると考えておるのでありまするのに、政府はややもするとその問題について、人命危害いわゆる人に対する危害の問題だけをこの問題は取上げてあるかのごとく誤解されるような御答弁をなすつていらつしやるのでありますが、私はさようなふうに特別に曲げて解釈する必要はないので、当然ここに三十六條の「安全保持施設の正常な維持又は運行を停廃し」ということは、若しこれを鉱山に当てはめた場合には、鉱山保安法の第三條の條文が適用されるものと、こう私は解釈いたしたいと考えておるのでございまするが、どういう意味で、これは人命の、人の危害に関するものだけを規定したものであるという御解釈をおとりになるのか、或いはそれはおとりになつていないのか、私は知りませんが、先ず労働省側の御意見を承わりたい。又法制局からこの立法当時からの精神についてお知らせを頂きたい、かよう考えます。
  25. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 御指摘労調法第三十六條の解釈につきましては、政府解釈といたしましては、労調法の制定当時から、人命の安全であるという解釈をとつておりまするが、労働基準法におきましても、安全とは人命の安全という意味考えておりまして、労働法上用いられます安全という字句は、人命の安全という意味に解するのが通説のよう考えております。政府見解もさように心得ておる次第であります。従いまして資源或いは施設等の荒廃なり損壊というものは、労組法一條二項の正当ならざる争議行為というふうに解釈いたしておりまする次第でございまするが、鉱山保安法の第一條目的は「鉱物資源合理的開発を図る」という規定でございまして、労調法の三十六條によりまするものよりもその幅が広いものであるという、こういうふうな解釈政府はとつております。
  26. 田村文吉

    田村文吉君 解釈相違であるとおつしやればそれまでの問題でありまするけれども、どうも殊更に文字を曲げて御解釈なさつているように私は考えられるので、あえてお伺いいたすのでありまするが、成るほど鉱山保安法の第一條は、鉱物資源開発というようなことが主たるものではありまするが、それには保安をしなければならん、で工場主に対して保安の責任を強く言つておりますると同時に、又従業員に対しても保安についてはやかましい規定を持つておる。その第三條の解釈は「この法律において「保安」とは、鉱業に関する左の各号の事項を言う。」こういうふうに書いておりまするから、私は労調法の三十六條で「安全保持施設の正常な維持又は運行を停廃し」、ここに安全保持ということを書く限りにおいては、これをただ人危害に関するというだけとするということは今後も私は非常に危険な解釈である、こういう解釈を強いて文理解釈の上から行くと、又この立法精神から考えても非常におかしい、いわんや国民常識の上から考え行つて、安全ということを……いわゆる保安要員を残すといつたよう意味はそんなものではない。無論人に関する危害というものは問題ではありまするけれども、将来自分たちの働く職場を失つちや困るという、こういうようなことは当然に従業員としては考える。でありまするから、争議行為としてはこれはやらん、或いは又鉱案どんどん流して行く、汚悪水を排出している、こういう場合においてこれをとめないでおくようなことは、人命には成るほど危害がないかも知らんけれども、そういうことをやつて行かれては困る、そういう場合にも当然労調法ではこれを取締るという、こういう意味解釈することが極めて自然な解釈であると私ども考えるのに、殊更に曲げて御解釈をなさるように私はのき取れるのですが、一つ法制局のこれに対する立法当時の文理解釈及び現在どういうふうにお考えになつていらしやるか、これは私重大な問題でありまするので、単純に労働省が、おれはこう解釈しているのだというだけでは納得できかねるので、一つ特にその御解釈を明らかにして頂きたい。
  27. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 私ども解釈は、只今労働大臣からお答え申上げた通りに存じております。ただおつしやることを承わつておりますると、誠に御尤ものように響くところもあるわけでございます。或いはこの文字使い方が少し下手だつたのじやないか、三十六條の書き方が下手だつたのじやないかという、反省はいたしますけれども、これを作りましたときの気持によりますと、やはりこれは人間のことを考えておつたわけであります。なおたしか当時議会での御審議の際にも、厚生大臣河合さんの頃でありましたでしようか、御質疑に対しまして、これは人命に対するものだということをはつきりお答えしておるという経過がございまして、ずつとそれ以来私ども人命に対するものというふうに考えておつたということを申上げます。
  28. 田村文吉

