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久保等君 大臣がお見えにな
つておるので、大臣に
一つお尋ねいたしたいと思うのですが、
電話の料金の問題についてですが、御承知のように
電気通信事業が昨年の八月一日から
公社になりましたことによ
つて、二十八年度の本予算は
公社に切換えられた後の初年度の実は本予算であるわけです。従いまして
公社法に基く財務会社制度、或いは予算というようなものを全面的に適用が受けられるのも実は本年度からなんですが、そういう
意味で
公社に切換えられた理由、
趣旨という問題も今後如何にこれが活かされて行くかということは非常に重大な実は試練に直面していると申しますか、非常にいわゆる慣行を作らなければならないという、これは当局としては
責任があると思うのです。特に
監督官庁としての郵政大臣の
立場は、同時に
電気通信事業の
公社の予算という問題について調整権という、今まで実は前例のない新らしいめて重大な
責任が郵政大臣には賦与せられておるわけです。従いましてとかく従来予算という問題、金という問題にな
つて来れば、これはもう大蔵省の一手販売だということで
一般に観念付けられて来ておるわけですし、又事実その
通りであつたと思うのですが、併し少くともただ
電電公社の予算に関する限りは、飽くまでも郵政大臣というものが指導的な
立場で予算の作成乃至は予算の調整権を発動して、適切なる予算孝編成して閣議にかけ、国会に提出するということにな
つておるわけですが、そういつたような、すべては実は本年度から初めての
実施がなされておるだけに、私
ども非常に重大な本年度の予算については関心を持つ。是非
公社法のあの建前、それから
考え方というものが十分に活かせるようにというふうに念願をいたしておるわけなんですが、特にそういう
意味で
電気通信委員会としても、これは重大な
責任を私
ども痛感せざるを得ないと思うのですが、ところで昭和二十八年度の本予算の
内容は、先般
もちよつと指摘されておりましたが、とにかく当初の流産予算の場合の立て方と、今度の本予算の立て方との
内容で、細かい点は別といたしまして、大綱的な大きな問題として、少くも
電気通信事業に対する
政府当局の熱意の点が非常に疑問視されるような組立て方に実は変更されておる。それは大蔵省からの繰入じやなくて貸付の問題ですが、運用部資金の貸付の点にしましても、当初の流産予算では四十億
程度のものが計上せられておつたのが、本年度零に
なつた。昨年の昭和二十七年度と比較対照してみた場合に、百三十五億から零に
なつたということについては、非常に大きな基本的な大蔵当局なり
政府当局の
電電公社に対する
考え方が転換したのじやないかというふうに率直にこれは何人も実は認めざるを得ないと思うのです。ところが先ほ
どもちよつと申上げたように、昨年の八月一日を契機に
公社に切換えられたものの、併し一朝にしてそれならばいろいろ具体的な施策は立てても、それが効果の面まで現われて来るということについては、あらゆる
事業について同じことが言えると思うのですが、やはり
電気通信の場合についても、長年の、従来
電気通信事業に対する政策なり施策というものがどのようにとられて来たかということによ
つて、やつぱり相当な惰性というわけではないのですけれ
ども、やはり若干そういつたものを払拭しきれない過渡的な段階というものは、これは普通あり得ることだと思うのです。少くとも
電気通信事業というものが長い間社会的
政府事業で以てやられて参
つておりましただけに、過去におけるいろいろないい面悪い面が、そのまま
公社にな
つても、過渡的な段階においてはこれが引継がれるということも止むを得ないと思うのです。そういう点で曾
つて電気通信事業というものも、今日のように非常に足らん、何とか資金を得なければどうにもならんというような実情ばかりではなくて、むしろ非常に
一般会計なりその他の特別会計に貢いでおつたという歴史もあるわけです。特に終戦直後の混乱
状態或いはひどい戦災を受けた後の事情は、これ又普通の
状態ではありませんので止むを得ないといたしましても、少くとも戦争直前まで、言葉を換えて言えば、実は非常にドル箱的な存在であつたとさえ言えると思うのでありますが、そういうような点を
考えてみた場合に、ノーマルな順調なときには、
電気通信事業という竜のは財政的に非常な大きな貢献をしておつた。僅々十年
程度の間にでも十数億の、当時の貨幣価値で十数億ですから大変なものですが、とにかくそういう貢献をしておつた。ところが昨年の八月一日から
公社に
なつたということで、大蔵当局
そのものの態度にも急転直下したような非常な態度の変更があつたということは、主観的な
