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1953-10-26 第16回国会 参議院 文部委員会 閉会後第1号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十八年十月二十六日(月曜日) 午前十時五十七分開会
—————————————
委員
の異動 八月十日
委員成瀬幡治
君及び
剱木亨弘
君
辞任
につき、その
補欠
として
高田
な ほ子君及び
榊原亨
君を
議長
において指 名した。 八月十二日
委員瀧井治三郎
君及び
榊原
亨君
辞任
につき、その
補欠
として山縣 勝見君及び
剱木亨弘
君を
議長
において 指名した。 八月二十六日
委員安部キミ子
君
辞任
に つき、その
補欠
として
湯山勇
君を
議長
において指名した。
—————————————
出席者
は左の通り。
委員長
川村
松助
君 理事
荒木正三郎
君 八木 秀次君
委員
大谷 贇雄君 木村 守江君 剱木
亨弘
君 吉田
萬次
君
高田なほ子
君
湯山
勇君
深川タマヱ
君
長谷部ひろ
君 三好 英之君
国務大臣
文 部 大 臣
大達
茂雄
君
事務局側
常任委員会専門
員 竹内 敏夫君
常任委員会専門
員
工楽
英司君
説明員
文部大臣官房会
計
課長
内藤誉三郎
君
文部省管理局長
近藤
直人
君
—————————————
本日の
会議
に付した事件 ○
教育
、文化及び学術に関する
一般調
査の件(
風水害
による
被害文教施設
の
復旧
に関する件)
—————————————
川村松助
1
○
委員長
(
川村松助
君)
只今
から
文部委員会
を開会いたします。このたび三日間
文部委員会
を開催することに
決定
いたしましたが、この三日間の間には主として
災害
、
水害
に対するところの
当局
の
説明
を承わろうではないか、又それに対する
処置等
について伺いたい。更に
文教政策
についての御
所見
もお伺いしたい。
補正予算
のことについても質してみたいというような考え方から御案内申上げました。本日から取りあえず三日間の
予定
を以ちまして、以上のようなことについて御審議を願いたいと思います。
最初当局
から
災害
と
水害
に対する
文部関係
の
説明
を承わりたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
近藤直人
2
○
説明員
(
近藤直人
君) それではお
手許
に差上げました
資料
によりまして
災害関係
につきまして御
説明
申上げたいと思います。先ず
昭和
二十八年六月から九月に至る
文教災害関係被害報告
というものを
御覧願い
と思います。第一ページをお開き願いたいと思います。
昭和
二十八年六月七月大
水害
に伴う
文教関係被害総額
及び
査定額調
というのがございます。今次の
被害
は非常に異常でございまして、各地に
学校施設
その他につきまして非常な
被害
を生じておりますので、それにつきまして、私
ども
といたしましては成るべく早くこれを
復旧
したいと、かように考えまして、それぞれ
予算措置
をして来たのでございます。先ず
公立学校施設
の
被害報告額
でございますが、
総額
が四十三億千八百十二万二千円、これは
西日本水害
と
和歌山水害
の分でございます。それから
私立学校
の
施設
の
被害
は二億二千七百十一万九千円、それから
公立社会教育施設
は五億千三百八十八万二千円、次に
文化財関係
でございますが、
史跡名勝天然記念物
が五千百十三万二千円、それから
最後
に
学校給食用
の
物資
でございます。これは
学校給食用
の
物資
、つまり
小麦粉
及び
脱脂ミルク
を地方へ発送いたしまして、その分が
水害
に会いまして亡失した或いは傷んだというようなものでございますが、八百六十七万円。それから一番
最後
の欄に
国立学校
の
施設
の
被害
でございますが、これが十億三千百七十九万八千円。全部合せまして六十一億五千七十二万三千円ということに
なつ
ております。第一頁は
被害額
を載せてございます。 それから次に第二頁を
御覧願い
たいと思います。
昭和
二十八年十三
号台風災害
に伴う
文教関係被害総額調
でございます。これはお
手許
に差上げてございますが、一枚紙とお取替願いたいと思います。
計数
が多少その後集まりましたものもございますので、一枚紙とお取替願いまして御
説明
申上げます。十三
号台風
におきましては
公立学校施設
は二十一億千六百四十九万円でございます。それから
私立学校
はまだ
報告
が全部まとま
つて
おりませんのでここに計上してございませんが、目下盛んに
報告
を集めております。それから次に
公立社会教育施設
でございますが、これが一億二百四十万四千円。それから
文化財関係
で
史跡名勝天然記念物
一億二千五百九十四万九千円。それから
学校給食物資
が若干ございまして四百三十二万二千円。それから
最後
に
国立学校施設
が一億三千二百九十二万六千円。合計いたしまして二十四億八千二百九万一千円というふうに
なつ
ております。
被害額
につきましては、いわゆる
西日本
の大
水害
に対しまして約三分の一
ちよ
つとでございます。大体そういうような
被害
であつたと思います。 こういう
被害額
に対しまして然らばどういう
措置
を
とつ
たかと申しますと、それはその次の頁をお
めくり
を願いたいと思います。
西日本
及び
畿南水害
に対する
応急措置
。あらかじめ申上げておきますが、この
水害対策
につきましては、御
承知
のように
衆参両院
で
水害対策
の
特別委員会
もございまして、私もずつと
関係
いたしまして今日までいろいろ
対策
を
練つて参つたの
でございます。ここに皆様に御
説明
申上げます
資料
はすべてこれは
水害委員会
に御
報告
を申上げ御
了承
を得たものでございますので、あらかじめ御
承知
置き願います。それでは
西日本
及び
畿南水害
に対する
応急措置
といたしまして、先ず
罹災児童等
に対する
教科書学用品対策
、これにつきましては、
教科書
、
学用品
を流し、
学校
を
失つた学童たち
の
学業継続
に対する不安は何ものにもまして大きいので、これらの者に対しまして早急に
教科書
、
学用品
を確保して速かに
学業
を再開させたいというのでそれぞれ
措置
を
とつ
たわけでございます。まず第一に
小中学校
の
生徒
の
教科書
につきましては
無償支給
の
措置
を講ずることにいたしまして、従来これは
災害救助法
によりまして
小中学校生徒
一人
当り
二百七十五円しか僅か計上されておりませんでしたが、今回この
基準額
を
引上げ
まして、
小学校児童
一人
当り
五百円、
中学校生徒
一人
当り
千百円、これはいずれも全壊、流失の場合でございますが、さように
引上げ
たのでございます。以上は
学用品
でございますが、
教科書
はどれだけ然らば配布いたしたかと申しますと、その下にございますように二十八万一千九百二十六冊、これを全部送
つて
ございます。ほぼこれによ
つて応急
の
措置
はとられたものと考えられます。
概略学用品
、
教科書
につきましてはそのような
措置
をとりまして急場を凌いだのでございます。次に
学校給食
に対しましては、これは
水害発生
直後
係官
を
現地
に派遣いたしまして
被害
の実情を調査させると共に、
被害
各
県教育委員会
の
給食主管課長会議
を
現地
で開きまして、
学校給食
の中絶を防止してその
継続
を図るために、とりあえず非
災地区
の在庫の
脱脂ミルク
三十六トンを放出いたしまして、又この
学校給食物資
が流失したり或いは埋没して損害を被りましたので、これに対しましては
特別立法
ができましてその
損失額
を補償する
措置
をとりました。更にこれは
国際連合
の
国際児童緊急基金
、つまり
ユニセフ
に要請いたしまして、
罹災地域
の
罹災児童
、これは
小中学校
入れまして約四十万人分の
脱脂ミルク
の
無償配付
を願いまして、これは幸いに国連の
ユニセフ当局
の認めるところとなりまして、
話合い
がつきまして、目下
文部省所管
の
ミルク
を立換えまして現に
無償配付
をいたしております。
話合い
つきました
数量
は
脱脂ミルク
二千四百三十四トンの
寄贈
でございます。これは週六回、九月から翌年の七月までの
見込
をも
つて
実施する
予定
でございます。なおこれに関連いたしましてその後十三
号台風
が発生いたしましたので、この十三
号台風
の
被害地域
に対しましても
ユニセフ
の
無償ミルク
の
配付
を再び
ユニセフ
の
当局
に要請いたしまして、
現地
の
係官
は大体
了承
を得まして、
目下ニューヨーク
の本部に対しましてその
交渉
をしておるところでございます。これも今日までの
話合い
の模様では恐らく
追加分
が可能ではないか、かように考えております。その
数量
は約八百トンでございます。
ミルク
に対しましては以上のような
措置
をとりました。 それから
罹災学生
、
生徒
に対する
援護措置
でございますが、
罹災家庭出身
の
学生
、
生徒
の
経済的負担
を軽減し、その
生活
を擁護し、
学業
の
継続
を図りますために
生活援護資金
の貸与が必要となりましたので、これらに対しまして
予算折衝
をいたしましたところ、当初は
文部省
の
外郭団体
でございます
学徒援護会
からこの
措置
をするはずでございましたが、その後計画が変りまして、
日本育英会
からこの
措置
をとるようになりまして、これは
金額
は僅かでございますが、
育英会
の
資金
を合せままして約千四、五百万をもちまして
罹災学生
の援助を開始することに
見込
がつきました。それから
授業料
の
減免
でございますが、これにつきましては現
在学校長
の裁量によりまして
授業料収入
の五%までは
授業料
の
減免
が可能でございますが、今回非常な
水害
によりまして相当困難な
学生
も発生いたしておりますので、この五%をオーバーして
授業料
の
減免
をいたしてもらうようにこれも
措置
を済んでおります。 それから
罹災教職員
に対しましては、御案内の
教職員
の
共済組合
がございまして、それによ
つて見舞金
を出し或いは
臨時
の
貸付金
を出す
措置
を講じまして手続は全部完了いたしております。 それから
学校
の
建物
につきましては、
公立学校施設費国庫負担法