    田村文吉君 今のは一例を申上げたのですが例えば鉱毒をどんどん排出しておる、そういう場合に、これをとめるポンプの作業をとめてもいいのだ、こういうふうなことは、成るほど人には被害を与えないかも知れないけれども、非常に重大な問題である。こういうことは当然解釈の中に安全保持というからには入れるべき問題であつて、若しこの労調法の三十六條をあらかじめ御制定のときにその趣旨であるならば、なぜ人命危害を加える施設の正常なる維持又は運行はつきりとお書きにならないか。類似した法文が他の法律にたくさんあるにもかかわらず、安全保持という、これはつずめて言えば保安という文字があるのにかかわらず、特に人命の、人に危害を加える場合の正常な維持云々というふうになさるのであるか。それをこういうふうにお書きになつたことは、どうしても私は……当時私も関係しておつたと思うのでありますが、どうもそういうふうな御解釈を私は伺つておらんと思うのですが、その後いろいろ学者の御意見等で、これは非常に狭義に解釈するというようなふうに承わつておりますけれども、私はこの立法精神はそうでなかつた、こういうふうに考えるのでありますが、長官はどうお考えになりますか。
  29. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) おつしやる通りに表現方法が上手であつたか下手であつたかということに対しては一応反省するところがあると存じますけれども、今のいきさつはさようなことであります。又今丁度学者のお説のお言葉もございましたけれども、まあ学者も大体そう考えておるというように思つておる、そこで解釈としてはさようなことでないかと今でも思つております。ただそれ以外のものが、今のような鉱害その他の関係のものが野放しに正当なものと認められるかどうかということになりますと、これは又別の……御承知の通り申上げるまでもありませんが、労働組合法等にあります正当なものとしての行動に入るかどうかという問題として判定されることになるわけでございますが、これらが正当であるか不正当であるかという問題は、必ずしも正当なものであるということにはならないのであつて、むしろ今例にお挙げになりましたようなものは当然不当なものという、いわゆる労働組合法の一條の二項でありますか、それらの関係から出て来るものであるというふうに考えております。
  30. 田村文吉

    田村文吉君 まあ丁度関連しますから、今の鉱毒のポンプの排出を怠るというような場合、ただこれを怠るというよりは、ストによつてしないのだということ、いわゆる不作為のさよう行為を以て果して不当労働行為として取締り得る法規があるかないか、それをちよつと……。
  31. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 私の乏しい知識によりますと、とにかく作為のものについてはたしか最高裁の判例が……、作為についてはいけないということ、不作為については判例はございません。ですからあとは普通の学理上の解釈として我々は申上げるよりほかないわけであります。今の不作為のものにつきましても、憲法精神その他からいつて、やはり不当なものは不当なものとしてあり得るというふうに考えておるわけであります。
  32. 田村文吉

    田村文吉君 これ以上は議論になりまするから私は御解釈だけ承わつたわけです。そういたしますると、昨年の炭労スト、電産ストがございましたときに、たしか政府のほうでは保安要員を引揚げるということを不当労働行為であるというような、公式か非公式か私存じませんが、声明をなすつたかのようであります。又炭労のほうではそれはやつてもいいのだ、だからやるという一つの脅迫的、と言つては悪いが、そうしなければ目的が達しないからという意味でそういうことも言われたように聞いておるのですが、政府のそういう解釈が若しそうであつたとすれば、どういう法律を根拠としてああいう南明をなされたのか、それを一つ伺いたいと思います。
  33. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 御指摘ように、昨年の十二月の十日には炭労の中闘が出しました保安要員の就業拒否の準備指令に基きまして、保安要員の全面的な不就労が現実に実行されますならば、人命に危険を生ぜしめることは勿論、炭鉱の施設を荒廃し、又は破壊し、施設の復旧、労働者の職場復帰を不可能ならしめ、至難ならしめることが予想されましたので、政府としましては二十七年十二月十五日政府声明を出した次第でございます。その基くところの根拠は、今法制局長官からも御説明ございましたように、労調法の三十六條或いは労組法一條二項というようなものが当るだろうと思うのでございます。こうした無謀な行為は明らかに正当な争議行為範囲を逸脱するものでありますから、労組法一條二項、それから八條、七條に規定されておりますところの刑事、民事上の免責、労働争議の保護を失うということになる、そういう解釈を下しまして政府声明として出した次第であります。
  34. 田村文吉

