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1953-07-29 第16回国会 参議院 電気通信委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月二十九日(水曜日)    午後二時四十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     左藤 義詮君    理事            島津 忠彦君            久保  等君    委員            津島 壽一君            寺尾  豊君            小林 孝平君            山田 節男君   政府委員    郵政政務次官  飯塚 定輔君    郵政省電波監理    局長      長谷 愼一君    郵政省電気通信    監理官     庄司 新治君    郵政省電気通信    監理官     金光  昭君   事務局側    常任委員会専門    員       後藤 隆吉君    常任委員会専門    員       柏原 榮一君   参考人    日本放送協会会    長       古垣 鐵郎君    日本放送協会理    事       岡部 重信君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○日本放送協会昭和二十六年度財産目  録、貸借対照表及び損益計算書並び  にこれに関する説明書内閣提出) ○放送法の一部を改正する法律案(内  閣送付) ○電気通信事業運営状況に関する調査  の件 ○電波行政に関する調査の件  (報告書に関する件) ○継続調査要求の件 ○議員派遣要求の件 ○請願及び陳情に関する件   —————————————
  2. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 只今より委員会を開会いたします。  日本放送協会昭和二十六年度財産目録貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。  前会に引続き質疑を行います。質疑のある方は御発言を願います。岡部理事から昨日の集金についての資料を頂きましたが、簡単に御説明を願いましようか。
  3. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 昨日お話がございました資料といたしましてお手許に差上げましたのですが、集金方法区別による受信契約者の数はどういうふうになつておるかというお話でございますが、その第一がそれでございまして、このうち特に申し添えますことは、郵政委託集金につきましては、都市においては委託集金区域がございませんことでございます。それからこの表におきまして最後に個人委託集金等とございますが、この個人委託集金等の中には、個人委託と、昨日申上げました極めて僅かでございますが、郵便集金がございます。次に職員とそれから郵便局その他の受信契約の取次ぎはどういう割合になつておるかということでございますが、職員が二十六年度においては五五・四%、二十七年度は五五%、昨日私七〇%くらいかと記憶しておると申上げましたか、実はこれでございますから御訂正申上げます。それから三番目に直接に協会のやります集金に要する経費、それから郵政省へお願いして集金をいたしておる経費それぞれを比較いたしておきました。これにつきましては二十六年度に比べますと二十七年度が若干経費が上がつております。これは共に主なる原因はべース・アップ、その関係でございます。それから表に左から二段目くらいに直集と書いてありますが、これはどうもわかりにくい用語を使いまして恐縮でございましたが、これは協会がやる直接集金ちよつと略しまして恐縮でございます。それから委託集金というのは、郵便集金と若干の個人委託が含まれて便宜上、計算上含んだもので出しております。さよう御了承を願いたいと思います。  簡単でございますが、資料について御説明申上げた次第であります。
  4. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 協会方針といたしましては、現在のように都会地では直接に、その他の地方郵政委託ということをずつと続けてお行きになるつもりであるかどうか。或いはだんだん職員による直接徴収を不便な土地まで拡げて行かれる方針であるのか。二十六年度以来の大体の傾向、今後の御方針等をお聞きいたしたい。
  5. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 只今のところ地域によりまして直接やつて、何と申しましようか、経済的な面、それから郵政省機関に特にお願いしたほうが経済的の地域というものがございますから、かれこれ比較検討してその地域をきめて行くというのを原則といたしております。尤も昨日お話のようなことがございますれば又問題は別というふうになるとは存じますが、現状経済比較、それから昨日申上げました申込の受信者を殖やす面その他をいろいろ勘案いたしましてやつておるような次第でございます。
  6. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 昨日から問題になつております徴収費が非常に多いということなんですが、公共放送ですから民間放送とは比較できないかも知れませんが、一般民間放送に比べますと非常に人を使つておるのが贅沢だというか、非常に多い。一つ民間放送から書類を取つてこの間調べたのですが、ラジオ東京の例ですが、大体五百二十名くらいの現在の人員で、その広告の収入などを一人当りに割当ててみますと、大体二十万円、普通の産業は、いろいろ種類、種別によりますが、従業員一人当り二十万円と言えば成績のいいほうだと思うのであります。相当人節約して、能率を上げておる。これは商業放送ですから、そういう点は当然だと思うのでありますが、それに比べますとNHKのほうは非常に人員が多い。特に徴収のために使われる人が非常に多いということが昨日から問題になつておるわけですが、そういう点でいろいろベース・アップ等の問題もからめ、私どもはあれだけ聴取者が殖えておるのですから、余り受信料を将来も上げたくないと思うのでありますが、その受信料範囲公共放送としてうんと研究もしてもらう、いい番組も作つてもらうという点から、もう少し内部合理化して行く、能率を上げるように人員等のことも、もう少し配置等も考えるというような余地はないものかどうか。
  7. 古垣鐵郎

    参考人(古垣鐵郎君) お答え申上げます。私ども只今委員長仰せられましたような点は絶えず考えて、運営合理化、それから経費節約ということを方針一つとして参つております。併し一方におきまして事業はますます殖えるばかりでございます。若し二、三年前の人員割合で参りましたならば、放送協会人員等も遥かに殖えているような……割合を殖やさないで参ることによつて合理化節約等も実現して参つておるわけでございます。殊に最近は新らしい事業と申しますか、テレビジヨンのごとき、或いは国際放送のごときが生まれて参つておりますし、又本来の、今までの事業といたしましても、全国にあまねく聞えるようにするということで、全国的な仕事地方別仕事といつたように従来よりは非常に趣きを異にした拡充の形になつておるものですから、殖やさないで参つておりますということ自体が非常な減少になつておる次第でございます。それから商業放送と申しますか、その方面では聴取料を取らないものですから、じかにそのほうの人が少い。或いは全国的なネット・ワークを持つていないものですから、そのほうの人が少い。そういうことがただ単に事業運営の面ばかりでなく、番組の面にも、その他技術の面にも、管理の面にも直接間接に響いて参りまして、只今人員というものは非常に節減し、合理化した姿になつておる次第でございます。
  8. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) これは性質が違いますから民間放送と比較するわけに参りませんが、とかくするとお役所仕事であるためにどうしても繁文褥礼になるというか、形式的になるというか、そういうことのないようにいろいろ今御努力の話も伺いましたが、民間放送に比べましてやはり我々素人からみますと相当人が多い。こういう点はよほど将来とも引締めて徴収費その他そういう内部人件費その他で貴重な受信料を食つてしまわないように技術或いは番組改善等、昨日も新谷委員から番組予算が少いというお話がありました。決算面から見ると却つてそれの支出が減になつておるということのありませんように、やはり積極的に能率を上げ、公共放送としての特色を発揮するようにこの点はなお一層の努力を願いたいと思うのであります。
  9. 古垣鐵郎

