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1953-07-23 第16回国会 参議院 内閣委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月二十三日(木曜日)    午前十一時十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小酒井義男君    理事            上原 正吉君            長島 銀藏君            竹下 豐次君    委員            井上 知治君            成瀬 幡治君            松永 義雄君            松原 一彦君            野本 品吉君   国務大臣    国 務 大 臣 木村篤太郎君   政府委員    行政管理庁管理    部長      岡部 史郎君    保安庁次長   増原 恵吉君    保安庁長官官房    長       上村健太郎君    保安庁人事局長 加藤 陽三君    保安庁経理局長 窪谷 直光君    保安庁装備局長 中村  卓君    外務政務次官  小滝  彬君    外務省参事官    (外務大臣官房    審議室付)   廣瀬 節男君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君    常任委員会専門    員       藤田 友作君   説明員    労働大臣官房総    務課長     堀  秀夫君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○参考人の出頭に関する件 ○小委員会設置の件 ○行政機関職員定員法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○保安庁法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは只今より内閣委員会を開会いたします。  議案に入ります前に皆さんにお諮りをいたしたいと思いますが、先般委員長及び理事の打合会を開きまして、来たる二十七日の月曜日の午前十時より恩給法の一部を改正する法律案につき参考人意見を聴取することに決定をいたしました。さよう取計らうことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは参考人意見を聴取することに決定をいたします。  次に同打合会において御相談をいたしました、当委員会に付託中の請願陳情を審査するために小委員会を設けることを決定したわけでございますが、大体委員の数は五名程度にしたらどうかということでございます。小委員会を設置することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 御異議ないようでございますので、委員の人選は委員長に御一任を願うことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは決定をいたします。  それでは大体構成はひとつ緑風会から一名、自由党一名、社会党左一名、右一名、改進党一名合計五名出て頂く、そうして委員長は互選をして頂くということにいたしたいと思いますから、御承知願います。   —————————————
  6. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。引続きまして各省別増減理由説明を求めます。労働省関係説明を受けることにいたします。労働大臣官房総務課長堀秀夫君。
  7. 堀秀夫

    説明員堀秀夫君) 労働省所管職員定数改正について概要を御説明申上げます。  労働省所管職員定数は、現在の定員は二万百九十二人でありますが、今回の改正案によりますれば本省において十名減員、反対公共企業体等仲裁委員会において五名増員公共企業体等調停委員会において二十三名増員、これを差引きますと計十八名増員いたしまして、二万二百十人を以て新定員とすることとなつております、その内訳は次の通りてございます、  先ず第一に本省において十名減員いたしますのは、広報事務の改善、旧安本から移管されました物資その他の所掌事務整理簡素化等事務処理合理化に伴うものでございます。  第二番目に公共企業体等仲裁委員会において五名、公共企業体等調停委員会において三十三名計二十八名増員いたしますのは、御承知のごとく公共企業体等労働関係法が十三国会において改正いたされまして今年の一月一日から施行されたのでありますが、これに伴いましてその所管事務が従来の国鉄専売公社のほかに新たに電電公社郵政、林野、印刷、造幣、アルコール専売事業というような公共企業体或いは現業公務員が追加されましたので、対象事業及び職員が約倍加したのであります。数で申上げますると今年の七月一日現在におきまして国鉄専売職員は約四十五万名になつておりますが、電電その他の公共企業体或いは現業公務員公共企業体労働関係法の適用を受ける現業公務員の数は五十三万名になつております。合せまして国鉄専売だけならば四十五万名でありますが、他の追加になつておるものを合せますと約九十八万名ということになるわけでございます。こういうふうに対象事業及び職員が約倍加いたしましたので事務局の業務も激増することになります。そのため必要人員をそれぞれ増員することにいたしたのでございます。  以上の通り本省では本名減員いたしておりますが、その反対にこの公労法の改正関係で二十八名増加いたしまして差引き十八名増員、結局新定員が二万二百十名というような結果になつております。簡単でございますが、労働省所管職員定数改正内訳を御説明申上げた次第でございます。
  8. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 労働省関係説明について御質疑ありましたら御質問願います。
  9. 松永義雄

    松永義雄君 失業者の数は最近どういう数字の傾向を持つておるのでしようか。
  10. 堀秀夫

    説明員堀秀夫君) 失業者の数についてでございますが、これにつきましては正確薮はなかなかこれを把握することが困難なわけでございますが、完全失業者数について申上げますると、二十七年の三月には五十三万人という数を示しておりまして、その後一時やや緩和の兆が見えたのでございますが十月以降は再び増加しておりまして、二十六年の年間平均三十九万人に比べまして二十七年の平均は四十七万人、そういう状況なつております。二十七年以降におきましては二十八年の三月の調査によりますると六十三万人という状況なつております。楽観は許さない状況でございます。
  11. 松永義雄

    松永義雄君 僕の知る限りではだんだん失業者が増加している。そこで失業救済仕事種類方法なんですが、材料を与えて救済するという方法はどういうふうに改善されているか。
  12. 堀秀夫

    説明員堀秀夫君) これにつきましては、根本的にはやはり民間産業の振興によりまする雇用量の増大ということによりまして失業者救済いたす。これが根本問題でありますが、そのほかに労働省といたしましてはいわゆる失業対策事業、これを実施しておるわけでございます。失業対策事業につきましては本年度におきましては相当予算を増大しておるわけでございます。昨年度失業対策事業予算は八十億円でございましたが、本年度におきましては失対関係予算に約九十七億円を計上いたしております。その中味といたしましては稼働日数の増加、これは昨年度におきましては月平均二十日ということでござましたが、今回の予算におきましてはそれをもう少しふやすというような見込で予算を計上いたしております。  なおそのほかに失業保険積立金運用等によりまして、職業補導所共同作業所日雇労働者簡易宿泊施設というような新らしい予算も計上いたしております。労働省といたしましてもこの失業者対策が極めて重要であるというので、その対策には遺憾のないように努めておる次第でございます。
  13. 松永義雄

    松永義雄君 地方庁で同じく失業救済をやつて、それに対して国庫補助が行つておるでしようか。
  14. 堀秀夫

    説明員堀秀夫君) さようでございます。
  15. 松永義雄

    松永義雄君 その国庫補助の中で材料をもらえば救済の範囲を拡げることができる。今のところでは一口に言えば自由労務者諸君救済にとどまつておる。一層の努力をしてもらつて材料一つ供給してもらうことがもう先決問題だと。そういう声の強いことは百もあなたのほうで御承知のことで私がここに申上げるまでもないのですが、そういつた面までも相当今度の予算で進んでおるということなのですか。
  16. 堀秀夫

    説明員堀秀夫君) 失対事業取材費につきましても、本年度予算におきましては、その補助基本単価等につきましても増額いたしております。労働省といたしましても、従いましてこの取材費増額等措置によりまして、只今お話のような要望にこたえたいというふうに考えておる次第であります。
  17. 松永義雄

    松永義雄君 僕の考えから言うと失業救済は徹底しておらない、各議員のところへは恐らく履歴書が山積しておると私は思うのです。それを見ても救済事業が徹底しておらないということは言われるのでありまして、まあそこえ定員の問題に引つかかつて行くと思うのですけれども、なすべき仕事をなさないで定員は要らないのだ、これでは結果において失業者が救われない、こういうことになる。我々の手許に履歴書がたまらなければいいのですけれども、お宅にも相当たまつているのじやないか。個人々々にはたまつているのじやないかと思うのです。そういつた状態が救われないのです。  もう一つお聞きしたいのですが、民間産業材料を供給して失業救済を行う場合と何か競合するようなことはないですか。そういつたような民間から不平が来るといつたようなことはないのですか。
  18. 堀秀夫

    説明員堀秀夫君) 大体失対関係事業の種目につきましてはやはりその事業性質上一般の民間企業と異なります。例えば清掃事業或いは道路の事業というようなものを中心にしてやつておりまするので、民間事業と競合するようなことは余りないという工合に考えております。
  19. 松永義雄

    松永義雄君 私は逆の考え民間事業と競合しても救うべきものは救つて行かなければならないという考えを持つておるので、そういう点は実は遠慮なくやつて頂きたいと思うのですが、これは僕個人考えなんですけれども、徒らに定員をふやすことはいいことじやないですけれども、なすべきことをなさないで定員がふえて来ないということは、予算関係もあるでしようけれども労働省努力が足りないと、こういうことを言わなければならないが、まあいいでしよう。終ります。
  20. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) ほかに御質問ありませんか……、労働省関係増減理由について、ほかに御質疑がなければ一応今日で終つたこととして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 建設省関係定員増減説明岡部管理部長から一応説明を求めることにいたします。
  22. 岡部史郎

