○
河野謙三君 今
白井さんから、本
法案によ
つて一番益するものは
中金と
信連じやないか、こういう御
意見、それに対してそうじやない、この
法案によ
つて金利の
負担が
事業連のほうが非常に
負担が軽くなる、狙いはそこにあると申されましたけれども、私はこれは従来の
農協が今日まで歩んで来た
経過を見れば直ぐにわかることであ
つて、従来の
政府の
農協対策というものはどういうものかというと、
中金本位ですよ。結果がよく示している。けちくさいことを言うならば、どこの県へ行
つても、
事業連が長靴で歩いて、
信連は自動車に乗
つて飛んで歩いている。
中金なり
信連が勿論
経営が不健全になることは恐しいです。私は不健全にしろというのじやないけれども、余りにもそれが極端ですよ。そういうことでやればそれもいいです。それによ
つていずれ結果において
事業連が息を吹き返すならいいけれども、そういうような信用機関本位の救済ということを繰返して、何度も何度も性も懲りもなくや
つていると、いつまでた
つてもいかんと私は思う。この前も申上げたように、私はこの
法案は決して無駄だとは申しません。併しこれはどこまでも水です。倒れかかつたものに水を飲ませる、三日か、五日か、とにかく命を延ばそう、この
法案は米でもなければ、パンでもなければ、牛乳でもない。そこで水を飲ませることは賛成だが、引続いて一体米の用意があるか、肉の用意があるかということを伺
つておる。つい二、三年前私ぱ編された。これによ
つて赤字補填によ
つて農協は息を吹き返したということをついこの間やつたばかりでしよう。この二、三年間の
経過を
数字で示して頂きたい。
農林省は見込みが違つたでしよう。そう理窟を言
つても仕方がありませんが、私はここでこの
法案は大歓迎いたしますが、同時にこの機会において、肉なり、パンなり、牛乳なり、血になるものを、一体どういうものをお持合せになるか。まだ私の手許に参りませんけれども、今度農業団体再編成と銘打つた
法案が出て来るそうですが、私
たちがあれを見ておるところでは、あれは農業団体と申しましても、
農協に対しては、少くともあれが肉になり血になるような
法案ではないと思う。むしろ農業
委員会に気を配
つて見たり、あちらこちらに気を配
つて、相変らず
農業協同組合を弱体化する
法案だと私は思う。そのほかに具体的に言えば、昨日も話が出た運送
事業にいたしましても、又価格安定法の運用にいたしましても、それから最近の餌なり肥料なりの取扱い数量、去年の麦が統制撤廃に
なつた後に、
農協の扱い数量はどのくらい減つたか、この減つたものにどういうふうに
農協の扱い数量を殖やさせるかというふうに、私は
数字を伺いたいと同時に、これらについて如何にして
農協の
事業分量を殖やさせるか。私は具体案がなければ、これは水を飲ませて、二、三日生き延ばすよりは殺してしまつたほうがいい。二、三日ひもじい思いをさして水を飲ませるならば、あとに肉なり、牛乳なり、パンがなければ殺してしまうほうがいい。私は血になり肉になるような
法案がなければ、これはどうや
つても私は納得ができない。話は戻りますけれども、先ほど
白井さんがおつしやつたように、
金融機関本位、
信用事業本位、こういうふうなことですが、そんなに
中金というものは
農林省は恐ろしいですか、そんなに
中金の圧力が強いですか、私は逆だと思う。私ばかり言
つて相済みませんが、結論として、過去三年の
農業協同組合の辿
つて来た
事業の実態を私は分析して教えてもらいたい。例えば麦の取扱い数量が昨年どのくらい減つたか、又餌は一体どのくらい扱
つておるか、餌は
農業協同組合で一パーセントも扱
つていないでしよう。この頃殆んど肥料で食
つているようですが、五〇パーセント前後です。そういうふうなことでありますから、それらについて一体
農協の
事業分量、
農林資材、又農産物の販売、これらについて今まで過去三年間にどういうふうな経路を辿
つておるか、
数字的に私は資料を頂きたい、こう思う。それから、この
法案として非常に密接な
関係がありますところの農業団体再編成の問題に対して、今度の再編成になれば、
農協がこういう形で
事業分量が殖える、前後しておりますが、こういう点も附加えて説明してもらいたい。それから農産物価格安定法の問題も、「なたね」なり、澱粉なりを、一体
農林省はこの
法案によ
つて農協にどういうふうに委任
経営をさせるつもりか、こういう点につきましても具体的に私は教えてもらいたい。それから昨日の運送の問題もこの
法案と非常な
関係がありますから、具体的にこの
委員会に出してもらいたい。いろいろ
意見が多くなりましたが、何かそれについて私の
意見とは全く違つた、私が認識不足だというならば、認識不足の点を教えてもらいたい。もう
一つ申上げますが、これもさつき話が出ましたが、なぜ早く
農協の実態をつかんで、小さな五十戸や百戸の経済単位というような
農協というものをなぜ早く整理しないか、これは自主的にや
つておるのでありますから、法律を変えなければならん。今町村
合併の問題が起
つておるときに、そういう際に遠慮することはありませんよ。もう占領されておるのではないのだから……。あなたのほうから
農協なら
農協というものが事実あるのだから、経済単位があります。この経済単位を生かすためには、それ以下のものはどういうふうにして整理する、これもやはり私は同時にこの
再建整備促進と
関係があるので、これは具体的に示されなければいかんと思う。これらについて御
意見を伺いたい。