の
一般法
もございますが、今回の異常な
水害
に対しまして特に
特別立法
をいたしまして、
一般法
におきましては、
学校
の
施設
の
復旧
につきましては、通常三分の二の
補助
でございますが、今回はこれを四分の三に
引上げ
まして、そういう
特別措置法
を作りまして、
目下政令
その他につきまして
交渉
中でございます。 それから同時に、
社会教育施設
につきましても、
一般法
では全然
補助規程
はございませんが、今回
特別立法
におきまして、
社会教育施設
につきましては三分の二の
補助
をいたすことに
なつ
ております。
学校
の
施設
、
社会教育施設
につきましては以上の
特別措置
がとられたのでございますが、更に
私立学校
の
施設
の
復旧
につきましては、これも
特別立法
をいたしまして、これは国から二分の一の
補助
をいたしまして、その残りの
事業費
につきましては、更に御
承知
の
私学振興会
から二分の一の
貸付金
をするという
特別措置
によりましてこれも
復旧
を速かにいたすつもりでございます。 以上大体御
説明
申上げましたのが今回
文部省
でとりました
西日本並び
に畿南の
水害復旧
に対する
措置
でございます。 それから
台風
十三
号被害地域
に対しましては、これは御
承知
と思いまするが、
衆参両院
の
水害委員会
におきましても、
西日本
と同様な
措置
をするというふうに
決定
されておりますので、恐らくはこの
特別措置法
を改正の上、この
台風
十三
号被害地域
にこれを適用することになろうかと考えます。我々といたしましてもそのつもりで
予算
の
積算等
におきましては、高率の
補助
の下に
積算
をいたしております。これらにつきましては今後
水害委員会
におきまして、恐らくはつきりした方向が
決定
されるものと考えております。 それから
最後
に
予算要求事項
といたしまして、全部で三十三億八千二百四十三万二千円を
予算
要求いたしております。そのほかに
歳入減
が九百二十万五千円でございます。これについて御
説明
申上げますと、第一に
罹災学生生徒補助
に要する
経費
といたしまして挙げてございまするが、そのうちabcdefghまでございますが、先ずaにつきましては、
罹災学生生活援護
に必要な
経費
一億四千八百五万八千円でございますが、これにつきましては、大体第一次
補正
によりまして約四百万が認められました。
金額
は極く僅かでございますが、これは
育英会
の手持ちの
資金
が約千万円ございますので、それと併せまして、約千四、五百万の
経費
をもちまして
学徒援護
の
貸付金
といたしたい、かように考えております。 それから
旅客運賃
の後払
措置
でございますが、これは
罹災学生
が
緊急郷里
に帰らなければならん、それには
汽車賃
を只にしてやりたいという
水害委員会
の要望によりまして、さように考えましてこれは要求いたしたのでございまますが、その後時間が大分経ちまして、
ちよ
つとこの件については実現が困難に
なつ
だのでございます。この点につきましては私
ども
といたしまして、運輸省とも折角
交渉
したのでございますが、なかなかこれは
話合い
がうまく行きませんので、又そのうち時間が経過いたしまして、この点につきましては今日まで
話合い
ができておりません。 それからcの
罹災国立大学生授業料減免
に必要な
経費
でございますが、これが
歳入減
になるわけでございます。一応九百二十万五千円
見込
んでおりますが、これにつきましても目下調査いたしておりますので、果して九百余万上りますか或いはこれ以上に上りますか、まだその点確定いたしておりませんが、ともかくこの
授業料減免
の
措置
をやることにつきましては、
大蔵当局
との
了解
を付けております。 それから
罹災高等学校生徒
の
教科書支給
でございますが、この点につきましては、これはその下の
被害学校学習指導要領等配布
に必要な点につきましては、
大蔵省
との
話合い
がうまく行きませんので、
義務制学校
を主とする
関係
上、
金額
は僅かでございますが、
大蔵省当局
の
了承
を得るところに至りませんのでございます。 それからfの、
水害
による
学校給食用小麦粉等
の
損失補償
に要する
経費
でございますが、これは
ミルク
に併せまして
小麦粉
による
パン
を給食するわけでございますが、この点につきましても、
小麦粉
は現在二分の一の
補助
をいたしておりますが、どうしても二分の一
程度
以上にはこれを拡張するわけにはいかんということになりまして、これも
全額補償
という精神でございますが、甚だこの点につきましては
了解
を得るわけには参りませんでした。それから
ユニセフ寄贈
の
ミルク
による……失礼いたしました、訂正いたします。前の
水害
による
学校給食用小麦粉等
の
損失補償
に要する
経費
でございますが、これは
水害地
にあります
学校
が保管しておりまする
ミルク
或いは
小麦粉
などが
水害
によ
つて
いたんだ、或いは流失したものでございますが、この点につきましては、
予備費
を以て
査定
する
話合い
がついております。
予備費
の
査定
はまだ済んでおりませんが、
予備費
を以てこれは
金額
を見ることに
なつ
ております。 それからその次に
ユニセフ寄贈ミルク
による
完全給食実施
に伴う
小麦粉
に要する
経費
でございますが、これを私先ほど間違えて申上げましたが、
ミルク
と共に支給する
パン
を
全額国
がみるという案でございますが、二分の一
程度
で、それ以上は
話合い
がつきません。 それから
最後
の
ユニセフ
の
水害地寄贈ミルク
に必要な
経費
、これは
ユニセフ
の
ミルク
がこちらに送られて参りまして、
現地
まで
汽車輸送
並びに倉庫に保管までの
経費
でございますが、この点につきましては、
予備費
を以てみることに
なつ
ております。 それから
文教施設災害復旧
に必要な
経費
でございますが、そのうち
国立学校施設復旧
に必要な
経費
は、これは九千九百万でございます。そのほかに
国立学校
の
設備
といたしまして、
予備費
を以ちまして六千二百万というものが認められてございます。それから
公立文教施設復旧
に必要な
経費
は、これは十二億九千万、約十三億でございます。それから
私立学校施設復旧
に必要な
経費
は約四千百万でございます。 それから
最後
に
文化財関係復旧
に必要な
経費
は、これは約千九百万でございます。 以上、
只今
まで第一次
補正予算
できまりました
金額
を申上げましたが、なお先ほど申上げましたように、このほかに
学校給食関係
は
予備費
でみるということに
なつ
ておりますので、その
予備金
がきまりますれば
総額
が確定いたすわけでございますが、
予備費
につきましては目下
大蔵省
といろいろ
交渉
中でございます。これは間もなくきまることと考えております。 以上申上げましたのは
西日本
の
水害関係
でございます。このほかに十三
号台風
の分がございます。この点につきましてはまだ
現地査定
も済んでおりませんので、全く
見込
みの
計数
になりますが、一応枠といたしまして
決定
されておりますので、その枠の
配分数字
を申上げますると、十三
号台風
につきましては
公立学校施設復旧
につきまして約六億、それから
国立学校施設
の
復旧
につきましては約五千万、それから
社会教育施設
の
復旧
につきましては約三千万、それから
私立学校
の
施設
の
復旧
につきましては約千五百万、それから
文化財関係
の
復旧
につきましては約二千五百万、それから
国立学校
の
設備関係
といたしまして二千万、合計いたしまして七億五千万というものが一応枠の
配分
として
決定
いたしております。何分これは早々の間にいたしましたもので、まだ
現地査定
も十分済んでおりませんので
相当出入り
があろうかと思いますが、それらの点につきましては足らん分につきましては
予備費
を以てみるというような
話合い
に
なつ
ております。 以上
水害関係
につきまして
予算
を御
説明
申上げました。繰返して申上げますると
水害関係
の
予算
は
西日本関係
といたしまして約十六億、それから十三
号台風関係
といたしまして約七億五千万というのが大体の
数字
でございます。 なお詳細につきましては確定いたしましてからお
手許
に
資料
を御
配付
申上げたいと
思つて
おります。 それから
特別措置法
を先ほど申上げたのでございますが、その
特別措置法関係
の
政令
を
概略
申上げたいと思います。これはお
手許
に差上げました
資料
を
御覧願い
たいと思いますが、その先ず
特別措置法
といたしましては三本ございます。一本は
公立学校
の
災害復旧
に関する
特別措置法
でございます。これに対する
政令
はお
手許
に差上げてございます
昭和
二十八年六月及び七月の大
水害
による
公立教育施設
の
災害復旧事業
についての国の
費用負担
及び
補助
に関する
特別措置法施行令
、この
政令
につきましてはまだ最終的な
決定
をみておりませんが、問題は第一条の
災害地域
の問題でございます。この点につきましては
衆参両院
の
水害委員会
で御決議下さいました
地域
の
指定
の
基準
がございます。
災害復旧費
がその県の
標準税収入
を超過する場合にはその県を
指定
するというのが第一。 第二は、同じく
災害復旧費
が
当該市町村
の
標準税収入
を超過する場合にはその
市町村
を
指定
するというのが第二でございますが、そういつた
基準
が
決定
されておりますので、その
基準
に倣いましてこの第一条に
地域
を書くのでございますが、或いはここに県の名前を書きまするか、或いは
基準
を書きまするか、その点につきましてはまだ
話合い
がついておりませんが、これは日ならずして
決定
されるものと考えております。私
ども
といたしましては
大蔵省
のほうと折角
交渉
中でございます。 それから
政令
で問題になりますのは、その次に一番おしまいについております
別表
でございます。
別表
第一第二、第三、第四とございますが、これは
設備
の
基準
でございます。この
設備
の
基準
は
政令
を以て定めるということに
なつ
ておりますので、その
設備
の
基準
でございますが、幼稚園の場合には
児童
一人
当り
の
基準額
は四千円、
小学校
の場合は五千五百円、
中学校
