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田村文吉君 もう少し私は大達文相から端的に御所信を伺いたいと存じたのでありまするが、ややもするとこの文教問題につきましては、終戦後の空気からいたしまして非常に
言論をはばか
つておいでになるようなのであります。歴代ともそういうような傾向であるのでありまするが、占領治下においてはこれは止むを得なか
つた。殊に私は甚だ、邪推する
意味ではありませんけれ
ども、恐らくはアメリカが
日本に上陸したときに、この
日本の兵隊さんが途方もない強い兵隊さんで、いわゆる特攻隊のような精神を持
つて来たということは、これは軍国主義という何か知らんが、
日本には特別な教育があるのだ、先ずこれはぶちこわしてしまえ、こわさなければ将来とも
日本の軍国主義というようなもの、或いは極端なる国家主義というものが排除できん、こういうような
考え方からすべてのものをこわして、あらゆる新らしい教育制度というものを作られた。こういうことであ
つたのでありまするが、今日
日本が本当に生きようというのには先ほ
ども申上げましたように、
経済でも
政治でもすべての
根幹をなすものはいわゆる道徳である。その道徳に対してそういつまでも遠慮した見解をお持ちにな
つておる必要はないのだ、もつと私は伝統的な精神、或いは昔は教育勅語というようなものもあ
つた。併しそういう点でこういう点がいけないから、こういう点は今後の
日本の民族としては取り去
つて、こういう精神で行くべきである。こういうようなことは
はつきりと私は文教の府にある大臣から示されるべきだ、若しそれを単独でやることが悪いならば十分にそれぞれの学者の
考えもあるでしよう。併し今日のは大部分の、私は甚だ失礼でございまするけれ
ども、学者には尊敬しかねる、余り民論にこびる、甘い
意見にこびる、こういうような形でございまするのでその辺は斟酌されまして、いわゆる大連文教としては思い切
つた一つ施策をなさるべきではないかこれは
国民がもうすべてがはらの中では実は待望している問題だとこう私は
考えるのであります。
そこで地理歴史科を復活しようというような
お話もあるようでございますけれ
ども、私は非常に結構なことで、過去において我々が間違
つたこともないじやなか
つた、確かにあ
つたけれ
ども、大部分は我々の二千五百年の伝統によ
つて生きて来た
日本民族というものは、
一つの立派な儒教、仏教その他のものを集めて、なお今日ではキリスト教の精神も併せた立派な教えがあるわけであります。それによ
つてお進めになるべきであると私は
考えておるのでありまするが、
従つてこの地理、歴史というようなものについて大連文相が至急復活しようというお
考えのようでありまするが、近いうちにこれは復活をなさる御意思でお進めになるのかどうか。併せて前年来問題にな
つておりましたいわゆる修身教育或いは倫理の教育というものについて、真にいわゆる
国民の若い人たちのしつけであり、若い人たちの今後の心がまえというものを、今日では宗教によるとい
つたところで、宗教はいろいろございます。なかなか学校の生徒がそういう宗教に行
つて救われるというわけに行かない。そうするとどうしても学校教育においてはこういう精神教育というものについての御配慮が要るのだ。こう
考えますので、そういう問題につきましても文部大臣はどうお
考えにな
つておるかということをお伺いいたしたい。