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1953-07-21 第16回国会 参議院 農林委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月二十一日(火曜日)    午前十時四十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     片柳 眞吉君    理事            宮本 邦彦君            森田 豊壽君            白井  勇君    委員            雨森 常夫君            佐藤清一郎君            重政 庸徳君            関根 久藏君            横川 信夫君            上林 忠次君            北 勝太郎君            河野 謙三君            河合 義一君            清澤 俊英君            戸叶  武君            鈴木  一君   政府委員    農林省農林経済    局農業協同組合    部長      谷垣 專一君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農林漁業組合連合会整備促進法案  (内閣送付)   —————————————
  2. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 只今から委員会を開会いたします。先ず農林漁業組合連合会整備促進法案を議題といたします。前回に続きまして質疑を願います。
  3. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 農業協同組合再建整備について特に増資の面が強調されておるのでありまするが、増資がなければ再建整備ができないというようなところで、現在増資の計画がどういうふうになつておりますか、全国的の状況を御報告願いたいと思います。
  4. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) 現在行なつております再建整備実績こ関しましては、お手許に配付いたしました資料に載せてございまするが、その第一頁をあけて頂きますと、ここに一の指定日当日の財務内容がございます。このうちの組合数欠損金固定資産自己資本、その次、自己資本不足額というものが出てございます。単協で六十億千百四十三万円、連合会で百十四億何がしという数字になつております。これが欠損金固定資産自己資本との差額を自己資本不足額といたしておりまするが、それだけの不足額増資を計画的にやつて行く、こういうのが一つ再建整備の重要な目標になつておるのでございます。下の二の再建実績のところにその増資状況が入つております。それによりますと、単協のほうは二十六年度に二十九億の増資連合会では五十七億の増資、合計八十七億の増資実績を見ております。これはそれぞれ単協におきましては四九%、連合会におきましては五%の達成率になつておりまして、これは初年度の目標といたしましては、大体目標以上に達しておる状況でございます。それから二十七年度におきましては、ここに書いておりまするように、二十七年度中に単協が九億七千万になつております。約十億近くでございますが、それに対しまして連合会は二十四億、で、締めまして三十五億近い増資が二十七年度において行われておるわけであります。これは締めますというと、百二十一億の全体として増資実績を示しております。二十七年度におきましては、単協において六五%、連合会において七三%近い達成率を示しております。大体この程度達成率表示しておりまして、今後三年の間にこの増資が達成されるかどうかということでございまするが、今の実情現状から鑑みますと、大体増資のほうは再建整備達成目標でありまする三十年度までに達成するであろうというふうに私たちは考えております。
  5. 白井勇

    白井勇君 私一年生のためかも知れませんが、こういう法案がぽつつと出ましても、この間もお話のありました通りに、ないより、あるに越したことはないのだというような程度のことはよくわかるのでありますが、どうも今是非これを取上げてやらなければならんという点が私個人にははつきりしない点があるのであります。これは要しまするに、やはり今の協同組合運動というものがどういうふうに動いておりますかということにつきましての認識が私は足りないせいじやないかと考えますので、幸い今日は協同組合部長さんも見えておりますし、一つ今現在農林省としましてとつておられまする協同組合運動に対しまする重点事項、少くともどういう点に力点を置いて指導しておるのであるかということにつきまして一通りお話しを願いたいと思います。これは若し農林省としまして、そうはつきりしたものがないといたしますれば、協同組合部或いは又部長さん個人の御意見でも結構でありますから、お知らせを願います。
  6. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) 大変大きな問題でございますので、御質問の答えに標準が合うかどうか疑問でございますが、大体現在まで全国農協の数は約三万四千程度になつておりますし、組合員の数が大体一千万に近い数字に達しておるような状況で、組合組織率を形式的に見ますというと、非常に大変な勢いであるということが形式論としては言えるかと思つておりますが、ただその内容等をいろいろと考えて見ますというと、いろいろと大きな問題があるように考えております。これを協同組合法の変遷から考えますというと、御存じのように協同組合法というものが従前産業組合法より以上に、非常に自由な形の設立、又監督その他に関しましても非常に自由な形のものになつておるのが、戦前の組合法と違つておる一つの大きな点ではなかろうかと思つております。従いまして従前はこの検査というような問題も実は権能がなかつたのでございまするが、いろいろと組合実情、又いろいろ起きて来ます経営の上から来る問題等を考えまして、いわゆる条例検査県連の単位の連合会と、それから信用事業を営んでおりまするところの単協、これらのものは一年に一回どうしても行政庁として検査をしなければならないという規定が確か二十四年頃であつたかと思いますが、法律に書き加えられております。これによりまして農林省のほうといたしましては、毎年県庁のほうと連絡をとりながら検査をいたしまして、そうしてその経営なり、或いは財務内容なり等に関しまして検査をし、そうしてその都度それらのことを役員会に報告をいたしまして、そうして組合が持つておりまする監査役、幹事その他の監査能力と相待ちまして、経営の刷新に努めて来ておるような状況でございます。それに又並行いたしまして一つ財務基準というようなものを作り、経理基準というものを作りまして、そうしてそれの講習をして経営内容を改善さして行く、こういうようは態勢を整えておりましてそこで丁度昭和二十五年頃からいろいろな経済界状況変化等もございまして、単協その他で貯金の支払の停止のような現象が起きて参つたわけであります。どうしてもこれは何らかの国からの手筈を整えて、そういうような現象を取りとめるようにし、又協同組合全体の建直しをする必要があるというので、再建整備法の公布が行われまして、二十六年の三月三十一日、二十五年度の会計年度の末期を一つ指定日といたしましてそのときの経理内容を洗いましてその中で特に状況の悪い組合に対しまして今議論になつておりまするような再建整備法の適用をいたし、これに対して増資奨励と、それから固定化しておりまする債権並びに在庫品の流動をするようにいたし、そういうものに対して奨励金補助金等を与えてこれで先ず二年を費やしておるわけであります。勿論その間に単にそれだけではいけないのでございまして、例えば県の連合会にいたしましても、かなりそれぞれの連合会が分立をいたしておる状況でございます。これらを直接に私たち指導することは必ずしも得策ではなかつたと思いまして、協同組合内部の合同の機運を醸成して行くように努めて参りました。かなりいわゆる県連におきまする事業連中枢をなしましたところの購買事業販売事業等連合会合併をして、いわゆる経済連という形に合併をしておる形は逐次その後できております。現在経済連という形における合併がまだ今後三、四の県におきまして進んで行くであろうと思いますが、その他のところは、大体におきまして事業連の最も重要なものでありまする購買販売県連合併の形になつて来ております。まあそういう状況になつております。併しその間にどうしても再建整備考え方だけでは不十分なものがある、と申しますのは、これはこの前御説明いたしたかと思いまするが、非常に厖大な固定した債務を持つております。これの金利重圧というものが非常に大きくなつておりまして、この金利重圧のため折角再建整備により建直しをしまして、事業収益等を生むよう努力をいたしましても、そちらのほうに経費が飛んでしまいまして、本当の意味の余剰というものがなかなかできにくい、こういう状況でございます。ざつと百億以上の固定債務があるわけでありますから、一割と見まして十億以上の金利負担があるわけであります。どうしてもそれだけのものを貸付をする必要がある、こういうようなことになりまして、主としてその点を重点として促進法というものを御審議つておるわけであります。こういう段階になつておるわけであります。勿論その間に系統組織利用ということが非常に大切でございまして、この点につきましては、例えば購買事業中枢であります肥料においては共同清算制というような形をとり、又販売事業におきましては、極く最近販売事業金販組織等を非常に簡素なものにいたしまして、そうして系統的にはこれを無条件委託販売というような形においてやつております。こういう点が組合下部の各県連或いは全国連等の間に話合がまとまりましてそういうふうに動きかけようといたしております、こういう現状であります。
  7. 白井勇

    白井勇君 昨年の秋に協同組合関係の第一回の全国大会というようなことがあつたと私記憶しております。我々外部から見ますると、少くもその大会というものは、これは初めての催しであり、恐らく全国協同組合運動の盛り上る会合であつたと私は考えるわけであります。その大会の会場におきまして一応協議をいたしまして、取りあえず協同組合運動といたしましては、こういう点を促進して行かなければならないじやないかというようなことで、決議をしている事項があるようであります。ああいう決議事項に対しまして、農林省ではどういう態度をとつておられますか。
  8. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) これはいろいろと決議がございましたのでありますが、対政府関係として一番大きな問題点は、やはり今度いわゆる団体再整備の問題として御審議を願つておりまするような、協同組合といたしましては総合指導組織を中心とした組織確立しよう、勿論いろいろ議論になつている点に関しましても、例えば技術員問題等に関しましても議論はあつたわけでありますが、とにかく対政府の問題といたしましては、農協法の改正に伴いまするそういう総合指導組織を十分なものにしようという意見、それからもう一つ再建整備だけでは不十分である。従つてその促進をいたすような施策をとれ、これの内容はいわゆる金利負担重圧の問題もございます。それから長期低利の融資を信用連合会信連関係にいたしまして、そしてこの再建をして行くようにしてもらいたいというような点が内容であつたと思うのでありまするが、そういうような点が対政府関係におきましては大きな問題であつたろうと思います。勿論そのほかに農産物のいろいろな価格安定の問題であるとか、いろいろの問題が出ておつたと思いますが、大きな問題、組織的な問題といたしましては、今言つたような問題であろうかと思います。
  9. 白井勇

