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1953-07-29 第16回国会 参議院 予算委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月二十九日(水曜日)    午前十時五十一分開会   —————————————   委員の異動 本日委員上原正吉君辞任につき、その 補欠として小林英三君を議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     青木 一男君    理事            西郷吉之助君            高橋進太郎君            小林 武治君            森 八三一君            中田 吉雄君            松澤 兼人君            堀木 鎌三君            木村禧八郎君            三浦 義男君    委員            石坂 豊一君            泉山 三六君            大谷 贇雄君            小野 義夫君            鹿島守之助君            小林 英三君            佐藤清一郎君            白波瀬米吉君            関根 久藏君            高橋  衛君            瀧井治三郎君            中川 幸平君            宮本 邦彦君            吉田 萬次君            井野 碩哉君            柏木 庫治君            岸  良一君            新谷寅三郎君            田村 文吉君            高木 正夫君            中山 福藏君            岡田 宗司君            亀田 得治君            小林 孝平君            佐多 忠隆君            藤原 道子君            三橋八次郎君            湯山  勇君            加藤シヅエ君            棚橋 小虎君            戸叶  武君            永井純一郎君            武藤 常介君            最上 英子君   衆議院議員            田中 久雄君            小澤佐重喜君            水田三喜男君            赤城 宗徳君   国務大臣    法 務 大 臣 犬養  健君    外 務 大 臣 岡崎 勝男君   大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君    文 部 大 臣 大達 茂雄君    通商産業大臣  岡野 清豪君    運 輸 大 臣 石井光次郎君    郵 政 大 臣 塚田十一郎君    労 働 大 臣 小坂善太郎君    国 務 大 臣 安藤 正純君    国 務 大 臣 緒方 竹虎君   国 務 大 臣 大野木秀次郎君    国 務 大 臣 木村篤太郎君   政府委員    法制局長官   佐藤 達夫君    法制局次長   林  修三君    人事院事務総局    給与局長    瀧本 忠男君    保安庁人事局長 加藤 陽三君    大蔵省主計局長 河野 一之君    通商産業政務次    官       古池 信三君    運輸省海運局長 岡田 修一君   —————————————    会計検査院長  佐藤  基君   事務局側    常任委員会専門    員       野津高次郎君    常任委員会専門    員       長谷川喜作君    常任委員会専門    員       正木 千冬君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十八年度一般会計予算内閣  提出衆議院送付) ○昭和二十八年度特別会計予算内閣  提出衆議院送付) ○昭和二十八年度政府関係機関予算  (内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 青木一男

    委員長青木一男君) これより開会いたします。
  3. 永井純一郎

    永井純一郎君 労働大臣を中心に先ず質疑を行いたいと思いますが……。
  4. 青木一男

    委員長青木一男君) 労働大臣がまた見えておりませんから、順位を変えて小林君。
  5. 小林孝平

    小林孝平君 昨日申上げておきました電話料金値上げに伴うところの今回の電信電話に関する三法案参議院の本会議を通過いたしたのでありますが、これに伴つて政府関係予算の一部を修正しなければならないよう事態が起きたわけであります。それでこれについて郵政大臣大蔵大臣にお尋ねいたしたいと思いますが、その前に委員長にお願いしておきたいのは、この問題はこの予算審議決定後起きた問題でありまして、その際に、質問割当時間などの決定をなされる際に、突発事故その他新たなる事態が起きたときは、このほかに特別に考える、こういう申合せになつているのでありますから、これからの質問は、我が党に割当られたる腰間以外の時間だと了解いたしたいのでございますが、差支ございませんですか。
  6. 青木一男

    委員長青木一男君) 委員長理事打合会における時間の申合せについては、今のような問題は除外するという意味ではないように私は了解しております。でありますから……。
  7. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは、只今小林さんのお申出は、受持時間以外に質問されるということに対して、委員長はそれをお認めにならないというのですか。
  8. 青木一男

    委員長青木一男君) 私はやはり各会派の持時間でやつて頂きたいということを申上げておるのです。
  9. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは、この問題は小林さんが御質問なされば内容はわかると思うのです。これは非常に重大な問題です、予算委員として。これは新たなる突発事故であることは明らかです。従つて、これは私は改めて御相談して頂かなければならんと思う。これをお認めにならなければ。これは重大な問題です。軽卒に扱つてはならないと思います。そこで、これはいわゆる党派を超えて慎重にこういう問題は特に予算委員会は扱わなければならないので、特に今度のこの修正案については、幾多こういうでたらめが非常に行われておるのです。こういうことは我我予算委員は看過できないと思う。こういうことは十分にこの際取扱を慎重にすべきであつて、私は小林さんに対して別枠として時間を与えるべきである。そう思いますので、そういう私は動議提出いたします。
  10. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 これは、かねて持時間のことにつきましては、理事会で十分打合せてありまして、そういうものについて、例外的に取扱うということになつておりませんので、これは理事会の御決定通り一つ取扱を願いたいと思います。
  11. 青木一男

    委員長青木一男君) 委員長から申上げますが、小林さんのこれからお述べになることを私は決して軽い問題であると考え言つたのではありません。今までそうした重要な問題も多々あつたのでありまして、やはり特にこの問題について特例を開くことはどうかと思うので、今までの方針通りやりたい、こういう意味でありますから、どうぞその点……。
  12. 小林孝平

    小林孝平君 委員長は何が誤解されておられまして、或いは他の委員のかたも誤解されておるのじやないかと思うのです。この事態は、今木村さんがおつしやつたように、衆議院から回つて来たのにいろいろ不合理な点があるから、こういうお話でございましたけれども、それは衆議院から回つて来たとき、我々は手許に受取つて、それでそういう不合理な点を含んだ修正案について、我々検討するといつて時間の割当を受けたわけなのです。それは認めておるのです。併しこれは我々が受取つた後、一昨日の参議院の本会議にこの法案が通過した結果、突如として起つて来た問題なんです。これは参議院の本会議を通過しなければ、この問題は起きて来ないのです。而もこれは委員長はまだ内容はお聞きにならんので、これは今軽い問題ではないと思うがと、こうおつしやいましたけれども、これが軽いか重いかは、まだ私が御説明しなければわからんのであつて、これは我々参議院予算委員会並び参議院全体の予算審議権を我々が放棄するような重大なる問題なんです。従つてそういうことをおつしやらないで十分、これは私だけでない、他の委員からも恐らく質問があるだろうと思う。それで委員長はもう一度お考え下さるように特にお願いします。特に私はここで申上げたいのは、これが衆議院に掛りました際に、衆議院委員会においてこの提案者であつたところの改進党の代表のかたが提案理由を説明されるとき、これは予算との関係で非常に不合理である。併し政局の安定上止むを得ないということで、これが通過して来ているのです。これは予算審議に我々は政局の安定を考えたりなどして審議するのじやないのですよ。予算との関係上不合理であれば、飽くまでもこれはやる、こういうのが建前であろうと思いますから、委員長、もう一度お考えになつて頂きたい。
  13. 青木一男

    委員長青木一男君) 小林君に申上げます。委員長先ほど申した通りに了解しております。併しながら議事の進め方につきましては、若し動議として変更をお求めになるならば、皆さんの御意向によつて私は決して行きたいと思います。(「その通り」と呼ぶ者あり)そういうことについて改めて持時間以外にやるということを動議として御提出になるならば、御提出下さい。
  14. 小林孝平

    小林孝平君 私の言うのは、そうむちやくちやに、高橋さんも今言われるように、この内容を御存じなんです。これが今社会党割当てられたる時間というのは極く僅かで、その間にはとても審議できないのです。これは明らかなんですから、それで私はもう一度理事のかたに集まつて頂いて、これをどうするかということをきめて頂きたいと思います。
  15. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 私は、小林君の言つていることは、これは審議なり何なり全体の問題だと思うのですよ。今なお社会党としても持時間があるのですから、ですからそれを十分お使いになつて、この問題がそれでも解明できない、こういうことになれば、全体の問題として又これは考えて行かなければならん問題であつて、それをこの問題については枠外であるとか、この問題については枠内であるとかというような、一つ一つの点に関してきめましたのでは、これは折角理事会において持時間を制限して枠をきめで一応運行して行こうというところの趣旨に反するのであつて、これは絶対了承できないと思います。
  16. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 只今小林君からお話よう事情変更されておる。この点は当然に別枠の問題だと思います。が、いろいろ御意見もあるのだし、これの運営その他のことでここで時間を空費するのもこれ以上無駄だと思いますから、この問題はあと理事会で更に御決定を願うということにして、今日我々の提案を十分に考慮の上に御審議を願うことにして本論に入つて頂きたい。
  17. 小林孝平

    小林孝平君 一昨日政府提案衆議院から送付されました公衆電気通信法その他三条のこの法律案参議院を通過いたしたのであります。御承知通りこの法律内容は、電話料金を従来と比較いたしまして二割五分値上げするという内容政府原案はそうなつていましたのを、衆議院で二割に修正されたのでございます。それが参議院においても可決されて法律が通過いたしたのでありますが、この結果、電電公社収入は、今年二十五億円、原案よりも低くなつたわけであります。そこでこれの収入にも二十五億円少くなつた部分を補わなければならん。ここでその補い方は、公社債券発行限度を引上げるか、或いは政府からの借入金を新たに増額するか、二つの途しかないのでありますが、今のところ、大体公社発行債券を増額するという、こういうやり方で行くということになつておるようであります。そこで、そういうことになりますと、この予算総則の第二十一条で、公社公募による債券発行限度は七十五億円でございますが、これを二十五億円増額いたしまして百億円にしなければならないということになるわけであります。従つて予算総則をうんと修正しなければならんわけであります。又、従つてこの予算収支内容につきましても変更を加えなければならん、こういうわけで、只今我々が審議いたしております昭和二十八年度政府関係予算の一部を修正しなければならんという事態が起きておるわけです。そこで、これは衆議院参議院電通委員会において審議されたのでありまするけれども、いろいろの関係上、まあまあということで通つたようであります。特に先ほども申上げましたように、衆議院電通委員会においては、私は事情を詳しくは知りませんけれども、提案者の改進党の代表者のかたは、先ほど申上げたように、質問に対しまして、これは非常に不合理である、予算との関係において極めて不合理であるけれども、政局安定のため止むを得ない。こういうことでこのものが通つているわけです。これが又公社法の第五十条、五十一条にも抵触する問題でありまして、現にこのまま仮に通して、予算との関係を切離して通しましても、公社法の五十条、五十一条に抵触いたしまして、公社追加予算を編成できないという事態が起きて来るわけであります。従つてこれは極めて重大な問題でありますので、この問題を提起したのであります。これに対して郵政大臣はどういうふうにお考えになりますか。
  18. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 電信電話料金値上げ法案が、御指摘よう国会において修正をされまして、従つて当初の見通しから行きますならば、約二十五億の歳入欠陥というものを生じて、従つて若しも歳入がどこからもカバーできないということであれば、既定計画を或いは変更するか、そうでなければ補正予算か何かの機会において、予算の増額をしなければならないという事態になつておることはまさに御指摘通りであります。そこで政府といたしましては、どういうようにこの問題を考えたのかと申しますと、成るほど、料金は二割五分の収入のものが二割に変更されたのでありますけれども、もともとこれは収入見積りのことでありますからして、なお努力して収入を幾らかでも補う途がある。それから料金収入で補う途がある、それからもう一つ承知ように財源は公債で賄います部分の七十五億のほかに一般加入者から公債を持つて頂くところの四十八億がございます。これは予算総則の上ではゆとりをとつて八十五億まではできるということになつておりますので、ここに三十七億ばかりのゆとりがあるわけであります。従つてそういう面からもこの歳入不足部分が補われるという見通しがないわけではないのであります。そういうふうに考えまして、一応このままで予算修正されないでも既定計画を崩さずに建設計画をやつて行く見通しが相当ある、こういうよう考えまして、今必ずしも予算を直さなければならないというほどの必要はないのではないか、併し、若しもどうしてもそのように行かなかつた場合にどうするかというお尋ねでありましたので、私は先般衆議院及び参議院電通委員会におきまして、そのときには政府といたしましては建設計画是非公社考えております五カ年計画というものを遂行いたしたいという堅い決意を持つておりますので、そのときは必ず予算補正というものを考えます。その場合の形式といたしましては只今指摘ように起債の公募の枠七十五億円とあるのを、これを百億円までは増すという形でこれをしたい、こういうよう考えておるということを申上げたのであります。そこでそれをいたします場合にこの公社法の五十条、五十一条、つまり補正予算を組む場合の規定に違反しないかということでございます。私ども随分いろいろ検討いたしたのでありますが、大体この問題は五十条には当らないで五十一条になると思われるわけであります。そういたしますと、五十一条は予算成立後に生じた事由に基いて既に成立した予算変更を加える必要があるときということになつております。この場合には予算はまだ当委員会における御審議が終つておりませんで成立いたしておりませんし、それからして事由はもうすでに衆参両院法律修正というものが終りまして確定しておりますので、ちよつと表面から見ると五十一条の規定にぶつかるように確かに思えるのであります。併しこの規定は、こういうような特殊の場合を頭に置いて規定をしておらない規定でありまして、又こういう特殊の場合を頭に置いて規定するということは恐らく規定の上からむずかしかつたでありましようが、若干この規定表面上ぶつかるという懸念は確かにあると思います。ただこの五十一条の規定趣旨というものを考えてみますと、成立後に生じた事由でなければ政府補正予算を組んではいけない、予算修正をしてはいけないということは、成立前ということは当然政府が直せば直せる段階にある時期なんだから、直せば直せる段階にあるときに問題が起つたらばすぐに直してしまえ、それ以後に起きたならば直すなというように私は規定しておるよう考えられますので、ところが、この具体的な問題では御承知ように、衆議院予算が先に通つて行きまして、法案あとでできたわけです。ところが衆議院予算を通過して参つて参議院に送付されておりますと、事実上政府といたしましてはこの段階では非常にもう手をつけることはできなくなつている。政府としては若も直すとすれば補正予算ということ、若しくはそれ以外の形、つまり改めて予算を組み直すか、補正をするかという以外にはちよつと手の打ちようがない、こういうことで、若しどうしてもいけない場合には私どもはできるだけ早い機会補正でもあればその機会にこれを補正する。こういうことにまあ考えておるわけであります。そこで、それでは五十一条の規定との違反はどうするかということになるのでありますが、私は五十一条の規定趣旨は、今申上げたよう政府の、そういう場合の財政法規定とこれは同じ規定の書き方でありますが、でたらめ補正というものを組まないようにということを戒めた規定でありますが、この場合のような場合には私は考え方として一向差支えないし、又法的に不備な点があれば補正を組む機会に何か特例法的措置を一緒にお願いするならば、国会がそのように御希望になるならば、政府としても補正を組んでもいいし、組むことができるのであろう、こういうよう考えておるわけであります。
  19. 小林孝平

    小林孝平君 郵政大臣に二十五億の収入を、更に今の二割五分を二割にしてもまだ収入が余分にあるかも知れない。こういうことをおつしやいましたけれども、そういう相当何億という収入が急にここに湧いて来るはずはないと思うのです。どこから出て来るのですか、お尋ねいたします。
  20. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは先ほども申上げましたよう収入見積りは結局これは見積りでありますから、必ずしも予定した通りに出るとは限りませんので、今度こういうよう料金が幾らか下りましたのでありますから、利用減という当初見積つておりたものは随分減つて参りますでありましよう。それだけ努力をいたしまして、成るべく予算を追加しないで努力するという点は確かにそうなければならない、その面から収入見込が全然見込まれないことはないと考えております。
  21. 小林孝平

    小林孝平君 そうしますと公社収支予算というものは極めて杜撰なもののように思うのです。この流産予算においてはたしか値上げは一割、一割あれば大体行くことになつてつたのが、今度二割五分、これが修正されて二割、二割になつたらこれでも結構です。更に今度はそれでも一方では更に数億の収入の増加があるというようなことが極めて杜撰なもののように思うのです。この点はどういうふうに大臣はお考えになりますか。
  22. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 収入が杜撰というわけではないのでありまして、値上率が減りましたのでありますから、利用減なども、当然これは減ると見るのが常識であり、又そういうよう事情で、国会で御修正を受けた以上は努力して一層収入をあげるようにすれば、又その面からも若干出て来るのじやないか。勿論それで不足の二十五億が全部足りるとは私も考えておりません。その面は先ほど申上げましたよう加入者債券の分にまだゆとりがありまするから、そこでも努力する。それでも足らない分は結局補正をするということになる、だろうと、こういうよう考えておるわけであります。
  23. 小林孝平

    小林孝平君 努力して収入を増すというのはどういう方法でやられるのですか。これは私は実はこの問題は予算委員会ではもう取上げないと思つてつたのですが、大臣がそういうことをおつしやるのでお尋ねいたしますが、先般も電通委員会において私は質問したのです。私は現在の公社収入というのは年少くとも数億、数十億の不当収益がある、不当収入があるということを私は考えておるのです。これはどうしてかと言いますと、先般も言つたのですけれども、現在この加入者の殆んど全部の不満というものは度数計が極めて不備でありまして、そうしてこれは使用以上の料金がついて来る、或いは特に市外通話につきましては一通話が二通話になり、二通話が三通話になるというように計算されておる。これで非常に加入者不満を持つているのです。これは公社のかたがたも認められておるのであります。例を申上げれば、今度のこういう私からの話がありまして、今度度数計はこの秋までに全都直して、間違えても多く間違うことのないように、少く間違えるように直す、こういうことまで言われておるのです。このようにして現在のこの情勢から考えれば、数億乃至数十億の私は不当収益というものがあると考えておるのです。これを私が申上げた後公社では威重なる通牒を末端の局に出されまして、今後厳重にこういう問題を、厳重に時間を記入し、或いは度数計を整備してこういうことのないよう通牒を発せられたのでありますけれども、只今大臣の御説明によりますとこういうこともまあ黙認して、そうして多少収益を殖やそうというようなお考えがあるのでありますか。
  24. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 電話料金のこの計算の仕方にいろいろ過ちがあるということは昨日も御指摘になり、私からも陳謝を申上げて今後は直すようにお答え申上げた通りでありますが、併しこれが間違いがあるということは不当にたくさんとり過ぎておるということでは必ずしもないと思うのであります。従つて間違いがあるということ、それを直すということは、多くとり過ぎておつたものは勿論減らす、又少くとつてつたものは正確に記録して正確に頂戴するということになるのでありまして、この面からは私は減収ということも増収ということも別に考えておらないのでありまして、それはどういう工合になるか、やつてみないと勿論わからない。併しその他の面でできるだけ今までゆるがせにしておつた面もあるならば、そういう面もいろいろ注意をし、努力をし収入の殖えるようにし、又その経費などの節減できる面があるならば節減をして行きたい、こういうように私は考えております。
  25. 小林孝平

    小林孝平君 これは先に衆議院通りまして、これが極めて不合理であるということは提案者からもお話があつたのですから、大臣もお認めだろうと思う。又現在の段階においては時間の関係上仕方がないというような御答弁なんですが、これが衆議院通りました際に直ちにこういう事態が起つたのです。従つて予算委員会に通告しましてこういうことがあるから予算の組替えの要求なり、何かを速かに審議の際に考えてやられるようにという大臣から予算委員会お話があるのはこれは当然じやないかと思う。これを現在までされなかつたことは極めて大臣としても怠慢と言つては失礼かも知れませんけれども、どういうお考えであつたのか、これはまちまちで行こうというお考えであつたのですか。
  26. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 私といたしましては先ほども申上げましたように今これを修正するほどの必要はない、適当な時期に適当にやれば十分この目的は達成し得る、その前段階においてなお努力すべき面があるであろう、こういうふうに考えたのでありますから、従つて予算修正するとすれば別の機会でいい、こういうよう考えておつたから当委員会にお願いをするということもいたしませんでしたのでありますけれども、又そういうことを郵政大臣政府としてお願いするということが筋であるかどうかということもこれは慎重に検討しなければならない問題だと思う。従つて国会がお気付きになつていて御修正になるということであればこれは勿論政府の関知いたしたことではありません。でありますが私としては今申上げましたような気持で考えておつたわけであります。
  27. 小林孝平

    小林孝平君 大臣のいろいろの今後の収入増或いはその他で以て補う、こうおつしやいますけれども、それは一つの希望であつて、それができるかどうかちつともわからない。従つて現実的には何としてもこの予算案と修正するということが最上の最大の途であると思います。従つて今時期的にもこれを組替えるということは必ずしも私は不可能でないと思う。従つて大臣としてそういうことをやるほうが適当であるか、適当と思われるかどうか。そういうことをやつてもらつては迷惑だとお考えになるか。
  28. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 迷惑とまでは考えておりませんけれども、おやり頂かなくてもこの業務の執行上一向差支えない。
  29. 小林孝平

    小林孝平君 大蔵大臣は今の点如何でございますか。
  30. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 郵政大臣と同様に考えます。
  31. 小林孝平

    小林孝平君 この点は後ほど又お伺いいたしますが、先ほど大臣がこういうことになつて公社予算編成に当つてこの第五十一条に抵触して追加予算を組むことがこの法文からできない。こういう実態になつているのです。この法律を立案するに当つてはそういうことを考えておらなかつたのだからこれはそういうふうにやつてもいいというようお話でございますけれども、今後郵政大臣としてはすべて法律をそういうふうに解釈されるのですか。
  32. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはもともと国会側の御希望でそういう事態が起つたのでありまして、私どもといたしましてもこういう事態は成るべく起きないようにということを希望いたしていることは申すまでもないのであります。併しこういうことが国会側に今後しばしば起るということも私はないとは言えない。そこでそういうときにどうするかということは、国会予算を是非修正をして欲しい。政府はその段階において予算はどうすることもできないという時期的な関係になつておるというときには、何らか国会が御希望になるならば、国会の御希望に副う線に直して行く以外に方法はない。併しそうは言いましても、そうすることが法の本来の趣旨に違反することであればそれに代る特例法というものを考えることも勿論これはいかんと思うのでありますが、私はこういうような場合に国会がそれを御希望され、そうしてそれが今の法の表面の解釈にぶつかつてできないときは、予算審議のときに必要であれば法的措置を一緒にしてお願いするということはちつとも差支えないのではないか、こういうよう考えております。
  33. 小林孝平

    小林孝平君 だんだん郵政大臣は最初にお話なつたことと違つて来るのであります。先ほどはこの法律の条文の精神なり或いは立案の当初そういうことを考えておらないから、この運用上そういうようにやつていいとおつしやつた。私はその考えは危険だと思う。すべて法律はできてしまつてからいろいろ不備な点がある。不備な点があるから都合よく解釈してやろうということは、国会であろうが何であろうが法律に抵触することは、できないことはできないのです。その郵政大臣ような御解釈は非常に危険だと思う。これは朗らかに間違いで、今間違つて言われたのではないかと思います。もう一度お伺いします。
  34. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 私は最初に申上げましたときから少しも考え方を変えておらんのでありまして、この問題は先般衆議院電通委員会及び参議院電通委員会で問題になりましたときから、どうしても私はこの規定上できない。できなければ補正予算を組むと答弁すること自体が無意味だというので、十分検討して今申上げたような結論に到達して、できる、これならできるし、それが国会の御希望になるのだからというよう考えて、私は補正が必要になればいたしますというようにお答えしたのでありまして、ちつとも考え方は当初と変つておらんのであります。ただ私が最初に申上げましたときに、この規定はこういう場合を予想していないということを申上げましたのは、大体こういう場合というのは極くこれは今まで殆んど例がなかつたのでありましようし、特例の場合でありますために、一般的な法規定ではそういう場合を頭に置いて規定するということは恐らくできないだろう、併し本来のこの五十一条の考え方というものは先ほども申上げたよう趣旨であると思いますから、政府がこういうような措置をいたしますことによつてあの法の精神さえみだることでなければ、そういう法案を出して、そうして一緒に国会に御審議願うのでありますから、ちつとも差支えないのであります。こういうよう考えておるのであります。
  35. 小林孝平

    小林孝平君 私は郵政大臣のこの法律の解釈ではこれは満足できないと思いますから後刻法制局長官に来て頂きまして、この法律の解釈をお聞きしたいと思います。これは非常に重大なことで、郵政大臣は、それはできるなどと、自分の仕事の関係でございますから勝手に御解釈になつてあとからできないと、これは非常に迷惑いたしますから、是非後刻法制局長官から御意見を承わりたい。又郵政大臣はいろいろと言われますけれども、この立案者自身もこれは予算に抵触して工合が悪いけれども、政局の安定上やむを得ないということで、これが無理矢理に通つて来たのです。これは是非大臣の解釈だけではいかんのでありまして、特に政府修正部分については、これは修正予算でございますが、法律につきましては、これは修正部分について第一政府は責任がないというようなことを始終誓われておるのですから、発議者のかたに来て頂きまして、篤と御意見を承わりたいと思いますので、併せてこれをお手数でも一つ委員長はそういうふうに取計らいを頂きたいと思うのです。
  36. 青木一男

    委員長青木一男君) 小林君に申上げます。修正案発議者の代表者が見えておりますから……。
  37. 小林孝平

    小林孝平君 いや、この電信電話法律予算の発議者と違うのです。法制局長官と、それから正確に申上げますと、公衆電気通信法案その他併せて三法案、この法律修正の発議者特にこの予算との関係で困難だけれども、政局の安定上やむを得ないというようなことでこの法律をお出しになつたということは、非常に今後重大な問題がありますので、政局の安定のためであれば法律に違反しても予算に抵触しても差支えないという、こういう考え方は非常に危険だと思いますので、どうかお二方を呼んで頂きまして、篤とお話を承わりたい、こういうふうに考えます。
  38. 青木一男

    委員長青木一男君) 法制局長官は来て頂くことにします。修正案発議者の代表者はおりませんから、そういう場合の修正案の発議者を委員会に来て頂くかどうかは今まで理事会できめておりますから、私その点は決定を留保いたします。
  39. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 決定を留保するというのはあと理事会か何かで御相談願うわけですか。
  40. 青木一男

    委員長青木一男君) 私一存では決定しておりません。
  41. 戸叶武

    戸叶武君 今小林君の指摘した問題は、今度の予算審議に当つてはこの種の問題が非常に多く出ておるのであります。それはこの予算案を審議する当初における論争が未だに残つておるのでありますが、今日におけるところのこの郵政大臣の言明だけを見ても、そこに政府のあり方と国会のあり方に対して極めてあいまいな態度が現われておるのであります。郵政大臣予算修正に対して政治的な妥協をしたのだから、その予算修正に応じた、而もその二十五億くらいのことは努力すれば何とかなると言うのですが、この予算を作り上げた当事者として誠に無責任な言動です。而も第三には、できなければ適当の機会予算修正する、予算補正をすると言う。この予算案の発案者が国会において予算案を修正せられたときに、二十五億の修正をされてもその予算案に対して責任を持たず、修正案に対しては政治的妥協と称して二十五億ぐらいは何とかすると言つておるのです。而もそれができなければ適当の機会予算修正する、補正をすると言つておるのであります。それでは国会においてもこの修正されたものに対して何らの誠意もその修正に対する権威もなくなるのです。このことはこの予算だけでなく、農作物価格安定法の中においてもそうした問題がやはり出ておるのでありますが、これらの問題がやはり十分審議されなければ、内閣のこの予算案に対する責任の問題、国会において如何に予算案に対して修正を行なつたとしても、何ら修正に対して権威がないところのごまかし的な政治的妥協であつては何の私は修正の権威というものもなくなると思う。そういう意味において法制局長官が出て来て小林君の質問に対して明快な答弁をなすと同時に、この種の問題に対して一括したやはり質問を我々は行わなければならないと思うのであります。委員会、この問題に対し、慎重にお取扱いを願います。
  42. 青木一男

    委員長青木一男君) 法制局長官は今出席を求めておりますから、暫らくお待ちを願います。
  43. 小林孝平

    小林孝平君 通産大臣質問いたしますから、通産大臣に……。通産大臣と農林大臣、一緒でないと困るのですが。
  44. 青木一男

    委員長青木一男君) 小林君、今の問題ですか。
  45. 小林孝平

    小林孝平君 いやいや違う、新たな、新たなと言うより、前から通告しておいたものです。今まで暫らく私のお話し申上げたので委員長もその重大なことはおわかりになつたろうと思いますので、これは先ほどお話の中に申上げたように、特に割当てられた時間外にこれは取計らつてもらえるものと了解します。(「それは独善だよ」と呼ぶ者あり)
  46. 青木一男

    委員長青木一男君) 私はその了解は与えません。
  47. 小林孝平

    小林孝平君 そんならば、私は速かに理事会にお諮り願いましてお進め願いたいと思います。
  48. 青木一男

    委員長青木一男君) 理事会を開くことは委員長にお任せを願いたいと思います。小林君の農林大臣に対する質疑はこの間お済みになつたのじやないですか。
  49. 小林孝平

    小林孝平君 通産大臣に対する質問に関連して留保したのです。
  50. 青木一男

    委員長青木一男君) 申上げます。労働大臣が出席されましたから当初の了解に戻つて永井君の質疑を継続いたします。
  51. 永井純一郎

    永井純一郎君 昨日のこのスト規制法関係に対する質問労働大臣に続けますが、続けてお尋ねしたいことは、労働省がこのスト規制法を立案して取扱う権限というのは私はない。労働省設置法の中にそういうものはないのです。而も労働省の一番初めに書いてあることはすべて労働者の福祉の増進であるとか、保護だとかということだけを取扱うということについてちやんと書いてある。ですから若しこういう事務を取扱う、又この法律ができたあとで、この法律に伴う行政事務を取扱うことも、私は今の労働省設置法の中ではできない。どういう権限に基いてあなたはこの法律をあなたのほうの担当として取扱つたか、それを伺いたい。
  52. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) お答えします。御承知ように労組法第一条二項で、労働争議であればその違法性が阻却されるということが古いてある。併し暴力等によるものはこれはいかんというふうに書いてあるわけでございます。従つて労働争議であつても刑事上民事上の免責がなされない、或いは労働法上の保護がなされないという場合があるのでございます。労調法の三十六条を御覧になりますと、やはり人命に危害を及ぼしたり、いわゆる保安上支障のあるようなことはできないということが書いてある。この法律も今御指摘の石炭と電気に関します一部の争議方法の規制というものも、まさにこれと同様の趣旨でございまして、従来不当であるとはつきりしておつても、昨年の争議の場合のように保安要員の引揚準備指令を出すというようなことが現実に行われる、或いは停電ストというようなものがしばしば行われて、社会通念上おかしいと思われても、昨年のようになつて、これは法律にすべきだということで社会通念がはつきりして来た。そういうものについて、これは労働争議であつても違法性の阻却がないということを、範囲を明らかにするということは当然でありまして、御指摘ような点は決して当らないと思います。
  53. 永井純一郎

    永井純一郎君 今の説明のことは、今日までの法体系の中でやれる範囲のことなんです。今度やることは、少くとも実質的には禁止に等しいことなんです、規制と言つているけれども。そういうことに対して仕事をしようとするならば、設置法の中に少くとも積極的な明文がなくてはできない。今日の労働省設置法のままではできない。あなたが今言うような説明で、若し積極的にこの規制の、実質的には禁止に等しい事務を扱おうとするならば、私は労働省の設置法の改正をして、その中に明文がなければできない。そのことを明らかに労働省設置法の初めに所管事務の範囲を明確に定める。そうしてその権限を明確に定める。この法律で定めると言つているのです。こういうふうに言つている以上、私は今までの法律の範囲でやつていることはできるけれども、積極的に禁止に等しいような規制をするというようなことは、他の省でするならばいざ知らず、労働省の中でそれはできない。積極規定がなければできない。それに該当するものは私はないと思う。
  54. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 先ほども申したように、違法性の阻却という範囲を明らかにしたのであります。そうした関係を調整するということは、労働省設置法の第三条にございます。
  55. 永井純一郎

    永井純一郎君 第三条にある調整というのは、労働者の権利と特に生活権の擁護或いはその保護ということを建前にする調整以外にはないのです、今のその法律の建前は。そういうことは三百代言の言うことに等しいと私は思う。若し政府が今の設置法の範囲で労働省でやろうというならば、私は労働省設置法の改正を同時に出して来て、明文がそういうものの中にない限りは、この民主憲法下において作られた労働省の設置法の中にはそういうものはないのです。或いは労働省でなく他の省が、各省では所管せざるところのものを所管する他の行政庁がこれを立案して持つて来て、今後その事務を坂扱うというならばこれは又別です。あなたの省でそういうことができるはずはないのじやないのですか。又労働大臣の自分のする任務を忘れているのじやないのですか。間違つているのじやないのですか。他のほうから持つて来るならば話はわかる。労働省がこの法律提案し、今後この法律の施行に当つての事務をするということは、本質上あり得ないのだと思います。今の調整というものの解釈をもう少し明らかにしてもらいたいと思います。
  56. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 今までの御答弁で尽きていると思いますが、私はあなたの見解と全く違います。第三条には、御承知ように「労働省は、労働者の福祉と職業の確保とを図り、」それは言われた通りであります。「もつて経済の興隆と国民生活の安定とに寄与するために、左に掲げる」云々と書いてあるわけであります。従いまして、昨日も例を以て申上げたように、自分のかわいい子供は非常に立派に育つて来て強い。併し余り乱暴すれば、乱暴なものは一時そこはいかんということは親の権限の中に入つていると思います。
  57. 永井純一郎