の場合は七千五百円というふうに
児童数
を掛けましたものを
設備
の
基準
として
金額
を出すわけでございますが、この点につきましては
少数学級
の場合にはこれの
補正増
をしなければならん。それから
学級
の多い場合には
補正減
をするということは当然考えなければなりませんので、それは
別表
第二によりまして、例えば
小学校
の五十人以下の場合には、五十人に一・九五を掛けて
補正増
をするというようなわけで、この
別表
第二は
補正
の
計数
でございます。 それから
別表
第三は、
建物
の破損の
程度
の区分によりまして
設備費
の
基準額
に要すべき割合を出しております。例えば
建物
が流失した場合には
設備費
の
基準額
に十分の十を掛けて全部見る、それから例えば各階について、床上二メートル以上浸水した場合には
設備費
の
基準額
に乗ずるのは十分の八だというように、これは
逓減率
でございますが、これを
別表
第三に規定してございます。 それから
別表
第四は
社会教育施設
の
建物
一坪
当り
の
基準額
でございます。公民館は三千五百円、図書館で都道府県が設置するものは二万五千円というふうに
社会教育施設
の一坪
当り
の
基準額
でございます。この
設備
の
金額
につきましてもほぼ
大蔵省
と
話合い
が済んでおりますが、まだ
最終決定
という段階には参
つて
おりません。これも間もなくきまることと考えております。
公立学校施設
の
災害
の
復旧事業
に関する国の
負担
及び
補助
に関する
政令
につきましては、以上の
地域
の
指定
の問題と
設備費
の
基準
がまだ
懸案
でございます。 それから次に
昭和
二十八年六月及び七月の大
水害
による
私立学校施設
の
災害
の
復旧
に関する
政令案
を
御覧願い
たいと思います。この
私立学校
につきましては
公立学校
と全く同じ
基準
をも
つて
おりますので、従いまして
政令案
につきましても
災害
の
地域
の問題が第一条にございますが、これは
公立学校
の場合と同様に、やはり問題は
災害地域
の
指定
の問題と、それからやはり
設備
の
基準
の問題でございます。この二点がまだ
懸案
に
なつ
ております。 それから
最後
に
学校給食用
の
小麦粉等
の
損失補償
に関する
特別措置法
によりまする
政令
でございますが、
昭和
二十八年六月及び七月の大
水害
により
被害
を受けた
学校給食用
の
小麦粉等
の
損失補償
に関する
特別措置法施行令
でございます。これにつきましてはやはり第一条の
災害地域
の
指定
の問題がござ、います。原案といたしましては九州の五県と
和歌山
県、山口県を
指定
いたしたいと、こういう希望でございますが、この
地域
の
指定
につきましてはまだ
大蔵省
と
話合い
が済んでおりません。要するに我々は県を以て
指定
することが最も都合がよろしいのでございますが、これに対しまして
市町村
を単位として
指定
するという意見がございまして、その点がまだ
十分話合い
が済んでおらないわけでございます。 以上
三つ
の法律に伴います
三つ
の
政令案
につきましてその問題と
なつ
ております点を
概略
申上げたのでございます。この
政令
につきましても、そうそう長く放置を許されませんので、恐らく今週中にはこれを規定いたしたい、かように考えております。 以上大体
水害関係
につきまして申上げましたが、まだ十三
号台風
につきましてもいろいろ
懸案
の問題がございますので、それぞれ
実地査定
をいたしたり或いは
資料
を集めたりいたしまして、いろいろ準備をいたしておりますが、最終的に全部成るべく早い機会に
決定
いたしたいと考えております。甚だ簡単でございますが、
概略
御
説明
申上げました。
荒木正三郎
3
○
荒木正三郎
君
文部大臣
が見えておりますので、十三
号台風
、これを
昭和
二十八年の六月及び七月の大
水害
による
臨時措置法
の中に含めるようなお考えであるかどうか、
水害対策特別委員会
では、今度は決議として
政府
に要望する、こういう態度をと
つて
おりますが、
従つて政府
のほうでこれは処理される問題じやないか、
政府
の
所見
を伺
つて
おきたいと思います。
大達茂雄
4
○
国務大臣
(
大達茂雄
君) 私のほうではやはり六月、七月の
水害
と同じ
扱い
をしたいと
思つて
お
つて
、先ほ
ども
ちよ
つと御
説明
を申上げましたが、同じ
基準
で今
大蔵省
と
話合い
をしております。それによ
つて
、先ほど申上げましたように、
数字
はまだ実はすつかりまとま
つて
いないのですけれ
ども
、大体七億五千万円という
話合い
ができております。その一部は
予備費
として計上するかも知れませんが七億五千万円、これは
数字がま
とま
つて
いないものですから多少出入があるかも知れないと思いますが、若しそれが足りないということであれば
予備費
で出す、こういうつもりで大体
大蔵省
とも
話合い
がついております。
荒木正三郎
5
○
荒木正三郎
君 そうしますと、十三
号台風
は
特別措置法
と同様な
扱い
を受ける、こういうふうに
了承
して大体間違いございませんか。
大達茂雄
6
○
国務大臣
(
大達茂雄
君) ええ。
荒木正三郎
7
○
荒木正三郎
君 それから
予算
の問題ですが、今度の第一次
補正予算
では三百億という、あれは十三
号台風
を含んでおると思うのですが、三百億の
風水害予算
が組まれておるのですが、その中で文教
関係
は先ほどの
説明
によると、合せると八十何億だつたと思いますが。
大達茂雄
8
○
国務大臣
(
大達茂雄
君) 三百億の中で。
荒木正三郎
9
○
荒木正三郎
君 いや、三百億の中では非常に額が先ほどの
説明
では少いのですが、十六億と七億五千万円ですから、三百億の中では二十三億五千万円のものが文教
関係
の費用に
なつ
ている、ところが文教
関係
のいわゆる六、七月の
災害
、十三
号台風
の損害を併せますと約九十億に
なつ
ております。九十億のうち二十三億認められたのです。こういうことになるわけですが、そうすると二割に足りない額になるのじやないかと思いますが、どういう割合に
なつ
ておりますか。
近藤直人
10
○
説明員
(
近藤直人
君) それは先ほど申上げました
数字
は
被害
の
復旧
額でございまして、それに対して国の
負担
額ですから、公立文教のほうについては、四分の三を
負担
する、その
負担
額は先ほど申上げたように二十三億になりましたが、
社会教育施設
については三分の二、ですから
復旧
額即
全額国
がみることになりますから、
復旧
額は即国の
負担
額になりますので、三分の二とか……。
荒木正三郎
11
○
荒木正三郎
君 私のお尋ねしておるのは初年度に割当てられた
復旧
費が少な過ぎるのじやないかということをお尋ねしておるのです。初年度に
災害
総額
の何パーセントくらいに
なつ
ておりますか。
近藤直人
12
○
説明員
(
近藤直人
君) 大体
文教政策
については六割、四割という考えを持
つて
おります。普通の公共土木
災害
につきましては御
承知
の三割、五割、二割ですか、三年計画で。それが一割五分とかいろいろ変
つて
参
つて
おるようでありますが、文教につきましては是非これを二カ年でやる、而も
特別措置法
にも要望がありますので、六割、四割ということで。
荒木正三郎
13
○
荒木正三郎
君 初年度において六割を取る、こういうことですか。
近藤直人
14
○
説明員
(
近藤直人
君) そうです。
荒木正三郎
15
○
荒木正三郎
君 それは非常に結構なことだと思いますが、それだけの金が計上されていないと思いますが、これはどういうことになるのですか。
大達茂雄
16
○
国務大臣
(
大達茂雄
君) 私間違
つて
おつたら
説明員
のほうで訂正いたしますが、これはこの表にありますように六、七月の大
水害
に伴う
被害
総額
が、
報告
によると六十一億五千万円、それから
文部省
で
査定
した
金額
が五十一億五千三百万円、これが
西日本水害
の
被害
総額
になるわけでございます。
文部省
査定
五十一億五千万円に対して
予算
が十六億と、こういうふうに
なつ
ております。その十六億というのは、これを六割、四割の割で二カ年度で分ける、これはやはり
大蔵省
としても
現地
の
査定
をしておりますし、
大蔵省
の
査定
と、それから今管理局長が申されましたように、こつちの五十億は
被害
総額
ですから、十六億というのは国で
負担
する
金額
ということになります。それから十三
号台風
の分は、これは六割七割ということになりますか。
近藤直人
17
○
説明員
(
近藤直人
君) 五割、五割。
大達茂雄
18
○
国務大臣
(
大達茂雄
君) 五割、五割ぐらいですか、これはまだ
数字
がはつきりしないものですから、初年度に余り余計出せない
関係
であります。
大蔵省
の
査定
が相当きつかつたということも言えるのでありますが、大体この
程度
に
話合い
ができておるようであります。
荒木正三郎
19
○
荒木正三郎
君 大体
数字
の出た理由はわかりました。そうすると
文部省
査定
では、
西日本
災害
で五十一億、それから十三
号台風
はまだ正確でないという段階ですな。大体二十何億ですか、そのうち結局国として
負担
するものは、
西日本
において十六億、それから十三
号台風
において七億五千万円、こういうことに大体
決定
をみておると。
大達茂雄
20
○
国務大臣
(
大達茂雄
君) 大体そうであります。
荒木正三郎
21
○
荒木正三郎
君 それが三百億の中に含まれておる。
大達茂雄
22
○
国務大臣
(
大達茂雄
君) いや、三百億じやないですね。来年度に支出される分の両方含めて二十三億です。
荒木正三郎
23
○
荒木正三郎
君 そうすると、大分この
災害
の実態と国の出される
予算
との間に開きがありますね。大体
特別措置法
によれば四分の三
補助
ということですからね。ですから五十一億の大体四分の三に近い額が認められておれば私は
災害
に応じた
復旧
ができるのじやないかと思うのです。併し十六億しか組まれていないということになると
復旧
が相当困難になるのじやないかというふうに思われます。
内藤誉三郎
24
○
説明員
(
内藤誉三郎
君) これはいずれ
補正予算
の御
説明
のときによく
数字
をお示し申上げたいと
思つて
おりますが、今回は財務局と
