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竹下豐次君 もう私質問でない。私の重ねての希望を御参考のために申上げておきますが、二年前か三年前のこの
委員会ではないかと思つております。
農林省関係で何か団体に不正なことが起
つた、木炭の
関係のときだ
つたか何かの時だ
つたか忘れましたが、そのときに当時の大臣おいで願いましていろいろ監督、監査のことをお尋ねしたのです。そのときの御答弁にこういうことを言われたのですよ。それは是非しなければならないことだけれども、私の役所にそういうことを
検査する適任、
能力のある人がおりませんから経済
調査庁のほうにお頼みしております。こう言われた。これは本当に正直なことを言われたのだろうと思いましたけれども、私はそのときにこう言
つたのです。
自分の息子が不良に
なつているのに私は監督する力がないから隣のおじさんに頼むというようなことを大臣おつしやるのはちよつと聞えませんよということを言
つたのです。併し実際は今総理府にできておりまする
行政監査の当局ですね、こういう問題のときにもお聞きでもありましようが、すでに各省で大臣に責任があつてそれぞれ監督しているわけだから、ほかに又屋上屋を重ねるような監査
機関などは余り必要ないんじやないかという意見も一部にあ
つたと思うんです。併し内部監査というものはなかなか長い間の官庁内部の歴史から見ても効果が上がらない。それには二つの、これは私が言
つたことですが、
理由がある。大きく見て
一つは部下に対する上官の温情がある。部下の失態を一々とがめるというようなことは上官として忍びない。人情というのがある。これは見ようによつては人間としてはいいことであります。ただけしからんといつて責めるわけにも行かないという点がある。
一つはともかく責任が起
つた場合に、その監督の上役も又その責任を負わなければならんというような汚い考え方で部下の処罰等を厳重にすることを好まない部面がある。積極、消極二つの
理由によつて、どうも内部監査というものは
成績が十分に上がつていない。でき得べくんば第三の機構なんというものはなくて済むならそれが一番いいのだけれども、今までの私の見た経験から見ると不十分であるから、やはり第三者の立場から総理府に監督
機関をおくということはこの際やむを得ないことだ。そこでもうしつかりやつて頂くことが必要であるということを私は言
つたことがあるんです。
先へ話が返りますけれども、今度の
会計検査院のさつきから申しまする結果を見ましても、二三年前に農林大臣が答えられた、私のほうじや監督の適任者がないからよそに頼んでいるということを言つているんですね。私の申したことをその当時の大臣が聞きつぱなしにして恐らく
局長や、次官あたりにお伝えにならないで、そのままにして呑み込んで、その歴史が今日までずつと続いて来ているんじやないかということなんです。まあ私のそのときの発言は聞きようによつて皮肉でもあるし、非常に大臣としては侮蔑を感ぜられなければならない私の発言だ
つたということを私はよく
承知しております。私は実は憤慨したからそういう強いことも言
つたのです。それが三年たつてもやはり同じような
状態がずつと続いているということじや重ねてこういう発言をしなければならない気持に
なつてしまうんです。もう大臣に私は申上げるつもりでいたんですけれども、
農林省の中でもあなたの管轄のところが一番数が多いということを聞きましたので、大臣或いはあなたの御出席を願
つたわけであります。まあ先ほどからいろいろなこの後の監査のことにつきましてお考えもあるようであります。その問題も併しまああなたの局だけでもありません。ほかの所と釣合というようなこともありましようし、
政府全体の考えもありましようが、成るべくならばまあ総理府の監察
機関と協力してやつてもらいたいと
自分は思う。何か外に迷惑をかけないでやれるくらいの意気を持つてやつて頂かなければ、
地方の考え方のよくなるのを待つておつちや間尺に合わないと思います。これは今の世の中の風潮が悪いんです。それを町村長やら町村民の考え方を根本的に変えようといつてもそれはちよつと当分は期待ができない。やはりこれらは監査を厳重にして行くということによりまあ行きようがないんじやないか。文部省のほうでもしつかりお考え願わなければならん問題でもありますけれども、まああなた方の立場としては、それは余り今言
つたような
理由をお考えにならないで、まつすぐに力強く
一つやつて頂きたいと思います。これは古い話を出しましたけれども、その席においでにならなか
つたろうと思いますから御参考のために申上げる次第であります。