    白井勇君 どうも私はつきりしないのですが、一応あそこの大会決議事項を書いたもの見ますると、先ず組合意識高揚であり、第二に取上げられましたのは、自由経済に対応する農協事業体制確立である、三には全系統組織整備である、第四番目に役職員技術の問題であるということが大きく取上げられているようであります。再建整備の問題は全系統組織整備を、まあ無事に従来の再建整備というものを進めて行こうという程度の取上げ方でありますが、もつとやはり重点的に今申上げましたような事項が盛上つておるわけです。これは勿論自治的にやることと思うのでありまするが、これにやはり即応するような農林省といたしましての指導方針、具体的な指導措置というものがあつても然るべきものではなかろうかというような私は気がするわけであります。ところで今度出て参りましたこの連合会再建整備の問題は、現在すでに二十六年から先ほどお話のような整備に着手中である。而もこういう大会におきましても、それほど強い何も盛上つた問題でもない。ところが書いたもので調べて見まするというと、これは要するに何と申しまするか、協同組合関係の中にも金融関係を主としてやつておりまする中央部なり、或いは県の信連のかたと言いまするか、そういう金融方面のかたがたの一部の意向がいろいろ働きかけをいたしまして、そして参議院なり或いは衆議院の農林委員会まで、これを動かして進められておるというような感じを私は受けるのでありますが、その辺の経過はどういうことなんですか。
  10. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) 先ほど申上げましたように、この大会決議の中で政府関係のある点を申上げたのでありまして、勿論大会の中では今挙げられましたような組合意識高揚であるとか、自由経済に対応する農協自体事業体制確立であるとか等々の、協同組合がなすべき非常に基本的な問題が提出されております。これは併し大部分協同組合組織内部におきまして確立すべき問題であろうと思います。その中でそれに対して政府がどのようなやり方をやるべきかというような問題が、その後この大会委託と申しますか、大会の実際決定いたしましたものをやる組織といたしまして組合内部実行委員会というようなものができております。その実行委員会がそれぞれ協同組合内部における問題もやつておりますし、いわゆる対政府関係において考慮すべきものであると思考されるような問題をそれぞれ実行委員会に移して動いておるわけであります。その諸君のいろいろな動きと、私たちのほうへ持つて参りますことは、そういうルートを通じて大体において参つております。これは実行委員会といたしましては、実行委員会としての主張がございますが、又私は政府のほうといたしましては、政府の側でいたします判断その他があるわけでありまして、するのでございますが、併しその中から抽出されました具体的な問題として上つて来た重要な点は、先ほど申しましたような協同組合の総合的な指導組織を強化して行く、端的に言えばいわゆる指導連と称せられておるもの、或いはその中央組織であります全指連というもの、これらの指導組織確立がなければならない。現在における指導連や全指連の形態においては、十分なる総合指導ができないから、これを何かの形においてもつと総合指導ができる組織に法的に改めて頂きたい、こういうのが非常に強い一つの点でございます。  それからもう一つの、今お話のありました信用関係連合会のところに、長期低利の金を融資して、そうして農協再建に資してもらいたい、こういう意見もこれは強く出ておりました。これらは農協の実は実行委員会或いは農業協同組合全体の組織の中でいろいろ議論がされたのであります。議論がされ、又その間に政府のほうといたしましても、それぞれ農林、大蔵の間に相談をいたしたわけでありますから、結論的に申しますと、現在御審議を願つておりますような法案の形におきまして、これを進めて行くということに大体意見の一致を見ておる状況でございます。単に信用事業だけの問題というふうな形においては、これはやられておりません。全農協信用事業をやつている諸君、或いは事業をやつている諸君、或いは組織的な問題を担当いたしておりまするいわゆる農協のそれぞれの部門の諸君が、実行委員会という形におきまして終始突つ込んで議論をいたしまして、その結論的なもの、それ政府のほうのいろいろの交渉の結果を織込んだ形におきまして、現在御審議を願つておるような形に進む、かように御了承願つていいかと思います。
  11. 白井勇

    白井勇君 このことをやることによつて信連なり中金が助かるということはよくわかりますが、これによつて経済連なり或いは単協というものが、どういうふうに救われて行くかというようなことが具体的に数字か何かにつきましてお話し願えましたら……。
  12. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) この法案内容、これはいろいろ御議議論があろうかと思いますが、併し実態は事業をやつておりまする事業連のところに非常に大きな金利重圧が来ておるわけでありますので、端的にこの金利重圧をこれによつて軽減をされるわけであります。その点におきましては、これは信連が救われるということではないので、事業連がその点におきまして非常に大きな利益があるということになるわけであります。併し事業連信連関係或いは中金関係というものは、これは殊に農協組織におきましては、非常に緊密な関係になつておりますし、又単に債権債務関係から見ましても、その債権が滞つておるという形になるわけであります。信連建直しのために事業連そのものが固い形になりまして建直しをして行く、この滞つておる債権が流通するようにならなければ実は意味がないのでありまして、事業連のほうに不利益であるとか、或いは信連のほうにより利益があるとかいう議論がいろいろ立つかと思いますが、私たちの観点といたしましては、その間に甲乙を別に付けるほどの差異はないように考えております。又この問題は単に数字で申しますれば、今申しましたように大体固定いたしました債権は百四十数億になつております。それを十年で平均して返して行くという形を若しとるといたしますると、それで国費としては約四十億程度の金は十年に出る、その程度のことは事業連も助かる、その分だけは信連も助かるという形になりますから、ただ問題は私たちは単にそれだけのことで協同組合が建直るというふうには実は考えていないのでありまして、協同組合の性格から申しまして、単に利子補給だけの形で満足すべきものではないのでありまして、系統組織利用であるとか、又基本になりまする農協組合意識というものの高揚であるとか、或いは経営の改善に対する反省或いはそれに対する自覚向上というもの、こういうようなものが、このことを契機にいたしまして具体的に検討され、そうして各方面のそれに対する協力がなされるべきであろうと考えておるのでありまして、例えば県連にいたしましても、又信連にいたしましても、中金も又これに加わつて、或いは単協もそうである、そういうものがすべてどこに問題があるかということをもう一回再検討をいたして、そうしてやつて行く、それに対して国が利子補給という形における補助をやつて行きたい、こういう考え方で進んでおるのでありまして、従いまして、例えて申しますと、すでに県連におきましては、この促進法対象になることを予定いたしまして、県連組織或いは県連役員陣容、又経営組織というようなもののすでに改革に着手しておるところが二、三生じておるような状況でありまして、これらのことは単にその補助金の額とかいうようなことだけでは実は算定ので、きない問題であるかと思います。これは又協同組合の持つてております特性から見まして、当然そうあるべきであろうと考えております。
  13. 清澤俊英

    清澤俊英君 関連して。只今利子軽減というものに対しましては、中金信連おのおの利子を大体どれくらいいまで下げる予定になつておるか。
  14. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) これはそれぞれの事情に応じまして考えるべきことだと思います。すでに信連といたしましても、いろいろな形で現在の促進法以前の再建整備法対象になつております連合会に対しましても、いろいろな補助をいたしております。大体まあ私たちのほうで考えておりまする信連等金融機関が、この再建整備状態の下においてどの程度のことを単協再建補助したかと申しますと、二十六年度で三億二千七百万程度のものを三十一府県の信連補助をしております。それから二十七年度に四億六千二百万程度金額を、このたびは四十三都道府県の信連が何かの形において補助をいたしております。これは大体利子補給と申すか、利子の低減というような恰好になつておるものが多かろうかと思いますが、でありまするから殆んど大部分金融機関というものが、何かの形におきまして、その間にいろいろ厚薄があろうかと思いまするけれども、やつておるという状況になつております。又県当局のこの再建整備に対しまする努力も相当大きなものになつておりまして、大体今まで約十八億程度の県の金を預託をいたしまして、そうしてこれは通常の利息よりも安い金で預託をいたしまして、そうしてそれを再建整備のほうの援助にいたしておる状況であります。又県が預託によらない直接の補助という形におきましても相当な金額を出しておる、こういう状況であります。これらのことは単に金額だけにとどまりませんので、そのほかの私たちのほうで挙りました数字はそういう数字でありまするが、例えばいろいろな会合費であるとか、又いろいろな再建に関しまする相談に乗るとかいうような形における援助は、金銭的に見積れないものがそれに加わつたような状態に進んでおるのであります。
  15. 清澤俊英

    清澤俊英君 どうもわからんのです。今少しはつきりさしたいのは、この法案から見ますと、中金その他の金融機関利子軽減するということと、税金を、欠損繰越によつて法人税を免除に近いものにするという、二つが法案の骨子だと、こう思うのです。そこでお伺いしておるのは、その大体の利子軽減をどれくらいの目標を以て軽減するつもりであるのか、結局すれば中金信連に向つて固定債務に対する金利を大体どれくらい下げるつもりか、今度は県連は同時に、これはここで打切られておりますが、単協がやはり県連にそういうものを持つておる。それは再建整備で何かあつたのではないかと思いますが、再建整備のほうを勉強しておりませんからわかりませんが、単協は固定的なものがあるが、今度は県信連単協に対しての固定債務に対して、どれだけの利率を又負けてやる、それからその次には単協になりますと、期限が来まして債務を履行することができませんと、罰金と称して大体四銭くらい取つておるのじやないかと思います。金が払われないものから四銭ぐらい、若しくは五銭の利子罰金と称して利子を払うのです。こういうようなやり方をしておりますので、従つて最下部の農民が行いまする固定的な債務に対してまでは、これは到底中金だけであつても問題が残ると思いますので、私がお伺いするのは、大体中金がどれくらいの利子軽減をやつて信連に渡すのか、今はこれは信連までのものです。大体どれぐらい見ておられるのか、大体の平均標準ぐらいはおありだろうと思います。それがなければ五%でしたか、その補助金予算措置もできないわけですから、大体平均どれくらい利子軽減をしてやるつもりなのか、それを伺いたい。
  16. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) これは元本に対しまして五%以内、最高五%でありますが、五%は下ると、こういうことに相成るかと思います。それ以外の中金その他信連利率を下げますることは、これは、その連合会の具体的な事情というものを一つ一つ調査いたしまして、そしてどの程度のことをやるかということに決定すると思いまするが、最低とにかく五%の率は下つている、こういうことになつております。それから従来やつておりまする信連或いは中金補助或いは金利軽減というようなものは、大体におきまして、それ以上に援助をして行く、こういう形になるわけであります。
  17. 河野謙三