    政府委員岡部史郎君) 建設省定員増減につきまして御説明申上げます。  建設省本省一万八百六名が一万七百八十名になりまして本省関係では二十六名の減に相成つております。外局といたしましては首都建設委員会というものがございますが、これは増減ございませんが、もともと首都建設委員会には専任定員がございませんのでこれは増減ございません。従いまして建設省におきましては二十六名の減と相成つております。  その内訳を申上げますと、内部管理事務減少に伴う減が一名、広報事務減少に伴う減が二名、安本関係事務整理に伴うものが三名。事務処理合理化に伴う減と申しますのは欠員の三割減のことでございますが、合せまして欠員の三割減に伴うものでありますが、これが三十名であります。合せて二十六名の減でありまして、この建設省職員につきましては全く各省共通のやり方に基く減少だけがここに計上されたわけであります。それ以外には何も理由はございません。  なおそれにつきまして詳細に申上げますと、内部管理事務減少に伴う減一名と申しますのは、首都建設委員会職員が先ほど申上げました通り専任がございませんで、計画局職員の兼務となりました結果、委員会職員の特別の人事管理事務が消滅したのでありまするから、ここにおりました内部管理事務職員一名を減する、こういう形でございます。  それから広報事務の縮小に伴う二名と申しますのは、広報関係を三割減ずるという趣旨に基きまして八名のうち二名を減ずるというだけのことでございます。  安本から移管された事務整理に伴いますものは各省共通のわけでありますが、全部で安本から移管されましたのが十三名ございましたが、それを各課に割振りまして大臣官房住宅局から合せて三名を弾き出します。これも弾き出したわけであります。それで事務処理合理化に伴う減と申しますのは、先ほど申上げました通り欠員の三割減でありまして、出て参りましたのは本省河川局から一名、住宅局から一名、土木研究所から一名、各地方建設局から十七名を弾き出したわけであります。以上で簡単でありますが、御説明を終ります。
  23. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 御質問を願います。
  24. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 部長さんにちよつとお伺いいたしますが、その広報事務の三割減ですね、そうしますと今度の整理で総体で何名減になりますか。ということは内閣総理府の中に、例の広報事務を拡張されるわけですね、二十七名ですか、それと関連して減少して行くのは何名あるのか。
  25. 岡部史郎

    政府委員岡部史郎君) この広報関係事務減少各省ごとに集計いたしますと今すぐ出て参りますので、ちよつと計算いたしても大したことはございませんで大体各省三、四名程度でありまするから、十一省といたしまして大体四十名見当と承知しております。これは併し直接には総理府官房調査室増員とは別に関係がないものと私どもも了承いたしておりますが、新たに弾き出したということは全然ございません。全然別の角度から、この際昨日も申上げたのでありますが、戦後司令部の強い要請がありまして各省広報局なり広報課なりというのを設けたのを、この際その後の実情に即しまして各原局で直接に広報関係に力を入れる、そうして広報担当局はこれを総括する、その間に三割程度の余裕を何とか共通にひねり出せようという一般的な方針からやりましたことで、先ほど申上げた点とは関係ございません。
  26. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 併しこれは人事異動ともからみ合うわけですが、総理府考えておる人、整理になつた人がそちらへ入つて来るというのは、そういうこととは関係ないわけですか。
  27. 岡部史郎

    政府委員岡部史郎君) その点につきましても関係ございませんで、これは各省におきましてはたいて、曾つて原局にいた人間でありまするから原局配置換えいたしまして、この広報関係が特別の理由、特別の緑故関係以外には総理府配置換えするというようなことはございませんで、主としてそれぞれの各省内部におきまして配置換えをするというような形でやつております。殊に建設省広報課というものが、官房にあつたわけなんでございますが、今後治水関係を総合的にやるために河川局計画課を新設いたしました。この際御承知通り課の新設につきましては強くこれを抑制したいという国会の御意向を体しまして、昨年の九月一日から課につきましては政令で定めるということになつております。あれ以来私どもは、殊にこれは参議院方面の御意向が重点になつておるわけでございますが、課の増設というものは極力抑えまして、現在までのところ課を増設したのは各省におきましてこの一年間近くなりますが一件もございません。特別必要がある場合におきましては従来の課を振替えてやるというような方針でございまして、各省これに協力いたしまして、建設省ども河川局計画課を増設するために官房広報課を廃止いたしまして、その広報事務文書課所管するというような方針をとりまして、従いましてその職員関係部局に配置したという形になつております。
  28. 上原正吉

    上原正吉君 これは二十人は欠員の三分の一だから問題ないとして、あとの七人は何ですか、現実に出血するのですか、それとも配置転換ができるのですか。
  29. 岡部史郎

    政府委員岡部史郎君) これも現実に出血はございません。もともと欠員がこれの六割残つておりますからその中であるわけであります。
  30. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 これは定員法そのものを承わつたわけですが、例の非常勤職員ですね、これに対して今後あなたのほうはどうやつて行こうという基本方針があるわけですか。
  31. 岡部史郎

    政府委員岡部史郎君) 昨日もその点に関しましては竹下委員からもお尋ねがございましたのでお答え申上げたことがあるのでございますが、これは非常に重要な問題と私ども考えまして、昨年におきましては、行政管理庁監察部を動員いたしまして非常勤職員実態調査を行いまして、大体中間的な報告も得た次第であります、その報告を元といたしまして管理庁、法制局人事院大蔵省というようなところが集りまして、これをどうするかということにつきましてよりより協議を重ねておる次第であります。関係するところが大きいものでありまするからまだ結論は持寄るということには参りません次第でございまして、最終的な結論には達しないということを竹下委員にも申上げたのでありますが、竹下委員はもう研究段階は済んだろうというようなお話でございますが、実は御尤もな点もあるのでございましてかなり実情の把握はできたと思つております。  然らばこれをどうするかという問題につきましては、一口に非常勤職員と申上げましてもいろいろなタイプがあることは御承知通りであります。で非常勤職員のうち常勤労務者という点がございます、これは非常勤職員のうち常勤的な勤務に服する者でありまして、大体のところは定員法上の定員とその態様が変らんというその執務の実態に着眼いたしまして、すでに二十五年の七月頃と承知しておりますが、人事院からこれが処遇を大体定員法上の定員と同じように扱うようにと通牒を出したわけであります。それに基きまして各省大体これにその定員法上の定員と同じような待遇を与え来たつたわけであります。  大蔵省におきましても二十七年度予算から、常勤労務者給与というものを計上いたしまして、これには他の賃金要員と異なる措置を与えるに至つております。この常勤労務者というものは従いまして各省に散在するような形になつております。これをどうするかということが問題になつたのであります、然らばそれの人数はどれくらいいるのかと申しますと予算上は三万二千いることになつておりますが、昨年十月の私ども実地調査では現実には約三万五千いるということになつております、で、この常勤労務者がどういう実態を持つておるかということにつきましても、これは必ずしも単純ではございません、  そのうち郵政省におります四千七百名というのは、実は逓信省郵政電通に分れましたときの計算違いでありまして、全く定員法上の定員と同じ扱いをすべき性質のものでありますから、このたび御審議頂きまして定員法の中に繰入れようということにいたした次第であります。これで郵政省関係のは一段落付きます。ただ、郵政省におきましてもそういうような者と違いまして、他の各省におけると共通常勤労務者は、他の各省の分と共通に扱うべきだと考えまして、その点につきましては一人もこの定員法の中に入れておりません。  然らばこの常勤労務者で、各省に散在しているものは何かと申しますと、これは現在までのところ、その大体の方向といたしましては、未だ各省の恒常的な組織上の定員とするわけには行かないというのが一つの点だろうと思います。定員法上の定員と申しますのは、結局その本来のねらいがそれぞれの省庁におきまして、その省庁の本来の構成になる職員ということであります。ところが主として臨時事業でありますが、それが二カ月以内に期間を限る短期のような場合は別でありますが、数カ月数年に及ぶというような場合におきまして、それを常勤労務者という形でやつている、従つて常勤労務者勤務年数はかなり正直なとろ長くなつて行つております、従いましてこれの処遇につきましては考えなければならんわけであります。その処遇につきましては、現在のところ定員法上の定員と同じように級別も与えております。又諸般の給与も同じような取扱をいたしております。共済組合にも常勤労務者の大部分が入つておるはずであります。従いまして実質的には処遇の点は解決していると言つていいかと思いますが、ただ定員法上の定員に入らないというのが精神的に不安を与えているということは事実であります。  この定員法上の定員に入れるかどうかということは、結局それらの職員がその省の恒常的な構成員なつているかどうかという点にかかるわけであります。それが臨時のものでありまするならば結局その職員のために特別の取扱をすべきではなかろうか。特別の取扱をする方法としては二つあると思います。一つ国家公務員法の附則十三条に基きまして特別の法令的な取扱をやつて行くか、或いは更に一歩進めてこれを特別職といたしまして、その処遇その他は労働関係法規をすべてこれに適用してやつて行くべきではある重いかというような考え方があろうと思うのであります。これらの点が常勤労務者については中心問題であります。  そのほか更に常勤的な色彩の濃い本来の非常勤職員があるわけであります。この非常勤職員のうち更にこれを二つに分けられるわけであります。即ち各審議会委員でありますとか顧問、参与或いは非常勤の医者、講師というような類いであります。これはそれぞれ非常勤手当によつて解決しておるわけであります。これは比較的問題ないわけであります。そのほかの非常勤職員につきましてはいわゆる純粋の日雇の形式であります。もつぱら事業費賃金の中から出て来るもの、これも比較的問題はなかろうかと思うの五、あります。これらはもつぱら本来の非常勤職員として取扱つて行くべき問題であろうと思うのであります。  実は非常に広範な規定のようではありますが、非常勤職員については国家公務員法上、いろいろな規定がないということが少し混迷を来たした一つの原因になつていようかと思うのであります。即ち非常動職員につきましては国家公務員法には直接規定がございませんで、給与法の二十三条に初めて現われているというような点もありますので、これにつきまして法制上の措置を一層必要とする面があろうかと存じます。併しこれは純粋の非常勤職員と申しますのは、どうしても発生を免れないものと考えますので、その場合の法制上の処遇につきましては今後必要な措置があろうかと思いますが、これが現在どれくらいいるかと申しますと、やはり約八万前後はいるのじやなかろうかと調査では相成つております。  非常勤職員というものを概観いたしますと以上のようでありまして、結局問題は常勤労務者二万五千乃至三万をどうするかという問題であります。これを定員法にいかに結付けるか、或いは近く実施されると予想されます職階制との関係もありまするので、それらの点と合せて解決して行かなければならん問題であります。今後もう少し研究さして頂きたいと存じております。
  32. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 行政管理庁調査したのはたしか昨年末だろうと思うのです。そうしてそれに対して私は意見が具申されているだろうと思う。それからあなたのほうとしては定員法改正するたびたびにそのつどこうした問題が出ているわけです。せつかく研究しておるとおつしやつていま問題点をこう抽出されたわけですが、竹下委員ができておるだろうとおつしやるが、私はそれは議員として当然の発言で審議しておつたのならばもう結論が出なければならないだろうと思いますが、いつ頃全体結論が出ることになりますか。
  33. 岡部史郎