    参考人(古垣鐵郎君) 只今仰せの御趣旨従つて今後鋭意努力したいと思います。
  10. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) それから民間放送のほうの声、或いは一般にもそういう声があると思うのでありますが、公共放送という立場から娯楽番組等はできるだけ商業放送に譲つて行く。余り娯楽放送浪花節その他を取り合いをして大人気ない競争をしない。特に第二放送はたとえ聴取者の数は少くても、必ずしも世論調査によつて数だけで争わないで、質、国民文化向上という点に一つ着眼をして行くという意味から、第一放送で、これは時間の関係もございましようが、人気のあつたものを別の時間で第二放送でも又やつておるというふうなことを余り、全然それは私ども反対とは申しませんが、聴取者世論の意向もございますが、おのずから公共放送らしい、一つ特に第二放送においては分野を拡げて行くように御努力になる意思があるかどうか。それと共にこれは非常にはつきりは区別できないかも知れませんが、番組費の中で娯楽放送にどれくらい取つて教養方面にはどのくらいの予算を割いていらつしやるのか、あなたのほうで大体それの区別がついておられませんか。ついてなければこれは非常に区別のしにくいものでありますから、私どもとしてはできるだけ教養方面文化を高めて行くという方面にもつと主力をおいて頂きたいというふうに考えるのでありますが、御方針は如何でございますか。
  11. 古垣鐵郎

    参考人(古垣鐵郎君) お答え申上げます。委員長仰せになりました方針、大体NHKといたしましてもそういう方針仰せのような考え方を理想として参つております。NHKでは協会外学識経験の優れた方たちを番組審議委員にお願いいたしまして、定期的にそういう方々にお集まり願い、御意見を伺い、それを番組編成の執行上の方針として参つておる次第でございます。又内部的にも連日会議を開きまして、只今仰せになりましたような趣旨において番組を組むことに皆一致しておるわけでございます。然るに結果において、外部でどうも少し娯楽のほうに偏重してはいないか、或いは商業放送ただ競争をして、そうして折角の公共放送としての教養方面を第二に軽んじておるのじやないかという意見がございますので、常に反省して参つております。併し他方科学的な世論調査法律上もいたすことになつておりまして、国民要望、つまり国民が希望するもの、受信料を払いまして、そうしてこういう放送NHKから聞きたいという世論調査の結果も十分尊重しなければなりません。他方国民の今度は必要といいますか、国民要望の要のほう、たとえ国民の大多数が希望しなくても、それをNHK放送することがNHK責任である、特に文化向上というような面とか、それから国民生活の必要、教育関係放送といつたようなものにも力を入れなければなりませんので、そういうものを組みます。そういうものは第二放送のほうに多くなりまして、聴取率が率において少いということも指摘されますが、それは聴取率が低くても、しなければならないという点がございまして、識者の支持を得てそういう番組放送いたしております。併しこの聴取率は実は全国的な率でございますから、実際の数字そのものは非常に多いのです。日本全国聴取者のうちで第二放送を聞くのはどれだけの率かということなんで、一千百万家族のうちの何%ということになりますから、率だけで比較して、或る商業放送の或る番組より非常に低いとかいろいろ言われましても、これは実数において土俵が違うわけであります。そういうようなことも私ども観測いたしておる次第でございます。やはり番組を編成いたします上に余り独善的に流れまして、この浪花節は例えば西洋の交響楽よりも低いとか、高いとかいうことを私ども自身が独善的に考えないように、やはり科学的な世論調査十分尊重をして行く。そしてそれに従つて他方番組審議委員会意見とかも私ども直接伺います。違つた意見をも勘案しつつやつておる次第でございまして、只今委員長仰せになりましたような考え方を以て今後も進みたいと思つております。
  12. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 昨日もいろいろ外郭団体鉄道の話もあつたものですが、そういうわけで、その中に出版協会等は新らしい放送法で株を処分して今表向きの関係はないというお話でありましたが、放送法ができてからあとラジオサービスセンターというものが発足しておるようですが、これは協会とはどんな関係になつておるのでございますか。
  13. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 昨日もちよつと私申上げたかと記憶しておりますが、ラジオサービスセンターは、お話しの通り放送法ができてからのものでございます。併し私どものほうでこれに対して投資をするとか、何かをすることは放送法の建前上でき得ないことでございますので、一切そういう点はいたしておりません。ただ昨日も申上げました通り、このラジオ新聞があることによつて他方やはり聞く方にも番組の予告並びに解説、梗概と申しますか、そういうものを知らせることになりますので、非常に放送によるサービスをなおよくするということもできます。そういういろいろの点を考えまして、編集上の便宜を供与しておる、そういうような現状でございます。
  14. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) ラジオサービスセンターですか……。
  15. 岡部重信