    河野謙三君 今白井さんから、本法案によつて一番益するものは中金信連じやないか、こういう御意見、それに対してそうじやない、この法案によつて金利負担事業連のほうが非常に負担が軽くなる、狙いはそこにあると申されましたけれども、私はこれは従来の農協が今日まで歩んで来た経過を見れば直ぐにわかることであつて、従来の政府農協対策というものはどういうものかというと、中金本位ですよ。結果がよく示している。けちくさいことを言うならば、どこの県へ行つても、事業連が長靴で歩いて、信連は自動車に乗つて飛んで歩いている。中金なり信連が勿論経営が不健全になることは恐しいです。私は不健全にしろというのじやないけれども、余りにもそれが極端ですよ。そういうことでやればそれもいいです。それによつていずれ結果において事業連が息を吹き返すならいいけれども、そういうような信用機関本位の救済ということを繰返して、何度も何度も性も懲りもなくやつていると、いつまでたつてもいかんと私は思う。この前も申上げたように、私はこの法案は決して無駄だとは申しません。併しこれはどこまでも水です。倒れかかつたものに水を飲ませる、三日か、五日か、とにかく命を延ばそう、この法案は米でもなければ、パンでもなければ、牛乳でもない。そこで水を飲ませることは賛成だが、引続いて一体米の用意があるか、肉の用意があるかということを伺つておる。つい二、三年前私ぱ編された。これによつて赤字補填によつて農協は息を吹き返したということをついこの間やつたばかりでしよう。この二、三年間の経過数字で示して頂きたい。農林省は見込みが違つたでしよう。そう理窟を言つても仕方がありませんが、私はここでこの法案は大歓迎いたしますが、同時にこの機会において、肉なり、パンなり、牛乳なり、血になるものを、一体どういうものをお持合せになるか。まだ私の手許に参りませんけれども、今度農業団体再編成と銘打つた法案が出て来るそうですが、私たちがあれを見ておるところでは、あれは農業団体と申しましても、農協に対しては、少くともあれが肉になり血になるような法案ではないと思う。むしろ農業委員会に気を配つて見たり、あちらこちらに気を配つて、相変らず農業協同組合を弱体化する法案だと私は思う。そのほかに具体的に言えば、昨日も話が出た運送事業にいたしましても、又価格安定法の運用にいたしましても、それから最近の餌なり肥料なりの取扱い数量、去年の麦が統制撤廃になつた後に、農協の扱い数量はどのくらい減つたか、この減つたものにどういうふうに農協の扱い数量を殖やさせるかというふうに、私は数字を伺いたいと同時に、これらについて如何にして農協事業分量を殖やさせるか。私は具体案がなければ、これは水を飲ませて、二、三日生き延ばすよりは殺してしまつたほうがいい。二、三日ひもじい思いをさして水を飲ませるならば、あとに肉なり、牛乳なり、パンがなければ殺してしまうほうがいい。私は血になり肉になるような法案がなければ、これはどうやつても私は納得ができない。話は戻りますけれども、先ほど白井さんがおつしやつたように、金融機関本位、信用事業本位、こういうふうなことですが、そんなに中金というものは農林省は恐ろしいですか、そんなに中金の圧力が強いですか、私は逆だと思う。私ばかり言つて相済みませんが、結論として、過去三年の農業協同組合の辿つて来た事業の実態を私は分析して教えてもらいたい。例えば麦の取扱い数量が昨年どのくらい減つたか、又餌は一体どのくらい扱つておるか、餌は農業協同組合で一パーセントも扱つていないでしよう。この頃殆んど肥料で食つているようですが、五〇パーセント前後です。そういうふうなことでありますから、それらについて一体農協事業分量、農林資材、又農産物の販売、これらについて今まで過去三年間にどういうふうな経路を辿つておるか、数字的に私は資料を頂きたい、こう思う。それから、この法案として非常に密接な関係がありますところの農業団体再編成の問題に対して、今度の再編成になれば、農協がこういう形で事業分量が殖える、前後しておりますが、こういう点も附加えて説明してもらいたい。それから農産物価格安定法の問題も、「なたね」なり、澱粉なりを、一体農林省はこの法案によつて農協にどういうふうに委任経営をさせるつもりか、こういう点につきましても具体的に私は教えてもらいたい。それから昨日の運送の問題もこの法案と非常な関係がありますから、具体的にこの委員会に出してもらいたい。いろいろ意見が多くなりましたが、何かそれについて私の意見とは全く違つた、私が認識不足だというならば、認識不足の点を教えてもらいたい。もう一つ申上げますが、これもさつき話が出ましたが、なぜ早く農協の実態をつかんで、小さな五十戸や百戸の経済単位というような農協というものをなぜ早く整理しないか、これは自主的にやつておるのでありますから、法律を変えなければならん。今町村合併の問題が起つておるときに、そういう際に遠慮することはありませんよ。もう占領されておるのではないのだから……。あなたのほうから農協なら農協というものが事実あるのだから、経済単位があります。この経済単位を生かすためには、それ以下のものはどういうふうにして整理する、これもやはり私は同時にこの再建整備促進関係があるので、これは具体的に示されなければいかんと思う。これらについて御意見を伺いたい。
  18. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) 河野委員から大変に大切なことを教えて頂いたわけですが、これは少し私たち考え方がちよつと違つておると思いますのは、協同組合の建前といたしましては、私たちのほうでは、できるだけ自主的な組合という形をやはり尊重して行くべきだというふうに考えております。これは恐らく河野委員とも考が変つていないと思うのですけれども、ただそのやり方につきまして、いろいろ問題があろうかと思いますが、とにかく自主的な体制を極力尊重して行く。ただそれがどうしても非常に弱体化し、或いは又例えて申しますると、支払停止のような状況が来ましても、農協の経済或いは農民生活というものに非常に危険な状態が来る虞がある。こういうような場合には、これは政府としてどうしても出て行くべきものである、こういうように考えておるわけであります。今度のいろいろの諸措置に関しましても、そういうような観点から実は考えております。中央会の組織にしましても、或いは又あれに若干の監督規定等を入れておりますけれども、それらのものの政府の関与というものはできるだけ少い形においてやるべきである、こういう実は立場に立つて考えておるわけであります。例えて申しますると、確かに国の補助をやつて行くということ、これは再建整備のときも同様だつたのでありますが、このことにいたしましても、これは単にそれが問題ではないのでありまして、このことによつて農協の主体的な努力というものが、自分の力で中から立上つて来るということを実は期待いたしてやつて来たわけであります。ところが再建整備実績から見まして、或る部門においては成功いたしておるわけでありますが、併し全体から見まして欠けた点があるということで、今度の促進のようなことをお願いをしておる状況であります。そこでまあ先ほどのお話のように、確かにこれにプラスするいろいろな手が必要かと思うのでありまするが、例えば昨日来お話の森林法の問題にいたしましても、或いは別途考えておる法人税等の特殊な措置にいたしましても、いろいろ問題があろうかと思いまするが、この数年間の実績を見ますと、その外部からのいろいろな問題以上にやはりよりもつと大切な問題は、私の考え方を申上げれば、農協の内部の自立的な体制の確立ということが非常に大切なのではないかというふうに考えております。これは従いまして総合的な指導のやれる体制というものを協同組合の内部として確立をして行く、例えば経営能力の改善にいたしましても、或いは又協同組合全体の組織利用の問題にいたしましても、内部の主体性が確立するということが、これがやはり何と申しましても喫緊の非常に大切な点でないかというふうに私たちは考えております。それに相応じて外部からもいろいろな問題が好転をして行く必要があるのでありまして、従いまして勿論農産物の価格安定のごとき措置もあります。これは協同組合の立場から見ましても是非そうやつて頂きたいというふうに私たちも無論考えております。併し協同組合の殊に組織的な面を担当いたしておりまするものの目から見ますると、それ以上に協同組合の内部の確立ということが、やはり何と申しても大切なんではないか、こういうふうに私たちは考えております。今度の促進法にいたしましても、そういう問題が確立される一つの誘い水という形において考えておるのでありまして殊にこの今度の法案等が成立いたしまする以前におきまして、いろいろと組合の各部門から寄せられました、再建をいたそうという非常に熱烈な意思が表示されております。これらのことを照し合して考えまするというと、この促進法案に盛られておる内容というものが、単に或いは誘い水程度かも知れませんけれども、もつと深い、協同組合の主体性の確立というふうに動いて行くものである、又そうなければならんというふうに私たちは期待をしておるわけであります。それから先ほどの町村合併の問題におきまして、協同組合の規模を拡げてやる必要があるじやないか、これは私たちも原則としてそういう形を賛成いたします。併し行政区画の拡大ということと、経済単位の拡大ということとはこれは非常に関連はありまするけれども、向うが拡大されたから直ちに即時にそれに即応することが正しいかどうかということは、これは私はまだそのようには判断はいたしません。やはりそれに非常に大きな影響は受けまするけれども、順次そういうものを考えながらやつて行くべきであるというふうに考えます。ただ組合の単位が現在非常に小さいものが数多くございまするので、殊に現在の町村の単位にまで上つて来ない組合が多々あります。一つの村の中に二つ三つというふうに、いわゆる総合単協と称せられるようなものが併立しておるような状況でありまして、これらのものは行政指導といたしましても、又組合内部指導、陣営の指導といたしましても、これらが合併するような方向に強く実はここ両三年あたり指導いたしておる現状でございます。
  19. 河野謙三

