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1953-07-01 第16回国会 参議院 電気通信委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十八年七月一日(水曜日) 午後一時三十七分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
左藤
義詮
君 理事 島津 忠彦君
久保
等君
委員
津島 壽一君
新谷寅三郎
君 小林 孝平君 山田 節男君 三浦 義男君
政府委員
郵政省電気通信
監理官
庄司 新治君
郵政省電気通信
監理官
金光 昭君
事務局側
常任委員会専門
員 後藤 隆吉君
常任委員会専門
員 柏原 栄一君
説明員
日本電信電話公
社総裁
梶井
剛君
日本電信電話公
社副
総裁
靱 勉君
日本電信電話公
社運用局長
田邊 正君
日本電信電話公
社経理局長
秋草 篤二君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
電気通信事業運営状況
に関する
調査
の件(
九州地方
の
水害状況
に関する 件)
公衆電気通信法案
(
内閣送付
) ○
有線電気通信法案
(
内閣送付
) ○
有線電気通信法
及び
公衆電気通信法
施行法案
(
内閣送付
)
—————————————
左藤義詮
1
○
委員長
(
左藤義詮
君)
只今
より
委員会
を開会いたします。 先ず
電気通信事業運営状況
に関する
調査
を
議題
といたします。
九州地区
の
水害
による
電信電話
の
被害状況
について
当局
より
説明
を求めます。
梶井剛
2
○
説明員
(
梶井剛
君) 今日まで入手いたしました
報告
によります
概況
、
九州方面
における
水害状況
を御
報告申
上けます。 六月二十七日の六時頃までに
熊本地方
が約七十ミリ
メーター
、
福岡地方
が三百五十ミリ
メーター
、
大分地方
が四百二十ミリ
メーター
、
長崎
、
佐賀地方
が百五十ミリ
メーター程度
の雨量がありまして、
各地
の河川が氾濫いたしました結果、意外に大きな
水害
となりまして、
通信施設
もそのために各所多大の
被害
を受けまして、その
被害
の
程度
を申しますると、
市外通話
におきましては
大分通信部管内
、
大分
県であります。全
施設
の七一%、
熊本通信部管内
が五八%、
佐賀通信部管内
が四六%、
電信
は
大分
、
佐賀
、
熊木
、いずれも全
施設
が
罹災
いたしました。又
長崎
は
全編施設
の九二%が
罹災
いたしました。
市内電話
は
佐賀通信部
内が七八%、
熊木
が四一%、
福岡
は
あと
で申します。
局舎
の
浸水
いたしましたものが五十三局でございます。主な局を申上げますると、
電話局
といたしましては
久留米
、
大分
、
門司
、
電話局
といたしましては
熊本
、
福岡
、
門司
、
中継所
といたしましては博多、八幡、
久留米
、久喜宮、
門司
、特に
通信
上非常に支障を来たしましたのは、
大阪
から
四国
を経まして
九州
に
連絡
しております
長距離ケーブル
が非常な
罹災
をいたしまして数カ所において
ケーブル
が切断されました。その他
福岡
から
熊本
に参ります
ケーブル
も切断いたされまして、一時
通信連絡
ができなか
つたの
でありまするが、直ちに
応急措置
といたしまして、無線並びに搬送その他の
回線
を作成いたしまして、現在のところは各
県庁所在地
はすべて
連絡
可能な
状態
にな
つて
おります。 その後の
復旧状態
を申しますると、
市外電話
につきましては、
九州管内
全体を総活いたしまして羅障いたしましたのが四九%、そうして約三〇%がすでに
復旧
しております。
電信
においては七二%、そのうち三七%が
復旧
しております。
市外電話
につきましては三一%、そのうち二二%が
復旧
しております。
ケーブル
につきましては、
ケーブルそのもの
は
復旧
しておりませんですが、
ケーブル
の切断されました所を
ゴム線
その他によ
つて
連絡
いたしまして、
回線
として先ほど申しました
通り
に
市外電話回線
、
電信回線
が
復旧
している次第であります。
公社
の
従業員
の
罹災
いたしました
状態
を申上げます。これは
九州管内
におきまして、
職員
の死亡いたしましたものが三名ございます。負傷いたしましたものが十九名、家族の死亡いたしましたものが十名、負傷いたしましたものが三名でございます。
家屋
の
流失
いたしましたものが八十五名、半壊いたしましたものが百七十九名、床上の
浸水
が千六百五十七名、床下の
浸水
が九百八十九名、
連絡
不能の人が九百五十四名、この
連絡
不能は今月においては
連絡