文部省
との
現地査定
をいたしました結果、
建物
、土地、耕作物、
設備
等につきましてそれぞれ
現地
の
査定
が相当きびしかつたでございまして、その結果によ
つて
おるわけでございます。ですからそれが一つと、いま一つは四分の三とおつしやいますけれ
ども
、四分の三は
政令
指定
県、
指定
町村でありますから、
指定
外のものがございます。そういう点で
数字
が変わ
つて
来るわけでございます。
荒木正三郎
25
○
荒木正三郎
君 併し
指定
以外でも大体において三分の二は
補助
しなければならないということに
なつ
ておりますからね。それに比べても余りにもこの額が少いのじやないかと思うのですね。五十一億の三分の二であれば十六億よりは相当多いだろうと思うのですがね。
内藤誉三郎
26
○
説明員
(
内藤誉三郎
君)
数字
をこの次の
委員
会に、国会の始まりますまでには整備いたしますが、例えば
建物
については
現地査定
は七割七分二厘、或いは耕作物については幾らとか、或いは
設備
については二割三分、こういうふうに
現地
の
被害
坪数、或いは
被害額
に対する
査定
率が、
現地査定
でございますので、その
査定
率を基礎にいたしますとこういう結果になるので、今お話のように余り開きがあるとおつしやいますけれ
ども
、
査定
いたしますと、そういうことに
なつ
たわけでございます。
荒木正三郎
27
○
荒木正三郎
君 この問題は単に文部だけの問題じやないと思うのですが、
災害
予算
全体として相当額が少な過ぎるという意向は各方面に相当強いわけです。従
つて
文部委員会
としてもやはりこの間の
数字
的な実情というのは十分私は調査研究する必要はあると思うのです。
災害
の実態と今度の三百億の中に組まれている文教
予算
との
関係
ですね、これは十分検討をして、そうして少なければ当
文部委員会
としてもその増額を要求するというふうにしなければならん性質の問題であると思う。これは
補正予算
の際に、もう少し
数字
を具体的に
説明
するということであれば、その際に譲
つて
も私はいいと思う。併しこれはここで打切ることのできない問題だということだけを申上げて置きます。
吉田萬次
28
○吉田
萬次
君 丁度大臣がおいでになりますからお尋ねしたいと思います。それは思想問題でありますが、私
ども
は
西日本
の
風水害
の当時にも、さほどにこの思想問題について関心を持
つて
おりませんでした。併しながら今度の十三
号台風
によ
つて
最も
災害
のひどいと言われる愛知県に住んでおる
関係
上、この問題について初めて気がつき、又将来に対する相当文教の府に当るかたがたの御考慮を願いたいということは、丁度ときたまたまあの高教組の問題で県庁の前に坐り込みなんかせられた問題がありました。併しながらこれは幸いに高教組の一部の人の敗退、敗退と申しますか、とにかく問題はあらかじめ解決をしました。併しながら幸いにこれが解決をするような方針に
なつ
たということは、十三
号台風
が来たからだと思いますけれ
ども
、十三
号台風
の結果愛知県ではまだ海岸線の方面で完全な
措置
が講ぜられておらん
関係
上、水がどんどん高潮によ
つて
入
つて
来る、高潮でなくても入
つて
来るというときに当
つて
、地方の民心というものは非常に尖鋭化しておるというふうなことについての民心というものは動揺と、それから恐怖の念に、非常ないろいろな宣伝に対して左右せられるようになります。これはその地方における実情から見て非常に将来憂慮すべきものだと思います。殊に共産思想、或いはその他の過激な思想というもの、或いはそれを司
つて
おる諸君の態度、すべての方面から勘案しまして、思想上に対して非常な憂慮すべき現象が起るきざしがあり、又起りつつあるように聞いております。これに対する、ただ
予算
というものにおいて
計数
的な問題のみを考慮せず、文教の府に当るかたがたの非常な御考慮が願いたい。そうしてかような方面に対する
児童
の影響、或いは一般民衆に対する社会
教育
上重大なる関心というものを私は初めて知つたようなわけでありまして、これは相当長く続くと思います。この問題について大臣はどういう意向を持
つて
おられるかということについてお聞きしたいと思います。
大達茂雄
29
○
国務大臣
(
大達茂雄
君) 愛知県の十三
号台風関係
が一般の人心、或いは思想の上にどういう影響を及ぼしておるかということは、実は私詳しく存じません。ただ高等
学校
の校長の進退等に関連して坐り込みの事件があつたということは
承知
しておりますが、実は甚だ申訳ないのでありますが、
文部省
ではそういう点について詳細な情報というか、
報告
と申しますか、そういうことが、実は非常に不十分な実情でありまして、詳しいことはわからないのであります。ただ
水害
、こういう大災厄に当
つて
、それが人心に大きい影響を及ぼすということは、これは常にあることであるし、殊にこの頃のように何となしに世相が混乱しておる際でありますから、特にそういうものはあり得るとは思います。ただ
文部省
といたしましては社会
教育
の面におきましても思想の指導と申しますか、そういう思想の動きについてかれこれどうしたほうがいいとか、こうしたほうが好ましいとかいうような指導をするということは、すべき立場でもなし、又そうする考えは持
つて
おりません。ただ
学校
の
教育
として、そういう思想の動きというものがすぐ
学校
教育
の、殊に年少の子供を扱
つて
おる
小学校
、或いは
中学校
等において、そういう思想の動きがすぐ
教育
の上に反映するとか、或いはその影響を受けるというような点につきましては、これは私
ども
としてはそういうことがあ
つて
はならないと考えておるのでありますから、十分注意はしたいと思うのでありますが、先ほど申上げますように、実は打明けたところを申上げますと、
学校
教育
の実情というものに対する
文部省
の何と申しますか、はつきり正確な事情を掴むことが非常に不十分でありまして、これは私
ども
としては非常に遺憾に
思つて
おります。今後もできるだけ地方の
教育
責任者である
教育
委員
会のほうと連絡を緊密にして、少くとも
学校
教育
の実情についてはそれをどうするこうするということは別問題といたしまして、
文部省
の責任上
学校
教育
の実情だけは、はつきり知り得るような状態にありたい、かように考えまして、地方との連絡につきまして、なおまあ、できれば
予算
的にもそういうふうな
措置
を講じたい、こういうふうに
思つて
おります。
吉田萬次
30
○吉田
萬次
君 もう一つついでに承わ
つて
おきますが、先ほど六大都市の
教育
委員
会から陳情がありましたが、その節荒木さんからのお話もあつたんですが、六大都市或いは六大府県というものについて、非常に今日の実情或いは
予算
の上において困窮しております際に当
つて
、義務
教育
の半額国庫
補助
というものが打切られるような窮地にあるというようなことでしたならば、今から考慮して講じて頂かなければならんと思いますから、義務
教育
の半額国庫
補助
というものに対する見通しについて、大臣どうお考えに
なつ
ておるのでありますか、
ちよ
つと。
大達茂雄
31
○
国務大臣
(
大達茂雄
君) 御
承知
の通り前国会におきましては、結局特例法に関する決議がなかつた。従
つて
法律による義務支出でありますから、当然いわゆる富裕府県に対しても二分の一国庫
負担
ということは行わなければならんということでありますが、ただ八月以降の
金額
に対しましても四十八億円という相当な
数字
に上
つて
おります。当然この第一次
補正
でや
つて
も第二次
補正
でや
つて
もかまわんのですけれ
ども
、その四十八億円というものはこのままで行けば計上されなければならん性質にある。いや応なしに計上されなければならん性質のものでありまして、
大蔵省
としては非常に財政の逼迫しております際でありますから、先ほど荒木さんからのお話のように、これだけの大
災害
を受けて文教の
復旧
施設
というものが二十数億という
程度
まで圧縮されるような実情でありますから、それほど実は
大蔵省
としては、まあ
予算
の編成に非常に苦労しておる。そこでまあ何と申しますか、四十八億そのまま出すということはどうもむずかしいというか、諦め切れんところがあるようであります。
文部省
としては勿論それを是非特例法を通して出さないことにしたいという立場は当然これはあり得ないのでありますが、併し
政府
全体としますというと、今のように非常に財政逼迫しておる際で、特に
補正予算
の財源に非常に難儀をしておりますから、何とかあれを、もう一度特例法を一つ出してもら
つて
、まあその後八、九、十ですか、三月経
つて
おりますから、このほうはどうしても、もう出さなければならんから、一カ月六億として十八億です。で、あとの四十八億のうちの十一月以降の分、三十億だけでも一つ何とか特例法をもう一遍審議をお願いをして出さんでも済むようにしたい、こういう考えのようであります。ただ問題は、果して成立するものか、可決せられるものか、その点わかりませんから、私
ども
としてそれも大いにやろうというわけには行かんのでありますが、実情は、打明けたところを申上げるとそういう実情であります。或いは
大蔵省
がどうしても
予算
を組むのに困るということになれば又特例法を出して審議をお願いするというようなことにならんとも限らんような実情であります。今のところでは別にどつちとも言えません。私のほうは別に出さなければならんとは
思つて
おらんのですが、まあそんな模様であります。
大谷贇雄
32
○大谷贇雄君 さつき十三
号台風
の問題につきまして、六、七月の中に同じに取扱うと、こういう言明でありましたが、ただまだ十分調査ができておらんから、初年度には
予算
が少かろうということですが、これは御
承知
の通り十三
号台風
は非常な実は
被害
でございまして、無論九州、近畿の状態もひどかつたわけですが、私
ども
の見聞によればまあ大変な惨害でありまして、これは一つ急速に御処置を願いまして、早く
予算措置
をお願いしたいと思うのですが、大体この愛知県などはもう今月の初めに四億何千万という損害状況が出ておりますが、ほかの県も大体出ておると思いますが、
総額
どのくらいな十三
号台風
による文教
施設
の
被害
があつたか。この点一つお聞かせを願いたいと思います。 それから第二はさつき御
説明
がありました
私立学校
関係
のこの