    河野謙三君 今の私の質問はちよつと誤解があつたと思うのですが、私は町村合併に並行して市町村単位に一組合にしろと言つたのではない。何でもかんでも、どんな大きな都市であつても町村単位にして一つであればいいと言つたのではなくて、要するに経済行為をしている団体でありますから、経済単位というものがあるはずである。そこで従来の農協経営の実態をよくあなたのほうで分析されておるかどうか、その場合に一体経済単位は五百戸か、千戸か、三千戸か、五千戸か、おのずから各論が出ておる。大ざつぱに議論すれば、一つの小さい村に更に組合が二つ三つあれば、これは経営不振にきまつております。これは経済単位に満たない。そこで町村単位は別でありますが、農協経営上は経済単位が一体組合戸数は幾らがいいかというあれがあると思う、なければならんはずだと思う。そういうものがあれば、それに向つて指導される。指導でなおいけない場合には、法的措置を講じても私は少しも差支えないじやないかということを申上げた。それから今協同組合部長は、この措置によつて協同組合は一応息を吹き返すというような認識を持つておられますが、そこが私との認識の相違である。そこで認識の相違の問題をここで論議しても仕方がありませんが、数字を出せば一番よくわかる、数字を出せば……。一体この前の赤字補填をやつて農協は息を吹き返したかどうか、ここで私は過去三カ年間の農協事業の実態を数字によつて示してもらいたい。これによればすぐわかる、あなたの認識でも、その当時の二、三年前の認識では、あの措置によつて息を吹き返すのだ、金融措置をやれば、あとは自分の持つ体力によつてこれは健全な体に戻るという認識を持つておつた。ところが意外に栄養失調であつて駄目なんですよ。現在栄養失調かどうかという問題、これは私は完全に栄養失調だと思う。骨と皮だけですよ。私はそう思う。単に先ほど申上げました通り、水を飲ましたり、カンフル注射だけでは駄目だ、栄養灌腸をしなければならん。栄養灌腸の持合せがないからいけないと言つている。それは議論が長くなりますから、要するに私は私が十分納得行くような説明の材料及び数字を以て、過去三カ年間の農協の、特に事業部面が辿つて来た経路を数字として、資料として提出してもらいたいということをお願いするわけであります。この間も申上げましたが、私が知つている単位組合というのはひどいですよ。信用事業によつて黒字を出して、それによつて事業面の赤字を糊塗して、そうして一ぱい一ぱいに組合員に決算報告をするのが常道です。それでもなお且つ赤字のままで決算報告をしている単位組合が非常に多い。そういう実態で、私の承知するところでは完全に栄養失調ですよ。そこへ水とカンフル注射を持つて来ても、これでは息を吹返さないと言つておる。十分私たちの納得できるような数字を示して頂きたい、こういうふうに思うのです。
  20. 白井勇

    白井勇君 只今河野先生の質問に対して、協同組合部長さんがお話しになつたようですが、今の協同組合運動重点というものは、組合内部における主体性の確立である、こう部長さんはお考えになつておる。この法案措置というのもやはりそれに対する一つの誘い水である、こういうふうにお考えのようでありますが、そうしますというと、その主体性の確立に対しまして、農林省でやつていらつしやいますその他の措置というものはどういうものなんですか。
  21. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) 先ほど河野さんのお尋ねの組合経営の規模の問題でありますが、現在は大体約六百戸程度が、組合員としまして六百人になりますか、大体六百戸、それが現在の平均になつております。そこでこの平均に達しておるものが適当であるかどうか、これは大体論としましては、もう少し大きな組織がいいということは、これは言えるかと思います。現在例えば部落単位でやつておるものとか、町村の区域に満たないものがかなりございまして、そういうものの数が多いということは大体において言えると思いますが、併し御指摘の協同組合標準の形として何戸がいいということは、残念ながら私どものほうでは結論は出ていないわけでございます。これは御存じの通り財務基準だとか、いろいろなことは出しておりまするけれども、経営内容というものは、こういう外界の条件ですから非常に変るわけであります。それを何戸が基礎としていいということは腰だめのような感じではいろいろな意見がありますけれども、皆頭では感ずるかと思いますが、それでは一体どこがいいかという結論を農林省として示せということになりますと、正直に言つて私どものほうでは結論に到達していない状況でありますので御了承願いたいと思います。大体今のところは六百戸程度で、それ以下のところでうまく行つているのも中にはあると思いますが、そういう状況でございます。それから実は先ほどの数字で示せというお話でございますが、これは協同組合法の改正その他につきましても必要な数字であろうと思いますので、できるだけそういう数字は出せますように努力して参りたいと思います。  それから今白井さんのほうの御指摘の主体性の確立という問題でございまするが、これは農林省としましては、これをこうせい、ああせいということを申上げるのは、実は主体性の確立を阻害する、ちよつと矛盾したような恰好になりますので、先ほど申しますように検査をいたしまして、これは余りほかに拘泥しないで検査がやれるわけであります。検査をいたします、そうすると、この数字が相当明確に出て参りまして、それに関しましていろいろ批判が出て参ります。私たちのほうは検査をして、それの役所のほうとして持つておりまする意見を申上げて、それに対しての善後措置の報告を求める、こういうことになつております。現在のところではそれ以上に実は出て行くことは法律的には余りできないことになつております。そういうことから、或いは又経理一つやり方基準というような問題がございます。そういうようなものを示しまして、これに対してのいろいろな講習啓蒙をやつておる、或いは又経営をいたしておりまする諸君の再訓練或いは又協同組合学校を通じましてのいろいろな幹部になる諸君の養成というようなものを、これは従来もあつたわけでありまするが、それに対しまして国が委託費或いは補助金等の形におきまして助成をしてやつて行くというような形で組合の内部の問題をあれしておるわけであります。その他に勿論御存じのように、販売事業につきましても、又購買事業につきましても、それぞれ事業面におきましての指導があるわけでありましてこれは農林省全体が一つのそういう意味におきまして指導的な立場を持ちながら連絡をするということが言えるか思います。併しそれはいろいろと問題によつて違うわけでありまして、例えば肥料につきましても、肥料の共同計算制というものが、それなら農林省の慫慂によつて行われたかと申しますると、これはやはり協同組合の内部におきまして、そういう機運が熟しまして共同計算制が行われている、それから販売事業にしましても又同様でありまして農林省のほうから無条件委託をとれということを慫慂しておる結果できておるのではないのであります。ただ協同組合の運動の上で共同計算なり或いは無条件委託というものの考え方が理想的な形としてあることは、これはいろいろな関係においていろいろと議論はいたしておりますが、直接にそういう慫慂の形はとつておりませんが、ただものの考え方としては、いろいろな都度にそういう問題が出て参る、そういうふうに御了承願いたいと思います。
  22. 河野謙三

    河野謙三君 今のこの平均六百戸ということでしたが、私も五百戸から六百戸の経済単位と平均とは別であります。併しこの段階まで来たら過去の経験に徴して、農林省のほうから組合を結成する場合には、例えば六百戸以下じやいかんとか、五百以上にしろとか、そういう措置をとられる御意思がないかどうか、これは進んでこの段階に来たらすべきだと思います。アメリカが何と言おうが、もうそんなものは過去のことでありますから、もうとにかく過去の経営の実態をよくつかんでおられたら、もう二百戸や三百戸のところはいけないにきまつておるから、それをいつも農民の自主的に自主的にということでなしに、それを進んで農林省がそういう措置をとられる御意思はないかどうか。それともう一つは、これは協同組合部長に私、私的に申上げたことがあります。今の協同組合再建のために一番問題点は、協同組合の魂が抜けておる。魂というのは協同組合というものは生産指導をやるのが魂である。生産指導協同組合の魂であつて、その生産指導のために附随して購買販売事業をやる、こういうことなのです。ところが今の協同組合は生産指導をやつておるか、やつていないでしよう、極端に言えば……。それはなぜかというと組織の上に欠陥がある。各部落の生産組合というものがこれが推進力になつて行く、この生産組合というものは戦争から戦後の統制時代の遺物であつて、村長から委託を受けて切符を配つてやつたり、それから供出の事務をしたり、これが生産組合で、何も生産指導をやつていない。そういうものが要するに推進力になつているというところに間違いが起る。そこで私はデンマークかぶれしたわけじやありませんけれども、少くとも部落の協同組合事業を阻害しておるものは、その各町村にあるところの養鶏組合であるとか、酪農組合とか、養豚組合、養蚕組合、こういう業種別に各町村にたくさんできております。これがむしろ農協と対立した恰好になつておる、而もこのほうの組合のほうが本当の生産指導をやつておるわけです。だからこれらの業種別の養豚、養鶏、養蚕というようなこれらの組合の代表者を以て組合の理事にして、そうしてその両翼に婦人部なり青年部を置いてそうしてこの農協の役員組織というものを作れば、そこに初めて私は餌はどういうものをやつたらいいか、肥料はどういうものを買つたらいいか、養蚕についてはどういう蚕児をやつたらいいか、こういうものが本当に生産指導と結び付いて農協販売事業なり購売事業ができて来ると思います。今の生産組合というものは私どもの知つておる範囲ではそういうものはないと思うのです。こういう農協に本当の魂を入れるためには生産指導をやらせるのだ、生産指導をやらせるのには今の組織では駄目だ。これを私は言つておる。然らばどうしたらいいか。私は今のようなことを考えるが、これだけのことでいいと思つておりません。あなたのほううにも別な案があるでしよう。何か今後農協に魂を打込む、生産指導をやらせる、これについての何か農協政策について協同組合部長は具体案がおありにになりますかどうか。これをやらないででおつて今言うように水を飲ませたり、カンフル注射をしたつて絶対駄目ですね。これについて何か御高見を私は拝聴したい。
  23. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) この五百戸或いは六百戸というような組合員をもう少し大きくするような基準のあれをしたらどうかということでありますが、それは先ほど申しましたように、すでに村の組合合併促進する行政指導は常にいたしております。殊にこれは再建整備法ができまして以来、そういう問題に対しての目が開かれて参りまして、これがかなりの成功を収めております。又これを概括的にそれならばこうしろということを言うかどうかという問題ですが、これは私たちは今御審議をこれから願いまする協同組合指導組織が、中央会その他の指導組織ができて参るわけでありますが、これらがやはり中心になりまして先ず促進して頂きたい。その様子を見ましてから結論を出したほうがいいのではないか、直接的に国がそういうことに出て行くよりも、協同組合の内部におけるやり方としてやつて行つたほうがいいのではないか。ただ先ほど申しますように、再建整備対象になつております組合は大体不良組合であります。此つてその不良組合の原因の大きな理由が、今の経営規模の問題であるという指摘がされる場合が多いのであります。こういうものにつきましては、こり際合併をしなければならないというような行政指導をやつておるのであります。全般的な問題といたしましては、やはり協同組合の中央会等の組合としての指導組織がやつて頂くということが順序で、それが進みまして、それでもどうしてもいけないという場合には、又考えてやつて行く必要があるのではないか、かように考えております。それから生産指導の問題につきましては、これは御指摘の通り非常にむずかしい問題でございます。殊に生産指導議論いたしますると、すでに農協でも約一万人以上の技術員を持つてつておるのであります。ただこの技術員が実際にそれならば生産技術の問題にどういうタッチの仕方をしておるかというところに問題があろうかと思います。又殊に生産指導の問題を議論いたしました場合に、お言葉の中にありましたように、部落と申しますか、現在の村単位の協同組合よりも、その部落の組織をどうするかという問題がやはり一つの問題になると思います。今度の法案では、そういう部落に、部落団体を協同組合の下部組織とするという法案は出しておりませんが、ただ部落で部落単位の協同組合ができました場合に、その部落単位の協同組合というものが村の協同組合に加入するということはできるように今度は法律改正をいたしております。その点で従来よりも少し改善がされるかと思います。従いまして部落の団体がどうしても結成する必要があるといたしますならば、法律的には部落の協同組合を作つてつて行けば今の問題が解決できる。若しそれが非常に面倒であるというならば、現在行われたりいたしておりますような、実際的な代表者のような組織をとつて行くことも考えられますが、そういうように今度の改正案ではお願いいたしたいと考えております。
  24. 河野謙三