    政府委員岡部史郎君) お答え申上げますが、先ほど申上げました通りこれは行政管理庁のみで解決できませんので、職員についての主たる所管機関人事院でもありますので、私どものほうといたしまして或る種の意見も述べまして人事院結論も待つておる次第であります。給与準則についての勧告案が今度出たというようなこともありますので、これについての結論というものがやはりその点からも促進されようかと思つております。ただ定員法のわくに入れるかどうかということは、定員法自体ももう少しひとつ研究し直さなければならんと申しますのは御承知通り定員法の第一条の規定定員法というものは常勤の一般職の職員に適用するのだけれども、二カ月以内の期間を限つて雇用される者は除くという表現になつておるわけでありまして、この二カ月以内の期間を限つて雇用される者というような規定に若干の不備或いは実情に即さない点があろうかと思います。それからそれと関連いたしまして国家公務員法の六十条に、臨時的な職員に関する制度がありますが、臨時的な職員というのは非常の場合、緊急の場合、任用者名簿がないときに行われることになつておりますが、あの規定を適用する一つの難点は、この臨時的な職員というのは半年しか置けない、人事院の承認を得てあと半年は置けるが再び更新することはできない、従いまして通計して一年以上は置くことができないのだという規定なつております。こういう意味におきまして実は臨時的な職員制度というものも現在活用しておりません。そういうような法制的な不備欠陥もあるわけであります。  この臨時的な職員をどうしてああいう厳格にしたかということはいろいろ議論の余地もあるのでありますが、実はこれは率直に申上げますと、臨時的な職員というものがアメリカにおきまして非常に弊害が起きた。それから日本におきましても例の嘱託制度というものがいろいろな弊害があつたので、司令部の指示によりまして嘱託という制度が廃止されましてあれが再び復活しないようにというので、臨時的な職員というものを置いても、これは一年以内に限るというのであれを非常に強く縛つてしまつたものでありますから、従いましてそれを定員法の一条の括弧の中の(二月以内の期間を定めて雇傭される者及び休職員を除く。)ということで、二カ月以内の期間を限つて一応雇用いたしまして、そうしてそれを二カ月の期間を更新いたしまして、実質的にあれを延して行くというような法制上の不備な点があるのであります。これはもう成瀬さんも竹下さんもよく御存じのことなのでありますが、そういう点の法制上の改正考えなければならんわけでありますが、それらのことはいろいろ他の法制上の改正とからみ合つておるわけなんで、結論がいつ出せるかということでございますが、これは次の通常国会あたりまでには、いろいろな制度の改案が若しもありまするならば、その際どうしても取上げなければならない問題の一つ考えております。
  34. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 御質問中ですがちよつと議事の整理をしたいと思いますが、建設省関係についての増減理由についての説明岡部管理部長から聞いたわけですが、その関係の範囲内の御質疑はもうございませんでしようか建設省関係増減に関する質疑は終つたものといたしてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それではそのほかの問題についての一つ御質疑のあるかたは続けて……。  それでは一つ岡部管理部長に私から一、二点お尋ねしたいのですが、一点は今回の定員法改正によつて退職する職員、これは従前のように定員法改正によつて退職した者と同じ退職手当の取扱を受けることになるかどうかという点を一点。
  36. 岡部史郎

    政府委員岡部史郎君) 四月一日以降に退職いたしました職員につきましては、別の従来の行政整理の退職手当即ち八割増、今度は十割増ですが、あれの適用がございます。
  37. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それからもう一点は、先ほどの説明の中に一カ年間新らしい課を設けたことがないというお話でしたが、課だけでなしに部局も設けたことがないかどうかということと、それを設けないのは何か設けないということがきめられておるのかどうか、その点について一つ
  38. 岡部史郎