    参考人岡部重信君) ラジオサービスセンターでございます。
  16. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) の関係ですね。これは新聞だけですか。
  17. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 新聞だけです。あと若干催し物もやつておりますが。
  18. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 催し物とは余り協会から特に援助するとか、それに経済的な関係というものはないのでしようか。
  19. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 協会の、何と申しますか、企画サービスセンターとの協議の上の企画でございますので、番組について相談にあずかるなり、交渉するなり、普通共同主催でやつておりますから、そういう面ではありますが、金銭的な援助を特にするというような面ではサービスセンターの独自の計画になりますから、私のほうは一応関係がないと、こういうことになつておる次第でございます。
  20. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) サービスセンターというものは協会と何か非常に関係の深いもののように一般が解釈しておる。そこでいろいろな催し物をする。ときには入場料ども取る。新聞投書欄でも何かそういうような問題があつたようですが、その関係はどういうふうに扱つておられるのか。協会自身でいろいろ三つの歌とか、そんな催し物があるときは入場料を取つてないのですが、サービスセンターがやる場合には入場料を取る場合があるのじやないでしようか。
  21. 岡部重信

    参考人岡部重信君) お話催し物にもいろいろの種類がございまして、ラジオサービスセンターで催す、先ほど申上げた共同主催の場合が多いのでありますが、そういう場合に実費を取るということをいたしております。なお協会自身でやるという場合には、今お話通り催し物経費は、入場料は取つておらんわけでございます。一つ団体が催すのには御承知通りいろいろの経費も要ります。宣伝の経費も要りますしそれから芸人関係も要りますし、これはその範囲で私どもも一応妥当な線ではなかろうかというような点で、その催し物料金などについて相談は受けますが、私ども収入になることは一切ございません。
  22. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 収入にならんことは勿論でございますが、企画共同でなさる。まあ芸能人なんかも協会の力によつてというか、名によつて出演をする。そしてそのほうで入場料を取つてサービスセンターとしては相当のそれが収入になつておるというところにいろいろ問題があるのじやないか。又その企画等がもう一つ入場料割合には充実していなかつたという場合には、何かNHKがそのためのいろいろな非難を受ける、責任のない非難を受けなければならないということになるので、その関係をもう少しはつきりしておく必要があるのじやないかと、かように思うのですが、殊にサービスセンターというものの幹部は相当放送局関係のあつた人がやつておられるのじやないか。丁度今鉄道の問題がやかましくなつておるので、李下の冠という意味で、その点をもう少しはつきりしておいたほうがいいのじやないかと、かように思うのですが、如何でしようか。
  23. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 催し物につきましては、ひとりサービスセンターとばかり共同主催をしておるわけでございませんので、ほかとも相当共同主催でやつております。それから私今数字を記憶しておりませんが、私ども催し物につきまして、全国的にいたす関係地方における催し物相当ございます。それで大都市ばかり、東京、大阪というような所ばかりですと、或いはお話のように相当収入というものも出るかも知れませんが、全国的の関係では私今数字は記憶しておりませんが、そういう催し物相当財源を挙げておるという実情ではないというふうにまあ記憶しておる次第でございます。なお、催し物については御承知通りたすけあい運動とか、或いはまあちよつと出ましたが、公共団体との催し物というものも先ほども申上げた通り実施しております。ほかの団体とも催し物を実施して本当に放送を聞いておる方々が実際にそれを見て放送に一層の親しみを覚えるように、それが又放送による何と申しますか、文化普及と言いますとおこがましいかも知れませんが、役立つものと考えて、さような趣旨催し物について考えているような次第でございます。
  24. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 芸能連盟というものとの関係はどうなつておりますか。株式会社で芸能連盟というのができているのじやありませんか。
  25. 岡部重信

    参考人岡部重信君) もと私ども職員役員つた者が、古いかたですがやつていらつしやいますが、それ以外にたしかあれは正力さんが会長でいらつしやるのじやないかと思いますが、芸能のほうの斡旋をやつていらつしやいますが、私どものほうと日常それほど関係のある機関ではない現状でございます。
  26. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 先ほどのまあサービスセンターの問題は、協会が妙な任務を背負われないようにはつきり線を引いて、無論共同でなさることは結構なんでありますが、一方は営利的じやないにしても相当入場料を取つたりしてやる場合には、やはり公共事業としてのNHKとの間に世間がよく納得するようなはつきりした線をいつもお引きになるといいますが、その点会長如何ですか。
  27. 古垣鐵郎

    参考人(古垣鐵郎君) このサービスセンター趣旨は、放送にやはりサービスセンターとして協力して、放送普及文化向上NHKに協力するというような趣旨でできておるものだと存じますが、その性格は、文部省所管になつておりまして、文部省所管でありますところの財団法人になつております。そういたしまして各界の人がそれの役員になり、評議員になり、理事になりして運営されておるのでございます。その目的は決して営利事業ではなくて、本当に放送発展向上に資するということで運営されておるところでございます。併しながら只今委員長のおつしやいましたような誤解が若しあるとすれば、それは私どもの意に反することでございますから、できるだけそういう誤解はないようにNHK自体も正しく、又サービスセンターもその本来の趣旨に副うようにして行つて欲しいという希望でございます。
  28. 津島壽一

    津島壽一君 もうすでにお尋ねがあつた事柄かもわかりませんが、又これは二十六年度の収支とは関係ないのですが、テレビですね、テレビが四月一日か、まあ最近におやりになつて、今年度或いは来年度の見通しとしてこのNHK収入の上にどんな負担があるのか、概略を承わりたいのです。
  29. 古垣鐵郎