    永井純一郎君 そういう三百代言の言うような、子供偏しのような議論をここでしているのではない。これは国会ですから座談会じやない。あなたは労働省が何をする所であるかということを間違つて考えている。労働者の生活権、これを侵害するような虞れのあることは一切やらない。これが労働省なんです。その他の所がこの法を提案し、或いは法ができたあとの事務の執行をやるというのなら、私はわかると言つております。労働省がやるということは、明らかに設置法の解釈によつてもできない。又できるはずじやないのです。そういうことをしないためのサービス庁として労働省があるということを、明らかにその設置法が言つている、私はこう考えるのであります。そこで繰返しているとこれは同じ答弁をされると思うが、もう一つここで聞きたいのは、何回も労働大臣が答弁をされますように、この前の電産と炭労のストの実情に鑑みて、そのやり方が悪かつたからこの規制法を出して来たんだと言われるが、そのときには、それでは政府は第三者の立場に正しく立つておらなければいかんと私は思うが、労働者側の態度だけが悪かつたのか。資本家側のほうは、経営者の側のほうは何ら責めるべき点は一つもなかつたか。態度は万点であつたか。こうお考えになつてこの法律を出して来られたか。その点をお伺いします。
  58. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 設置法に対する見解は、全くあなたと私と不幸にして相違いたしております。私はそういうふうに考えております。  それから昨年の争議に対しましてどうかというお話でありますが、争議は、御承知ように経済的な要求を通してお互いに争うものでありまして、それに対してどつちがよかつた悪かつたというようなことは、政府としては、その責任論のごときことを申すことは差控えたいと思います。ただあの争議の過程を通して、炭鉱の保安要員引揚げ、或いはあの長い間の停電、こうしたものが堪まらんという社会的通念が成熟して、この争議行為としてでもこれを不当とするというほうがよろしい、これ明れ確にするほうがよろしいということでこの法案を出したのでありまして、責任追究論などからこの法案は出しているものではございません。
  59. 永井純一郎

    永井純一郎君 そういうことを言つて下さるのじやない。停電があつたり、いろいろすることは、国民すべての人が困ることはわかつておる。そういう事態を起した、争議を長引かした原因が労働者側だけにあつたと断定しておるのかということを言つておる。態度はどうであつたか、労働者側の態度だけが悪くして資本家、経営者側の態度には一つも非難するところはなかつたということを考えない限りは一方的なこの規則法が出て来るはずは私はないと思う。資本家側の態度は万点であつた、こう思つておられるかどうかということを私は尋ねておる。
  60. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 政府といたしましてそれぞれの立場を批判するということはできるだけ差控えたいと思います。日本人というものは由来優秀な民族でありまして、何事かをなした場合深くそれぞれ自身において反省いたしておると思います。
  61. 永井純一郎

    永井純一郎君 そういつた場合にそれぞれの態度等について批判をすることは差控えたいと言いますが、すでに労働大臣はこの前も声明等を出して威しをかけたり批判をしたりしておるじやありませんか。政府が正しい、特に労働大臣が正しい立場に立つて労働者の福祉の増進と保護のためにある省の大臣としての働きをしておらないということを私ども国民が考えるからこのことを聞いておる。資本家側の態度に悪かつた点が多々あることは多数の国民もこれを認めておる。あなたが言う社会通念上このことをすべての人が認めておる。なぜそのことに対する規制し得るよう法律を同時に出さないのか。片手落ちじやありませんか。あなたは僭越だと思う、労働大臣の今度の法律の出し方は、こう思う。その点。
  62. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 只今も申上げました通り政府が一々非難がましいことなどを言わなくてもそれぞれにおいて何か事をした人はその人たち自身において反省をし更に今後よい方向に向うよう努力されておると思います。先般の政治ストに対して警告を発した点に触れられましたが、あれは国会において立法を審議しておる際に、国会の立法に反対するためにストライキをするということは、これは政治ストであるから御注意を願いたい。こう言つたわけであります。
  63. 永井純一郎

    永井純一郎君 そういうことに対して一々あなたが労働者側に警告を発したり弾圧的な行動に出るならば、資本家側が一々多数の国民の生活に直接響くよう法案に対して盛んに会合しているじやありませんか。あなたはなぜそれに対して警告を発しないのか。すべてそういう点は片手落ちじやありませんか。
  64. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 大変誤解があるようですが、国会審議する法案はこれは民主的に選挙されたかたがたによつて、お互い議員によつて審議される立法権に属するべきものでございます。それを反対するためにストライキをするということは、これはストライキの本来の目的と異るからということを明らかに考えて頂くように御注意しただけでございます。その他のことについて私は別に注意すべき問題があれば遠慮なく注意いたします。
  65. 永井純一郎

    永井純一郎君 そういうあなたの一方的な、労働省の性格とは離れた感覚がすでに間違つているということなんです。あなたにはそういうことはわからない。労働大臣の職務というもの何はであるか、民主憲法下における労働省設置法が示しているところのものが何であるかということがわからない。その感覚をあなたはもつておらないからそういうことを言うのだと私は思う。それじや更に一歩進んで聞きますが、日本の産業経済の発展のために、私は労働者が十分に協力をしてやらなければならないということは全部知つております、それぐらいのことは……。それであなたがた労働省はこの産業経済発展のために労働者を協力せしめ得るようないい施策をもつておられますか。規制法は作られたが、その半面そういつたような今後積極的に協力せしめ得るような施策を示してもらいたい。
  66. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 私労働大臣に就任いたしまして以来非常に不敏でございまするが、努めまして労働者諸君の御協力を得るような諸種の施策をいたしております。それを具体的に一々言えと言いましても非常に長く時間もかかることでございますから、概括的に私の観念を申上げまするが、具体的に申しますれば或る組合などでは小坂の言うことなら本当に聞いてやらなければならんというふうなことを執行部が来て言つておる組合もございました。
  67. 永井純一郎

    永井純一郎君 そういう馬鹿なことをあなたはここで言うことはないのです。(笑声)ですからあなたは労働大臣たるの資格がないと私は申上げておる、そういうことはどこか座談会か何かでやつてもらつたらいいと思います。  もう一つ私は労働大臣にお伺いしたいのは、公共性ということを常に言い、そうして今度この前の電産炭労について社会通念ということを盛んに言われて、そこで以て逃がれて行こうということを考えておられると思いますが。公共性の強い産業についてこれが強ければ強いほどその行くべき道というものはいろいろなトラブルを除いて、そうして労働者が積極的に協力をし得るような道を開くという方向というものは、私はこれらの産業を社会化して行くよりほかはないと思います。ところがそれは少しも政府はやらずにおいて、逆に基礎部門の産業においては生産から一切の共同行為、カルテルができるように一方では独占禁止法を緩和して行つている。やつていることが逆なんです。彼らがますます独占価格を維持し得るような方向に一方では独禁法の緩和等によつてされておりながら、そうしてその公共性の非常に強い産業の社会化を図ろうということは少しもしない。そうせずにおいて、一方で争議権を表向きは全然禁止はしておらないが、禁止にひとしい規制をやつて行くということにいたしますると、これはどうしても憲法が保障する対等な、労使対等に置かなければこれは十分の労使の協調というものは本当にできないのですから、対等の立場に置くということが原則なんです、憲法から考えて、それが守られなくなることは明らかにそのバランスが破れる、これは明らかなんです、今度の規制法のようなものを出して……。ですから公共性の強いものについて社会化するということをしないでおつて今のままにしておいて、なお且つ資本家が強くなるよう法律を片方では作つておきながら、片方では規制法を出すということは私はもうそこに明らかに力のアンバランスが起きて来ていると思うのです。その点をお揮いしたいと思う。
  68. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 近代民主主義社会におきまして、資本主義社会といえども昔のような、十八世紀或いは十九世紀のような非常にいわゆる労使という形が極端な形であるとは私は考えておりません。いわゆる経営者と労働者というものもそれぞれ社会的な機構としてお互いに社会的責任を持つているのであります。従いましてその間においての話合い、理解、納得をするという場合に、何もこのストライキ万能主義という、こればかりが問題ではないのじやないか。やはり他にもう少し人間としての気持を通じ合つて話合いをして行くべき場と言いますか、そういうことが非常に必要ではないか、こう思つているのであります。私は企業の社会化というものは、まあその社会化という意味はいろいろあるでございましようが、いわゆるソシアルジールングというよう一つの国家社会主義的な機構の改革というようなことを社会化とは考えておりませんが、企業の社会性、それぞれの人間が社会的にいろいろ考え方が変つて行きますように、企業それ自身もその性格が社会的なものになりつつあるのだということを考えている次第であります。
  69. 永井純一郎

    永井純一郎君 すでに今までも社会化の専門的な議論は一応別として、通念的に言つて今まであなたがたの政府も幾らかは社会化をしたものもある、そうしたならば少くともその方向のほうに公共性の強いものを持つて行くという努力をすることのほうが私は話の筋が通るのじやないかということを言つている、ところが今政府がやろうとしておることは逆のことをやつておる。独占禁止法の私的独占のこの緩和をして行くという方向などは明らかに逆なことなんです。このことによつて特にこの独禁法の緩和によつては殆んどの基礎産業、それから大企業のカルテル化は私は必至だと思う。そのことがすでに労働者諸君にとつては非常な圧迫なんです。そうして又馘首も、首切りも行われて行くのです。昨日も同僚藤原さんからお話があつたように、紡績等においても盛んに行われておる。ですから一方においては社会化することとは逆に進めておいて、そういう法制化を急いでおる。そうして又一方において労働者を明らかに対等な立場から落すような規制法を作るというようなことをいたしますると、実際上対等の原則が破れてアンバランスができておることは私は明らかだと思う。スト規制法を一方において作つて一方で独禁法の緩和をする。これはアンバランスにならないと思われるかどうかということを私は今お聞きしているんです。
  70. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 昨日もちよつと触れたと思いますけれども、日本の全体の国民所得の中におきまして得るところの勤労所得、賃金俸給というものは戦前に比べて非常に殖えております。これを世界的な規模においてみましても決して少いとは言えない。併しまだ食えない、なぜ食えないかというと、結局産業規模の拡大が望ましいんだ、日本の置かれておる経済的な条件が非常に狭いために、その中に占めるところの賃金俸給というものを他の全体の構成から見ると多くなれない、こういうことだと思う。そういう観点に立ちまして独禁法の改正というものも日本の産業に拡大をし、発展せしめるために必要であるということからいたしましても、決して労使対立的に見た資本家繁栄のために考えだものではない、日本の国全体を繁栄させ、そうしてその中において勤労者の所得も、繁栄も増大せしめたい、こういう趣旨であると考えております。
  71. 永井純一郎

    永井純一郎君 あなたの答弁は他のほかのことを言つているんです。そういう議論はそういう理論として別に幾らもできるんです。私が言うのは、日本の憲法下において労使が対等であるべき、実際上も形式上も対等でなければ私は相協力して行けないということです。産業規模の拡大だつて経済の発展だつてそうなんです。本当の発展をしようと思えば、私は労働者が積極的に協力し得る態勢ができなければならないということを私どもは確信する。それはそれとして私が聞いておるのは、一方で独禁法を作り、一方で規制法を作つて行くことは明らかにそこに均衡が破れて行つておるのではないか、産業規模を拡大するのにどつちの方法がいいかということを議論しておるのではないのです。そのことを私は伺つておる。お答えを願いたいと思います。
  72. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) しばしば申上げておりまするが、ストライキの規制法という奴は、ストライキ規制法というこの法案は決して争議権を奪うんじやないのです。要するに一部のストをする人の、その人の受けるところの打撃に比べて国民大衆の受ける打撃は非常に大きいから、これはストライキとしても御遠慮願いたい、こういうのです。鉱山保安に関するものも昨日も御答弁した通りなんです。そこで、そうした争議権を奪つて片方から圧迫して、片方を富ます、そういう考えではないので、全体の争議権と公共の福祉の調和を図るということであるわけなんです。一方において経済の拡大、日本産業の繁栄のためには、政府は及ぶ限りの努力をして、そうして勤労者の生活内容を富豊にしたい、こういうことを考えておるのでありまして、どうも御質問は一方的に、一つの偏見をもつておつしやつておるように私は考えます、失礼でございますが。
  73. 永井純一郎

    永井純一郎君 私から見ると、あなたの言つていることは全く顧みて他を言つているとしか考えないのですが、更にもう一つお尋ねしますが、独禁法を緩和することによつて、世間では必ず操短、生産の制限等によつて首切りが行われるということを非常に心配しておる。この点については労働大臣はどうお考えになつておるのか。又この点についてこの独禁法緩和の法案が出るときに、どのような態度で閣議、或いは公坂や通産大臣と話合いをされたのか、私はこの点をお伺いしたいと思います。
  74. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 私は独禁法即首切りというふうには考えておりません。ただそれに対して独禁法そのものについてどういう意見を持ち、どういう態度で閣議で発言したかということでありますが、閣議の内容、或いは国務大臣としての行動は御答弁の限りではないと思います。
  75. 永井純一郎

    永井純一郎君 そういつたようなことを言つておられるから、私は労働大臣としては非常に不適任だと思うのです。独禁法の緩和即首切りでないということも言えるかも知れませんが、併しながら独禁法の緩和について、少くとも首切り問題が具体的になつて来るだろうということは、何人も心配するところなのです。そういう事態が起つたときに、労働省はどういつたような、労働省のこの首切りに対する対策をなそうとしておられるか、私は伺いしたいと思うのです。
  76. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 独禁法が出れば必ず首切りが出るのだ、こういう前提でおつしやいますので、私も御答弁申上げにくいのであります。従つてもつと具体的な、どういうことであるかお示しを願えれば、それについて御答弁申上げます。
  77. 永井純一郎

    永井純一郎君 その点については昨日も同僚藤原氏から話しましたように、紡績関係等はもう去年くらいからどんどん出ておるのじやありませんか、首切りが、操短の結果。これは今後は殆んど脱法行為のようにして、通産省等の勧告、その他によつて操短が行われるので、独禁法に明らかに触れておるにもかかわらず、又脱法的にそういうことが行われて、その結果首切りが全国的に行われている。現に行われているじやありませんか、具体的に申上げて。
  78. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 昨日その問題は出ましたのですが、それは独禁法との関係で出たのではなかつたと思いました。  要するにその紡績等の操短ということは、結局日本経済の不振のためにそういうことになるのでありまするから、全体として海外のマーケットについてもう少しこれを活撥ならしめるなり、或いは国内の有効需要を活撥ならしめるなり、諸種の方策をとるべきでございましよう。又政府はそれに副うてやつておると考えておりまして、なおそうした操短等によるところの退職者というものにつきましても、いわゆる一方的な首切りということではなぐて、できるだけ話合いをするという方法でやつてもらうように私どもとしては希望しておりますし、又事実も希望退職ということで行われているよう承知しております。
  79. 永井純一郎

    永井純一郎君 それが希望退職ではなくて、昨日も話すように、ガリ版刷りのものを配つて、強制的に希望退職の形をとつて、操短の結果行われたところの首切りというものは、どういう形で行われておるかということを昨日も縷々言つているわけなのです。これは、労働省は直接そういうことに対して親切な、的確な労働者の福祉と保護のために仕事をするところなんです。あなたは考え方を間違つていると思うのです、初めから言うように。そういうことをするためにあなたは労働省にいるわけなのです。そのほかのことを言つたりしたりすることは私は言えないと思う。具体的に申上げると、そういうふうに意味のわからないことを言うというようなことでは、私は今労働大臣がそういう考えで労働省の仕事をやつておられるならば、これはもう労働省ではないわけなんだ、こう私は言わざるを得ない。  それからもう一つお尋ねしたいのは、もう時間がないそうですからお伺いしたいが、昨日もちよつと申上げましたように、現在労働組合で官公労を初めいろいろ争議について規制を受けたりしておる組合というものが、官公労初めあなたのお答えでも少くとも三分の一あると言われる、今度電産、炭労等がこれに加わつて来るということになると、もつとたくさんになる。そうすると憲法が保障するところの労働者の基本的な権利の中核をなすものは、これは争議権なんです。争議がなければ単なる資本家と対等の立場に立てないのですから、そうすると三割も四割もの総労働者の中で、半分に近い者が規制を受けたりするということになれば、一体それがなぜ憲法違反でないと言われるのですか、労働辛の立場からいえば、殆んど大部分のものが、憲法で保障する基本権、特に争議権について、完全な力を持たないというならば、あの民主的憲法はまさしく私は死文だと思う。どこまでの、何制までがあの憲法が生きておると言われるのか、私は承わりたい。
  80. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 憲法違反ということについては、私どもは全く反対の解釈をいたしておるのでありまして、二十八条に書いてありますところの団結権、団体交渉権及び団体行動をする権利というものは、いずれも十二、十三におきまする、公共の福祉の調和を考えておる、それを前提としてのものであるということを考えておりますので、憲法違反などは全く考えておらん次第であります。なおストライキがなくなれば何もないとおつしやいますが、私はそうでないと思います。大体全体的な傾向として英米その他におきましても、ストライキ至上主義というものは清算されつつあるので、やはり団体交渉によつて適当なところに落ちつく、そこに理解と納得を最後においてするという方向に向いつつあるのでありますから、又そういうふうになることが非常に強く希望されつつあると考えております。
  81. 永井純一郎

    永井純一郎君 それを言うから、労働大臣あなたはそういう答弁をされるから、昨日のように、その答弁ならいいのです、それならなぜスト規制法のようなものを出さないで、労働協約の中に入れて行くという努力をしないのか、それをやつていないじやないか、逆のことをしておるからいけないという議論を皆がするのです。そういうことは労働大臣はまじめに、誠実に私はそういう点についてやらなければ駄目なんです。追い詰められちや適当なことを言い、追い詰められちや適当なことを言つてつたならば何にもならないと思う。本当の相互理解の上に立つて、民主的に行こうとするならば、これはスト規制法案ようなものを出さんで、労働協約の中で、これこれのことは日本の産業にとつてはお互いに慎しんで行こうじやないか、相互理解の上に立つて行くよう努力をし、又そのようなことができるようにサービス省としての労働省が全力を挙げるという方向で行かなければならないのです。逆な方向に行こうとしておるから私が言うように……。それから憲法違反というのは総労働者の中で三割も四割もの人が対等の立場に立つための争議権について、力を持たないようになれば、憲法は死文に等しい、違反だ何だという前に、憲法の規定というものはなきに等しくなり、何割くらいまではいいと考えておられるかというのです。それを私は聞いておる。
  82. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) スト規制法の説明を又繰返すことは避けますが、要するに不幸な事態が察知し得るにおきまして、そうしてこの際はこういう法律を出しておいて、範囲を明確にするほうがいい、争議行為として又違法性を阻却されない範囲を明確にするほうがいいということで、新たに法案を御審議つておるわけであります。それはそれとして、大いにサービス省としての労働省の任務は、従来でもそうでありますが、今後も続けたいと考えているのであります。なお争議権の制限問題でありますが、御承知通り仮に労調法第三十六条をとりましても、保安上の必要からして争議権は制限されております。労組法一条二項におきましても争議権が阻却されるという範囲がきまつておるということなんであつて、御指摘ような点はちよつと私どものほうからいうと、非常に考えが異なるのであります。
  83. 永井純一郎

    永井純一郎君 小坂君は私考えが非常に間違つているのです。あなたの答弁を聞いていると、違法性を阻却しないということを知らせるために法律を作るということが、私は今日の憲法では許さないことだし、今日の憲法下における労働関係の法体系としては、そういうものはあつてはならないものなんだ、許されないということを言つている。そこで逆にそういうものを大太刀を振り上げておいてやるようなことをしないで、サービス省らしく積極的にあなたのほうが熱心に、そういつたことに対して努力すべきじやないか、そういう法律を作らないで。こういうことを言つているのです、私のほうが言つているのは。それを法さえ件つておけば、やれやれこれで一安心だというような行き方は駄目なんです。実際駄目なんです。それを鞠を踏みつけるならば、これが激しく反撥するのは当り前のことです。私どものような余り喧嘩を好まないものでも、こういう法律を出されると猛然と闘争心が湧くのです。あなたはそういうことは一つもわからない。ですからそういう法律を作らないで逆に労働協約等でお互いに理解し合つて行けるような方向を、そういう方針をとるのが労働省なんであつて、若しこういうよう法律を出そうというならば、ほかの省が出して来たらいい。あなたのほうがそういうことをしてもいいかということを、だから私が先ほどから伺つているのはそうなんであります。
  84. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) お答えいたしますが、永井君の非常に御真意溢るるお話はよくわかりましたが、残念ながら私どもはそう考えていない。鞠を踏みつければ非常に反撥するとおつしやいますが、鞠でない場合、海綿などの中に非常に掬すべきものがあるとすれば、それを出すことによつて、今度は却つてよろしいいいものが出て来るという場合もあるのでありまして、私どもは決してあなたのおつしやるように正面から反撥するものが労働者であるというようには考えておりません。私ども多くめ労働者諸君に説明しまして、表面的にいろいろ言つて来ますが、その人と話合いをして見ますと、そういうふうでないという人を非常に多く知つているのであります。労働関係法律を改正するというと、ことごとく改悪であるといわれるのでありますが、それは暫らくたちますと、成るほどこれは納得し得るということになつている実例を多く見ているのであります。
  85. 青木一男

    委員長青木一男君) この際先般湯山君から御要求がありました給与三本建の問題について、修正の発議者代表者が見えておりますから、この際質問を許します。
  86. 湯山勇

    ○湯山勇君 もう時間もこういうふうになつておりますから、昼食休憩にして頂きたいと思いますが……。
  87. 青木一男

    委員長青木一男君) この際質問を願います。
  88. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 生理現象を無視してもやるということは人道問題です。
  89. 青木一男

    委員長青木一男君) この際質問を続行いたします。
  90. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 折角おいでになつているかたも昼食をして頂いて、やはり三木建の問題は非常に重要ですから……。
  91. 青木一男

    委員長青木一男君) これも理事会の打合せの趣旨に副つての私の発言であります。
  92. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この時間はどういう時間になつているのですか、私の党の持時間の余分ですか、枠外ですか。
  93. 青木一男

    委員長青木一男君) まだあなたのほうは残つております。
  94. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 それは枠外ということですか。
  95. 青木一男

    委員長青木一男君) 枠外という何ではありません。残つておりますからどうぞ。
  96. 湯山勇

    ○湯山勇君 その点はつきりして頂きたいと思うのです。この間の質問が、政府のほうではそれがわからないということになつたので、私は最初から質問をやり直さなくちやならない、前の時間も相当損をしているわけです。そういうことも御考慮に入れて頂いて、今の時間の枠というものについては、見解を明瞭にして頂きたいと思うのです。
  97. 永井純一郎

    永井純一郎君 議事進行について。私は理事会に出ておりませんからわかりませんが、小委員会はどうするのですか。
  98. 青木一男

    委員長青木一男君) 小委員会というのは……。
  99. 永井純一郎

    永井純一郎君 いや、分科会です。
  100. 青木一男

    委員長青木一男君) そのことは今湯山君の御質疑が済んだあとで申上げます。
  101. 永井純一郎

    永井純一郎君 議事の進行について聞いているのです。分科会をどうするか。
  102. 青木一男

    委員長青木一男君) それは湯山君の質疑の済んだあとで申上げますから……。(「そんなことはないでしよう」と呼ぶ者あり)
  103. 亀田得治

    ○亀田得治君 今永井君が聞いておるのですから、それに委員長が答弁するのは当り前でしよう。まだ湯山君の発言を許していないのですから……。
  104. 青木一男

    委員長青木一男君) いや、私は許しました。発言を求めております。
  105. 湯山勇

    ○湯山勇君 時間の枠がどうなるか、その点明確にして頂きたいと思います。
  106. 青木一男

    委員長青木一男君) 十四分あります。
  107. 湯山勇

    ○湯山勇君 前のときに政府のほうの御答弁がなかつたために、随分無駄な時間を費やしているのですが、その分はどのようにして頂げるのでしようか。
  108. 青木一男

    委員長青木一男君) その分はいたし方ございません。
  109. 湯山勇

    ○湯山勇君 それはどれだけ見て頂けるのでしようか。
  110. 青木一男

    委員長青木一男君) 多少のことなら委員長適当に計らいますから、先例もありますから、どうぞ質問を継続して下さい。
  111. 小林武治

    小林武治君 これは例えば今の永井君のやつでも約五分超過しておるのですよ、永井君の持時間より。併し委員長は全般的な計らいで、質問の進行中で、それは継続が必要と見ればそういうよう意味で十分計らつているのですから、これはやはり質問を継続せられて、そうしてその質問内容によつて僕は委員長において適当に考慮されたらいいと思うのです。(「その通り」と呼ぶ者あり)
  112. 小林孝平

    小林孝平君 適当と言われますけれども、今湯山君がやれば持時間はあと十数分だと思うのです。そのくらいはすぐ済んでしまうのです。この問題は、そうしますと先ほどこういう重要な、予算を組替えるかどうかというような重要な問題が今出ておるのに、これは時間が切れたから、あとから適当にやるといういうようなことでおやめになつては困るのですよ。それでこれをはつきりして頂きたい、そのくらいしたつていいじやないですか。これは予算を組替えるか組替えないか、この政府の見解をはつきり聞かなければならないのですよ。僕らは何も議事の妨害をやつているのじやないですよ。今後の先例になりますから、慎重にやつて頂きたいと思います。そう無暗に……。
  113. 青木一男

    委員長青木一男君) 委員長は持時間の励行は希望しますが、今までの先例によつて、情勢によつて委員長が若干の勘酌を加えてやつて来ていることは御承知通りであります。その慣例によつてつて頂きたいと思います。    〔「議事進行進行」と呼ぶ者あり〕
  114. 湯山勇

    ○湯山勇君 それではお尋ねいたします。今回修正になりました予算案の給与三本建に関する一千八百万並びに平衡交付金の中に含まれた三億六千万の計算基礎は、大蔵大臣並びに主計局長において全然わからない。こういう御答弁があつたのですが、この積算の基礎を明確にお示し頂きたいと思います。
  115. 田中久雄

    衆議院議員(田中久雄君) 三億六千万円の基礎は学校教職員の中に非常な不合理がありまして、その不合理を是正するということが根本に考えられております。不合理は御存じですな、大体。(「それを説明しに来たんじやないか」と呼ぶ者あり)不合理の一番大きなものは学歴を職歴と同じに見て初任給が定められておる。府県によりましてはよほど是正をせられておる府県もありますが、全然是正が見られない府県もありまして、例えば旧制の師範学校を卒業しまして、その師範学校を卒業して直ちに教職に就きましたものが四年後においての給料と師範学校を卒業して高等師範へ人づて、その高等師範の四年の課程を了えて教職に就きましたものとが同じ給料になるというようなことで、その後の昇給が同じ期間に同じ金額を減て昇給せられた、そこで学歴は何ら見れていないというのでここに非常な不合理がある。この是正をやろうということは、殆んど義務教育と言わず高等学校と言わず各教職員の大体の希望であり当然なこととせられておりましたが、それがまだできていなかつた、この際にこの是正をしようというのが一つ。  もう一つは、軍隊に召集をせられて行つてつたこれらの人たちが、軍隊の経歴は殆んどの場所においてゼロに見られておる、これは占領下でそういうきついお達しがあつて経歴を見なかつたのだそうでありますが、今日もなおそのままになつておるのであります。例えば召集に応じて五年なら五年戦争に行つてつたどか、或いは兵隊に行つてつた、これがゼロになつておる。そのために十五年実は学校を出てから教育に携わつておりますが、その間の五年間というものは全然見られていない、そこで非常に待遇上悪くなつておる。これを少くとも十に見る、ずつと教員をしておつたように見て行こう、これが一つの第二の是正であります。それからこれは主として高等学校に多い現象でありますが、学校を出まして教員をしないで或いは役所に勤めておる、銀行、会社に勤めておる、こういう人たちが途中から教員になる、そのときの給与の計算が、この社会での職業の経験を〇・五と見られておりますが、これも相当長い場合、十年も社会の経験を持つた人は五年間教職員に携わつたというようなことに見られることになりますので、非常に待遇がやはり悪い、せめてこれを八ぐらいに見よう、こういう中間の是正、最初の初任給の是正と中間の是正、これをこの際に是正したいということで計算を立てまして、高等学校に奉職しておるもの約八万、それから中小学校に奉職しておるもの約四万、合せて十二万になりますが、これらの人々を大体一律に千円と見まして、そうしてその千円の是正をやりまして、一月から実施して三カ月間これが三億六千万、こういうふうに考えておるのであります。ただこの際に義務教育のほうに携わつておりまするかたがたは半額国庫負担ということになりまして、半額国庫負担の是正を、給与の是正をやりますと同時に半額の金額が動いて参ります。それは非常に個人々々によつて違うことでありますので、そこまで私どものほうで見るわけには相成りませんので、これを平衡交付金の中に入れることによつて一応適当に半額負担が是正られて、その場合にも大体平衡交付金の中からこれが賄えるものとこう考えております。従いまして計算の基礎としましては、一応三億六千万の基礎は高等学校、小中学校におきます学校出の人たちの是正と、陥没の是正をしようと、そういうわけでありますからどうぞよろしくお願いいたします。
  116. 湯山勇

    ○湯山勇君 まだ千八百万の内容が……。
  117. 田中久雄

    衆議院議員(田中久雄君) これは国立学校の教職員も同様に陥没を是正いたしたり、初任給の是正が必要であります。そこで国立学校の教職員の高等学校、中学校におきます只今と同じような是正をいたしますのが千八百万、人数は三百人でございます。
  118. 湯山勇

    ○湯山勇君 それでは三億六千万というのは小、中、高全部に適用される是正の額であると、それから同様に千八百万については国立学校の小、中、高のいずれにも適用される額であると、こう把握してよろしうございますか。
  119. 田中久雄

    衆議院議員(田中久雄君) 計算の基礎として私が立てましたのは、そういう基礎に立つておりますが、小、中学校の分は義務教育費に相成ります。従いまして義務教育費の半額国庫負担法との関係から直ちにこれがそこへ適用されて行くかどうかは私は存じませんが、計算の基礎はそこによつて立てたのであります。従いましてこの三億六千万というものは、高等学校の分だけとすれば約一億六千万余ることになります。当然これは将来そこへ義務教育のほうに廻ると私は考えております。
  120. 湯山勇

    ○湯山勇君 今お話の中で、府県によつては是正されているところもあるということがあつたわけですね。その是正されている府県と、是正されていない府県とは一律にお扱いになるわけですか、お扱いにならないのですか。
  121. 田中久雄

    衆議院議員(田中久雄君) 三重のごとき、私の郷里でありますが、四カ年計画でこの陥没の是正が行われておりまして、殆んどもう一部是正をすれば是正が完了するわけでありまして、和歌山県のごときものも殆んど是正が行われている。従いまして当然これは全然是正が行われていないところは大幅な是正があると思います。もう殆んど是正の終つているところは四分の一とかの是正で終ると思いますが、これは当然各府県別々に是正が行われて適当なところへ来ると考えます。
  122. 湯山勇

    ○湯山勇君 それでは同じ基準によつて分けられるというわけではございませんで、費府県別に実態調査をしてその上に立つて配分される、こういう御意図でございますか。
  123. 田中久雄

    衆議院議員(田中久雄君) そこになりますと、これは立案者の権限以上になつて来ると思いますので、私が答弁をいたしますのは不適当かと思いますので……。
  124. 湯山勇

    ○湯山勇君 大変御懇切な御説明を頂いて、而もこのことは非常に重要な関係があるのです。と申しますのは、私以前に質問申上げましたときに、府県において勝手に是正をしているのは、これは闇昇給とみなすと、従つて国庫負担法なり、或いは平衡交付金算定の基礎の場合には……、自治庁長官今いらつしやいますね。この計算の基礎には結局政府で計算したものだけを認めて、あと認めないと、こういう明確な御答弁が以前にあつたわけです。ところが今のお話では、今度はそれは認めて、そうして今のよう考え方でやつて行こう、こうおつしやつているわけなんです。従つて非常にそれらの関係が重大でありますから明確に一つお示しを頂きたいと思うのです。
  125. 田中久雄

    衆議院議員(田中久雄君) 私は自治庁長官の意見と食い違うているかどうか知りませんが、三億六千万の基礎の御説明をいたしましたので、それにからんで非常に重大だということでありますが、重大なことが私の責任になることは甚だ困ります。計算の基礎だけを御説明申上げましのたで御了承願います。
  126. 湯山勇

    ○湯山勇君 今のは田中さんに対して申上げたのではなくて、自治庁長官並びに大蔵当局へ申上げたことで重大と申上げましたのでどうぞそう御了解願います。
  127. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは給与三本建の法律通りました場合には当然平衡交付金の算出の基礎を変えなければならん、こういうふうに考えております。
  128. 湯山勇

    ○湯山勇君 今私は又重大なことをお聞きしたのですが、三本建の法律通りました場合ということを前提になさい観したが、三本建の法律というのと、今田中さんの御説明なさつたよう内容のものが、完全に今の御説明と三本建の法律というのは一致しているかどうか、長官、どうお考えですか。
  129. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) その点は、私も十分お答えのとき聞いておらなかつたのですが、併し私どもとしましては、法律の改正に伴なつて必要な通りに直して行く、こういうわけであります。
  130. 湯山勇

    ○湯山勇君 これは私の重大だということの質問に対して、長官はその重大なとは、これはこうだ、ここはこうだという御答弁になつた、その法とそれとは一致しているか、こう申上げると、今度はそのことはよくわからない、こうおつしやつたのですが、それでは一体どうにも動きがとれないと思うんです。もう少し親切にここまではこうだ、ここまではこうだ、この点は質していないから今から質すというような点明確にして頂きたいと思うんです。
  131. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 今十分私も詳細にいたしておりませんので、政府委員を呼びましてお答え申上げたいと思います。
  132. 湯山勇

    ○湯山勇君 政府委員の御答弁を求めます。
  133. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 休憩して頂いて準備して頂きましよう
  134. 湯山勇

    ○湯山勇君 その点が問題になりますと、今の田中さんの説明と私が見た範囲内において法律案の対象と食い違いがあると思うのです。なお又この千八百万の対象につきましても、今おつしやつたことと法律との問題には矛盾がありますので、政府のほうで休憩時間中に見解を統一なさつて御答弁頂くように、休憩をお願いします。
  135. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 議事進行。やはり答弁をまとめて来て頂くほうが結構ですし、各虎のこういう大物の方に昼食もせずに待つて頂くことは大変失礼ですから、一つ休憩にして頂いて答弁がはつきりできるようにお願いします。(「質問続行」と呼ぶ者あり)
  136. 湯山勇