    政府委員岡部史郎君) お答えを申上げます。課のみならず、部局の新設につきましては、このたび外務省移住局が大きな特例といたしまして御審議頂いておるわけでありますが、外務省海外移住局を除きましては、もつともこれはまだ実現いたしておりませんが、それ以外には局部は勿論課におきましても総数に変動ございません。その趣旨とするところはどこにあるかと申しますと、昨年の九月一日から行政組織法が改正されまして課については政令で定めるということになつております。これは昨年の十三回国会の参議院の内閣委員長の御報告にもありましたが、それから閣議決定にもあるわけでありますが、課につきましては再検討を加えるということになつておりますので、私どもその線におきまして再検討を加えておるのでありまして、勿論今後是非必要な場合におきましてはこれを或る程度まで認めなければならんと思うのでありますが、何と申しましても課というものが御承知のように行政の中枢的な地位を占めるという観点から、課の増設によりまして機構が厖大しがちでありますが、従いまして、できるだけ課の増設を防ぐ方針でやつておりますので、どうしても課の新設が必要になつて参りますものにおきましては、できるだけ従来の不要不急とまでは申しませんが我慢できるような課は統合廃止いたして、これに振替えるというような方針でやつて来ておりまして、各省ともそういうような方針に協力頂いて円滑にやつてつております。
  39. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それではお諮りをいたしますが、行政機関職員定員法の一部改正に関する質疑は、午後に又続行することにして、一時まで休憩に入りたいと思いますが如何でございましよう、御異議ございませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは只今より休憩いたします。    午前十二時休憩    —————・—————    午後二時十六分開会
  41. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 午前に引続き内閣委員会を開会いたします。保安庁法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引続いて御質疑のあるかたは御質問を願います。
  42. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 増原次長にお尋ねするわけですが、衆議院の内閣委員会におきまして、射撃場とか訓練場とか演習場等保安庁に関係するものについて、今後どうするのだというような質問に対しまして、予算等の関係もいろいろありましてまだ十分に予算が取れていないような関係で、着々と演習場、訓練場、射撃場を設定する段取りにはまた至つておりませんが、現在まで予算の許す範囲内でその点入念に関係者を納得させてそして拡げて行くというような意味のことを述べられておるわけでございますが、今現にその射撃場或いは訓練場、演習場といつて保安庁のものであるというものがあるのかないのか。二点といたしまして今後そうしたものを整備拡充して行こうとされる計画をお持ちになつておるかどうか、お答え願いたい。
  43. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 今まで保安隊で持つておりますものは、部隊の営舎のある所、これは一万坪なんという小さいものもあるし三、三万坪から十万坪くらい持つておりますものがありますが、一つの営舎に対して訓練場と呼んでおりますものは二十五万坪から三十万坪見当のもの、これは大体各部隊ごとに整備しつつあります。現在までに整備のできたものも相当あります。まだ十分にそれだけは整備のできないものもあります、それから射撃場というのはなんと申しまするか、両方に土手がありましてこちらに撃つ所があつて向うに標的があるという、昔のああいうあれで、坪やはり何ぼくらいになりますか宙で覚えておりませんが相当の坪になります。そういう射撃場をやはり部隊ごとに一つ整備することを目標にしてやつております。おおむねこれは整備が終り或いは整備が終るめどがついたというところであります。普通演習場と言われておりますものは、これよりは大きいものでありまして、まあ通称中演習場といつているのは二百五十万坪から三百万坪くらいのものを中演習場といつております。これはまだ保安隊で購入をしたというものはありません。併し物色をしまして適正値段を出せば買得るであろうという見当をつけたものは数箇所あるわけであります。そのほかに欲しいものとしては通称大演習場というておるものがあります。これは規模としては一千万坪以上くらいのものになります。これもまだ勿論入手しておるものは一つもありません。そういうものを二十八年度予算に或る程度入手したいという予算が入つておるわけであります。一の御質問と二の御質問をこう一緒にお答えしたようになつてしまいましたが……。
  44. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 訓練場ですね、そういつたものは実際あなたがおつしやると二十五万から三十万坪見当のものですね。整備しつつあるとこうおつしやられるわけでありますが、これはいくつくらいありますか。
  45. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 各部隊に一つ、そういうものは欲しいないわけです。併し二十五万坪まで、取れなくて五、六万坪とか十万坪取れたというふうなものもあるわけです、三十五万坪程度取れるというものもある、
  46. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 こういう所はもう購入はすんでおるわけですね。
  47. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) すんだものと今話をつけつつあるものとあります。全部がすんでおるわけではありません。
  48. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 その予算は二十七年度で完了しておるわけですか、二十七年度に計上しておるわけですか。
  49. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 今次長からの御説明を補足して申上げますと、二十七年度予算までに措置をいたしましたものは、先ほど次長が申しました営舎の直接に附属しております三万坪前後の訓練場、なんと申しますか各個訓練、基本的な個人を対象とした訓練をやる場所と、それから射撃場の手当をいたします。それから更に予算といたしましては、北海道に一カ所やや大きな訓練場を何しておりますが、土地の選定等でまだ現実には購入をいたしておりません。それから二十五万坪前後から三十万坪前後の小訓練場につきましては、目下話が具体的に進行しておりますのは、九州に一カ所ございます。それ以外のものは二十八年度予算に計上いたしまして、その候補地を目下物色中というような状況でございます。更に中演習場と大演習場につきましては、二十八年度予算にも中演習場につきましては数カ所、それから大演習場につきましては北海道方面に一カ所入手の予算を計上して、その後審議を練つておるという状況に相成つております。
  50. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私はこれが北海道方面に例えば大演習場ですね、一千坪以上のものを物色中でまだ話が進んでいなくて一応あなたのほうに計画があるというふうに了解しておるわけですが、中演習場の数百カ所というのはもう少し話が具体化して、例えば候補地はここだというふうに話が進んでおるわけですか。
  51. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 中演習場につきましては目下保安庁側において調査をいたしておりまして、それが果して中演習場として適当なものであるかどうかということの調査中の段階でございます。まだ地元との折衝という段階までに至つておりません。
  52. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 先ほど増原さんのおつしやつたのは、適正な値段でやつたなら或いはくれるんじやないかという、そういう進行した所も数カ所のうちに一、二カ所あるといういうふうに了解していいわけですか。
  53. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) それにさつき申上げましたのは、二十五万坪というような小さい、これは中演習場というよりも訓練場、小演習場というてもいいわけですが、訓練場と普通言うております。
  54. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 これはどうですか、物色して或る程度目星をつけておるわけですか。
  55. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 目星をつけたものはあるわけです。
  56. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 具体的に折衝に入つておるのですか、調査を完了して。
  57. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 具体的に折衝いたしておりますものは九州の久留米の附近の高良台という場所があります、これは元の陸軍の演習場でございましたが、そのうちの或る部分は開拓地になつておりまして、その開拓地に対する影響を極力避けながら、農林省及び福岡県その他地元の当局とも協議をいたしつつ、仕事を進めております。大体これは各方面の御了解を得て間もなく入手ができるような段階になつております。
  58. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 こうした相当な計画が進んでおるわけですが、こういうことは保安庁の任務から申しまして、まあ木村長官の答弁などを総合してみますと、国内において平和を乱す者がある。だからそういうものについてやるのだという一つの情勢判断をされてこういうことが行われておると思うのです。長官は、この保安庁の任務から割出して、国内の情勢というものをどんなふうにつかんでおられるかということを、今こういう危険はない、併し将来起り得るんじやないかとおつしやるのなら、若し将来どういうことがそうした平和を乱すところのフアクターになるのか、いろいろと私は研究されておると思うから、一つその情勢を長官にお伺いしたいと思います。
  59. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) これは申すまでもなく我々といたしましてはいろいろの情報を収集して、いつでも対処し得るだけの準備は整えなくちやならん。御承知通り日共の軍事活動というような面が相当に活発に動いておるということの情報も得ておるのでありまするが、かたがた我々といたしましては今すぐどうしなければならんという具体的の情勢判断の下においてよりも、将来さような場合を十分考慮に入れてあらかじめ用意しておくということが必要でないかとこう考えております。事が起つてしまえばこれは末であります。事の起らん前に十分の準備をするということが何よりも急務であろうと思います。私は殊に保安隊が現在厳として存在しておることが、大きな一つのいわゆる暗黙の、そういう防波堤になつておるのだとこう考えておるのであります。そこで単純に我々は国内の情勢ばかりの判断のみならず国際情勢もこれを十分考慮に入れて、御承知通りいつ集団暴徒が侵入して来るかもわからないというような情勢下においては、これらを頭に入れて不断の用意をしておくということが一番必要でないかと考えます。
  60. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 日共の軍事活動というような点について情報を収集されておつて云々というようなお話でございますが、そうしますとこうしたものが今起るのではなくて、そういうものに対処するというよりも厳として構えておればそういうものが起らないというようなほうが、今あなたのおつしやるのはそういうほうかなにか主のようなふうに聞えるわけですが、そういうふうに了承していいわけですか。
  61. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) 私はどれが主、どれが副ということは申上げかねるのであります。そういう今の保安隊が厳として存することによつて、こういう活動は成る程度封鎖されているのじやないか。若しもこれがなかりせば、これはどういうことになるであろうかということを私は申すのであります。又現在の段階において相当地下運動は各所にもくろまれておるということは、我々のほうの情報に入つておるのです。これは主として公安調査庁においてやつておる仕事でありますが、我々といたしましては各方面の情報を収集して、この判断に基いてあらゆる場面に対処し得るような方策を取つて行きたい、こう考えております。
  62. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 公安調査庁やそういう方面の情報を収集されるというのじやなくて、それが入つて来てどういう所で保安庁はそういう研究をしておられますか。
  63. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) これは保安局にそういう情報を受けて判断する一つの部門があるわけであります。それによつてやります。
  64. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 それはどういう名前がありますか。どういう部門ですかね。
  65. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) それは保安局でやつております。
  66. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 保安局だけでやつておるのですか。
  67. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) そうです。
  68. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 その保安局というのはどういう構成によつてそういう使命があるわけ、ですか。
  69. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) 保安局はすべて情勢判断に基いて計画を立てて行くのであります。そこにおいて情報を集めるということが一番必要なことであります。
  70. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 言葉尻をとらえるわけではないのですが、その計画とかあなたのおつしやるいろいろなことに話がこんがらがつて行くわけですが、その情報を収集してそうして一つの計画の立案をされる、ところがそれは保安局でそういうことをやるわけですか。
  71. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) さようであります。
  72. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 檜原さん、ここに保安局の局長さんがお見えになられますか。
  73. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) これは役所の構成として御存じでしようが、保安局で案を作るということでありまして長官の決済を得るわけであります。その下ごしらえをする分課としてのあれは保安局でみるとこういうことです。なおこれは部隊としては保安隊においては、そういうことについて又細かい問題を取扱うそれぞれの部局なり人がおるわけです。だから保安局でやりまするのは警備の基本というふうな法律上の言葉になつておる。そういうものを作つて長官がこれでよろしいというものを部隊に渡す。それに基いて部隊で細かい計画を作る、こういうことであります。
  74. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 長官は少しこれはもうちよつとふやそうとか、漸増だとかなんとかいうことを言つておられるわけですが、どんなところにめどを置いておいでになりますか。
  75. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) 只今別にどこにめどを置くということは考えておりません。現段階では私が常に申しておりますように約十一万の保安隊、約一万の警備隊、多少今度の予算において警備隊がふえることになるのであります。まあ一先ずそれでもつて行けるのじやないかという構想の下に今やつておるわけであります。併しいるいろ今度の情勢の推移によりましてこれは多少ふえるのじやなかろうかと考えております。併し伝えるような大きな数字の増員というようなことは只今のところは考えておりません。
  76. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 よくよく自衛力の漸増ということを吉田総理を初め我方は今の内閣のかたからよく聞くわけですが、それとあなたのほうの計画というものは、そうしますと員数はふやさない、そうしますと装備を改訂して行くとか充実し行くとか、そういう意味のことが今現われておる自衛力の漸増という言葉の意味なんでしようか。
