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1953-07-16 第16回国会 参議院 農林委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月十六日(木曜日)    午前十時四十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長    片柳 眞吉君    理事            宮本 邦彦君            森田 豊壽君            白井  勇君    委員            川口爲之助君            佐藤清一郎君            重政 庸徳君            関根 久藏君            横川 信夫君            北 勝太郎君            河野 謙三君            河合 義一君            清澤 俊英君            戸叶  武君   政府委員    食糧庁長官   前谷 重夫君    林野庁長官   柴田  栄君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農林政策に関する調査の件  (林野庁職員賃金改訂増額に関す  る件)  (食糧需給に関する件)   —————————————
  2. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 只今から委員会を開会いたします。  先ず日程に追加いたしまして、林野庁職員賃金改訂及び増額に関する件を議題といたします。本件につきましては、去る七月十三日の委員会において問題となつたのでありまするが、この件につきまして、更に清澤委員から発言を求められております。
  3. 清澤俊英

    清澤俊英君 十三日の委員会で今問題になつております林野庁全林野労働組合とのベース改訂並びに給与増額についての調停案に対して農林大臣質問いたしましたが、農林大臣は今はでこぼこだけを直して、全体的の給与ベースの点は当分延ばしたいと、こういうような御意向を承わつておりますが、なお当事者でありますところの林野庁長官から、林野庁として今お考えになつているこのベース・アツプ改訂増額要求に対する問題に対してどうお考えであるか、一つ林野庁のお考えをお伺いしたいと、こう思つております。
  4. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 清澤委員に……。それは当然私も賛成でありますが、大体この問題はまだ初めてのかたも多いと思いまするから、労働組合からの要求の概略なり、今日までとつた経過も併せて当局から説明を願うようにいたしましたら如何でしようか。
  5. 清澤俊英

    清澤俊英君 それもいいと思います。
  6. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) それでは一応簡単に経過を申上げまして私ども考え努力をいたしております経過を申上げたいと思います。  今回の問題に関しましては、二月の二十三日に団体交渉全林野労働組合から賃金改訂及び増額に関する要求が出た次第でありまするが、この内容マーケツト・バスケツト方式によりまして賃金是正をすべきであるという、まあ大掴みに言いますと主要点でありまして、これによりますると、給与ベースを二万一千四十八円にするという要求であつた次第であります。これに関しまして、当局側といたしましてはいろいろ検討をいたした次第でありまするが、当局といたしましては直ちにこの要求を容れるということは非常に困難な情勢によりまして、その後数次交渉を重ねて参つた次第でありまするが、遂に両者の話合が付かないことになりまして、四月の六日に遂に決裂の結果、中央調停委員会調停を申請するということに相成つた次第でございます。そこで四月の八日に調停委員会ではこれを受理するということに決定いたしまして、爾来調停委員会においていろいろ御審議を願い、調停を進めて参つた次第でありまするが、実は私どもの全体の関係からいたしますると、定員内の職員以外に労務関係職員が非常に多いのと、地方別に非常に違つた特殊の事情があるために、従来統一してこれを取扱うということが非常に困難なために、一応地方の実情を勘案して実行するということで、地方営林局長に委任してあるという事情がありまするので、今回の調停に当りましても、調停委員会自体も非常に時間を要しました結果、本来ならば六月五日に調停案のお示しを願う期限になつておりましたが、これを二十日間延期するということになりまして、六月の二十六日に調停案の提示があつたと、こういう次第なんでございます。この調停案検討いたしますると、二十八年度における職員基本給平均一万三千三百五十円とする、そうしてその基本内容については当事者間で協議決定すると、こういうように出ております。更に又非常勤労務者給与職員に準じて支給すると、こういうことが出ておる次第でありまするが、その内容の御説明を承わりますると、一つには、従来の国有林職員全般一般公務員職階制によりまする職務内容等からいたしますると、非常な不合理のために低過ぎる、これを一応是正して、然る後に一〇%を加えて給与ベース改訂としたと、こういう御説明なんでございます。以下常勤労務者についても同様なのでございまするが、更に常庸できかねる日庸等労務者につきましては、現在給与体系が確立していない事実もあるので、これを是正するということも合せて、賃金総額を一〇%増したことによつてべースの改訂をしようと、こういうことになつておるわけでありますが、私ども考えまするのに、このベース・アツプの問題は、実は私ども関係最初調停案として出たわけでございまするが、これに関しましては、組合側としてもなかなか納得できない事情があるのではないかということも考えられまするし、私どもといたしましても、単独にベース・アツプを取扱うということは妥当でないという考え方と、内容自体についても相当検討を要する問題があると、かように考えまするので、一応ベース・アツプの分を除きまして、調停案に盛られておりまする頭打その他によりまする林野職員に、総体に対しまする不合理是正という問題は、それぞれ調停案が、かねがね私ども是正をいたしたいとさえ考えておりました点と全く一致いたしまするので、この際最大の努力をして、財源の表付等考え実現を図りたいということで、大蔵省等とも折衝を続けて参りておるというのが経過なのでございまするが、この際一つには一般公務員職階制によりまして、私ども林野事業特殊性というものが、どうしてもこれでは是正できないという、その結果によりまする頭打その他の不合理是正させて頂きたい、そういうことによつて適正な給与の基準を確定して、能率的な事業の運営いたしたいと、かように考えておりまするので、この際は調停案の一部を取上げさして頂くということでこれが実現努力したいと、こう考えておりまするので、この点御了承を頂きまして、御審議、御協力を申上げたいと、かように考えておる次第であります。
  7. 清澤俊英

    清澤俊英君 只今の御説明をお伺いいたしまして、ちよつとわからん点が一つできて来ます。ということは、一つ紛争か起きた、従つてそれに対して直ちにこの要求を呑むことにはいろいろ困難があつたと、ただいろいろの困難ではわからんので、やはり困難の点がどういうところにあつたかということと、いま一つは、いろいろ御事情がありまして、ベース改訂をするに基本的なものから直して行かなければ頭打状態になつてつて、それを直さないとベース・アツプがなかなかきめるに困難だと、こうおつしやる。併しながら、まあ結論から申しますれば、あなたにお伺いしたいのは、そのべース・アツプ自身はそういう点を御考慮になつて、このたびの調停ベース・アツプの千三百三十五円でありましたか、これがまだ高いと、こういう意味なのですか、それともその点はいろいろ特殊の職員構成関係でそれ自身もまだ低いと、低いから先ず第一番にはその線を出す前のでこぼこを直して行くが、そのあとに出て来ますベース・アツプに対してのお考え方が今の調停では高いからいかんというのか、出せないというのか、或いはまだどうも低いと、こうお考えになつておるのか、実はそういうことをお伺いするのは甚だ野暮のように聞こえますが、現在の公共企業体ベース全林野が一万二千八百円という一番低いことになつておる。然るに今朝の新聞を見ますと、大体一万五千円台に国鉄並びに全専売でありますか、入つておるような人事院勧告が出ておるのでありまして、従つて公共企業体という一般職と特別な企業体の間におきまするベース・アツプというものを考えて見ますると、前回においても非常な低位にあつて、もうほかではそれを一段追越して、又その上が出ておるのに、まだこの一万三千三百五十円というものが低いというような、一般職から見ればそういうことを言うのはおかしいというようなふうにとれるのでありますが、そこのところの意味合ちよつとごたついておりますので……、実はこういうことをお伺いするのは、ほかのほうでいろいろ言うので、どうも全林野の一万二千八百円というものを一万三千五百円にすると、他の一般公職ベース・アツプベースの水準からすればちよつと高いのだからと、それと比べるものではなくて、公共企業体という特別の一つの枠を持つているものがそこに五つなり七つあるのですから、それとの対比においてきむべきものが、対比すべからざるものと対比して高いとか安いとかいう議論が行われている限りにおいては、そこをはつきり一つ御明示を願いたいと、こう思つております。
  8. 重政庸徳

    重政庸徳君 農林委員会でこういうことを審議するのですか。而も林野庁長官出席を求めて……。これは各局に皆こういうことはあるので、農地局はやはり仕事をしておる労務者は非常にたくさんあるのでこういうことが起つて来る、或いは各局にある、この貴重な時間を費して農林委員会審議すべきかどうか、委員長はどうお考えになりますか。
  9. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) これは昨年から御承知と思いまするが、一般公務員とは別に、林野庁現業職員につきましては、こういう団体交渉の途が開かれまして、現在調停にかかつておりまして、林野行政としては非常に大きな問題でもありまするし、それからすでに衆議院でも農林委員会ではこの問題を取上げまして一定の申入もしておりまするし、或いは特別裁定について運輸委員会がこの問題を取上げた先例もありまして、この農林委員会で処置することは何ら差支えないと、こういうふうに考えております。
  10. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) 只今清澤委員の御質問はなかなかむずかしいところなんでございますが、御承知通りベース・アツプとして調停案が出ましたのは私ども最初なのであります。まあその後に二、三出ておりまするが、まだ公労法適用全部についてもベース・アツプ調停案は出揃つてないし、一般公務員人事院勧告等も近付けるというお話でありましたが、まだ出ておらないということで、私どもとしてはベース・アツプの問題はひとり私どもだけで処理できる問題であるとは考えない、全部が考えられなければならない問題だろうと考えておりまする点が一つと、それから仰せのごとく、昨日だか出ました国鉄専売等調停案を見ますると、額においては林野関係は相当低くなつております。この内容等検討を要する次第でございまするので、今直ちに安過ぎる、高過ぎるということは申上げかねるのでありまするが、それらを検討する必要があるということも考えられまするので、或いは組合側としても、仮りにこれをベース・アツプとして我々が取扱うといたしまして、果して話の見通しが付くかどうかということも私どもとしては実は相当問題があると、こう考えております。それらを検討させて頂くという必要があるということで、べス・アツプの問題は今後に更に検討を残すということにさせて頂きたいと、こういう考えを持つておる次第でありまするので、今私が高過ぎるから受けられないのだということは申上げないのでございまするが、安過ぎると思うかという御質問に対しまして、それはちよつとお答えを差控えさして頂けないかと、かように存ずる次第であります。
  11. 清澤俊英