    田村文吉君 政府声明の中に人の生命に危害云々の問題は、これは労調法三十六條で今の御解釈でありますからこれはわかる。今、その次に御発表になりました文句ですね。例えば施設の荒廃であるとか或いは鉱害等の問題というようなことは、いわゆる保安法の第三條をお言いになつておるわけです。ところが第三條については争議行為といえどもやつちやならんということはそれにはないのでありますから、之を以てバツクとして、公益を害する、これはとどむべきであるという法的の根拠になさるのは非常に根拠は薄弱であると思うのであります。そこで私が先に申上げたように、三十六條というものがそれを言うておる、いわゆる鉱山保安法第三條の四号までを含んでおるものであるというなら、これはもう問題なしにそういう御声明をなさるということは、私は法的な根拠があると思うのですが、そうじやなくて、これはただ人に対する危害だけだということでありまするというと、どうも法的の根拠は非常に薄いよう考えられるのでありまするが、もう少しそこをはつきりと一つ答弁を頂きたいと思います。
  35. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 昨年のこの政府声明を見ますると、こういうふうに書いております。「国家の重要資源たる炭鉱を根本的に破壊し、施設復旧、作業復帰を不可能乃至至難ならしめるごとき無謀なる行為は、争議行為として行われるものであつても明らかに正当なる争議行為範囲を逸脱するものであつて、あえて労調法第三十六條を待つまでもなく違法なる行為なること明らかである。」、こういうふうに申しておるのでございまして、社会通念上不当である、こういう声明であつたわけであります。今申上げた通りに一部保安法規ということは、人命に関しまする分については労調法三十六條の違反になりますが、他の部分につきましても言うまでもなく社会通念上不当である、こういう解釈をとつております。
  36. 田村文吉

    田村文吉君 それはその社会通念上という言葉ですが、一方に憲法においてそういう団体行動を是認しておいたということになりまするというと、憲法がそういうものを是認しておるのにそれをとめるということは、ただ単なる社会通念というだけでは納得しかねるというのが一方における解釈であろうと思うのでありますので、ただ単純に社会通念上かようなものはいけないというような御解釈では、少しく昨年の御声明は当を得なかつたのじやないかというような気がするのですが、甚だそこまで突込んで更にお伺いしてよろしいですか、どうですか、もつとはつきりして頂きたい。
  37. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 不当な争議行為というものを労調法三十六條で以て全部カバーしておるのじやないということは申上げるまでもないので、むしろ正当、不当ということは、先ほども申上げたよう目的手段と、福利、厚生とか、或いは単なる労務の保全とかいろいろありますけれども、やはりこの健全な社会通念によつてあの二大ストライキの際にこれは明らかに不当だというふうに解釈されたものである、こういうふうに考えております。
  38. 田村文吉

    田村文吉君 この点は私は納得しかねる点があるのでありまするが、より以上申上げてもより以上の御答弁を頂くことは困難だと考えますので……。
  39. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) ちよつと申し落しましたので……。社会通念ということに対して非常に漠然としておるというお考えがあると思いますけれども、私ども労働法を扱つておりまして変遷を見ますると、例えば終戦直後は田村先生御承知のように生産管理が違法であるかどうかということも明確でなかつた。生産管理は合法であるということも一部に言われておつたのでありますが、ああいうことは違法であるという社会通念が成立した、こういうふうに思うのであります。それから争議中の賃金支払い或いは専従者の給与を会社が持つのかどうか、こういうような点もやはりその後の社会通念の成熟に待つて、これは例えば争議行為のうちは不払いにすべきである、或いは専従者の給与というものは会社が支払わざるものであるという、そういうことが明白になつて、それが労働法の改正になつてつたのだと思います。労組法一條二項に、暴力は正当な争議行為でないということが書いてございます。これはもう当然なこであります。労働法の昭和二十四年の改正の当時は、そういうことも社会通念上明白になつておるのだからここに法律的に明らかに明定する必要があるというので改正当時織り込んだのでございます。従つてこの法律もそうした趣旨であろう、こういうふうにお考えを願いたいと、こう思うのであります。
  40. 田村文吉

    田村文吉君 今例をお挙げになりまして、いわゆる社会通念という問題の例として、経営管理或いは企業管理等の問題が社会通念に反するのでというお話でありましたが、経営管理というふうなことは憲法二十九條における他人の財産権を侵害することになるので、当然不当であるという法的根拠が一般にあつて、あれは規定されたものであつて、決して社会通念情の問題ではないと思つておる。一般に甲とか乙とかはつきりしていない場合において、社会通念上これはなすべきものではない、又或いはイギリスの法律ように、極めて国民が常識的に法律を判断して行くというような見方である場合においては、今のようなお言葉はいいのですが、憲法はつきり二十八條において団体行動ができる、こうしてあることをとめるならば、やはりただ社会通念上というだけでは薄弱な感じがいたすのでありまして、過去における労働行政もさような点で取扱われては来ておらなかつたと思うのであります。無論右申上げる場合において、さようなことを一体労働組合が言うことは非常に無謀であり無智である、無智と言つちや悪いが、無謀であつたと私ども考えるのでありますけれども、そういうことはなさるはずもないとむしろ私ども考えておる次第でありますが、併し法律でそういうふうになつておるので、社会通念上等からこれは禁止さるべきである、三十六條と同じように扱われるべきであるというふうに解釈されることには、どうも納得しかねる点があるのでありまするが、まあ今申上げたように相互の意見の食い違いでもございますので、その点はそれでやめるごとにいたします。それからお伺いして置きたいのは、今の調整法の三十六條にいたしましても、今度御提案になりました二條、三條につきまして違反した場合には、ただ労働組合としての不当労働行為であるということで利益を受けないというだけにとどまるごとになりまするか、他に何かこれに対する罰則等が考えられますか、一つ労働省側及び法制局側の御意見を伺いたいと思います。
  41. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) これは正当ならざる争議行為はここまでであるということを明定化したものでございますが、これに対しましての罰則と言いますと、鉱山保安法、それから電気の場合になりますと公益事業令八十五條の罰則がある、こういうふうに考えます。このこと自体は罰則がございませんのは、今お示しの労調法三十六條にもそうしたものの違反に罰則がないと同様です。ここにおいて不当であるということがあつたものについては、鉱山保安法にも旧公益事業令なりにも正当ならざる、例えば電気にしますれば、電気の正常なる供給を阻害したというような場合に当てはめ得るのでありまして、罰則がそれが適用されるというふうに思つております。なお、刑事上の免責を得ないのでありますから、若しその場合にはその事件の情勢によつて刑法の適用がある、こういうふうに考えられます。
  42. 田村文吉