災害
に対する
特別措置
でありますが、この十二条を見ますというと、
私立学校
振興会が現在持
つて
おる費用の中から出すんだというようなふうにも解釈されますが、まさかそういうふうなことはなかろう、当然これが
災害
を受けたのですから別に
予算
をお取りに
なつ
て
私学振興会
へお出しになるものだと解釈しますが、その点は如何でしようか。今義務
教育
費国庫
負担
法の打明け話が大臣からありましたが、これは一つ大臣としては飽くまで文教立国という建前において、これは閣議でどうあろうと
文部大臣
のお立場としては義務
教育
完成の立場から是非とも一つ強く御主張願いたいと思いますが、さつきのお話を聞いておるというと、どうも全体の様子を眺めて妥協なさるようなお気持もあるようですが、これは一つ
文部大臣
御信念を持
つて
強く一つ御主張願いたいと思いますが、その点に関してもう一度明確に一つお話願いたいと思います。
近藤直人
33
○
説明員
(
近藤直人
君)
公立学校施設
資料
を
御覧願い
ますと二十一億一千六百四十九万円というのが
報告
されております。
大谷贇雄
34
○大谷贇雄君 十三
号台風
ですか。
近藤直人
35
○
説明員
(
近藤直人
君) 十三
号台風
であります。先ほど申上げましたようにまだこれから私
ども
が
現地
に参りまして
大蔵省
の財務局と共同
査定
をいたしますので、その手続がまだ済んでおりません。従
つて
この
被害額
が或いはこれより上廻るか或いはこれより減りましようか、その点がまだ確定いたしません。これは急速にやりたいと
思つて
おります。 それから第二点の
私立学校施設
に対する
復旧
費でありますが、これは法律によりまして二分の一
補助
でございます。残りの
事業費
の二分の一につきましては
私立学校
振興会から貸付けをするということに
なつ
ております。その貸付けの財源の問題でございますが、これにつきましては勿論新らしく
予算
要求をいたしまして、
政府
出資を願いまして、これに充当するのが筋でございます。併しながら
金額
がさほどかさばりませんものですから、取りあえずは
私立学校
振興会が
手許
に持
つて
おりまする
資金
から融通いたしまして、早急これを
査定
いたしまして、この分につきましては二十九年度の
政府
出資のときに合せて要求するという方針でございます。そういうことで、
水害委員会
におきましてもお答え申上げて参
つて
おります。
大達茂雄
36
○
国務大臣
(
大達茂雄
君) 御尤もなお話でありますが、実はまあ前国会における審議の経過と申しますか、実は審議とい
つて
も不審議で、殆んど審議されなかつた実情でありますから、まあ少くとも私は
大蔵省
なり財政方面に協力する意味で法律案の提案の役を引受けるにいたしましても、国会が通らなければ実は意味を持たないので、常識から言うと、国会でそれが通過する見通しを待たずに特例法を出して、又同じことに
なつ
ても、随分おかしな話だと
思つて
おります。ただ
大蔵省
の考えでは、どうも出さんでも済む金だから、まあ国会の意向の如何にかかわらず、何遍でも出したい、こういうことを実は言
つて
おるのであります。これはまあ普通に考えると、通過の
見込
みのないものを出すというのも随分妙な話だと思うのでありますけれ
ども
、これは私の付度でありまして、或いは外へ洩れて、
大蔵省
あたりから文句が出るかも知れませんが、
大蔵省
の口吻から私が察しますと、目前の
予算
編成に財源がなくて非常に困
つて
いる。それで今度の
予算
の編成に
当り
ましても、御
承知
のように、前国会において成立した
予算
の
金額
を一部減額修正をして、そしてそれを財源に充てようと、それほど苦しいときでありますから、なかなかこの四十八億をそのまま出すということは非常に困るだろうと思うのです。それで結局今度の
補正予算
からこれを落して、そうして特例法を提出すると、そうして特例法がやはり可決に至らない場合には、これはどうしても出さなければならん性質の金でありますから、第二次
補正
で出すか、或いは来年度の
予算
でその足らず分を計上するか、何こかしなければならんことは明瞭なんです。そこで今目前の財源に困
つて
いる金の上の辻褄を合わせるために、その困難を先へ先へと廻して行くというような苦しい立場があるのじやないかと想像するのです。ですから、まあ今のところはわかりませんけれ
ども
、どうしても
予算
がそれで編成できないようなことであれば、結局同じことなんですけれ
ども
、今出さなければ、来年度の
予算
に出さなければならんし、それから来年度の通常
予算
でそれが出ないということになれば、又通過しないということになれば、今度は来年度の
補正予算
で出さなければならんと、順繰り順繰り先ヘ送
つて
行くようなことになるのではないかと思うのです。そういう実情でありまして、まあ私としては、そういう国会で通過するかしないか、つまり国会の意思に副わないような法律案を、同じものを何遍も何遍も出すということは、随分おかしな話だと
思つて
おりますが、まあ実情だけを申上げて御
了承
願いたいと思います。
深川タマヱ
37
○
深川タマヱ
君 大体伺つたのでございますけれ
ども
、私、今度
風水害
がございましたために、折角自然成立いたしていたような形に
なつ
ていた六大都市の
教育
予算
が早速対象として取上げられるということ、それ自体が即ちやはり昨年でしたか、平衡交付金から特に
教育
予算
というものを別項目にして新らしい法律案を作つた理由だと思うのです。こんなことになるから、一般の平衡交付金の中に
教育
予算
を入れておきますと、性格が弱いものだから土木事業などにどうしてもとられやすいからというので、第二国民を養成するためにたとえどんな事態が起
つて
も
教育
予算
だけはちやんと厳然として確保しておきたいというのがもともとの性格であつたと思いますのに、今年二回ばかり
風水害
が起つたからとい
つて
早速六大都市のこの半額の
教育
予算
が将来永久に取上げられてしまうなんということは、随分
教育
ということを軽視しているようにさえ考えられます。さすがにやはり
大達
文相は文教の府の長官でいらつしやいますだけに、大臣自身はそんなことを考えていらつしやらないのであつたことはせめてもよかつたことで、大臣に敬意を表するのでございますけれ
ども
、この上ともに、
大蔵省
がそういうことをおつしやいましても、一つ大臣としてはよく頑張
つて
頂きたいと思います。通過しない法律案を何遍も何遍も国会の意思に反してでも飽くまで出そうと、又出す必要がないものだというところに非常に問題があると思うのですね。これは私たち前回も何遍も申上げましたように、事
教育
に関する以上は、都会の子供と農村の子供と差別
扱い
をする理由はどこにもございませんので、各六大都市は非常に富裕県だと言われておりますけれ
ども
、私東京都出身でございますので、この夏も随分調査いたしましたけれ
ども
、なすべき仕事をいたしませんで、たまたま
予算
が均衡状態保
つて
おるという理由で富裕県だと言われておることはどうも納得が行きませんので、それなら赤字を出してもなすべき仕事をどんどんやらして行きますならば納得できるようなことになるのではないかと思つたりいたしますが、これは一つやはり大臣の格別なるお力添えを得たいと思います。大臣は元東京都長官であつた経験もおありになるので、私が申上げるまでもなく十分御認識だと思いますが、どうかよろしくお願いいたします。
高田なほ子
38
○
高田なほ子
君 荒木さんの御質問に
ちよ
つと関連して伺いたいのですが、五十一億の
文部省
の
査定
額はぎりぎり精一ぱいというところですか、それから聞きたいのです。
近藤直人
39
○
説明員
(
近藤直人
君) これは
文部省
だけでやりました
査定
でございます。併しながら、これは全部
現地
へ行きまして
査定
したものではございませんので、一部類推もございます。必ずしもこれがぎりぎりというわけのものではないと考えます。
高田なほ子
40
○
高田なほ子
君 さつき大臣の御発言の中に、地方自治庁の調査では六十一億ということをおつしやつたようでしたが、私の聞き違いでしようか。
近藤直人
41
○
説明員
(
近藤直人
君) 六十一億と申しますのは、これは
現地
からの
報告
そのまま生のものでございます。従いまして、その
査定
の
基準
もございませんので、
現地
ではいろいろまあ
報告
をまとめて来ておりますので、その点が如何かと思いますので、それで私のほうから参りましたものと一部類推を合せまして五十一億とそれを
査定
したわけでございます。その後更に私のほうと
大蔵省
の財務局と共同いたしまして
査定
いたしたのでございます。
高田なほ子
42
○
高田なほ子
君 地方自治庁の
査定
は、これは実態に即した
査定
で、かなり
被害
の実情を
復旧
し得る地についた
査定
であるというように一応考えられるわけです。
大蔵省
のほうの
査定
と
文部省
の
査定
とぎりぎり合せて先ほどの
西日本
の
災害
に十六億、
台風
十三号に七億という
予算
を組まれて、それを六割と四割に分けて二年計画でこれを
復旧
させるというような御計画でありますが、出て来た
数字
は、とてもこの二年計画で、できないということは、これは素人でもわかるわけですね。それで先ほどから
政府
側の御
説明
は
予備金
を充てて、それの
災害
を
復旧
させたいという希望意見が述べられておるわけでございますが、私は大臣にお伺いしたいのは、その
予備金
というものが一体どれくらい実情に即して
災害
に対して割当てられるかという見通しの問題です。非常に財源が不足して困つた困つたとおつしや
つて
おりますから、
予備金
という希望を持
つて
おられても、これはその希望が容れられないのではないかということを心配するのです。それで
予備金
が一体どのくらい割当てられて来るのかという見通しと、若しそう割当てられない場合に、勿論第二次
補正
という問題が出て来ると思いますが、そこらの兼合いで
災害復旧
の大まかな見通しを大臣にお伺いしたいと思います。
大達茂雄
43
○
国務大臣
(
大達茂雄
君) この六十一億という
数字
は先ほど御
説明
を申上げましたように、これは自治庁が取りまとめたとか或いは自治庁が
査定
したという
数字
じやありませんで、各府県からその
被害額
として
報告
のありましたものをそのまま集計した
数字
であります。従
つて