    清澤俊英君 これはどうもおかしいじやないですか、実際人を使つてつて、給料という問題は人を使う一番の基本になる。それが自分使つている者が他から比べて安いか高いかというようなこと言うて、考えておられることと実行できないということは別なので、書いたもので見ましても現に安いことは明瞭になつておるので、それが安いものは安いと率直にあなたから自分意見を聞かれないというのは実に残念なことだと思いますが、いいですよ、それは一つ聞かして頂きたいと思います。
  12. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) 比較いたしますれば、絶対額において国鉄が一万五千何がしというのに対して、私どものほうが一万三千三百五十円ということで、同一のレベルにおけるベース・アツプということは、その点においては不合理だと私たちは考えております。
  13. 清澤俊英

    清澤俊英君 それさえわかりますれば、あとの細かいところは出て参りますので、御迷惑だと思いますから追及いたしませんが、私は今のこの調停は昨年の十二月のベース・アツプの際にできましたギヤツプの下で争いになつておるので、ここで一万三千三百五十円にいたしましても、他が一万五千円になれば、これは又直ちにそこに要求が出ることだろうと私は思いますので、そういうものを加味せられて、べース・アツプを今ここで差控えて、そうして不合理的なものを直して、そうしし最も合理的なものを直したいという考え方は、非常に立遅れたものを基本を直して取戻してやりたいという林野庁長官の親心だと解釈してよろしうございますか。
  14. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) そのように努力いたしたいと私は真剣に考えております。
  15. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは私から若干補足して質問いたしたいと思うのでありますが、林野庁考えは、一般公務員給与ベース・アツプの問題も近く人事院勧告もあり、こういうような情勢下にあるので、差当り現行ベース範囲内においての林野庁職員給与の不合理是正すると、こういうことで差当りはやつて行きたい。併し今後一般公務員ベース・アツプ実現され、或いは他の公共企業体ベース上つた場合においては、一般公務員なり他の公共企業体給与との均衡を考慮して、当然にこれは不均衡のないように根本的なベース・アツプを考慮するとこういうように理解してよろしいかどうか。
  16. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) さように考えております。
  17. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) そういう意味で大体理解をいたしまするが、そういたしますると、調停案基本給一万三千三百五十円というのは、今言つた現行ベース範囲内における不合理、不均衡是正するということになりますると、その平均一万三千三百五十円がどの程度になりますか。
  18. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) 今回の頭打是正等によりまして、ベース・アツプをいたしますると一万二千七百円余になる程度であります。
  19. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記をとめて。    〔速記中止
  20. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を始めて。只今の件につきましては、大体いきさつなり当局考え方も御理解願つたと思うのでありますが、大体現行ベース範囲内における不合理差当り是正して行きたい。一般ベース・アツプがあつた場合には当然それに関連して均衡のとれるベース・アツプをして欲しいというような、そういう趣旨申入案を作成して見たいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) ではさようにいたします。
  22. 森田豊壽

    森田豊壽君 賃金ベースの今の問題は、調整をしようという考え方で、而もそれは予算以内において調整しよう、例えば予備費のうちからでも何でも持つて来て、それを上げる場合にもそのうちから持つて来てやろうという御意見なんですね。
  23. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) 特別会計内部調整しようということになつております。
  24. 森田豊壽

    森田豊壽君 予備費や何かから持つて来ても、例えば一億調整に費用がかかつたとすると、予備費が仮に何億あるかわかりませんが、その一億を持つて来てその調整に充てるという考え方ですね。
  25. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) さようでございます。
  26. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは先ほど申上げましたような趣旨で文案を作りまして、次回に御相談をいたしたいと思います。   —————————————
  27. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 次に本年度食糧需給の件を議題といたします。  この問題は、性格上当局の希望もございまして、非公開にしたいということでありますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認めまして、議員の人以外のかたは御退席を願いたいと思います。    午前十一時三十一分秘密会に移る
  29. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) それでは今お手許にお配りしました二十八米穀年度需給計画につきまして御説明申上げます。  この計画は昨年の十一月から本年の三月までは実績をとつております。そうして四月以降は従来の状況或いは御承知のように配給量の規定もございまするから、それによる年齢別需要計画考えまして、四月から十月末までのものにつきましては一応の計画でございます。そこでその表について御説明申上げますが、全体といたしましては、その資料によつて御覧願いますと、持越高が百二十万トン、石にいたしまして八百万石になつております。そこでここで御説明申上げたいと思いまするのは、内地米の十一月一日の持越は七百十七万四千石ということになつておりまするが、この内訳を申上げますると、これにおきます古米、つまり二十六年産米の米は七万トンでございます。でございますからして、この七万トンのみが本当の古米でございます。これは御承知のように、長細い日本の国におきましては、九州地方におきましては端境期が遅れまするから、その地方におきまする最小限度のもので、むしろ足らないようなものの持越になつております。このうち新米はそれを除いたものでございまして約九十万トンでございまするが、大体新米といたしましては、十月末までの間に八百万石を買上げまして、そうして昨年度におきましては百三十万石買上をいたした。その八百万石から百三十万石早食いいたしまして、残つた新米と今申上げました七万トンの古米とがこの内地米持越になつておるわけでございまして、七百十七万石の持越ということで、非常に楽なようでございまするが、内容は今申上げたような状態なのでございます。それから次は本年度買入及び入港でございまするが、買入につきましては、二千七百九十二万石程度を現在までに政府が二十七年産米として買つております。勿論その中には先ほど申上げました十月末以前に買いました八百万石を含めてのものであることは勿論であります。ここで内地米として買入を二千七百八十五万石といたしておりまするのは、十一月一日以降に買上げまする二十七年産米と、それから二十八年産米の早場というものを昨年度とほぼ同様に考えてこの買入数量になつておるわけでございます。それから輸入でございまするけれども、この輸入は、玄米砕米と合せますると、玄米トンといたしましては百二万五千トンになるわけでございますが、精米トンといたしますると、九十六万七千トンということになるのでございます。
  30. 関根久藏

    関根久藏君 これは何ですか、外米のほうは精米内地米のほうは玄米ですか。
  31. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 精米トンで申上げると九十六万七千トンになるわけでございます。内地米のほうは全部ここで見ますように玄米トンにいたしておるわけです。
  32. 関根久藏

    関根久藏君 九十七万五千トンというのは精米ですか。
  33. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 九十七万トンというのは玄米です。ここに出ておりまする九十七万五千トンは玄米トンでございます。
  34. 関根久藏