    ○湯山勇君 私お聞きしておる間にこういう問題が又起つて来ると思うのです。長官も十分今の法案内容を見て頂かないと、あと質問のたびにこういう事態が起ると思いますので、少くとも長官に案の内容を御検討して頂くようにし、そうして疑問の点は発議者のほうから確めて置いて頂く必要があると思いますので、この点に関して是非そういう時間を坂つて頂きたいと思います。
  137. 青木一男

    委員長青木一男君) 今政府委員が見えましたから、政府委員から答弁いたします。
  138. 田中久雄

    衆議院議員(田中久雄君) 御質問が大変上手なものですから、私は正直に初めから説明しましたから、説明の必要がないことまで説明したようでありますが、給与三本建の法律は今構成中でありますが、当時高等学校の三本建に今の是正も含まれて来ます。それで、それがやはり根本となつて予算案が出ておるのでありまして、計算の基礎とはそういうふうにやりましたけれども、予算案に現われた面では、三本建を中心として当然只今ように是正をやりながら行われて行くと、こういうことになると思います。
  139. 湯山勇

    ○湯山勇君 田中さんは先ほどそういう点についてはおれに質問してもらつては困ると、こういうお話つたので、田中さんにお聞きしたいことは山ほどあるのですが、ずつとお聞きしてよろしいのでしようか、続いて。どうでしようか、そういう具体的なことについて責任を以て御答弁頂けるのでしたら、御説明の御趣旨は非常に私結構だと思いますので、それについて、このやり方、この法案に出ておるやり方と御説明の御趣旨との間には大分違いがあるわけです。それらについていろいろな点、大きい矛盾点をお聞きしたいと思うのですが、それは川中さんのほうから御説明願えるのでしようか、或いは政府のほうからでなければ、先ほどお話ようにできないのか、その点一つ態度を明確にして頂くようにお願いします。
  140. 田中久雄

    衆議院議員(田中久雄君) 御質問いろいろあるようでありますが、私は三本建は御承知の人事委員会にかかつておりまして、私どもの手を離れております。それからもう一つ予算修正の根本のところは、私は参加しておりませんので、答弁の何と申しますか、資格がなさそうに思いますけれども、若し私のほうで御答弁申上げるのが適当であれば、御質問だけ伺つて帰りまして、後刻御答弁をしたほうがよさそうに思います。
  141. 湯山勇

    ○湯山勇君 今のような御発言もございますので、休憩にして頂きたいと思います。なお御答弁頂きましたことによりまして、質問もできて来ると思うのですけれども、各府県へ操作する場合、一々の県について提出するかどうか、それによつてトータルを出して、平衡交付金の分配をするのかどうか。それから今のお話では、小学校、中学校、高等学校というのが対象になつておるという大体のお話つたわけですけれども大学はどうなるか、大学については三本建という考えから言えば、前の級別推定表の適用のときに、大学だけは別途考慮していい計算になつておるわけです。そのことと今回の措置との関係はどうなるか、そういう問題についてお聞きしたいと思いますから、一つ後刻御答弁できればして頂きます。なおそれらについて十分御検討頂きたいと思うわけです。
  142. 青木一男

    委員長青木一男君) 田中君は今のことに対して答弁なさいますかどうか。はつきりと……。
  143. 田中久雄

    衆議院議員(田中久雄君) いたしません。私の権限ではなさそうです。
  144. 湯山勇

    ○湯山勇君 今私の権限ではないとおつしやいましたが、どこに権限があるのですか。私語を捉えて失礼なんですけれども、政府でしようか、或いは修正の折衝に当られた三派の代表の方でしようか、その点。これは非常にこういう状態では予算委員会審議は終れないですよ。だから何とか審議だけは尽したい。見解の相違は見解の相違で別ですから、問題点だけを我々が明確にするのが我々の責任だ思いますので、特にこう申上げておるわけですが、田中さんはこの責任は、或いは二の説明は、政府が当るべきだとお考えになられるわけですか。各党の責任を持つた代表が説明に当られると、こうお考えでしようか、どうでしようか。今できないとおつしやつた理由を一つ……。
  145. 田中久雄

    衆議院議員(田中久雄君) どちらがやられるのかそれもわかりません。
  146. 戸叶武

    戸叶武君 こういうふうに予算審議の過程において問題がはつきりしてないので、ことごとくこういうふうなことにぶち当つて来るのです。先ほど小林君の問題もそうです。政府側は常に責任を回避しておるから、どういう問題に対しては一体誰が責任を持つかということを明確にして、一つ腹をこしらえてから出直してもらいたい。こんな腰抜の態度では駄目ですから、やはりこれは即時休憩に入つて、飯を食つて、腹を作つてから出直すということにしてもらいたい。
  147. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私の質問のときにも同じ問題が起るということが予想されます。従いまして今戸叶さんの動議ように休憩されて、よくこの責任のあり方をはつきりさして書いて頂きたい。
  148. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 やはり中食にして頂きたいと思いますし、湯山君は我が党切つてのこの方面の権威ですから、それにはやはり間然するところのない答弁の用意をして来て頂かんと、なかなか四つに組んでも話がつかんと思うのです。大変恐縮ですが、休憩にして頂きたい。
  149. 青木一男

    委員長青木一男君) この際私から先ほど永井委員からお尋ねのあつたことについてお答えしておきたいと思います。分科会のことですが、あれは一昨日でしたか、委員長理事打合会におきまして、特に分科会は設けずに、それで本日この一般質疑が終了した後、本日そういう分科会に代るべき会議を引続きこの委員会として継続して行こうと、こういうふうな申合せがありましたので、そうしてその時間の配分等について昨日委員長理事打合会をいたしました。その際一般質疑の進行の模様を見て委員長において適当にきめるようにということでありました。それで委員長は一応自由党三十分、緑風会二十分……(「そんなことは了承しておりませんよ」と呼ぶ者あり)社会党第二、第四控室おのおの二十分……(「そんな馬鹿なことがあるか」「誰に書いてもらつたか」と呼ぶ者あり)改進党十分、無所属クラブ十分、純無所属クラブ五分と委員長がきめました。但しこれは申上げておきますが、昨日これをきめるときには委員長理事打合会に欠席されたる理事がございました。委員長としては改めてもう一度今朝九時半から更に委員長理事打合会を開きまして、昨日の決定を確かめ、欠席されたかたにも御同意を得るよう努力したのでありますが、再びこの理事は欠席されたのであります。従つて今日までそのことを申上げる機会がなかつたことを非常に遺憾に存じておる次第でございます。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)  暫時休憩いたします。    午後零時五十一分休憩    —————・—————    午後二時二十五分開会
  150. 青木一男

    委員長青木一男君) 休憩前に引続き会議を開きます。
  151. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 議事進行について。先ほど永井君の質問に対しまして、委員長は一般質問兼分科会という意味で各党の割当をなすつたようでありますが、この点については多少異論もありますので、改めてこの時間の割当等お打合せ願うことはできませんでしようか。
  152. 青木一男

    委員長青木一男君) 承知しました。さように取計らいます。
  153. 湯山勇

    ○湯山勇君 先ほどいろいろ検討してお答えするというので、私は質問の項目をお示ししたわけですが、その項目について順次御答弁願います。
  154. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 先ほどお尋ね頂きまして、調査が十分でなくてお答えできなかつた点を調査をいたしました結果、結局こういうように了解をしたわけであります、三億六千万円というように了解しておつたのは、実はそうでなくて、現実には今のこの三本建の法案に伴う増加というものは大体一億五千万円である。勿論これは一億五千万円にいたしましても三億六千万円にいたしましても、五十億の中の問題でありますから、このよう考え方が変りましても全体の五十億の配分ということについて多少内容変更ができるだけであつて、具体的には大きな問題にはならない。従つて私どもといたしましてはあの法案が確定いたしますれば、それに応じて平衡交付金の算定の基礎を改めてこれを配分して行く、こういうよう考えております。
  155. 湯山勇

    ○湯山勇君 私はもつとたくさんの項目について質問を申上げておるのです。併し今自治庁長官がその点だけについての御答弁がありましたので、その点だけについてなお質問いたします。  説明者の田中さんはあの法律と今の予算内容とは全然結び付けての御説明がなかつたのです、今まで。大蔵大臣もそういう御説明がなくてわからない、こう言われた。あの法律とこの予算とを結び付けて説明されたのは自治庁長官が初めてです。自治庁長官がどこでそういうふうなことをおきめになつて、そうしてどうして今のような御答弁をなさるのか、あの法案予算は今まで決して関連があるという御説明はなかつたわけです。これは自治庁長官の独自のお計らいなのか、或いはもつと政府でそういうふうにおきめになつたのか、その辺一つ明確にして頂きたい。
  156. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは先ほど修正案を出された方々と協議をいたしまして、いろいろ向うの意見を聞いてみました結果、私の所管事項に関係しておる分は今申上げたようで、そういうように私は伺つて私も了解し、それではその趣旨従つて私の所管分は処置しよう、こういうことであります。
  157. 湯山勇

    ○湯山勇君 ちよつとくどいようでありますが、その御相談は昼休みになさつたと思うのですが、そうですね……。だとすると、問題はもう一つ前にあるのです。自治庁長官はその前にすでに、この予算配分の措置はあの法によつてやるということをその以前に言われたのです。だから相談されてお答えになつたということでなくて、その以前からそのおつもりであつたわけです。その点は何によつてそういう御判断になつたか、どういう御相談でそういうふうになつたか、それをお聞きしておるわけです。
  158. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは具体的に金額の点は私もはつきり承知しておらなかつたのでありますが、併しあの法案に基いての予算修正措置というものがあるということを承知しておつたものでありますから、予算修正措置があり、従つてそれに基いて法案が出ておる以上、その法案が通れば私としてはそれに従つて措置する、こういうよう考えておつたので、同じことであります。
  159. 湯山勇

    ○湯山勇君 それは単に自治庁長官の推測であつたわけですか、午前中の御答弁は。
  160. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 推測ということになりますが、金額の点ではどれくらいの金額があの法案に基いて平衡交付金として措置しなければならなくなるかということは承知しておりませんでしたけれども、金額の点が承知しないだけで問題自体ははつきりと推測ということでなしに承知しておつたわけであります。
  161. 湯山勇

    ○湯山勇君 なおその点についてお尋ねいたします。三本建をするということには必ずしも予算は伴わないのです。そういう点長官御存じでしようか。  なおちよつと申上げます。そのことは人事院もそういうふうに答弁しています。必ず要らないとは言わないけれども必ず要るということにはならない。
  162. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 私のほうは三本建という考え方に別にとらわれずに、あのよう法律措置が行われれば当然それについての予算の裏付けがあるのだから、あの法律規定通りに措置する、こういう考え方であります。
  163. 湯山勇

    ○湯山勇君 三本建、ある法律が通ればその通り予算措置をするということは当然です。併し今組まれておるものがそれであるという判断はどこからなすつたか。
  164. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) その点は、先ほどまでははつきり承知しておらなかつたのであり策すが、漠然之承知して私お昼の間に相談をいたしまして、はつきりとあの修正の中にその分が含まれておる、これはこれだけの金額だとこういうふうに承知しております。
  165. 湯山勇

    ○湯山勇君 それでは次の問題に移りまして、先ほど提案者と申しますか、説明者の田中さんは高校八万、中等四万合計十二万、該当者がいる。そうして一律に千円ずつとみて一月から三月まで三カ月の三億六千万、こういう内容をお示しになつたのですが、今自治庁長官はそうではなくて一億五千万というように言われたのですが、この一億五千万の計算の基礎を明確にお示し願いたい。
  166. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 計算の詳細な数字はもらつて来るのを忘れたのでありますが、ものの考え方といたしましては、公立の分、大学と高等学校を含めたものを一号俸上げる、切替えのときに一号俸だけ上げるという計算によりまして一億四千八百五十八万七千円、こういうよう承知して参りました。
  167. 湯山勇

    ○湯山勇君 それは非常に大きな喰い違いだと思うのです。田中さんがおつしやつたのには大学は入つておりません。高等学校が八万、よろしうございますね、それから中学校、小学校が四万で合計十二万で、月千円とみて一億二千万円です。その三カ月分だから三億六千万、非常に明瞭です。対象も明瞭であるし、金額も明瞭である。ところが、長官のは今度はその中から中学校、小学校が抜けまして大学と高等学校で、そうして一号ずつ上げる、これも又性格が非常に違つておるのです。田中さんがおつしやつたのは、府県によつてはそれで是正されておるものもあるけれども結局学歴の算定の仕方に不合理がある。それからその次には兵隊に行つてつた期間が零になつておる、これを直さなくちやならない。更に又前歴計算が〇・五になつておるけれどもこれはせめて〇・八くらいにしなくちやならない。こういうことをするためにいうのであつて、この該当者は当然どの学校にもあるはずです。学校種別の如何を問わず、その計算が成るほど高等学校に不利な人が多いから当然高等学校に額が多くなつて高等学校八万、中学校のほうは四万、学歴前歴には不利な者は少いからこれが四万。明確になつておりますが、自治庁長官のはそれとは全然似ても似つかないものなんです。そうすると私はこれはとんでもないことだと思うのですがその点如何でしようか。
  168. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはまあ田中議員をお呼び下すつてお聞き頂いていいのでありますが、実際には昼の休みに田中議員の館林議員がおいでになつて私も立会つて聞きましたが、三億六千万という数字が出たときは、先ほど田中議員が抑せになつようないきさつで出たもののようでありますが、下その後ものの考え方が変りまして、そうして今の考え方といたしましては、先ほど私が申上げたように金額も変つて、その内容も変つておる。従つて今の私どもが修正された予算というもの、従つてそれに伴つて必要な法律というものが出ておるわけでありますが、それに従つて我々が国会の意思として義務的に措置しなければならないと考えておる面は今申上げた通りであります。
  169. 湯山勇

    ○湯山勇君 一体こういう状態において私は質問を続けていいか疑問になつて来たので、田中さんは、政府のほうは結局わからないということをはつきりおつしやつて、それでは修正者の意見を聞きたいと、修正案担任のかたがお見えになつて、その担任者を代表して田中さんがおつしやつたわけです。ところが今政府は、自治庁長官は何と言つて政府の人ですが、又今度は、それは違うのだ、こうおつしやる。これは委員長ももう少しこのことに対する答弁を責任を以てできるように御注意願いたいと思うのです。その上でなければ私は質問できないと思うのです。
  170. 小澤佐重喜

    衆議院議員小澤佐重喜君) これは私に対する質問じやございませんけれども、今の疑問の点が私の答弁によつて幾分でもはつきりすれば、そういう意味からお答え申上げますが、この今だんだんお話ように、いわゆるこの改進党の修正案というものの計算は田中君がやつたのだそうです。ところがこの改進党と自由党と協議をした場合には田中君は参加しておらなかつた。そこで私どもも今お話のあつたように、いわゆる三本建のうちには例えば校長、教頭等の昇給額をきめるだけのいわゆる三本建ということができるということにすれば、予算措置は要らないのじやないか、という議論をしたのです。ところが、いや、それでもどうしても要るのだ、要るというならばお前のほうで計算を正確にしてくれたらいいじやないかと言つたら、三億六千万というものが一番これは間違いない計算なんだと、こう言うのです。  そこで、そういう計算は非常に問題になつて来るし、三本建の内容ということもいろいろ見方によつてある。そこで取りあえず予算というものはこういうふうにしておくが、将来法案を出す場合にこれを具体的にどう三本建を決定するかきめようということで、改進党と自由党と分自党の協定が済んだわけであります。従つて田中君が計算した点から見ますると、先ほどお話ような基準の下に計算はされておりますが、両党で協定されたいわゆる三本建というのは、今私が申上げたように、或いは塚田大臣が申上げた通り内容修正の骨子になつております。
  171. 湯山勇

    ○湯山勇君 経過はよくわかりましたが、併しながら田中さんが先ほど御答弁なすつたのは三派を代表してなすつたのではなかつたのですか、田中さん個人の御見解を述べられたわけですか。
  172. 小澤佐重喜

    衆議院議員小澤佐重喜君) これは非常に答弁としてはまずい答弁でありますが、私どもは田中君が改進党の代表を介してこの自由党三派でまとまつた案を承知しておるものと思つて一緒に出て来た、何の打合もせずに。ところがああいう答弁をされたので、一体これは話が違うじやないかということになつて午後の相談になつたのでありますが、いずれにせよ議員として数字をいじつた関係上数字が非常にあやふやであることは本当に申訳ないのでありまするが、協定された骨子というものは今塚田さんが言うように、又私が申上げる通り具体的な法案内容が結局修正の骨子になるということであります。
  173. 湯山勇

    ○湯山勇君 私は非常に心外に思いますことは、そのために田中さんが一人で来られてそう言われたのなら私は納得いたします。併しながら両側にちやんとついておられて、而も答弁されてすぐ休憩になつたわけではなくて、あの問いろいろ御相談にもなつたはずである。にもかかわらず今になつて御訂正になるというのは一体どういう御経過があつたのか、その点が一点。  それから第二点は、趣旨はああだということを今小澤さんも御肯定になりましたけれども、趣旨が全然違うのです。さつき自治庁長官に質しましたように、是正のために使うのだということを田中さんが趣旨として申された。学歴、勤年の関係、更に又兵隊に行つてつた期間、或いは前歴、こういうものの是正にするんだということをおつしやつた。ところが今自治庁長官は一号ずつ上げるんだと、こうおつしやつたのです。勿論私は計数が仮に一億違つても二億違つても、そのことをとがめだてしようとか、そのことを聞こうという意思は毛頭ありません。併しながら趣旨がそのようにすでに違つて来ておるし、又先ほどの一応法案を出すまでの経過はよくわかりましたけれども、今の御説明は本日のこの事態に対する御説明とは受取れない。この二点を明確にして頂きたい。どなたでもよろしうございます。
  174. 小澤佐重喜

    衆議院議員小澤佐重喜君) 第一段の点は先ほども申上げた通りであります。従つて私は田中君と塚田君と相談するのにも私も立会つていません。いませんけれども、なぜそういうことを知つておるかというと、三派協定の案には私は最終まで立会つております。田中君の考えられたことがだんだん交渉の段階から変化して参りまして、最後の結論は今申した通りになつておるのであります。であるから、田中君の御答弁は非常に変だというのだけれども、今答弁しているところをつかまえて待てというわけには行きませんからだまつておりましたが、これは全然その意味に入つておらんのであります。開会の時間じやないときに文書をお目にかけてもいいのでありますが、改進党が出したいわゆる修正案の文書というものは、どこまでも三本建に必要な予算措置ということで出しております。それがだんだん動いて来て今のような数字になつておるのでありまして、田中君の説明は、私が十数回に亘つて改進党と折衝いたしましたが、今日さつきの場面で聞いたのが初めてであります。そういうような実情でありますから、順序の連絡等がとれないための矛盾といいましようか、或いはおかしいというような点は多々ございましよう。多々ございましようが、交渉過程においてはいろいろな過程も経ましたけれども、最後の修正された案そのものは只今申上げた通りであります。
  175. 湯山勇

    ○湯山勇君 第二点の答弁がまだ残つている。
  176. 小澤佐重喜

    衆議院議員小澤佐重喜君) 第二点も併せて答弁したつもりですけれども、若し足りなければ……。
  177. 湯山勇

    ○湯山勇君 先ほど小澤さんは、計数は倉岳の間にやつたのだから違う、その点は了承してくれ、私はその点は了承いたします。趣旨先ほど田中さんの言つた通りとおつしやつた趣旨が今のように非常に違つておる。田中さんのおつしやつた趣旨は、給与の是正であつて、学歴、勤年の計算、それからもう一つは、兵隊に行つてつた期間をどうする、更に又前歴計算を〇・五じやかあいそうだから〇・八にしたい、この趣旨認めると、こうおつしやつたわけです。ところが今自治庁長官の説明では、そうではなくて、一律に一号ずつかぶせて行くんだ、多少はまあ落ちる人もあるけれども、そういうことを関係なく一号ずつかぶせて行くんだ。そうすると文自治庁長官の言つたことと小澤さんの、言つたことと大きな喰違いがある。それはどうなんですか。どなたからか明快にお示し願いたい。
  178. 小澤佐重喜

    衆議院議員小澤佐重喜君) その答弁だというと、先ほど答弁したところに一致しておるのであります。つまり田中君のここでお話したことは、両党間の正式の代表間では話が出たことが全然ないのであります。今日午前中私が田中君の説明を聞いて初めてわかつたのでありまして、従つてあなたが考えられるように私が田中君のいわゆる計算の趣旨は同じたというような答弁を私はするはずはありませんし、したことはないのであります。従つて田中君は一番最初の改進党の案の際にはそういうことを考慮されて出たかも知れませんが、だんだんだんだん折衝過程が過ぎて、最後の結論を出すときには今塚田君の言う通り、即ち現在の衆議院審議されておるところの、給与の三本建の線だけに限られた修正案ということになつております、ということであります。
  179. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 関連して、只今小澤君から御説明のありました先ほど田中君が説明をされたことは、現段階におきましては全然田中君がおつしやつたことは問題になつていない。結局小澤君が只今説明されたこと及び自治庁長官が説明されたことだけが残つていて、ほかのことは一切誤りであるというふうに了解してよろしうございますか。
  180. 小澤佐重喜

    衆議院議員小澤佐重喜君) 結論から申上げますれば、まあ一応誤りじやないと言つてよろしいのですが、今言う通り話が一番先に田中君のよう考え方で改進党は自由党に呼びかけて、それがだんだんだんだん折衝の過程において、最後には田中君の考えだとすればああいうことは少しも出ないで、三派が妥結された修正案は何かというと、結論において衆議院で今審議をされておりまする三本建の内容、即ちこれに必要な内容修正されたものとお考え願えばいいのじやないか、こういうのです。
  181. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 私もそういう意味で御質問申上げたわけでありますが、現在の段階において田中君が先ほど説明されたことは実情にも即していないし、従つてこれは誤りである。結局自治庁長官なり或いは小澤君なりが現在説明したことを使用すればいい、こう了解してよろしうございますか。
  182. 小澤佐重喜

    衆議院議員小澤佐重喜君) その通りでございます。ここに現に掘木さんもおられまして、堀木さんは始終我々と一緒に折衝したのでありますが、田中君の言うようなことはまだ曾つて一回も田中さんと同じ立場にある掘木さんからも承わつたことはないのであります。
  183. 湯山勇

    ○湯山勇君 それでは伺いますが、田中さんはどういう資格で御答弁に立たれたか、委員長に伺います。
  184. 小澤佐重喜

    衆議院議員小澤佐重喜君) この問題につきましては、昨日皆さんからその三木建に関する給与の内容の計算の基礎を聞きたいというあれがあるから、誰か提案者のうちで一番詳細に知つておる人を出してくれないか、こういう話があつたのであります。そこで私のほうといたしましては、この三億七千万円という金額はもともと改進党から提案された金額でございますから、そこで改進党へ相談をいたしまして、ところが改進党では一番田中君が詳しい、田中君を出しましようというので出て来たのが今日の答弁になつたわけであります。従つてその基礎の一番最初の段階の計算を知つてつたのであつて、改進党とその他二派の三派で修正された計算の内容になつて来るというと今申上げました通りになるよりほか途はないのであります。(「そんなばかなことはない」と呼ぶ者あり)
  185. 湯山勇

    ○湯山勇君 それでは重ねてお聞きいたします。田中さんの言われたことは間違いであると、こう断定なさるのか、断定なさらないのか。その点をまずはつきりさして頂いてあと聞きたいと思います。
  186. 小澤佐重喜

    衆議院議員小澤佐重喜君) 田中君の答弁のはつきり門違いな点もありまするが、そういうふうにして一口で答える場合はやはりいやに四角張る虞れがありますけれども、速記録を見なければこの点が違つてこの点が本当だとは言えませんけれども、要するに私が今答えた以外は違つておるとみて差支ないと思います。
  187. 湯山勇

    ○湯山勇君 田中さんの御説明とそれから小澤さん並びに自治庁長官の説明とは金額においても内容においても、つておるのです。そういうことになれば、全部遣うか、或いは全く同じか、先ほど小澤さんは、説明の内容はいいけれども計数については違つておるというようなおつしやり方をしたのですけれども、そういうふうになれば金額が違う、内容が違う、こう言つていいでしようか。金額は違うけれども内容はいいと、こうおつしやるのか、その辺をもう少しはつきりして頂きたいと思います。
  188. 小澤佐重喜

    衆議院議員小澤佐重喜君) どうも同じような答弁をするようになりますが、田中君の言われたことについて私は趣旨が同じだという答弁をしたことはないつもりでありますが、あなたがしたと御記憶になりますならばこれは水かけ論になりますけれども、私はそういうことを申上げたつもりはありません。ありませんが、今申したような順序で田中君は私どもの知らん範囲の計算方法をあなたに申上げております。これは三派の協定ではないのであります。三派の協定は今申した通り要するに三本建というものを予算の裏付けをして通そう、こういうものが一番初めの骨子であります。それでは7体三本建とは何ぞやという問題になりますと、いろいろ具体的には三本建にも態様があると思うのであります。その態様をどうするかということになつた場合に、お互いにこれは今ここで議論しても仕方がないから、予算とは多少違うかも知らんけれども、この三本建の法案を具体化するときにこれは協調しようというので、現在衆議院審議されておる三本建は、三派で協調いたしました結果成案を得て三派提出になつております。従つていろいろ面倒な過程は経ておりますけれども、三派で協定された事項は、予算へ盛られている金額に関係なく今三本建が出ている、その内容に基いて修正ようということに最後の決定でなつておりますから、それ以外のものは田中君がどう答弁しようと我々の協定したことではないということになります。
  189. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 極めて重大な御発言です。これは田中さんの政治生命にかかわるような問題だと思うのです。従つて今の小澤さんの説明を田中さんが承服なさるかなさらないか、直ちにこの場に呼んで頂いて御確認願いたいと思います。  (「異議なし」「必要ない」「呼ぶ必要ない」「予算関係なし」と呼ぶ者あり)
  190. 小澤佐重喜

    衆議院議員小澤佐重喜君) どうも私は、今一言言われましたけれども、田中君の政治生命どうこうというお話でありますが、田中君が言われた趣旨は、私が縷々申上げましたような順序において自分が考えておつたことと、それから三派の協定が最終的に決定したときの違いというものを知らずに答えたことであつて、それを答えたからといつて直ちに政治生命がなくなるようなこととは私は考えない。併しあなたがお考えになることは自由でありますけれども。そういうよう意味で私は、今私が答えた通りのことと違つたから直ちに田中君の政治生命がなくなるというようなことは、私は少しも考えておりませんので、念のため申添えておきます。
  191. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 なくなるとかなくならないとかいう問題じやなくて、私は先ほどお尋ね申上げましたように、田中さんが先ほど御説明になつたときにはちやんと両方についていらつしやつた、説明のあとで相当問答があつたし、相談があつたはずです。その間においては全然それが違うとか、それはこうだとかという言明をなされない、昼休みを経過した今になつてそのように話されるということについては、これは田中さんがそれを認めない限りにおいてはかなり問題が残ると思いますので、それで、田中さんをお呼びして御確認願う措置をとつて頂きたい、こう思うのです。どうです。御了承願えますか。(「必要なし」「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり)それでは小澤さんにもそう御了承願いましたのでお計らい願います。
  192. 青木一男

    委員長青木一男君) この委員会審議の途中で改めて田中君をおいで願うかどうか、これは皆さんの御意見を諮つてきめたいと思います。(「異議なし」「関連して」「議事進行」と呼ぶ者あり)それじや改めてこの際田中君においで々願うというかたの賛成の起立を求めます。    〔賛成者起立〕    〔「自由党は賛成してないよ」と呼ぶ者あり〕
  193. 青木一男

    委員長青木一男君) 起立少数であります。  質問を続行して下さい。あなたの時間は大体切れましたから。(「そういうやり方はいけない、そんなことがあるもんですか、問題をはつきりせずに」と呼ぶ者あり)まだほかの質問が残つておるならおやり下さい。たくさんせんように。余り長くは時間もありませんから。(「議事進行に関して」と呼ぶ者あり)
  194. 湯山勇

    ○湯山勇君 今やつとこの予算の性格がこういうものだということだけわかつたので、むしろこれからが質問になるわけです。
  195. 青木一男

    委員長青木一男君) 併し私が先ほど申した通り、やはりあなたの質問も前に割振つた時間の範囲内であることを原則として来たのでありますから、お願いします。
  196. 湯山勇

    ○湯山勇君 それでは、先ほど連続して質問のときに申上げておきました三本建と申しますけれども、大学についてはすでは級別推定のときに是正がなされておるわけです。それと今度との関係はどうなさるわけですか。この説明をどなたからでも願います。私非常に不満なんですが。決して隠し立ても何もしないで……。問題点は問題点でこれくだと箇所を挙げて申上げてあるのです。ですから、どなたか責任ある人を、わかる人をちやんと出して頂いて、当然これに対しては答弁なさるのが政府の責任だと思うのです。今になつてどなたも御答弁願えないというのはどういうわけでしようか。
  197. 小澤佐重喜

    衆議院議員小澤佐重喜君) 今の質問趣旨がはつきりしませんでしたが、私どもは大学の給与、中学校、小学校の給与というものをどう動かすか、或いはこれにどうするかということは三派協定間には全然ない事項でございまして、そうしていわゆる高等学校の三本建だけを三派修正でやろうということになつておるのでございますから、大学のほうや何かについては少しも議論したことはございません。
  198. 湯山勇

    ○湯山勇君 それでは小澤さんに伺います。大学はそれでは今度の予算には含まれてないのでございますか。
  199. 小澤佐重喜

    衆議院議員小澤佐重喜君) この間申した通り、大学、中学校、小学校の問題には予算的措置は全然しておりません、従つて高等学校の三本建の問題がこの予算可に提出されております。我々の修正案としてはそれ以外の成案があるかどうかは私存じません。
  200. 湯山勇

    ○湯山勇君 それでは自治庁長官に。新らしい今後の出されている法律は大学でも一応上るようになつております。御存じでしよう。これは大変な食違いで、小澤さんは高等学校だけという自治庁長官は高等学校と大学、こうおつしやる、どつちが本当ですか。もうそこで食違いができてきている。(「めちやくちやじやないか」「何も知らないで修正なんかするからそういうことになるのだ」「議事進行」と呼ぶ者あり)
  201. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 私のほうは、法案もそのようになつておりますし、一応提案者のそれに基く試算におきましても、公立高校の分が三カ月で一億三千七百四十四万八千円、それから公立大学の分が三カ月で一千百十三万九千円、合計一億四千八百五十八万七千円、こういうように了解しております。
  202. 湯山勇

    ○湯山勇君 小澤さん、とんでもないことになりましたよ。
  203. 小澤佐重喜

    衆議院議員小澤佐重喜君) これは私の説明と矛盾したようでありますが、私の言うのは、現在衆議院の人事委員会審議されておりまする給与に対する部分は全部入つております。ということを先ほどから申上げておるのであります。これがその自治大学ですか、公立大学の問題が入つておるかどうかは私は知らなかつたから、それは答えなかつただけの問題でありまして、要するにあの法案に含まれる部分が協定事項の中に入つております。
  204. 湯山勇

    ○湯山勇君 それでそういうようになるから、級別推定のことはどうなるんですかということをお聞きしたのです。
  205. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 実際現状を見てこういう状態では全く審議ができないと思うのです。これは正直なところ、高橋君も誰でもこういう状態が果していいお思いになるかどうか。これは全くこういうことでは、審議継続できないと思う。まだまだ湯山君が質問したら、一つ一つこういう場面が出て来るのです。ですからこのことについては政府なり或いは三派閥に、もう少し統一した意見を持つて来てもらはなければ困る。委員長はこの状況をどう御覧になりますか。どう説明されるお考えでありますか。
  206. 戸叶武

    戸叶武君 議事進行。
  207. 青木一男

    委員長青木一男君) 戸叶君。
  208. 戸叶武

    戸叶武君 この間からこの修正予算案を見ておつて我々が心配をしたのは、この予算案に対する発案権なり、提出権なり、或いは議員立法権なり、修正あれた個所なり、そういうものの責任が一体どこにあるかということを明確にして来て下さいということを重ねて言つておるのでありまして、先ほど小林君が言われましたところの、電信電話値上げの問題にいたしましても、供出完遂奨励金の問題にいたしましても、農産物価格安定法に対する問題にいたしましても、どこまで政府は責任を持ち、どこまで修正者が責任を持つか、どこまでが議員立法としての責任の限界か、そういうことを明確にされないで、内閣国会がここにおいて、法案或いは予算案を審議してこれを京ともに進めることができるでありましようか。このようなたががゆるんだ内閣を相手に、我々がこの国会において審議を進めることはできない。あと少し頭を締めて、二本建、三本建というような無責任な忍術使いみたいな法案を出さないで、そうしてはつきりした提案をしてもらいたいと思います。委員長、これに対して政府側に少し督促して下さい。(「確りやれよ」「委員長、暫時休憩ですよ、答弁する人がいないですよ」「委員長、どうするのですか、進行だ、議事進行はどうするのですか」「誰を相手に進めているのですか」「委員長、進行の態勢を整えて下さい」「休憩々々」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  209. 青木一男

    委員長青木一男君) 申上げます。政府に申上げますが、この答弁について御相談される節がありますれば改めで御相談願うことにして、この際暫く問題を留保して、他の質問に移りたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  210. 青木一男

    委員長青木一男君) 湯山君。ほかの点もよろしうございますか。
  211. 湯山勇

    ○湯山勇君 私は今の点了解でさましたら、関連してずつと続くのですが。(「別の人、別の人」と呼ぶ者あり)
  212. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 それではこの際政府側は、湯山さんの質問も相当細部に亘る点もありまするから、人事院なり文部省の要求が湯山さんの初めの御要求になかつたのでありまして、従つてそういう関係者は呼んでおりませんのでそういうのを呼びまして、十分これは答え得る態勢を整えて頂くことにして、そうしてこの際次の質問者に質問を継続して頂くようにお願いいたします。
  213. 青木一男

