○河野謙三君 大臣は所管の大臣として、農産物安定法は自分は趣旨には賛成である、時期は言明できないけれども賛成である、そうすると、そこに又問題が起る。澱粉を買
つて「いも」の
生産費を補償しよう、「なたね」の作付を補償しようということに
なつて来ると、そうすると、澱粉なり、「なたね」と、今度は麦なり米との価格の関係がどう
なつて来るかという問題、どうしてもこれはもう統制せざるを得ない。特に私はここで非常に問題が起る。現に
政府は「いも」の価格の支持のために澱粉の買上をや
つておられますけれども、最近のように「とうもろこし」の国際価格が暴落して、「とうもろこし」澱粉価格からの圧迫というものは当然起
つて来ます。そうすると、これと国際価格と全く比例して、今後の「いも」の値段を昨年同様に二十七年なり、八年の「いも」の価格を支持して行こう、それがために澱粉の価格を幾らにして行くかということに
なつて来ると、私は今のようなことだと
政府は全く処置がなくなると思う。そういうことで私はこの際これは単なる「いも」や「なたね」の問題じやなくて、
政府は今後
農民に対して、増産の裏付として経済の裏付と即ちこれは農産物価格の安定であるとか、今の米麦の最低価格の保障であるとか、こういうことをはつきりしておかなければ増産計画に附いて行けませんよ。大体今までの
政府の増産計画で財布が膨れたためしがないということが
農民の定評です。常に経済的の裏付というものが付かなければ計画というものは立たない。ところがもうその安定法を出そうという矢先に、小麦粉を大臣はいろいろ何とかかんとか言
つて、日本の小麦の価格は国際価格の下落に関係ないのだと、こう言われるけれども、これは誰だ
つて国民全部知
つておりますよ。小麦の価格が八十五ドルに
なつたから、そこで大麦、裸麦に比べて小麦だけ少し安く買
つてやろう、そういうことはあんまりである。そういうふうに
農家に影響を与えておるときに、新任の農林大臣としては、農産物の価格については常に
政府の最低価格を保障する、こういう方針で行くのだと、それがために必要な統制なら統制をやるんだ、私は何も直接統制を望んでおるのではない、間接統制な二間瀞統制でいい。とにかく
政府のやることで農産物の価格を支持して来て、この農産物の価格に対する保障を
政府はするのだ。こういうことでなければ
意味合いはないと思います。そういうことで私はさつきから小麦の価格の問題で聞いておる。同時に伺いたいのは、食糧庁の件については、あとでゆつくり伺いますが、今度の予算で、特別会計で小麦のたしか補給金が十五ドルかあると思います。ところがそれは九十ドルを基準にして補給金十五ドルということに
なつておると思います。ところが現在のところは八十五ドル前後まで下
つておるのは事実です。なお今後下落の傾向にあるのは事実です。英国がすでにこの下落の傾向を察知して、国際小麦協定に
加入しないということすら現にある。そういう場合に現に八十五ドルで買い得るとすれば、小麦の会計においては逆に三十億ぐらい儲かる結果になると思います。これは如何です。なお私は質問の時間を短縮する
意味で伺いますが、今度の買入、売渡の
措置による中間業者の加工賃は膨らましておられます。これは今までの製粉、精麦のものは、加工賃が辛か
つたから膨らしてやるのか、或いは巷間に伝えられるところの、自由党の内部に製粉会社の社長がいるからだということを聞きますが、これはデマでありましよう。とにかく加工賃が膨らんで売値と買値との開きが出ている。これはどういう
理由によ
つて膨らませたか、これを伺いたいと思います。