    関根久藏君 この表は全部玄米トンでございますか。
  35. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) そうでございます。玄米トンです。その玄米トン外米の欄と下の砕米の欄と合せますと、玄米トンとして百二万五千トンになるわけです。それが精米トンとして現在精米で入つて参ります。精米トンとして考えると、両方合したものが九十六万七千トンになる、こういうわけでございます。そこで現在までのところ大体現在までの入着と、それから買付数量を合せますると、この九十六万七千トンをほぼ達成できる、かように考えております。多少買付けで少し未確定のものもございまするが、大体現在までに輸入いたしましたものと、それから買付済みのもので九十七万トン程度十月末までに入着し得るという見込を付けておるわけでございます。で、その本年の買入輸入と合せましてそれに持越を加えますと、本米穀年度におきまする供給は四千二百六十九万七千石になるのでございます。これに対しまして、需要といたしましては、その欄にございまするように、主食用といたしまして三千二百三十三万四千石が現在の二合七勺ベースにおきまして必要なわけでございます。これは先ほど申上げましたように三月末までは実績でございます。それから加工用は百五十四万九千石でございまするが、このうち酒用が九十四万石、そのほかに味噌用ビール用等がこの加工用内容になるのでございます。次の減耗率は、御承知のように収穫或いは入港から配給までの消費に当るまでの減耗率を見ておるのでございまして、この減耗率は一・二%を考えております。合計需要総計が三千四百二十一万九千石になりまして、持越といたしましては八百四十七万八千石になるわけでございますが、この持越が本年の十一月一日の持越になるわけでございまするが、先ほども説明申上げましたように、内地米の七百六十万六千石の内訳を申上げますると、そのうちの古米が、七万七千トンと予定をいたしておるわけでございます。で、新米につきましては、昨年度と同様に百二十万五千トン、八百三万八千石というものを本年のでき秋に、十月までに買う予定をいたしておるわけであります。そのうち消費といたしましては十四万トン、九十三万五千石程度を食うということになりまして、昨年度早食い上りは約三十万石程度減らしておるわけでございます。その意味におきまして若し本年度の作柄が昨年度と同様であり、又今後の需要増等がないと仮定いたしますると、約三十万石程度は昨年度よりは楽になつておることになるわけであります。御承知のように、この早場米の早食いというのは、通例におきまして百万石を食うということは相当無理があるのであります。例年六、七十万石程度のものが計画されておつたわけでございまするが、最近におきましては、一昨年の不作等事情もございまして、だんだんに百三十万石まで上つて来たわけでございます。昨年の豊作及び本年の収穫の成功などというふうな点を反映いたしまして、昨年度よりは早食いは三十万石減らしてもいいということになつておるわけでございます。  そこでこの本年度におきまする九州におきまする水害による減耗がどの程度になるかという点で、先ず今次の水害による被害でございまするが、米といたしましては七千五百五十トンが政府所有米被害でございます。そのほかに販売業者被害が現在の推定によりますると、八百五十六トンというふうに報告されておるわけでございます。合計いたしまして八千四百トン程度被害、大体五万石程度、これが被害でございまするから、先ほど申しました政府古米の手持が七万七千と申しましたが、約七万トンになるということが第一点でございます。それからもう一点は、需要の面におけるもの、大体現在までにおきまして推定と申しまするか、報告がありましたところによりますると、応急用として炊出しましたのが三千五百トン程度考えております。これは需要としては純粋のプラスになる。それから今後保有米が不足になりました農家に対する配給をいたさなければなりませんので、これにつきましては、七月分は大体決定いたしたわけでございまするが、その通りと申しまするか、八月以降の分を一応推定いたしますると、大体七月から十一月十五日まで、九州は御承知のように取入れが遅れまするから、十一月十五日までの分を考えますると、一万六千トン余りになるのではないかというふうに推定いたしております。従いまして現在のところ今次の水害による需要増、それから被害というものを推定いたしますると、大体二万五千トン程度じやなかろうかというふうに我々のほうでは現在のところ推定をいたしておるわけであります。そのほかに先ほど申し上げました三千五百トンの応急米がございまするので、大体二万八千五百トン、約三万トン程度のものがこの計画よりもずれる、少くなるというふうな見込でおるわけであります。従いまして先ほど申上げました持越の七万七千トンは三万トンほど切れますると、これは持越として九州各地のほうに対する需要量といたしましては、それでは困るわけでございまするから、結局本端境期といたしましては先ほども申上げましたように、昨年度よりも早場米による配給が約三十万石程度減らしておりまするが、これを昨年度程度に持つて行くということによつて計算上一応辛じて本端境期が乗切れるのではなかろうか、かように需給推算としては考えておるわけであります。で、かようなことになりますると、本年度におきまする作柄によりまして、この程度の早場の供出が可能かどうか、早食いが可能かどうかという点に、今後の需給の面が端境期を乗切るといたしましては、かかつておるわけでございます。  ついでに、水害に関連いたしまして麦の状況を簡単に申上げますると、麦につきましては、政府の所有の麦の被害は二千トンでございます。その他のものが、これも詳細はわかりませんが、現在六県のうち約三県程度しかまだ報告が参つておりません。従いまして、その三県の分を見ますると、二百三十トン程度になつておりまするから、これが倍と考えますると、約五百トンということになりますので、この点は大した問題はないと考えておるわけでございます。ただ御承知のように本年度の麦の作柄が昨年度と比べて思わしくないわけでございますが、昨年度は大体二千九百万石というふうな実収高になつておりまするが、本年の六月一日の際におきましては、二千九百万石をやや上廻るような予想になつておりまするが、その後統計調査部の調査によりますると、風水害等によりまして約二百四十万石、これは玄麦石でございまするが、二百四十万石ぐらいの被害が想定されております。従いまして見込は約二千七百万麦石になるわけでございまするが、この中には収穫後の減耗と申しますか、収穫後の減収と申しますか、そういうものはまだ入つてないわけであります。そういう点を考慮いたしまして、これはどの程度になるかということはちよつとはつきりわかりかねるわけでありまするが、そういう点を考えますると、更にこれ以上に減るのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。そこでこれを麦全体の状態から昨年度程度需要があり、生産に対しまして昨年度と同じ程度の出廻りになるということで考えて参りますると、小麦につきましては、昨年度におきましては持越が五十八万トン程度政府持越しておつたわけでございまするが、これが約二十万トン程度に減る。勿論その点につきましては輸入の点もございまするが、大体五十八万トンが三十九万程度持越しに減るというふうに考えられるわけでございまするが、併し三十八、九万、約四十万トンの持越でございまするが、これも大体需要量の三ヵ月分以上の持越しになりまするので、麦の面につきましては、需給上小麦につきましては心配はないのではなかろうかと考えておるわけでございます。大麦、裸につきましては、先ほども申上げましたように、被害と同時に出廻り減、特に輸入の減、昨年度輸入実績は百十八万トンでございましたが、本年度は御承知のように百十二万トンというふうに考えておりまするので、昨年度政府持越が八十四万トンでございましたのが、本年度におきましては五十万トン程度になるのではなかろうか、又三十万程度減ると思うのですが、配給量と申しますか、需要量から考えますと、四ヵ月分以上のものを持てるのじやなかろうかというふうに考えられまするので、麦の全体の需給といたしましては、外麦、内麦総体として考えますると、それほどの不安はないのではなかろうかというふうに考える次第でございます。  以上簡単でございますが、本年度の端境期までの問題、九州水害等によりまする点を簡単に申上げたわけでございます。なお追加して申上げておきまするが、先ほど申上げました麦の被害につきましては、九州におきまする水害内容はこれには入つておりません。それが更に引かれて来るということを申上げておきたいと思います。
  36. 河野謙三

    ○河野謙三君 大麦、裸ですがね、去年よりも今年は持越が減るわけですね、ところが去年はその通りたくさんのものを持つていても、政府か間接統制によつて大麦、裸だけは予定価格を主にして行くことができなかつたわけですね。従つて補給金というものは精麦業者に相当貧られるという結果になつた。去年でさえもそうなんです。去年の経過から見て今年は持越が少いということになると、一方米は何とかして……、もうすでに闇が上つておる、今度又政府買上が上るからして、米の価格は闇もそれから政府買上も上りますね、そういうことになつて来ると、一層去年以上に政府が押麦の価格をコントロールする力が弱くなつて来はしないか、こういうふうに私は心配するんですが、どうでしようか。
  37. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 私ちよつと説明が足りませんでしたが、去年と私が申上げましたのは、今年の麦年度に買取りますから、四月一日現在でございます。それからあと持越が減るというのは来年の四月一日、こういうふうに申上げたわけです。従いまして去年の持越ですと約五十万トン程度になつておるわけです。その点は去年と来年とは持越が大した違いがないということが一点と、それから今年の四月一日の持越が非常に多い。これは今年中に使われる分でございまして、今年の市価ですね、市価に対する関係はこの大きな持越が左右する。それから来年度に対して持越が減るから、来麦年度の状況によつてはそれに対する力は弱くなるんじやないかという点が、私の説明がおかしかつたけれども、言うと、こういうことになるのです。
  38. 河野謙三

    ○河野謙三君 数量関係から行けば大体去年のような轍を踏まないで、大麦、裸については価格のコントロールができる力が強くなつてあと残る問題は米の価格との比例において、米が上ることはこれは間違いありませんね、現に上つているんだから……。上ることによつて今度はそれが大麦の価格を相当刺戟して来ることもありますね、それさえもなお抑えることができるかどうかという問題が残つて来る。これらのことはどうでしようかね。私らはまあ小麦は政府は従来共実力を持つており、今後小麦については心配ないんで、大麦、裸については、一時は何か大麦、裸が若し上つたときには小麦を今度は押麦にして、それを押麦の代用にして小麦を抑えるんだという勇ましいことも聞いたけれども、実際やらなかつたし、又やつてもそういうことは効果はないと思う。
  39. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) ただ私たちこう見ておりますと、米、麦と押麦との代替性の問題ですけれども、米の上り方よりも押麦の上り方というものは、需要が殖えておると言いますけれども、価格の上り方は、我々も出しておるので、大体まあ十キロ五百五十円が現在五百七十円ぐらいになつておるということで、そう大した上り方ではない。そこで問題は米と押麦との代替性が価格関係においてどういうところで大体そういうことになるかという問題が、今の米に対しては押麦の上り方というものは非常に少い。まあ多少は上つておる、一つは勿論時期的に押麦のほうは需要期がございます。夏場はどうしても需要が減ります、その関係もあるかと思います。その関係需要期に入りまして押麦価格というものが米との関係においてどの程度のものかというのが問題かと思います。
  40. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 私は只今説明によりますと、減耗というものは一、二%見ておりますが、私らの特に非常な注意を払つておることは、米にしても麦にしても中間経費と、それから政府が公団に対して、或いは一般の製粉業者に対して命令するその減耗量をどれだけに命じておるだろうかということに非常な関心を持つておるわけです。今米の問題を見ますると、一、二%ということですが、実際に公団に対して搗上を、例えば百俵描いて九八・八俵に搗上げるというふうな命令を出しておるんですか、どういう命令ですか。
  41. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 搗精歩合ですか。
  42. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 搗減りをやる減耗量というものを一、二%しか見ていないでしよう。
  43. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) これは搗減りの問題ではないわけです。
  44. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 だから搗減りは然らばどれだけ認めるか、どういう命令で行つていますか。
  45. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) これは玄米からの搗精度は九四%と見ているわけです。
  46. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 九四%の命令で行つているわけですね。
  47. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) つまり消費者に配給するのは九四%の糟米で配給することになつております。
  48. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 ところが実際にはこれはもう最大公約数で、どんな屑米でも五等米でも何でもそこらは出て来ますよ。現在の検査の実情から見て実際には十七貫五百の俵を作るという場合にも、これはどうしたつて本当に、肥後あたりの酒米以上の米であるならば三斗九升ぐらいで十分やれましようが、実際のやつは四斗以上に入れて作つてあるんです。従つて俵の俵装代も一貫五百目にしてあるのです、一貫五百目というような俵は検査官が検査しませんよ、実際は一貫二百目か、一貫三百目ぐらいの俵装で以て、そうして十七貫五百の計算でやりますから、実際の精麦をやるためには、かなりのそこには余剰ができます。これは営団時代においても公団にする場合に非常に剰余金が余つてどうにもならんということで、各方面で随分ごまかしがあつたことは隠れもない事実です。これは同じく製粉業者についても言えると思う。これが相当に楽な、どういうやくざものを製粉しても相当の利潤ができるようになつておる。これがそもそも私はこういうことが、中間経費と併せて考える場合に、私は先に中間経費は、いわゆる供出の一石の値いと、それから配給の一石の値いとの中間における経費がどういうふうな内容になつておるかを御報告を願つたんですが、まだ御報告願つておりません。麦のほうは頂戴しましたが、米のほうはできておりません。この中間経費と今の政府の命令による精白米、精麦等の減耗量というものは相当に再々認識をして行くべきであると私は考えております。
  49. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) ちよつと申上げますが、御承知のように米の場合は消費者に対して全国平均で九四%の精米として配られておる、こういうことを言つておるわけです。つまりくろいのを描いて配給しておつた、それがだんだん消費者に対して、消費者の需要もありますので白い米を描くという形になつております。まあ九四%と申上げましたのは全国平均で、府県別には多少違いがあります。なお麦の点につきましては、これは搗精歩合というか、そういうものはないわけです。つまり麦は製粉業者なり、精麦業者が消費者の需要に応じて白い粉をそれぞれの用途に応じてやつてつて末端の配給もしておりませんし、価格も統制しとておりませんし、何ぼで……。
  50. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 いや併し、政府が買上げて売渡します価格というものはあるわけでしよう。
  51. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) それは玄麦であるわけです。玄麦でありますから、その玄麦をどの程度の歩留りで製粉するかということは、各業者の、需要者の相手を見てやることになつております。そこは米とは違うわけです。
  52. 河野謙三