    河野謙三君 今の小さな組合があなたのほうの指導によつて漸次合併の実を挙げておる、こういうことでありますが、それも一つ数字を以て大ずかみでいいのですから、百戸から三百戸までの組合、三百戸から五百戸までの組合と、こういうように二百戸ずつ飛んで結構ですから、そういうふうに、今まであるそのうち何パーセントが合併するかということの資料を出して頂きたいと思います。
  25. 清澤俊英

    清澤俊英君 問題が大分発展しまして促進整備法から農業団体再編成の線に入つて来たと思います。私は当初から再編成とこの促進法合併して審議したほうがいいという考えを持つておりますが、切離されておりますが、それを余り議論するわけではないが、只今河野さんと協同組合部長の質問応答を聞いておりますと、ちよつと疑惑が出ましたのでお伺いしますが、基本的に協同組合を民主的な団体としての成長を考えておられるか、それに対して、そういうものが今確立しておるか、基本的な農業協同組合の出発は、民主的な農民自身がみずから開発をすることが基本である、それに対する指導が、どうも質疑応答の中に、何か政府が一応のコースを以て、ここに飛込んで行き、民主的なものを曲げてしまうのだ、こういうようなものが考えられる点が非常に多いのであります。従つて若し民主的なものが曲げることのできない一つの基本であるとすれば、その指導と教育は、これは指導というよりも、むしろ啓蒙、教育に重点が置かれて人を育成することでなければならないと思う。農協自身の経営が成るとか成らんとかいう問題は農民自身の責任に帰結して、こうやればやつて行けるという教育或いは啓蒙が中心にならなければならんので、農協自身、嫌でも何かの形で以てやつて行くのだから、こういうふうなものを以てこういうふうにして行くのだ、こういう一つの筋が入りますと根底が違つて来る。そこで今進めておられまする農業団体の再編成に当りましては、その根本においてどちらをとつておられるか、そうしますると、同じ今の部落で問題などが出て来る。往々にして政府指導でありますと、末端のことはわからん。従つて一部の部落で以て昔のように七十六の役をしましたということができ上つてしまうと思うのです、まごまごすれば……。これを若し民主的な成長に任して、教育と啓蒙で以て行つて、それでうまく行かないということは仕方がないという建前をとつて行かれますならば、これは単なる補助金で勝手に使え、勝手にこういうふうにやればいい、お前ら勝手にしろ、こういう形で自主的な成長に待つつもりであるか、この促進法を中心にして考えて見ましても、そうであるし、又再建整備のその辺まで触れましたから、それをお尋ねするのだが、根本的にはどこにおかれるのか。
  26. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) 協同組合が農民の自主的な組織であるという原則、このことは協同組合法で謳つておりますように、私たちはそれを貫いて行くべきであると考えております。但し問題になりますのは、でき上りました協同組合が非常に農民の生活或いは農村の経済等に大きな影響を持つております。従いましてその点におきましては、単に何ら協同組合政府が関与いたしませずに、潰れるのは勝手に潰れろ、借金するものは勝手に借金しろというような意味におきましての完全な野育ちの放任ということは、現在の協同組合の持つております農村経済に及ぼす影響から見まして、これはできないであろうと考えております。従つて申上げますように、最小限度のそれに対しての補助なり又若干の検査というようなもの、或いは監督の規定のようなものを最小限度入れることはこれはやむを得ないと思います。かように考えておるわけであります。更にそれから進みまして、それならば農協の持つておりますような自由設立をいたす、或いは又総会における選挙というような問題も、これを戦時中の農業会の考え方のようなところに持つて行こうというようなことは全然考えていないのでありまして、やはり農協の基本精神であります農民の自主的な団体であるという考え方は飽くまでも生かして行く。併しこれが農村経済等に対して非常な大きな影響を及ぼしております。又村の実態から見まして若干の監督が必要である点があるわけでありまして、現実にそういう問題が生じておるわけでありまして、そういう問題につきましては政府が監督することもやむを得ないじやないか、かように考えております。
  27. 清澤俊英

    清澤俊英君 時間も来ておりますから、いずれ再編成の問題も出ますから、そのときに今の問題はお聞きします。
  28. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 私からちよつと質問したいと思います。白井君の質問に関連するのですが、この法案を見て行くと、金融機関が持つておる既往の債務ですか、債務の条件緩和、それに対して利子を補給する、而も十カ年以内に固定債務を全部整理をしなさい、或いは持つておる欠損は十年以内に全部補填をしなさい、こういうことになつておるわけですね。そうすると、既往の債務は確かに条件が緩和されて、借りている経済連なり、単協は勿論楽にはなりますけれども、私はそれだけではとうも整備促進できないのじやないか、それを更に中金なり信連がその整備計画に即応した積極的な事業資金等の融資をしないと、まだ増資をしろ、その土台を直せと、消極的なことばかりやつているので、最後のやはり積極的な事業資金を融資をしてやらんと、どうもこれは再建整備の例からしても、土台はできたけれども、結局促進ができないのじやないか。而もこれは河野さんも言われたように、特等席と三等席というようなことで、経済連とか、単協というものは経済力が非常に弱い。ですから何かの条件緩和は勿論これは必要です。その整備計画のできた組合なり、連合会には金融機関は積極的な融資をしなさいとか、或いは農林省が融資の斡旋をするとかいうようなことを何か入れんと、僕は前と同じことになると思うのです。この前の再建整備の際、たしか私も討論したと思いますが、要するに結局土台を直しても、いろいろなものを、建具を入れなければ駄目なんですから、あの際の条件付賛成として、積極的に事業資金の融資を政府が考えておる、これは条件としておると思うのですが、どうもただ消極的に利子を減免する、それは政府が補填する、これは問題の組合連合会ですから、なかなか再建はできないので、何かこの条文の中にそういうような規定が欲しいというような感じがするのですが、その辺はどうですか。
  29. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) これは実はいろいろ議論がその点にあつたわけであります。これは再建整備のごときは、御存じのように全国単協二千四百、それから連合会百二十六ですか、もう少し少かつたかと思いますが、その程度のものを実は指定日をきめまして一斉に出発したわけであります。これはその目標が出資金の自己資本不足額を作るとか、或いは固定した債権、或いは在庫品の流動化をやるというようなことになりまして実はかなり機械的になつておるわけであります。今度考えておりますのは、そういう機械的なやり方ではこれは不十分だ、殊に連合会の数になりますと、そう多い数ではございませんので、従つてこれを一つ一つ具体的に計画を立てて行く、その計画を立てて行く際に、勿論県の段階におきましては、単独の事業連或いは信連従つて中金諸君の発言もあるわけで、そういう協議の上にできるわけでありますが、又これは恐らく県庁や、その他の諸君も中に入つて来るような形において十分な協議が行われるものと思います。なぜならば協議を行いましたならば、恐らく協議を行なつたということの事実は、やはり従来より以上の、これに対しての補助なり、或いは援助なりが行われるということに、自然そうなりましようし、又これをこの法律に貫いております、この法律の前にできておりまする閣議決定その他の中では、そういうような気持も実は含まれておるわけであります。そういうような運用が行われることと考えておるのでありますが、それは又中央に参りまして審議会という形になると思います。これは県連一つ一つの具体的な原因を究明して、その場合において決してその問題は過去における問題だけでなしに、今後これが建直つて行くためにどういう方向に持つて行くべきか。従つて問題は先ほどの融資を更にやつて行くというような問題も勿論これは出て来ると思います。かなりそこらの判定の範囲を再建整備の場合と異なるものにしまして、具体的に又融通性を持つてやれるような考え方でこれをやつておるわけであります。従つて問題は審議会或いは出て来まするところの県の段階における再建整備の計画というところに問題があるのでありまして、かなりこの法案自体が運用面において多くのことを期待しておるわけであります。従つて法案そのものだけを見ますというと、いろいろ御指摘に言ましたような、単に五%の利子補給或いは税金、その他の免除というだけの感じが強いと思いますが、運用といたしましては、そのようなことをやつて行かなければならんと思つております。ただ当初議論がありましたように、それならば低利な長期資金を出して行くというような形をやつたらどうかという意見、これは非常に議論されたのでありまするが、現在の政府のそういう面の資金から必ずしもこれを期待することはできにくい枯渇した状況にございまするし、又一時的であるとは言いながら、資金そのものが現在の農協関係の中で非常に枯渇しているというわけにはない状況でありますので、従つて新らしい事業資金の調達のごときものも、協同組合の内部において、中金を初めといたしまする中金内部において、農協内部において賄えるのじやないか、こういうような期待を実はいたしておるわけであります。で、それからのいろんな問題はやはり審議会におきましての具体的な論議を通じて議論が発展して行くのじやないか、こういう考え方でおるわけであります。
  30. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) どうも政府の答弁を聞いておると、主体性の確立とかいうやや観念的なような感じをちよつと受けるのであつて、やはり先ほどのお話のような具体的な事業の拡大なり、或いは例えば食糧庁の政府米の保管料とか、手数料とか、やはり具体的な問題で行かんと、抽象的な観念論をやつてつても、これは実際上再建整備はできないという感じです。だから私はいわゆる長期低利政府資金が出れば、それに越したことはないのですが、そこまで行かんでもこの整備計画を立てた連合会なり組合には、単に既往の債務の条件緩和ではなくして、それを整備して再建しようというのですから、やはり別に事業資金が要るのです。ですから中金の自己資金が相当ありとすれば、それでもいいのですが、やはり金融機関整備計画の策定について、条件緩和は勿論ですが、今度は積極的な事業資金の融通等については援助をしなさいというのです。そうして農林省援助の斡旋をするとかいう、そういう方針が法制上はつきり出んと、又大したことはないという気がしているのですが、そこでまあ審議会はそこまでで切るかどうか、今ちよつと法文を読むと、関係行政機関に建議できる、審議会がそこまでできるとすれば、関係行政機関だけではおかしいのですよ、例えば農林中金なり、その他にも或る程度審議会から何と言いますか、建議ではないので、こういうことをしなさいというようなことが或る程度申達ができるというようなことをせんと、農林省に言つて農林省中金に貸せということを命令するようではいかんと思います。中金の機能としてやはり融資の斡旋くらいしかできない、そこのところはどうなりますかね。
  31. 森田豊壽