    参考人(古垣鐵郎君) 非常に御心配を煩わしていると思いますが、大体におきましてこの御承認を頂きました予算の中で進め得る状態にございますが、ただいろいろ諸般の対外的な外部事情によつて二カ月ばかり遅れておるような状態で、例えば受信者増加等も二カ月ぐらい遅れておるような形で進んでおりまして、私どもできるだけ予算の中で、随分苦しいこともございますが、進めたいと思つております。  なお計数的なことについて岡部理事から御説明を伺います。
  30. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 只今手許に二十八年の四月、五月二カ月分の事業支出状況がございますので概略説明申上げますが、大体事業支出を見ますと、二カ月でございますから、総予算の一六・六%ぐらいが、仮に平均支出するとすれば、一応目安になるわけでございます。現状におきましては一三%ほどの支出になつております。これはまあ平均支出でないものもございますから、これが絶対に参考になるものではございませんが、いろいろの将来の活動というようなことも考えまして、節約できるものは節約し、又やらなければならんことはやるという方針の下にやつておる次第でございますが、現状はさようなわけでございます。なお、収入財源の一部といたしまして、受信者の数でございますが、先ほど会長からいろいろの事情で約二カ月ぐらい見込より遅れておるというふうに申上げましたが、テレビジヨンの現在の受信者数は二千七百ほどでございます。
  31. 津島壽一

    津島壽一君 私の聞きたい点は、非常に大ざつぱでもいいのですが、二十八年度ですね、収支の上においてテレビ事業から一般放送収支にどれくらい金額において影響があるかという見通しなんですが、それをお伺いするのは、民間営業テレビが近く始まるというような場合に、これはまあスポンサーをつけてやる仕事でしようが、お互いによくしたいというので、相当競争者ができると経費がうんと嵩むのじやないか。一方収入は、今のような受像機の数からいつてそう膨脹というか、増加しないというと相当負担がかかつて来るのではなかろうかと、それはどんなお見通しをしているかと、こういう意味だつたのです。その一三%とか、一〇%とかいうパーセンテージではなしに、大ざつぱなところで、本来これはマイナスだとか損だとかいうような大ざつぱなことを聞きたいというのですがね。まあおわかりにならなければ次の機会でも結構ですが……。
  32. 古垣鐵郎

    参考人(古垣鐵郎君) 御心配の点は決してないわけではございませんけれども商業テレビの発足の期日も私ども正確にまだつかんでおりません。いろいろに報道されますことがその通り実現いたしますのか、或いは又多少の変更があるかという点もございますし、今その研究段階資料も十分備わつておりませんから、この機会は十分な御返答はできないわけでございます。
  33. 津島壽一

    津島壽一君 非常に幼稚な質問ですが、この受信料収納の時期でございますね、一年いつ収納するか、これは私知らんから伺いたいのですが、この収納期は、一年間のうち……。
  34. 岡部重信

    参考人岡部重信君) ラジオテレビジヨンで共通でございますが、年に四回に分けて頂戴しているようなわけです。それですから四、五、六月分と、それから七、八、九というふうな四回に分けてこれはこの収納に要する経費等もありますので、そういうふうな一部分まとめた頂戴の仕方を現在やつているようなわけでございます。
  35. 津島壽一

    津島壽一君 そこで先ほど委員長の問題と同じく関連するのですが、一年一回にして年度の当初に取れば資金関係が豊かになり、而も割引で、NHKではかくのごとき多額の収納を得ているのですから、例えば四月に一年分納めたかたは何%かの割引で、一回で一年分納めちやうということにすれば、徴収費が非常に節約になるし、払うほうも、税金は三回とか四回とかに分れておりますが、それほど金額の大きなものじやないから、非常にパーセンテージが多くかかり、少い金額収納するというより何かそういつたような意味徴収の回数を少くし、而も早く納めた者はいわゆる受信料金割引するというような工夫でもされて年に一回にする。四回だとこれは徴収するのに大変な経費が伴う。何かそういう工夫をしてこの五十億取るのに五億も、六億もかけるということは非常に私は無駄だと思う。そういうことで一億や二億の節約は可能であろうと思う。特に早く料金を取るというようなことであれば、資金関係も非常に潤滑に行くのじやないかと思うのですが御研究をして頂ければ甚だ結構だと思うのですがね。
  36. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 只今お話のように曾つて一カ年頂戴した分には、幾らでしたかちよつと記憶いたしませんが、半月分か一月分か割引するということをやつたことがございますが、何しろ御承知通り全国で一千万世帯ございまして、いろいろの御要望があり、三月でもどうかという御意見相当ございますので、曾つて参議院の委員会で二カ月にしたらどうかというような相当の御意見もございましたし、当時は、そういたしますと二億五千万円ほど余分にかかるというような計算が出たと思いますが、そういうような面もありましていろいろ、併し他方お話通り相当経費の面も浮くということもございますので、日頃から研究しているのでございますが、なおいろいろ研究さして頂きたいと、かように存じております。
  37. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 他に御質疑はございませんか。御質疑がなければ質疑はこれにて終局したものと認めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議ないと認めます。よつて本件に関する質疑は終局したものと決定し、これより討論に入ります。
  39. 久保等

    ○久保等君 日本放送協会昭和二十六年度財産目録貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書については異議がないということで議決することの動議を提出いたします。    〔「賛成」と呼ぶ者あり)
  40. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 只今の久保委員の動議を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) それでは只今議題となりました久保委員の動議について御意見のおありのかたは御発言を願います。別に御発言もないようですから、直ちに採決をいたしたいと思います。念のためその内容を申上げますと、本件については異議がないという内容のものであります。久保委員の動議の通り議決することに賛成のかたの挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手〕
  42. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 全会一致と認めます。よつて日本放送協会昭和二十六年度財産目録貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書については異議がないと議決せられました。  賛成のかたは順次御署名を願います。  多数意見者署名     島津 忠彦  久保  等     寺尾  豊  津島 壽一     山田 節男
  43. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) なお審査報告書の作成及び本会議における報告等につきましては、慣例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議ないようですから、さよう決定いたします。  次に、放送法の一部を改正する法律案(予備審査)を議題といたします。  本日は政府当局から右法律案の内容説明を聴取することにいたします。政府当局から放送法の一部を改正する法律案の内容説明を求めます。
  45. 長谷愼一