    委員長青木一男君) 委員長もそういう趣旨で今申上げたのですが。
  214. 湯山勇

    ○湯山勇君 これはまだ小澤さんの御答弁を私納得していないのですが、小澤さんは高等学校だけとはつきりおつしやつただけです。あとで多少あやをつけられましたが、自治庁長官ははつきり高等学校、大学とおつしやつた。大学の入る、入らないというのは大きい違いがある。このことによつて明らかになるわけですから、その点はそういうおつもりで明確にして頂くように重ねて要望いたしておきます。
  215. 小澤佐重喜

    衆議院議員小澤佐重喜君) 今の問題について、私の言つたことが只今申上げた通り三本建……、ついでに三本の均衡上、或いは大学の給与の問題もいじつたかも知れません。その点は私詳しく知りません。知りませんが、この法案を揃えて出す、つまり現在衆議院審議しておる、いわゆる法案に対する予算はこの中に入つている趣旨であります。従つて、私の先ほどの言葉が足らんければ、ここでその訂正をすることに少しもやぶさかじやありません。
  216. 湯山勇

    ○湯山勇君 私大変失礼な申し方をいたしますけれども、小澤さんは先ほど田中さんの御発言についてはあのようなはつきりした態度をとられた。それだけいきさつを知つておるし、内容を御存じのかたが、ああいうふうにはつきりともかくも御言明になつたことが、すぐ又がらつと変るということでは、私どもとしては田中さんをもう一遍呼んで頂きたいと言わざるを得ない。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  217. 青木一男

    委員長青木一男君) 今の点は、先ほど申した通り、なお……。(「だからその他の諸般の情勢をちやんと整えてもう一遍やり直そうじやないか。そんなことやつていたつて、これから時間をとりますよ」と呼ぶ者あり)先ほど申上げました通り、今の点は湯山君留保して頂いて結構ですから、議事を進行したいと思います。
  218. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 委員長、今のは誰の責任か、事務を渋滞するのは。
  219. 青木一男

    委員長青木一男君) それは皆さんの御判断に任せます。小林君、それでは自治庁長官が見えておりますから御質問を。
  220. 小林孝平

    小林孝平君 只今の質疑を聞いておりますと、非常に渋滞のわけでありまして私が質問することも大体殆んど似通つているのです。それで今度は一つしつかりと答弁をして頂きたいと思います。大臣、聞いていないとわかりませんよ。(笑声)今急にそんなことを聞いたつてわからんのです。私の質問をよく聞いておればわかるのですけれども、先ほど郵政大臣は二十五億円もこの公社収入が少くなるのをこれは収入が何とか殖えるだろう。或いはこの公募による債券以外の受益者が負担する債券収入もあるから何とか行くだろう、こういうような極めて簡単に言われたのです。ところがこれは百円や二百円や千円の金じやないのです。二十五億円ういう莫大なる金なんです。而も公社収入の約二割に達するこの金がどうにもなるような金だということではこれは大変なことだと思うのです。そこでこの取扱についてはいろいろ更にお尋ねしなければならんけれども、差当りこの二十五億円の不足分はどういうふうにして補填されるのか、具体的にお伺いいたしたいと思うのです。何とかなるということでは困ると思うのです。
  221. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) この点は先ほども具体的に御説明申上げたと思うのでありますが、努力してできる分は努力する。それから又加入者その他の受益者の負担で予想以上に出ればそれで以てカバーする。そうしてどうしてもできないものは、最高二十五億円までは更に公募債の枠を殖やすという方法で措置をとる。併しこの最後の方法は補正予算か何かで予算的措置をしなければならない。こういうのであります。
  222. 小林孝平

    小林孝平君 この受益者負担の債券を何とかすると言われますけれども、この受益者負担の債券の額は電話設備費負担臨時措置法という法律でちやんと一人六万円ときまつているんですよ、東京では……。この法律できまつていることを大臣が勝手に何とかなる……仮にこれを一歩を譲つて十四万の一年に加入者が増加するのですよ。これを仮に更に公社が勉強して一万人殖やしたとしてもたつた三億円にしかならんのです。言葉の上では何とかするというけれども、具体的に数字を挙げればこういうふうに何とかならんような数字になつているんです。大臣はこういう法律があることを御存じかどうか知りませんけれども、こういうふうにちやんと法律で一個について六万円という数字がきまつているんですから何とかならんのですよ。だから具体的に、じや何万予定より殖やしてどうなるという数字を出さなければ、この二十五億円という金をどうにかなる、手品のようなことを言つたつて駄目ですよ。
  223. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 大変無理な御質問で、どうも何と答えていいかわからないのでありますが、今後の努力によつてそれはそういう工合にできるだけ措置する。勿論それで以て十分二十五億の全額はできるとは思いませんから、そこでどうしても足らん分は最高限度二十五億までは予算措置であれをする、こういうように申上げておるのでありまして、これ以上具体的に、はつきりした答弁は申上げられません。
  224. 小林孝平

    小林孝平君 これはこういうふうにはつきりした答弁はできないとおつしやるけれども、それはほかのときならいいですよ。今予算審議して、場合によればこれは組替えなければならん。こういう事態になつておるのに、こういう無責任なことを言われては甚だ困るのです。塚田さんもこの前は予算委員長をされておりまして、こういうことが簡単にできないことを御存じなんです。それを今郵政大臣になられたので、今度は止むを得ずそういう答弁をされておるけれども、これは公社の総裁を直ちに呼んでどういう計画でこの二十五億円を補填するかということを答弁して頂かなければなりません。大蔵大臣に更にお尋ねいたしますが、先ほど大蔵大臣郵政大臣の答弁と同じだと言われましたけれども、予算編成の責任者としてこういうような二十五億円という莫大な金がどうにかなるということですむものとお考えになるかどうか、はつきりお伺いいたします。
  225. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 私は郵政大臣が最善のことを尽すことを信じておりますが、若し不足を生じますならば補正その他について考えなければなるまいと、かよう考えております。
  226. 岡田宗司

    岡田宗司君 只今郵政大臣の言葉を聞いておりますと、まあ一生懸命に努力をしてそうしてそれでもどうにも足らないところはこれは一つ公債の枠を殖やすことによつてなんとかしよう、こういうお話でありました。大変わかつたようお話でありますけれども、実はこの予算というものはやはり何のために設けてあるかということを考えて頂きたい。予算制度というものはちやんと一年間の計画を立ててそれを遂行するために、大福帳式のものでやつているのではない。それはおわかりになつていると思う。そういたしますと、ああいう修正を組みました以上、大体節約によつてどれくらい出る、或いはこうくこういう方法によつてどれくらい出る。それから先にどれくらいのものが足りなかつた公債で賄わなければならないということがわからないでどうして予算審議ができますか。私は郵政大臣がそれがおわかりにならないなら公社の総裁を直ちにここに呼んで、その点について公社の総裁から公社の経理内容についてどれくらいのことができるかということをお伺いしなければ、政府機関のこの予算審議に当つて十分な政府の責任を明かにしたものと言えない。そこで直ちに公社の総裁をここにお呼び下さいまして、そうしてその内容について今どういう方法をとられるのか、それを郵政大臣なり或いは大蔵大臣はどう確認されるか。そのために先ず公社の総裁をここにお呼びになつて、その修正を受けましたために起る善後措置についての具体案の明示を願いたい。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  227. 青木一男

    委員長青木一男君) 岡田君に申上げますが、委員長は改めてあなたの言われる人を呼ぶ必要を認めません。併し……。
  228. 岡田宗司

    岡田宗司君 どうしてそれが認められないのですか。認めませんということはわからないと思う。大蔵大臣なり、或いは郵政大臣政府機関の予算についてはつきりしたものを出すなら別ですが、出さないから公社の総裁に経理内容から割出してどういうことになるかということを目測をお尋ねしようということを認めないというのはどうも私は解しかねる。
  229. 青木一男

    委員長青木一男君) 申上げます。それは大蔵大臣、塚田郵政大臣お話で足りると思うが、どうも私はあなたの御意見と違いましようが、併し委員長はそう思いますが、委員会の皆さんが呼んだほうがいいというなら……。
  230. 岡田宗司

    岡田宗司君 そんないいも悪いもない。只今委員長の御意見は私は非常に腑に落ちないと思う。とにかくここで論議されますのは郵政省の予算じやないのですよ。公社予算審議するときにその内容が明らかにならないときに、私どもが公社の総裁をここへ呼んでその内容についてお聞きすることが何が悪い。
  231. 青木一男

    委員長青木一男君) 岡田君に申上げます。委員長はあなたの提案の必要を認めません。併し委員会が……。
  232. 岡田宗司

    岡田宗司君 これは議事進行上重大な問題です。あなたが一人で勝手にそういうことを言つては困るのです。
  233. 青木一男

    委員長青木一男君) 只今委員長の意見に反対ならば、呼ぶこと……。
  234. 岡田宗司

    岡田宗司君 十分でないから呼ぶのです。
  235. 青木一男

    委員長青木一男君) それでは呼ぶことの動議提出して下さい。委員長の職権を以ては言えません。(「そんな職権がどこにある」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  236. 小林孝平

    小林孝平君 これはもう少しおだやかにやられたほうがいい。これは郵政大臣はああ言つておりますけれども、郵政大臣はおわかりにならないのですよ。これは私は一番よくわかります。私は電通委員なんだ。よく審議が非常にこういうふうに混乱しているので、向うに余り出られなかつたから、そのとき十分やられないで、これは予算委員会でも問題になるということは、そのときもうすでにわかつていた。各委員みんなが了解しておつた。だから委員長誤解されて、これは呼ばないでいい、こうおつしやいますけれども、それは呼ばなければわからん。そう荒立てないでちよつと電話をかけてお呼びになつたらどうですか。そんなことをやつているうちに時間がたちますよ。まだほかに聞く問題がありますから、その間に呼んで頂いたらいいですよ。そう何も荒立てて採決する必要ないですよ。
  237. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 これは、小林君の質問は今に始まつたのではなくて、この前のときからお話があり、その際も何ら御要求がなかつたのでありまして、今突如として(「要求した」と呼ぶ者あり)公社の総裁を呼ぼうということでございますが、これは時間の関係もございますし、且つ又政府委員において十分説明ができると思いますので、私はその必要ないと思います。
  238. 小林孝平

    小林孝平君 ちよつと誤解があります。この間は要求はなかつた。私は只今郵政大臣から御答弁になつたのは御答弁にはならんと思つたのです。これは当然組替えなければならんというふうに郵政大臣もお認めになつて、我々は速かにこの組替えの手続をしなければならんと考えておつたから、公社の総裁を呼ぶ要求をしなかつたのです。ところが今郵政大臣は、これは何とかなる何とかなるという話ですから、これは公社の総裁を呼んで頂きたいという申入れをしたので、何もそう我々は議事の引き延ばしや何かをやろうと思つているのでないから、そんなことをやつている間に呼んで下さい。
  239. 青木一男

    委員長青木一男君) 小林君は、この間法制局長官質問を留保されておつたのであります。その当時は今のお話ありませんでした。それで法制局長官に対する質疑は保留しておつたものと私は解釈しておつたのです、従つて今の新らしい、公社総裁を呼ぶことを若し動議として提議されるならば議場に諮ります。(「議場に諮るというのはおかしいね」と呼ぶ者あり)
  240. 小林英三

    小林英三君 只今郵政大臣の御答弁にありました二十五億の減収の問題に対する郵政大臣の答弁は極めて明快であります。十分それで了解できますから呼ぶ必要ないです。(「何が明快だ」「議事進行」と呼ぶ者あり)
  241. 青木一男

    委員長青木一男君) 今の議事進行ならば、私はもう皆さんにお諮りしておりますから、公社総裁を呼ぶことを御要求ならば動議として提出して下さい。
  242. 戸叶武

    戸叶武君 今この議事が混乱しているが、今の小林君の問題と別個に私は当然考えるべき問題と思います。この混乱している原因というものは、この修正案に対して、責任を一体誰が持つかということが明確にされていない。それがために小林君は法制局長官も呼んだのでありますが、法制局長官なり、大蔵大臣から、それに対する明快な解答を必要とすると同時に、これに併行してやはり公社代表者を呼ぶ必要があろうと思うのです。(「賛成」と呼ぶ者あり)こういう問題は具体的に、実証的に問題を片付けなければならないと思う。小林君が先に申されましたように、いわゆる修正における二割五分を二割にした、二十五億を削除せられた。その削除せられたことに対して、これを応諾しながら、而も二十五億ぐらいは何とかなる。蛙が水をぶつかけられたような顔をして……、
  243. 青木一男

    委員長青木一男君) 戸叶君に申上げます。議事進行については簡単に願います。
  244. 戸叶武

    戸叶武君 この要点をはつきりしなければ議事進行はできません。それを予算案そのものが二十五億円修正されても何とかなると言うのは、この予算案に対する発案者としては或いはその修正に対して一体どんな責任を持つか。そうしてできなければ、適当の機会修正する、予算補正するということを郵政大臣言つております。この間のけじめがはつきりしておりません。郵政大臣が答弁できないのですから、大蔵大臣なり、法制局長官なりが明快に答弁をしなければ、一体このけじめは一つもわからない。こういう混乱した形において修正予算審議することは困難と思います。
  245. 青木一男

    委員長青木一男君) 小林君、法制局長官に御質問ありませんか。
  246. 小林孝平

    小林孝平君 今委員長はよく事情というものはわからんで、ちよつと昂奮されておりますけれども、この衆議院参議院においてこの公社予算審議に当つて郵政大臣は殆んどそれに答弁せられない。これは公社の総裁がみずから全部説明されて、質問にも答えられているのです。そういうようなわけで、社債の内容、特に二十五億円をどう補填するかなどということは郵政大臣がおわかりになるはずがない。これは私聞きましたけれども、今考えてみると無理なことを聞いたなと、こう思つている。だからそういうことをやつている間にすぐ電話をかけてお呼びになつたらどうですね。その間に法制局長官の御意見を聞きますから。(「呼ぶ必要なし」「筋が通らんぞ」「無理をしたつてだめですよ」と呼ぶ者あり)
  247. 青木一男

    委員長青木一男君) 私はそういうことならば、十分あなたがたの持ち時間のあるときに、とつくに要求すべきだと思う。もうあなたは持ち時間は切れているのです。併し先ほど申した通り、私が委員長の裁量によつて、或る程度の計らいはいたしますということを申上げまして、あなたに特に発言を許しておるのです。(「そのことは問題を解決することを前提にしておるのです」と呼ぶ者あり)新らしい問題が出て来たから申上げたのではない。(「重要な問題じやないか、二十五億円があいまいじやないか」と呼ぶ者あり)小林法制局長官質問の継続を要求します。
  248. 小林孝平

    小林孝平君 やりますから、その間にお呼びになつたらどうですか。法制局長官つて今の郵政大臣と同じように簡単に答えられない。これから新たな問題を聞くのですよ。そこで委員長、私は無理を申しておりません。委員長もよくわかるでしよう、私が無理を言わんことは。それで私は法制局長官にお尋ねいたしますから、その間に呼んで頂いたらどうでしよう。そう長い時間はとりませんから。(「必要なし」「そんなことを委員長拒む権限ないですよ」「何の権限でやる」「どこに委員長がそんな権限がある」「そんな権限はない」「どこの国会法にあるのだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  249. 青木一男

    委員長青木一男君) だから私は議場に諮つていますよ。(「そんな権限はどこにある」「そんな権限は委員長にはない」と呼ぶ者あり)それだから議場に諮つている。(「そんなことを議場に諮るべきじやない」「あなたが呼ばないという権限はない。どこにある」と呼ぶ者あり)議場に諮つております。(「そんなことを議場できめるべきものじやない」「何の権限だ」「どんな権限だ」「すべて根拠も示さないであなたは何です。」「委員長一人の権限で僕ら質問しているのではない」「委員長が勝手に阻止するというものはもつてのほかだ」「そんなことは絶対にできないですよ」「休憩の動議を誰か出せ」「どこにそんな国会法がある」「政府委員を呼ぶのに動議をすることはない」「そんなことはないですよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  250. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 先ほど申上げた通り委員長先ほど小林君の質問……(「だから開発銀行総裁だつて政府機関だから皆呼べるんだ」「新しい問題が出て来たから聞くんじやないか」「進行」と呼ぶ者あり)
  251. 小林英三

    小林英三君 先ほどからこの二十五億円の減収の問題につきまして公社の人を呼ぶとか呼ばんとかいろいろ御意見があるようであります。私どもは呼ぶ必要はないと思いますけれども、併し一応民主的に委員会の意見を聞いて決定して頂きたい。(「冗談言うな」そんなことをどうしてやる、それじや今後こんなことを先例としてやつて、こちらからいろいろと政府委員に聞こうというときに、一々……」「政府委員じやない」と呼ぶ者あり)
  252. 青木一男

    委員長青木一男君) 申し上げます。公社総裁は政府委員ではありません。(「その通り」「政府機関の予算だ」と呼ぶ者あり)従つてこれを呼ぶ場合には、若し異議があればこの委員会決定を要します。(「委員長、それじや理事会を開いて下さい」と呼ぶ者あり)理事会の必要はありません。(「権限なし」「理事会は開かなければならん」と呼ぶ者あり)政府委員じやありませんから当然呼ぶわけには参りません。(「えらい官僚風じやないか」と呼ぶ者あり)
  253. 小林孝平

    小林孝平君 そういうことを言われると、却つて議事がうまく行かないのですよ。電通委員会で毎日公社の総裁が来て答弁をしたんだけれども、一度だつて呼ぶか呼ばんかということを諮つてやられたことはないのですよ。だから私は……。
  254. 青木一男

    委員長青木一男君) それは異議のない場合は……。
  255. 小林孝平

    小林孝平君 いや、異議のない場合も何もないのです。実は非常に自分の恥を曝け出すようで悪いけれども、その電通委員会公社の総裁は政府委員だとばかり思つていたのですよ。聞いてみたら、それは政府委員でない。ところが政府委員以上の内容をいろいろ説明されているのですよ。だから委員長が今突如そういうことを言われても、それは通りませんから、穏かにやつて頂いたらどうです。こんなことをやつているうちに来ますよ。待つていますよ、公社の総裁は。今日こんなことがあることはわかつていますよ。(笑声)待機しているのですから、すぐ電話をかければ五分で来ますよ。その間に私は法制局長官にお尋ねしています。(「必要なし」「議事進行」と呼ぶ者あり)
  256. 青木一男

    委員長青木一男君) あなたのことはいずれ適当な機会考えますが、この際は私は追加して行くことは賛成しませんです。反対もありますから、若し強いて実行なさるなら、委員会に諮ります。併し……。(「理事会をやつて下さい」「委員会があるじやないか」と呼ぶ者あり)
  257. 小林孝平

    小林孝平君 じや私は委員長に敬意を表しまして、理事会を開いて、そうして呼ぶか呼ばんかはきめて、多分呼ぶことになるだろうと思いますが、それで次に移ります。私も議事を妨害するのは本意じやないのです。こちらで進めようと思うのだけれども、妨害されるので仕方がなく……。そこで大蔵大臣にお尋ねしますが、この昭和二十八年度政府関係機関予算の百十五ページ、電話収入料金改訂による増収、これが百二十八億二千六百余万円、これが二十五億減収のためにこの数字が変つて来るのですよ。それでその経緯はなんとかやらんということになつても、現実にこれが今度数字が変つて来るのです。こういうふうに予算の項目が項が変つても、予算修正を或いは組み替をする必要がないのか、それを大蔵大臣にお尋ねします。これは重大な問題で、こういうことは先例になつたら、今後もう掴み金で予算を使うということになるのです。大蔵大臣余りいきさつにこだわらんで御答弁にならんと、これはもう重大なる先例になりますよ。
  258. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) まあこだわらずに申上げます。これは衆議院修正によるものでございまして、従つて私どもが政府で組み替えるとかそういうよう考え方は持つておりません。
  259. 小林孝平

    小林孝平君 これはあれですよ。修正したのは法律であつて、その結果予算書にあれしたので、この予算を変えたというならば、先日の御答弁の通り、これは関知しない。我々は本当は納得しないけれども、政府の答弁が一貫しているからそれでいいのです。今度場合が違うのですよ、先般と。それでもなおそういうことをおつしやるのか。
  260. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) これは法律の結果そうなりましても、私どもとしてはこの予算は組み替その他の考え方は持つておりません。ついでながらちよつと私の考えを、これも率直に申上げておきますと、こういうことによつて二十五億果して減収するかどうかという事柄は、私もよく究めておりません。塚田郵政大臣はできるだけ減収額は少くするように最大の努力をすると言われまするから、それはわかりません。若し又この結果が若干の必要が起りますれば、或いは補正予算その他等も考えなきやなりますまい。又それによつて法律に触れるところがありますれば、特例法その他のこともそのときに考えなきやなりますまい。これだけのことを申上げて御答弁といたします。
  261. 小林孝平

    小林孝平君 大蔵大臣は何とかしてこれを理窟をつけよう思つて、そうおつしやつていますけれども、大体この予算全体が修正に当つて大蔵大臣は余り御関係にならなかつたので、多少腹もお立ちになつて、おれは知らないという態度で御答弁になつておるかもしらんけれども、それとことは違うので、こういう問題を今のような御答弁では、これは納得できないのですよ。今後すべて掴み金で予算が組まれるという先例を作るものですよ。これは重大なことで、予算委員会としてはこういうことでは今後の予算審議に当つて重大なる支障が来るわけだ。  そこで法制局長官一つお尋ねいたしますが、法制局長官はどういう立場で御答弁になるのか、これははつきりしておりますけれども、こういう問題は今まで法制局長官全然御存じなかつたろうと思う。それで先ほどもこれに対して御答弁になるなら、少くとも政府側の意見を聞かれると同時に我々の意見も聞いて御答弁になつて然るべきだ。それをこそこそと郵政大臣と打合してそうして今御答弁をなさろうとする。これは法制局長官の一貫した態度ですよ。あなたは近頃政府の政策に協力されるのは勿論ですけれども、必要以上に悪いところでも何とかその明哲なる頭脳でごまかそうとされておる。今回のこの態度も正にその通り、私はこれから聞こうとする法制局長官の御答弁というものは大抵わかつているのですよ。そんなことじや駄目だけれども、一応敬意を表してこれからお尋ねしますが、こういうことをどう考えられますか、こういうことは合法的であるとお考えになるかどうか。(「記録に残りますよ」と呼ぶ者あり)
  262. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) いろいろ先廻りしてすでに予想されておるようでござございますけれども、(笑声)大体先ほど大蔵大臣が答えた通りだと思います。ただ先ほどのお言葉のなぜ政府は組替えをしないかというようなことに食いつくようで申訳けございませんけれども、これは御承知通りに、政府は一院で審議中であれば、これはその院の御承認があれば撤回もできますし、修正の措置もできます。併し一院をすでに通りまして他の院に廻りました後においては、さような勝手なことは許されんというのが、私の承知しておる範囲では両院の当局者の一致した見解のように思います。政府もさよう考えます。役つてその措置はとれない。従つて政府としては衆議院修正の加わつたものが、今日ここに参つておる事態を横から眺めておる、と言つては言葉が適当ではございませんけれども、そういう立場にあると思います。そこでこの予算の形として、そういうものが体をなすかどうかというお尋ねが、たしか今一つつたと思いますので、予算の形と申しますか、予算のこの性格論について一般の、これは私の独断ではなしに、教科書で教わつておるところでは、歳入予算の性質、それから歳出予算の性質というものは、法的にはつきり違いがある。歳出については、もとより御承知通りに、一種の命令的の意味をもつてこれ以上出してはいかんという法的拘束はありますけれども、歳入の面については、そういう法的の意味がないというのが、今まで我々の教わつておる、聞いておる一般の通説であります。そこで例えば、これこれの収入ということが一応歳入について盛つてありましても、景気の変動等によつで、それよりも余計な収入が入つて来たという場合においても、決してそれは違法な収入ではないので、そのまま政府の懐ろに入る。或いは又場合によつては他の事情によつて、予定した歳入額だけの歳入がなかつたという場合もあるわけであります。その場合においても、何ら歳入関係予算に反するとか、予算上違法であるというような問題になはらないというのが歳入予算の本質であろうと思います。でありますから、そういう面から申しますと、今の問題は額の大小の問題はございましようけれども、理論上から申しますれば、その点の法律的の支障は何らない。例えばこの町の四━━五月の暫定予算でございましたか、歳入予算の総額と歳出の予算の総額がちんばになつた、それすらもお通し頂いた、理論上はさようであろうかと思います。
  263. 小林孝平

    小林孝平君 今長官の御説明でかなりわかりましたが、まあ長官は、不本意であるけれども、こちらに来たので政府は組替えすることはできない、こういうようお話でございました。そういうふうなことなら、これは組替え要求があれば政府はすべきが当然だと思います。そういう道はまだ残つているわけなんです。そういうのが残つておれば、それは当然やるべきではありませんが、長官の御説明によれば、政府委員会に話して……。どうですか。
  264. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 現行憲法及び国会法の解釈上、そういう道がありますれば、政府としては非常に有難いわけでありまして、そういうことは明文から言つてどうも許されないのであります。これはどうも国会の両院の当局者とも、はつきりそういう見解を持つておりますので、非常に残念でございますけれども、そういう途は一切ないということになろうと思います。
  265. 小林孝平

    小林孝平君 これは普通の場合じやないのです。組替要求を予算審議の最後に出してやるという途があるのですから、それをやるのは当然じやないか。政府はこういう不完全なものを出して悪例を残すことは悪いから、委員会に進んで要求をし、我々は又するかも知れませんが、やるのは当然じやありませんか。その点長官如何がお考えになりますか。
  266. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) どうも私が申します趣旨は、衆議院を通つてこちらに来てしまいました以上は、どうもそういうことはないというふうに、又できないというふうに考えております。
  267. 戸叶武

    戸叶武君 関連質問で、法制局長官にお尋ねします。予算案に対して発案し、提案したものが、国会において修正を加えられて、而も二十五億削除されたということは、決して少い額ではありません。それに対してこの予算案の発案者と提出者が修正を加えられたにもかかわらず、二十五億ぐらいは努力如何によつて何とかなるという考え方は、努力のしようによつては何とかなると法制局長官もその点を弁護しておるようですが、この予算案の発案者なり提出者というものが、そういうルーズな考えで以て予算案を提出してよろしいものでありましようか。法制局長官にお尋ねします。
  268. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 国会の一院におきまして修正を加えられましたその態度について、差出がましい批判をすべきでないと考えております。
  269. 青木一男

    委員長青木一男君) 戸叶君簡単に願います。
  270. 戸叶武

    戸叶武君 重要な問題です。而も修正されても悟としてこれに何ら恥ずるところがない。何とかなるだろうというだけでなく、その次には政府はこう言つております。できなければ適当の機会修正する、予算補正するというのです。全く修正者を嘗め切つたところの態度ではありませんか。国会における予算修正に対する意義はどこにあるのです。これでよろしいのですか。法制局長官にお尋ねします。
  271. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) どうも憲法の下における内閣の地位を非常に高く強く立てて頂いているわけでありますが、我々といたしましては、衆議院修正があつてこつちに廻つた以上は、先ほど申しましたように手が出せないという建前でおりますから、申上げることはないわけであります。
  272. 青木一男

    委員長青木一男君) 戸叶君、質問ですから、この程度に……。他にもありますから極く簡単に。
  273. 戸叶武

    戸叶武君 これは内閣の地位が強いとか低いとかの問題ではないのです。内閣というものは責任内閣制なのです。内閣が責任を負わなくて一体誰が責任を負ののですか。この修正予算案の審議過程を見て御覧なさい。修正者に貴任がある、或いは議員立法だから政府は如何ともすることができない。国会の意思に委せる。少くとも予算案の発案者と予算案の提出者というものは如何なる修正が加えられようが、議員立法がなされようが、それに同意した以上はそこに責任を持たなければならないのであります。大蔵大臣に対して昨日質問いたしましたときに、同意ではない、了解だと言われておりますが、イギリス憲法と日本憲法は違いまするけれども、少くとも予算案に関する限りにおいては、同意というものは即ち政治的責任を内閣において意味するのであつて、これが崩れてしまつて予算案に対する発案権と提出権というものが、政府に私はその基礎というものがぐらついて来ると思うのであります。これは法制局長官……。(「そんなことは重要じやない」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)いや、重要です。この問題がはつきりしなければ責任の所在がはつきりしない。
  274. 青木一男

    委員長青木一男君) たびたび述べられた問題ですから簡単に願います。
  275. 戸叶武

    戸叶武君 いや、重要です。法制局長官
  276. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) この点は先だつて一日半に亘りまして一度汗を流してお答え申上げた点に尽きると思います。
  277. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ちよつと法制局長官にお尋ねしたい。関連して……。財政法二十九条の解釈ですがね、財政法二十九条によりますと「内閣は、予算作成後に生じた事由に基き必要避けることのできない経費若しくは国庫債務負担行為又は法律上若しくは契約上国の義務に属する経費に不足を生じた場合に限り、予算作成の手続に準じ、追加予算を作成し、これを国会提出することができる「こういう項目ともう一つ今度は「内閣は、前項の場合を除くの外、予算成立後に生じた事由に基いて、既に成立した予算変更を加える必要があるときは、その修正国会提出することができる。」この予算成立後と予算成立前と、この二つのことがここに規定されておるわけです。そこで一院を通つた場合というんですね、一院だけを通つた場合、これは予算成立後ではないわけです。併しながらこれは内閣予算を作成した後、この延長であるという、こういうふうに解釈すべきではないか。そうすればやはり政府修正を出すことができるようになりますから、この予算案については政府は責任を持つているんですか、そういう解釈ですね。それと今一院だけは通つた状態というのは宙ぶらりんの状態にあると思うのですが、予算作成後と成立後の宙ぶらりんであつて、その宙ぶらりんのところは何ら規定がないのかどうか、これは二十九条の解釈として一つ明確に、こういう状態は初めて出て来たんですから、その解釈上のことを明確に承わつておきたい。
  278. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) お示しの条文の文字の通りに一方は成立後とあるわけでございますからして、これはどうしても文字解釈から申しますと、衆参両衆の意思が合致して予算ができ上つたというふうに、これは読まざるを得ないと思います。今お言葉がありましたように、中間の段階はどうかということ、それが、抜けているという形になりますが、それは理論の問題としては、それは国会の御審議の過程にあります審議権の内容として適切な修正ができるんじやないか、そういう趣旨で恐らくでき上つているんではないかと思います。
  279. 青木一男

    委員長青木一男君) 簡単に願います。(「はつきりしておこうじやないか」と呼ぶ者あり)
  280. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私の質問したのは、中間の段階に今あると解釈すべきかですね、やはり予算作成後に、作成後という段階、その継続と解釈してよいのか、ですから予算成立するまでの間は、両院を通らない間はやはり予算作成後の時期と解釈していいのかどうか、そう解釈できないのか。そうすると非常に今度は不備なことが出て来る。中間の段階というのは今中間の段階であると規定されないとすれば、何か今後こういう場合が生じたときは、こういうことを規定しておきませんと、確かにこういう状態が合法だとは言えないでしよう。そのことは法制局長官もただ仕方がない、二十九条によつてそれはできないというだけであつて、それが合法的であるという理由にはならないのである。そうしますと、二十九条の規定は不備である、或いは不備であると思うんですが、それじや不備でないとすれば、今の段階もやはり予算作成後の状態と解釈すべきではないか。そうすればやはり政府予算作成の手続に準じてそういうことができることになつているんですから、追加予算を作成し、これを国会提出することができるんです。ですからこれによつてお出しになつたらどうか、こういうことをまあ質問しているわけです。
  281. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) この二十九条の第一項で言つておる予算作成後の場合についての追加予算というものは、恐らく歳出の枠をもつと拡げなければならんという場合のことだろうと思います。その場合においては仮に衆議院を通過して参議院で御審議中であつても、この追加予算はお出しできますというふうに考えるわけです。
  282. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 できるわけですね。
  283. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 附け加えましようか。
  284. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 丁寧に一つ明らかにして下さい。
  285. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) ところが今の問題になつております料金関係の事柄は、性質としては、この追加予算の性質のものではなくて、むしろ歳入の面の調整の問題になりましようから、理論的には第二項の修正の性格の問題になるということに考えます。
  286. 小林孝平

    小林孝平君 簡単です。もう一つ法制局長官にお伺いしたいのは、今度まあ仮に今までの話がいいといたしましても、これによつて公社予算を又作り直さなければならん、そこでですね、今度公社法の第五十一条に、法制局長官お持ちでないから読みますけれども「公社は、前条第一項の場合を除く外、予算成立後に生じた事由に基いて既に成立した予算変更を加える必要があるときは、予算修正し、これに当該予算に係る事業計画、資金計画その他当該予算の参考となる事項に関する書類を添え、郵政大臣提出することができる。」こういう規定があるのです。そこでですね、ここに「予算成立後に生じた事由に基いて」と、こうありますが、今のこの事由はですね、予算成立しない前にもう発生した事柄なんです。そこで私はこういうことであれば、公社予算修正或いは追加予算というふうなものを作つてつて行くことはできないじやないか、こういうふうにさつき郵政大臣にお尋ねしたのです。これはもうすでに打合済であるかも知らんけれども、そうしたら郵政大臣法律を作るときに考えておらなかつたような自体であるから、それは何とかなるだろう、これはちよつと表現が悪いかも知れないけれども、この法律を立案したとき考えてないような事柄であるから、これは運用で何とかなるというような解釈をされていのですか、そういうことができるのか。この法律を差上げましよう
  287. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) いや、よろしうございます。
  288. 小林孝平

    小林孝平君 法制局長官は独自の見解を述べて頂きたい。
  289. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) いや、独自の見解を申すまでもなく、先に大蔵大臣が申上げてしまつたのです。必要があれば、特例法律も必要であろうかということを先ほどお答えになつたのです。
  290. 青木一男