    ○森田豊壽君 先ほど来各委員お話を聞いておりまするというと、金融機関の何か援助のようにお考えになつておる点も相当あるようでありますが、又今のままでこの法案通りと考えますると、そういう点なしとは言えないと私も考えるのであります。併しながら今委員長の言われたように、この問題は利子補給をすることによりまして、金融機関を通してその欠損金その他事業の不如意でありまする最も重要なる経済面の更生をさせようという狙いであることは勿論でありまするけれども、この問題はただそれだけでは実際においてまずい、今いろいろ経営者の問題があり、立派な経営者を作るような一つ考え方を私常に論じておるのでありまするが、農村によき指導者を作ることを考えなければ、ただ政府資金の面やその他の事業の面で援助しただけでは駄目だということを常々言つておるのでありまして、これは強い、又立派な指導者を作るということから行きますれば、昔陸士、海兵があつたことく、国家の費用におきまして農村の指導者を指導するという、農村指導者教育と申しましようか、組合学校と今称して各地で叫んでおりまするが、それ以上のものを作るのでなければ、食糧増産を唱えられ、農村が我が国の経済自立の上において、最も重要な問題だと称しておりながら、その指導者を得ないというような状態であつては、如何なる農政問題を論じましたところで、これはすべてが経営者にあるわけでありまするから、その経営者のよき人を指導する、教育するということをしなければ私はならんと思うのであります。こういう点から考えますれば、幾多の問題があると思いますが、又国費を以ちまして農業委員会に三十億の金を使うのだ、そういう指導者を作る学校であり、又そういう子弟を教育するための費用に当てるべきだというくらいに考えておるのであります。差当りの問題ばかり考えまして、将来を考えるのでなければ、この農業の、農村の問題というものはこれは行詰るにきまつておるという結論しか出ない、話は余談になりましたが、そういうことも直ちにできないというのならば、先ずこの再建整備と関連いたしまして、再建整備をさして行こうという考えであるならば、即ち整備促進をしようというのであるならば、あとそれに対する水も、私に言わせれば呼び水であるのでありますから、この水を注いだ以上は、なおあと水を注ぐ態勢に務めなければ育たないのでありまするから、先ほどおつしやつた通り委員長が言われた通り、あとの資金を出すようなことにつきまして考えなければ、その場限りの暑いときの一ぱいの水に過ぎないのでありまして、これはあと資金を十分に注ぎ込んでやるということに対しまして、農林中央金庫を初めとして、各信連に相当の金のあるところがあるのでありますからして、それに対しまして事業資金を相当出さすということによりまして、初めてここにこの整備促進法に盛りましたその精神が生きて行くと思うのでありまして、先ず第一番にどういう事業をあてがいましても、金がなければ仕事がでないというのが実情であるわけでありまするから、あとの資金を十分安心して出せるよう方法をとつてやらなければ、これ、はただ利子補給くらいだけの問題では、決して農業会は再建できない、又促進できないということに私はなると思うのであります。この点は農林省といたしまして、金融機関農林中金という立派な金融機関があり、又各県の信連事業連と比べましたら格段の差があるということは、各委員お話通りでありまして、これに対しまして信連も大いに御援助する、その態勢を指導方針として、これは兄弟でありますから、上からやつてくれなければ、組合連合会の問題じやない、お互いに兄弟が、上のものの関係でありますから、農林省がやはりやつて頂かなければ工合が悪いのであります。どうかこの点を十分に一つお考え下さいまして、この整備促進法の法に盛られてあります精神を十分に生かすために、あとの水を注ぐ、あとの金融をどうするかという問題について十分一つお考えを願いますれば、先ほど来中央金庫がどうの、或いは金融機関がどうのという問題も、あと危険があるから出せないということであつてはならんのでありまして、あと十分政府がこういうことをして、又議会がこれをきめてやるならば、我々はそれに対して大いに協力して、一番先の先棒を持つということで、後押しは皆さん頼むというので、金融機関が先構をやるという気持でなければできないのであります これを私は中央金庫に対しまして十分申したつもりであります。政府のほうでそういう考えでやつてもらいたいという希望を申上げます。
  32. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) 今森田さんのおつしやつたことは私たちもその通り必要に考えております。これは審議会の一つ当初におきましての考え方といたしまして、そういうようなこの運用をいたします際の重要な方針を議論されることと思いまするが、そういう場合におきまして、先ほど来御議論のありましたように、事業資金の融通という問題も併せて考えなければならん、こういうふうに私たち指導方針としてやつて行きたい。かように考えておるわけであります。
  33. 河野謙三

    河野謙三君 もう一つお尋ねいたしますが、今度の処置によつて中金へ新たに加わる負担は幾らありますか、要するに中金のいわば一つの不良債権ですよ、今までの固定貸付と言うか、これが生き返るわけですね、それに対して当然中金は、中金自体の負担は当然起つていいと思う、これによつてどうも中金か幾らか儲かるというのはおかしい、(笑声)他人の貸付の手形に裏書したのじやないのだから、自分のやつた貸付について、それを他人の力を借りて、これを確定償権にしてもらうという場合に、中金の新らしく起る負担はかなりあつていいと思いますが、あとでも結構ですから、数字を一応……。
  34. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) これは数字的にきまるのはもつとあとになると思いますが、この法律の中の気分といたしましては、第五条の整備計画において、左に掲げる事項を定める、その第三に、「固定した債務の条件の緩和その他金融機関から受ける援助内容」という一項があります。これは単に一項なんであります。併しその気持といたしましては、現在すでにかなりの金融機関から来る援助があるわけでありますが、それよりもプラスする援助をやつてつて国の再建整備以上に援助をするわけだから、金融機関もそれ以上の、従来以上の援助をやつて、そうして促進をして行くのだという考え方が基本になつておるわけであります。で、ただそれならば具体的に県連に対してどの程度援助をするかということは、この法案内容が、すべて計画を審議会に持つて上りまして、そこで議論をしてその結果でやつて行く、その国の補助金自身を、その実績を見まして翌年度補助金を出す、こういうような恰好になつておりますので、今からどの程度中金負担を負うかというものは、数字的にはちよつと出しかねると思いますが……。ただ御承知のように、すでに中金のほうでは再建整備のために特別の部を設けております。そのこと自体が、すでに最近設けたわけでありますが、中金としてはこの問題を機会にいたしまして、全農協一つ再建整備を進めて行くようにやりたいという気持が中金の主脳者の中には強く彌漫している一つの例証かと思います。審議会その他の審議経過におきましては、そういうことが事実として出て来る、こういうふうに私たちは期待をいたしておる次第であります。
  35. 河野謙三

