○堀木鎌三君 非常にはつきりした御
答弁で私は満足なんです。私は
経済界のことは無論空理空論はいけないと思う。併し自由党の内閣に財界なり
経済界で一番希望するのは
政策の方向さえもどこに行くかもわからないのだ、こういうことが一番問題なんで、その点に御決心なさることは、私は併し
小笠原大蔵大臣としては余ほどの御決心がなくちやできないことかと思うのであります。曾
つて浜口内閣時分に二割
程度物価を
引下げる傾向にあ
つた時にどれだ世間から非難されたかわからない。それだけのことを御覚悟でやらなければならないと思いまするが、そういたしますと、第二番に問題にな
つて参りますことは、今各省がいろいろな
経済政策をや
つております。併し
一つもその点についての有機的な連関性がないために施策が効果的に現われて参りません。私はこの点について
大蔵大臣の御注意を喚起したいし、実は今朝ほどからの同僚議員との質疑応答を聞いておりますと、どうも
小笠原大臣はいろいろ質問によ
つて、非常に何と申しますか、八方美人的な御
答弁をなす
つておられる。例を挙げますれば、
田村委員に対して、そういうふうなお
考えがあれば違
つた方向が出て来ると思いますが、いろいろ自由主義
経済的な観点から
田村委員がおつしやる、そうするとそれにも或る
程度の同感を表せられる。
一体そういうふうな
程度で以て本当にそういうことができるだろうか、そういう点で各省にまたが
つてそういう御
方針がきまれば、それに従
つての
一つの強い総合的な施策がなくてはならない。是非そういうものについて、何と申しますか余り議会
答弁式になさらないで、そうして
政策が
作つて行けるようにして行きたい。いろいろ申上げたいのですが、ここに時間が三分といいますから余り申上げません。幸いに、
通産大臣及び経安の長官を兼ねている
岡野さんも
おいでになりましたのですから、十分その点はお打合せ願いたいというふうに
考えるのであります。私の
考え方で言えば、口でお言いにな
つても、そういう仕組が総合的にできなくてはできるものではない。それらはいずれ本
予算のときに譲ります。
それから特にここで実は大先輩の農林大臣も
おいでにな
つていまするのでお聞きしておきたいと思うのでありますが、今の価格体系の上から見ますると、すべてのものは
国際物価を結局国内
物価は上廻
つているということは事実なんですが、食糧だけ実は
日本の国内の体系のすべての他の場合と違
つている。つまり国際価格の方が高い。その高い国際価格のものを
輸入して食糧の不足を補
つている。こういうのが私は
日本の現状だと思う。そうすると、ここで一応財政を扱うところの大臣と農林大臣とは価格体系について確固たる御信念があれば、これは農産価格特に主食についてお
考えにならなければならない。私不思議に思いますことは、農林省が七千五百円の米価を御決定になるときにパリテイ計算その他で無論出て来たものでありますが、そのパリテイ計算が如何なる形でされておるかもここで申上げる必要はないと思います。併し私
どもの
考えでは、そうすると農林省の
関係の人は米価が比較的安く決定される。それをどこで従来の内閣かごまかしておるかというと、供出代金その他供出奨励金とか包装費だとかいろいろなものでしておる。併し足りない。従
つて供出の数量を減らして自由販売価格の数量を殖やして、そうして幾分でも農家の負担を軽減させよう。非常に私はあいまいなことをしておると思うのであります。これは自由主義
経済を貫こうとするための苦悩だとこう申上げてもよい。私
どもは
物価体系を上げないで下げる方向、健全通貨わ維持しようとする観点から見まして、ここに
一つの
政策が出て来なければならない。農民の供出も殖やしてもらわなければならん。他の
物価との
関係から農産
物価格について
考えなければならん。つまり生産者が
生産費を償
つて行ける価格を
考えなければならない。併し一方において値段をそのままにいたしますれば消費者に
影響し、
物価に
影響して来る。そういう循環過程を断ち切るために二重米価主義を唱えておる。如何にもどうも私はその点で
大蔵大臣に嫌味を言いますと、情勢の変化によ
つて考えるかも知れないと言われると、社会党の諸君からは改進党との何だろう……私
どもが二重価格を唱えるは、決して浅薄なただそれだけ上げればよいのだという
考え方ではない。
日本の価格体系を直さなければならない。而も下向に持
つて行
つて通貨の安全を図らなければならない、健全化を図らなければならないという観点からは当然の帰結としてそういうものが出て来ると思うのであります。どうか改進党の
政策をそう便宜的におとりにならないで、根本に基くところの
一つの財政理論、
経済理論があるということを十分お認めにな
つて善処されなければ到底私は問題にならないと思いますが、そういう点から内田農林大臣は米価の二重価格についてどういうふうなお
考えをお持ちになるのですか、この際承わ
つておきたい。