やはり時日が経過し、或いは人が迭
つて
みれば相当
査定
の余地のある
数字
だと思います。 それから今の
予備費
の問題でありますが、この文教
施設
の
復旧
等につきましては
予備費
の問題はありません。
西日本水害
に約十六億、これは
施設
の
関係
ではもつと下廻
つて
おると思いますが、大体十六億、それから十三
号台風
で七億五千万円ですが、この七億五千万円の
数字
のうちの一部を
予備費
で出したらどうかということに
なつ
ておるのですが、これは大体
大蔵省
とも
話合い
がついて、
予備費
と
補正予算
の出る
数字
と合せて七億五千万円、こういうふうに考えております。この
災害復旧
の
復旧
関係
のものにつきましては、
西日本
の十六億という
数字
以上に別に
予備費
が出るべきじやないか……。
近藤直人
44
○
説明員
(
近藤直人
君)
ちよ
つと補足
説明
をいたします。先ほど大臣のお話の中で、ただ
学校給食関係
のものにつきましてはこれは
予備費
でみる。例えて申しますれば、
水害
によ
つて
学校給食用
物資
が流れたとか、いたんだとか、その
損失補償
、これは
予備費
であります。これは
ユニセフ
から
寄贈
してもらいました
ミルク
の輸送費、保管料、これは
予備費
であります、というふうに
学校給食関係
が大体
予備費
と考えております。 それからもう一つは
学生
会館の問題でございまして、これは
水害
でいたみましたので、この
復旧
費につきましては
予備費
ということだけでございます。
高田なほ子
45
○
高田なほ子
君
予備金
は
学校給食関係
だけで、あとは
予備金
のことについてはもう全然見通しがないということになりますね。そうすると六十一億のこの
被害
は、確かに
被害
実体であるということを大臣も言
つて
おられるし、そうすると五十一億の
文部省
の
査定
額に上廻ること十億の
被害
を受けているわけです。その十億の
被害
はそうすると誰が
負担
するかということになります、それを
復旧
させるには。
近藤直人
46
○
説明員
(
近藤直人
君)
公立学校
につきましては、原則といたしまして
市町村
がこれを
復旧
する建前でございます。それに対して国が四分の三の
補助
をやる、残りは起債で賄うという建前に
なつ
ております。
私立学校
につきましては、これは
学校
法人がこれを
復旧
するというのが原則であります。それに対して国が二分の一
補助
いたしまして、残りの分につきましては
私学振興会
から貸付けてもらうという建前でございます。
社会教育施設
につきましては、国が三分の二を
補助
する、残りにつきましてはこれは
市町村
立でございますので
市町村
が
負担
する、勿論起債は二分の一でございます、そういう原則でございます。
高田なほ子
47
○
高田なほ子
君 原則は原則でございましようけれ
ども
、この
災害
を受けた
市町村
の財政難というものは、もう申上げるまでもないことでありますから、建前はそうであ
つて
も、実際に受けた
被害
をそのままにしておくことができないために、各
市町村
ではやはり一般の父兄がこの
被害
を建直すために相当の
負担
をいたしておるというのが現実です。又しなければならないということに
なつ
て参りますと、国民が非常にその
災害
を受けて苦しんでいるのに、又
施設
のために非常な
負担
を負わされなければならないということに結果としては
なつ
て来るのです。 〔
委員長
退席、理事
荒木正三郎
君着席〕 そういうことでは私は甚だまずいのじやないかと思うので、問題はこの第二次
補正
はどういうふうにして一体この実体の
災害
費をお組みになるかということを私はお伺いしたがつた。それに対して大臣からまだお答えがないわけなんです。
大達茂雄
48
○
国務大臣
(
大達茂雄
君) これは
只今
申上げましたように、
査定
によりまして、この
査定
の当否はこれは
現地
について実際見なければ実はわからんことでありますが、併しまあ他の
予算
の場合でも同じように、
文部省
といたしましても、又更に
大蔵省
といたしましても、要求額に対して、或いは
補助
の対象になる
金額
については
査定
をすることは御
承知
の通りであります。ただこの
査定
が非常に辛くて、実際の
災害復旧
の役に立たないかどうかということは、これは何とも申上げられないのでありますが、まあ他の
施設
についても同様でありまして、無論これで十分間違いないということは簡単に言い切れないと思います。思いますけれ
ども
、そうかと言
つて
なかなか或いはそのところによ
つて
はこれで余るものがあるかも知れない、これは妙なことを申上げるのでありますが、この間も
大蔵省
あたりで
現地
に行きまして、実際に実地について調査をし、
査定
のために調査をしてみるというと、非常に全然損害の皆無のものを損害を申立
つて
いるとか、或いは実際の
被害額
の十倍以上の
被害
の
報告
を出しているとか、これはもう極端な例でありますが、
大蔵省
あたりの例を聞きますと、或いはこの間新聞にも出ておつたのですが、随分水増しというか、掛値を吹つかけたような
報告
を出している向きも相当あるという、そこでまあ実地調査をいたしまして、
大蔵省
の財政難の折から金を出す立場でありますから、その
査定
に相当辛い点はあるかも知れませんが、とにかく実地に当
つて
なにして、まあぎりぎりこれだけしか金が出せんと、こういうことで実は私のほうも止むを得ずとして
話合い
がついたわけです。決してこれで十分だとは言いませんけれ
ども
、併しこの六十一億の
数字
と比べてそれじやとてもお話にならんというものでも実際はないのじやないか、実はそう
思つて
おります。
高田なほ子
49
○
高田なほ子
君 実際の損害よりも十倍にして、水増しにして出しておくというようなところもあるかも知れませんけれ
ども
、それは
大蔵省
の
査定
がいつでもその実態と離れて、まるで雀の涙のようなものをくれてごまかすからそういうことになるのです。そういう水増しの
資料
を提出した側に罪があるのではなくて、それはやはり国自体にそういうことをさせる責任があるので、大臣に私がどうしてもこれははつきりして頂きたいことは、この五十一億の
文部省
の
査定
額は必らずこの六割四割の二年計画として完璧に実施し得るという確信をお持ちに
なつ
ておるかどうかということなんです。実際これはいつでもごまかすのですからね。そういうことを言
つて
ごまかしている。計画通りやつたことはないのです。
大達茂雄
50
○
国務大臣
(
大達茂雄
君) この五十一億という
査定
は、これは
文部省
が一応六十一億という
報告
について、先ずこれくらいでよかろうという一応の
数字
を
文部省
で立てた。それは
被害
総額
ですが、そのうちには四分の三
負担
する性質のものもあれば二分の一
負担
するものもあるし三分の二の
負担
で済むものもある、こういうふうでまちまちでありますから
数字
的にどうなりますか、この十六億という
数字
は国が
復旧
のために
負担
する、若しくは
補助
をするという
金額
が十六億で、この六十億五十億というのは
被害
総額
の
数字
なのであります、ですから、これに
大蔵省
がこの五十億というものを更に
査定
してそれに今度は計算をしてきめて行く、これから今の四分の三とか三分の二という従来になかつた高率
補助
、つまり
特別立法
によ
つて
そう
なつ
たものも
大蔵省
で、先ほど管理局長から申上げましたようにこの第一条の区域の
指定
というものが非常にやかましくなり始めておる、この区域のきめ方によりましては、今度の
水害
でこの六十億なら六十億という
被害
総額
という
報告
の中に入
つて
おるものでも高率
補助
はもらえないものができて来るわけであります。この特別な
指定
をする区域だけがこの四分の三、三分の二を適用することができる。ですから十六億という
数字
はもつと精密に調べてみなければわかりませんが、この五十億、六十億という
数字
に比べて、
ちよ
つと見て、いや三分の一に過ぎんではないか。或いは四分の一に過ぎんじやないかというふうにも一概に言えないのではないかと、こう思います。
高田なほ子
51
○
高田なほ子
君 それで問題はそこなんですよ。この
災害地域
の問題なんですが、今は大連文相は誠に盲点をついた御答弁をしていらつしやるのですが、これは
市町村
を単位として
指定
とすることのほうが私は
被害
の実態に即した財源
措置
がとれるのではないかと思う。文相はそれをこれは県単位に書いてあるのですがね。まだきまつたというものではないのですか。文相はどういうふうにそれをお考えに
なつ
ておるのですか。
大達茂雄
52
○
国務大臣
(
大達茂雄
君) これは
文部省
としましては
被害
県はこういうふうに同県々々と並べて、こういうのが初めの考えだつたのです。そうするとその県で起つた
被害
はみな入
つて
しまう。全部
特別立法
の恩典に浴してしまう。
大蔵省
では国庫
負担
だから高率の
負担
をするについては、
補助
を受けるほうの側の財力と言いますか、
予算
力という問題と睨み合せてすべきものであ
つて
、その点で
大蔵省
としては
大蔵省
としての案を持
つて
おります。勿論これは文教
関係
だけではなくて、河川道路、それから農林
関係
一切合切の全部をひつくるめての共通の問題でありますが、それがなかなか
大蔵省
との間に
話合い
がつかぬという点が一つある。 それからもう一つは
水害対策
委員
会というものが休会中ではありますが頻繁に開会されておりまして、そこでもこの問題が非常にやかましく取上げられる。そこでまあ
金額
まで実はきま
つて
いないというのが実情であります。で、この
被害額
がその県の
標準税収入
、つまり財政力と睨み合せてでなければ高率
補助
は出さない、こういうのが
大蔵省
の立場であります。
高田なほ子
53
○
高田なほ子
君 これは非常に研究しなければなりませんね。
標準税収入
を上廻る
災害
でなければ出さない。そうすると実際の
被害
は受けても、もらえないと、そういうときは一体どうするのですか。
近藤直人
54
○
説明員
(
近藤直人
君)
衆参両院
の水実
委員
会のときは、県を
指定
する場合は、
災害復旧費
の
総額
が
標準税収入
をオーバーした場合、同様に
市町村
も
当該市町村
の
標準税収入
をオーバーした場合にその
市町村