    委員長青木一男君) 小林君、大分時間が過ぎておりますから、その程度に……。
  291. 小林孝平

    小林孝平君 そうしますと、今のは必要があればこの法律を変えると、そういうことですか。
  292. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 大蔵大臣がさつきお答えになるのを聞いておりましたところでは、必要があればそういう措置を考えざるを得ないという趣旨のことをおつしやつておられます。
  293. 小林孝平

    小林孝平君 今の必要があればということは、非常に明確でないです。この法律を直すというのは、公社法を直すというのか、或いはこの予算修正をするというのか、補正を組むというのか、どつちなんです。
  294. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) まあ大蔵大臣の言われたのは、恐らく公社法の問題としてのお答ですから、公社法の五十一条を中心としてお考えになつたのだろうと思います。
  295. 青木一男

    委員長青木一男君) 小林君、どうぞその程度で……。
  296. 小林孝平

    小林孝平君 ちよつと……、大蔵大臣はどうなんですか、この公社法修正されるということをお答えになつたのですか。
  297. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 補正を出す場合に、そういつたことの必要があれば特例法を設くるのが止むを得んであろうと、こう言つたわけです。
  298. 小林孝平

    小林孝平君 余りむずかしい御答弁下さらなくても、簡単に私の聞いてることをお答えにならんと、わからんのです。
  299. 青木一男

    委員長青木一男君) 小林君、あなたはもう私、非常に忍耐して発言を許しておりましたが、その程度でやめて下さい。
  300. 小林孝平

    小林孝平君 じや今のやつを最後に一つ御答弁お願いしてやめます。
  301. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 重ねて御答弁いたします。補正予算等を出す場合に、必要があれば特例法を設くることもあるべしと。(笑声)
  302. 青木一男

    委員長青木一男君) この際先般木村君の留保された質疑を進行して下さい。成るべく簡単に願います。
  303. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 簡単に——最初からどうも何かそういう制限をされるのは、甚だ申合せと違うのですね、これだけ質疑があるのですから……。それではこの前私、資料を要求いたしましたが、要求いたしました資料が提出されてなかつたのでありますが、その後海運局で大変御努力になつて、非常に不満足ではありますが、一応この質疑をいたすに必要な程度の資料を提出して頂きましたので、その資料に基いて質問をいたしたいと思います。質問の要点は、第一は外航船舶建造融資の利子引下げ、この問題が一つ、第二は製鉄会社の借入金の利子引下げの問題、この二つの問題であります。要するに今度の三派の修正によつて利子の引下げの問題が起りました。それについて造船のほうと製鉄会社のほうの利子引下げについて納得の行かない点がたくさんありますので、この点について伺いたいのであります。  先ず第一に外航船舶建造融資の利下げの問題ですが、この点に関しましては、私が七月二十三日のこの予算委員会で、政府原案では外航船舶建造融資の利子補給の限度が、約十三億であつたのを、三派修正で一挙にその十二倍以上の百大十七億五千万円余に急増しておる。更に又政府原案では昭和二十八年以降の分について八カ年の期間を通じて利子補給をすることになつていたのを、修正では昭和二十五年十二月一日に遡りまして、而も十カ年間利子補給をすることになつておるのであります。海運政策上どういう考え政府原案を十倍以上も上廻る利子補給を昭和二十五年にまで遡つて行うという必要を認められたのか、この修正者は船舶業者の要請運動等によつて、こういう前代未聞の大幅の修正をすることになつたのではないかどうか、この裏面には利権運動とか、又スキャンダルはないかということを私は石井運輸大臣、小笠原大蔵大臣、吉田総理に質問いたしたのであります。これに対して運輸大臣は、国会修正であるからその発案者のほうにお尋ね願います、こういうふうに答弁されております。又吉田総理はスキャンダルがあつた場合においては政府は法の命ずるところによつて厳然たる処置をとると述べられました。又小笠原大蔵大臣は、私どもは国会修正を了承しただけでありますから、私はそういう責任はないと思います。こういうふうに答弁を逃げておる。このように要領が得られませんので、どうしても先ず発案者のほうから御迷惑でも明らかにして頂きたいのであります。又昨年十月或いは六月の選挙に、船主及び造船業者の献金が改進党に集中したこと、及び業界では若し解散がなかつたならば、こんな大幅な利下げはできなかつたであろう、解散が絶好のチャンスであつた、せいぜい開発銀行の利子は七分五厘から五分程度に下ると思つたところが、三分五厘に下つて驚いている。こういうようなことを我々が耳にしておりますので、この大幅利子補給の裏には利権運動がひそんでいるのではないかと、私は思うのであります。従いまして、国民の血税で利子補給をする以上、この点を明らかにする義務があると私は思うのであります。又改進党の名誉のためにも、そういう噂があるんでありますから、これを明解に私は答弁して頂きたいと思います。  そこで先ず発案者に伺いたいのです。第一は予算総則の十条を見ますと、十三億が百六十七億と一挙に利子補給が増加しているんですが、この根拠です。どうしてこういうふうに増加したか、又その算定基礎は、私が海運局で頂いた資料で算定したのと、この算定とは違うんです。数字が大変違います。そこでどうして数字が違うか、先ずその算定の基礎ですね、海運局のほうで計算したのからやりますと、利子補給は百四十五億になる計算であります。ところが百六十七億にこれはなつているのです。そういう違う点。この計算のやはり基礎を明らかにして頂きませんとわかりませんので、この点が先ず第一。  それから二十八年以降となつていたのを二十五年に遡及した根拠。なぜ遡及する必要があつたか。  それから第三は、予算総則では利子補給期間を八カ年としているのでありますが、前に三浦さんがここで御説明になつたときに、これは速記録にもございますが寸十カ年の利子補給をする、こういうことになつでいる、この点が予算総則と食違つておりますので御説明願いたい。
  304. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) お答えいたします。海運振興に対するいろいろな要望は今まで随分出ておりましたが、なかなか見切りをつけて予算にこれをはつきり出すというところまで行きませんでしたが、今回三派の話合いによりまして、その際、海運振興の意味で利子補給の方法をとりたいというので話がきまりましたが、その骨子を申しますと、開発銀行から出ている金は五分として三分五厘の差額の一分五厘を政府が利子補給をする、それから市中銀行は五分になるように利子補給をする。それからどの船に、どの造船から利子補給をやるかについていろいろ論議がございましたが、大体トン当り一ドル以上の利子についているようなところは明らかにこれはもう採算もとれないし、利子を払う能力もないということになつておりますので、大体その辺を見合つて、タンカーは七次の後期から、そのほかは六次船からということに話がきまりまして、それに基いて計算は政府の当局にいたしてもらいましたので、この計算の基礎は大体海運局、大蔵省のほうの基礎と食違つていないと思います。  それから今、十年間という問題がございましたが、これは改進党の三浦さんがそういう説明をしたとすれば間違いでありまして、利子の補給は竣工後五年間利子の補給をやる、ただその場合にこれを十年間に償還するものとするという計算に基いての利子補給額をきめているので、十年間というものはただ計算上の問題であつて、実際は竣工後五年間するということで、この点は今までと、政府の最初のほうの案とは変つておりません。
  305. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この海運局の計算と言いますけれども、海運局で計算してもらつたのですか。
  306. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) そうです。
  307. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしたらどうして百六十七億になりますか。私ちやんとこの頂いた資料でやりますと、一カ年の平均の利子補給額は二十九億一千八百十五万三千円になるのです。これを五倍するわけですね、そうしますと百四十九億九千万円、どうして百六十七億になるのか。その点が一つと、それからこれは海運局のほうに私はやはり聞きました。七の十カ年の償還計画で五カ年間に五カ年利子補給をする。それならいいのですが、併し三浦さんの御説明は速記にも載つておりますが、十カ年間に十カ年補給することになつている。そうなりますと利子補給額は非常に違つて来るのです。これは御承知通り、計算上、この三角で説明して頂いたのですが、ここのところまで来ると、この間にこれだけ余計に払うということが出て来るわけです。今の御説明ならば納得が行きます。十カ年年賦にしておいて五カ年で払う。そうしますと、十カ年のここのところは払わないわけですね。そういう意味でしたら分ります。三浦さんの御説明ですと、こういうこちらの方まで払うということになる。ですからこの部分は含んでないのかどうか。その点をお聞きしているわけです。
  308. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) それは三浦さんの答弁した方が間違いであつて、私の合御答弁した方が正しいのです。
  309. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと、又先ほどの三本立のようなあれが出て来ますが、それは今やはり御相談の過程で、そう強いて言葉尻を捕えはいたしませんが、併し事実ははつきりして貰いたい。三浦さんの説明でただ表現が間違いだということならいいのですけれども、若し十カ年補給をするとなると、補給額は多くなるのです。これは海運局の方に聞いてよく分つたのですが、それだけにこの単なる十カ年補給という説明だけでは誤解があるわけです。後で相当問題が起つて来ます。私はこの百六十七億と百四十五億との差は、三浦さんの御説明によると百六十七億になる、水田さんの只今の御説明だと百四十五億になる、こういうのではないかと思う。そこでそういう差額が出たのじやないかというふうに私は解釈したのです。そうでないと合つて来ないのです。ですから私は百六十七億と百四十五億の差がどうして出て来るかを御説明をして頂きたいと思う。
  310. 岡田修一

    政府委員岡田修一君) 差額の点を御説明申上げますと、御手許にお渡しいたしました資料は、先生からの要求が、現在動いている船、或いは建造中の船についての利子補給、或いは金利引下げによる負担の軽減、こういう御要望でありましたので、従いましてこれから造るべき、本年度にこれから着工すべきものを除いているのでございます。ところが予算上は今年度に着工すべきもの、これは約二十一万総トンですか、その分が入つている。この差が百六十七億と百四十五億の差になるわけであります。
  311. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それでは計算の根拠は、これでいいわけですね。さつき水田さんが御説明になつようなことにはつきりと私は了解しておきます。三浦さんの御説明は間違である。そうしませんと誤解を生ずるわけです、金利の補給の場合に……。ですから明らかにしておきます。それから二十五年度に遡つた根拠を、なぜ二十五年度まで遡るか。それからさつき第七次船と言われたのですが、貨物の方は第六次ですが、タンカーの方は七次と言われたのですが、前には八次というお話であつたのです。それが又七次になつています。そこが又おかしくなつている。それをはつきりして頂きたい。
  312. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 只今の御質問ですが、これは何次の造船から補給しようかという問題のときに、五次船まではまだ十分利子は払えるという程度には行まませんが、何とか利子は払える。六次船から船価が上つて、とても利子が払えないという実情に海運界がなつておりますので、線を引くときに六次船から利子補給しようということになりましたために、昭和二十五年、今おつしやるところへ遡つたというわけでありまして、実際どこまでが採算が取れているかということは、折角海運の振興策としてやる以上は、或る一定の理窟のついた振興策を取ろうということで協議した結果、六次船からやらなければいけない。それからタンカーのほうは七次の後期から見ないと、むしろ後期のほうが八次船よりは船価が高いというようなことが出ておりますので、八次からと最初いろいろ相談しましたが、それは矛盾であつて、やるならば七次の後期からやるのがいいというようなことで、その委員会審議のときにその辺に若干変更がございました。
  313. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと利子補給の計算が違つて来ると思うんです。最初は八次という計算で百六十七億が出て来ているはずだと思うんですよ。それがその後の計画によつて今度は七次に一つつたのです。そうしたら当然利子補給額は変つて来なければならないと思います。その点は私はどうも理解ができない。
  314. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) それは確かにおつしやる通りでこの予算額に立ててあるものはタンカーは八次船からということで予算の額をきめてありますが、又さつきと同じような問題で恐縮でございますが、この予算が通つてしまつたあと委員会において、七次の後期のこのものだけについて特にそれを入れましたので、これは不足になつております。従つてこれは先に行つて必要ある場合補正しなければならんだろうと考えます。
  315. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それから四十隻の買船です。買船に対する利子補給、これも最初は組まれていなかつたような話を聞きましたが、これはざつくばらんにお伺いしたいのですが、事実を明らかにして頂きたい。買船も加わるわけでしよう
  316. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 加わります。
  317. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと、それもまた不足になりますか。
  318. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 買船の場合は五分をたしか二分五厘に下げる。貸付けた外貨の利子を半分にするというふうに委員会できまつたと思いますが、この分も予算額から不足するという結果になつております。大体三派が協定するときは、一旦協定はできましたが、この問題は非常にほかの船にも、在来船にもいろいろ影響あることであるから、そこらを統一して考えて、法案審査のときに大体協定に則つた本当のとりきめをしようということになりまして、この間の委員会法案審議のときに今言つた七次の後期分と買船部分、この二つが最初の協定のときよりは変つて来た、こういう結果でございます。
  319. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これは非常に私は重大と思うのです。ですから私は最初からこの問題についてはいろいろ疑惑が起るといわれるのです。こういう大幅に十三億から百六十七億、開銀利子は七分五厘から一挙に三分五厘に、市中銀行は一割五分から五分に、こんな大幅に一挙に下げる。こういうことをすれば、誰でも猛烈に運動して、この船もあの船もということになつて来るのは当り前だと思うのです。そこで最初は第八次であつたのがいつの間にか七次になつた。買船もまた四十隻加わつて来ている。そういうところが我々はどうもわからん。それで百六十七億から除かれているということが非常に明かになつた。そうして又これは補正考えるということになつておりますので、その点は事態は明かになつたわけです。それでいいとか悪いとかは、これは議論になりますから……。  そこで次にお伺いいたしたいのは、海運政策上、利下げをやることがよるしいということになつて利下げをされたわけですが、利下げによる船会社の負担の軽減、これはどのくらいになると予想されておりますか。そうしてそれによつて海運政策上実質的にどういう効果があるかとお考えになつて、これだけの利下げをやられたのか、その点。
  320. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) これだけの利子補給をやつても、まだ計算もしてみますと、海運会社はまだ事実上利子が払えるだけの採算まで行つていない実情でございまして、やらないよりはやつたほうがいいことは間違いありませんが、これだけやつてもまだとても採算がとれて配当するというところまでは到底行きません。従つてこの効果はどういうことかと申しますと、船会社の造船を促進することになるのか、普通なら焦げついてしまう銀行の貸付金を……銀行を救済してやる策になるのか、なかなかむずかしい問題でございますので、今回はこういう利子補給の策をとつたにしましても、こういう形でいいか悪いか、或いはむしろ今後においては造船資金を出した場合に、銀行に政府が補償してやるとか、或いは払えない利子について政府が銀行に何らかの措置をとつてやるという政策をとつたほうが、むしろいいのではないかという議論が出て来るくらいでございまして、今回の措置程度では、この利子補給をしても、この金は海運会社を素通りして銀行に入つて行くというだけであつて、海運会社とのそういうスキャンダルとかなんとかいうことは全然私どもはないと考えております。と同時に、これは利子補給と申しますが、私どもは一時貸しておくのだという大体観念で、今度のこういう政策を行なつたのでございますが。と申しますのは、将来海運会社はよくなることがあります。大抵十年を一期にして非常に儲ける時期というものがあるのですから、そういうときにはこの金が全部返済されてしまうというつもりでやつておりますが、この金は補給のし放しではなくて、将来海運会社から又戻してもらうという考えでやつておりますので、金額はそういう形で少し殖えたにしても、くれ放しの増でないのだという点から、当面の海運政策としてこれくらいの踏ん切りはつけなければならん、こういう考えでやつた次第でございます。
  321. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私はこれは根本的に海運政策の誤りから来ていると思うのです。その点についてはあとで運輸大臣に伺いますが、先ほど昭和二十五年以後から六次船、七次船は非常に損しているというのですが、これは海運局でやはり調査して頂いて我々に提出された資料です。これを御覧になりますと、昭和二十五年以降の船、これはあの朝鮮動乱によつてですよ、厖大なる儲けをしているのです。これは海運局から我々に出された資料によつてもわかるのです。例えば三井船舶、昭和二十五年の利益は三億三千七百万、昭和二十六年は十六億七千万。山下汽船は二十五年二億六百万、二十六年は七億、飯野海運は二十五年が二億七千九百万が二十六年は十五億二千万、三菱海運は昭和二十五年五千万の利益が二十六年は一挙に七億四千万、二十七年では二億円の利益が出ております。日東商船は二十五年が五千六百万、二十六年が三億四千七百万、二十七年が二億、新日本汽船、これは恐らく山縣厚生大臣関係されている会社と承わつておりますが、二十五年八千万、二十六年一億四千四百万、二十七年一億郵船会社は二十五年一千三百五十万が二十六年は五億九千万、大阪商船は二十五年赤字三千五百万であつたのが、二十六年度二億四千六百万、こういう厖大な利益を得ていると思うのです。で、私は二十八年度以降の分について、これは補給金をやつたらいいかどうかについては疑問がありますが、一応やめておきます。併しながら二十五年まで遡るということはどうか。一カ年に十六億も十五億も儲けている大きい会社があるのです。厖大な儲けなんです。そういう部面にどうして今利子補給をしなければならないか、私はこの点が納得できない。この点私は明快に御答弁して頂きたい。そこから疑惑が起るのです。疑惑が起るのはそういうところなんです。
  322. 岡田修一

    政府委員岡田修一君) その間の事情を私から御説明させて頂きます。先生にお渡しいたしました各会社の収支状況は、お説の通りでございます。従いまして二十五年、二十六年或いは二十七年の上期まで相当利益を出しておりますが、その得ました利益はすべて償却に当て、又銀行への返還に当てているわけでございます。で、相当利益を上げているのも、一つは船会社としては増資による自己資本の充実という、こういう面からいたしましても、利益のある年にはその利益を或る程度配当して資本を増加する、こういう必要から来ているわけであります。船会社は、御承知通り、景気がよくなるのは非常に短い期間であります。従いまして、そのときに或る程度の利益を出して配当いたしませんと、増資というものが全然できない。先日お叱りを蒙りましたが、そういう御質問があるかと存じまして、船会社の増資状況を出したのでございますが、いずれも二十五年当時に比べまして、非常に大幅の増資をしております。当時郵船ではたしか四億くらいでしたが、今は三十八億くらい増資いたしております。まあそういうふうな状況であります。二十五、二十六、二十七年の上期における利益は償却に当て、又銀行への返済に専ら当てている、利益を出したのは増資のためであるということを御承知願いたいと思います。二十七年度下期を御覧願いますと、各社とも大幅の赤字を出しているのであります。タンカー会社を除きましては、貨物船会社は全部頼字である、郵船にいたしましても或いは三井船舶につきましても、償却を一切いたしませんで、なお二億八千、郵船あたりは一億程度の赤字を出しております。この期の利益を推定いたしますと、現状のままでは郵船、三井あたりが償却前の赤字が五億乃至七億くらい、かように推定いたしておりまして、金利は一切払えないという状況でございます。
  323. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは私は御説明が正しくないと思うのです。例えばこの前にも申上げましたが、山県厚生大臣のいわゆる新日本汽船は四割も配当したんですね。それから大同海運というのも四割配当しているんですよ。ですから全部そういう償却に当ててるというのではなく、相当の高率配当をしたのです。而も重役も相当の報酬を得、そうしておいてあとで損をしたからといつてこれを補給するということはいけないと思う。なぜそういう利益があつたら、それを新造船の積立金としてとつておかないか。今になつて儲けるときには儲けた、そうして損をしたからこれを補給するというのではいけない。而も今の見積りについても、これはあと質問いたしますが、やはり疑問がございますから、そんなに海運業が損をするのがわかつておるのに、それではなぜみんな非常な競争をしてこの割当融資を受けようとするか。もう大変な競争なんです。丁度住宅の籤のあれみたいな競争になつておる。そうして猛烈な運動をやるのであります。まあこの運動のことについては、あとで又具体的に法務大臣にも質問があるのです。そこで次にお伺いしたいのですが、これはやはり予算総則十条に帰りまして、この開発銀行の利息は、この計算によりますと、これは少ないと思いますが、海運局の計算では今年度八億一千七百万円ですね。これだけ減収になるんです。これは開発銀行の負担分です。補給分じやなく、利子補給じやなく……。開発銀行の負担分は二分五厘でありますから、これが八億一千七百万円負担しなければならない。ところが開発銀行、政府機関関係の我我に出された予算案を見ますと、収入が同じになつております。収入減は全然見積つてありません。百七十九億の収入なんです。ところが、今度の利下げによつて開発銀行は八億一千万円の収入減になるのです。収入減になるのに、どうしてこれは……、このほかに開発銀行は鉄鋼会社に対する利下げによつて収入減になるのです。約これは二、三億減になるのです。だから少くとも十億は開発銀行の収入は減るはずであります。ところが予算書には依然として同じなんです、政府原案と……。百七十九億五千余万円の収入になつております。これはどうして開発銀行のほうの収入見積りを変えないのか。  それからもう一つ昭和二十五年、六年当時は、見返資金から借りておるはずであります。従つて、見返資金収入の減少になるはずでありまして、やはり特別会計の見返資金勘定において何ら変化がないのです。見返資金勘定に全然修正がなされていないのはどういう意味であるか。見返資金の貸金であるはずでありますから、それがやはり減らなければならないのに全然予算措置がなされてない、その点。  それから更にもう一つ、この開発銀行のほうの償還は十五カ年だと思うのです。十五カ年償還だから、利子補給も十五カ年、それにもかかわらず、予算総則においては、これは市中銀行に対する利子補給の期間しか書いてないのであつて、開発銀行の場合は十五カ年であるから、やはりこれは予算総則は、但し開発銀行の場合においては十五カ年の利子補給であるということを書かなければならない。私はその点が予算総則にないのは、これは不備だと思うのです。この三つの点について伺いたい。
  324. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 私から便宜申上げますが、開発銀行の利子が減るではないか、これは理論上はそういう問題があると思われます。七分五厘から実質上三分五厘になるのでありますから、七分五厘と五分の分については開銀の利子収入が減る。五分と三分五厘の差の分については利子補給があります。併しこれは、この前木村さんにも申上げましたように、利子収入というものは見積りであつて、それ以上とつてはいけないというのではなくて、又減つた場合においてこれを又それだけとらなければならんというものではないので、まあ一応の見積りであるから、これを動かさないで、修正をしなくても、一応の見積りとしてそのままにしたらどうかということであつたと思うのであります。  それからもう一点の、開発銀行に対する分が予算総則に云々ということがございましたが、この分は今度の法律の改正案が議員提出として出ておるのでありますが、その中の附則において開発銀行分をお書きになるというふうに私としては承わつております。
  325. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 河野さんの御説明は、だと思うのですとか、そういう非常に何と言うか、あいまいな御答弁ですが、収入を見積るときの予算ですから、それがきつちり収入があると言えないのは誰でもわかつているのです。併し予算に計上する以上は、大体そのときに見込まれ得る収入というものを見込むのです。ところが、はつきりと約十億減ることは明らかです。これは製鉄会社の利子の引下げのほうと、それから造船利子の開発銀行負担分約八億一千七百万円余と、ですから約十億というものはあらかじめもうわかつているのです。それだのになぜそこをはつきりと見積りを変えないか。わからなければいたし方がありませんが、はつきりとわかつているのに、どうもこれを現わせないというのは、私はおかしいと思うのです。  それから、只今開発銀行の利子補給期限については法律の附則に書くと言う。なぜ予算総則にこれを書かないかです。それは法律に数字を書かれてもいいのですよ。けれども、予算総則に書かなくていいのですか。それでは予算総則十条を見ただけでは後世の人わかりませんよ。あの十条を見ただけでは、いわゆる利子補給期間が皆八年だと思う。ところが、あれは市中銀行分と開発銀行分とは違うのでありまして、あれは区別していかなければ不親切ですよ。不親切と言うか、ただそれだけで済むかどうか。私はこれでは財政上いろいろな疑義があるのではないですか。
  326. 河野一之

    政府委員(河野一之君) あの修正前の政府原案によりますと、法律は外航船の船舶の建造利子補給に関する法律ということになつてつたのでありますが、そうしてそれは金融機関に対しかくかく条件ということ法律つたわけであります。それが態様が変りまして、先ほど水田さんから御説明があつたような期限と申しますか、遡及するという点、それから開発銀行の分もあるのでありますが、法律の態様が相当変るわけであります。従いまして、この法律に基いての条件その他も変りましたので、この利子補給の当年度の予算そのものは予算として修正案に載つておるのでありまするが、この基の権限、つまり何年間で幾らやるというようなことは、その当時の予算修正した際にも確定的にきまつておらなかつたと、これは法律でそのことを規定ようというようなことになつておりましたので、予算総則の問題としなかつたわけでございます。
  327. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 しなかつたのではいけないので、やはりこれはしなければならないと思いますね。これは河野さんは一番そういうところはやかましいわけなんですから……。それから大蔵大臣行かれちやつたようですが、さつき水田さんのほうは、あとで足りない分は補正を組む、いわゆる買船四十隻、それからタンカーは八次船を七次船に繰上げた分は補正を組むと言われたのですが、政府のほうはどうなんですか。
  328. 河野一之

    政府委員(河野一之君) これはやはり法律予算とは一体とならねばならないのでございまして、一応予算で予定いたしておる、ところがその後において法律が変つてその予算不足を生じたというような場合においては、これに対して予算上適切な措置をとらねどならんだろうと思います。それは恐らく補正予算ということに相成るだろうと存じます。
  329. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 不足を単に生じたというのではないのですよ。あらかじめはつきりしておるのですから、予算を執行してあとに残る不足じやないのですから、この点はあと大蔵大臣機会があつたらお伺いしたいと思いますが、大蔵大臣にその点お伝え願います。あとでお伺いしたいと思うのです。それから先ほどこの利下げによつて船会社の負担軽減がどのくらいになるかということをお伺いしたのですが、これを計数でお願いします。……海運局長でしたらよろしうございます。一応私は資料頂いておりますから……、大体目安を、それでは……。
  330. 青木一男

    委員長青木一男君) 木村君時間が大分経過しましたから急いで下さい。今の点はいいじやないですか。
  331. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 委員長が私に質問を制限する権利ないじやないですか。いいじやないですか。
  332. 青木一男

    委員長青木一男君) 御存じのようですからね。(「重要な問題ですよ、これは」「説明しておいて下さい」「修正予算の中心ですからね。」と呼ぶ者あり)時間がゆつくりあるときならいいのですけれども、大分時間が過ぎておりますから、それで申上げるのです。(「委員長答弁」と呼ぶ者あり)答弁ありますか。(「答弁どうしたのですか」と呼ぶ者あり)
  333. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 船会社の負担がどのくらい軽減されるかということですが、私のほうはまだそう細かい計算はしてありませんが、大体年平均三十何億程度の負担軽減になる。それだけになつたら船会社の経理はどうなるかというのですが、私ども調べた範囲では、それでも償却はおろかまだ完全に利息を払う程度に行かないというのが現在の実情でありますので、これが将来よくなつてくれれば、先ほど申しましたように利息は返させるということで、補給を今して行くことがどうしても船会社の経理の実情から必要だろう、こういうことから主にごの処置をやつたので、細かい計算についてはまだこちらで検討してありません。
  334. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 非常な大ざつぱなことでも非常に違つているのです。(笑声)十億も違つている。十億以上も違つている。四十何億ですがね。そういう非常にラフなあれでありますが、大体これは海運局の御調査は、新造を含んでいない、これからも含んでいないということですから、それだけでも、この造船の利子軽減だけで二百七億の軽減になるのですね。一再七億の軽減でそのうち政府の利子補給が百六十七億、これはもつと多くなると思うのですが、開発銀行の利下負担分が六十一億こういうことになつている。これはこの金額からいつても、大きさからいつても非常に大きなものだと思うのです。重大な問題ですよ。二百七億も利子を軽減してやるのです。従つてこの軽減するについては相当私は、それこそ明朗性です。それが本当に正しくなされているかどうかということが十分解明されなくて、こんな大きな金額を利子を軽減するのですから、国会は十分明らかにしなければならん、こういうわけで私は質問しておるわけです。そこで時間がございませんから、次に、急ぎますが、この新造船の融資を、受けるときには、いわゆるエスチメートを出しておると思います。見積表というのですか、採算表です。それに基いて信用のある会社に対して更にそれが銀行が保証して、その上で政府が新造船に対する融資の特権を与えるということになつておると思う。この前石井運輸大臣が最近計算を見たところが非常に赤字であるということを言われておりましたが、今度の利子補給を二十五年にまで遡つてやるときに、その二十五年から最近までの融資を受けた会社の見積表と実際というものを御検討になつてみたか。如何にこれが甚しく食い違つておるかですね。いわゆる融資を与えるときの一番基本的な条件になるエスチメート、採算表というものが全く意味をなさなくなつて来る。実際とは全くかけ離れておる。そうして貸すときにはここにも資料を出して頂きましたが、非常に儲かるような採算になつて、見積表が出されておるのです。例えば六次船について見ましても、最初の見積は三千八百万円の利益があつた、そういう見積なんだ、実際には一億ある。二十六年当時は景気がよかつた。ところがそれが二十八年になると三千五百万円の赤字になるということになる。ところが最初見積を出したときには、昭和二十八年は八千二百八十六万八千円の利益になる。こういう見積書なんです。八千二百万円の利益になるという見積書に基いて融資を許可した。ところが実際には三千五百万円の赤字になる。こういうずれが来ておるのです。これが第七次船についても或いは八次船についても、資料は出して頂きました。そして又タンカーについても資料を出して頂きましたが……。
  335. 青木一男

    委員長青木一男君) 木村さん、時間がありませんから簡単にお願い申します。
  336. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 時間がございませんから、それではこれは省略いたします。そのように見積、いわゆるエスチメートと実際とが実にかけ離れております。これは私はエスチメートによつて、見積書によつて融資を与えたのですから、それによつてその後損失を生じて来た。それを政府は又その利子を補給しなければならん。こういう事態なつたことは、その見積書を基準にして許可を与えた重大な責任があると思う。船会社は二十八年において八千二百万円儲かるという見積書を出した。ところが実際は三千五百万円の赤字になる。当然こういうことは専門家であればわかるはずです。造船界は非常に変動が多いので、景気のいい時を基礎にして何カ年間の見積書を出して、そうしてそれに基いて融資を受けている。このようなやり方が一体正しいかどうか。私は運輸大臣にこの点お伺いしておきます。
  337. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) お答えします。おつしやる通りの数字が出ております。これは当時そういうふうな収入見積りであつたのが、その後の御承知ように相次いでの海運界の不況が、只今お話ように今日となりますると相当赤字を計上しなければならんというような状態になつたのでございます。主といたしまして海運界の不況と申しますか、これは、そういう見通しがつかなかつたのはけしからんと申されればその通りでありますが、この計画造船をいたします場合に、こういう計算もとつておりますが、一体そういう船をこの会社に許していいかどうかというような場合に、第一番に考えますのは、どういう航路にこの船を当てるか、それにはこれは適当なりや否やというようなこと等が非常に大きな理由になつております。そうしてそういうふうな船がどのくらい必要かということでありまして、この収支の問題を無視してやつたわけではございませんが、狙い場所が少し違つてつておるような実情でございます。それで収入の点においては只今ような、主といたしまして、殆んどほかの理由はないくらいでありますが、海運界の不況ということで、誠に遺憾でございます。
  338. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この造船業というものは非常に浮沈があるのですから、儲かつたときを基礎にして儲けたようなエスチメートで、そうして儲かるような恰好にして融資を受けることは、私は筋違いである。又銀行補償というのは、何のために銀行が補償するのですか。銀行にも責任がある。政府にも責任があるし、損失を生ずる場合には、その会社は当然株式会社である、自由経済であればその会社が整理され、重役はやめるべきです。その会社を整理しないでなぜ存続して、そうして政府の補償を受けているのか。
  339. 青木一男

    委員長青木一男君) 木村君、時間が大分経過しております。
  340. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この点これは非常に見込み違いをした、その責任です。その責任はどうしておとりになるか。
  341. 青木一男

    委員長青木一男君) 簡単に質問趣旨を述べて下さい。
  342. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 はい、簡単にします、これから……。見込み違いの責任です。
  343. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 政府考えておりまする問題は、日本の海運界が世界の海運界に伍して負けないような状態に一日も早く戻したいという狙いの下に今の海運政策を運んでおるのであります。見込み違いは誠に遺憾でありましたが、今後なお世界の情勢等を十分頭に入れながら、今度の造船等におきましてそういう間違いを来たさないような心持で努力をいたしますほかないと思います。
  344. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この船は政府が強制して造らせたものでありますか。
  345. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 強制ではございません。任意ということでございます。
  346. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 政府は強制ではない。そうしてその場合船会社は損をしないようにうまいことをこのエスチメートに書いて、そうしてこういう見込み違いをしておる、これは災害ではございません。天災ではないのであります。景気の見込み違い……今九州とか和歌山であんな大きな災害が起つておる、ああいうものに対して十分金を注ぎ込むことは政府ができないような状態にありますが、併し造船会社の見込み違いはこれは天災ではない、災害ではない、船が沈んだのではないのです。船はあるのです。景気の見込み違いによつて、こういうよう政府が損失補償をしなければならんということはない。而も政府が強制したのではないのです。強制して造らせたならば、損した場合にはこれは補償することも必要でありましよう。ところが船会社は非常な都合のよい見積書を書きながら、或いは競争して莫大な運動費を使つているのです。莫大な政党献金を行なつているのです。政府が補償をしなければならんような会社が政党に献金をしているのです。その金は国民の血税から政党に献金されておることになるのであつて……。
  347. 青木一男

    委員長青木一男君) 木村君にちよつと……。
  348. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 政府が補償しなければならんようなそういう会社が政党に献金している。そうして猛烈な運動をやつて、そうして……。
  349. 青木一男

    委員長青木一男君) 木村君。
  350. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうして取るのです、割当を……。そうして損をする……、
  351. 青木一男

    委員長青木一男君) 木村君、委員長の言うことを聞けませんか。あなたの時間は……。
  352. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 今発言中です。
  353. 青木一男

