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国務大臣(
小笠原三
九郎君) この点につきましては、大体過日申上げましたように、今度の
関係で千三百億ほどの撒布超過になる。尤も行政費節約等のことも絡んで来ますのと、補正
予算として百億の問題も根本になりますが、一応千三百億に上るものとして、撒超として
一つの案、
考え方をしておるのであります。それは過日も丁度堀木さんに対して御説明申上げましたように、大体私
どもは日本銀行の貸出調整というようなことを主としてやらそう、即ちあそこに二重高率などがありますが、ああい
つた高率適用の範囲についての弾力的運営をや
つたらどうか。それから又あそこがと
つている手形につきましても適格担保手形というものがありますが、あれらについての選択についても、事情を基いて選択を緩やかにし、或いはきつくしたらどうであろうか、又貸付金が、オーバー・ローンのうち、五百億
ちよつと以上あるかと思いますが、これらの回収方についても、少し日銀のほうで操作的にや
つてみたらどうか。それから過日も申しましたように、指定貯金が確か七百四十億ほどあると思いますので、こうい
つた指定預金も弾力的操作をや
つたらどうだろうか。更に又これはそのときも申上げましたが、すぐにとは行きませんけれ
ども、今現在短期の公債が百三十何億持
つておると思います。長期の分が千二百数十億持
つておる思います。これはそのとき数字を持
つておりませんでしたから、堀木さんには申上げましたが、記憶のことで、この辺数字は違うかも知れませんが、そういうふうになります。又近く借替えの来るものもたしか四十億見当あると思います。こうい
つた公債の
一つの公開市場操作ですか、オープン・マーケット・オペレェーシヨンというようなものも
考えてみたらどうであろうか、或いは又短期債とか、公社債についても、これは少しこれらの点についての政策を
考えてみたらどうであろうか。そのほかに、何とい
つても大きくなるのは、いわゆる預金を吸収するという点が一番大きくな
つて参ります。それで資本蓄積には今度源泉一本にして、預金課税を一律一〇%にしましたから、こうい
つた点も少し励みになるのではないか。若しそれだけで足らなければ、次の税法改正等の際においても
考えてよいのではないかと
考えております。そのほかにも全般的に申せば私はもう少し銀行その他で資金の効率的使用を
考えて行く。その他過日来申したいろいろのことも
考え、金融政策或いは財
政政策等は、大体いわゆる
財政と金融との調整方について、各方面からこれをやる、一本だけでやり得るという案は、正直に申上げまして、私は持合わしておりませんので、大小となくやれる案をや
つて、この日本をインフレに持
つて行かないようにする。それから又一番大きい問題としては、やはり出す
財政の資金ですから、資金の時期を選んで持
つて行く、出すのに時期を選んで行く、こういう点も大きい働きをするかと思うのであります。いずれにいたしましても繰返し申すようでありますが、日本をインフレに持
つて行く、物価騰貴に持
つて行くことは困りますので、さようにせざるように十分に配意をいたしたいと存じております。