  77. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) 私は常に申上げておるのでありますが、独立国家たる以上はみずからの力によつて、みずからの国を守るという態勢を整うべきだと考える。これは一般の国民もさように私は考えておると思われるのであります。併しこのいわゆる完全な自衛態勢を整えるということは、日本の財政の面から見、又は技術の面から見、或いは国民の精神力の面から見て今直ちにさようなことは到底できうるものではないのであります。そこで直接侵略に対しては、アメリカの駐留軍の手により、内地の治安確保のためには保安隊の手によつて、いわゆる両面において日本の秩序を維持していこうという今の態勢であります。併しながら我々はいつまでもアメリカの駐留軍の手によつて、日本の国を守らせるということは、感情としてのみならず又一国の独立国家となつた以上は当然日本の手によつて完全にするという建前を取らなければならない。そこでそういう、一との情勢から判断いたしまして、又アメリカとしてもいつまでも日本に駐留軍をとどめておくということは、私はできんことであろうと考えております、そこでさようなことを考えてみますると、一挙には行きませんが徐々に日本の財政力その他の面の許す範囲内において、これを補つて行くという態勢を取るべきであると考えております、併しその速度については我我は十分に各面から検討してその全きを期さなければならん、こう考えております。
  78. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 だからそういうようなところをやられるのは保安局だけでなくて、なにか制度調査会とかなんとかいうようなものがあるのじやないですか、あなたのほうの中には。
  79. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) 無論制度調査会というものはあるのでありまするが、実際において立案にあたるのは保安局において当るのであります。
  80. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 そうすると、その保安局と制度調査会の関係はどういうふうになるのですか。
  81. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) 制度調査局においていろいろ研究した資料を保安局において取上げて、これを一つの成案にするという仕事が保安局の仕事であります。
  82. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 これは向うでも大変論議されてあなたがたびたびやられたわけですが、そこでこの前九州の新聞で発表されたようなああいうことがあつたかなかつたかということは別個ですよ。実際はそうしますと制度調査会でデータやなんかを集めて来て、そして保安局で一つのいろいろなケースを考えて、そして一つの試案として研究しておられるということは事実なんですね。
  83. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) これは資料を集めて研究をしておることは事実です、併しまだ各方面の検討を要するのであります、御承知通りこれを計画を立てるにつきましては、一保安庁だけで行けるものではないのであります。これは各省にまたがる、殊に大蔵省、経済審議庁或いは通産省、運輸省、各方面に亘つて検討を要することであります、併し保安庁自体としても一つの研究題目としてふだんから十分の検討をするということは職責上当然なことであるとこう考えております。
  84. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 そうしますと、その結論は先ほどあなたがおつしやつたような現段階においては増員などは考える必要はない。こういうふうになるわけですか。
  85. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) いやこれは保安庁としての考え方であるのでありまして、どの程度まで将来増員すべきであるかどうかということは、保安庁だけできめるべき問題ではないのです。
  86. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 ちよつと話を変えまして、あなたはその集団暴徒の進入であるとか、それに対して闘うとか、或いは自衛のために要るとこうおつしやるわけですが、憲法論として前にも何遍か繰返した論争なんですが、第九条の三項で規定しておるのは、侵略して来た者に対して人民蜂起というような形や民兵といつたような形で闘う、そういう交戦権は国際法上規定されていないということについては私たちも了承しておるわけですが、そういうことがあるのだからそれに対して今保安隊というようなものを作つてやるということになると、私はやはり保安隊はどうしても軍隊と言わなくちやならないと思うのですがね。
  87. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) 軍隊とか何とかいうことは別個の問題にいたしまして、憲法第九条の趣旨が何であるかということをよく考えなくちやならん。御承知通り憲法第九条には国権の発動たる戦争と、武力の行使と、武力による威嚇は、国際紛争解決の手段としてはこれを永久に放棄すると、こう書いてある、そこで問題はここにあるのである。第一に我々はこの規定から自衛権まで放棄したものじやない。自衛権の裏付である自衛力というものは持つておるのだ。これは一国が独立国家たる以上は自衛権は持つのが当然であります。それで自衛権は平和条約におきましても認められておるわけなんです。ただ自衛権の名の下に侵略戦争のような愚を再び繰返してはいかんということで、国際戦争を巻き起し、又は外国に対して侵略戦争を巻き起させるような大きな一つの組織力、即ち戦力は持つては相成らんぞということが九条の第二項の規定であります。そこで我々は自衛権は持つておる。従つて自衛力も持つておる。ただ自衛力の名の下に外に対して大きな侵略戦争のでき得るような装備編成を持つたような、つの戦力は持つてはならん、それに至らざるものは自衛力として当然持ち得るものである、こう考えております。
  88. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 この問題について論争しても私は水かけ論であり、とてもこれは私のほうが正しくてあなたのほうが詭弁だと思うのですね。これは私はあえて論争しようと思いませんけれども、併しこじつけの解釈をしていろんなことをするというのはやはり誤つたことになると思いますから私は今の御答弁で納得するものじやないのです。やはりそういう解釈については大いに疑義かあり反対があるわけです、  そこでそう申上げまして、次にお伺いしたい点は国内の治安が乱されたような場合に今保安隊が仮に機動力を持つて動くと、こうしますね、そういつたような場合に、その車両かどれだけあるかよく存じませんけれども、その車両がフルに実際問題として動くだけの人員が確保されておるかどうか。
  89. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 問題はどういう……、いろいろ意味があると思いますが、例えば運転手……。
  90. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 そうそうそういうことです。戦車或いはトラック、そういうものをフルに、事が起きたというときに今あるところの兵器ならば兵器というもの、そういう車、兵器も車両に属するわけですね、そういうものをフルに動かすだけの人員というものを確保されているかどうか、こういう点です。
  91. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 我々のほうの持つております装備というものはいわゆる十一万の現在の隊員に応じて作つたわけであります、ただ去年の八月から十月にかけて二年間おつしやめた人がおる、その当時にはまだ車が、それからだんだん入つても来たのですが、一時多少車の数と運転のできる人との数がぎりぎり一ぱい、或いは多少足りない時代がありました。その後又車が入つて来る。併し訓練されて運転できるものがふえたということで現在では車もふえましたが、運転者もふえて運転者の方が多少上廻つておる。なお訓練を続けておるので、これはもう院分余裕のあるものができる。その他のものにつきましては、もとより新らしく買込んだようなものについては訓練をしにやいかんものが相当あります。現在においては今まで持つておるものについては十分これを動かせるようになつております。なおこれから併しいわゆる施設、機械なんかについても購入する、今まで研究をして試作品を作つたり、日本でできないものは外国から見本品みたいなものを持つて来たりしてやつておるもの、そういうものについては訓練をしなきやいかんものがあります。併しこれは十分適当な期間に訓練をしてそれを動かせるようになる計画は立つておるわけであります。
  92. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 実際事務的な問題だけに限つて御答弁が願いたいと思うわけでございます。仮に車両が百あれば運転手はどのくらいあればあなたのほうはこれで十分だとこうお考えなつておりますか。
  93. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 現在は運転をしなければならん車が七千二百ばかりありまして、これに対して一万二千四百運転免許を持つておる者がおるわけでります。それはどんどん今ふえつつあります、大体は、正確な数は私今記憶しておりませんが、平均車に対して二倍ぐらいのものが一応の目標であつたというふうに記憶しております。
  94. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 どんどんふえておるということは、この一万二千四百人がふえておるということですか。
  95. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) そうです。どんどん訓練をして運転免許をとらしておるわけです。
  96. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 その計画は必ず二倍に相当するようなものを目標として、そういう訓練をしておみえになるわけですか。
  97. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 的確に二倍であつたかどうかは記憶しておりません。大体二倍ということです。
  98. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私は普通どういうのが正しいのかどうかということはよくわかりませんが、アメリカなんか大体こういう車両とその運転の人の比率というもの、或いはまあ各国の軍隊、というとあなたのほうにおこられるかも知らんけれども、そういうものと比較研究しておみえになると思います。普通どのぐらいが常識なんですか。
  99. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 御承知のように普通のトラックとか、ジープとかいう種類のものであればアメリカ人は全部運転ができるわけです。訓練の必要がないわけです。ですから特殊車両になりますると訓練を要しまするが、その数は私ども今正確におぼえませんが、やはり二倍見当ではなかつたかと思います。我々のほうでも一般のトラックやシープというようなたぐいのものは、将来に亘つては決して二倍で満足せずに、もつと能力ある者を作りたい。これはあと隊を去つても一般に出て非常に有効な職業にもつくこともできる上、有効な能力ですから二倍にとどめるというつもりはありません。今は足りませんので大体三倍というような見当のところまで早く訓練をしようということであります。
  100. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 問題が行つたり来たりするわけですが、この自衛力の漸増と申しますか、保安隊を強化して行くというようなことに対しまして、物の経済というようなことも長官は考えて、一つの立案をされるような場合に当然経済ということをお考えになると私は思つておるわけですが、そういうことはまあ各省例えば通産省であるとか、そういつたような所と連絡をとられるということは、そういう意味だと私は思つておりますが、日本の経済の立場から行つてもう限度に来ておるのじやないかというような結論は出て参りませんでしようか。
  101. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) この保安隊の増強にいたしましても、もとより国民の経済を無視してはやつて行けない。何よりも先ず我々は国民経済の安定、民生をして安からしむるということが政治の要道である。これを無視してやるということは絶対に私はよるしくないと思います。それだから国民の経済力とマッチして行くよりにするということが一番必要なんです。そこに重点をおいて我々は考えておるのであります。そこでどこまでが限度であるかということはなかなか容易に私は申上げることはむずかしい。これは各国の国民所得と軍との比較等もう御承知通りであります。我々にいたしましてはその場合の国民所得が幾らになる、或いは将来の国民の経済力の発展の推移をにらみ合せてこういう観点から十分の考慮を払つてこの問題は処置すべきである、こう考えております。
  102. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 国際情勢もあなたは考慮する、今国力とか国の経済、そういうものを考慮するとか、朝鮮の休戦会談が成立した場合とあの前の情勢、今後成立すると思うのですが、その以後と国際情勢の変化というようなもの、日本に対するその侵略の危機と申しますか、そういうものはどんなふうに考えておみえになりますか。
  103. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) 朝鮮の休戦会談はどうなるか、私は或る程度成り立つだろうと思います。その次に来るべきものは政治会談、これはなかなか問題であろうと思う。併し幸いにして政治会談が成立いたしましても、我我の考えでは情勢判断からしてそう急速に情勢が変るべきだとはちよつと考えられない、それらの点は将来に属するのでありしますから十分我々はこれに対して検討を加える、それにも処すべきだけのここは処置して行きたい、こう考えます。
  104. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 誠に非常に抽象的で私どももう少しはつきり言つてもらいたいわけですが、朝鮮休戦会談が成立しようとしまいと、日本に対する、まあ国際と言いますか、対外政策というものは、そういう危機というようなもの、或いは心配というようなものは少しも影響がない。朝鮮休戦会談は日本の治安問題についてはさらさら影響がないと、こういうふうに判断しておられますか。
  105. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) 我々といたしましては今急速にその見通しは言えんと思つております。これは何人も言えないだろう、そうして勝手な見通しをつけて誤つていたら大変である。我々は十分これを注意して行く必要があることと考えます。
  106. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 そうすると長官の国際情勢の判断というものは一つの集団暴徒の侵略というものが十分ある、それに対して備えて行く、こういうふうに了承していいわけですか。
  107. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) 今集団暴徒に対して直ちにこれをどうするかということは考えておりません。併しながら我々はそういう場合もあり得るということは、情勢判断の下において認識しておるのであります。現に日本解放軍などということを言つている国もありますし、相当の又私は注意を払つて行かなければ恐らくほぞをかむようなことがあるのじやないかということを憂えるのであります。こういうことを考慮に入れて我々は十分対処する必要があるであろうと考えております。
  108. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 長官は相当そうした日本解放軍というような、そういう資料、そういつたものを相当知つておられると思うのですが、我々は何もつんぼさじきですからもう少しそういう危機があるならば、こういうようなことがあるという一つの国際情勢の御説明が願えませんですか。
  109. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) これは我我は的確なる資料を持つていないのです。これは誠にうらみといたします。用意はありません。併し将来において的確なそういう資料が手に入りましたならば十分御判断の資料に供したいと考えております。