    委員長青木一男君) 発言中でも申上げます。簡単にお述べ下さらないと、時間が非常に経過しておりますから……。(「佳境に入つておるのですよ」と呼ぶ者あり)
  354. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それでは委員長の御注意がございましたので、簡潔に質問します。  そこでこの間もお話しましたが、この割当以外でも又或いは交際費なんかを非常に濫費しているのです。だから私は会計検査院長を特にお呼びして、たびたび非常に御足労を煩わしたのですが、この点についてこういう非常な利権運動をやつて政府から割当を取るのです。そうしてその取るには大変な利権運動なんです。それから景気のいいときにも、さつき申上げましたが十五億も十六億も儲ける会社がある。そうして今度は不景気になつた、それを政府が補償する、そういう場合に会社経理ですね、政府の融資を受けるのでありますから、これは相当私は厳重に検査されなければならんと思う。それは開発銀行が、或いは又五次六次七次造船はこれは見返りですから、大蔵省がこれは検査していなければならんはずです。そういう場合会計検査院が大蔵省なり開発銀行に対してそこまで監督しておるわけです。そういう船会社が大変な濫費をしておることに対して、これは十分経理監査をしなければならん、それで私は交際費がどのくらいあるか要求したのですが、どのくらい各社が交際費を使つておるか。併しそれはすぐにわからんというので、これは私はあとでもよろしいから出して頂きたいと要求しておつたんです。今日昭和二十五年度の決算はあそこで報告されたわけです。それに対して緒方副総理は千何百件、二十五年度に不当支出があつた従つて決算は、これは十分に予算というものは執行しなければならん、予算の事前的な監査、こういうことが必要であるということをお述べになつた。我々は決算になつては遅いのです。従つて十分この予算審議段階においてこういうことを明確にやはりする義務があると思う。そうしなければ決算のときはもう時期が遅い、この点会計検査院長にお伺いいたしたいのです。どういうような会計検査院としては政府の融資を割当てて行くとき、そのときのそれが浪費されないようにするための検査はどういうふうにやられるか、この点お伺いしておきます。
  355. 佐藤基

    会計検査院長佐藤基君) 融資の割当を得るために裏面にどういうふうな運動があるかということは、直接私のほうの検査の範囲に入つて来ないので、参考としてそういうことは噂等は聞くにしても、どこまでも我々のほうは融資をしたその融資がいいか悪いか、例えば融資が関係者の故意又は重大な過失でそれによつて国に非常に損害を与えたというような問題になつて、初めて私どものほうの問題になつて来るので、その段階に達しない前のことは、私どものほうは今お話の融資する段階従つて直接関係はありません。  なおこのたびの予算なり法律通りますというと、今までの開銀から融資したのと違つて利子補給とか損失補償という問題が伴うので、今度は融資を受ける会社についても検査法の二十三条によつて検査する権限がありますので、必要によつてやりたいと思います。
  356. 青木一男

    委員長青木一男君) ちよつと木村君の発言の前に申上げます。あなたの発言は今後三分間に要約して下さい。
  357. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これは併し、そういうやり方は……。
  358. 青木一男

    委員長青木一男君) 併し私は先般委員長理事の……
  359. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それでは会計検査院長、今後そういう会計検査をやる場合に、あなたのほうから予算委員会にも意見書を出されております行政費ですね、そうしてああいう旅費を削られて、そうしてできますか。
  360. 佐藤基

    会計検査院長佐藤基君) 検査旅費が削られることになつたことは、私どもとして非常に遺憾でありますけれども、これは一般の国費の行政費の削減ということで或る程度止むを得ないと思います。それでまあ欲を言えば、もう少し削減されるにしても余裕を残してもらいたかつたのでありますが、仮にあのままで予算通りますれば、予算が削減されたからとして、その予算に予定しただけの検査をやらないというのでは能がない。如何にして今までの検査を更に重点的に更に有効にするかということを実は今事務当局で研究させております。従つて若干の検査能力の落ちるということは或いは避けられないかとも思いますけれども、できるだけ予算を削られても、なお且つやりたいと思つております。
  361. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 犬養法務大臣にお伺いいたします。この今度の造船融資の対象になる六次船或いは七次船というものは、前に見返資金から融資を受けておりまして、そうしてこれはやはり問掛には司令部の監督下にあつたわけです。見返資金の関係で……。そこで割当を受けるのに、さつき申しましたように非常な利権運動的なことが目に余るようになつて、司令部から警告が発せられて、警視庁二課でこれは捜査したと言われておる。そういう事実があるかどうかということ。それが一つと、それからそういうことが非常にあとでもちよつと簡単に申上げますが、問題になつて来るので、法務省としてはその間の事情について、今後これをお調べになるかどうか。こういうことをお調べになるかということと、それから第三は、当時の運輸次官は秋山龍という方です。それで警視庁第二課でこれを捜査をいたしたと言われましたが、その捜査が拡大すると大変だというので、当時の運輸次官の秋山氏とそれから改進党の一松定吉氏の女婿のかたで今の運輸省の官房長の壷井玄剛氏が、お父さんの法曹界に非常に勢力のある一松氏を通じて、そうしてその操み消し運動を行なつたとこういうことが言われておる。そこで警視庁二課の捜査というものが、表面に余り出なかつたのではないか、こういうことが言われている。私はこういうことが事実でないことを望みます。併しながら今度の大幅のこの利子の引下に関連して、業界では、いわゆる船主とかそういう業界では、この噂が非常に飛んでいるのであります。従つてこの間の事情を私は明快にして頂きたいということ、更に……時間がございませんから質問だけ私は申上げますが、私調べましたところ、融資を受けている大造船会社、大体四十億以上の融資残高のある会社、その会社が大体において政党に多く献金をしております。飯野海運は六十六億の融資残高、郵船は七十八億の融資残高大阪商船は六十一億、三井船舶四十八億、三菱海運四十七億、山下汽船四十三億、川崎汽船四十一億、日産汽船四十一億、又小笠原大蔵大臣関係しておられる船会社も融資を受けているのであります。そうしてこういう融資を受けているこういう融資残高の多い会社が、この選挙管理委員会から出されましたこれの政党献金と照り合して見ますと、全くこれは一致しておるのです、この会社が……。そういう点は非常に疑惑を持たれると思うのです。そこにスキャンダルがなけれいいのでありますけれども、こういう重大な問題については、是非ともこの法務総裁としてはこれを単に政略的でなく、或いは政治的ではなく、断乎として若しそういう不正がありました場合には、これを処理して頂きたいというそういう立場から御質問申上げているわけです。それで私もこれで質問いたしませんから、質問だけ先へさして頂きます。  最後に運輸大臣にお伺いしたいのです。私はこういう問題が起つて来た根本の原因は、いわゆる海運政策に根本的な誤りがあると思う。その誤りはどこにあるかというと、いわゆる造船計画ですね、この造船計画が聞違つている。じやどういう点が間違つているか。最初日本の造船設備はボーレー使節が来て日本の造船施設、これを全部撤去しようとした。そのときにこれはこれは随分心配したわけです。その後ストライク・ミッシヨンが来たり何かして大体においてこれは撤去されないで済んだわけです。それで非常に設備が過剰しております。六十何万トンと言われているのです。実はこれを全部フルに動かしてどんどんやつて行くと、経済審議庁で立ている昭和三十二年のこの貿易計画は狂いが生じて来ると思うのです。いわゆる造船計画と貿易の輸送計画との間にずれがあつて、そうして調査したところによると、今の造船計画で行けば、当然造船は過剰になつてしまう。経済審議庁の三十二年度見通し作業によるこの貿易のヴオリュームから言えば、外国船が五〇%、日本船五〇%、半々で運ぶとしまして、そうして計算すると、今の計画で行けば、造船が過剰になつてしまうのです。ですから日本の業者が同じ航路でうんと少い荷物を取り合うということになる。日本の業者自身の無謀な競争ということもあるのですが、それよりも更に根本に遡つては、その造船計画自体が日本の今後の貿易の輸送量とマッチしていない。ですからどんどん造船はできる、併し輸送量は少い、こういう重大な私は総合的な計画一つ欠陥があると思う。そういうところから直して行かなければならん。私は最近八馬という汽船会社の、これは見積書を見せてもらいました今後の見積によれば欠損なんです。欠損を基にして、その見積でこの今の融資を与える。こんな馬鹿な融資の仕方はないと思うのです。ですから海運界が不況になるのはそういうところにある。不況になるにもかかわらずどんどん競争してこの融資を受けるには、何かそこに利権的なものがあるからそういうことになつて来るのであつて、私はこの点根本的に考え直さなければならんと思います。それから船価が高過ぎます、船価が。……三菱造船でも三井造船でも外国の船を最近注文したが……、
  362. 青木一男

    委員長青木一男君) 木村君に御注意申し上げますが、質問の要点を述べるようにして下さい。
  363. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは今の標準見積が非常に安いのです、外国のは……。大体百九十六ドルくらいで日本の船を造る、外国の船を百五十ドル程度で造つておるのです。非常に四十ドルぐらいも高く造つておるのです。ですから造船協会は政党に非常に献金しておるのです。造船価格も高いのです。
  364. 青木一男

    委員長青木一男君) 木村君質問の要点を述べて下さい。
  365. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 こういう点にも私はスキャンダルがあるのではないと思う。そこで日本の造船界が不況になつている根本の問題を直さないで、単に利子を補給しただけでは私は直らないと思う。而も更に今後損失したら又利子を補給しなければならん。私はこの見通しの誤つたそういう会社は、ここで整理する、根本的に整理する、そうして徹底的に整理して、新らしい会社を作つて、そこに私は補償するならば、国民は割り切れると思う。いわゆるオウナーというのは、船主というのは、船を運行していない。ただ政府から割当を受ける特権を持つておる。これは寄生虫と同じであります。こういう存在は私はなくすべきだと思います。こういう点を私は質問いたすのであります。
  366. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 関連して……。
  367. 青木一男

    委員長青木一男君) 答弁がありますから……。
  368. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 答弁の前に。一緒に一括して頂きますから…。
  369. 青木一男

    委員長青木一男君) 簡単ならよろしうございます。
  370. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 木村氏と実は私もオペレーターを招聘しまして、つぶさにこの問題を承りまして愕然としたわけであります。そこで私はこれだけの予算が組まれたならば、過去の政党の献金の実態からして、およそどれたけの献金があるであろうということを類推いたしたわけである。我が党の政調部を大動員いたしまして、過去の政治献金から類推いたしまして、私は莫大な献金があり得るプロバビテリイがあるということを計算したわけである。それは昭和二十七年度の十月選挙に献金された、その内訳は省きますが、補助金なり開発銀行なりから融資されているもので、或いは補助金を受けたもので一つも献金していないものがないわけであります。これはもうただ一つの例外も許さない重大な問題であります。例えば昭和二十七年度に開発銀行から富士製鉄以下二十二社に融資されましたのが四百三十三億であります。この融資を受けた会社が各政党に献金いたしましたものが一億九百二十五万円であります。即ち開発銀行の融資総額三百九十八億に大体一億の献金をしているという計算になつております。更に昭和二十八年度には冨士製鉄以下二十七社に対して五百十七億の融資がなされまして、一億一千六百万余の献金がなされて、四百四十五億の融資に対して大体一億の献金ということになるわけであります。それを全部拾つて見ますると冨士製鉄が二十一億九千万円の融資を受けまして五百万円の献金を自由党さんにいたしております。日本鋼管が十六億二千万円の融資を受けて三百万というふうに献金をしておる。例えば医師会等も保険金の単価を上げてもらつて直ちに三百万円の献金をするというように、融資と補助金に一つの例外もないということであります。若し皆さん過去から類推することが統計学から許されるといたしますならば、これは開発銀行の融資です。返還を要するものなんです。それに対してすら大体一億ぐらいの、四百億に一億という献金になつている。而も木村君……。
  371. 青木一男

    委員長青木一男君) 関連だから簡単に……。
  372. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 簡単です。木村君の言われたように二百七億の利子が軽減されるのです。これはもらい得なんです。それからいたしますならば、どれだけ少くたつて一億の献金がプロバビリテイから弾き出されるわけであります。これは非常に重大な問題であります。業界におきましてもオペレーターでも良心的な諸君は非常に多くの異論を唱えて、我々のようなものにそのようなことがないように。本当に造船界が振興されるようにということを言つているわけでありますが、今はそういう献金がないにしても将来政治資金規正法に合法的な形で若しあるといたしますならば、そのようなことを辞退される用意があるかどうかということは、この際十分聞いておかなくてはいけないと思うわけであります。我々といたしましては、この修正案の中核というものは百六十七億の造船融資こそ中核であつて若干の社会保障費等はそれをオブラートするところの修案であるということを言つても、あながち問題とならないと思うわけでありますので、将来必ず政治献金はあつても拒絶するという御用意があるかということだけを、三党の代表に全国民の名において私は承わつておきたいと思うわけであります。それは昭和二十七年、二十八年の開銀の融資にしても。補助金にしてもただ一つの例外もないわけであります。我が党は昭和二十八年の予算を全部ひつくり返しましてそれを繋ぎまして、政治献金と全部繋がつておるということを思いまして、まさに我が日本の政党は財閥の扶養家族だということを言い得ると思うわけでありますが、政界の粛清のためにも、この点は是非国民の疑惑の前に予算審議が行われておるわけでありますから、選挙等のときにも是非一つこれは献金を辞退して頂いて、そうしてこの造船界の建直しが一日も早くなるように要望いたしたいと思うわけでありますが、これに対する三党の代表のかたの心境をお伺いいたしまして、次の選挙に備えておきたいと思うわけであります。
  373. 犬養健

    国務大臣犬養健君) 木村委員にお答えいたします。この前問題が出て御質問がありましたときに、私は法務委員会に出ておりまして大変失礼いたしました。事重大でありますから、事務当局を通じて捜査機関などにもたびたびだめを押して聞かしたのでありますが、お尋ねの総司令部の警告についてはどうも検察庁、法務省そういうことを聞いていない、こういうことでございます。なお何かお話がありましたら、又私のほうでお調べ申上げたいと思います。それから当時捜査機関に対して揉み消しがあつたかどうか、検察庁に関する限りそういうことを聞いておらない。それからほかの捜査機関にも君のほうにそういうことがあつたかどうかということを聞いたのでありますが、揉み消し運動等のことはない、こういう返答でありますから、何か又確実なお話でもありますれば、更に調べさせます。今知つておる範囲ではそういうことはないという返事でありますので、念のため書き物にしてもらいましてここで読み上げた次第であります。
  374. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 今後の問題……。
  375. 犬養健

    国務大臣犬養健君) 今後私はこういう問題については十分取締つて行こうと思つております。その点ははつきり申上げておきます。
  376. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 今後の造船計画の問題いろいろ承わりました。貿易の計画と造船の計画と少し食い違うように思えるということであります。私どもはさつきお話の外国貿易の五〇%を日本の船で運ぶというのは一応のめどであると思いますが、まあ私ども運輸省関係の者といたしましては、戦前の程度まで、せめて七〇%くらいまでの輸送力を持つようにしたいという、まあ先の希望を持つております。今の問題といたしましてはすぐにそういうこともできないのでありますが、私どもはまあ外貨獲得という一つの面、それから日本とほかの国との間の貿易ということでなしに、第三国との間の輸送関係にもだんだん入つて行けるように思うのであります。そういうふうなことに対する準備もできるだけいたしたい、こういうふうに思つております。併し令の造船計画、私どもの持つておりますのは、運輸省だけでこういうことを言つておりますが、運輸省の四カ年造船計画というものが果して実際に副うかどうかということは、それを一遍きめたからと言つて、それをいつまでも押立てて行くものではない。世界の情勢に応じてどうして行くかということはその都度検討し、改善して行くべきものは改善して行きたいと思つております。
  377. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 今お答えになつていない点が二つある。一つは損失した会社は整理すべきだ。やめるべきだ。新らしい会社を作つてそこにすつきりした形で補助をするならすべきだ。こういうことと、それから単なるオーナーの存在、いわゆる船主です、そういうものは必要じやないのじやないか、日本においては。
  378. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 今の海運業者が非常に苦しいという状態は……自分たちの都合のいいときは儲けを配当し、その他に使つておきながら、こういういうときに国家の補助を求めておる、こういうふうな勝手なことではいけない、先ず自分自身苦しめというのは趣旨としてわかることであります。苦しいときに何でもかんでも政府のほうから助けを出すたけが能ではないのでありますが、さてそれでは今どういうふうに出すかという問題になりまして、個々の会社を考えますと、殆んどさつきから説明がいろいろ出ておりましたように、殆んどすべての会社がこのままであつたならば整理しなければならんような状態に陥つておるのじやないかと思います。今すぐか或いは来年になるかという問題等はありましようが、今の状態では日本の海運界はここに非常な暗い面だけ現われてきて、世界の海運界にこれから伸びて行こうというのに、大きな打撃を受けてしまうと思うのであります。そういうことを考えまして、私ども日本の海運の発展ということを、さつきから申したよう意味考えますると、何とかして、これらの人を救うというよりは、果して今の日本の情勢が、世界の競争場に立つて、海運界が立てる状態に置かれておるかどうかということを考えますと、金利の一面だけ見ましても、先進国の三分五厘の状態から来ると、こちらは今までの造船をやりましても、七分五厘の状態であり、金利の面それだけでは済まないけれどもこれが一番大きな働きをする部面である、これを先ず、世界並みにまで持つて来て、それからそれだけでなく、又彼ら自身のいろいろ自主的にやるという問題、造船の面におきましては、世界の造船界から比べますると、鋼材が高いとか、いろいろなものが利子の面でいろいろ操作されるようでありますが、そういうふうなこと等によりまして、幾らか下げる、更に彼らの自主的な経営合理化によつて下げ、更に又もう一つは船そのものの規格を、いろいろ節約できるものは節約さして、少なくも一割ぐらい船の値段を下げて、世界の競争界に出すというようなことを、いろんなことを私どもは前段としてやつて見るべきものではないか。狙いは今度のものは救済というより日本の海運をどうするかという見方における考え方であると私は思います。  それからもう一つのオウナーの問題でありまするが、オウナーはただ持つてつて、オペレーターのほうに貸して、そして立つておるということはつまらんことだということでありますが、私は日本のほかの世界のいろいろの国々の情勢を詳しくは存じませんが、日本のオウナーというものは、船を持ちまして、そして、それの或る点の船員とか、その他のものをいろいろ扱つております関係は、直接オペレーターが全部持つよりも、オウナーが持つて、オウナーから借りたほうが、経営上は非常に都合がいい状態だ。これは日本の特殊な情勢かも知れませんが、そういう状態に今日あるということを聞いておるのであります。一応は御所見のように、私どもオペレーターだけの問題にして、オウナーに造船させんでもいいのじやないかということも考えて見たのでありますが、そういうふうな事情で、今度なお私はオウナーにも造船のチャンスを与えたいとそう思つております。
  379. 小澤佐重喜

    衆議院議員小澤佐重喜君) 一体三党代表というお話でありますが、むしろお互に政党生活をしておる者として、私は考えを申上げたいと思うのであります。言うまでもなく、この政党の政治活動をするに当つて、この政党自体以外の者から資金を仰ぐという行き方は、私は反対であります。できるだけそういうことがないほうが結構だと思います。従つてその資金を仰ぐほうが、仮に企業家であろうと、労働組合であろうと、これは避くべきであると思うのであります。いやしくも政治に関係する団体から受ける理由はないと考えております。で私どもは将来どうかと言いますと、只今申上げましたように、或るものに関連して、これが原因でこういう献金を受けた、これは避くべきであると思うのでありますが、真の浄財であれば、或いは過渡的に止むを得ないのではないかと思います。併し将来もうそういうものは、むしろその大部分というものは、政府が負担したほうがいいと思います。    〔木村禧八郎君発言の許可を求む〕
  380. 青木一男

    委員長青木一男君) 湯山君。    〔木村禧八郎君「答弁がないじやないか」と述ぶ〕
  381. 青木一男

    委員長青木一男君) 湯山君に発言を許しました。
  382. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 答弁が残つているじやないか、残つているやつをやらして下さい。(「残つている答弁だけやれ」「大蔵大臣聞いてなかつたのだから、もう一回聞かせてやつたらどうか」と呼ぶ者あり)……じや簡単に言いますから……。
  383. 青木一男

    委員長青木一男君) もう湯山君に発言を許したから……。
  384. 湯山勇

    ○湯山勇君 答弁が残つておるというのですから、それだけやらして頂きたいと思います。(「答弁を拒否する法はないじやないか。」と呼ぶ者あり)
  385. 青木一男

    委員長青木一男君) じや木村君、簡単に、時間を費やさないように、時間を限つて……。
  386. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 委員長は今許さないと言うたじやないですか。
  387. 青木一男

    委員長青木一男君) 許します。簡単に要点を……。
  388. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 あなたがそういうわからんことを言うからですよ。……さつきは、造船融資というのは、前は見返資金から借して出ておつたのであつて、あの当時は、第六次船、第七次船は、これはもう小笠原さんは造船関係ですからよく御存じですから、その当時は大蔵省が監督しているはずであつたのです。厳重にですね。それからその当時の責任は大蔵省にあつたわけでしよう。まだ開銀に移る前の監督の責任は、いわゆる経理や何かの責任は大蔵省にあつた。だからそういう時代に非常にこの会社の交際費とか、何とか濫費して……、そういう経費について、大蔵省でやはり監督したかどうかということなんですよ。その点大蔵省にあつたと思うのですよ。その点でさつき質問したわけですよ。それからもう一つは、それが見返資金勘定に何ら変化がないというのはどうしたのかというのですよ。見返資金関係に、今度の予算によつてこの見返資金にこれが変化がなきやならんはずです。それが全然出ていないのですよ。
  389. 小笠原三九郎

    国務大臣(小笠原三九郎君) 当時は開発銀行から出ておつて、私は開発銀行に対する監督は大蔵大臣がすべきものだと思います。(木村禧八郎君「まだ開発銀行はできていないよ。」と述ぶ)私はその内容等については、経理の内容を監督すべきものにあつたかどうかは、あとで事務当局から御返答いたさせます。なお見返資金の問題でありますが、たしか据置が三カ年くらいあつたと思います。従つてこの据置期間中のことだから、そう変動はなかつた思つておりますが、併しこれは私はそう今感じておるので、細かいことは又事務当局から返答させることにいたします。
  390. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 事務当局から……。(「委員長、答弁が残つているのですよ。はつきり聞いて下さい。」と呼ぶ者あり)
  391. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 当然、貸付について、見返資金からやつてつた時代はあるのでございますが、これにつきましては、融資につきまして勿論大蔵省でこれは状況を見て貸しておつたわけであります。事務は日本銀行でやつてつたので、勿論或る程度の監査はいたしておりましたが、法的に直接にこれを交際費をどうのとおつしやるような監査につきましての法的な権限というものはなかつたわけでございます。見返資金につきましても、これは先ほど申上げましたように、歳入というものは一応の見積りでありまして、そういつた関係収入の減少を立てることはいたさなかつたのでございます。
  392. 湯山勇

    ○湯山勇君 私は先ほど今回の考えられている三本建を実施するに当つて、すでに改革については級別推定表実施めときに考慮なされている。それとの関連をどうお考えになるかということを御質問いたしまして、それについての御答弁が残つているわけであります。なお私は審議をこういう事態に落さないために、あとお聞きしたい事柄を申上げておきますから、それについては今までのようなことのないように、一つつて頂きたいと思うのです。その一つは、残る二億円は何に使うか、この問題が一つあると思うのです。それから次に三億六千万の配分に当りまして、現在平衡交付金の対象になつていない点、これは一体どうなるか。更に又そういう府県のみならず寸全体に実施するとすれば、現在地方公務員の給与については、県の条例によることとなつておりますが、これとの関連はどうなるか、更に若しこれをやつてつた場合には、現在の教員養成制度に根本的な問題が起つて来ると思うのです。それについてどのようになされるおつもりですか。更に又それによつて現在の教員組織、そういうものにも大きい影響を持つておると思います。それについてはどのような措置をとられるか。こういう一連のことをお聞きしたいと思いますが、それらについての御用意をお願い申上げ、再度の質問にお答え願いたいと思います。
  393. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 今湯山委員から二億円というお話がありましたが……。
  394. 湯山勇

    ○湯山勇君 途中ですけれども、お聞きしたいのは二億円はあとでお聞きするということにして、最初は級別推定で、今度のとの関連をお聞きしておるわけで、その答え如何によつて今のことをお聞きするというわけです。
  395. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 只今の問題に技術的にお答え申上げたいと思います。大学の俸給表が、三派合同で出されております教員別表によりますと、一般職の俸給表よりも一号づつ高いことになつておるのでありますが、現在大学の教員等には、調整号俸というものがついております。この調整号俸というものは、本俸のなかに入つておるのでありますから、附則の五項によりまして切替えまする際の号俸というものは、これは一般職の給与法、並びに人事院規則細則によりまして、定めてあるものということになりまするので、これは調整号俸まで含んだものを言うことになる、このよう考えておるのであります。従いまして、その号俸というものは、附則第二項の直近上位に切替えられる職員は別でありますが、それ以外の職員については、実質的に上るということにはならないのではないか、このように技術的には考えております。
  396. 湯山勇

    ○湯山勇君 今ので一応説明はお聞きしたわけですが、これは非常にたくさんの矛盾を含んでおるわけです。その矛盾点は一体人事院の御見解をお聞したわけですけれども、その点の解明はどこからして頂けるのでしようか。
  397. 小澤佐重喜

    衆議院議員小澤佐重喜君) 抽象的な御質問ですが、具体的にお話になりますれば、適当な者が答えることにいたします。
  398. 湯山勇

    ○湯山勇君 具体的なものについて小澤さんからお答え頂けますか。
  399. 小澤佐重喜

    衆議院議員小澤佐重喜君) 私でできないことは人事院がやりまして、私でできることは私がやります。
  400. 湯山勇

    ○湯山勇君 それではお尋ねいたしますが、現在調整号俸によつて差がついておるとおつしやいましたけれども、今回これを実施しまして、只今のを実施して、必ずしも人事院の御答弁になつように、すべての人がそれを認められて一号ずつ活き辛くるということにはならないで、大学の中にも上らない人ができると思いますが、これはどうですか、なおこれは人事院では答弁できないと思うのですが、責任ある政府或いは提案者の御答弁をお願いいたします。
  401. 赤城宗徳

    衆議院議員(赤城宗徳君) 只今のお尋ねは、今度の衆議院を通過した改正案についてのお尋ねと思いますが、ものによりまするというと、大学におきましては四級、現在の級で言えば七級、四級から十級まで一号ずつ上ることになるわけであります。それ以外は上らない。こういうことになつております。
  402. 湯山勇

    ○湯山勇君 その理由を聞いているわけです。
  403. 赤城宗徳

    衆議院議員(赤城宗徳君) 湯山さんが御指摘ような級別改訂をいたしました際に、大学は特別に取扱いまして、大学に一つの表を設け格付をし、高等学校以下中小学校に一つの格付をしましたので、いわゆる二本建ということになつてつたのでありますが、今回の改正では一般の俸給表から、教育職員を特別俸給表に移しまして、その特別俸給表を三つに分けたのは御承知通りであります。その理由はおのおのの学校に、例えば大学及び高等学校及び中小学校に職域の差を認めたその結果、俸給表におきましても差等を認めた、こういうことになつておるわけでございます。
  404. 湯山勇

    ○湯山勇君 それではこの問題はどうもむずかしいようですから、もつとわかりやすい質問をいたします。自治庁長官にお尋ねしますが、高等学校は全員上りますか。自治庁長官にお尋ねしたいのです、予算説明の関係がありますから……。
  405. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 先ほど一億五千万の内訳はどうかということでありましたが、あのときは資料を持ちませんので御答弁できなかつたのですが、只今の御質問に関連して丁度資料がありますから……公立高校の分は現在員八万三千人、七級から十二級に属する職員が大体八〇%ということで、該当人員六万六千四百人一人当り一号単価六百円ということで、先ほど申上げた数字が出て来るわけで従つて全部ということではないのであります。
  406. 湯山勇

    ○湯山勇君 そこで提案者にお尋ねいたします。職域差を認めたといいながら、職域差ならば全部が統一をしなくちやならない、然るに職域差と言いながら実際にはそういうふうになつていないのです。この矛盾は一体どういうふうにお考えになりますか。
  407. 赤城宗徳

    衆議院議員(赤城宗徳君) 職域差を認めましても、仮に高校学校へ就職する、或いは中等学校へ就職する場合に、同一学校を出た場合、同一学歴、新制大学を出た場合、こういう場合の初任給等におきましては、これは差等をつけないのが適当である。入つて行きまして適当な時期に担当が違つて来る、こういう考えを持ちましたので途中から、即ち法案で言いますれば四級から一号俸上る、その理由にもいろいろありまするけれども、出ましてから学校の免許証なんかが違つておりますので、中等学校においては、新制大学を出ましても二級免許証しか得られない、高等学校としては、二級免許証を取るまでには三年経過して十五単位取る、こういうようなことになつておりますので、そういう時期を見る、その他のいろいろなことも勘案しましたが、それで四級から九級まで差をつけて全般的に差をつけるという考え方でなくしたわけでございます。
  408. 湯山勇

    ○湯山勇君 それでは職域差というのは、中学校、小学校、高等学校という、その勤務の場所が職域ではなく、高等学校なら高等学校という中で、勤務年数の途中に職域の差というものがあるわけなんですか、そういうふうに考えていいんでございますか。
  409. 赤城宗徳

    衆議院議員(赤城宗徳君) 全体として職域差を考えておるわけでありまするが、それを全体として一号上げるということよりも、途中で一号上げたほうが適当であると、こういうことに考えております。なお職域差の根拠といたしましては、教育職員法等によりましても小学校は初等教育を教育し、中等学校は御承知通り中等普通教育、高等学校等におきましては高等普通教育そのほかになお専門教育を施すと、こういうことになつておりますので、そういう点から専門教育を特に普通の教育以上に教授をせなければならんというよう関係からそこに差を設けたようなわけでございます。
  410. 青木一男

    委員長青木一男君) 成るべく簡単に願います。
  411. 湯山勇

    ○湯山勇君 今まで簡単にお聞きしておるはずです。
  412. 青木一男

    委員長青木一男君) と申しますのは、あなたの特別な質問のために相当もう時間の経過を認めておりますから……。
  413. 湯山勇

    ○湯山勇君 ですから簡単にお尋ねを申上げます。今高等学校と中学校と、そんなふうに極めて常識的に区別をなさいましたけれども、小学校と高等学校とは義務教育であるないという区別はあるといたしましても、教科の専門的なものとか、そういうものについてはそんなに区別はないのです。その例を挙げてみますと、例えば文部省におきまして初中局というのがありますけれども、初等学校、つまり小学校は初等教育課で管轄している。併し中等教育課は中学、高等学校を一緒にやつているのです。それから又ワークシヨツプと申しまして、教科をどのようにやつて行くかという教科々々の研究等におきましては、小学校は小学校だけで別です。併し常にそのワークシヨップにおいては中等教育部という名の下に、中学校と高等学校を一緒にやつておるのです。これは現在考えている実態であつて、なおその理想には遠いものがありますけれども、そういう方向へ持つて行こうというのが今回の教育改正の狙いなのであつて、そういう立場から申しましても、教育養成機関もやはりそういう建前になつて、自分がどれを選ぼうかということによつてのみきまるのであつて、研修の年数は変りがないのであります。そうすれば今おつしやつたことは非常に矛盾が多いと思うのですが、如何でしようか。
  414. 赤城宗徳

    衆議院議員(赤城宗徳君) 機構の点がお話通りであるというようなこととは離れまして、三つの間に職域の差を認めるのが適当であると、こういう方向からこの法案が出たわけでございます。責任とか、或いは困難性とか、複雑性とか、いろいろそういう点で議論をいたしますると、非常にお説の通りこの区別というものはむずかしい、こういうふうに考えられまするけれども、先ほど申述べたような事柄、或いは又高等学校のほうにおきましてはそれだけ高等学校を教えるのに余計な能力を必要とする、或いは又免許法の関係、こういういろいろ関係から、俸給表を三つにいたして職域差を幾分織込んで行く、このほうが現実に適当しておる、こういう考え方から法案が出ておるわけでございます。
  415. 青木一男

    委員長青木一男君) 湯山君如何でしよう、この問題を……。
  416. 湯山勇

    ○湯山勇君 この問題はもう少しはつきりして下さい。
  417. 青木一男

    委員長青木一男君) 時間のある間は決して発言をとめませんが、現に時間を超過したのですが、或いは質問者の御満足する答弁がないかも知れませんが、(「全然答弁ないよ」と呼ぶ者あり)その点はこれは時間をきめてある以上は、もう私は無限に質問を許すわけには参りません。(「併し重要な問題じやありませんか」と呼ぶ者あり)重要なる問題は…(「答弁がはつきりするということを前提にして時間もとつてあるのです」と呼ぶ者あり)いや私はそういうことは同意いたしておりません。質問者の満足するまでいつまでも質問するということには同意いたしておりません。(「その通り」と呼ぶ者あり)
  418. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 答弁者があいまいな答弁をしていても、それでもいいと言うのですか。(「あいまいに非ず」と呼ぶ者あり)
  419. 青木一男

    委員長青木一男君) 湯山君もう一つ質問してそれでこの問題はやめるようにして下さい。
  420. 湯山勇

    ○湯山勇君 委員長にお願いしたいのです。これは多少審議が延びましても委員長の責任ではないと思うのです。やはり答弁する側の責任でありまして、委員長としてはやはり審議を十分尽すようにお骨折り頂くのが委員長の役目だと思いますので、委員長がお聞きになられましてこれならいいと御判断になつて、それでやめてくれとおつしやるなら私はいつでもやめます。併しせめてそのその質疑の御答弁が得られるまでの質問はお許し頂きたいと思うのですが、御了承願えませんでしようか。
  421. 青木一男

    委員長青木一男君) 答弁の十分かどうかということは、質問者だけの考えで判断するわけに参りませんので、殊に受持ち時間がとつくに経過した場合は、私委員長として議事の整理上発言を制限せざるを得ないのであります。(「答弁明快「その通り」と呼ぶ者あり)どうぞ一つ……。
  422. 湯山勇