    田村文吉君 今の鉱山保安法を適用されるというお話ですが、鉱山保安法の場合においては、かような場合にはどういう罰則によつてこれを処理するのであるか。
  43. 中西實

    政府委員中西實君) 鉱山保安法の場合、事業主とそれから労働者では違うのでございますが、鉱山保安法事業主のほうは四條、それから労働者のほうは五條に基きまして、石炭鉱山保安規則四十七條の三項違反ということになりまして、それが罰則におきましては鉱山保安法の五十六條の五号によりまして六カ月以下の懲役又は三万円以下の罰金、こういう刑罰が適用になるかと思います。
  44. 田村文吉

    田村文吉君 今の鉱山保安法の五條というのは「鉱山労働者は、鉱山においては、保安のため必要な事項を守らなければならない。」、これによつて出て来た法律に……。
  45. 中西實

    政府委員中西實君) 三十條で、五條の内容を命令……。
  46. 田村文吉

    田村文吉君 命令によつて、その命令に違反したものとしてこれを処罰される、そこで問題は、一体この法律と労働立法というものとの関係になるのでありまするが、労働立法として、不正労働行為であつたから必ずしも今の鉱山保安法において適用を受けるとは言い得ない、こう考えるのでありまして、鉱山保安法は全然そういう点のこととは関連がないようちよつと解釈できるのでありますが、この点を一つ法制局のほうにお伺いいたしたいと思います。
  47. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 只今のお尋ね大変御尤もに拝承いたします。この鉱山保安法でも普通の刑法でも同じでございますが、これは争議行為とか何とかということを離れて、今まさにおつしやる通り普通の、とにかくこういう違反事件があればこれこれの処罰をするという規定である。ただ労働法規とのその交渉関係が起つて参りますのは、先ほど労働大臣からお答えを申上げました通りに、正当な争議行為であるならば、本来仮に処罰せられるべきものであつても刑事上の責任を免責してやるということは、正当な労働争議行為についてはかぶつておる、それが労働立法規定しておるところであります。そこで正当な争議行為でなくなつて不正当な行為であるということになりますと、その労働法制の上での保護、即ち刑事責任免責の保護がなくなりますから、一般鉱山保安法なり刑法にございますいろいろな処罰規定が裸で働く、そういうような感じであります。
  48. 田村文吉

    田村文吉君 一応私の質問はこれで打切りにいたしまして、又あとの機会にお伺いいたします。
  49. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 一応この程度で田村さんの御質問が終りましたので、一応休憩せられんことの動議を提出いたします。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  50. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 休憩いたします。    午後十一時四十八分休憩    —————・—————    午後二時五十八分開会
  51. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 休憩前に引続き会議を開きます。
  52. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 二、三の点について政府に質問したいと思います。先ず政府に今回の規定された内容についてすでに違法であるということをしばしば言つておる。違法であるということについては非常に自信があるようでありますが、それほど自信があるなら、わざわざこういうむずかしいことの手続を経てやらなくても、今までの違法であるという根拠によつて十分なる目的を達し得るのではないか、こういうふうに考えるのでありますが、この点について政府の御見解を伺いたいと思います。
  53. 安井謙

