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政府委員(
山中徳二君) それでは従来
実施いたしました項目のうちの主なるもの一二をこの
機会に御
説明申上げまして、私
どもの
監察業務がどういう姿でや
つており、どういう効果を上げつつあるかということの一端をこの
機会に御披露さして頂きたいと思います。
私
どもの
監察業務といたしましては
四半期ごとに
監察計画を立てまして、これを
現地におきまして実証的に調査いたしまして
結論を導き出して、
相手方機関と討議をいたしました結果を出し、その結果に基いて
勧告をする。こういう姿で
実施いたしますのが
監察の原則でございまして、なおそのほかに
地方出先機関がございますので、常時
地方におきます
国政上の
問題点を
情報として把握いたしまして、この
問題点について速急に解決をいたすべきものにつきましては、それぞれ
主務省に
連絡をいたしまして是正を図り、或いはその
情報に基きまして今後の
監察計画を立てる、かようなことをいたしておるのでございます。具体的な問題につきまして簡単に
只今までに
実施いたしました
業務の一二を申上げたいと思うのであります。
一つは、例として申上げますのは
戦傷病者の
遺族等に対する
援護行政の推進行務を
実施いたしました。これは
監察の結果といたしましていろいろ
生活年金と
生活扶助との
取扱がまちまちにな
つておるものに対し、或いはむしろ
年金で
国債を出すよりも
国債を買上げるべきではなかろうかという
結論を
勧告いたしております。或いは
関係機関との
連絡をいたしまして
国債か
年金を出すときまりましたら、早く
国債が渡るようにという
事項を
勧告いたしまして、これに基きまして
厚生省のほうからそれぞれそれに基く
回答を得て、これは私
どもの
勧告の結果ばかとは申さないのでありますが、
只今申上げました
国債の
買上げ等につきましても二十七年度二十億、二十八年度三十億というような姿で私
どもの
勧告が一部取入れられたものとこう
考えておるような次第でございますが、なおこの
監察につきまして私
どもといたしましては、早期に直すべきものは特に
監察の
途上において直すようにさせたいということで、
監察援護行政の一環といたしまして、例えば
傷癖者に対する
厚生援護の
関係の
業務などが非常に遅れておりまして、県によりましては暮の
予算の
消化率が大体一〇%前後というようなことでありましたので、これらにつきましては
厚生省を通じまして至急この仕事をもう少し活発にやるようにということで
促進を図り、又或いは
弔慰金、
年金の請求に関する
戸籍抄本の手数料につきましても、
生活保護法の
適用者にと
つては
相当な
負担になりますので、特別にこれを免除するという
措置に
なつおりますのが徹底していないので、中には
家族数の多い者は数百円の
負担にな
つてお
つたというような
事例等につきましては、改めてその
趣旨を徹底させるというようなことをいたしますとか、
監察の
結論を待たずに
途上におきまして
修正させるということに努力をいたしましたつもりでございます。特に
厚生省におきましては昨年末
特別強化措置というのをとりまして、今までこれの受付その他が遅れておりましたのを急ぐという
措置を
とつたのでありますが、私
どももこの
事業をいたします
一つの重要な起因といたしまして、
業務の
促進ということを非常に強力にいたしまして、この点につきましても
監察の目的が達した、
監察を
実施いたしまして
相当寄与いたしたものと思
つております。
長くなりましたのでもう一度
一つだけ例示といたしましては、問題にな
つております農地に対する
災害復旧の
補助金等が十分でないという点がございますので、私
どもといたしましては
市町村における末端をとらえまして、
実施率といたしましては全体の〇・二%に過ぎなか
つたのでありますが、これを
監察いたしました
結論といたしまして
農林省に
勧告をいたしました結果、
農林省といたしましてもこれに
回答を寄せておるのでございますが、その私
どもで申上げました
改善所見、
相手方の答えました
回答の一二をこの
機会に申上げたいと思います。
第一点は、
現地査定を強化するということが非常に問題の起る元を断つごとであるので、