    ○湯山勇君 それでは今の問題についてはもう一回だけお聞きします。残りの問題は聞かして頂けますね。
  423. 青木一男

    委員長青木一男君) それではもう一つだけ認めます。あとは御遠慮願います。(「それはちよつとおかしいな」「質問々々」と呼ぶ者あり)
  424. 湯山勇

    ○湯山勇君 このことが明らかになつたら、自治庁長官に例の二千億の問題、それから平衡交付金を受けていない府県に対する問題……そういうことをすでに提示してあるわけです。
  425. 青木一男

    委員長青木一男君) 併し、これは問題の選び方の順序はあなたの御随意ですから、残つておるという理由では時間の無限の延長は認めません、委員長は……。(「そんなことを言つたつて発言中じやないか」「質問しているじやないか、答弁するのが当り前じやないか」「制限があるじやないか、時間に……」と呼ぶ者あり)
  426. 湯山勇

    ○湯山勇君 自治庁長官の答弁はこのあとでお願しますということで、質問の途中なんです。
  427. 青木一男

    委員長青木一男君) 質問を継続して下さい。
  428. 湯山勇

    ○湯山勇君 ちよつとその点問題を明らかにしてもらいたい。確認して頂きたいと思うのです。私は最初にこれだけのことを質問したいからあらかじめ答弁の御用意を願いたい。そうして前の残りの懸案になつておりました問題から先ずお答え願う、こういうふうに申上げて質問に立つたわけです。従つて、私はそう時間がどうとかいうのでなくして、その点だけ明らかにして頂きたいということですから。
  429. 青木一男

    委員長青木一男君) いや委員長委員長理事打合会申合せ趣旨によりまして議事を整理しますから、あなたの希望する問題全都に亘つて発言を許すわけに参りません。(「答弁をすでに要求してあるじやないか」と呼ぶ者あり)要求してあるからと言いましても、私は……(「質問がすでに出ておるじやないか」「一つにしてやればいいよ」と呼ぶ者あり)
  430. 湯山勇

    ○湯山勇君 それでは質問時間を制限されましたので、全部一括してお尋ねいたします。  その第一点は、只今の問題に対するお答えは、職域別とおつしやいますけれども、職域別になつていない。職域の中間においてそれがなされている。而も教科の研修とか、専門的な知識とかおつしやいましたけれども、このことに関しては現行の教育方針とは全く背馳した御意見になつている。どちらも不徹底な点が多いと思うのです。この点につきましてはもつと明確な御弁明を願いたいと思いますことと、そのような分け方をした場合には、先ほど申しましたように現行教員養成の制度に根本的な改正をしなければならない。これについてどのようにお考えになつておられるか。更に又これが実施されました場合には、現在高等学校教員の資格を持つている人が、特に東京都等におきましては非常にたくさん中学校教育のために、新らしい制度を活かすために、これは都なり或いは道なり、或いは府県の干渉によりまして、中学校に出ておるこれらの人々がそういう職場を離れて元の職場に帰ろうとしている。こういうことによつて直ちに現場に混乱が起つて参ります。この混乱に対してどのような対策をお持ちになつているか、それらの点を明確にして頂きたい。  更に自治庁長官におかれましては、二億の措置をどうなされるおつもりなのか。更に又平衡交付金を分けられる場合には、現在平衡交付金を受けていない府県に対してはどのような措置をとられるか。平衡交付金としてこの金額が行かない県が、条例等との関係もあつて、この通り行かなかつたときの責任は誰がとるか。どのようにとるか。又平衡交付金を受けておる府県であつても、条例の改正がなければこの措置はできないと思うのです。それについて若し府県が現条例を改めない場合の措置はどうお考えになつておるか。更に又一般平衡交付金として行つた場合に、これは平衡交付金の性格上、他の事業等に廻された場合には一体どうなさるおつもりなのか、それらの点について明確にお示しを願いたいと思います。
  431. 赤城宗徳

    衆議院議員(赤城宗徳君) 第一点、職域差を認めたということならば、全部に亘つて俸給を上げなければ職域差を認めたことにならんじやないかというお尋ねのようでありまするけれども、私どもは職域差を認めても、全部に亘つて必ずしも俸給を上げなければ職域差にならないという見解をとつておりませんで、途中から上げたといたしましても、職域差は認めると、こういう見解に立つております。  第二は教員養成の制度に対してどういうふうに考えるか。これは六・三三制それぞれの目的に従つて教員の養成を図つておると思いますので、ここで三本建てになつたからといつて、その制度に非常な混乱を起すことは考えておりません。  第三に、今の中等学校に入つておるところの教員が、高等学校のほうで俸給が上るといたしまするならば、その職場を変えるために相当量の教員が高等学校のほうへ移動して、教育界に相当な混乱を起すじやないかということでありますけれども、俸給表が途中から上つておりますので、高等学校にも相当定員がありまして、それだけのものは教授に当つておるはずでありますからして、この結果教育界に混乱を起すというふうには考えておりません。
  432. 湯山勇

    ○湯山勇君 委員長、答弁が違うのですが……。
  433. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 私の所管の分についてお答え申上げます。二億の措置をどうするかというお問いは対しましては、先般来私がお答え申上げましたように、もともと三億六千万は五十億の中の数字ということでありますので、この数字が多少変つて参りましても、新らしい数字の根拠におきまして、その平衡交付金をどういう工合に配分するかということを、必要な法的措置が要るならば、法的措置をして変るということになるので、この数字は一向に差支えないのであります。それから富裕団体に対しては、当然これは行かないことになります。併し行かない場合に、富裕団体に行かないために給与が払えないという事態は出るわけはないのでありまして、富裕団体として、行かないという事態が発生する場合には、今度のこの法措置というものを頭において計算をし直して、なお且つ平衡交付金をやる必要がないというときに、その富裕団体へ行かないという結果になるのでありますから、この新らしい法措置を頭に置いて平衡交付金の配分を考えた場合に、平衡交付金が行かないと決定した府県は、行かないでもなお且つ財源にゆとりがあつてできる、こういう認定に立つておるわけでありますから、その点は差支えないと思います。  それから条例を改める責任は、これは自治団体である以上、当然当該自治団体が負うべきところであつて政府の関与したところじやありません。それから若しも廻したのに教員の給与を上げなければどうかということでありますが、これは平衡交付金の性質上、算出の基礎、算出をどれだけをどの府県、どの市町村にやるかということを計算いたします場合には、法の定めた方法で決定をして参るのでありますが、併し一旦平衡交付金で計算をして渡しました以上は、それがどのように使われるかということは、紐がついておらない平衡交付金の性質上、政府としてはこれは何ともいたし方ないのであります。併し従来の例から行きますならば、むしろ教育費に対しては、他の費用を削減してさえも教育費に廻しておつたというのが実例であり、従つてそういうことは万なかろうと思いますし、又ないよう政府としては期待をするわけであります。
  434. 青木一男

    委員長青木一男君) ちよつと申上げます。この際委員長理事打合会を開きます。直ちに引返して会議を続行しますから、この際皆さんこのままお待ち頂きたいと思います。暫時休憩いたします。    午後五時五十七分休憩    —————・—————    午後八時二十七分開会
  435. 青木一男

    委員長青木一男君) 休憩前に引続いて会議を開きます。  委員長の報告をいたします。(発言の許可を求むる者あり)委員長の発言中であります。先ほど休憩後、委員長及び理事打合会を開きました。この打合会におきまして、森委員より次の提案があつたのであります。  委員会を再開して一般質疑を継続することとし、分科会は取止める。各会派の質疑時間は二十分程度とする。明日午前十時より総理に対する総括質疑を行う。各会派の持ち時間は委員長において案を作り、明朝九時三十分から委員長及び理事打合会を開いて協議する。総理に対する総括質疑を終了した後、委員長及び理事打合会を開き、更に一般質疑を行うか、総理に対する総括質疑を行うか、質疑を打切るかを協議する。  以上の提議がありました。これに対して社会党両派は、この問題は重大であるから、会派に帰つて協議の上意見を述べたいから、七時三十分に再び委員長及び理事打合会をすることにしてもらいたいというので、その通り決定いたしました。この第二回目の委員長及び理事打合会におきまして、社会党両派の理事は、いずれも本予算案の性質、殊に分科会を作らないということの前例はよろしくないから、分科会を設置すべしという意味において森委員の提議に不賛成の意を表されました。この分科会を設けるかどうかということは、一昨日の委員長及び理事打合会におきまして一応協議し、私どもは分科会という形式をとらずに、この委員会のまま質疑を継続するというふうに了解しておつたのでありますが、理事の中にはその了解において多少解釈の異つた人があつたようであります。委員長及び理事打合会におきましては、社会党両派の分科会を設置すべしという案にはほかの会派から賛成がございませんでしたので、この根本問題の意見の疎隔がありましては、委員長及び理事打合会において円滑に案をまとめるということは不可能になりましたので、委員長は右の旨を報告すると共に、今後の議事の方法について委員会にお諮りしたいと思います。……(「委員長々々々」「議事進行について」と呼ぶ者あり)高橋君、
  436. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 只今……(「委員長、議事進行」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)森委員よりの提案通り、(「議事進行」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、議場騒然)議事を進行することの動議提出いたします。    〔「議事の進行はどうするのだ」「議事進行を先に申込んであるじやないか」「こちらが先に言つておるのだ」「開会前にそんなこと言つたつて駄目じやないか」「委員長、自由党とだけ打合せして、自由党に指名するとは何だ」「闇してはいかん」「委員長そんな馬鹿なことがあるか」「それが委員長の態度か」「打切りの動議を出しているじやないか、何だこれは」「暴力だ暴力だ」「委員長採決」「馬鹿なことを言うな」「冷静にやつて下さい」「言うべきことを言わさないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、議場騒然〕
  437. 青木一男

    委員長青木一男君) 委員長高橋君に発言を許したのでありますが、(「再開宣告」と呼ぶ者あり)休憩は宣してないのです。委員長の報告について発言を求めておられる向きもありますので、これは先例になつては困りますが、今回は特に各会派代表の打合会において先例としない申合せができましたので、その趣旨で発言を許したいと思います。発言者は各会派一名ずつとし、五分以内にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  438. 青木一男

    委員長青木一男君) 御異議ないと認めます。
  439. 亀田得治

    ○亀田得治君 時間が大変僅かのようでございますが、委員長先ほど取扱い。委員長の発言に関連いたしましてお聞きいたしたいことが非常にたくさんあるのでございます。併しこれは今申上げましたように瞬間とも睨み合せまして、今後の議事の進行の過程におきまして同じような不公平なことが出ました場合に、その際にもつとはつきりといたしたいと思いますから、本日のところは一つの点についてだけ、先ほど委員長の報告に対し委員長の本当の肚の中を一つお聞きをしたい。それはいわゆる分科会の問題でございます。委員長は分科会の取扱いにつきまして、委員会及び理事会における経過を御報告になりましたが、一体この重要な問題について委員長自身はどのような確信を以て臨んでおるのか、この点を承わりたいのでございますが、暫定予算ではなく、こういう本予算案の審議に当りまして、術も内容的には今までの審議の経過から見ましても、いろいろな憲法問題を初め、三派の申合せの問題とか、法律的にも極めて疑義の多い問題がたくさん出て来ておる。或いは各省の予算につきましても、各予算委員から質問を通じて明確にいたし、世間も成るほどこれは少し妙なところがあると、こういうふうに感じておるようなこの本予算案に対しまして、分科会を省略すると、微塵でもそういうことをお考えになつて理事会、或いは予算委員会に臨んでおられるとしたならば、これは私大変なことだと実は考えて心配をいたしておる。参議院の名誉のためにも、国会の尊厳のためにもこのような先例は大変なことだと感じております。  具体的に申上げたいことはたくさんございますが、ほんの一つの例だけをとつて見ましても、最高裁判所長官から行政費の節約について大きな異議の申立が出て来ております。ほかの行政官庁のことは申上げますまい。予算の編成に当り、少くとも財政法の上においては特殊な性格を認めて取扱つておる裁判所関係の費用、こういうものに対しましても、これは特殊な、分科会を以ちまして……、国会に対して、これは恐らく国会つて以来初めての最高裁からの異議申立であろうと思いますが、この田中耕太郎名義の異議申立、こういうものは分科会でよく慎重に検討すべき問題でございます。これは単なる一例でございますが、こういうような状態にある予算審議に対し、ほかの人の御意見は第二にいたしましよう予算委員長として如何なる信念をこの問題について持つておるのか。聞くところによりますと合同分科会、こんなような名前も使われておるようでございますが、そのような名前は一体国会法なり関係法規のどこにあるのでございますか。そういうことで分科会を持つところの意義というものが、一般質問と区別して認められるかどうか。あと審議の日数が少いからどうしてもやめてもらいたい、こういうふうに私どもに、何といいますかお頼みになる問題であるならば、これは又別個な問題であります。正しい予算案の審議という面から見て、予算委員長は一体この問題につきましてどのような信念と確信を持つておられるのであるか、丁度時間が来ましたから要約してお答え願いたい点を申上げましよう。  第一は、そこへ書いて下さい。(「時間が過ぎている」と呼ぶ者あり)不明瞭な御答弁をされても困りますから……。第一はこの予算案の今日までの審議の経過を見て分科会を開くのが妥当であると考えるかどうか、これが一つ。第二は、分科会の開き方につきまして、合同分科会というようなものは果して法規上認められるかどうか。この二つの点を区別してお答えを願います。
  440. 青木一男

    委員長青木一男君) 亀田君の御発言に対してお答えいたします。  第一点、分科会を設けることの妥当性についてであります。私も予算審議はできるだけ慎重にさるべきものと思います。但し今回の予算審議期間は、御承知通り前例なき短きものでございます。又衆議院から参議院に送付されました時期も、予定より遅れて参つたことも御承知通りでございます。委員長及び理事の打合会における全体の空気は、何とかして会期内に予算審議を終りたいというのが多くの委員のお考えようでありました。慎重審議ということも、期間とのこれは相関関係でございます。尤も期間に関係なく十分審議すべしという意見もないではなかつたのでございます。分科会というのは法律上の予算審議の要件ではございません。参議院規則第七十五条に、「予算委員会及び決算委員会は、審査の便宜のため、委員を数科に分けることができる。」という規定がございます。従いまして分科会を省略するという言葉は、正確な意味においては当らないのでございまして、むしろ積極的に設けるということをきめて初めて設置されるものと私は考えます。私は何も初めから分科会をやめようというような発言をしたこともございません。そういう考えを持つたこともございません。委員長及び理事打合会の空気において、審議期間との関係から分科会を省略して、一般質疑の形で、その分科会で聞こうとしたようなことも聞いて行くのが尤も便宜ではないかという多くの委員の方の御意見でありまして、一昨日の委員長及び理事打合会においては大体そういうふうにきまつたと私は了解しておつたのでございます。  それから、第二の合同分科会ですか、多少言葉は違うかも知れませんが、今のお話、そのことを決定したことはございません。委員長及び理事打合会の席上においてそういうよう意味の御発言もありましたが、そういう趣旨決定はいたしたことはございません。従つて合同分科会というようなものの私どもは性質をこの際詮議する必要もないと考えておるのでございます。  以上お答え申上げます。(「御名答」と呼ぶ者あり)
  441. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 只今亀田君から質問がありましたが、私も同様の意味におきまして委員長に御質問をいたしたいと考えおるのであります。これは、参議院といたしまして、かかる厖大な修正を持つた予算案が送付せられて来るということは殆んど前例がないのであります。従つて我々が経験いたしましたように、審議の過程において、一つ一つ質問に対しまして政府も答えられず、修正者も答えられず、どこをつかんで質疑応答を続けて行つていいのか、全然わからないのであります。これは自由党或いはその他の党に属しておられる方でも、審議の実際を率直にお考えになりますならば、誰しも、かかる審議では真に予算審議というものはできないということは認められることだと思うのであります。従つて私どもは、この審議を通じて、単に予算審議するというばかりでなく、修正予算参議院において取扱う前例を作ることが必要である。而も最もよい前例を作ることが必要であると考えて参つたのであります。そのために、或いは議事の妨害であるとか或いは時間を稼ぐために下らない質問をしておるとかということをしばしば非難をされたのであります。併し我々の偽らざるところの気持というものは、最もよい前例を作るために十分なる審議をしなければならないという観点に立つて御迷惑をかけて来たのであります。然るに現在まで十分な審議が行われておりません。未だに本日に至りましても、その政府或いは修正提案者の意見というものがまちまちになつておることは、すべての委員の各位がよく了知しておられるところと考えるのであります。現在残された問題といたしましては、或いは電話料金の問題について二十五億というものがどうなるかわかつておらない、或いは又は供米完遂奨励金というものの行当り八百円、或いは二百億というものがどういう性格のものかわからない、(「然り」と呼ぶ者あり)三本建の問題につきましても、先ほど湯山君がいろいろと罵詈誹謗を浴びながら闘つてつたのでありますが、これもはつきりわからない。或いは海運振興の百六十七億というものもその明細はわかつておらない。先ほど亀田君の言われました最高裁判所の問題或いは又は会計検査院の問題、かかる未解決の問題がなお我々の前途に累積されているのであります。で、かかる問題を適当に処理し、その性格を規定して、或いは又は将来に残されたところの予算の執行の面における処理の方法というものは、分科会その他小規模なるところの委員会においてこれが審議せられて結末をつけるのでなければ、この大きな委員会においてはかかる問題の正確なる処理ということは絶対にできないのであります。私たちはかかる意味におきまして委員長に御質問申上げたいことは、こういう未解決の問題を処理する上からいつて、分科会なり小委員会なりというものが是非とも予算審議の上に必要であるということをはつきりと委員長御自身が認めて頂かなければならないのであります。かかる問題の処置は、分科会をお開きにならないというならば、如何なる方法によつてこれらの問題の性格付け、予算の処理の問題等について処理せられるお考えでありますか。或いは又は今後残された問題といたしまして、これらのいわゆる分科会の問題をはつきりときめ、この分科会において一つ一つの問題を処理し解決して行くことが、むしろ予算審議の上におきまして最も適切な方法であると考えるのでございますが、今申しましたこれらの懸案になつているところの問題は、分科会において処理せられることが適当であると考えるのでありますが、委員長としてはどういうお考えでございますか。
  442. 青木一男

    委員長青木一男君) 松澤君の御発言に対してお答えいたします。  私は委員各位が予算の重要性から考えて、非常に御精励になつたことは委員長としても非常に感謝し、又敬意を表する点でございます。御質問の要点について質問者の御満足を得るだけの答弁があつたかどうかということは、これは大体主観的に意見は違うかと思います。仮に御満足を得なかつた問題があるといたしましても、これらの問題を終極的御満足の行くまで十分審議を重ねるべきかどうかということは、これは期間さえ許すならばそれが望ましいのでございます。併し先ほど申した通り会期がきめられております。勿論会期にかかわりなく十分審議すべしという御意見もあつたのでございますが、私が委員長及び理事打合会における空気を見ておりますと、そういう御意見の方は比較的少数であり、多くの理事の方は、何とか会期内に予算審議を了したい、これは国家の経済、国民生活全般に及ぼす影響から見て、予算の早期通過ということは国民の待望であるという考えからそういう御意見が出ているように拝察いたしました。従つて多少審議不満足な点がありとしても、この二つのどちらに重きを置くかという見地から、多くの理事先ほど委員の御提案なつような意見に傾いておつたと私は承知しているものでございます。私もそういう意味において分科会をやらないという案に同意をいたしておるのでございます。(「委員長交替」と呼ぶ者あり)
  443. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 懸案の問題はどうするのですか。
  444. 青木一男

    委員長青木一男君) 只今お答えしたことで御了承を願います。ほかに御発言はございませんか。……それでは只今岡田宗司君外六人の委員の方より予算委員長不信任決議案が提出されましたから私はこの席を……。(「異議なし」と呼ぶ者あり)    〔委員長退席、理事西郷吉之助君着席〕
  445. 西郷吉之助

    理事西郷吉之助君) それでは只今青木予算委員長に対する不信任案が提出されましたので、これをお諮りいたします。
  446. 小林英三

    小林英三君 只今委員長の不信任案が提出されたのでありますが、私は……。(「提案理由が先じやないか」「だから委員長がかわつたのじやないですか」「誰に発言を許しているのか」「おかしいじやないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  447. 西郷吉之助

    理事西郷吉之助君) 只今かわつた早々で運営に齟齬を来しましたが、やり直します。  只今予算委員長に対して不信任決議案が提出されましたので、先ず提案者にその趣旨説明を求めます。(「名委員長」と呼ぶ者あり)
  448. 岡田宗司