  110. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 そうすると今のはただあてずつぽうなものかと言われても、私は、あなたのほう心外だろうと思うのですが、例えば日本解放軍というものはどういうようなところから出て、それはどんなふうになつておるかというような、せめて一つでも私は説明して頂けるならば我々も納得ができるかも知れないわけですから。
  111. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) 遺憾ながら只今のところは私は申上げることができません。いずれ申上げる時期に来たら……。
  112. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 それはおかしいと思うのですね、こういう、少くとも国の大きな予算を使うというような問題について、お前ら知らずにおれ、おれだけ知つておるけれどもお前らついて来れば結構だ、おれのほうで適当にやつておるから心配ないから任せておけ、こういうことになると思うのです。
  113. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) 私はそうは考えておりません。我々にいたしましても十分に今申上げたように的確な資料というものはまだ手に入つていないのであります。それが入らん先にとやかく何して国民の判断を誤らすようなことがあつちやいけないと思います。併し自分らではそういうことも予想いたして万遺憾ないようにするということが一番妥当なことと我々はこう考えております。
  114. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 それは公安調査庁も調べていないというわけですか。あなたのほうは公安調査庁からそういう資料が入つていないというのですか。
  115. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) まだ公安調査庁から的確な資料は入つておりません。
  116. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 この前MSA問題がありまして、長官はまだここにあつて検討中だとこう言つておみえになつたのですが、その後どんなふうに検討されたのですか。
  117. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) MSA問題は主として今外務省でやつておるのでありまするから、我々といたしましてはその経過についてどういうようになつておるかというまだ資料を得ていないのであります。まだそこまでの段階に行つていないのじやないかと考えております。
  118. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 すると全然外務省でいろんなことで交渉が成立してからそれからぼつぼつ一つ検討しようと、こういう態度ですか。
  119. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) いずれ交渉の過程においても何らかの我々に対する条項は言つて来るだろうと考えております。それに基いてこれを判断する資料として我々のほうでも検討いたしたいと思います。併し今これはどういうことになるか皆目我々にはわかつておりません。
  120. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 タンクのことを特車と言う、これは誰が名付親ですか、
  121. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 誰が名付親ということもちよつと今記憶してませんが、まあ特車というのはタンクだけではないのです。ほかにもああいう特別の車を特車とこう言うわけです。これは別に誰が名付親ということもありません。大体タンクを借りる。そしてそれを特車という、ということなんですから、これは戦車と言わなんだことはごまかすという意思はないのであります。こういうものが向うのタンクである、これを借りて来て私のほうじや特車という、こういうことなんです。
  122. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 あなたそのタンクのほかにまだ車があるとおつしやいますが、特車というのはどんなものか。普通我々が特車という言葉で言われるとわかりにくいわけですが、昔のちよつとその武器の名でこういうものをひつくるめて特車と言うのだ、こういうふうに一つ説明をして頂きたいと思います。
  123. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 特車というのは特別の車という意味で特車という言葉を使うのです。それで現在は公式にと言いますか、正式に特車というのはタンクのことを言つております。併し特車という言葉で普通言い現すときにはプルトーザーだとか、グレーダーだとかいうような種類のものも特車という場合もあるわけです。
  124. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 いや、正式にあなたのほうで保安庁の中で用語としてお使いになつておるのは、この特車というのはタンクを指しているだけでしよう。
  125. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 今のところはそうです、正式に特車何両と書き出す場合は。併し特車という普通用語としている場合にはブルトーザー、グレーダーのようなものを入れる場合があるわけです。
  126. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 いや、正式にあなたのほうが使つておられるものは、やはり特車というのはタンクだけでしよう。
  127. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) そうです。
  128. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 おかしな名前をつけられたものと私は思うのですね。
  129. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) 別におかしいとは思いません。(笑声)
  130. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 やはりこういうところにごまかしがあると思うのですな。
  131. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 併し特車というものを皆さんにお目にかけないで、おれのほうは特車を持つておるというのだつたらばごまかしもできましようけれども、皆さんにお目にかけて、これは何だ、これは向うからタンクを借りて特車と言うのですということは初めから申上げておるのです。私はこれは別にごまかしじやないと思うのです。
  132. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 成瀬君の質問に関連するのですが、長官から一つ見解を承りたいのですが、無論この外部からの集団的な侵入というようなことが、いわゆる自由主義国からあるという判断はなさつておらんと思うのです、併しこれはやはり国際情勢をいろいろ論議する者のABCなんですが、最近の共産主義国の侵略の方式というのは直接侵略ということはやつておらない、間接侵略をやつておるのです。ところがそういう点から考えると、やはり国内の治安、国民の生活の安定ということを先に考えるべきであつて、現在のように災害があつたり、農作物の不作があつたり非常に国内の人心が不安な状態にあるときに、そういう問題に対する財政的な裏付が非常に薄くなつて、そうしてこの先ほどからの答弁でもはつきりとした根拠がないというようなことに、いろいろ金をつぎ込んで行くというようなことがどうして必要なんだ、特に日本にだけ何か侵略して来るような特殊な条件でもあるのかどうか。その点について一つ長官の見解を承つておきたいと思います。
  133. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) 只今の御質問は極めて御尤もだと思います。併し我々は従来の例を見まして直接侵略と間接侵略とは常に同時的に発生することを考えてみますると、十分これに備えるだけの態勢はふだんからやつて行くことは必要じやないか。ただ現在は何も起つていないのじやないか、動きが見えないじやないかというようなことでこれを節して行くことは、私は非常に危険なことだ、事の起るのは不意に起るのであります。このようなときにあわてふためいてやつてもあとで取返しがつかんことであります。我々といたしましては国家の財政の許す範囲内において十分な態勢をとつて行くということが必要であろうと考えております。今仰せになりまするように国家において非常な災害があり、誠に我我は不幸なことと思います。これに対し十分手当をすることは当然でありますが、それと同時に又一国の治安の面から見て平和と秩序を維持するということに対して国民が相当の負担を荷なつて行くということも、私は当然のことであろうとこう考えております。そこで財政面とのマッチを如何にするかということは、これは大きな政治なんでありまして、そこに我々は常に思いをいたして万遺憾ないようにやつて行きたいというのが我々の考え方であります。
  134. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それからこの直接当委員会に付託されておる保安庁法の一部を改正する法律案の提案説明のあつたときに、例えばこのパトロール・フリゲートを借受けるために必要だ、併しこんなものは大して戦闘に役立つものじやない、警備の役ぐらいによりならんという御説明だつたと思うのですが、そうするとこれだけでは無論今長官の言われるような不安な状態に備える力は十分ないと思うのです。それで長官の情勢分析によつて必要とするものはそれだけでは不可能だと思うのですが、大体どのくらいのものがあればそういう不安に対処し得る力になり得るか、そういうことについてお考えを持つてみえたら……。
  135. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) この問題はいわゆる直接侵略に関係が出て来るのでありますが、我々は十分な船を持つて日本の九千マイルになんなんとする大きな海岸線を守り抜くということは到底日本の財政ではでき得ません。現在の段階においてはアメリカ駐留軍、率直に言えばアメリカ極東海軍の力によつてこれを守つておるのであります。さような情勢の下に今これに代るべき日本で手当をするというようなことは、私はここ数年若しくは十年たつてもでも得ることじやないじやないかとひそかに心配しております。そこで現在においてこの日本の警備隊が役割を果すというのは主として日本の密輸入とか、或いは不時の侵入に対しての手当とか或いは連絡という、そういうようなことにおいて私は役目を果すと考えております。現在北九州災害及び和歌山の災害におきましても、この日本の警備隊で持つておるアメリカから借受けた船舶が如何に大きな役割を果しておるかということを考えてみますれば、それはこれでよかつたのだということを目のあたりに私は見せられました。こういうときに十分役に立ち得るのだと、この見地からいたしまして我々は将来も大きな船は到底これを造り得る余地はありませんが、これに代るべき補充船舶の増強というものはやらなくちやならないんだろうと考えます。このフリゲート艦にいたしましても船齢はもう数年たてば来るのじやなかろうか。そうするとこれに代るべき船は造らなくちやならん。併し今どれだけの数を造つたらいいかということになりますると日本の財政の面から考えなくちやならんのでありまして、差当り二十八年度予算において要求いたしました程度のことで満足するよりほかになかろうかと考えておるのであります。
  136. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 今その災害を御覧になつて、先ほど笑い話にあつたように、そういうものをお造りになることもいいが、災害のほうにその金を廻しておいたほうがそういうことが起らなくていい、船ばかりお買いになつても、災害が起きれば応急措置なんかやつたつて、やはりそれは役に立たないとは言わないけれども、それは本末顛倒した話であつて、あなたの災害時の話は十分私は各地のあれにおいて報告を受けておるのでありまするが、そういう問題に対してのお考えは如何でしようか。
  137. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) これは両両相待つて行くべきだろうと考えております。そう今急速に日本が災害々全部なくするというような段階にまでは到底行き得べきものじやありません。又この水害の点については治山治水の面において或る程度は防ぎ得るかもわかりません。併し地震なんかということになつたらばもう如何にしても防ぎようはないのであります。そういう場合においても我々はどうするかということを考えてみますると、今度の保安隊の活躍を見ますると、これはもう必要である、ということです。仮に不幸にして大正十二年に来たあの関東における大震災のようなものが再び起ると仮定いたします。そういう場合を若し想像いたしますればあのときに保安隊が活躍すれば相当の何があつたのではないか、あのときは軍隊がありましたけれども、今の保安隊と軍隊とは性格が違うのであります。今の保安隊はそういうときにおいてもこれは十分な活躍ができるのでありまして、私は両々相待つて行くべきものだろうと考えております、
  138. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 そういう訓練はやつておみえになるわけですか、日常的に。
  139. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) 日常毎日やつておるというわけじやありませんが、殊に施設部隊におきましては橋をかけたり、道路の修復をしたりすることを席に訓練をやつております。現にこういう災害と関係なく各種の要請に基いてやつておる所があるのであります。現に私は数カ月前に岐阜の武藤知事より懇切なる感謝状を頂戴いたしました。それは岐阜県の或る山において新制中学を作るのでその校庭の地ならしをやることに誠に困難しておるから何とかこれをやつてもらいたい、こういうことで豊川の施設部隊を出してこれを直ちにやつたのであります、これらに対しても非常な感謝をしております。又三重県においても道路の開鑿などについて現にやつておりまして非常に感謝されておるということであります。或いは北海道の山火事のときにも直ちに保安隊が出動してこれが鎮火に努めたということで、時々そういうことについてやつておるわけであります。これらも実地の訓練であります。
  140. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 今度の和歌山並びに九州災害に対してあなたのほうは要請があつたならばやるつもりか。まあ私は規則はどうなつておるかちよつとそこのところ記憶ありませんが、たしかあれは総理大臣の権限においても動かすことができると思うのですが、そういうようなことは今考えておみえになるかどうか。
  141. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) ちよつと法律的な問題になりましたから。いわゆる騒擾、暴動等に出動をするという場合は、府県知事等が要請をして出動するのを法律の要請出動と言つておりまして、これは事後府県知事が府県会に報告せにやいかんということになつております。そのほかに要請がなくても総理大臣が必要と認めて出動をさせる場合があります。これを命令出動と言つております。これは事後最近の国会にかけて承認を得るということになつております。災害派遣は現在のところは要請になつておるのです。要請によつて長官が出動を命ずる。併しこれは通信の状況その他で間に合わんときには部隊長まで権限が委任してありまして部隊長が出してよろしい、事後長官にこういうことで取急いだから出しましたという報告を出すということで、通信関係などあるときには長官が命令をして出しまするが、いろいろ事情のあつてそのいとまのないときには部隊長も出し得る、併し要請によるということに今災害派遣はなつております。今度の経験に鑑がみてこの要請がなくとも、これはその事情を知らないために地方がその要請ということでまごつくとか何とかということですけれども、或いはその要請ということがあつて初めてというよりも、大体情勢がわかればこちらから出しちまうということもあつていいのじやないかということを、これは研究しておりまするが、現在の法制の建前では災害派遣は要請があつた場合に出す、こういうことになつております。
  142. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 この前の竹島の問題は運輸省と連絡をとるとか外務省と連絡をとると、松永委員の質問と関連してお答えになつておりましたが、その後どういうように連絡を受けておりますか。
  143. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) あれは今外交交渉に移つておるようであります。これは日韓会談の一翼としてこの問題を早急に解決するということは外務省の判断であります、
  144. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 あなたのほうは全然関係せないわけですか、
  145. 木村篤太郎