現地査定を強化せよという
改善所見に対しまして、
農林省の
回答といたしましては、
事業費二百万円以上の
工事は
農林省においてできるだけ
現地査定をする、又
査定官を設けましてその
責任と権限を明確にいたしまして、これに必要な技能の
習修養成を図る。それから又
現地におきまして
現地査定の実を上げますために小型のジープその他を備えるというようなことで
機動力を増して
現地査定が実際上可能なような体制をとりたい。
それから私
どもといたしましては、
只今市町村に対する
補助は
市町村に直接
補助するという形にな
つておるのでございますが、やはりこれは
農林省から
市町村に直接に
補助をするよりも、
府県を通じまして
補助することによりまして
府県にその間の
監督上の
責任をもう少し強くしてもらうことが必要である。これにつきましても、
農林省は全く同意の旨
回答をよこして参りました。これに基く
法律上の
措置をとるというようなことをいたしております。
それから又
工事の請負方式といたしまして、直覚を避けまして地元請負というようなあいまいなことをや
つておりますので、これに対してもこういうやり方は避けたほうがよいという
勧告をいたしましたことに対しまして、
農林省といたしましても直営名目の地元請負というようなことは今後やめさせるという
回答をよこしております。
それから
工事を案施いたしました上の指導
監督及び検査ということが十分に行
つていない旨を指摘いたしましたのに対しまして、
農林省の
回答といたしましては、
事業費三百万円以上の
工事及び都道
府県の直営
工事につきましては、今後
農林省において全部検査をする、右以外のものについては都道
府県において全部検査をする、それから中間の検査、指導の励行を図る、又検査官の
責任、権限を明確ならしめ、その資格、任命、表彰
制度等の規定を定めるという旨の
回答をよこして参りました。
なおいろいろ
実施の
負担にな
つております様式の手続の複雑な点についてはこれを簡素にするようにという
勧告に対しましても、
農林省におきまして次のような帳簿の様式につきましてこれを整備すると同時に簡素にするというようなことを
回答いたして参
つております。建設簿、使役明細簿、経費整理簿、
負担金賦課調書、
工事用材検収簿というようなものは整備の悪い点もありますし簡素にする点もありますので、これらの点についても
回答をよこしております。
更に根本的な問題といたしましては、このような事態が起
つておりますのは、国の
補助金に対しましてこれを
補助の條件通り励行するという観念が行渡
つていないということを私
どもが指摘いたしましたことに対しまして、
農林省といたしましては、
会計検査院、
行政管理庁の指摘
事項を引用いたしまして、今後こういう事態を反復しないようにと部内におきまして啓蒙運動をこの際
実施いたしたいということを
回答いたして参りました。設計審査、地元
負担工業施行、設計変更検査、経
理事務等に関する
説明書等も作成いたしまして、同時に
関係者のこれらに対する知識を養成するというようなことをいたしておるのでございます。
これらの
回答事項に対しまして、私
どもの
出先機関といたしましては、果してこの通りこれが励行されておるかどうかということを
監察いたしまして、実際にいわゆるおざなりの
回答でないということにいたしたいと思
つておりますので、いろいろな
監察計画はこれを
勧告をいたしましたあとで
勧告の大要を
地方に
連絡いたしまして、それが
実施されておるかどうかというような点について
回答を求めておるのであります。過般一二例えば富山県でございましたか、私のほうでとりました
情報によりますと、やはり
農林省のこういうあれもありまして刷新の手を県で打
つておるというような
情報も入
つておりますので、私
どもそういう姿を各県についてあとからトレースして行くというふうにいたしまして、又若干の期間をおきまして同じ項目について反復して
監察計画をとり上げるというようなこともするということにいたしまして、当面重要な公共
事業補助金というような問題についてはあくまで改善が実現されるまでおし進めて行く、かような
気持でやつでおるわけでございます。一二を申上げましたので甚だ不十分かと思いますが、このくらいで
一つ。