○楠見
義男君 今の問題に関連してお伺いしますが、問題は二つあると思うのですね。それは十二月三十一日までの間において政令で定めろとあ
つて、十二月三十一日に施行するというふうにはな
つておらないのですね。従
つて準備が整えば八月からでも施行するし、或いは九月からでも施行するという、その文面に現われない、八月から施行するか、或いは九月から施行するか、或いは臨時
国会を召集してやるかということがこの法文の上では実は不明確な問題なんです。その不明確な問題に対してどう処理されるかという問題が
一つなんですね。その
意味から行くと、少くとも法文上は
政府提出
原案であれば問題なか
つたのだが、
衆議院が
修正されたために、その
修正に伴う補正といいますか、補完といいますか、それが
衆議院の
修正案には洩れておる、
少年についての関心がこの
委員会の
宮城さんのようなかたが
衆議院の法務
委員会には恐らくおられずに落されてお
つたのじやないかと、これはまあ聞いてみなければわかりませんが、その問題が
一つありますね。
それからもう
一つの問題は
修正された新らしい
制度においては、
保護観察の内容或いは効果が旧法とは違
つて、
少年についてその
保護観察を付する必要のあるものだけを付すと、こういうことで効果も従来と違
つておる。ところが従来の十八歳に満たない者については、現在もこれは
宮城さんからも
お話があ
つたと思いますが、どうしてもこれは必要だ、而も現在の内容のようなことで以て十分であり、而も必要であると、こういうことで設けられておる。十八歳未満の者の
保護観察が今度は
保護観察に付する必要がある者と、そうでない者というふうにはつきりと区分されて、
保護観察に付する必要がないという者も実は生じて来る結果になるわけです、この改正法においては……。ところがその
根本の
考え方が
保護観察に付する必要があるかないかというのじやなしに、
保護観察に付したほうがいい、又必要があるというので現行法が、
犯罪者予防更生法第三十三条ができておると、こういたしますれば、この際に改めてこの
保護観察に付する必要があるかどうかという現行法の
制度自体の、何といいますか、当否といいますか、価値判断というものをここに改めて又やり直す必要があると思うのです。その価値判断は改めてやらずにおいて、ただそういうふうな
制度を改正されるから、入るものは入るし、そうでないのはもう十八歳未満の者も入れないと……。これは私は
根本的な大きな改革の問題で、この問題は私はまだ十分に検討されておらないのじやないかと思う。従
つていずれにしても、第一の法文の標識の問題にしても、それから又第二には実質の問題にしても新らしい
制度ができるまでは、少くとも従前の例によるとか何とかいうような
制度を設けておかないと、余りにもそれは粗漏な、改正に伴
つて肝心な問題が等閑に付せられるという
宮城さんの御
意見は私は尤もだと思うのですがね、どうなんでしようか。これは一遍
衆議院の何に聞いてから又いろいろ相談しましようかね。