できております。全員無事でございます。計三千八百六十四名ということにな
つて
おります。そのほか
中国地方
におきましても、
山口通信部
において
浸水
いたしましたものが
相当
ございます。
家屋
の全壊が四、
流失
が二、半壊が七、
浸水
が九五というふうにな
つて
おります。
公社
といたしましては直ちにこの
罹災
した
人たち
に対して
救済
する
措置
をとりまして、
罹災職員
の
救援物資
といたしまして
食糧
約三百万円を
近畿通信部
に依頼いたしまして
大阪
において船積みして急送いたしております。そのほか広島から
海底線敷設船海光丸
に
医薬品
その他を約百二十万円積みまして
熊本
に派遣いたしました。そのほか
四国
の
通信局編成
の救護班によりまして、
医薬品等
を携えて医者、
看護婦
を
九州
に派遣いたしました。そのほか
福岡
に
水害対策本部
を作りまして、本社から
建設部長
ほか三名ばかりを派遣いたしましたばかりでなく、
四国
、
中国
からそれぞれ責任ある人を派遣いたしまして、
九州
の
従業員
の
救済
並びに
設備
の
復旧
に対して最善の努力を目下続けております。大体
損害額
につきましては、まだ正確な数字を定め得ないのでありまするが、大体十五億乃至二十億の
損害
であろうと想像されております。以上であります。
左藤義詮
3
○
委員長
(
左藤義詮
君)
只今
の
説明
につきまして、
質疑
のあるかたは御
発言
願います。
久保等
4
○
久保等
君 未曾有の
九州地方
の
水害
で、なかなか
公社当局
としても、当面の
応急措置
を講ぜられることに全力を挙げておられると思うのですが、
大分応急復旧
で
市外電話
或いは
電信
、
市内電話等
の
復旧
に
相当
著しいものが認められるのですが、まあ総括的にい
つて
、
応急復旧等
が大体どの
程度
で一応完了できる
見通し
でおられるか、それと、更に恒久的な
復旧
という問題になると、これは勿論今後の
予算
その他の問題にも関連がありますし、勿論
見通し等
もなかなか困難だとは思うのですが、併しそれにしても十九億乃至二十億というような厖大な
被害
を受けたわけですが、そういつたものについて大体どの
程度
の期間があれば
復旧
できるか。これはほんの
臆測程度
になるかも知れませんけれども、そういつた
復旧
についての
見通し
、それから更に先ほど言われた
市外電話
の羅障
状況
並びに
復旧状況
の中で特に
九州管内
と、それからその他の
中国
乃至は
東京
、
大阪といつた九州外
との
市外回線
ですね、
そのもの
との
復旧状況
が、四十九%の羅障というのは勿論
九州管内
における
市外電話
も入
つて
いると思うのですが、そういつた
九州管内市外
の以外
回線
の
応急復旧状況
、それをちよつと
一つ
御
説明
、御
報告
願いたいと思うのでございますが。
梶井剛
5
○
説明員
(
梶井剛
君) 先ほど大体の
復旧
の
程度
を申上げたのでありまするが、
東京等
から行きます
回線
につきましては、
直通回線
が
障害
にな
つて
おれば、
中継
によ
つて
連絡
するという
方法
によ
つて各地
とも
連絡
をや
つて
いるわけであります。例を申しますると、
東京
・
福岡
間、これは十一
回線
ありまするが、全然
障害
にな
つて
おりません。
東京
・
熊本
間、これは二
回線
ありまして
障害
に二
回線
な
つて
おります。それから
東京
・
門司
、これは四
回線
ありまして二
回線
が
障害
にな
つて
おります。
東京
・
小倉
、これは一
回線
ありまして
障害
にな
つて
おりません。又
大阪
から申しますと、
大阪
・
門司
は四
回線
、これは
障害
にな
つて
おりません。
大阪
・
福岡
、十三
回線
ありまして、そのうち七
回線
だけ
障害
にな
つて
おります。
大阪
・
小倉
、三
回線
ありまして一
回線
だけ
障害
にな
つて
おります。
大阪
・
久留米
、一
回線
であ
つて
、これは全部
障害
にな
つて
おります。
大阪
・
熊本
、二
回線
ありまして、二
回線
とも
障害
にな
つて
おります。他の
都市
からの
回線
は、大体重要な
都市
からはこういう
程度
の
状況
にな
つて
わります。 それで
復旧
のことでありまするが、一応
回線
を復活するために
応急
の
措置
をとるわけでありますが、それにはやはり二十日間ぐらいを以て
応急措置
を完了したい。
あと
本
復旧
につきましては、これは
予算
の
関係
もありまして、現在
予備費
が
暫定予算補正
によ
つて
四億五千万円、本
予算
が成立いたしますと
予備費全額
が十一億できます。
従つて
この
予備費
では本
復旧
は
不足
であるということは確かでありまして、
従つて
将来機会がありましたならば、
補正予算提出
の際に、本