    ○国務大臣(木村篤太郎君) 私のほうでは関係いたしません。御承知通り我々といたしましては保安庁の任務に顧みまして日本の平和と秩序上やむを得ない場合に初めて処置するのであります。まだそこまでの段階に行つておりませんから、これは一に外務省の交渉に待つということであります。
  146. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  147. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 速記を始めて下さい。
  148. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 先ほどアメリカへ百何十名行つておみえになるというふうに聞いたわけですが、大体留学の目的というのは何が目的なんですか。
  149. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 百四十三名行つておりますが、向うへ行きまする目的は向うのいわゆる歩兵学校、砲兵学校、戦車学校、武器学校、工兵学校、補給学校というふうな向うの学校へ入つたわけです。こちらのまあ特科の連中が向うの砲兵学校、普通科の連中は歩兵学校へ行くという形で行つたのです。補給のものは補給学校、これは我我今持つて部隊活動をやつておるわけですが、使つておるものは向うの砲なりタンクなり銃なりを借りてやつておるということですから、そういうものの能率的な技術的な運営を学ぶという目的でやつたわけです。
  150. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 これは将校ですか、下士官ですか、どういうお方ですか、その百四十三名の方は、
  151. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 全部幹部です。
  152. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 幹部というと。
  153. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 幹部というのは将校に当るのですね。士補以下という、いわゆる下士官以下といいますか、そういうものは行つておりません。それで階級的に見ますると一正という、まあしいて比較すれば大佐と言いますか、これは補給関係ですが、一人、二正が一人、あとは三正と一士、二士というところ、三正、一士、二士にだから主力をおいたわけです。
  154. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 これは自発的な計画ですか、相当財政的などに援助してもらつておるわけですか。
  155. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) これは向うからもそういう人を勉強に行かしたいならば便宜は図つてもよろしいというふうな話はあつたわけです。それでこちらの考え方でやつたわけですが、大体八千六百万ばかりかかるわけです。それで往復旅費とか、滞在費が一日五ドルの割でやつておりまするが、そういう費用は保安庁費で出しておるわけです。ただ授業料に当るようなものは免除という形で向うが持つてくれておるといいますか、大体旅費というようなものはこちらが持つておる。授業料に当るようなものは免除されておるということで向うが持つておる。そういう意味で向うは大いに便宜は与えてくれたということです。
  156. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 滞在は宿舎か何か向うに兵舎というものがあつて、そういう所に入るわけですか。
  157. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 向うの兵舎に入つておるわけです。
  158. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 どのくらいの予定ですか。
  159. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 大体短いものは八週で二月、長いものは十六週、四カ月ぐらいの予定です。もう早いものは帰つて来ました。
  160. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 これで一遍こつきりですか、まだこれからずんずんそういうような予定があるのですか。
  161. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 今のところは次の計画というものは立てておりません。今回だけというつもりでやつておりまするが、併し将来やらないというあれをしておるほどのことはないのです。又財政の関係その他なお今度帰つて来た者を集めてよく実情を聞き、非常に有効なものであれば又財政の工面がつけば将来もやりたいというようなくらいの考えはしておりまするが、何名どうするというような計画はまだ持つておりません。
  162. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 この間除隊された人、あの人たちの就職なんということを調べておみえになるでしようか、どんなふうになつておりますか。
  163. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 調べております。
  164. 加藤陽三