    河野謙三君 これはもう具体的にここで私はどうしても数字をもらわなければいかんと思う。とにかく新らしく部を設けたとか、課を置いたとかいう、そういう人件費程度の問題ではなくて、これによつてすぐわかる。やはり貸出分量は殖えるでしよう。無利息で貸付けるのじやないのだから、それだけだつて大変なもんですよ。中金をいじめるのじやないけれども、この措置によつて中金が少くとも儲かるというような勘定が出ることは絶対に私はいけないと思う。これはもうとにかく儲かる勘定ですわ、どう言つたつて……もあとになつてこうずるとか、ああするとかいうが、そんなもの信用しません。この間の開拓団の問題だつて、黙つていれば二銭六厘の要求をするのだから、どうしてもこの問題は具体的に中金がこの措置によつて、たとえ百万円でもいいです。この措置に、よつて、とにかく貸したものは元を言えば自分が悪いのですよ。そういうことによつて、人の災難で火事場泥棒みたいに又幾らか何かしようということは、そういう気持がなくても、結果においてそういうことになれば同じことなんです。だからこれは数字を、中金がこれによつて幾らの犠牲を負担されるのか。逆に全く純然たる営業益というものが出て来るのか。これは私の観点では営業益がたくさん出て来ると思う。八の災難で儲けてはいけませんよ。数子を一つ示して下さい。
  36. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) これは先ほど来申上げましたように、結果として出て来る問題でありますので、今から数字として申上げることは私はちよつとできないと思います。ただ現在すでに実際問題としての促進一つのルートに乗つて出ておりまするものとして、福島の県連の統合問題に伴ういろんな問題が出ております。岡山の県連におきましても同様な問題が起きております。これは中金との関係におきましては、今具体的な数字はちよつと忘れておりまするが、約一千万円以上の金になると思いますが、それが具体的に中金からの援助と申しますか、そういう形において出ておるわけであります。これはそれぞれの県連実情中金との関係において異なつて参りまするが、ただ従来のやり方と私が違うと思いまするのは、審議会のメンバーの中に、恐らく中金の理事長その他の中金関係のかたがお入りになることが多かろうと思いまするが、そういうところで一つ一つ県連実情議論をされる。従いまして中金県連に対してどの程度援助をすべきかということも、単に県連県連との間だけではない形において、ほかのものも交えました形において議論がされるわけであります。そういう事情から考えまするというと、又従来の、環に再建整備関係いたしまする中金関係から考えまして、今ここで数字ということは私は少し無理かと思います。中金は今度の場合かなりの決意を示しておりますし、又審議会の審議の結果そういうふりになるのであろうということも予測乞いたしておるわけであります。
  37. 河野謙三

    河野謙三君 今ここですぐは無理だとおつしやるけれども、大体予算的なものは出るでしよう。この措置によつて幾らの金が動いて、大体その金利がどうして……、今出ると思うのです。それは私はしつこく言いますが、私は寡聞にして中金が系統機関に金を貸して損をしたということを聞いていない。ところが私が聞いているのは、員外貸付で、例えば何とかいうごろの餌会社に金を貸した、ところが取れないで、仕方ないから或る金貸しの何とかいうやつが仕方がないから又金を貸した。幾らでも引張られてだんだん深みに入つたということが言われている。そういう系統機関以外に金を貸して損したという話は聞いているけれども、一つや二つはあるでしよう。ただ系統機関に金を貸して中金が赤字を出したというのは聞いていない。いよいよ困つて来れば政府がどうする、こうするとかいうことで大抵中金は逃げている。本当の系統機関に金を貸して損したなら世間に対しても立派です。我々も納得するけれども、ところが逆の場合が多い。だから特にそういう問題を伺うのですが、あなたの一つの仮定の数字でも結構です。試算は出るはずです。試算によつて示してもらいたい。大事なことですよ、この法案審議に当つて……。
  38. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 河野さんの質問に関連してですが、条件緩和という中には利子を減免するという、これは当然のことなんですが、元本を切るということ、貸付金の固定した元本の一部を切捨てるという、償却をするということが入つていますか。
  39. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) これは審議会の議論において出て来ることかと思いまするが、現在それが入つていないとも入つているとも言えないのでありまして、考え方としてはそういうことを全部含めまして審議会で議論される、かように考えます。
  40. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) そこをはつきりしておかんと、法律を作成した政府としては条件緩和というやつは一番強いものは元本の一部免除、切捨てということも、これは入つているとか入つていないとか、これは審議会でやるというが、審議会でもその点が問題だと思うのです。(「そうだ」と呼ぶ者あり)而も利子の減免にかかる元本債権の五分以内、元本を切捨てますと、そこのところも大分影響して来ると思うのです。解釈上入つているかどうか。
  41. 河野謙三

    河野謙三君 私は委員長から具体的に出されましたので、私もそういう点を……。例えば金融機関である以上は貸出せばその年から貸付についての幾らかの償却をしているわけですよ。而もこういう固定貸付なら、長年の貸付なら、相当の危険負担というものをこれは償却していると思う。少くともそれは帳簿から落してあるのだから、そのくらいのものは元金からこの際当然負けてやつて、その上に更に中金が身銭を切ると、こういうことさえも望ましい、そうでしよう。金融機関経営はそうですよ。ところがそれを元本まるまる取るというようなことになつたら大変ですよ。審議会で元金には手を付けないのだということになつたら、これはとんでもないインチキです。そんなものは何もこの審議に当つて提灯つける義理じやない。この点はつきりして下さい。
  42. 重政庸徳

    ○重政庸徳君 私も河野委員と同意見です。これは従来例があるのです。耕地整理組合整備をしたことがあるのです。これは勧業銀行で恐らく、はつきり覚えませんが、三分の一か元金を切捨てたんです。そして国が、この問題ちよつと違うかも知れんが、国が補助金を出している。そしてこれを整備した。これはよくお調べになつたらわかると思う。当然私はその元金まで、どの程度かということは別として、ここに元金までも幾らか捨てて中金は誠意を表わす、いわゆる不安定債権確立するのだということにならんければ、これは実際常識から考えても私は納得できんのじやないか、こう思うのですが、どうですか御意見は……。そうすれば全く金融問題について、今まで朝から議論があつたが全くその通りのように私は考える。これは部長が非常に腕があつて、よくも私は大蔵省がこれで通したと思つているのですがね。これは非常に腕があるのだろうと思う。私どもそういう点で耕地整理の場面に直面したことがありますので、そう感ずるのです。
  43. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) これは法文を見て頂けばわかると思うのですが、この法文で書いておりますのは、金融機関から連合会に対して債権の利息を減免した場合におきまして、そういう場合において国が五分以内の利子補給をする、こういうことがこの法案一つの眼目であります。そこでそれ以外にいろいろな金融機関援助をするということは、これは運用の問題として期待をいたしておるわけであります。この法案の中では、それならばそういう問題を議論するのはどういうところで議論するか、その組織は、先ず最初に連合会再建整備計画を立てます場合に、その計画の樹立に当りましては信連或いは中金等と協議をいたす、それからいたしましたものが審議会に上つて来るわけでございます。で、審議会の中でいろいろな議論がされることと思つております。政府といたしましては、ここで法律に書いておりますのは、債権の利息を減免した場合に五分の利子補給をする、こういう点を明確に書いておるのでありまして、先ほどの御議論になりまするような、金融機関がどういう程度に、又どのような援助をするかということは、すべて信用機関と金融機関事業連との間の話合い、又それが上に上りました場合の審議会における論議、こういうところに任されておるわけであります。政府として元本の切捨のようなところまで一体これを強要するかと申しますれば、強要する法的な権限というものは御存じの通り全然ございません。ただ個々の連合会の実態を見まして、そうしていろいろな議論が出るだろうと思います。議論の赴くところ、或いは元本の切捨というような議論が出て来ることも、これは可能であろうと思うのでありますが、併しそれはすべて法律の強制とか、要請とかという問題ではないのでありまして、個々の連合会に当りましての論議において出て来る、かように思つておるわけであります。
  44. 河野謙三

    河野謙三君 谷垣さん、あなた御存じの通り中金の前に行つたら連合会なんというものはどんな姿だか、これは実に惨めなもんですよ。民間なら金を借りたほうが強いんだけれども、中金連合会の場合には、ここに森田さんもおられるけれども、実に対で口をきくどころの騒ぎじやない。土下座して三拝九拝して漸く部屋の中に入れてもらうというような、極端に言えばそういうことになつている。そういうことはこれは谷垣さんも御存じのはずであります。そういう場合でありますから、連合会とよく相談してとか、何とかということは、これは五分と五分の議論じやない。そこで我々は少し行き過ぎかも知れないけれども、そういう問題にまで入つてそこで或る程度の目安を付けておかなければ駄目だ、こういうことを言つているのです。連合会というものはひどいんですよ、中金に行つたら……。中金が横暴なんです。こういうような現在の中金連合会若しくは単協、この系統機関の中金の地位というものを、この実態から出発してものを考えてもらわないと、あなたが折角いろいろ民主的に審議会に任せるとか、連合会中金に任せると言つても、そういう民主的に動くような実態になつていないということを十分御認識になつて、是非先ほどから私が要求しておるようなものを出して頂きたい。
  45. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) いろいろ御議論がございます点は御尤もの点が多いと思います。ただ今度のやり方で参りますると、従来中金と、それから金を借りております連合会との間のみの話になるわけでありまするが、今度の促進法の建前はそういう形ではないのでありまして、恐らく審議会の委員の中に中金のかたが入られることが予想されるわけでありまするが、それ以外のかたがかなりおられるわけであります。全体の委員は九人予定しておりますので、つまり一つ一つの計画が従来のような中金連合会との間における問題という形じやなくて、かなりほかから入つておられるかたがおられましてそうしてそれぞれ専門的な立場或いは農業の運用の立場から御議論があると思います。そこらで最も妥当な結論を期待する以外に実際いい方法はないのではないか、例えばここで中金に対しまして非常にそういうことを要請するといたしましても、法律としましては、やはりそれを言う以上何かの裏付が必要であろうかと思います。運用におきまして今いろいろ御議論のありますような点が解決されるのじやないかと思います。少くとも従来のものよりも割合に各方面意見が出るのではないかと、かように考えております。
  46. 河野謙三