    岡田宗司君 本委員会におきまして青木委員長に対しまして不信任決議案を提出するということは、誠に私どもにとつて遺憾なことでございます。併しながら今日までの予算審議の経過等を見まして、特に今日起りました事態からいたしまして、私どもは遂にここに不信任案を提出せざるを得なくなつたのでございます。  この予算案の審議の過程におきまして、委員長のとりました態度、委員長としてのやり方というものは、私どもから見ますれば非常に遺憾な点が多かつたのであります。青木委員長は戦争前におきまして有能なる官吏として立たれ、又戦時中には大臣を務められておりましたけれども、遺憾ながら議員生活はおやりになつたことはなかつた。今回の選挙におきまして参議院に御当選になつて参られたのであります。やはり参議院におきましてはすでに新憲法の下において六年の日時を経過いたしておりまして、その間にいろいろ審議につきましても先例もできております。又大体いろいろなやり方というものが各党の間におきましてもそれぞれいろいろな形で了解されて進められて参つて来ておるのであります。ところが委員長は議員になられましてからも非常に新らしく、又委員会におきまして委員として御審議に加わられたこともなく、こういうような経験がないときにこの予算委員会……、特に本年度の予算は、二十八年度予算は、昨年提出いたしまして、その審議の過程において解散に相成りました。従いましてこの予算成立を見ることができず、四月下旬に行われました衆議院選挙、参議院選挙の後に、五月十八日から開会されましたところの特別議会に付議されることになつたのであります。而もこの議案は、この予算案は、最初から提出されたものではございません。これは相当その成立におきましてもいろいろ手間取つて参りました。従いまして暫定予算を六月分、七月分と組み、漸く八月以降の分が本予算として計上されて参つたのであります。そしてこれが衆議院提出されましてからの審議期間も非常に短い、衆議院において立てられましたこの日取りの予定は、去る七月の十三日に上げて、そうしてそれがこちらに回付されることになつてつたのであります。ところが十三日に衆議院の通過を見るに至らずいたしまして、これは十七日までに修正案もできるということでもめて参りましたことは御承知通りであります。この間におきまして改進党から提出されましたところのこの修正案、これをもとにいたしまして、自由党、鳩山自由党との間に種たの論議を重ねました結果、未だ日本の議会におきまして歴史上その例を見ないところの修正案成立したのであります。本来ならば、かくのごとき大巾なる修正がなされました場合には、当然内閣は総辞職をしなければならないのでございます。(「そんなこと関係ないよ」「簡単簡単」と呼ぶ者あり)然るにこの点につきまして、(「発言中だ」と呼ぶ者あり)政府は、これを容れまして、そしてこの修正予算案を受諾し、漸く十七日に衆議院を通過して、こちらに回付されるに至つたのでございます。(「時間は制限されないからゆつくりやれよ」と呼ぶ者あり)ところがこの三派の修正案なるものが極めて大中であります上に、非常な無理がございますために、いろいろな点に矛盾が現われ、又いろいろな点におきましてあいまいな点があつたのであります。  第一にこの修正案取扱い方が本予算委員会におきまして問題になつたことは、この修正案が極めてそういう点において性格上あいまいで、そしてこれが衆議院において何ら論議されずしてこちらに廻されたというということから生じたことでございます。私どもはかよう修正案がこちらに廻つてつたのでございますから、この修正案がおいかぶさりました予算案の審議というものは、本予算委員会におきましても初めて取扱うがごとき問題でございます。従いまして私どもはこの修正案のおいかぶさりました予算案の審議に当りましては、極めて慎重なる態度を以て臨まなければならんのであります。又この予算案を審議するに当りまして、今後いろいろと先例となるべき問題もございます。従いまして私どもがこの先例となるべきものを審議するにつきましては、予算委員長も慎重に、成るべく疑義を残さないように御審議を進められることが委員長の職責として当然なことであり、又委員長もそういうふうに議事を進めら為ることが、参議院予算委員会の権威を高め、又参議院予算委員会としての職責を尽すことになるものと私どもは思つてつたのであります。  然るに先に申上げましたように、委員長はこの予算審議に当りまして、与党側の要求によりましてむやみに急ぎまして、先ほど委員長のお言葉によりますれば、答弁の問題はこれに満足するかしないかは主観の問題であるというようなことを言つておられておるのでありますけれども、併し答弁に対する態度が、我々としてこれを明瞭なものとして認めるか、或いは明らかになつておらんとしてこれに更に疑義を有するかということは、たとえ主観の問題でありましても、当然取上げて明らかにこの委員会で論議をしなければならない。委員長みずからが進んで議題にしなければならない問題までもこれを議題にしておらないということは、これはたとえ何と言われましようと、委員長といたしましての手落ちと言わなければならんのであります。  その一例を申上げます。先ほど亀田君も触れられましたが、昭和二十八年七月二十日、最高裁判所長官田中耕太郎の名を以ちまして次のごときものが本院に来ておるのであります。   参議院議長 河井彌八殿    裁判所所管昭和二十八年度予算の減額修正について   時下ますます御健勝にて邦家のため御尽すいのこと心からお慶び申上げます。   さて、かねて内閣から衆議院提出されていた本年度裁判所所管予算については、一般行政経費の節約に伴い、大幅に減額修正の上可決され、昨日貴院に送付されたことと存じます。   つきましては、貴院におかれ本予算案を御審議下さる際には、是非次のような裁判所予算の独立性および特殊性を十分御しん酌の上、減額修正について特段の御考慮を賜わるよう、御願いいたします。  一 第一に、裁判所予算は、現行法上一般の政府予算に比し、相当程度の独立性が保障されているという点であります。すなわち、裁判所法によつて裁判所の経費は独立して国の予算に計上しなければならないと定められており、また財政法においても、内閣予算編成に当つて裁判所の要求を削除したため裁判所と意見が一致しないときは、内閣は自己の編成した予算案と同時に裁判所の要求をも国会提出して国会決定に任せる。いわゆる二重予算の制度が認められ、内閣の一方的な制約から保障されている次第であります。  二 第二は、裁判所予算のうちでも、特にイ裁判費十一億六千八百五万九千円およびロ裁判官会同旅費四千六百三十三万三千円は、後に述べますように裁判所の生命たる裁判事務に直接する費用であつて、これらの経費に対し衆議院において可決されたような大幅な減額修正が実施されるごとになりますと、その結果、ただちに全国裁判所における裁判事務の運営に多大の支障をきたすおそれがあるということであります。  イ 裁判費について    裁判所所管歳出予算中、裁判費は、最高裁判所および下級裁判所において支給する国選弁護人の報酬、刑事補償法による補償金、証人、鑑定人および通事に対する旅費日当、調停委員に支給する日当、裁判官、書記官等の検証等のために要する臨検旅費その他裁判を行うために直接必要な庁費(証人等の呼出および裁判書等の送違等のための通信費、調書用紙の購入費等)の予算であります。   こうした費目を列挙しただけでもおわかりになるように、この裁判費は、もつぱら民事、刑事、調停および家庭事件等の増減により、その支出を当然伴う不可欠の経費でありまして、一般の行政経費のごとく経理上の都合によつて支出を抑制することが許されない性質のものであります。    従つて、これらの経費については、旧会計法時代には予算上、補充費途に属する経費として特別な取扱を受け、新財政法施行後も大蔵大臣の指定する経費とされて、一般行政経費と異なる取扱を受けているのであります。かように、裁判費について予算上特別な取扱いをされるゆえんは、一に裁判の円滑適正な運営を期するためであること申すまでもありません。   なお、法務省所管検察費の検察旅費等は減額修正率が一割でありますのに対し、これ等と性質を同じくする上記裁裁判費の証人等旅費、委員等旅費および   職員旅費につきましては減額修正率が二割でありまして、前記に比し甚だしく不均衡な結果となつておりますので、念のため申し添えます。  ロ 裁判官実務家会同のための旅費について    御承知へのように、裁判官は、その職務遂行上、上司の指揮命令を受けることなく、全く独自の権限と責任においてこれをなさなければなりません。従つて、裁判官は、裁判事務の迅速適正な処理に関しても、各自不断の研究を重ねているのでありますが、全国各地に散在する多数の裁判官が個々別々に研究をするだけではきわめて不千分でありますので、全国の裁判官が適当の時期に東京等で一堂に会し、裁判事務の運営に関して互に自由に討議研究する機会を持つことが是非必要なのであります。    そうしてこそ裁判事務の一層合理的な運営が期待され、また事務処理に関する各庁間の不均衡を是正して公平な裁判を期待することもできるのでありまして、これ以外に適当な方法はないのであります。現に新憲法の施行とともに、新しい裁判所制度が発足して以来、毎年予定どおりに、各種の実務家会同が実施されて参つたのでありまして、この会同を予定どおり実施することは、裁判事務の適正迅速な処理のために不可欠な要件であると申しても決して過言ではないと存じます。   以上裁判所の予算の独立性および特殊性につき一言申し上げ貴院の御高配をお願いする次第であります。  なお、御審議の御参考までに別紙資料を添えておきます。  こういうような申入書が最高裁判所長官田中耕太郎氏から参つておるのでございます。この問題も本来ならば委員会自体が当然取上げなければならん問題でございます。最初これが申入がありましたときに、委員長は直ちにこれを取上げて、この申入書を委員に配付いたしまして、この裁判所の予算に関しまするこれを、やはり財政法上に問題な点がございますから、進んで本委員会において論議すべき、議題にいたすべきにかかわりませず、今日までのところにおきまして、委員の側のほうからこの申入書が来ておるということを知りまして、これを配付すべきことを要求いたしましてから、漸くこれを配付する、取上げるかと思つておりましたならば、今日まで遂に委員長よりこの問題を論義することを何ら提案されなかつたのであります。この点につきましては、委員長が明らかにこの問題の処理を誤まつておると言わなければなりません。私どもは財政法をここに読み上げるまでもないのでございますが、この裁判所等の予算が独立性を持つておるということは、この申入書にも明記されておることであります。衆議院におきましてはこの点に対する考慮が払われずいたしまして、これがそのまま一般の予算と同じように削られましてこちらに回付されたために、かような申入れが行われたということは、参議院といたしましては当然重大な問題として取上げなければならんにもかかわりませず、これがなされなかつたということは、明らかに委員長としての不適格性を物語ると言わなければならんのであります。  次に、私どもは審議の過程におきまして、本予算案の執行についていろいろな問題を取上げてやらなければなりません。従いまして私どもはこの予算案の審議に当りましていろいろな資料を要求いたしたのでございます。私は過日文書を以ちまして委員長に対しまして、今次の参議院選挙におきまして、或いは衆議院選挙におきまして、各省の多くの高級官吏諸君或いは各政府機関の高級職員諸君が立候補されまして、それが選挙最中におきまして幾多の選挙違反を起しておるのであります。そして現職の官吏或いは政府機関の役人が多数逮捕されまして取調を受けておるのであります。この内容のよしあしは別といたしまして、私どもは、高級官吏が職を辞しまして、直ちに立候補をいたしまして、そうしてそれまでにいろいろな問題を起しておる。而もこの選挙の違反の実例を見ますというと、職権を濫用いたしまして、極めて悪質なものが多い。そのために非常な広汎な官吏或いは政府機関の職員諸君がこれにひつかかりまして、その取調べのために随分国務も渋滞しておるのであります。そこでこの問題を聞こうといたしまして、私はの委員長に対しまして、政府の局長、課長級以上、各省の局長、課長級以上、政府機関の局長、課長級以上の高級官吏がどのくらい選挙違反によつて逮捕取調べを受けたか、更にそれに関係しておる候補者の氏名は何かということを資料として要求したのでございますが、この資料も、委員長を通じてなされたのでございますけれども、今日予算審議が終ろうとする間際になりましても、かかる資料は提出されないのであります。御承知ように、こういうようなことは検察庁において取りまとめて明らかになつておるはずであります。国会からこれが要求されましたならば、当然その氏名とその他を表にまとめまして出すべきが当然であります。委員長は若し本当に誠心誠意この予算審議をすることが必要である、こういうことでありますならば、これを出させなければならない。又私に対しまして、その取扱い方について経過ぐらい報告してもよかろうかと思うのでありますが、そういうことも一遍もされない。更に又私が同じく文書を以ちましてMSAの問題について論議する際に、これは重要欠くべからざるものといたしまして、アメリカの議会におけるダレス国務長官のMSAに関する証言中、これは全部を要求しておるのでありません。日本に関係する部分についての証言、それから日本の防衛問題等に関するところのダレス国務長官の証言、例えば問題になりましたところの十個師団三十五万、この証言等を要求したのであります。日本はすでにアメリカに大使館を設けております。この国会における速記録を直ちに取寄せて飛行便でこちらに送ることも可能でありましよう。又アメリカの大使館から政府に対しまして、このダレス証言の日本に関する部分等は当然打電されて来ておると思うのです。これは外交上秘密に属するものでも何でもございません。向うの速記録に出ておることなんでありますから、これを私が要求したのであります。昔ならば或いはなかなか入手できないかも知れないのでありますが、ダレスのアメリカ国会における証言のかなりの部分はすでに本院の外務委員会の一委員さえこれを向うから入手しておるのであります。従いましてこれらの資料を私がすでに十日ほど前に要求いたしまして、これが提出を求めたのでありますが、未だに出て来ておらん。これ又委員長の怠慢でありまして、私どもの要求いたしましたものを本気になつて政府に向つて伝えてくれなかつた、こういうようなことから来るものではないかと思うのであります。私は委員長の資料に対する取扱い方というものも又甚だ的確性を欠いておると言わなければならんのであります。  又終戦後の食糧増産のために投じた財政支出と、その経済効果に関する資料等も要求されたのでありますが、これさえ出て来ておらんのであります。本予算におきましても食糧増産が重要な部面を占めておりまして、そのために相当額の金額が計上されております。併しながら従来もそういうようなものが投ぜられておるにもかかわりませず、どの部分がそれではそういう食糧増産のために費用を投ぜられた結果、効果が挙がつておるかということを我々が知ろうとして、要求して、これに検討を加えることは、将来の予算に向いましてどうしても必要欠くべからざることであるのであります。然るにこれらの資料も放擲されたままになつておる。審議を急ぎます結果こういうようなことが放擲されまして、私ども議員としての予算審議に対する(「恥かしくないか」と呼ぶ者あり)職責がそのために極めて妨げられておるということを非常に遺憾と存ずるのであります。かよう事態になりましたのも一に委員長がそのために御努力にならなかつたことから出ておる。議院の予算審議権について深いお考えがない。これをまあ軽視と申しては或いは語弊があるかも知れませんが、やや軽視をされておつたのではないかと言わざるを得ないのでございます。更に申上げなければならんことは、修正案取扱い方でございますが、修正案につきましては、その最初の提出の時からいたしまして非常に論議がなされたのでございます。私はその論議についてここで繰返そうとは存じませんが、併しながらこの修正案を論議いたしております過程におきまして幾多の事実が現われて参つたのであります。第一に問題になりましたのは、修正案提出されましたところの三派の人々の意見が食い違つておるということもございました。又最初に三浦君が参りまして説明された時のその資格等が先ず問題になつたのであります。私どもは委員長が、この修正案の重要性、そしてその性格に疑義があるにもかかわりませず、漫然として三浦改進党政策審議会会長をお呼びになりまして、これを説明させようとしたことは、この修正案に対しまして委員長が十分に深くお考えになつておらなかつた証左であろうと思うのでありますが、私どもはその審議の開始に当りまして、先ず今申上げました三浦氏の資格の問題を論議いたしたのであります。その結果漸く参考人として聞くということに落着いたのでございますが、この時の委員長の態度を見ますというと、やはり修正案提案者としてこれをお招きになつようでありますが、ここいらは委員長として軽卒の譏りを免れなかつたのではないかと思うのであります。幸いに私どもが論議をいたしました結果、参考人ということになりました。そしてこの委員会の権威が汚されずに済んだのでございますが、そういう点から考えまして委員長は極めてこれらの取扱い方について不用意であつた、こう言わざるを得ないのでございます。  次に、修正案審議をいたしておりますところの過程に又いろいろな問題が出て参つておるのであります。先ほど私が申上げました例の裁判所の要求と同じような要求が、会計検査院からもなされておるのであります。会計検査院の予算も又独立性を持つておることは、これはすでに財政法に明記されておるところでありますが、これ又無視されておる。そのために会計検査院からもそれが要望されて参つておるのであります。このこともやはり委員長は取上げなければならなかつたはずであります。これも取上げられて論議されるものとしていたのに、委員長からこれを提起されておらんのであります。会計検査院からの要望書は次のごとくになつておるのであります。    昭和二十八年度一般会計予算中会計検査院所管分の修正に関する要望書   貴院において審議中にかかる昭和二十八年度予算案は、昭和二十八年七月十七日衆議院において原案修正が行われ、会計検査院所管の予定経費も、一般の比率に従い旅費及び庁費等の削減を受け、旅費においては総額の二割相当額千余万円の削減を受けるに至つた次第である。しかしながら、右のうち特に会計実地検査の実施に必要な検査旅費については、従来、会計検査院で指摘した不当経理の事案は、その大部分が実地検査の結果によるものであるため、検査旅費額の消長は直接検査の成果を左右するものであり、他方、国及び政府関係機関等の経理の現況は、毎年度決算検査報告に記述するとおり違法又は不当の取扱が各機関にわたり多数に上つており、一層検査の徹底を期することが緊要であると認められ、殊には貴院決算委員会の累次の要望もあり、前記の如き検査旅費の削減は、会計検査上影響するところが少くないと案ぜられる次第である。   よつて、さきに衆議院議長に対し、この点についての配慮方を要望したのであるが、貴院におかれても、検査旅費については特段の御配慮を願いたい。   昭和二十八年七月二十一日      会計検査院長 佐藤 基  参議院議長 河井 彌八殿  こういうような会計検査院からの要望書も参つておるのでありますが、これ又審議の対象となることがなかつたのであります。かような点はやはり委員長といたしまして、その職責に欠くるところがなかつたかと言わざるを得ないのであります。又私どもがこの委員長がいろいろと議事を進めます上におきまして、委員質問をいたしますに当りまして、かなり不公平と見られるよう取扱いをされておるのであります。例えば本日でございますが、小林孝平君が電電公社の問題につきましての質疑をいたしましたが、今度の電話料金値上げが二割五分の政府原案が二割に修正をされました。そのために電電公社予算の上に非常な変化が起らざるを得なくなつたのであります。そのために生じまするところの電電公社予算上の欠陥は二十五億円に上るのでございます。この二十五億円は決して小さい額ではございません。この二十五億円の額を捻出いたしますことは相当大きな問題でございます。塚田郵政大臣はこの点につきまして御答弁になつておるのでございますが、この塚田郵政大臣の御答弁を聞いておりまするというと、非常にあいまいで、二十五億円の問題につきましてはいろいろ節約をいたしまして、足りないところは二十五億円の限度において建設公債発行によるというよう意味のことを本日答弁されておるのであります。併しながら、政府機関の予算としてかような穴があきましたことにつきましては、それではこれについてどういうふうな方針を以てやつて行くかということは、八月一日から予算が執行されますことになりますので、直ちにきめなければならん問題である。又すでにこの点につきましては、衆議院修正をされましてから若干の日数もあるのでありますから、当然電電公社におきましてはこれらの問題についての答申が大綱でも立てられておらなければならんはずでありますし、当然郵政大臣はその御報告を受けておらなければならん。又これに対する御答弁ももつと明確でなければならんわけであります。ところが明確な御答弁がない。又大蔵大臣の御答弁も同じようでございます。従いまして、小林君は、又私は、電電公社の総裁を本委員会に呼びまして、そうしてこの二十五億円の歳入の欠陥に対して如何なる処置をとるかということにつきましていろいろとこれを聞きたいと、こう申したのであります。ところが自由党のうちから、塚田郵政大臣の答弁で明白だ明白だというような市があつた。何ら明白になつておらんのです。数字上明白になつておらんのですが、委員長はそれに動かされたのか何か知りませんけれども、この点につきまして私どもは疑義を持ちましたので、電電公社総裁を呼ぶということを申上げましたけれども、委員長はそれを呼ぶ努力をなさらない。そうして委員長は呼ぶ必要なしと、こういうことをおつしやつて遂に呼ばないのであります。かような二十五億円の問題が明らかにされませんままで放つたらかされてしまつた委員長が独断で以てかようなことをなされておりますことについて、私どもは委員長取扱いが誠に不公平である、こう考えざるを得ないのであります。委員長がとりましたさような態度のために、遂にこの予算審議の過程におきまして二十五億円もの問題が明らかにされず、そのまま放置されてしまつたということは、誠に委員長のとりました態度は遺憾であると言わざるを得ないのでございます。こういうふうに委員長といたしましては、この政府委員なり或いは政府機関の人々を呼ぶことを極力避けようとしておるということは、結局自由党側の要求によりまして予算をどんどんと早く成立させようと、こういうよう考え方からいたしまして、審議を明瞭にしないで、それでも構わないということであると言わなければなりません。私どもは審議を明瞭にいたしました結果、例えば採決で敗れるとも、これは多数決で止むを得ないことでございますが、併しながら審議は相当十分に明らかにしなければならんと考えておるにかかわりませず、かようなことをなされましたことは、遺憾至極と言わなければならんのであります。又私どもは今次の予算審議に当りまして修正案が非常に重大な意味を持つております。そこで修正案につきまして性格の論議をやりましてから後に、委員長にお願いをいたしまして、三派の代表を招致いたしまして、そうしてここにおいて供米完遂奨励金の問題の性質をめぐつて論議をいたしたのでございます。供米完遂奨励金はこれは改進党と自由党の間におきまして意見の一致を見なかつた問題でありますが、この八百円というものを出すに至ります過程は、非常にいろいろと論議が沸騰いたしまして、なかなか一致を見なかつたことは私が申上げるまでもない。併しながら、この点につきましては我々は明らかにしなければならないのでありまして、これは一体この八百円を出すということがいわゆる二重米価であるのか、或いは又前に政府が出しておりました供米完遂奨励金を拡張するものであるのかというもとを明らかにしておかなければなりません。そこでこの点についての論議が激しく行われたのでございます。竹山改進党副幹事長等のおいでを願いまして論議をしたのでありますけれども、一向明らかにならん。特に大蔵大臣の御発言のごときは御答弁の途中で何遍も変つておる。初めは完遂しない農家には出さない、こうおつしやつてつたのであります。そういうようなことをはつきり言つておられる。ところがそのうちに今度は竹山さんがおいでになつていろいろ説明されるというと、今度は政府側の答弁というものは又変つて参りまして、今度は完遂しない市町村には出さない、こういうことになつた。そこで私は設例を挙げまして、そうしてお伺いをいたしたのでありますが、この設例はどういうことかと申しますというと、或る村で千石供出することになつた。百戸皆が十石ずつ割当をなすつた。そこでその農家が、まあ皆十石ずつ出すというのだが、中には五石しか出せない事情の者がある。それから一戸は十五石出した、それで全体としてその村は千石出した。そうすれば完遂奨励金は政府の言によれば、村が出すことになつたのだから、その村へは来るが、一体五石しか出さない農家には奨励金は出さない。(「委員長の不信任とどういう関係があるのだ」と呼ぶ者あり)ということをお伺いしたのでございます。ところがこれに対するところの答弁は、全部食い逢つておる。はつきりしておらん。これを出す、五石の者に出すということはおつしやらない。そういうようなことでございまして、結局どういうことになつたかというと、一向あいまいであつて、何だかわけがわからない。はつきりした御答弁が与えられない。こういう馬鹿げたことに相成つておるのであります。これは速記録を御覧になればはつきりしております。そこで私どもはこれではいけない。この点はもつとはつきりさせなければならんと考えまして、ところが七月二十四日に私どものところには、三派が秘密協定を作つたというような、そういう話が起つてつたのであります。そこで私は、これは予算審議の上で重大なことである。この秘密協定というものがあるかないかということも、竹山副幹事長以下に聞きましたところが、ないという。ところがどうもそういうものがあるような、いろいろ話が聞えて参りますので、これは一つ是非予算審議をする上に、特に修正予算審議する上に必要であるから、それをどうか提出して頂きたいということを委員長に申入れたのであります。ところが委員長はこの点につきまして何ら御努力をなされなかつたようでございまして、そういうものはないということを、まあお聞きになつたのか、御推測になつたのかは知りませんけれども、私が申上げましたところが、そういうものはないから出せないというお答えであつた。ところがその時にすでに私の手許にはそういうようなものが一部入つてつたのであります。そこで私はその表題を読み上げた。即ち「昭和二十八年度一般会計、特別会計及び政府機関各予算修正についての自由、改進、自由三党閥の了解事項」。そして「以上の各項に亘る了解事項を確認するためここに署名捺印し各壱部宛を保有するものとする。昭和二十八年七月二十四日」こういうものがあるではないかと言つて、こういうものがすでにあるが、これを一つ資料を出して頂きたい、それが修正予算案のいろいろな疑問の点を明らかにすることになるからと、こう申上げて要求したのであります。然るに今日に至るまで、梨のつぶてでありますけれども、修正の根本になつておりますこの了解事項について、これを全然放つたらかされている。これじや修正予算を十分審議するわけに参りません。かような重要なものを出されないということは、私は委員長としての職責に欠けるところがある。委員長は、この予算審議を十分にせしめるためには、政府に向いまして、相当資料等の要求をされるべきが当然であります。例えば木村禧八郎君が、例の造船等の利子補給金について、いろいろ資料を出せ、こう申しましたが、てんで質疑をするに役に立たないような極く大雑把な資料を出して参りまして、そこで木村君が、これにつきまして、委員長に資料を出せ、こう言つておられます。ところが岡田海運局長等が来まして、いやそういう資料はあるのないの、自分の所管でないのあるのといろいろ言まして、成るたけ出さないようにしておる。(「けしからん」と呼ぶ者あり)そしてしまいには、誰の入れ智慧か知らんけれども、それじやその元のものを持つて来て、そこいらの机の上に並べるから見て下さいというような話も起つたのであります。(「けしからん」と呼ぶ者あり)今までに私はこんな馬鹿げた資料の提出の話は聞いたことがない。これに対して委員長はあつけらかんといたしまして、さつぱり御努力にならない。木村君が大いにそれを主張いたしました結果、まあ余り満足なものではないけれども、今日木村君の質問をいたしますに必要な資料が出て参つたのであります。これに基きまして本日木村君がその質問をなされた。出せば出せるのです。ちやんと政府努力すれば出る。海運局長等は、いや、それからピック・アップするのには大変暇がかかる、到底今度は間に合いませんというようなことを言つてつた、それがちやんと今日は出ておる、これを見ますというと、余り資料を出すのを喜ばないのがどうも各省の通弊のようでありますけれども、委員長はこれに対しまして、国会の立場から各省に対しまして資料を要求されることについて余り御熱心ではない、まあ青木さんも官僚出身でございますから、余りそういうような資料が要求されていろいろなものが突つつかれると困るということで各省の官僚諸君に御同情の立場をとられたために、そういうふうな態度をとられておるのかも知れません。併しながらそれは予算委員会審議にとりましては誠に迷惑千万な態度と言わなければならんのでございます。私どもはかよう予算委員長の態度というものに対しましては、断然承服することができない、その下におきまして予算審議をすることは、結局本予算案を審議する上において、議員としての職責を尽し得ないと考えましたので、この不信任案を提出する理由のやはり一つに数えなければならんと思つておるのであります。ところで私どもはこういう……。
  449. 西郷吉之助

    理事西郷吉之助君) 岡田君に申上げます。できるだけ一つ簡単に、時間がありませんから……。
  450. 岡田宗司

    岡田宗司君 こういうような問題をいろいろと論議しておりますと、委員長がなされましたことについて、たくさんございます。我々やはりこの委員長の下において予算審議をなすべきでない、従つて予算案を審議しない、この予算委員長の不信任案を出すということになりましたのは、こういうような問題が累積をしておるからでございます。特に先に一言申上げましたように、修正案の基礎になります三党了解事項を委員長が資料としてお取り寄せになることについて御努力にならなかつたことは誠に遺憾なことであります。この問題の審議がどうして渋滞するに至りましたかはこの点でございます。私はこの問題につきましては、ここに明らかにしておくことが、やはり委員長のとりました態度、私どもがこの予算案の審議に対してとりますところの真摯な態度とを対照いたしまして、委員長のとつた態度が如何に何と申しますか不的確であつたかということを現わすと思いますので、私はこの点についてもう少し論議をいたして行きたいと思うのであります。(「異議なし」「しつかりやれよ」と呼ぶ者あり)即ち、「昭和二十八年度一般会計、特別会計及び政府機関各予算修正についての自由、改進、自由三党間の了解事項」、よくお聞き下さい。(「今言つたじやないか」と呼ぶ者あり)「この件について下名等は七月八日から同月十四日迄友好裡に折衝の結果左の了解に達し、これに基いて修正予算を作成し或いは法的其の他の措置を講ずることとなり政府の執行上の責任に属するものについては下名等においてこれを更に推進するものとする。一、行政費節約壱百七十五億弐千七百四万壱千円、内訳、一般会計壱百壱億七千八百四拾壱万円特別会計弐拾弍億五千五百拾参万円、政府機関五拾億九千参百五拾万壱千円、右に伴い地方公共団体も之に準ずる節約を行うこととする、但しその節約可能額について、大蔵省は弐百弐拾七億円程度というものには各方面に異見もあるので政府部内において至急調整の上節約額を確定し地方公共団体に速かに指示すること。二、保安庁経費削減、1、この庁の経費については行政費節約の枠内において約三十九億円を削減しその他の方法において六十五億円を削減し、別に予算外国庫債務角世行為要求額に二十四億円を追加計上する。三、国民健康保険療養給付費国庫二割負担を実現するための助成金の増、但し計算の基礎は改進党原案による拾壱億弐千弐百万円、四、供米奨励金弐百億円、1、この奨励金は供出割当全量を完遂した農家に交付するという意味に解せず、供出米一石毎に八百円を交付するものと相互に了解する。(「けしからん」と呼ぶ者あり)2、前項の交付に要する金額弐百億円の内壱百億円は二十八年度一般会計より食管特別会計に繰入れること々相互に了承する。3、前項に基く同会計の歳出増の補てを理由として二十九米穀年度において消費米価の引上を行わないことに相互に了解する。五、食糧増産費の増拾億円、内訳、小規模土地改良補助、補助の対象は1団体のかんがい排水等広義の土地改良事業を含むこと。2本年度内に土地改良事業を完成し直ちに増産の実を挙げ得るもの。3県営以下の小規模の土地改良事業たること。畑地かんがい補助弐億弐十万円、酸性土じよう改良補助丘千万円、耕土培養補助参千万円、食糧増産費の増拾億円は、内地へ八割、北海道二割の割合を以つて配分する。六、中小企業金融公庫出資金の増参拾億円、七、輸出促進の諸措置、1輸出促進のため税法改正することによる本年度減税額拾六億六千六百万円、この措置は生産業者については輸出品の売上高の三%又は輸出による所得の五〇%の何れか低い力を貿易業者については輸出売上高の一%又は輸出による所得の五〇%の何れか低い方を夫々所得から控除することとする。但し実際的措置としては、一、生産業者の輸出による所得は国内向売上による所得を含む総所得を輸出品の売上高の国内向を含む売上高に対する比率で按分して計算すること。輸出所得=総所得×輸出売上高/総売上高、二、貿易業者の控除率の計算についても右に準じ左式によること。貿易所得=輸出所得×輸出品売上高+輸入品売上高/総売上高  尚之に伴う詳細は法案審議の際決定のこと。2輸出前貸手形割引料率については、目標を七厘下げ、差当り弐厘下とし政府より今国会開会中に日銀政策委員会にその旨勧告し八月よりその実現をはかること。3日本輸出入銀行の金利については最高七分、最底三分、平均四分五厘に改訂するよう、今国会開会中に政府より同銀行に勧告し八月よりその実現をはかること。八、海運振興に関する施策、1船舶建造利子補給の増加九億八千弐百九拾壱万弐千円、イ、この資金の開発銀行の貸付金利を五分とし其のうち貨物船については第六次船分より、油槽船については第八次鉛分より借入者の支払金利が各々三分五厘となるよう各一分五厘の利子補給を行う。口、市中融資の貸付金利は貨物船については第六次船以降油槽船については第八次船以降の融資分につき借入者の支払金額がそれぞれ五分となるよう利子補給を行う、但し補給期間は十カ年としてその計算は年賦均等償還とする。ハ、前項及び前々項の利子補給は八月一日よりこれを実施するものとする。二、将来海運業者に利益を生ずる場合には一定の割合により利子補給額を停止又は返還させるよう法案審議の際に措置するものとする。ホ、残余のものに対する不均衡は法案審戒の際これを是正する。2外注船及び不航船の造船用鋼材特殊規格割増料の消滅措置、イ、製鉄会社の日本銀行よりの外貨借入金利現行率五分を二分五厘に引下げ又開発銀行よりの借入金利現行一割を七分五厘に引下げることにより本年度約十億円の金利負担を軽減させ、これと製鉄会社の企業努力とにより現行鋼材特殊規格割増料九、十九百円を実質上消滅させる。口、前項の金利引下げ措置は八月一日よりこれを実行し金利引下げと割増料引下げとの相関的措置は大蔵、通産、運輸の三省間で至急協議の上、取りまとめること。九、預貯金等利子課税の軽減拾壱億四千万円、1、源泉一本とし税率を一〇%とする。2、近い将来において政府が市中貸付金利引下げの施策をとろうとするときは一次的に預貯金金利引下げを行うことを避け、金融機関の経営合理化を優生させることを相互に了解し合う。一〇、文教施策費の増弐拾七億壱千八百万円、1、科学振興費等の増四億円、内訳、国立国会図書館と国会図書館図書購入費閲覧書等の増壱億円、文部省所管科学振興費中補助金及び交付金の増壱億八千万円、文部省所管産業教育振興費の増弐千万円、通産省所管工業技術院予算の増壱億円、イ、以上のうち国立国会図書館図書購入費閲覧費等の増は第二次PBレポート及び原子力関係図書の購入その他に充当する。口、文部省所管産業教育振興費の増は近く議員提出法案を予想さ、れる「理科教育振興法」の実施に要する調査費等にその一部を充当する。2、科学振興費五億円、文部省所管、私立学校振興会出資金の増に充てる。このうちより日本学術会議所管国際学術会議その他諸費に百四拾万円を支出することに了解する。3、義務教育学校老朽弱体校舎改修費の増拾億円、4、積雪寒冷地帯中小学校屋内体操場建築費の増弐億円、5、義務教育及び高等学校戦災校舎改築費の増六億円、6、高等学校教員給与是正に要する経費壱千八百万円、イ、老朽弱体校舎の増額は建築年齢三十年乃至四十年のものにも適用する。口、高等学校教員給与是正費は国立学校分であつて、公立学校分に要する経費約参億六千万円は大蔵省、文部省及び自治庁の協議により、後掲の地方財政平衡交付金の増五拾億円中において支出されるよう措置する。ハ、戦災校舎改築費は、その総額のうち中小学校分と高等学校分とが均衡を失せざるよう配分すること、ニ、老朽戦災校舎及び屋内体操場の各施設費に見合う分として地方公共団体に弐拾五億円の公募債を承認することホ、尚この外に五拾億円の公募発行を承認すること。一一、国土綜合開発計画費等の増五千万円、内訳、経済審議庁所管国土開発調査費の増壱十万円、経済審議庁所管土地調査費の増殖千万円、建設省所管国土綜合開発調査費中特定地域調査、地域綜合開発調査費補助の増参千万円、一二、地方平衡交付金の増五拾億円このうちには公立高等学校教員給与是正のための経費約三億六千万円が包含されるものとし他は給与関係費の下足分に充当する。一三、公労法適用公務員の給与体系是正に関する調停案の措置。これについては頭打ち是正に関する部分を承認することとし調停月の翌月より実施する。これに要する財源は今年度については当該特別会計における行政費の節約及び企業努力によつて生じた剰余金を以て充当するも明年度以降については更に考慮すること。一四、電信電話料金の値上の件。右については衆院電通委員会の採決以前に自政、自三党常任委員と下名等が協議して値上率を能う限り縮少するごとく結論を出すこと。一五、日本開発銀行予備金の使途について。予備金中、化学繊維に拾億円、遠洋漁船建造に五億円を充当することに了解する。以上の各項に亘る了解事項を確認するためここに署名捺印し各壱部宛を保有するものとする。昭和二十八年七月二十四日、自由党、改進党、自由党」  これがこの予算案の修正の後においてあいまいなる点について自由党と改進党と鳩山自由党との間における了解事項であります。これが若し私どもが要求いたしましたように、委員長の手を通じてこの三党に申入れた。そうして各党が持つております、これを提出いたすといたしますならば、予算審議の過程において幾多の議論になり、明らかにされ、政府においてあいまいに答弁された点がはつきりするのであります。そうして予算審議は大いにはかどつたかも知れないのであります。然るにこの点につきまして委員長は、この了解事項をとることについて御努力にならない。この点は非常に私どもの遺憾とする点であります。この了解事項の第四の供米奨励金二百億円、「この奨励金は供出割当全量を完遂した農家に交付するという意味に解せず、供出米一石ごとに八百円を交付するものと相互に了解する。」この点が明らかにされますならば、それこそ大蔵大臣の申しました最初に言つた完遂をしない農家には出さない、完遂をしない町村には出さないのだというようなことは、これは答弁がでたらめだということになる。少くとも二十四日以降におきまして、この了解事項がある以上政府の答弁は改められなければならん。然るにそれがなされないで、うやむやのうちにこれが済まされてしまつたということは、当然審議の過程において明らかにされることが明らかにされなかつた。その点をうやむやにしておくことに対して委員長は責任を負わなければならないところであります。又第二点におきまして、「前項の交付に要する金額弐百億円の内壱百億円は二十八年度一般会計より食管特別会計に繰入れることを相互に了承する。」「前項に基く同会計の歳出増の補てを理由として二十九米穀年度において消費米価の引上げを行わないことに相互に了解する。」これは重大でございまして、政府特に大蔵大臣がこの消費米価の点につきましては、いや、これはまあ米価審議会において決定したのちにおいてそれに従う、こういうことであります。ところが米価審議会は、これは大蔵大臣が言うように米価の決定機関ではございません。これは成立の過程からいたしまして、その機能は諮問機関として限られておるのであります。そうして政府がちやんと消費米価等につきましても、原案を作つてこれを出しました今までの実例によりますというと、たとえ米価審議会では満場一致で政府案と違つた決定をいたしましても、政府はそれを取上げたことはない。政府決定いたしましたもの、そうして形式的に米価審議会にかけましたものをそのまま押通しておるのであります。大蔵大臣はその点につきましては、米価審議会の今までの米価決定の実情をお知りにならなかつたのか、或いは知つていたといたしましても、この点についてまあいい加減なことを言つて答弁逃がれをしようというので、そういうことをおつしやつたのか、私はその真意は知りません。併しながらそういうようなことでこの消費米価をどうきめるかということを明らかにされなかつた。ところが(「委員長、注意したらどうか」「発中だ」と呼ぶ者あり)このはつきり米価の問題につきまして三党の問には「二十九米穀年度において消費米価の引上げを行わないことに相互に了解する。」とあるのであります。こういうような相互了解ができまして、二十九米穀年度において政府か本予算を執行する限り消費米価を上げないということ言明されるならば、これは国民といたしましては大喜びでありましよう。然るにそれが政府には言明できないというのでは非常におかしいのであります。こういうよう予算審議過程のあいまいさというものは、やはり委員長がこういう重要な資料のあることを委員から要求されたにもかかわりませず、これを提出させることに十分なる御努力を払わなかつたことから、かような混乱が来たものと言わなければならないと思うのであります。
  451. 西郷吉之助

    理事西郷吉之助君) 岡田君、成るべく簡略にお願いいたします。
  452. 岡田宗司

    岡田宗司君 こういうような状況からいたしまして、本予算案について我我は幾多の疑義を残さざるを得なかつたことは甚だ遺憾であります。更に本日におきまして湯山君から例のこのなんですね、三本建ての問題が出て参りました。この三本建ての問題につきまして了解事項はこういつたものです。(「趣旨弁明だけにしておけや」と呼ぶ者あり)趣旨弁明ですよ。「一二、地方平衡交付金の増五十億円、このうちには公立高等学校教員給与是正のための経費約三億六千万円が包含されるものとし他は給与関係費の不足分に充当する。そこで、この問題について、塚田自治庁長官なり或いは他の政府委員に伺いましたところ、この答弁は極めてまちまちである。そうしてもう八月一日から施行しなければならない予算について、その責任者が一体こういう点についてよく御承知になつておらんようなことがこの委員会において暴露されたのであります。そこで湯山君がこれを更に追及して明らかにしようといたしましたところが、委員長は時間がない時間がないと言つて、まあ無理にこの問題の政府答弁さえ求めることを抑えてしまつたというようなことで、この問題も遂に明らかにならなかつた。要するに修正案というものは早早の際になされたものでありまして、勿論その趣旨につきましては、私ども個々の面についてはこれは原案よりもいいというものも十分に含んでおるかと思います。併しながら早々の際になされましたために幾多のあいまいな点を残しておる。それにはやはり修正案の発案者の意見を聞いて、そうして発案者同士で意見の食違いがなければ、そのないところを私どもが論議をいたしますならば修正案を十分に論議し尽すことの第一歩を踏出すことになる。ところがそれらが何ら明らかにならないままに無理矢理に推し進められて行つたのあります。私は修正案取扱い等につきまして政府のとりました態度も甚だ遺憾と思いますが、委員長のとりましたところの態度、かようなものがあるのにもかかわりませず、そうしてこれらに基いて政府が当然答弁すべきのにもかかわりませず、それをしないであいまいにしておることについて、委員長がこの点について何ら明らかにせしめる努力をしなかつたことは、たとえ与党から選出されました委員長と雖も欠くるところがあつたのではないかと思うのでございます。特に先ほどの供米の点につきましては、大蔵大臣の言明は、この修正案についての大蔵大臣の発言要旨と比べますというと、誠に鮮かなる対比を示しておるということを申上げなければならんのであります。  更にこの問題につきまして私どもがいろいろとこの点について御論議申上げますならば、非常にたくさんの事例が出て参るのでございますが、こういうような点につきまして幾多事例を挙げることは、まあこの辺でそろそろ打切りまして、これから委員長がやはり職責に欠けましたことについての私は不信任の理由を総括的に述べて申上げなければならんかと思うのであります。
  453. 西郷吉之助

    理事西郷吉之助君) 岡田君、もう遅くなりましたから簡略にお願いいたします。
  454. 岡田宗司

    岡田宗司君 それで本委員会委員長といたしましては、私は予算審議に当りましてもう少し慎重を期して頂きたいと思いますことは、今日の分科会の問題にも取扱われておるかと思う。まあ分科会が持たれることは大体におきまして補正予算の場合は別といたしまして、本予算の場合は慣例になつておるのであります。そして先ほど申上げましたように、予算の一般的な審議の際におきまして明らかにならない点が、分科会におきまして更に質疑を重ねて、そしてこれが予算委員会の本委員会に報告されて行つていることが従来の例であります。分科会はなかなか重要な役目をいたすものでございまして、我々は各省の予算の細かい数字は大体分科会において質問することになつておるのであります。ところがこれが省略されようとして、一昨日あたりからいろいろと与党側の委員の間において作略が行われて参つたようであります。そして参議院規則のうちにはないような、先ほど亀田君の御質問にもありましたような、その合同分科会というような性格のあやしげなものまで設けて、分科会を何とかごまかそうというような意見さえ飛び出すに至つておる。到頭しまいには又分科会は省略しろというようなことになつてつておるのであります。そこで理事会で非常にもめて参りまして、左派社会党、右派社会党或いは木村禧八郎君等は分科会を置いて審議をすべしということを主張して参つたのでございますが、委員会はその結果意見が合わなくて決裂をいたしました。ところがこの分科会を省略するということを与党の力で、全部の合意でなくて頻々と行われるということになりますというと、今後の予算審議の上においてこれは政党だか、多数党だから横暴が実現される道が開かれるのであります。全部が一致いたしまして、まあこの分科会はやめようじやないかというような場合におきましては、或いはこれを黙認してもいいかと思いますが、これが意見が違いました場合には、やはり分科会を設けまして、少くとも一日ぐらいは分科会にこれを当ててやることが至当ではないかと思うのであります。よく予算審議について期限があると言われております。又野党のほうは、なに期限なんかどうでもいいから、もつとやつたらいいじやないかというふうに言われておりますが、たとえ今日一般的な質疑をやめまして分科会に移しましても、明日分科会をやりましても、なお明後日七月三十一日一ぱいには予算が上るだけのゆとりはあるのです。従来の例から見ましても、国会の最後の日に予算案が上程されて可決されておる例は非常に多い。そしてそれによつて予算が明日から差支えなく施行されておるのであります。然るにどういう加減か知りませんけれども、むやみに急がれまして、そして分科会を行わない、まあ成るほど七十五条には分科会を置くことができると書いてありますけれども、併しながら慣例ということを考えて頂きますならば、又先例になるということを考えて頂きますならば、これは慎重に考えなければならん問題であります。然るにもかかわりませず、予算委員長は軽々にこの問題について、分科会をまあ省略するというようなことを、理事会の多数がそういうような気持であつたから、七十五条の「できる」ということを楯にとつて、そして分科会は置かない、まあいろいろな、理事の一人からは、それについて、結論においては同じでありますが、若干違つた理由付けもあつたようであります。併しながら結果において、分科会を置かないということを委員長はその理事会の報告をそのまま取上げてやつておる。そして与党側としめして、この報告をそのまま動議に転換いたしまして、そうして分科会省略と申しますか、分科会を設置しないで行くということを多数を以て押切ろうとされたのであります。かようなことは全く先例を無視し、悪例を残すものと言わなければなりません。(「その通り」と呼ぶ者あり)私どもはこの悪例に対して断固として闘わなければならん。(「そうだ」「その通り」と呼ぶ者あり)そのために私どもはかよう取扱を恬として恥ずることなくおやりになるところの委員長の下において、これ以上の予算審議をなすことはできない、こう考えましたが故に、私どもはここに委員長に対する不信任案を提出したのであります。然るに、(「もうちよつと」と呼ぶ者あり)この点につきまして委員長は、まあ先ほどの亀田君なり或いは松澤君の質問に対する答弁から見ますというと、さつぱりその点について御反省がないのであります。私はかようなことであつては、委員長は相成らないと思う。少くとも参議院における予算委員長といたしましては、こういうような悪例を残すかどうかというような問題については、もつと慎重にお考えがあつて然るべきであつたのではないかと思うのであります。これらの点に対する委員長取扱い方というものが、遂に私どもがかように多くの委員が署名いたしまして、委員長の不信任案を出さなければならんようなつたということは、誠に遺憾と言わなければなりません。私はこの委員長のとりました行動が、皆さんによつて是認されるといたしますならば、そうしてこし不信任案に対しまして、或いは御賛同のないかたが多いということになつて参りますならば、それこそ本委員会の歴史を汚すことになる、職責を汚すことになるかと思うのであります。
  455. 西郷吉之助

    理事西郷吉之助君) それでは十二時に只今なりましたので、本日はこれにて散会いたしますが、明日は午前十時より開会いたします。    午後十二時散会