    政府委員(安井謙君) 伊能さんの御質問にお答えいたします。本来大臣が参つてお答えするはずでございますが、只今ちよつと医者に参つておりまして、帰り次第又御疑問の点についてはお答え申上げますが、代つて答弁申上げます。  今度の法案は、御存じの通り昨年の電産及び石炭と非常に苦い経験に鑑みまして、これが直接の動機になつて出したわけであります。更にその法律出しました根拠はどうかというお尋ねでございますが、これは第二條言つておりますいわゆるスイツチ・オフの行為については、これは明らかに従来とも違法であるという解釈が成立つてつたわけであります。更に新しく発電所、変電所の職場放棄、そういつた問題につきましては、従来ともこれは不当なものであるという考えは持つておりましたが、明文で明らかになつていなかつた次第でございます。なお第三條の点につきましても、労働者がストライキをやつた結果職場を離れるというような、保安要員の引揚げというよう行為はこれは不当なものであるという解釈をしておつたわけであります。それは昨年のストライキの直接の経験に鑑みまして、今回御存じの例の組合法第一條二項にいいますところの、刑法三十五條のいわゆる違法性が阻却されない範囲というものをここで改めて明白にする必要があると存じた次第でございます。
  54. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 そういう明確な問題を同時に又明確でない問題がある。明確でない問題というのは、今後いろいろな場合に判例が出て来ればはつきりするので、それを待つてつていいじやないか。そのうちにはだんだんそういうものが明確になつて来るだろう、こう思うのですが、如何ですか。
  55. 安井謙

    政府委員(安井謙君) 今の御趣旨はまあ社会通念の成熟ということになるかと思いますが、これは昨年のあの面接の経験が動機になりまして、先ほど申上げましたよう一條二項の解釈範囲を明確にしたい、こういう趣旨でこれを提案いたしておる次第でございます。
  56. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 そうすると新しく規制されるものではない、今まで大体こういう内容のものは違法であると、併しながら多少はつきりしないものがあるからここで明確化しようと、これだけだというふうに言われますか。
  57. 安井謙

    政府委員(安井謙君) さようでございます。
  58. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 昨年のあの電産スト並びに炭鉱ストに顧みまして、今まで政府が言われておるようなこの違法であるということの判断には恐らく触れるんだと思いますが、その違法なりという判断の下に政府が当時とられた措置について、ここに寺本委員がおられますが、そういうことを今批判するという考え方ではなく、こういうような一連の違法であるというような根拠になる法規を十分に駆使して、あの問題をもつと極限し、或いはあれだけの大きな犠牲を払わなくも済んだんじやないか、こういうふうに批判されるように思うのでありますが、特に電産ストにおける緊急調整をなぜ行わなかつたか、今になつて二百六十億の工場だけで被害を受けておると言われておりますが、この緊急調整さえも行なつておらない。それでこれの結果起しておいて、それを労働者に転嫁されたんではかなわんと、こういうような批判が一部に出ておるのでありますが、これに対して政府は如何に考えておるか、伺いたいのであります。
  59. 安井謙

    政府委員(安井謙君) 大臣がお見えになりましたからいずれ大臣から何しますが、続きとして簡単にお答えいたしますが、あの緊急調整というのは御存じの通りの、社会的に非常な被害が公益のほうに及んだ場合にこれを出します。この場合にはストライキそのものは合法的なものであつても、社会公共の上からこれは出すというものでございます。それからストライキ方法自体について、これは社会的に見て余り好ましくないというより不当なものであるということが、今日の社会通念上どうしてもはつきりしなきやいかんという観点から今度の法律出しているわけでございまして、この二つにつきましては、おのおの使い分けが必要であろうかと思つておる次第であります。  なお、あのストライキについて政府が手を拱いて何もしなかつたんじやないかというような御質問であつたかと思いますが、労使間のストライキというものは極力労使双方の両者の良識によつて解決をして行くということが最も好ましい形であるというようなことから、社会的に非常な弊害があるかどうかというところまでは政府はこれは干渉しないでいると、こういう方針を従来ともとつてつたものであろうと、こう考えております。
  60. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 そこで一応まだ多少呑込めない点もありますが、進めるといたしまして、この法律ができることによつて、第二條或いは第三條に対して罰則規定というものはない。こういうことをしてはいけないということだけを言つておるだけでありますが、罰則規定がないということになればこれに違反した者は、或いは今まで違法であると認められた法律を使う以外には処罰の方法はない、こういうふうに考えてよろしいのですか。
  61. 安井謙

    政府委員(安井謙君) 罰則はこの法律には直接には御存じの通りつてないのでありますが、組合法の一條三項にいいますところの刑法三十五條の違法性が阻却されないということに相成りますると、従つて刑法上或いは民法上の問題にもひつかかつて来る。或いは直接には只今鉱山保安法或いは公益事業令にいつておりますところの罰則も自然に適用されて来る、こういうふうに相成ると心得ております。
  62. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 そうすると結局こういう違反というものは、法律ができたからなくなるということは我々も断じられないので、そういうことが起つた場合には、今までのいろいろな違法であるといわれたその法律が、争議行為でやるということによつて、違法性の阻却がないということを規定するのが二條、三條の目的である、こういうことですか。
  63. 安井謙