    政府委員(長谷愼一君) 只今御審議を頂いております放送法の一部を改正する法律案につきまして簡単に要旨を御説明申上げたいと存じます。  今回のこの法律案の提案理由の説明は、大臣から先般申上げましたところで概略御案内と存じますので、主として御注意を願わなくちやならん点につきまして申してみたいと思います。  先ず第一に、第九条の放送協会の業務に関することでございますが、今回その第二項に第八号を加えましたのは、研究放送協会の本来の業務ではございますが、それにもおのずから規模その他から限度がございますので、外部に対しても研究委託ができる途を開く趣旨でございます。又同じく第九号を加えましたのは、受信料徴収の特権を有するなど、放送事業全般に対する協会の公共的な使命に鑑みまして、放送の進歩発達に寄与する研究或いはその他の業務を助成することができる途を開いておく趣旨でございます。なお、第七項は、以上の申上げます委託或いは助成を行います場合に、これが適正であることを確保するために主管大臣の認可を要することといたしたのでございます。  次に第十六条の経営委員の任命の件でございます。これにつきまして、第一項につきまして、協会の経営委員会委員の任命権者を、従来内閣総理大臣となつておりましたのを、内閣と改めたものでございます。これは従来の内閣総理大臣とありましたのは、電波監理委員会が総理府の外局でありましたときの何と申しましようか、遺物とでも申しましようか、そういう状態のままでなつておりまして、総理府の長としての内閣総理大臣が任命権者として掲げられておつたからでございます。従いまして今回の改正は、条文の整理とでも申上げたほうがよいかと存じます。なお罷免権者につきましても、任命権者と同様に整理いたしてございます。次に経営委員会委員の任命に弾力性を持たせまして、必ずしも現行の、全国を八地区に分けた、併も住所主義に捉われないで、全国的に見まして最も適正なかたを選任できまするように、従来の第二項及び別表を削除することといたしました。これに伴う条文整理は併わせていたしてあるのにございます。  次に、第二十四条の役員の人数でございますが、これは提案趣旨を御説明申上げましたときに、よく申上げましたので省略さして頂きます。  その次は第四十九条の二、いわゆる監督者及び四十九条の三として命令及び報告の件でございます。これは後ほどなお私ども考え方をよく申上げたいと存じますが、最初にその要点だけを申上げますと、四十九条の二といたしましては、協会に対する主管大臣が郵政大臣であることを明らかにいたしました。他の公の法人についての一般立法例に倣つたものでございます。  なおその次の四十九条の三は、協会という極めて公共的な性格を有する法人の使命の達成を期するために、他の特別の法人の例に倣いまして、国会の付託を受けておりますところの政府において、公共の福祉を増進するため特に必要があると認めるときは、協会に対し監督上必要な命令をすることができる途を開き、又放送法を施行するため必要な限度において、協会からその業務に関する報告を徴することができる途を開いたのでございます。この両方の二つの条文は、後ほども申上げたいと存じますが、従来あるべきものが欠けておつた、いわゆる欠闕を補う、こういう意味で今回御審議をお願いしている次第でございます。  なおその次に、四十九条の四といたしまして、今回の改正によりまして行政処分のあり得る場合が増加しましたので、この機会に郵政大臣によりますところの行政処分に若しも不服のある場合には、協会又は第三者にその異議の申立の途を開き、電波法第七章、これは異議の申立及び訴訟の条項でございますが、この規定に準じて公正な審理が行われますように途を開いた次第でございます。  なおそのほか今回の改正に伴いまして、所要の罰則その他の立法例に倣いました整備をいたしてございます。  なお少しくお時間を頂きまして、この監督並びに監督上必要な命令の事項につきまして政府当局の考えておることを述べさして頂きたいと存じます。  この四十九条の二につきましては、先ほども申上げましたように、日本放送協会に対する監督者が郵政大臣であることを規定したものでございまして、郵政省設置法第十条の二第十六号に対応するものでございます。協会に対しまする監督につきましては、放送債券の発行につきましては大蔵大臣の認可、会計につきましては会計検査院の検査を受けるのでございますが、協会事業経営の一般的監督は、郵政大臣がこの法律の定めるところに従つて行うことを今回明らかにしたのでございます。現行法ではこの条文はございませんけれども法律の執行を確実に行うことは政府の職責でもございますし、このことは憲法第六十五条に「行政権は、内閣に属する。」ということを明らかにされており、その他の点からも明らかで、今更申上げることもないと存じます。郵政大臣が放送協会に関する事項を分担、監理することが設置法の上で明らかでございますから、郵政大臣としましては、従来から当然放送法を誠実に執行し、従つて放送法に基いて日本放送協会を監督すべき責務を有しておつたものでございます。この意味から申しまするならば、監督権の幅は放送法全般に互つてその執行を確保するものでございます。又電波法の第七十六条には、「郵政大臣は、免許人がこの法律放送法若しくはこれらの法律に基く命令又はこれらに基く処分に違反したときは、三箇月以内の期間を定めて無線局の運用の停止を命じ、又は」云々という規定がございますが、放送法に違反したときには運用の停止を命じ得るということは、当然放送法が確実に守られているかどうかを常に監督する放送法の監督権が郵政大臣にあるいうことを前提として立法されているということを申さなければならないと存じます。このようなことから、現行法の上でも郵政大臣は、放送法の施行につき協会に対して一般的監督権を持つていることは明らかであり、今回の改正案による第四十九条の二という追加条文は、別段新たな権限を郵政大臣に賦与したなのではないと存じておるのでございます。然らば何故に今回新たに条文を追加することにしたかと申しますと、郵政大臣の持つている監督権を条文の上に明示しまして、設置法の条文と照応せしめますると共に、他の一般の立法例の形に合せまして、先ほども申上げました従来の欠闕を補つた法体系の合理化を図ることを目的としているものでございます。なを然らば、この法文がなくとも当然郵政大臣は協会に対する監督権があるということであるならば、この法文は特に要らないのではないか、こういうふうな考え方もできて来るかと思いますが、私どもといたしましては、現在の法律を極めて表面的に解釈する場合には、郵政大臣には放送法上認可を受けることを命じているような特定の条文にだけ限つて協会に対して監督権があり、その他の条文の事項については全然監督権がないのだというような誤つた考え方をされる虞れがあります。又そのような誤解をなさつておる向きもあるように存じますので、このような誤解を防ぐためにも、郵政大臣が当然持つべき、又現に持つている監督権については、条文を設けて明示することが有意義であると存ぜられます。更に御案内のように、法人の監督の一般的な形を考えてみますと、民法上の社団法人、財団法人は、どのような小規模のものでも、御案内のように、すべて主務大臣の監督に属するように民法でも定められておりまするのに比較いたしますれば、日本放送協会のような非常に大きな、而も国家的な任務と保護とを与えられている法人に対しては、国家にはつきりした監督権がないということは全く考えられないことでありまして、これは全く法の欠闕と言わなければならないと存ずるのであります。又言論機関に対して監督することは疑問であるというようなこともよく言われております。私どもも言論機関に対する監督というようなことが若し必要といたしましても、これは極めて慎重を期すべきだと存じます。日本放送協会も最も国において力の強力な言論機関一つでありますが、これに対して放送が如何にあるべきかということは、申上げるまでもなく、その実体法である放送法に規定がございます。従いまして、この放送法の規定されるところに従つて、或いは又言葉を換えまするならば、この放送法を施行するために監督上必要な監督権を有し、又それに必要な命令或いは報告を徴することのできる条文を持つということは当然ではないかと思うのであります。  なおこの言論機関についても、いろいろな監督というようなことが放送協会以外でも実はあるのでございまして、これも申上げるまでもないと存じますが、参考的に申上げまするならば、放送事業につきましても、例えば東京におきますところの日本文化放送協会は、財団法人としまして、郵政大臣の監督下にございます。又新聞、通信社等につきましても、御案内のように、公益法人組織になつておるものは、一応すべて主務大臣の監督下において事業を行なつておるのでありまして、言論機関だから直ちに国家の監督は不要だと、或いは不可だというようなことにはならないのではなかろうか。その国の監督なり監理なりは、実体法である、今回で申上げまするならば、放送法にその守るべき原理というものが明らかに示されておりますので、その法律従つて監督を行うことは当然であり、又必要なことではなかろうかと存じておる次第でございます。  なお、甚だつたない説明でおわかりにくかつたことも多々あると存じ上げます。御質問によりましてなお追加して御説明申上げたいと存じます。
  46. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 何か御質疑ございませんか。
  47. 寺尾豊