    ○河野謙三君 私この間もこの問題に触れたのですが、時間がないから聞かないでおつたのですが今間接統制をやつておる補給金を出しておる以上は消費者価格も想定しておる。その場合に加工賃ということも一応計算するわけです。だから政府が出した加工賃の標準というものがなければ加工賃は出て来ませんし、そこからは一応政府が出した加工賃の標準、これは白いのは幾ら白くても構わないといつても限度がありますから、これは政府は或る程度の国際貸借その他から考えて、白いに越したことはないという野放図なものでなく、或る程度政府の許す歩留りというものは要るわけです。幾らだという限界をはつきり示して、今どんどん白くしますから、だから歩留りが下りましたから、だから加工賃はこれだけになりますということを鵜含みにしてはおらんのですか。政府は一応歩留りの基準というものはきめておられると思うのです。それは今のところはどうなんですか。
  53. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 麦の歩留りの問題は、一応政府としては標準歩留りというものを考えてはおるわけでございます。併しこれを統制すると申しますか、現在のような、特に製粉なんかの場合におきましては、それぞれ用途によつて歩留りの品質競争をやつておりますのですが、ここで枠を嵌めるということは非常に困難じやなかろうか。ただ加工賃を何する場合におきましては、例えば七十五なら七十五の歩留りであつた場合にどうであるかという見当は付きますけれども、現実の歩留りというものはもつと下つておるので、この歩留りの統制ということはなかなかむずかしいのじやないかというふうに考えておるわけであります。
  54. 河野謙三

    ○河野謙三君 私の申上げるのは統制でなくて、歩留りについて莫大な小麦の輸入をしておるわけですから、政府は七十五なら五、七十六なら六ということで、きちんと押えて加工賃を計算してあるわけでしよう。これ以上は、君たちが勝手に歩留りを下げるのは君たちの負担だ、業者がどんどん歩留りを下げる、それに追従して、政府は歩留りを引下げることを考慮するという追従でなくて、政府が歩留りの限界をきめて行つたらいいではないか、こういうふうに私は思うのです。それはあなたのおつしやるように、歩留りを一々統制して行くというわけには行きません。これは用途によつて歩留りは違うのです。平均したものを、政府は七十五なら七十五、それによつて加工賃が出るということを厳格にやられたほうがいいのじやないかと思います。今度の加工賃は、特に製粉、精麦の加工賃が従来より殖えております。この殖えておるということは、要するに大きなフアクターの歩留りが殖えるから加工賃が殖える、こういうことだろうと思います。それが過去一年間余りをやつて来た加工賃、これから迎える一年間もそれでいいのじやないか。電気、石炭その他の要するに業者の経費というものはそんなにふくらんでおるのじやないのだから、そういうことを考えると、今度加工賃をふくらませたことは、更にもう一段とふくらんだことを政府は容認したと思うのですが、そこのところが疑問なんです。
  55. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) これは議論に亙るようなことになると思いますが、実はその点は我々もいろいろ悩んでおる点でございまして、昨年度におきまして一定の歩留りを以て、それで価格を抑えようと思つたのです。ところが中間経費の面におきましては、政府は玄麦を売ることによつて製品価格を抑えようとしておる、その間にこれを統制しておるという形じやございませんから、若し仮に……いわゆるコストというものは米と違いまして、統制コストでなく、社会的なコストになつておりますから、そのコストの高いということは政府の売渡価格を高くするということになります。政府はコストそのものを高くいたしまして、それで以て製品が政府の所期した通りの価格で売つてくれればいいのですが、現実に社会的コストということで売るということになつておるので、製品の値上りがあればあるほどその値上りを政府の所期したところに持つて行きまして、それをどうして抑えて行くか、こういう問題になるわけであります。昨年度の経験からいたしましても、政府はそういう加工賃を抑えたと申しますか、その昨年度の加工賃はむしろ一昨年度の加工賃をそのまま使つたわけであります。それで製品価格はこのくらいに納まるだろうというて考えたところが、現実に社会的コストとしてそういつたものがあつたために製品価格が上つた、もう一つは品質の問題、両面で上つたということになつております。我々といたしましては、その点で製品価格の点、それからもう一つは社会的コストとして統制コストでないということの両方からして、製品コストを抑えるためには、そこに妥当な線を考えなければならん。それからもう一つの点は、歩留りの点は、実は例えば精麦等におきましては、消費者価格を安定せしめるために委託加工をして精麦をやつて行く。その場合に、実は現実には政府のきめました搗精歩合で製品を作るわけであります。そうすると、現実の市場のものはそれよりも安い。それで政府の委託加工をして市価を牽制しようという、その製品が市場製品と太刀打ちできなくなる。それが牽制の役に立たない。立たないとは行かないまでもその牽制力というものが非常に少くなつて来るというふうな点もございます。そういう点を、消費者価格を抑えるためにどの程度の歩留りで以て、どの程度の価格でやれば現実に抑えられるか、こういう点との勘案ではないかと思つております。その点は我々としても中間経費は抑えて高く売りたい。これは食管会計としてはそれだけプラスでございます。高く売りたい、高く売つてつて原麦で抑えようとして、所期した市場価格というものが抑えられるかどうか、こういう二つのジレンマに陥つておるわけであります。
  56. 河野謙三