として受ける、この二本であります。ですから先ほど大臣がお話のように、県を
指定
すれば県全体になりますが、先生のお話は
ちよ
つとそれと逆です。私はそのほうが有利だと思うのです。
大蔵省
は
市町村
単位を考えている。そこに
話合い
のつかない問題があると思います。 〔理事
荒木正三郎
君退席、
委員長
退席〕
高田なほ子
55
○
高田なほ子
君 それではもう一点だけ伺いたいのですが、学童給食の問題ですが、
学校給食用
の小麦等の
損失補償
に関する
特別措置法
施行、これは流失
小麦粉
、それから
ミルク
、そういうものに対する
損失補償
ですが、実際非常な
風水害
を受けたとところの食糧事情というものは、本年度の凶作と相加えまして非常に困難な状況を呈しておるように、私このところ少し旅行して実際の姿を見で来たわけなんですが、これだけで以て、この法律だけで現在の
児童
の窮状を救い上げ得るというお見通しを持
つて
おるのか、或いは又それらに対する特別な
対策
を
文部省
としてお考えに
なつ
ていらつしやるのか、この点お話頂きたいと思います。
近藤直人
56
○
説明員
(
近藤直人
君) お話は凶作地帯に対してどういう
措置
をとるかというお話かと思いますが、
学校給食
につきましては話の順序といたしまして
水害地
から申上げます。
西日本
につきましては
特別措置法
が施行いたされまして、特別
損失補償
を適用いたしまして
全額補償
する。それから十三
号台風
の
被害地域
につきましては、これもこの法律を適用いたしまして同様に
全額補償
いたしたい、こう考えております。 それから問題は冷害でございますが、冷害
地域
につきましては、これはまだ私の存じております範囲におきましては、どうするかという根本方針がまだ確定していないと私は
承知
しております。従
つて
その方針の如何によりまして
決定
されるわけでございますが、併しながらその方針如何にかかわらず、冷害につきまして、学童給食に対して何らか手を打たなければいかんというふうに考えております。これにつきましは是非
ミルク
を
水害地
と同様に無償で出しだいという気持を持
つて
おりまして、今その話を丁度進めておる次第でございます。
高田なほ子
57
○
高田なほ子
君 大変いいお考えですが、凶作に対する無償学童給食の実施でありますが、それは大体いつ頃から実施されるような見通しでおりますか。
近藤直人
58
○
説明員
(
近藤直人
君) 十二月からなるのではないかというふうに考えております。
高田なほ子
59
○
高田なほ子
君 十二月から実施する
予定
ですか、これは一週に何度。
近藤直人
60
○
説明員
(
近藤直人
君) 普通は五日でございますが、できれば六日、土曜日もやりたいと
思つて
おります。
西日本
は全部土曜日もや
つて
おります。
高田なほ子
61
○
高田なほ子
君 この
特別措置法
では、流失等なんかで受けた損失を補償するだけであ
つて
、それより枠を拡げるための
予算
が組んでいないのでしよう。
近藤直人
62
○
説明員
(
近藤直人
君) だから
予算
要求をしたのでございますが、幸いに
ユニセフ
から無償の
ミルク
が参りましたので、それをそちらへ廻します。
高田なほ子
63
○
高田なほ子
君 先ほどの御
説明
のがそうですが。
近藤直人
64
○
説明員
(
近藤直人
君) そうでございます。二千四百トン参りますので、それを
西日本
に廻すということでございます。 それから更に十三
号台風
地域
に対しましては、
ユニセフ
本部に別途
追加分
を目下要求中でございます。これは間もなく向うから返事が参るはずでございます。その
追加分
約八百トン予期しておりますが、これが若し参りますればそれを十三
号台風
の
被害
地に廻す。問題は冷害地でございますが、これにつきましては更に
ユニセフ
本部にお願いするつもりでおりますが、それが若しうまく行きませんければ別途
予算措置
によりましてやりたいと、かように考えております。
木村守江
65
○木村守江君
ちよ
つと
文部大臣
にお伺いしておきたいのですが、御
承知
のように、二十九日から開かれる国会は救農国会というようなことを言われております。
予算
の内容から見ましても
災害
と冷害との問題を取上げておることは私から申上げる必要がないと思うのでありますが、この国会に際しまして
文部省
関係
の
予算
として
災害
に関するものは計上されておるようでありまするが、冷害に対する
文部省
関係
の
予算
を計上しておられるかどうか。又この救農国会に対する
文部省
の肚構えとして冷害を取上げなくていいものかどうか、
ちよ
つとお聞かせ願いたい。
大達茂雄
66
○
国務大臣
(
大達茂雄
君) 冷害については
文部省
関係
から今度の
臨時
国会に出す
予算
の中には何も入
つて
おりません。まあ大体
水害
の場合でも主なものは御覧の通り
学校
が流れたとか、壊されたとかいうような
復旧
費でありまして、冷害
関係
については
只今
話が出ましたが、
学校給食
を見てやるとか、まあ困難ですから、というような
程度
以上には
文部省
としては実は
関係
がないとい
つて
はおかしいのですけれ
ども
、まあそういう筋合いになるのではないかと
思つて
おります。今の非常に困難で食糧の得難いような事情に追込まれている地方に対しては、
学校給食
の面だけでも手伝いをするというようなことにできればしたい、これはやることになりますれば。今度の
予算
にはそういうことですが、冷害については
ちよ
つと何も出ていません。
木村守江
67
○木村守江君
災害
に関する
文部省
の
関係
予算
として大体
施設
費に重きを置かれるというようなことはよくわかるのですが、丁度
災害
は考えてみると、表面に現われた非常にはなばなしい、はなばなしいとい
つて
は変ですが、(笑声)表面に現われて誰が見てもわかるような状態が
災害
ではないかと思うのです。ところが冷害の実態はこれは本当にじり貧で、病気ならば内科の病気でこれはだんだんだんだん困
つて
来るのが実際の状態ではないかと思うのです。私がかように申上げるのはなぜかと申しますと、東北における冷害の実態は最近非常に欠食
児童
を出しております。(「そうだ」と呼ぶ者あり)それはどういう状態かと申しますと、東北の農民の実態は大体秋の彼岸から、これは新らしい米をと
つて
そしてそれで食いつなぎをするというのがならわしであります。然るに今年の稲作は御
承知
のように七月の末までが非常に天候に恵まれたために、稲作が非常によく
なつ
て、この状態では昨年よりも或いはよいのではないか、昨年と同等の稲作になるのではないかというようなことから手持米を全部まあ超過供出をしたというような実態です。ところが八月の半ばから非常な冷害がつきまして、予期に反しまして自分の手持米をなくしたりそして食べる物がない。而も秋の彼岸に
なつ
ても刈入れができないというような実態になりまして、私の県で調査をいたしました実際の状態におきましては、大体四万八千人であります。これは
小学校
の
生徒
数の大体一割に近い
数字
が今
学校
に弁当を持
つて
来ない、そのために
学校
を早帰りする、或いは
学校
を休むというような状態を私は見ておるのであります。こういうような状態を見ますと、これは
学校
の
施設
というものがやはり非常に大事だと同じように、
教育
の実態は本当に
学校
に通わして
学校
で勉強のできるような状態を作
つて
やることが大事だということを考えますと、
学校
の
施設
と同時にこれは
学校
にとらわれるような考え方を文部
当局
としてはとるべきではないかというように考えるのでありますが、今大臣のお話では、
予備費
で給食をやりたい、やりたいという非常なあいまいと言
つて
は変ですが、あんまり頼りにならないようなお話がありましたが、私はこの際どうしても東北の冷害の実態をよくお考え下さいまして、そうして
予備費
でできることでしたらどうしてもこれは、特に私たちの考えることは開拓地ですね。終戦後山に入りまして開拓しております開拓地の連中です。これには身寄りもありません。親戚も何もありません。而も開拓地は殆んど収穫皆無の状態です。こういう所ではどうしても
学校
にやりたくても弁当を持たせたくてもできない。そうして小さい子供をほかに出してしまわなくてはいけないというような実態が方々に見られるのでありまして、こういう点に対しましてこれは
予備費
で賄いたいと思うのだというようなお答えでなくして、これは
予備費
で賄
つて
やるのだというような力強い御意思の発表をお願いしたいと思うのですが、如何ですか。
大達茂雄
68
○
国務大臣
(
大達茂雄
君) お話にできるだけ副いたいと思います。
木村守江
69
○木村守江君 もう一つ、それから
学校施設
の問題ですがね、これはまあ地方でも老朽校舎としてこれはどうしても到底回復しなければいけない。今
文部省
の
査定
によりましてもこれは使用禁止の
学校
というような
学校
なんです。而も
文部省
からこれはもう改築しなければいけないのだというように建築の枠をもらいましても、建築の枠が三分の一、それに起債額は殆んどそれと同等かそれよりも少いというような状態で、あとの三分の一は地元
負担
だというような状態でありますと、到底これは地元
負担
はでき得ない状態です。そうすると実際問題で、危険校舎で使用に耐えない、誰も見ておるのが、今年の冷害のために
学校
建築ができないという状態に
なつ
て参ります。こういうことを申上げますと、それならば来年造ればいいのじやないかと申されましようけれ
ども
、来年まで待ち得ない状態が実際の状態です。私のほうの県で今一つありますが、これはどんなに
補助
の枠をもら
つて
も
学校
はできませんと言
つて
返上して来た村があります。こういういう状態が今後頻発するのではないかということを考えますときに、これは来年造ればいい、造れるときに造れと、こんなことであつたならば、
大蔵省
で
文部省
に枠をくれないからという考え方は政治じやないと思うのです。本当にそういうような実態をよく御勘案下さいまして、これは
補助
の枠を殖すことはできないでしようが、この老朽校舎の回復のために起債の枠でも殖すとか、或いは
文部省
のほうから強力に自治庁のほうに申上げ下さいまして、平衡交付金の枠を殖すとか何かそういうような
文部省
として打たなければならん手があるのではないかと思いますが、これに対して如何お考えでありますか。
大達茂雄
70
○