    政府委員(安井謙君) さようでございます。
  64. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 そこでこの法律に、こうした大衆運動にはしばしば行われる教唆或いは扇動という問題ですが、殊に扇動という問題は、争議をやつておる上部の系統団体の指導者が来て命令的なことを言われる、これは普通の場合幾らもある例である。若しそういうものがあれば、恐らく当然この法律に触れるものである、こういうよう解釈いたしますが、扇動というような場合には、特に明文がない限りは処罰できないというふうに私は解釈いたしますが、これはしばしばこうした大衆運動の場合には扇動という言葉を用いたために、随分扇動の範囲等について問題になつた例もある。必ずそういうときには扇動という言葉を使つておる、ところが実際、近来非常に秩序正しい争議をやつておるところにとんでもない者が入り込んで、それを扇動しアジるということが随分ある。現に最近の、これは争議ではありませんが、内灘問題なんというものは、土地の人の真摯な起動に対して横合からいろいろな者が入つてあの運動を混乱さしておるという事実があるようであります。現に又私の選承区である妙義地区の基地反対運動のごときも、地元の人たちが非常に真摯な気持であの運動を展開しておるのですが、いろいろな団体がいわばお節介の団体が入り込んで来て、あれを混乱さしておるという点が多分にあるのであります。労働争議においてもそういうような問題は常にあり勝ちのことであります。横合からとんでもない団体が赤旗を持込んで来てそういう扇動をするというような場合に、扇動というだけでは処分できないということでありますと、純真な争議に参加しておる人々がとんでもない迷惑を受けるということがありはしないかということを恐れるのですが、この点一つ法制局長官から御見解を伺いたいと思います。
  65. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 率直に申しますと、先ほど来政務次官からお答えいたしましたように、この法律に該当するような者は違法性阻却の恩恵を受けないということになりますから、そこに働いて来るものは鉱山保安法なり或いは刑法なりその他の罰則規定が働いて来るということに相成るわけであります。  そこで今お言葉にありました教唆、扇動というような事柄も随所に確かに入つてつたように思いますけれども、それぞれの罰則規定が、仮に他の法律によつて扇動罪が規定されておるということでありますれば、それに該当するものは扇動罪に入りますけれども、あの場合は扇動罪の規定はございません。教唆その他共同正犯の関係になると思いますが、教唆等に当るものは、それらの普通の刑法の理論によつて働く、法律的な筋道はさように相成ると思います。
  66. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 そうするとしばしばここにこの行為が違法である、而も争議であるが故に阻却されるといわれる一連の法律労調法であるとか或いは旧公益事業令であるとか、或いは鉱山保安法であるとか、そういうようなものには扇動罪を罰する規定がないとすると、事案問題として扇動罪は処罰はできない、こういうことになりますか。
  67. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 今お挙げになりましたようなものには確かに扇動罪は入つておらなかつたと存じます。従いまして扇動罪を入れるのがいいか悪いかということは、むしろそのほうの法制の問題と相成るよう考えております。
  68. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 私は今言つたようなまじめな秩序ある労働争議のところへ、そうした者が入り込んで乗ずる隙があるということについて、多少この法律に不安なしとしないという感じがするのでありますが、この点につきましてはいろいろ運用の面において十分なる善処万をお願いしたいと思うのであります。次に第三條の中に、資源の重大なる損壊という言葉、或いは重要なる施設という言葉がある。明確にするということが目的でありながら、重大であるとか重要であるという言葉は、又ここに明快ならざる根拠を与えて、この判断のときに結局裁判所に最後は持ち込まなければわからないので、普通の争議の場合においてこれが重要であろうか、重大であろうかということを判断するわけにはなかなか参らないのであります。ここに不明確なものを残しはしないかという心配があるのでございますが、この点について政府は如何にお考えになりますか。
  69. 中西實

    政府委員中西實君) 仰せのごとく、重大なとか重要なというような表現によりまして、この範囲が不明確になることは確かかと存じますが、ただ山一つ一つの事情が非常に違いまして、結局或る山では重要と考えられるものも、他の山ではそうでもないということで、結局表現としましては、こういつた重大な或いは重要なというふうな表現より止むを得ないのじやないかと思うのでありますが、ただ個々の具体的な場合には、山々で何が重要な施設かということも大体きまるのでございまして、どこにも共通のものとしましては、例えば通風の機械設備或いは排水の機械設備というようなものは、これはどの山にも通じて重要な施設と言い得るのでありますが、そのほかどの程度のものが重要な施設かは、やはり山々によつて若干の相違があろうかと思います。それから「重大な損壊」の「重大な」、これは結局滅失というのは、物の効用全部を排するのが滅失でございます。それに至らないが、殆んど効用をなくしてしまうというのが、これが「重大な損壊」、大体個々の場合に当てはめますれば一応判断がつくのじやないかというよう考えられるわけであります。
  70. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 私は少し勉強が足りませんので、簡単に一つ法制局長官から、こうした例について、我々が民主主義というものを習つて来ておるいわゆる先進国、こういう国でこういうものをどういうように取扱つておるか、時間もないことでありますから、集約的に二、三の代表的な例をお示し願いたいと思います。
  71. 中西實