    ○河野謙三君 これは委員長が一番詳しいのだが、政府が高く売つたから、必ずしもそれに比例して消費者価格が高くなるというものではないと私は思うのです。今製粉、精麦業者が一番つらいのは操業度が低いということなのです。だから政府の月別の払下げの大麦なり、小麦の量を殖やすことによつてこれを量的に加減させることによつて操業度が上るから、それによつて政府の払下が高くても十分操業度を上げることによつてそれをカバーして行く。そしてそれが製品価格に響いて行かないと私はこう思うのです。そのほかにもいろいろ理由はあるけれども、一番製品価格を安くするための大きな要素は操業度を上げるということなのです。その点でこの間もたまたま業者から要求があつたのですが、私は業者とは関係がないのだが、例えば操業度を上げるために製粉工場の加工貿易をやらせるということによつて操業度を上げる。それによつて製粉会社は操業度を上げて、製品価格の安くなつた分は内地のほうに安く売らせる、こういうことになる。他方において政府の量的な払下を殖やすということで、政府が安く売つたから必ずしも製品が安くなるのじやなくて私は操業度を上げるという点に中心を置いてもつと考えられたらこの目的を達するのじやないかと、こう思うのですが、余り長くなりますから……。
  57. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 今の点についてお答え申上げますが、実は我々もそういう考え方で、毎月の売却総限度量というものを三十万トンとか、多いときは四十万トンぐらいでやつておりますが、実績需要関係で小麦、大麦共にずつと隔月ごとに政府がこれだけ売りますということに対して買入が市場の関係或いは又四季の関係もあると思いますけれども需要関係がそこまで来ないのです。政府が大体二ヵ月ごとに、売却限度はこれだから、いつでも売りますということに対しまして、買入の申込がその限度をいつも下廻つておる。その点が需要関係じやなかろうかと我々は考えております。
  58. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 米の減耗量ですが、九四%というのは全国平均でありますが、九四%ということになると、公団が相当に私は儲かると考えるのですが、政府としてはそういうことを考えておらんのですか。
  59. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げますが、搗米度を九五%にするということは、消費者側の精白度を九五%にするということなのです。結局例えば儲かつておるということになりますると、それは九四を九五くらいにするとか、そういうふうに搗精度を政府の言う通りにしないで、それで儲かつておるということになると思いますが、搗精度というものは、結局一定の玄米からの精白度なんでございますから、それをごまかして高くして、それは九四ですと、こういう形でやつているとすると、ごまかしておるということになりますけれども、そうでなければ、そういうことはないのじやないかと考えます。現在は御承知のように卸しに対して売りまして、そして小売に行く、御承知のように民間企業の形になつておるわけであります。
  60. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 ごまかしておるとか、どうとかいう意味じやなくて我々百姓が精米する場合に、これはちよつといい米ならば四斗出るのですが、白米にしても自分の家で食う米ですから、相当に搗き上げていると思つても、せいぜい一升ぐらいでとどまるのです。而もさつき言つたように、一貫五百匁の量というものは、実際には一貫二、三百匁程度で検査員ははんこを押しておりますから、そこにどうしても五合ぐらいの余分の米が含まれておる。従つて精米をする場合には、どうしても九四%なんということをしなくとも、相当にそこには余剰米が出て来るのです。そこで今かつぎ屋によつて相当に闇米が出て来ておりますか、闇米の一部は今の公団のほうから出ておると私はにらんでおるのです。そういうふうな実情であるのに、農家は九六%、当時においてはこれは仕方がない、仕方がないだろうが、九四%なんということは、お役人様が公団が儲かるようにこしらえてあるので、実際にはそういうふうなパーセントは我々から見ればごまかしであると考えられるのです。
  61. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 佐藤委員に申上げますが、搗精度の問題と斤量の入目の問題とは別じやないかと我々は考えております。斤量は、つまり六十キロで売りたい場合に、入目をどの程度にしていいかという欠減の問題と搗精度は別でございます。私が申上げたのは搗精度の問題でございます。入目の問題、九四%とか、何とかいうのは入目の問題じやないのです。入目の斤量の問題ではないのです。斤量はやはり六十キロは六十キロとして売るわけであります。
  62. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 例えば百俵の米は九十四俵に描き上げてもよろしいというのと違うのですか。それには今の減耗量は……。
  63. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 百俵の米は、政府といたしましては、百俵のものを一俵六十キロとして売るわけでございます。その六十キロを白くして「ぬか」をどれだけ出すかというときに、六%の「ぬか」を出して九十四の白さに搗きなさいということであります。斤量の問題と搗精度の問題は分けて考えておるわけであります。
  64. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 分けて考えても実際には同じことなんです。それは例えば百俵の米を搗いて、六十キロは丁度十六貫になるわけですから、そこで描き上げる場合に、その損耗量というものを六%認めるということは、結局今言つたような九十四俵に搗き上げすればいいという理窟になるわけです。それは同じことです。
  65. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 今食糧庁長官も斤量の問題でないということは、容量の問題ではないということで、要するに重量に対して九十四とか、九十六に搗くという問題で、ここでは容量の問題ではない。
  66. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 容量の問題でなくても同じことなんです。斤量と関係がある。
  67. 河野謙三

    ○河野謙三君 それは要するに目切れの問題と、それから精白度の問題と関連していつていることなんです。そうでなくて、あなたのおつしやるのは精白度は九十四だ、それで指定しておる、併しその間における目切れの問題はこれは又別だ、こういうことなんです。だからそれを佐藤さんのおつしやるように、栃木県において、目切れとそれから精白度の問題と一緒にして処理しているとしたら、これは処理している業者の不正であつて、これは別だと思う、だからあなたのほうで若しそういうふうに混同して業者がやつているのなら、業者の不正なんです。
  68. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 同じ命令でやるのだから同じことにしかならないのですが。
  69. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それは一つ食糧庁からはつきり答弁願いたいと思います。
  70. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 政府といたしましては、佐藤さんのおつしやるように、買入れる場合に六十キロで買入ているわけです。それでその六十キロを途中で目切れ等がありますれば、検査しまして、政府としては六十キロにして卸しに売るわけでございます。だから農家との関係における入目等の問題がございますると、それが途中のロスによつて入目がありますると、六十キロを超える場合も、超えない場合もあるわけでございます。途中の運送等によりまして……。
  71. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 併し減耗量というものは、これは見ているのじやないですか、而も二%……。
  72. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) だからそれは政府といたしまして、全体として、これは栃木県のみならず、全国から集めて全国で配給しておりますから、平均して農家から買入れまして、それから卸しに売るまでの間において、輸送中とか、倉庫の中にありますとか、そういう場合におきまして需給推算、ものの量の配給面で六十キロの米を何千俵買上げた場合でも、配給の場合においてはそれは〇・二%引いたものとして需給推算を考えないと、そうすると消費者には正確な量が行かないという意味で、需給推算の面でもののバランスといたしましてロスを考えておる、こういうわけなんでございます。
  73. 白井勇

    ○白井勇君 先ほど長官のお話を聞いていますと、端境期までは割合楽観的なようなお話だつたのですが、そう参りますれば非常に結構だと思います。ただ問題はむしろ端境期から来米穀年度と申しまするか、そこに問題があると思います。これは先ほどのお話のように今年の作柄の問題、それから災害の結果等につきましてまだ報告がないと言えば報告がないわけでございます。併し仮に米の問題を取上げて見ましても、東北なり、関東地廻りなりというものに冷害がないという断定を下しましても、今わかつておりまするのは、一応九州水害というものがはつきりしている。我々が向うに行つて見まするというと、これから植えるということをしますると、現場の話としては、三割減という話ですが、併し技術者の話では大体二割減だ、仮にそういう二割減という線に沿いまして我々素人が計算して見ても、二百万やそこらの米というものは、この災害を受けた土地だけ見ても、あの冠水田、或いは流失したもの、あの面積を調べて見ますると、大体それくらいのものは減収になるのじやないかと思います。そうしますと、仮に二百万石だけとしましても、九州だけでもそれは違つて来るのじやないか、こういうように言えるかと私は思います。そういうような問題で食糧庁は当然綿密な調査があると思う。更に又麦の問題を取上げて見ましても、去年は大麦関係が余計入つて手持も余計になつておるということで、非常に楽観的なお話のようでありますが、これは先ほどもお話のように農家が、今度冠水いたしました、かぶつたものの損失というものは見てないわけです。米においても還元配給一万六千トンというものは一応考えなければならないのですが、その他還元を受けないものも相当被害をこうむつたものと見なければならんと思います。それらの点を考えますと、大麦、裸の需給関係においても、そう楽観は許さないと思う。それらのものは当然それは食糧庁としまして綿密な調べがあると思いますが、これは懇談会なんですが、来年度の見通しはどうなんですか。
  74. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 実はむしろこの懇談会の目的は、来年度以降の作柄なり需給状況がどうかということの御趣旨だろうと推察いたすわけでございますが。
  75. 白井勇

    ○白井勇君 私は作柄のことは別問題として、現実に大体或る程度判断の付くものがあるわけです。そういうものはどうかというのです。
  76. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 現在麦について申し上げますと、今庫入りの減耗がどの程度になるかということをいろいろ調べておるわけですが、これはなかなかむずかしいので、いろいろ説があるわけでございます。
  77. 白井勇

    ○白井勇君 食糧庁のような大きな組織を持つておるところはちやんと資料があると私は信じておりますけれども……。
  78. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) いや、実はまだそれを調べておるわけでございますから、庫入れ後のものは実際的確な数字はまだ実はつかみ得ない状態なんです。それから稲の作柄につきましては、御承知のように稲作として推定いたしまするとしても、九州地帯におきまするものが、現在見ておりまするのは、要するに用水の不足とか、耕地の流失、埋没による植付不能面積というのは一万町歩くらいじやないかと思つております。ただ、今白井さんがお話になつた新らしく蒔付けするという場合の面積でございますが、大体あの当時におきましては、植付済面積が四割、植付未済面積が六割です。そういたしますると、結局植付済の四割のうちのものがどの程度被害をこうむつておるかという点が一つと、それから植付未済のものが、これはあの期間を空費したため植付遅延ということでどの程度に災害をこうむつたか、それから植付済の四割のうちの、これを流失によりまして新らしく植付けし直す、これは大体におきまして、今のお話のように専門家で言えば二割程度の減収、減耗が起るだろう、こういう見通しでございまして、そういう点を今いろいろやつておるのでございますが、これは大体どの程度の減収かということを、そういう点から調査をやつておるわけです。
  79. 白井勇

    ○白井勇君 今農林委員会需給関係か問題になるというのも、やはり今年の災害なり、いろんな関係を考慮して、皆来年度よりは今年のことを心配しているのだと思う。よくその辺一つ御配慮願いたいと思うのです。それからちよつと細かい問題ですが、災害で入れなければならんというのはどういう程度ですか。
  80. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げますが、御承知通りタイ、ビルマにつきましては一定の規格がございまして、ブロークンが一〇%とか、或いは二〇%というふうな規格で混入する場合と、又抱合せてやる場合と二つあるわけです。向うの販売規格といたしまして、当然ついて参る、それで勿論ブロークンの混入量によつて価格が違いますから、大体向うは平均いたしまして、二十五のものを標準にしてそうしてタイ、ビルマ等も輸出割当をしております。それでこれは日本向けのものだとかいうようにきめておるわけでございますが、向うのもので大体平均二五%のブロークンということで、平均してそれで日本に対して何ぼ割当てるというふうな形で、割当数量の中に当然ブロークンが入つて来ておるのです。
  81. 白井勇