    政府委員(加藤陽三君) これは退職いたしました後に調べたものはないのでございます。退職をします際にやめた後にどういう所へ行くのだということを調べたものがございます。これによりまするとやめました者が二万九千八人なんであります。これは大体二年の期間を満了しました者の四二%だと思います。二万九千八名につきまして大体退職後の予定を調べましたところが、農業に帰る者が二四%、漁業が二%、自分のうちで営業しておりまする者に帰りますものが一六%、会社等に勤務するところの者は、二〇%、公務員になるという者が九%、全然きまつておりませんのが二七%という状況でございましたが、先ほど申上げましたことは退職前の調査でございます。退職後のことは調べておりません。
  165. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 内灘の問題ですがね、あれはたしか伊良湖へ来たときには保安庁関係の試砲場というような意味であつたと思うのですが、これはいつか知らん米軍のあれになつて現にアメリカの隊長なんか行つてつておるよりですが、今度の試射場という……、試射場というのはないわけですか、保安庁にああいうのは要らないわけですか。
  166. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 今のところはああいう弾薬類にしろ、小銃にしろこれは全部もらつているのです。二十八年度分も上げますということでありまするので提出予算にはそういうものは一つも組んでないわけです。組んでありますのは空砲であるとか演習弾であるとかいうふうなものです。いわゆる銃砲類ですね、そういうものは一つも組んでいない、みんなもらうつもりである。これを将来財政の見地その他から考えて、自分で使うものを自分で調弁して日本で造るということになりますると、どうしても試射場が要るわけです。伊良湖のときには緊急の問題でないということにして、試射場はやはり将来はどうしても自分で調弁するようになるだろうという推測の下に、伊良湖が入手できれば入手したいというつもりがあつて話をしたわけであります。ところがいろいろ反対もあつて行き悩んでおるというところで、米軍のほうでは日本で調弁したやつを早く試射をしたい。若し伊良湖があのとき円滑に速かに我々の手で確保できておればそこを使わしてくれということになつたと思うのです。ところがそれがとれないようになつたものですから、今度はでまあ合同委員会のほうの話になつて伊良湖を急速に入手するということになつたわけです。
  167. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 この二十八年度にやるとこう言つておるのですが、向うはただやろうという、これだけでどのくらいやるかということは全然言つていないわけですか、
  168. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) これは明確に何ぼやるということはまだ申しておりません。併しその演習に使うのに支障のないだけ相当豊富にやるというふうな言い方ですか。
  169. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 今内灘なんかでやつておるのは小つちやなやつしかやつていないわけですけれども、この間何か十五ミリか何か持つて行つたらしいのですが、ああいうようなものはやはり保安隊でも必要なんですか。
  170. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 保安隊で十五ミリを持つておるわけです。百五十五と言いますが、十五、まあ十も持つておるわけです。ですから何と言いますか、迫撃砲というのは八十一ミリというようなもの、そういうものも今度日本で作つておるのです。そういうものの或る部分、相当部分はまあ保安隊にくれる見込のようですが、これは向うとしてはくれたときははつきりするので、くれるまでは何月に何ぼやるというようなことは言わないのです。
  171. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 実際経費は一人どのくらいかかつているのですか。平均して例えば兵隊だと、まあ衣食住、そういうものをひつくるめて昔は一人について三千円かかつておつたとか三千円かかつておつた。今の保安隊どのくらいかかるのですか。
  172. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 今次長から申されました弾薬類、火器類を向うから借りるという建前になつておりますので、私どもこの経費につきましては研究をまだ実ははつきりしたことと申しますか、なかなか結論が出る段階に至つておりませんが、日本のこの政府でやつております分につきましては一年間の維持費が、保安隊につきましては約三十三万五、六千円ということになつております。そのうちで人件費が十三万円強、被服費が、これは取替えの経費になりますが、一万四、五十円、それから糧食費が三万六千円程度、紙だとか文房具だとかいうふうな系統の経費が一万四千円、車両の修理費でございますとか、その更新でありますとか、或いは通信機材の修理とか更新とかいうふうな機材関係の費用が十二万二千円程度、それから物資及び部隊を輸送いたします運搬系統の経費が五千円強、その他のいろんな諸経費の残るものを合せまして一万一千円、合計いたしまして約三十三万五、六千円というふうな維持費になつております。
  173. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 これはどうですか、昔の軍隊と比較しまして、今言いましたように兵器類を除くと大体物価のこういう値上りなどを考慮しまして大体トントンぐらいですか。
  174. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 昔の経費と仔細に比較してみることはございませんが、物価の値上りから見ますと人件費は御承知のように政府職員給与が物価の値上りまで上つておりませんので、昔の下士官以上とこちらの保安隊の士補以上と比べますとそこまでは行つておりません。ただ昔は義務徴兵制でございまして、非常に低い給与で兵をやつておりましたが、一般隊員につきましても一般公務員に準じた給与をやつておりますので、この点は今日の保安隊のほうが高くなつております。それから被服、糧食、まあ事務系統の経費につきましては大差ないかと思います。それから機材費につきましては武器弾薬類をのけて考えますと昔よりも車両でございますとか、通信の機材でありますとか、或いは施設機材でありますとか、相当機械化されておりますのでこれは相当程度に高くなつておるというふうに考えております。
  175. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 あすこの、あなたたちが今おみえになるところ、あれは水産大学に返すとか何とかいう問題が起きているじやないですか、あれはどうされますか。
  176. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) あれは商船大学と水産大学ですか、元の商船学校と水産講習所、両方使つておるわけです。それで両方とも返してくれというわけできついわけです。それで二十八年度予算には庁舎を新築する経費を計上をしておるわけです。ところが御承知のように施設費関係で約三十五億を削らにやいかんというこの間予算修正があつたわけです。でありますのでそこはまあ予算をこしらえて大蔵省を通して国会へ提出するまでには大変な我我として興悪戦苦闘をするわけですが、やつとでき上つたもののうち施設費だけで三十五億削らにやいかんということになりましたので、まだ何を削るかということは実はようきめていないようなわけなんです。それでその庁舎を建てる経費を削るか、一部削るか、そのまま残すかというようなことは今ちよつと研究題目になつております。建てて返すつもりで二十八年度予算は組んだわけです。
  177. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 どのくらい組まれましたか。
  178. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 約十六億です。
  179. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 あれはなかなか実際返してくれという要望は強いですね。あなたのほうもあすこにおつて少しもプラスじやないですね。
  180. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 私のほうも返してくれという要望に応えて、返したいと思つてこれは大蔵省でもあの庁舎費を十六億認めてくれたということは、やはりあの学校で返してくれという声が強いから認めてくれたとまあ内部的に私ども忖度しております。善通だとなかなかあんなものは認めてはくれないだろうと思います。
  181. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私はやはりこれは一つ増原さんがん張つて返すような方向にして頂いて、特に年内には何とか解決して頂かにやいかんと思いますがね、一つ善処方をお願いいたします。
  182. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは保安庁法の一部を改正する法律案につきましては、次回に質疑を続行することにいたしまして、本日はこの程度で打切りたいと思いますが御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  183. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) ではさように取計らいます。  ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  184. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 速記を始めて下さい。  それでは保安庁法の一部を改正する法律案につきましては次回に質疑を続行することにいたしまして本日はこ九にて散会いたします。    午後三時四十六分散会