    河野謙三君 ますます谷垣さんに申上げますが、例えば審議会でやると言つても、あの審議会にどういう中正公正な立派な人がおつても、中金連合会の話が合つておれば、これは連合会中金のおつしやる通り、それでよろしうございますと言えばそれに容喙する必要はない。ところがこれは中金連合会は話が合う、中金はお前黙つている、お前余計なことを言うなと言えば、そこで話が合つてしまう。そうすれば審議会は何の発言権があるか、そういうことを私は恐れる。審議会でも結構ですけれども、中金連合会の現在の姿、これから出発して何か考えを練つてもらいたい、そこで私は余計なことを言うのです。そこいらのことはよく御存じのはずなんですが、これは危険千万だから今後慎重にやつてもらいたい。
  47. 森田豊壽

    ○森田豊壽君 ちよつと関連して伺つておきたいんですが、審議会の委員というものはどういうふうな人で、どういう者が出るかということをよく伺つておかないと、今のお話を判断するに困ると思います。審議会の委員と言うのですか、何と言うのですか。審議会の委員は九名というようなことを言つておりますが、その委員九人というのはどういう人を以て組織しようというのですか。例えばどういう方面からというようなことをちよつとお知らせ願いたい。
  48. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) これは全体で九人予定いたしておりまして、そのうちの六人はいわゆる学識経験者という分類に入れまして、あとの三人はこういう関係に従事いたしておりまする役所の職員が入る、こういう恰好になりますので、その三人のほうは恐らく農林省或いは大蔵省の担当官、局長クラスの職員が入るということになる。問題は六人の学識経験者でございますが、これは問題の性格上中金の理事長であるとか、或いは全国信連関係意見を代表されるようなかたであるとか、或いは又農協全体の立場から発言のできるかたであるとか、或いは又森林関係、漁業関係がございますので、そちらのほうのそれぞれの代表者のかたであるとか、そういうようなかたが恐らく学識経験者として入られるというふうに予想をいたしておるのでございます。
  49. 森田豊壽

    ○森田豊壽君 実際整理を促進しなきやならん例えば経済連方面の人は入れないのですか。今のお話だとそれがちよつと抜けているように思いましたが、そういうのは入れないのですか。
  50. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) これはまだ最終的にきまつていないのですが、先ほど申しましたような形において経済連関係意見が反映するようにいたしたいと思つておるのでありまするが、その関係で不十分と申しまするか、何せ数その他が限定されておりますし、又審議会で余り大勢の者が議論をしますというと、具体的な内容に入つて審議ができないと思いますので、それぞれの専門的な形でやりたいと考えておりますが、実際問題といたしましては、これに専門的な形において幹事会と申しますか、専門委員会と申しますか、そういう形のものを予想いたしております。これはかなり具体的な連合会諸君が入つて議論をいたす、こういう恰好にいたしたいと考えております。
  51. 戸叶武

    戸叶武君 こういうことをなさることは非常に結構ですけれども、実際今の信連なり中金のあり方、それから今の農協経済連なりその他の団体のあり方というものを根本的に検討して行かないと、日本のドイツ的な信用組合利用組合、産業組合が発達した時代からいつて信連事業においてはみんなプラスになつているのですから、それが分化されて、信連なり中金なりというものはほくほくしておつて、ほかの農協はみんな萎ましているというような状況において、殆んどこの金融参資本が弱体産業に君臨している以上は、信連中金、特に中金の横暴というものが甚だしくなつているとき、こういう再建整備の問題でも何でも、結局圧力というものは金融を握つているものから加わつて来て、そしていろんな団体に紐の付いた人をいろいろ集めて来たところで雑然としたところの低調な会になつてしまつて、根本的に日本の協同組合運動をどう建て直して行くかということが私は出て来ないのじやないかということを憂えるのです。産業組合から農業会に、今度の農協に、みんな民主化されたの何だのといつておりながら、実質上において民主化は形式的であつて、日本の産業組合運動というものは極めて堕落した状況に来ていると思うのです。そういうところを、農林省のいろいろ発案というものは結構ですけれども、我々はやはりこの間から言つているように、農協の実態なり中金実情というものに相当のメスを入れて、各協同組合農協に繋がるところの中金はかくあらねばならん、信連はかくあらねばならん、農協はかくあらねばならんというプリンシプルをしつかり立てなければ、私はこれは本当に体裁はいいけれども、結果は結局中金式の形になつて協同組合運動は推進できないのではないかと考えておりますが、これに対してどう考えていられますか。
  52. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) これはたびたび申上げましたように、協同組合の建前から申しまして、信連中金事業連というふうに分けるべきものではなく、全協同組合一つ考え方になるべきだと思います。おのおのその間には勿論仕事の建前もございますので独立の形にはなつておりますが、信連があつて事業連というよりも、むしろ事業連というものが健全な経営をし発展をして行かなければ信連自体も立たないわけであります。又そういう意識がだんだんはつきりいたして来たわけであります。今度の法案につきましては、事業連信連中金それぞれの諸君がいろいろと過程におきまして議調を尽して参つております。今戸叶委員の言われますような虞れは、そういうことにならないように今後とも一つ指導して行きたいと思つております。このできます経過から見まして、これは昨年来関係諸君がいろいろと議論しましたことも一つ影響しております。
  53. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) なお御質問があると存じますが、予備審査は一応今日で打切りまして、衆議院からまだ廻つておりませんので、衆議院から廻つて参りまして本付託の上で残余の質問をいたすことで御異議ございませんか。
  54. 河野謙三

    河野謙三君 この法案は先ほどからしばしば申上げるように、これから出て来る農産物安定法と重大な関係があります。又農協の再編成の問題とも重大な関係がありますから、それらの法案との睨合せの上において一つ審議するように委員長はお諮り願いたい。これを関連法と分離して審議することについては私は非常に疑いがありますから御考慮願います。
  55. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) その点は理事会で研究して今後の方針を決定します。
  56. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 先ほど委員長の言われた元本の切捨ということがこの法律にあるか、そういうものも含まれておるかという御質問に対して、部長のほうから、これは審議会でこういう意見が出て将来云々という言葉があつたが、それは部長考え方として飛躍しておりはしないが、審議会というものはこの法律の範囲内の仕事を考えらるべきものであつて、この法律に元本の切捨までこれが含まれておるのだということがどこかで説明し得るものでなければ、審議会はそこまで行き得ないのが本当じやないか、これは審議会の中の一つ意見として討論されることはあるかも知れませんけれども、審議会の活動としてそこまでは行き得ないのではないかというふうに考えるのですが、その点をはつきりさして頂いたほうがいいと思います。
  57. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) 今御指摘になりましたのは、結局この審議会で議論いたしましたのは、整備計画の審議審議会でやるということを規定いたしておるわけであります。それで勿論元本切捨という問題は非常に重要な問題でありますけれども、政府が強制すべきものではないわけであります。併し又逆に申しまして、債権者と債務者の間で元本切捨のところまで話が進んでおりまする整備計画というものも、これも又議論をしてはならんということもできないわけであります。要するにそういう整備計画の内容になります金融機関債務者である連合会とのいろいろな援助関係というものが自由に議論されて然るべきである。そういう問題の議論された計画が審議会に上りまして又そこで議論される、こういうことを申上げたのでありまして、この問題が強制されて、そういうことを言うのでも何でもないのであります。このように考えます。
  58. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 その点が私まだはつきりしないのです。というのは、御説明によれば元本切捨は強制する、強制しないはこれは別問題です。これは元本切捨がこの法案の範囲内でできるものか、できないものか、できるものならば当然これは審議会の話題に乗らなきやならん問題だ、こう思う。乗らなきやならんような恐らく問題が再建整備内容の中にあると思うのです。ところがこの法案にはそれを議題に乗せるだけの何ものもないのだということになれば、これは単に審議会の中で討論されたところの意見として出るだけであつてこの法案の運用には何ら関係がないことになりませんかと思う。その点たけ承わつておきたいのですが。
  59. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) これは整備計画の内容としては第五条に書いてありまする「固定した債務の条件の緩和その他金融機関から受ける援助内容」という一項目があるわけであります。「固定した債務の条件の緩和その他金融機関から受ける援助内容」というところに、将来の事業資金の問題であるとか、或いは又話が行けば元本の切捨という問題も話合ができますならば、こういうところで議論ができると、こういうことを申上げておるわけであります。それならば元本債権の切捨がなければ再建ができるかできんかという問題につきましては、これは問題は審議会において整備計画を議論するときに議論すべき問題であろう、かように申上げておるのであります。
  60. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 重ねて承わるわけでありますが、今の御説明は、ここでできるという御説明があつたのですが、できるということは提案者がそういう意味合まで含めておるという意味に解釈していいわけですか。元本債権の切捨というものまで含めておるということをはつきりさせていいのですか。
  61. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) これは私たちのほうは実態の一つ一つの計画といううものをここの審議会で議論をしてきめて頂くということになつておるのでありまして、それならば元本債権を切捨てなければ再建整備促進はできないのかというお話になりますとすれば、元本債権の切捨をしなくとも各方面の協力その他があればできるというふうに私たちは考えております。併しこれは債権者のほうで元本債権、それじやおれのほうは切ろう、こう言つて、言われるような若上整備計画ができた場合に、そんなことはここで議論しちやいかんのだということを言うことは、これはおかしい話になるのでありまして、そういうことは審議会で議論をして頂いたら……、こういうことを申上げたのであります。
  62. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは本日はこの程度で、本付託の上で又日程は後ほど御相談いたしますが、予備審査をここで本日は終りまして、本付託の上で又別途御相談する日程に従いまして質疑を続行いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十四分散会