    政府委員中西實君) 各国の電気についての立法例でございましようか。……これはそれぞれの国の事情によつて違うようでございます。イギリスあたりは明らかに法律によつてガス、水道と共に禁止いたしておるようであります。それからアメリカあたりも州々の法律によつて、或いは事業の接収だとか或いは強制仲裁だとか、いろいろな相違がございますが、これは結局その国々、或いはアメリカあたりの州々における実情によつて違うようでございます。例えば電気事業といたしましても、非常に競争会社がうんとあるとか、それから日本のごとく地域的に全く独占になつておるところ、これによつてやはり考え方も違いましようし、又その国々の労使間のあり方、実情によつても、これは一律に言えない問題じやなかろうかというふうに考えられます。それから鉱山保安関係は、特にこれを労働法規の上でどうやつております、これははつきりと規定に出ておるのは少いようであります。ただ当然にこういつた鉱山資源を滅失してしまうよう争議行為、或いは重要な施設を荒廃せしめて帰る職場がなくなるよう争議というものは、これは当然各国共に違法として取扱つておるように我々は一応考えております。
  72. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 私はここで政府側に対する質問はこの辺で打切りますが、ここに一、二提案したいことがあるのであります。先ず私は今度の北海道、九州に対する視察、現地調査について反対をしたのでありますが、民主主義の原則によつて決定した以上は、私も参加いたしますが、未だに私はどういう点が現地でなければわからないということについて納得できない点が多々あるのであります。従つて私は問題点を持つて行かないで、ただ漠然と行かなければならないというのが、私の備わらざる心境であります。そこで私は今回の現地視察を主張された方々から、この政府に対する質問でも、どういうきつかけで、出発の前に、こういうふうに委員会が机上では割切れないものがあるから、そこで現地に出発するのだということを私どもに教えて頂きたいということを虚心坦懐お願いすると共に、私はこれが社会大衆に対する義務である、出発の前にどうしても私はやつて頂かなければ責任が果されないと思う。私の手許にはすでに、一体何だ、泥縄も甚だしいじやないかということが随分来ておる。それにもかかわらず、私は快く参加いたしますけれども、私の良心から言えば甚だ割切れないものがあるということを申上げて、どうぞ現地視察を主張された方々には、明日一日しか質問の時間が残されておりませんが、是非私どもに教えて下さる意味において、又社会大衆に対してこういうふうに我々は委曲を尽してやてやつたけれけれども、なかなか机上では割切れないものがあるから、どうしても現地を視察しなければならないんだということをはつきり認識させる必要があると私は考える次第であります。この視察を主張された方々の是非このことについての措置をお願いして止まないものであります。これを以て私の質問を打切ります。
  73. 宮澤喜一

    ○宮澤喜一君 議事進行について委員長にお尋ねいたしたいのですが、午前中の委員会の休憩の直前でございましたが、伊能委員と吉田委員から御発言の要求がありまして、これがいずれが先であつたか、これを論じようと思いませんが、吉田委員からたしか休憩の動議を出すという意味のことをおつしやつた委員長がそのまま休憩を宣せられた。私はこういうことを問題にして、又徒らに議事が延びるということはむしろ非常に恐れるわけでありますが、今後のこともございますので、あの際どういう根拠で休憩を御宣言になつたか、ちよつと承わりたいと思います。
  74. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 速記をとめてやつて頂きたい。
  75. 宮澤喜一