    ○白井勇君 入つて来ていることはわかつていますけれども、ただ砕米で元から入れなければならんというのは、どういう用途の場合でしたか、ちよつと考えると、どつちみち入つて来るもののうち、三分の一は再調されるのであり、又黄変米のようなものも出たり、その他事故米が出ると思うのですが、或いはそういうもので、砕米需要というものに充当し得ないものでしようかね。
  82. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げますが、むしろ砕米需要の面から考えたのでなくして白井さんも御承知のように、従来味噌用等には豆をやつてつたわけであります。ただ輸入の中に砕米が入つて参りますので、現在は普通のものは食糧に廻して味噌用には砕米で我慢してもらうということで、むしろ需要者の味噌なり、その他の方面に我慢してもらつておる。これは供給事情の面から、そういうふうな用途に向けざるを得ないというような形になるのです。
  83. 河合義一

    ○河合義一君 米穀の需給計画のこの資料につきましてちよつとお伺いいたしたいのでありますが、加工用の中で、先ほどの説明では、酒の醸造用に九十四万石当てるということでありましたが、これはどういう標準によりましてこういう計画を立てて業者にお許しになるのですか。この節は非常に需給関係で国民一般が心配しておると思うのですが、ただ醸造家にこれだけ醸造をしたいという、それに無制限にこの加工用にそれを許すのでありますか、この際よほど私考えなくちやならん問題だと思いますが、食糧庁の方針を承わりたいと思います。
  84. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 酒米につきましては、御承知のように酒税との関係におきまして、大蔵省におきましては、本年度における造石を幾らにするかということを酒税との関係において大蔵省できめるわけでございます。それで、まあきめます場合にも勿論我々といたしましては、大蔵省との間に米は何ぼ渡せるかというふうなことを協議するわけでございますが、大きな筋といたしましては、財政の収入面からいたしまして、酒税がこれだけ必要である、従つて造石数はこれだけ作らねばいかんということが基本的に大蔵省からあるわけでございます。そこでその需給計画要求と、それから我々の主食の一般配給としての需給計画との関係におきまして造石数がきまる、それに造石数に応じた原料の米をやるということになるわけであります。従いまして、御承知のように従来から酒は相当窮屈になつてつたわけでありますが、税の関係等もございますし、又昨年度におきまする状況においては幾分需給が楽になつたという面からいたしまして、九十四万石を大蔵省の造石計画との関係で大蔵省との間にきめるわけでございます。で、附加して申上げますると、まあ御承知のように、従来の米の消費は最高の場合三百万石ぐらい出ておつたのでございます。
  85. 河合義一

    ○河合義一君 只今説明によりますと、主税局の税金を課すという趣意から、これだけの石数が許されておるのでございますが、私はこれは一つ大いに考えなければならん問題だと思うのです。こういう、米が余つておる際ならよろしいのでありますが、この間、「たばこ」の耕作に五万三千町の耕地が使われておるということを聞いておりましたけれども、これも同じ問題だと思うのです。こういう食糧の窮屈なときには、私は政府としても十分考えなくちやならんと思うのです。もう一応その点につきましてお考えをお聞きしたい。
  86. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 勿論大蔵省におきましては、酒税の関係におきまして、今年酒を幾ら造るということを大蔵省できめるわけでございますが、我々といたしましては、それをそのまま呑むのではございませんで、食糧の需給の面からもいろいろ意見を出し、そうして両者の間におきまして、そこでその両面を考えて酒米を幾ら出すかということをきめて参るわけであります。
  87. 河野謙三

    ○河野謙三君 私今の酒米の話から、ビール麦の話ですが、ビール麦の耕作反別というものは、大体ビール会社と事前に契約を成立せしめ、そうしてビール麦の作付をきめるのですか、これは私甚だ素人臭いのですけれども、それともう一つ、ビール麦は三等以下はとりませんね、ところが現実に本年のような天候では不可抗力的に四等のビール麦は相当私は出ると思うのです。その場合に、これはもう絶対条件で、ビール会社は四等はとらない、こういうことになつておるのか、それは農林省がその間に入つて斡旋することによつて特例として本年は四等のものもとるというようなことが可能であるかどうか、その辺のところをちよつと伺いたいのですがね。
  88. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 御承知のように、従来は麦につきましては、統制前におきましてはビール会社とビール麦は特約関係になつておりました。統制が相当長く続きましたので、その特約関係というものは切れているわけです。併し御承知のように、昨年統制が外れて、だんだんその特約関係復活しつつあるように思います。その全量が特約関係になつておるかどうかということははつきりしませんが、だんだん多くなるのじやなかろうか。あとの四等をとるかどうかということは或る程度の斡旋はきくかもしれませんけれども、やはり今の状態におきますと、先方が聞かなければ、それまでの形になるのじやなかろうか、これを強制する方法はないのじやなかろうかと思うのであります。
  89. 河野謙三

    ○河野謙三君 その四等のビール麦の問題も当然起つて来る問題と思いますから、一つ長官のほうでも事前に一つ何かそれに対する御斡旋を願えれば非常に結構だと思います。それから本論に入りますが、さつき白井さんから来年度需給関係のお話があつたのですが、私もそう思うのですが、そこで一番問題は、これから端境期までの闇の米の価格が一体どうなるかという問題です。多少の米の買上値段を上げて見たところで、その間において端境期までの闇の米が二百五十円、三百円ということになれば、政府は資金は出やしませんよ。そこで今もうすでに闇の米の価格が上つてこれは政府はいろいろやつておられるのですけれども、今後端境期までの闇の米の値上りについて何か特別の対策を今持つておられるわけですか。一応来年度は非常に不作だという前提に立つた場合に、先ず今からそれに準備しなければならん問題、これからの闇の価格を如何に抑えるか、一応抑えることによつて供出予定量は完遂できますよ。そこでまあ不作だという前提に立つた場合の闇の価格について、どういうふうな対策を政府としては一応持つておられますか。
  90. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 闇の対策につきましては、御承知のように闇でございますから、これをどうするかというのは非常にむずかしいのでございますが、現在我々考えておりますのはまあ先ほど申上げました需給の状況から申上げまして、又今年の作柄がどういうふうに動くかということは、ここ十日ぐらいの天候の関係もございまするので、本年自体の需給にも影響いたしまするので、現在は米を増加配給する、繰上配給するということは考えておらないのです。ただ非常に当り前のことかとも思いますけれども、現在は精麦を出して、消費者団体に、特に大口の消費者に対しまして七月から食糧事務所、都道府県を通じまして、希望を募りまして、これに対しては政府はできるだけ現在の麦を払出しますから、幾ら要りますか、一つ麦を大いに食つてくれませんかという勧誘をやつておるわけであります。それに対する必要量は現在三万トンほど持つておりますが、必要において委託加工し、先ず七月分といたしまして、各府県に、まあ特に六大都市でございます。六大都市を中心にいたしまして工場の労務加配を受けておりますが、工場に対して呼びかけまして、そうして市価よりもこれだけの安い値段で政府は払下げられるから、それに対して少し麦をとつてはどうですかという勧誘を大いにやりたいと考えておる次第であります。もう一つは、まあこれもお座なりということになろうも知れませんけれども、いろいろな面で少し麦の消費を殖やす方法はないだろうか。で、もう一つは、よく世間で今言われております強化米等も考えておりますが、強化米のほうは現在数量が、生産能力が僅かでございますので早急には行かないかと思いますが、麦のほうでやつて行かざるを得ないのではないか。具体的な対策といたしましては、今申しました精麦を大口工場等のところに掛け合つてやるということと、それから今後は夏場で小麦の消費も殖えるでしようが、それに対して消費宣伝なり何なりをやりなさいということを各団体に慫慂するというようなことであります。
  91. 河野謙三

    ○河野謙三君 まあ何と言いますか、旅行したときに使う外食券ですか、あれは殆んど出てないのでしよう。この頃はあれは一体どういうふうなことになつているか。私は少くとも……まあ麦の消費を殖やすこともいいけれども、例えば今でもデパートで、まあ三越あたりは米を食わせませんよ、外食券がなければ……ああいう大口のところをちやんと法律によつて厳重に取締るということでも相当の私は効果があると思うのですが、まあそういうようなことをいろいろやつておかないと、端境期になつてばたばたして、闇は高いわ、供出は出ないわということになつたら私は大変だと思うので、早速私は今少し取締り等で、非難があつてもこの際私は余計なことだけれども、何かやらんと私は外食券の問題は何もできていないと思う。京都、大阪へ行つて……私はこの間奈良へ旅行しましたけれども、あの何万と押しかけて来る学生、中学校、小学校、高等学校の学生が全部外食券を持つておりません。又京都へ行つていろいろ聞いて見ると、この頃は闇の米が入ることを京都府の当局がむしろ奨励して、今まで京都の入口で取締りをしておつたやつが、今度は大阪との境に行つて取締る。大阪にはやりたくないが京都には入れると、こういうことになつておるそうだが、まあこういうことから考えて我々非常に希望しておるのだが、是非一つ何とかやつてもらいたいと思います。
  92. 森田豊壽