考え方は別として、少くとも純客観的に見た予算編成の面では明らかに現われておると思うのです。そういう点について非常に心配されるわけですし、そういう点からいろいろな
質問が出たわけですが、昨日或いは数回郵政大臣から言われる点については、今後の五カ年計画については、これは是非
責任を持
つてやりたいという御
答弁はされておるわけですが、そういう点でいささか五カ年計画というものに対する熱意と決意のほどは了解できたわけなんですが、併しいずれにいたしましても、私特にここで五カ年計画という問題以上に重大視して
考えることは、やはり過去のそういつた七十年間の電信
電話事業というものが転換をした、企業形態を変えたという非常に大きなこの転換は、ただ単に数年の、五カ年計画だとか何だとかいう問題より以上に重大な企業経営の性格の変更でもあるし、
従つてその変更したからには、非常に重大な決意と、それから又従来のようなしきたりで予算の問題なり経営の問題なり或いは又郵政大臣として経営に対する
監督の問題を
考えられては、実は非常に誤まつた
公社というものの今後のいわば前例を作
つて行くのじやないかというふうに
考えるわけです。そこで郵政大臣がただ単なる郵政大臣ではなくて、
電電公社に関する限りは大蔵大臣の
立場が賦与せられたと
言つてもいいのです。そういう点で、昨日も愛知政務次官から今後の五カ年計画等の問題についても協力するのだという
意味で、非常にいわば従来の指導的な
立場は明らかに郵政大臣に移つたという御発言があつたので、その点はまさに性格はさもあ
つてもらいたいのですが、今度は併し
実施面にな
つて、これは郵政大臣のやることで、我々としてはそう余り積極的なことを申上げることもできないし、余りやる必要もないのだというふうにされる
危険性もなしとしないと思うのです。そこで特に今度大幅な料金値上げの問題が出されて参
つておることについても、少くとも私
自体料金の大幅値上げという問題について、而も
政府の出されたあの大幅値上げの方途にいたしましても、
只今私の申上げるような危惧が非常に強く私の印象にはあるわけなんですが、要するにできれば、
政府というか、大蔵当局
そのものの肚と、余り苦労はかけないで、できるだけ
一つ会社みずからの手腕によ
つて問題を解決して行つたらどうか。五カ年間に要する莫大な資金も
一つそういう面で組み直したらどうかという
考え方が、流産予算の場合と今度の本予算の場合とにも相当大きな転換にな
つて現われて来ているのじやないか。即ち
政府は一銭も金を出さないで、この際それならば料金値上げという形でや
つてもらつたほうがいいのではないかというふうに安易な途をとられたのではないか、こう
考えるわけです。それが先ほど来申上げましたような時期が時期でありますだけに、私の
考えることが誤解であり、或いは杞憂であるとするならば、これは非常に幸いだと思うのですが、併し残念ながら
政府の出した二割五分という大幅の料金値上げを、やはり片や
政府の
一般会計からの貸付というようなことをゼロにし、昨年の百三十五億から本年はゼロにして出して来たということで、さしもの与党
あたりにしましても、二割五分ではちとひど過ぎるというようなことで、
衆議院では修正されて二割
程度にな
つておりまするけれ
ども、それにいたしましても、やはり残りまするのは、大蔵当局或いは
政府当局が
電気通信事業に対して本当にどの
程度の熱意と、果して協力をする気持があるのかということについては、これは純客観的に見た場合には、何とい
つても私はこれは覆い切れない事実として現存していると思うのです。そこでいずれにしましても、やはり
責任の帰一するところは、又郵政大臣にかか
つて来るわけでして、それに対して郵政大臣としては、よほど重大な決意を以て今後の
電気通信事業というものについてのいい
意味での
監督、指導という点を活かして行かなければならないと私
考えますし、このことは他の
公社においても未だ前例のないことでありまするだけに、郵政大臣がどのようにお
考えにな
つておるか。特に本年度の予算にこういう
政府原案とな
つて出て参つたことについては、如何に主観的に、或いは肚の中ではどう
考えるにいたしましても、客観的な事実としては私の申上げるような事実であるわけでして、非常にこの点遺憾に堪えないわけです。その点郵政大臣としての
考え方のほどを明確に出して頂きたいと思いますし、そのことで今後の
電気通信に対する郵政大臣としての
立場もより明確にな
つて来るのじやないかと私は
考えますので、予算の問題、特に料金値上げの問題に関連した今度の
政府の
考えたところの予算編成について郵政大臣として私の先ほど来指摘しておるような点について、果してどのようにお
考えなのか、お伺いいたしたいと思います。