    ○宮澤喜一君 私は速記をとめないでやつて頂きたい、あえてとめないように要求して、この席で伺いたいと思います。
  76. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 私は伊能君の発言を退けようという気持で休憩を宜したのではありません。又吉田君から提案せられた動議も、私は本式の動議であつたかどうかということについては委員長として明確にしませんでした。ただ私どもがあの当時の委員会の雰囲気を見まするというと、このまま放つておきますと、又下手をしますと一時間或いはそれを超えるよう委員会でいろいろ議事が混乱するのじやないかということを直感で見て取つたわけであります。ところが今日は御承知のように議院運営委員会の非常な努力によりまして、我が委員会の希望を了承せられて現地へ派遣することも決定を願いました。又二十三日、二十四日の公聴会に対しましては、これは新聞公告等のこともございまして、一刻も早く公述人の氏名を決定しなければならんことに迫まれておつたわけであります。又明日の参考人につきましても委員長に御一任願う、こういうお願いをしたのでありまするけれども、これは理事会の一応の承認を経てくれ、こういうことが非公式に述べられておることも了承しておるわけであります。従いましてそういう人事の決定の問題をやりまするためには、これ自体においてもやはり一時間、或いは二時間を要するのではないか、こういう見通しを持つたわけであります。そこで本日の委員会の運営といたしましては、何としても珪肺法の問題も調査しなければなりません。従つて伊能君の発言も、これは私実際に井上君からお聞きをしておるわけでありまして、了承しておつたわけであります。従いましてそういうものを兼ね合せてうまくやりまするために、あすこで委員会が混乱のような状態になることは好ましくない、こういう工合に考えましたので休憩を宣しまして、丁度十二時五分前くらいであつたと思います。従いまして丁度時間も工合がよろしかつたので休憩を宣しまして、私は直ぐに理事にお集りを願いまして、私が企図しておりました公述人、参考人人選を大急ぎでお隣りの部屋で完成をした、こういう状態になつております。
  77. 宮澤喜一

    ○宮澤喜一君 そういたしますと、これは委員長の御判断といいますか、御権限といいますか、そういうものであたかも休憩を宣せられたといつたような御説明かと承わりますが、参議院規則によりますと、四十條、「委員長は、委員会の議事を整理し難いときは、休憩又は散会を宣告することができる。」、このことの反対解釈は、明らかに委員長には委員会の休憩又は散会を宣する権限は一般的にはない。この條文の反対解釈はそうでございます。そこで、そうしますと「委員会の議事を整理し難い」、こういう御判断で休憩を宣告なすつた、このように承知してよろしうございますか。
  78. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) まだ委員会では「整理し難い」現実がそこにあつたわけではありません。併し見通しとして、あの状態でやはり伊能君の御発言を認めるか認めないかということで言葉のやり取りが相当頻繁に行われて、そうして徒らに時間を空費するであろう、そういうことであれば、私が今日頭の中で考えておりました委員会の議事日程を委員長の責任において進めることができない、従つて止むを得ず休憩を宣しよう、こういう気持なつたわけであります。
  79. 宮澤喜一

    ○宮澤喜一君 これ以上お尋ねいたしませんが、まあ委員長委員会を円満に進行させようという御努力は承知をいたしておりますが、万一委員長御自身に散会なり或いは休憩なりを御宣言になる権利が固有的にある。これは御経験の長い委員長でありますから、失礼な申し分でありますけれども、そういうふうな印象を委員にお与えになることが如何かと思いますので、ちよつと今後のこともあつて発言をさせて頂きましたが、了承いたしました。
  80. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 宮澤君が言われました條文を引用して、委員長委員会を運営して参ります固有の権限がないかのように反対解釈をされましたが、そういう解釈は未だ曾つて参議院開設以来なかつたと思います。若しもそういう解釈をおとりになるとするならば、それはお誤りであるということを御訂正になつておくべきだと思います。議事規則の解釈等については、或いは運営の実際等については、私が申上げるまでもないことだと思いますが、若し念のために、御発言になりました点について誤解が生ずるという点から、その点は私ども念のために申上げておきたいと思います。
  81. 宮澤喜一

    ○宮澤喜一君 只今の吉田委員の御発言は、事案問題と法律関係といささか混同をしておられるのではないかと思いますのは、つまり委員長委員会の多数の上に立つておられる、こういう現実がある場合には、これは仮にこれを動議に持つて行きましても、どうしましても多数の意思が通る、そこでこういうことが問題になつたことが従来ないのであります。そうでない場合には、これはつまり従来の事実問題として解決されておるのです。こういう場合には事案問題として解決せられない場合がある、そこで議事規則に戻らなければならない、参議院規則に戻らなければならない、こういうことを申上げたわけであります。私この問題をこれ以上深追いいたすつもりはございません。若しどなたからも御反論がなければ……、あれば幾らでもいたします。
  82. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 如何でしよう、今宮澤君が御発言になつております問題は、当委員会の案件とすべき問題では私はなかろうと思います。従いまして今宮澤君が御発言せられた点も、吉田君が御発言せられた点も、これはやはりそういうことを決定するのはほかの機関だろうと私は思うのでありまして、従つて時間が大分遅れておりますから、議事をこのまま進めたいと思います。
  83. 宮澤喜一

    ○宮澤喜一君 結構であります。
  84. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それでは労働情勢一般に関する調査のうち、けい肺病対策に関する件を議題といたしますが、懇談いたしたいと思いますので、休憩いたします。    午後三時三十九分休憩    —————・—————    午後四時十分開会
  85. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 休憩前に引続きこれより委員会を開会いたします。  では本日はこの程度で散会いたします。    午後四時十一分散会