    ○寺尾豊君 皆さんのほうに今差当つて御発言がないようでありますので、ちよつと私局長に中波放送用の周波数並びに電力、これの配分、割当というものが終られたかどうか、それをちよつとお聞きしたいと思うのですが。
  48. 長谷愼一

    政府委員(長谷愼一君) お答え申上げます。御案内と存じますが、放送局は、電波法によりましてその免許の期間が三年間に限られております。三年ごとに免許の更新期が来ることになつております。これは義務無線局以外にはどの無線局にもすべて免許期間というものが法律上定められております。その性質によつて五年以下適当な期限が付せられておるのでありますが、これは先ほど申上げましたように、電波法によつてその期限がきめられております。放送につきましては、諸外国のそのような期限を付けている国の例等によりますというと、大体三年程度が適当のようであります。日本におきましても、いろいろ諸般の事情を考慮いたしまして三年にきめられておるのでありますが、その期限が丁度今年の六月一日、五月末、六月一日というときに際会したのでございます。この三年の期間を放送局の免許期限の一つといたしました理由は、その再免許の際に過去における放送局の運用の如何及びそれから後三年間を予測いたしましての、放送局に対する国としての全般的な要請、そういう点を考えまして、電波の割当の再編成もその際に行う、こういう趣旨でできておるものと存ずるのでおります。従いまして私どもといたしましては、去る五月末に周波数の放送局に対する割当の再編成を実施いたしたのでございます。
  49. 寺尾豊

    ○寺尾豊君 もうすでにそれは終つたのでございますか。
  50. 長谷愼一

    政府委員(長谷愼一君) すでに終りましてございます。ただそれまでにはこれは非常に各方面の影響が強い問題でございますので、私どもといたしましては、過去一年余りこれの準備調査機関を設けまして調査をいたしました結果、今年の四月に大体案を発表いたしまして各方面からの利害関係者その他の有識者の意見を聴取いたしまして、公聴会のような形を開くことが前後数回、また電波監理審議会にも諮問いたしまして、五月の三十日に最終的に決定した次第でございます。
  51. 寺尾豊

    ○寺尾豊君 四国の民間放送に対しては、いうふう配分になつているかちよつとお知らせ願います。
  52. 長谷愼一

    政府委員(長谷愼一君) 四国につきましては、すでに徳島に四国放送という民間放送ができておりまして、それはすでに業務を開始しておるのでありますが、そのほか現に申請もございますし、私どもとしても民間放送が必要ではなかろうかというような観点から、割当がありますのは高知、高松、松山の三カ所でございます。
  53. 寺尾豊

    ○寺尾豊君 高松はどうなつておりますか。
  54. 長谷愼一

    政府委員(長谷愼一君) 高松の民間放送につきましては大体電力百ワットまでの電波が割当ててございます。
  55. 寺尾豊

    ○寺尾豊君 これが実は私は問題になりやせんかと思うのでございます。まあ局長のお話には、あらゆる機関に諮り手続においてさようになつたという御説明、これは一応わかりますが、高松のNHKというのは、すでに御承知のように大阪が五十キロになつたということによつて、まあこれは廃止という運命に立至つておつたということを私記憶しておるわけです。従つて現在たしかはNHKは五十ワットであると思います。高松のほうはこれはどうなつておりますか、今度の。
  56. 長谷愼一