国務大臣
(
大達茂雄
君) 危険校舎或いは老朽校舎の問題はもう前々非常に議論に
なつ
ておるのでありまして、これは無論そのまま放置すべき筋合いのものではないのでありますが、何分にも国家の
補助
の金というものが僅かでありまして、御
承知
の通り前国会に提出された
予算
が十二億、それに十億円増額修正になりまして、その点非常な御鞭撻なり御協力を頂いておるわけでありますが、無論二十二億の
予算
というものも極めて全体の老朽校舎の建築費ということから行くと非常に少い。できるだけ
文部省
といたしましては危険の
程度
の放置し得ない状態のものから先順位にできるだけそういう建前で
予算
を
配付
しておるのでありますが、何分これは何と申しますか、今のお話のように非常に貧弱な団体におきましてはもら
つて
も改築ができない。起債の枠が十分とれない
関係
で手持の
資金
がないという実情にあるところもあると思いますが、これは実に困つたことでありますが、結局私
ども
としては一日も早くこの地方の財政の基本的な方策が講ぜられて、各地方団体それぞれが自分の必要とする
経費
の最小限度は賄い得るような財政的な強化というものが講ぜられなければ、これはなかなか実は容易でない問題であります。現状では
只今
お話申上げるように現在できるだけの範囲内でや
つて
行く。御
承知
のように老朽校舎といたしましては国で
補助
の
予算
を出したのはこの二十八年度
予算
が初めてであります。その前には全然
補助
というものは出さない。それが十二億円計上され、更に十億増額をした。それから更に御協力によりまして法律で
補助
の率もはつきりした。こういうふうに現状では一足飛びにはなかなか行かない困難がある。これはよく御
了承
願いたいと思いますが、できるだけ一歩々々でも解決をして行きたい、こう考えておるのであります。それ以上はなかなか実情のいろいろお話を伺うと、実は非常につらいのでありまして、どうも放
つて
はおけないという気がするのでありますが、実情がさようなわけでありますから今後もできるだけ努力して行きたい、こう申上げる次第であります。
木村守江
71
○木村守江君
只今
の御答弁で大体考え方はわかつたのですが、御
承知
のようにこの危険老朽校舎の問題は、これはもう戦時中からずつと続いておりまして、これは非常に大きな問題としてとり上げられて来たのでありますが、今回大臣が就任と同時に危険校舎に対する
補助
を初めて計上したということは我々
教育
に
関係
する者ばかりでなく、これは国家国民がひとしく非常な喜びを持
つて
おる次第であります。そういうような非常な喜びを以て危険校舎の
補助
を初めて今年からとり入れた。そうして何年か前から
学校
の改築をしなければならないとい
つて
漸く改築をしようと思つた矢先に本年度のような冷害に会
つて
、どうしても改築しなければいけないのだが改築できない町村が多いというような実態に対して、今大臣の言うように財政制度の改革でもして町村の財政をしつかりさして行かなければならないといつたようなことでは、こはこそいつに
なつ
たらできるかわからないというのが私は実際の状態ではないかと思う。そういう点からい
つて
こういう際に
教育
の
施設
を本当によくして行く、而も危険校舎に対する
補助
が今年初めてできた。この立派な法案を活かして行くためになお一段の努力をして
政府
当局
に折衝して起債の枠でも拡げてもらう誠意がないか、重ねてお尋ねいたします。
大達茂雄
72
○
国務大臣
(
大達茂雄
君) 十分努力いたします。
長谷部ひろ
73
○
長谷部ひろ
君 十三
号台風
につきましては先ほど吉田
委員
、大谷
委員
からお話かございましたが、私もそれに関連いたしまして、
文部大臣
に申上げたいと思うのですが、この十三
号台風
というものは、私は恐らく
西日本
の
水害
よりも非常にひどいものじやなかつたかと思うのでございます。ですけれ
ども
、それについて余り皆の関心がなかつたり同情がなかつたりというのは、何かそういつたような
水害
が次々起
つて
参りまして、十三号は第三番目だつたと
思つて
おりますが、本当に予想以上にひどいものでございました。丁度それが九月の二十五日でお彼岸の満潮、大潮と申しますか、丁度二十五日ですから秋分の大潮のときに
当り
、而もそれが満潮時に当
つて
いたわけなんです。それですから、とてもひどかつた。そこで私なんかもずつとあちらのほうを見て参りましたけれ
ども
、それから二十日ぐらい経
つて
行つたときにさえも、まだ水が満潮時になりますと、さして来るわけなんでございます。
西日本
のほうですと水が引いて行けばそれきりなんですけれ
ども
、十三号の場合はそうじやなくて、満潮時になりますと、いつも水がずつと押寄せて参りまして、その日から二十日くらい経つたときに私が行つた場合にでも、これは幡豆郡の一色方面でありますが、そこに船で又行つたような状態なんです。それでなかなか堤防というものを整備することができない現状です。而もそのときには稲の稔りの寸前なんです。だから船でずつと渡つたけれ
ども
、行くときに下を眺めますと、それが本当に稔つた稲が皆水の底にうねりを見せているわけで、さつき木村先生のおつしやいましたようにそういう東北の
災害
と
西日本
の
災害
と、そういつたようなものをまとめて受けたのが十三号における愛知県だつたのです。それで愛知県では
被害額
が四億五千六百七十四万三千円という
数字
が出ておりますが、その
数字
が
教育
施設
の
被害
の
総額
なんです。それに対して全体の
被害
に対して七億五千万円というのは少し少いと思うのです。少しどころでなくて、とても少いと思う。これは当然
西日本
における
水害
の
特別措置法
に準じて頂くということをさつきおつしやつたのですけれ
ども
、それじやとても私は駄目だと思うのです。それで誠に済みませんけれ
ども
、どうぞその
水害
の状況を一遍見て頂きたいと思います。大連文相を初め、それから
委員長
さん初め皆さん
委員
の方見て頂いたら、どんなにこれが困
つて
いるかということがおわかりに
なつ
て頂けると思います。そこで私は愛知県のほうの惨状の写真ですけれ
ども
、せめて写真でも見て頂きたいと
思つて
持
つて
来ました、どうぞあとで見て頂きたいと思います。お願いいたします。
荒木正三郎
74
○
荒木正三郎
君 大分時間が経つたようですが、一つだけお尋ねしておきたいと思いますが、十万円以下の
災害
に対する
復旧
の
補助
、これは
災害
地では非常に問題に
なつ
ておる。一つの
被害
が十万円以下であ
つて
も一つの
市町村
ではかなりの額になる、特に
学校
関係
では。これが
補助
の途がないということで非常に困
つて
おる。これは
特別措置法
によると十万円以下は
補助
の対象としないのであります。もう一つは
公立学校
の
災害
補助
についてはそういう
金額
をきめないで
政令
できめることに
なつ
ております。そうするとこの
政令
の
金額
も或いは十万円ということになるのではないかと思うのでありますが、併し十万円以下の
災害
に対する援助はどうしてもしなければならん問題じやないかと思います。これについて
文部省
の考えを伺いたいと思います。
近藤直人
75
○
説明員
(
近藤直人
君) お話のように
特別措置法
におきましては一つの
学校
、又は一つの社会
教育
に関する
施設
当り
の
災害
による
被害
の額が十万円に達しない場合はこれに対して法律を適用しないということに
なつ
ておりますので、従いまして
特別措置法
に関する限りにおきましては十万円以下は全く拾えないということになるわけであります。それからお話の
一般法
、即ち
公立学校施設費国庫負担法
のほうにおきましては、これはお話の通り
政令
を以て限度を定められておる。大体
政令
の限度は
只今
腹案といたしましては府県の単位一本につきましては十五万以下は拾わない。
市町村
工事につきましては十万以下は拾わないというのが一応の線でございます。特別の
措置
法と附則を合わせて一応さように考えております。確かに十万円以下につきまして何とか
措置
をして欲しいという声は私は
承知
しております。併しながら法律でそう
なつ
ておりますので、これは法律を改正せざる限りにおきましては拾えないというふうにお答え申上げます。
高田なほ子
76
○
高田なほ子
君 それに関連して、それでいろいろ地方で費用が足りないために義務
教育
国庫
負担
法の教材費がその
施設
のほうに流用されがちであるということを私は北海道へ行
つて
しみじみ承わ
つて
来たのでありますが、教材費というのはほかへ流用してもいいのですか。いけないのじやないのですか。教材費の役に立たないように
なつ
ておりますよ。
内藤誉三郎
77
○
説明員
(
内藤誉三郎
君) 教材費は
設備
に使うものですから、それ以外に流用することはいけないと
思つて
おります。
高田なほ子
78
○
高田なほ子
君 教材費というのは
設備費
ですか。
内藤誉三郎
79
○
説明員
(
内藤誉三郎
君) 教材、教具ですから、当然教授用の
設備
、それからもう少し詳しく申しますと機械器具、図書、標本の類、そういう
関係
にしか使えませんので、それが
建物
のほうに廻るということはこれはいけないと思います。
高田なほ子
80
○
高田なほ子
君 何かそのほかのものに使
つて
いいとか悪いとかいうのは、そういう内輪の規定のようなものはあるのでしようか。
学校
の先生方の教卓やら、それから机やらのほうに廻されることが非常に多い。それは私は教材じやないと思う。ですから教材の範囲というものを一応明確にして、それ以外のところにやたらに
施設
に流用しないような方法が講じられるべきだと思うのでありますが、何かそういうことがございますか。
内藤誉三郎
81
○
説明員
(
内藤誉三郎
君) 御指摘の通りでございますので、それについての
文部省
からの通達がすでに出たと記憶しておりますが、若し足らない分がありましたら補足するように、もう一度連絡をとりたいと思います。
高田なほ子
82
○
高田なほ子
君 是非お願いいたします。
川村松助
83
○
委員長
(
川村松助
君) 別に御異議なければ本日はこの
程度
で散会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
川村松助
84
○
委員長
(
川村松助
君) 本日はこれを以て散会いたします。 午後零時五十六分散会