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政府委員(広瀬節男君) この前
竹下さんから御
質問出ましたが、
野本さんの御
質問ちよつと忘れましたが如何なる方法で募集するかということは条件等についてお尋ねにな
つたのであります。それから渡航前の教養訓練、それを
ちよつと…。
それから松原移民、上塚移民の計画内容その移民の募集の選考方法等でございますが、これは農業移民につきましては外務省と農林省が共同して募集に当
つております。
全国の各都道
府県に募集条件を示しまして適格者の依頼をいたします。推選いたします。各都道
府県は面接及び
書面審査によ
つて適格者を決定する。その
理由及び順位を附して推選いたします。
中央におきましては外務省と農林両省移民の送出責任者、さつき申しました上塚さんでありますとか、松原さんのこちらにおける責任者が推選者につきまして協議の上合格者を最終的に決定する。なお各都道
府県におきます面接選考に際しましてはできるだけ外務省からも農林省からもできる限り人を派遣して立会
つております。これが移民の募集及び選考方法の第一であります。
第二の移民の募集条件につきましては、主として受入国及び現地受入責任者の要求に基いて決定いたします。これは本年度の移民の募集条件ブラジル等のほうからきめて参りました条件でありますけれども、これは十五歳以上五十歳以下の者三名以上を含み且つ夫婦及びいずれかの三親等以内のものだけで構成する純農家であること身体強健思想健全つ開拓意欲が旺盛であること、犯罪その他反社会的行為をしたことのない者であること受入国に永住の
目的で渡航する者であること、現地における自己資金は一戸当り五万円以上携行し得る者であること、これを移民の募集条件としております。
第三の移民の訓練につきましては先ほど申しました外務省附属の
機関であります神戸移住斡旋所に出帆前二週間収容いたします。旅券発注事務、査証の取付け、予防接種等を行いますと共に、専門家によりまして次の講習を行います。一移住の第一
目的は受入国産業の振興に貢献するところにあることを徹底させ、自己の生活の安定を第一義とする出稼ぎ根性の非を強調する。二は移住後移住地の善良な移民として定着し、受入
国民と十分同化することを促進するため受入国の言語、地理、風俗、習慣、宗教、農業事情、熱帯衛生等の講習を行う。なお移民船におきましても移民監督が約五十日の航海中彼らと行を共にいたしまして連日移住の心得、言語、現地事情等を彼の地に着きますまで講習して参ります。
四の移民が入植するまでの保護助成方法と言いますか、第一は移民に対する渡航費の貸付、これはブラジルまでの船賃はオランダ船で従来十四万三千百三十六円払
つておりましたが、今回大阪商船に切替えましてから十一万三千円まで低下いたしました。移民自身が一時に支払うことは不可能でありますから、
政府が長期貸付をいたしております。条件に四年据置、八年間の均等年賦償還、利率は五分五厘、将来は無利子とすることを研究中でございます。神戸移住斡旋所におきます保護、これは先ほど申しましたが、船待期間二週間、食費は一日五十円を徴収するのみでありまして、他は一切官持ちでございます。
それから三の旅券発注手数料の減額、これは
一般旅券発注手数料は旅券法第二条一項の
規定によりまして千五百円と定められております。同条五項は永住
目的の渡航、その他特別の事由ある場合においては減額し得る旨を
規定しております。それで移民の保護及び促進の見地から、昨年の十一月政令第四百五十二号を施行しまして、移民に対する旅券発注手数料は三分の一の五百円にいたしました。なおブラジル総領事の査証料も、交渉の結果向うの千八百二十五円は免除されております。
移民船の手当でございますが、戦前における南米移民はいずれも我が移民船によ
つて輸送して参りましたが、戦後は我が方船腹払底のため、オランダ船によ
つて前記の
通り十四万何がしの高額を払
つてや
つておりました。それで船賃の引下げ、輸送中の保護の徹底というためから、日本船による移民送出を至急手配することといたしまして、日本開発銀行から大阪商船に対しまして取りあえず二隻、アメリカ丸及びアフリカ丸の二隻を、移民収容力が五百名の移民船に改造するための
所要資金を融資してもらいまして、五月十二日の閣議
了解を得ました。この結果ブラジルまでの船賃は前記の
通り十一万三千円に引下げられ、将来移民送出の増大に伴いまして更に船賃低下を交渉する
考えでおります。それからなお移民船の新造乃至改造ということも来年度は十分努力したいと思います。
移民監督の乗船でございまするが、ブラジルまで約五十日を要します移民の輸送期間中には、移民の統制の維持、現地事情の講習、輸送の監督、移民の保護等を徹底しますためには、外務省から毎船移民監督を乗船せしめることとしたのであります。現地受入責任者の指導監督という面でございますが、現地到着後の移民の安全を確保いたしますためには現地に大規模な移民受入
機関を設立することは必要でございますが、これは現在においてはまだこういう大規模な一本の移民受入
機関は樹立されておりません。これは将来、将来と言いますか早速これの問題に着手しなければならないと思います。これには相当多額の資金を要しますし、いろいろ事情もございましたが最近
調査団が帰
つて参りましたので早速
只今検討しております。差当り本年は松原安太郎氏と、上塚司氏のような移民計画立案者、又はその指定する者を現地受入責任者といたしまして移民がブラジル到着後配当されるまでの保護、入植後の営農指導、ブラジル側からの営農資金借入の斡旋等の責任はこの方たちに請負
つて頂いております。ブラジルの松原さんの中部のブラジル移民計画におきましてはサンパウロ州の邦人成功者の一人で、資産数億と言われます同氏自身が移民受入責任の一切をと
つておられます。又上塚氏のアマゾン移民計画では、曾
つて同氏の現地支社員でありました、現在アマゾン流域邦人成功者の随一と言われております辻保太郎氏が受入責任者とな
つて、送出責任者であります上塚氏との契約によりまして移民受入の全責任を負
つております。これらの方々はその現地に受入
機関を一本建てました時には全部これに吸収するような
考えでおります。又在外公館はもつぱら移民保護の見地からこれらの現神受入責任者を指導監督し、ブラジル
政府に対しまして国内輸送費の負担とか、営農資金の貸付、入植地における教育、衛生、公共施設の供与等の外交折衝をし、これを承諾せしめております。これが御
質問の要点でございますが、最後に御
質問が松原移民のほうでございましたね。