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参考人(鶴田亀男君)
只今委員長から御指名頂きました農林中金の鶴田でございますが、
只今開拓融資の金利の問題について御質問がございましたので、お答えを申上げたいと思うのでありますが、私のほうの金利体系は多少複雑にな
つておりますので、一応その仕組から申上げませんとおわかりにくいかと思いまするので、一応御
説明をさして頂きまして、併せてお答えを申上げたいと思うのでありますが、今私のほうの金利で特殊の扱いをや
つておりますのは、大体日銀の適格担保として優遇措置を講ぜられております農業手形、それから購繭スタンプ手形、こういうふうな日銀に手形を持込みますとすぐ担保としての扱いをや
つてもらえる資金に限
つて実は特殊の金利を開いておるのであります。それで農業手形
制度は、これは御承知の
通り農林省のほうの御通牒に基きまして、農業手形の
制度をきめられまして、日本銀行はその要件に備わ
つたものは適格担保として優遇をするというようなことで、金利の点はこれは日本銀行のほうでお示しにな
つて、特別の金利をきめて頂きまして、そしてその要件に備わ
つた場合には優先的に担保にと
つてやると、こういうような仕組にな
つておるのであります。購繭スタンプ手形についても同じようなことでありまして、結局これは資金源が私のほうの
自己資金によらなくても、日本銀行の借入金に依存することができるというふうなものに限
つて現在のところは特殊の安い金利を
適用しております。それで、それによりません一般の普通金利と申しますのは、これは結局全国の農協その他から私のほうが預
つておりまする預金、それから農林債券の発行を認められておりますので、農林債券を発行しまして得ました資金、こういうような、いわば農林中金の自給資金によ
つておる金利というものは私のほうが勿論自主的にきめておるわけでありますが、そういうふうな大体の仕組にな
つております。それで
只今申上げました一般の金庫の自給資金による一般資金の金利と申しますのは、大体二段的に
考えておりまして、一番優遇をしておりますのは、各県にあります信用農業協同組合連合会、これは手形貸付の利率で言いますと二銭四厘ということで
適用をしておるのでありますが、それ以外のものは、即ち単位農業協同組合或いは県の経済農業協同組合連合会或いは開拓連、こういうようなものは二銭六厘というふうな大体の利率で、そういうふうに大まかに言いますと、二
通りに分けてや
つております。それで各
府県の信用農業協同組合連合会をどうして優遇しておるかと申しますと、これは御承知の
通り信連と申しておりますが、これは融資事業を専門にや
つておりまして、
府県内における農協系統の中央機関ということに言えると思う。
従つて御承知の
通り町村内の金融の過不足は単位農協で付ける、それから
府県内の金融の過不足は信連で付ける、全国的な金融の過不足は農林中金で付けると、こういうふうに大体通俗的に言われております三段制をと
つておりますので、これを混乱に陥れるような金利体系は私のほうはとれませんというのが理由の
一つと、それからもう
一つは、私のほうの預金が集ま
つておりまするが、これは殆んど全国の各県の信連から集ま
つている。その資金源が信連から集中的に集ま
つている。そういう
意味で多少優遇の必要があるというふうなことで、実は手形貸付の場合は二銭四厘、それからそれ以外の連合会なり組合は二銭六厘と、こういうふうな大体の仕組でや
つております。
それで
只今お尋ねの開拓
農民は、これは非常に気の毒な
立場にありまするのは
お話の
通りでありまして、私のほうとしましては、できるだけの金利を
考えて行きたいと思いますけれ
ども、これは資金源がもともと中央金庫の資金源でありまするから、各連合会のそれぞれの利害を
考えまして、預金者側のほうの利害もこれは考慮しなくちやいけませんし、そういうふうな
関係がありまして、なかなか特殊の金庫の資金源に特殊の利率を
適用するというふうなことは非常な困難な事情があるのであります。それで私のほうとしまして、かねがね政府その他の方面にお願いしておりますることは、そういうふうないろいろな相手方の困難な理由や、その他を理由にして何か特殊の金利を
適用する必要があるということであれば、これは何か適当な
行政措置で以て金利補給なり、何かをして頂くようにお願いしたい。それで一般の全国的な金利の体系を私のほうが組みまするときは、やはり先ほど申上げました組合系統の均衡を壊さないような仕組にや
つて行く必要があるんじやないか、こういうふうな大体の仕組でや
つておるわけであります。それは私のほうの一般的な金利のきめ方なんですが、
お話のこの開拓の金融の
関係につきましては、当時今回の
法律の前の、今の基金
制度をと
つておりまする場合は、
考え方としましては、各県の開拓連は私のほうから資金を融通しまして、それを貸付けておりますから、そういうような
意味合では金融機関とも言えるかと思うのでございますが、一面において事業機関としての性格がありまするので、これはやはりほかの農協の経済連なんかと同じような形でやはり二銭六厘を
適用したいと、こういうふうにしまして、実は現在の金利を二銭六厘ということで
決定しておるのです。併し今度は従前の開拓信用基金
制度によりまするというと、第一号基金、第二号基金、第三号基金ということがありまして、これは農林中金に結局これが預けられておるというふうなことで、これを若干の見返りとして融資してお
つたのでございますが、正式の担保としてはこれは実は頂戴しておらない。たまたま今度の保証
法案が提案されまして、従来各基金を扱
つておりましたのが、各県の
地方保証協会、中央では中央の保証協会というふうな立派な法的な団体ができまして、そしてこれが私のほうの債権に対して保証をして頂くというふうなことになりますると、債権の内容も強くなるというふうなことは言えるかと思うのであります。そういうふうな
関係もありますので、実は開拓連に対する融資の金利というものは若干引下げる必要があるんじやないか、実はよりよりそういうことを
考えてお
つたところであります。今月まだ具体的にそれではどの
程度に引下をやるかということを申上げる段階には至
つておりませんけれ
ども、これはいずれ法が成立いたしましたら、
農林省のほうとも打合せ申上げまして、何か若干引下の考慮をしたいと、かように
考えております。