    森田豊壽君 この持越米の考え方、まあ食糧庁長官のお話で大体安心するわけでありますが、先ほど来お話がありますように、闇米が高くなることは別といたしまして、実際の消費者方面では都市と農村とが非常に食糧に対する生活費が違つて来る。例えば東京都で米の取締りを厳にしますれば東京の闇米はますます高くなりますし、産地は買いに来ないから産地の闇相場は安くなる。非常にこれは国民としまして不平均な、いわゆる需給関係が非常にまずいということになる。統制から来る需給関係などにおきまして、事実上におきまする需給関係が最もまずいやり方である。ここに最近人造米と称する、精米と一緒に炊いて米と同じように食われるという人造米の問題があるわけです。要は米を政府がたくさん持つておることによりまして闇米を抑えることができる、即ち政府が粒食の配給量を殖やすことによりまして、そうして闇米を抑えることができるということになるわけでありまするから、人造米というものに対して食糧庁はどういうふうにお考えになつておるか。私の聞いたところでは、私もちよつと食べましたが、この人造米というものは聞くところによりますと、まあ今のところ二百万石できるというようなことを聞きましたが、まあどのくらいできておりますか、しまいには一千万石もできるというようなことを言つておりました。法螺を吹いておるかどうか知らないが、何とか言つておりましたが、そういうことになりますと、そういうものを政府は澱粉やその他のものを利用しまして、あれは小麦粉その他のものを利用しておつたようでありまするが、それを利用し、先ほどの砕米の問題、砕け米の問題、そういう問題も、或いはそれと一緒に人造米ができるかも知れませんが、私は科学的なことは知りませんが、若しできるとすれば、人造米を用いまして、政府がこれを、政府みずからが作柄ばかり眺めていないで、需給関係の一番主なその問題を取りあえず用意することが一番必要ではないかと、私はこう考えておるのですが、但し人造米というのがどのぐらいの価格でできまするか、その問題は私にはわかりませんが、一つその点は食糧庁としましては十分にお考えになつて、御研究もしておられるでありましようから、それに対するお考えをこの際お述べを願つて、その対策を講じて頂きたいと思います。
  93. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 人造米につきましては、御承知のように、従来戦時中から「いも」米とか、何とかいうものがあつたのでありますが、これは消費者の需要に適合しませんので、その後いろいろ研究をいたしました結果、まあ大体人造米の点といたしましては、カロリーが同じだということが一つ、それから米と同じに炊いた場合において比重が同じで浮上がらないということが一つ、それから中の主体が澱粉と小麦粉でございますから、中のものが出て来ないで、べとつかないという点、つまり表面を糊化しまして、炊いてもいつも粒形が残つておる、こういういろいろな点を研究いたしまして、或る程度現在におきましては、これならいいだろうというような見当が付いておるわけであります。で、現在の生産量は、今お話のあつたそんな大きなものじやないのでありまして、月に一千トンぐらいでございます。月に一千トンと申しますと、年に一万二千トンでありますから、七、八万石ぐらいの程度にしか当らないのです。今いろいろ各方面にもその点につきましての計画がございまして、まあ現在の見通しにおきましては、年末には月一万トン程度のものになりはしないかというふうな状況であります。これに対しまして、食糧庁はこれをどう取扱うかという点でございまするが、一つの点は、従来のこういう種類の新製品は、当初において消費者のほうに粗悪品が入るということによりまして、すぐ声価を落してしまうということになりますので、最初は規格を厳重にいたしまして、粗悪品が混らないように、必ずそれはそういうふうな規格のものになるという点に先ず第一点を置かなければならない。そうすることによつて消費者が安心して人造米と申しますか、強化米というものは大丈夫だ、合成米というものは、これなら食えるというふうに消費者に対して安心感と申しますかを与えなければいけない。先ず規格を何とかしなければならない。それからもう一点、資金の斡旋なり、或いは澱粉なんかの場合におきましては、政府の所有する澱粉の処分方法としても非常にいいわけでありますから、そういう点でやつて行きたい。今すぐにこれを食糧庁で買上げまして、これを配給に廻すということは、まだ消費者がなじんでおりませんから、どうだろうかというふうに考えております。
  94. 森田豊壽

    森田豊君 この人造米の製造に対しまして、粗悪品のないように、食糧庁はこれは食糧の重要物資でありますから、主食の問題でありますから、これは一つ監督をいたしまして、こういうもののないように、自由に製造されることは結構なことですけれども、その指導をして頂くように一つの規格を作る。それから又安心して一般が買えるように農林省の規定する規格によつてつたものだ、これらこそ検査をいたしまして、普通の米の検査や麦の検査をいたすにもかかわらず、人造米の検査をせずして配給を許すことが、今日の食糧事情から言えば非常に不合理だと思う。これはやはり人造米といえども、検査官が検査してこれを配給に廻すということでなければ、どんな不都合な、食糧でありますから、あたつたとか、或いは胃腸をこわしたとかいうようなことがないとも限りませんから、これに対しては一つ食糧庁がその監督をいたしまして、それを安心して国民が食べられるように、こういう際でありますから、大いに一つつて頂きたいという希望を申上げます。
  95. 関根久藏

    関根久藏君 この製造にはパテントか何かあるのですか。
  96. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) パテントはございます。従来混合して作るものの製造方法はパテントになつております。食糧研究所で研究しましたのは、そのできましたものを更に硬化して熱を通しまして、炊いたときにばらばらにならないという点は食糧研究所で研究いたしましたが、それまでの過程が従来パテントになつております。
  97. 関根久藏

    関根久藏君 そうすると、先ほど陳情のあつた何というのですか、強化米協会というのですか、これがパテントを持つているのですか。
  98. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 全然別の人が持つております。
  99. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 私は食糧庁長官にお願いしたいことが一つある。それはここで御答弁は恐らくむずかしいのじやないかと思うので、まああとで御研究になつて、そうして御回答願つてもいいのですがこの食糧の問題の一番大きい問題は、私はともかく日本の国では恐らく今年あたり米の問題じやないかと思う。ところが米の問題を私こうやつて三カ年間この農林委員会におつて食糧庁長官から常に承わつてつて、これはともかく食糧庁長官の御説明になるのは、はつきり申上げまして政府でやつているビジネスだけの、綺麗事だけの食糧需給計画以外に承わつたことがないのであります。そうして大まかな数字で行けば、闇で以て動いている米の数量は先ず五百万石であろう、こういう数字だけは承わつている。これは実際私どもここで以て日本の国の食糧事情考えるときに、米の問題に対してもう少し突込んだ問題を考えなければ本当はいけないのじやないか。ともかく食糧自給促進法案というようなものを出そうといつても一向出て来ない。けれども、どうかというと土地改良は年々随分やられている。この土地改良でやつておる増産数量というものは、三カ年間ここに私どもつておるけれども、ちつとも増量になつて計画的に上つて来ておりません。新聞あたりでも、つい少し前の新聞では、東京都へ闇米が一日何百石入つて来る、或い何千俵入つて来るというように、こういう数字でどんどんともかく流れて来ている。これはもう世間の人は何か知らんけれども、漠然とながら、とんでもない闇米というものが動いているのだということは皆知つております。それから闇価格の問題でも、これは米産地の、例えば宮城県の一部だとか、或いは山形県とか、秋田県とかいうところの闇価格の問題、東京都内の闇価格の問題、大阪の闇価格の問題、こういつたものが始終新聞に出ておりますけれども、曾つてこの農林委員会ではつきりそういう問題が明らかにされたことはないのです。その数量はどうかというと、恐らく私は七百万石乃至八百万石は動いているんじやないか、そうしますというと、農家の本当に食つておるところの自家保有米を除いてとにかく日本の国中に動いている。闇の市場もありましようし、配給もありましようけれども、その数量というものに比べれば、これは二割以上じやないかということなんです。この大きな二割にも及ぶようなこの問題を少しも考えずにやつておられるという食糧計画には、私は大きな欠陥があるんじやないか、だからそれを私ははつきり申上げて取締れということじやないのです。その実態を食糧庁長官はこの委員会に食糧庁として手の届く範囲の資料を出して、そうして総合的に大きな一〇〇%の日本の国産の産米に対しての考慮を払うのでなければ、本当の私は食糧政策のあり方をつかむことができないのじやないかということを私は考えているわけなんです。それで何も私今日直ちに食糧庁長官にここで以てその数量を出して説明して欲しいということを申上げるわけではないので、食糧政策というものは、そういう政策が私は必要なんじやないか、日本の社会状態が今日或る程度闇を黙認しなければならんような状態ならば、その意味においての実情を、やはりここで食糧政策として考慮するだけの深い考え方がなかつたならば、私はこんな需給計画をやつたつて、これは綺麗事の食糧需給計画であつて、いざというときの政策はそのときによつてもう一度、まあ早い話が非常な今後における天災異変、或いはまあ悪いことを言えば、もつといろいろな世界的な情勢で以て逼迫したというようなときに、そのときに打つ手がやはり遅れるんじやないか。だからそういう意味から言つて食管特別会計のあの法律だけに皆さんは頼らずに、日本の食糧政策という意味で以て、少くとも私はこの秘密会あたりにおいては御説明願うだけの私は用意があつていいんじやないか、若しも今日ここで以て食糧庁として或いはそこまで食糧庁は責任がないかも知れないけれども、日本の食糧政策の(「大臣々々」「大臣はなお駄目だ」と呼ぶ者あり)そのあり方として食糧庁長官のお考えを発表し、或いはそういつた問題に対する外貌でも何でもここで御説明願えれば好都合だし、それから又そういう資料を御用意願つて、或る機会に少くとも実態だけはこの専門の委員会にはお示し願つたほうが私は親切なやり方じやないかと、こういうふうに私は思うわけであります。質問意見もありましたが、若しもここでお話が頂けるならば結構です。
  100. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 私も関連して申上げたいんですが、今日の今までの御審議と言いますか、質疑を聞いておりますると、このために秘密会要求するほどのこともなかつたこととを(「その通り、その通り」と呼ぶ者あり)遺憾とするわけであつて、ですから私も実は本年度は十月までは勿論何とか行くだろうと思いますが、来年度の問題が大問題に私はなるということを実は心配しておりまして、個人的のことを言うとあれでありますが、実は緑風会でも緊急質問に私は出てやろうという感じを持つてつたのでありますが、私は余りああいうところでやることは避けておりまするが、とにかく今までの政府考え方で、米は統制は外すというような目標は依然として掲げながら、旧態依然たる供出政策、米価政策をとつて果していいかどうか。特にこれは河野さんも言われましたが、闇米価格はどうも下りつこないので、それで改進党との妥協で供米完遂奨励金、去年百円が八百円になれば、いよいよ各府県は供出割当を低くするという傾向になることは必至だと思います。私はさつき細かく長官から今年の作況についてのお話があつたけれども、もう大勢はきまつておると思うのです。麦もきまつちやつておるし、米もきまつておる、ですからこの際細かい計数的な問題は除外して、大勢を見通して、やはり今から来年度の対策をよほど慎重にやつて行きませんと、これは全くここで質疑をしてどうこうという問題以上の問題だと思いますが、この意味合における皆さんの御意見だと思いますが、今日は時間も過ぎておりますから……。
  101. 清澤俊英