    政府委員(長谷愼一君) お答え申上げます。放送局の免許基準といたしまして、これは法律によつて委任を受けて郵政大臣が省令としてきめておるのであります。これも公聴会等を開いてさようきめてございますが、この基準によりますというと、プログラムの面で同様な放送が両方聞える場合にはどちらかは廃止をしなければならない。一口に簡単に申上げますと、そういうような規定がございます。結局電波は有効に使わなきやいかんというので、二つ以上聞えるときには、相互の番組相当つていなけりやいけない。こういうような規定がございますが、その点から実は大阪の放送局が大電力になつた結果、四国の徳島、高松或いは京都等の放送局は大阪の放送局と地元の放送局とが両方聞えます。その間番組が大部分同じでありましたので実はこの規定に真正面からぶつつかるので今御指摘のようにその廃止問題が実は起つたのであります。併しこの問題は、地元に長い歴史を持つて市民なり、県民に親しまれた、而も非常に有効に働いて来た放送局を廃止するということは非常に影響が大きい。而も報道或いは気象、そういうようなもの、或いは天災地変のようなときの報道機関としては唯一の機関として働いて来ておつたものを、軽々にただ規則ということのためにこれを廃止することはどうであろうかということで、いろいろ地元その他からの陳情もございましたし、国会でも実は又御審議があつたのであります。その結果実は今年の初めに公聴会を開きまして従来通りの基準でよろしいかどうかということを公聴会に諮りまして、その結果、郵政大臣が、特にその存置を必要とするような場合には多少この基準を緩和してもよろしいというふうになりまして、実は只今お許のありました高松も一同様な点から問題になつたのでありますが、そのまま存置ということになつたのであります。なお高松につきましては従来からNHKも五十ワットの小さな補助局であります。併し地元の香川県ではこれは全県下と行かなくとも、高松だけでなく相当範囲にこの放送が聞えるようにということで、数年来NHK放送局の増力を陳情されております。国会でも請願の形で問題にされたことも数回に亘つておると存ずるのであります。私どもといたしましては、その辺も考慮いたしまして、高松は土地柄必要ということからNHK放送局が残るということになりました場合に、かねがねのそういう陳情その他ございましたので、技術差支えない範囲でこの増力も考えよう、こういうことで実は近い将来五百ワットにこれが上げられ得るというような割当案に実はなつておるわけであります。  なおこれは極めて技術的な問題で恐縮でございますが、御参考に申上げますと日本放送協会全国的に放送をやつておりますので、例えば北のほうでNHK放送に使つておる同じ電波を南のほうでも使うというようなことは、全然関係のない第三者が使うときよりも比較的技術的に容易に参ります。特に第二放送のような場合、全国的に夜間は殆んどプログラムも同一でありますので、プログラムが同一の場合には相当二重、三重に同じ電波を使うことが技術的に容易になつて参りまして、NHKが高松に使用を予定しております電波も大体弘前、それから中村それからあと同様に三局が一緒に使う、こういうような考え方になつておる次第でございます。
  57. 寺尾豊

    ○寺尾豊君 このNHKの高松放送局が大阪を大電力化したために廃止の運命におかれた、大阪において十分カバーできるのでこれは要らないものであるということに対して、歴史あるNHK放送局を残してもらいたいという地元民の御要望というものはこれはわからないことはありません。それを存置するということには私などはあえて、殊に省令等を設けて、そういう法的にもそれを存置し得るようにしたというのでありますから、それをとやかくは言いませんが、四国のおのおの、今局長のお話をお聞きしてみるというと、民間放送いずれも五百ワットになつておる。又これくらいのパワーは必要である。殊にこの高松の場合を考えてみると、高松民間放送が今後計画しておるところなどをみますると、紀伊水道乃至は瀬戸内海等の水産開発等にも相当力を入れたい、そういう計画も聞いておるわけであります。私はむしろ高松の民間放送に五百ワットを与えて、NHKのほうは現状で行くべきじやないか、こういうように考えるわけであります。局長のお考えはその点どんなものでございましようか。
  58. 長谷愼一

    政府委員(長谷愼一君) お答え申上げます。私ども只今説明申上げました割当案は、先ほど申上げましたように数回の公聴会を経ましてきめたのでありますが、そのときには実は単にNHKばかりでなしに、又現在行なつておる民間放送関係者ばかりでなしに、現に申請を出して新らしく放送事業をやろうという方々の御出席を願つて意見を十分に述べて頂いておるのであります。高松の申請者のかたも、私の記憶では確かにその公聴会に直接出席され、或いは間接的に書面等で意見を十分述べられておるはずでありまして、経緯の点は十分関係者は御承知つておると思うのであります。なお私どもといたしましては、そういう真に公聴会を経た結果、最後的に電波監理審議会にも諮りまして、結局この案が最後的には一番日本全体としてみた場合の放送のあり方としては妥当ではないかということで決定をみておるのであります。  なお只今御指摘になりました大阪等において片一方が大電力になりましたために二重に聞えて要らなくなつて来た場合の考え方でありますが、実は日本放送協会の第一放送と第二放送には、番組編成上私どもとしても一つの実は考え方を持つておるのであります。第一放送地域放送も実施する、第二放送のほうは全国的な番組放送でありますけれども、第一放送はいわゆるローカル放送を十分にやる。これは地方の非常な要望でもありますし放送協会もずつと第一放送につきましてはローカル放送を充実して行こうという方針をとつて来ており、政府といたしましてもこれを妥当と認め国会の御承認を、頂いておる事業計画、予算等におきましてもその方針で行つておるわけであります。この高松の放送局は実は第一放送しかございません。第二放送は大阪のが十分聞えるということで現在も置かれていないのであります。この高松にある第一放送は、少くとも香川県には十分聞えるようにして欲しいという長い間の陳情等がありましたので、私どもといたしましては、これを増力するのが適当ではなかろうか。日本放送協会の計画としても妥当ではなかろうかという考え方で、先ほど申上げましたような経緯を経た結果現状となつておる次第であります。
  59. 寺尾豊

