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国務大臣(
小笠原三
九郎君) 実は堀木さんにお約束してから、いついつまでときちつと具体的にこう申上げるほどのことはまとめておりませんが、大体私の
考えを取まとめたものだけを申上げます。
まだいわば未定稿とでも言うべきもので、推敲を要し、又
考え直さなければならん点がたくさんあると
考えております。ただ私がこの前申上げました
通りに、私は丁度この金融については今度、今お話にもありましたような、大体千三百億くらいの撒超になるのじやないか、尤も行政費の節減等もありますから、その
通りとは見られませんが、そう見られるのじやないか、いずれにしてもこれが今お話のごとく主として第三、四半期以後に出て来る問題だから、これは私も堀木さんと全く憂いを同じゆうして、これが対策には脳漿を絞
つておる次第であります。それでまあ私はいわゆる金融と
財政との総合的調整を通じて通貨価値の維持を図る、それがために
国民生活の安定とか、産業の振興とか、国際収支の改善を目標として持して参りたいというのが根本の
考え方であります。それじやどういうふうに具体的に調整して行くか、まあこういうことなんでございますが、まあ私は
一つは
日本銀行のいわゆる貸出の調整をすべきである、その中には今お話になりましたような、いわゆるオーバー・ローンに対する調整もその
一つであります。例えばいわゆるこれは堀木さんもよく御存じですが、第一次高率とか第二次高率とか、あの高率の限度ですね、この限度を
一つ弾力性を持たせまして、或る場合には限度を引上げ、或る場合には限度を収縮するということ等をやることも
一つであると思います。それから又これもよく御
承知の
通りの担保と申しますか、見返りと申しますか、いわゆる適格手形の範囲についてもやはり或る
程度の選択を加える、つまり時によ
つてはこれを厳にし、時によ
つては多少緩やかにするというようなことでや
つて行くのも
一つの方法ではないかと
考えます。特にこのオーバー・ローンの中に、いわゆる貸付金と称する性質を持
つておるものが五百億以上に
上つておると思いまするが、これの回収方について努力することも
一つの方法だと
考えております。なお又
日本銀行が現在所有しておる公債が短期国債で百十三億、これは七月の二十二日、御参考までに
ちよつと申上げておきますが、二十二日現在で、短期国債が百十三億四千万円、長期国債が千二百三十億四千五百万円ございます。このうち借換期限の来る部分も多々ありますし、短期国債等の分もあるので、一頃やつたようないわゆるオープン・マーケツト・オペレーシヨンと言いますか、公開市場の操作でこういうようなものについて売り出すとかというようなことを今すぐとは申上げられません、
資金がだぶついたときには殖えるだろうというふうに
考えます。と申しまするのは、過日も
ちよつと申上げましたように、今後公債を九月に借換えますが、あの公債の借換利息は大体今の
考えでは五分五分として発行価格九十六円、利廻り六分二厘一毛ぐらいと
考えます。そういたしますと、公債の操作もそれらの条件等も併せ
考えてやれば、いわゆるオープン・マーケット・オペレーシヨンでだんだん行けるのじやないか、このことにも努めて見たい。なお又短期証券とか公社債等についてもそういう
一つの操縦方法について
考えてみたい。それから又、さつき御指摘になつた、これも今の七百二十億に
上つておる指定預金の弾力的操作も
一つする、こういうことが
日本銀行を通じての
一つのやり方ではないか、併しそれだけではなお足らんと思いまするので、私
どもはいわゆる金利政策とでも申しまするか、これによ
つて、預金がいわゆる源泉一割に今度の修正案でなりまするから、そういうことでいわゆる資本の蓄積に大いに努力をしたい。或いは又、今後必要に応じては、あのうちではまだ不徹底な点もあります。例えば割増定期について基本にな
つている、ベースにな
つているものを取るということにな
つています。今まで取
つていないのでありますが、これも
一つの妨げにな
つているのじやないかという
考え方をしておりますので、こういうことについても、いわば預金利子課税についてももう少し
考えて、これについても資本の蓄積方を図
つて行く。それから又よく御指摘にな
つて、この前もお叱りを受けておるのだが、金の効率的使用が欠けているからこういう点について銀行に効率使用をやらせる。それから中央の、何といいますか、大都市の銀行と地方の銀行との間の調整というものが今まで余り十分行われておりません。それで中央と地方との銀行、中央銀行の方は勿論でありますが、そうでなくていわゆる大都市銀行、いわば大銀行、地方銀行もこの頃非常に大きくな
つて参りましたので、これの
資金の調整方も図る、そういうこと等を併せ兼ねてやる、なかなか
一つには参りませんで、すべて併せ兼ねてやることによ
つて、或いは時としては、これはいつか
仰せになつた、私
どもも
日本の金利というものはこれはどうしても下げるべき傾向に貸出し金利は持
つて行くべきであ
つて、上ぐべきではありません。これはどうしても上げるようなことではございませんが、併し金利を上げるということはないが、貸出しについての引締めといいますか、いわゆる弾力性と申すのか、時によ
つて引締めを行い、時によ
つては多少緩やかにする、こういうこと等をや
つて、今申上げた
通り財政金融の一体化を図
つて参りたい、かように
考えておる次第であります。もう少し、この頃の貿易
関係のこと等もありまするし、貿易手形等の
関係もありますからそういうものについての
考えも織り込んで、実は私は具体的に案を作りたいと思
つておりますが、さつきも率直に申上げた
通り、まだそこまで、具体案を作るまでに至りませんが、一応私の
考えておる根本を申上げまして、御批評を乞う次第であります。