    清澤俊英君 何か闇米が何百万石か余分にあつて動いていると見る人が多いようだが、僕はそうは見ていない。仮に新潟県の場合を見ると、闇米などを……、保有米を一応持つて闇米も少しぐらい持つておるのが当り前だと思うけれども、ところが群馬県の場合はどれだけ農家が持つておるかというと、「うどん」を買つて食うのは殆んど農民なんだ。これはもう量ははつきりわかりませんが、昨年は農協が中心になつて、早場米を出すために何百というあれを買つて渡しておる。そういうものが動いているのを全部品物が余分にあつて闇に隠されておるものが動いているというような見方をしたら大変だ。それから都市なんかになりますと、数はどのくらいかということはつかめませんが、実際配給米が満足に受けられないというので、配給所に米が余つておるというのが現実です。これはいつ行つても幾らでもくれます。くれるが、ただ闇米を食べて残して行くという線も出ておるかも知れないが、そういう贅沢な線も出ておるか知れないが、半面に全部米を食べられない、従つて通りの窮屈な生活をしておるというので米は余つておるという線も出ておる。そういう米の現実の今の状態下における流動態というものを調べなければ、八百万石ぐらい余つておるだろうということはちよつと言いかねると思う。こういうぱつとした闇が今動いておるだろうということで、これくらいだという予想をするのは非常に危険だと思う。そういうようなことについてここでは御答弁は頂きませんが、そういう点はよく考えて、ときによつたら、それぐらいのものの米の流動という、そういうふうなものの御調査も必要じやないかと思う。
  102. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 今、話は途中で切れましたが、委員会も法案も大分たくさんのようでございますが、少し間をおきまして政府のほうでも検討してもらつて、細かい数字は今はできんと思いますが、大勢は今からつかんで行かなければいかんと思う。米価問題であるとか、或いは外国食糧の輸入について去年と同じ計画でやつておるのですから、そういう点を一つ別の機会に十分大臣に出て頂いて再び検討したらどうかと思うのですが、この程度で今日は……。
  103. 河野謙三

    ○河野謙三君 ちよつと長官が見えましたので、昨日農協のトラツクの輸送問題で委員長長官の御出席を願いたいということを申上げましたので、この機会に……。実は長官、すでにお耳に入つているでしようが、農協の輸送問題、これと関連して昨日自動車部長に来てもらつていろいろ話したのですが、一方食糧庁のほうでは、米麦の現在の日通の元請には長所もあると思いますが、農家の庭先から政府の倉庫まで、その間だけを日通の元請から外して農協なりその他農民の機関に元請をさせ、そうして輸送をさせるというふうなことを私は考えて頂きたい、こう思うのですが、それは単に農協がトラツク輸送をやつて農協の収入を殖やすというだけでなしに、同時にそのことによつて政府輸送の実績というものが出て来ると思うのです。今のように日通の元請でやつておりますと、ただつかみで小運搬の平均キロ幾らだというようなことで、過去の実績によつて日通の元請の請負単価を弾き出しておるのでなく、大体つかみですね。我々見ておりますと、実際の平均輸送キロより相当ふくらんだものが現在の日通の数字になつておる。そういう面から考えると、若し農業団体なら農業団体に、農業団体全部とは言いませんが、農民から政府倉庫まで、こういうような間だけの輸送をやらせることによつて、少くとも相当の私は輸送の実績というものが出て来るのではないか、こういう効果も狙つて、こういうことをお考えなつたことがあれば、この際お話し願いたい。お考えなつたことがなければ、一つ御研究願いたい、こういうふうに思うのです。かたがたすでに御承知のように、昨日も農林漁業組合連合会整備促進法というふうなことで、又農協に金を注ぎ込まなければならんと政府は非常に親切でありますが、幾ら金を注ぎ込んでも農協は仕事がなければ、農協なんというものは、これは二年経ち三年経てば金はどこかに行つて又赤字になる。だからそういう意味合で農協の再建促進、こういうところも食糧庁のほうも一応狙つて、食糧の供出面からも農協の大いに再建をやろうということを考えた場合、一番先にこれはあなたの手許でできるし、又考えられるものは輸送の問題だと思う。こういう点で一つ質問と同時に希望を申上げるわけであります。
  104. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 申上げます。宮本さんのお話の各地の価格は私のほうで調べております。今の闇量の問題は方法論として二通りございます。一つは農家の販売量調査を或る程度調べております。これが全部ではございませんが、これを平均した場合どのくらい販売しておるか、政府米を入れての販売であります。これで推定する方法が一つ、もう一つ都市における家計調査からいたしまして、都市の消費者が実際に闇米をどれだけ買つておるか、これは尤もサンプル調査でございますから全部に亙つておりませんが、これから平均したものがどのくらいになるか、それから全国民がそういう同じ割合でどのくらい買つておるかという、こういうことは過去の成績で出るかと思いますが、それ以外にはちよつと闇販売量をつかむという方法はむずかしいと思います。  それから第二点の委員長からのお話の点は、実は私たちも目下或る程度需給計画検討いたしております。需給計画検討いたしますと同時に、この端境期までの間において外米を買付け得るのはどのくらいあるか、そういう見当を付けております。それから同時に又来年度において各国別にどれだけ最大限度買入れられるかという輸入検討もいたしております。それらも国内の需給と見合わして今検討いたしております。或る程度大ざつぱな、勿論正確なことはできないと思います。例えば平年作を前提にした場合こういうことになるだろう。その場合こういうような形になるだろうということを今いろいろ検討いたしておりますから、検討ができますればお話しできるのではないかと思います。今日はいろいろ御意見を伺いまして、我々の検討の材料にしたい、こういう趣旨でありますから……。なお河野委員のお話のありましたことは十分検討いたします。ただ河野さん誤解じやないかと思いますが、今政府は御承知のように、倉庫で買つておりますので、農家から倉庫までの何は日通には全然請負わしておりません。その点は誤解だろうと思いますから、念のために申上げておきます。
  105. 河野謙三

    ○河野謙三君 それは倉庫と言いましても、農協の倉庫が政府の指定の倉庫になつている場合にはそうですが、そうでなくて農協の倉庫以外の政府の指定倉庫というのがあるでしよう。営業倉庫、これまで持つて行くのはどこがやるのですか。
  106. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) これは政府が倉庫で買つてから初めて政府米になりますから、倉庫に入らないうちは全然政府と手が切れております。どの倉庫の場合でも……。ただ倉庫間の問題はありますけれども、農協から都市の倉庫に移すというような場合には、これは政府運送になつております。買入の場合におきましては、農協の場合、それから営業倉庫の場合におきましても倉庫で買うことになつております。
  107. 河野謙三

    ○河野謙三君 そうしますと、例えば私なら私の平塚の農業協同倉庫が指定倉庫になつている、これはそれには収容力に限度がある。そこでそれを更に横浜なり、東京の政府の指定倉庫まで運ばなければならん。これはトラツク輸送するという場合には、それはどこの輸送になりますか。
  108. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) その場合は政府がそこで買つたということになりますと、倉庫から倉庫のものでございますから、政府運送になつて日通の下請になつております。
  109. 河野謙三

    ○河野謙三君 私の申上げるのは、言葉が足らなかつたのですけれども、要するに農協の倉庫は大体指定倉庫になつておりますけれども、それは抜きにして、それから大体大きな政府の指定倉庫、こういうところへ運びますね。これを要するに農協の倉庫から営業倉庫、政府が指定した倉庫へ運ぶものを農業団体でやらせることはできないか。こういうことなんです。
  110. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) よく検討します。
  111. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) これにて秘密会を終ります。    午後一時十二分秘密会を終る
  112. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 只今秘密会の会議録中、特に秘密を要しまして、参議院規則第百六十一条によつて会議録から削除すべきものがありましたら、委員長において適宜削除したいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  113. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないものと認めましてさよういたします。  ほかに問題がありますが、次回に譲りまして、本日はこれで散会いたします。    午後一時十三分散会