    ○寺尾豊君 簡単に申上げたいと思いますが、どうも高松民間放送局の申請その他が若干遅れたとかいうことも聞いておりますが、併し民間放送というものはむしろ育成をして行くという今日の段階じやないかNHK万能でやるということはよほど十分考えて行かなければならん問題じやないか、こういう考えを持つているわけであります。これが法的にあらゆる順序を踏んでこうした配分をせられたということであれば、この場でそれに対してとやかく申上げる筋でないと思う。併しNHK自身もこれは一つ考えてもらつて、これらの非常に、これは技術的な問題もありましよう。併し民間放送を育成するというこの場合においては、高松民間放送が他の三県と同じ一つのパワーを持ち得るというようなことまで考えてやらなければならんのじやないかということを強く私は主張をいたしたいと思う。併し他に質問者もありましようから、高松民間放送局の問題については、この辺にとどめたいと思います。
  60. 津島壽一

    津島壽一君 今の御説明の中に三年目ごとに電波の割当を再編成したらという、その中間で需要の変化に応じて又或る特殊な地域についての割当というか、そういうものを変えるというようなことは先例があるのですか。又今後そういうことも考えられるといつたようなことは如何でしよう。
  61. 長谷愼一

    政府委員(長谷愼一君) お答え申上げます。従来は実は今日ほど放送局が日本にたくさんございませんでした。三年目の再免許の時期が参りませんでも、途中で或る程度の編成替えができました。実は二年半ほど前に民間放送の予備免許の問題が決定せられるときも、それは免許期間の途中でございましたけれども、或る程度の再編成をやりまして、民間放送へ電波の割当が行われたわけであります。併し今後の見通しから申上げますと、実はこの放送のために使える電波を殆んど全部使い切つた恰好になつております。なお最近御案内のように、日本周辺の諸外国が非常に強力な電波を使用することが最近とみに激しくなつて参りましたので、それらの影響等も考えますというと、全面的な変更というようなことは地域的にもなかなかむずかしい問題になつているのではなかろうかと存じております。併しながらこの割当標準というものが一応できて、これによつてつて行くといたしましても、外国の電波の妨害その他不可抗力によつて業務が全然できなくなつたというようなことも起り得ると思います。そういうときには何らかの処置を考えなければいかんとは存じております。
  62. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) いろいろ今電波割当の問題についての御苦心を伺いましたが、東京では相当の競願になつておるようですが、これに対しては今どういうことになつておりますか、この機会一つつておきたいと思います。
  63. 長谷愼一

    政府委員(長谷愼一君) お答え申上げます。お話のように東京には現在四つの申請がございます。大体電波の割当の基準から参りますというともう一つだけしか東京には可能性がない恰好になつておりますので、お話のように全く競願の形でございます。只今その内容等につきましていろいろ審査の途中でございまして、まだこれを如何に処理するかにつきましては御報告申上げる段階まで来ていない状態であります。
  64. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) さようにまだ懸案のものもあるのですが、只今寺尾委員お話のありました高松等につきましても非常に出願の遅れたような経緯もあるようでありますが、民間放送として非常に熱心な、又有力な計画を立てておられる。而も瀬戸内海全体に亘る水産等についても非常に進んだ企画があるように聞いております。さような点から寺尾委員が言われたようにローカル放送を香川県全体に亘つてやるということもございますが、必ずしも緊急の場合等は民間放送を使用することは現在も今ででもやつて来たのでありまして、たとえ若干の聞えない所があつても、そんなに私はローカル放送の主力を協会にかける必要はないじやないか。やはり民間放送をそれぞれの土地の実情に応じて順調に育てて行くという意味におきましても、これは一つ当局において十分の考慮を払われるように、特に私は水産資原に富む日本水産の最も宝庫と言われる瀬戸内海の天候、気象、或いは水産物の価格或いは水産の状況を若し民間放送が強力に取扱うといたしますならば、これは日本の水産の私は推進という意味においても、やはり非常に重要にこれは考える必要がある。そういう点において当局では我々の発言を一つよくお酌み取り下さいまして十分の御考慮をお願いいたします。  放送法の一部を改正する法律案につきましてはこの程度にいたしまして、質疑は次回にいたしたいと思います。   —————————————
  65. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 次に、日程に附加して、調査報告書に関する件、継続調査要求に関する件及び議員派遣要求に関する件を議題といたします。  会期も迫りましたので、電気通信事業運営状況に関する調査及び電波行政に関する調査この二つの調査事件について議長宛簡単に未了報告書を提出いたさねばなりませんが、その報告書の作成は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお調査報告書には多数意見者の署名を付することになつておりますので、御署名をお願いいたします。  多数意見者署名     島津 忠彦  久保  等     寺尾  豊  津島 壽一     山田 節男   —————————————
  67. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 次に、閉会中といえども右の二つの調査事件につき委員会として活動できますよう、継続調査要求書を議長宛提出いたしたいと存じますが、さよう決定をすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  早速委員長より手続をとることにいたします。   —————————————
  69. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 次に国会が閉会になりましたら電気通信事業運営状況及び電波行政の実情調査のため、地方に議員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  早速委員長より議長宛議員派遣要求書を提出いたすことにいたします。  なお、派遣地、派遣期間及び派遣議員の選定等は委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————
  72. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 次に、本委員会に付託せられております請願書の御審議を願います。  速記をとめて下さい。    午後四時三十五分速記中止    —————・—————    午後五時十九分速記開始
  73. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 速記を始めて下さい。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十分散会