復旧
による必要な
経費
を改めて要求しなければならないと
考え
ております。
久保等
6
○
久保等
君 更にお伺いしたいと思うのですが、特に
復旧工事
に日夜いろいろ御尽力されておると思うのですが、差当
つて応急復旧
に要する
資材
或いは
経費
、そういつたようなものについては、先ほど御
報告
としては、
建設部長
を派遣し、
福岡
に
復旧本部
を置いていろいろや
つて
おられるそうでございますが、そういつた
方面
の
措置
が十分になされておるかどうか。それから更に
従業員
の
罹災
も今まで曾
つて
余り見られない非常に惨澹たる
被害
のようですけれども、そういつた
方面
に対しても、
食糧
或いは
医薬品
といつたような、極めてこれは緊急的な
措置
はとられておるようですけれども、
家屋
の
流失
その他によ
つて
非常に困難な
状況
にあると思うのですが、
そういつた面
についても何かもう少し具体的な
対策
を立てておられるのでしたら、御
報告
を願いたいと思うのですが。
梶井剛
7
○
説明員
(
梶井剛
君) 先ほど
食糧
、医薬、
衣類等
につきましては、船によ
つて
急送したことを申上げました。併し
流失家屋
というものの
復旧
につきましては、これは改修が困難だと思います。
従つて
一応は
罹災
いたしました
従業員
を他の社宅に収容する、或いは
局舎等
において余裕のある所に収容いたしまして、そうして
差向き雨露
の凌げるようにしなければならん。又これらの
罹災
した人に対する
見舞金等
につきましては、それぞれ適当な
処置
をいたして送金いたしまして、
従つて差向き
明日ということのないだけの
手配
はいたしであります。今後の
家屋
その他につきましては、本
年度
の
予算成立
によりまして、更に
住宅等
についてもそれぞれの
処置
を将来において講じたいと
考え
ております。
新谷寅三郎
8
○
新谷寅三郎
君 何遍も申上げたことで、繰返すので恐縮なんですが、こういう際に申上げたほうが話が
通り
やすいと思いますので申上げたいと思いますが、私は
電気通信省
の時代から、こういう
災害
に備えていつも
災害
に対する
積立金
をなぜおやりにならないかということをいつも申上げておる。と言いますのは、こういう大きな
災害
が起りますと、それを
復旧
するのには
自然建設費
を食い込んで行かなければならんということになります。そうなりますと
既定計画
の
建設
がそれだけ圧縮されるということになるわけであります。
一般官庁
であれば、
保険
も付けずに、
災害
があつたら
あと
で
予算補正
をや
つて
間に合せるということも
考え
られますけれども、
特別会計
でや
つて
行
つて
おります
電電公社
のごときは、やはり
事業形態
として当然
考え
るべきことは、
予算面
でもお
考え
にならなければならん筋合いかと思います。何遍も申上げるのですが、どうしてもおやりにならないのです。それで私は今度、非常に好ましくないことでありますが、若し今年又台風でもありましたならば、多少の
予備金
があ
つて
も、それは直
ぐなくなつてどうしても建設費
の中に食い込んで行
つて
しまう。或いは補充取替費のほうに手をつけて行かないと
現状維持
さえもできないということで追い込められることは必至であります。でありますから、
保険
と言いますか、そういつた
考え
方で
災害
に対しては当然或る
程度
の
積立
を毎年なす
つて
、こういう
非常災害
の場合に
建設費
には手をつけずに
災害復旧
がどんどんできるように
会計
を立直して行かれないとお困りになられるのじやないかと思います。これから
一つ
そういう立て方を是非なす
つて頂
たい。この点について若しお答えができますなら、
総裁
からお願いいたします。
梶井剛
9
○
説明員
(
梶井剛
君) 誠に御尤もな御意見であります。本来ならばこういう
独立採算制
にな
つて
おるのでありますから、当然
災害
に対してあらかじめ
準備金
を持
つて
、そうしてすぐ
処置
ができるようにしなければならないわけでありますが、現在の
予算
の
内容
におきましては、
減價償却
それ自身でさえ
相当
な
不足
を来たしておる。今
年度
の
料金値
上案に書いてあります
通り
に、
償却
が本
年度
におきまして約五十億
不足
にな
つて
おります。
従つて資金
の
関係
から、今
積立
てようと思いましても程立てることができないという
経営状態
にな
つて
おるというわけでありまして、できますれば、
只今
の仰せの
通り
我々といたしましては将来の
災害
に対して或る
程度
の
積立準備金
を持
つて
おるべきものだ、そういうことにつきましては全く同感であります。将来におきまして、今度の
料金植上げ
の
算出根拠
の中には、将来
償還
さるべき社債に対する
減債基金
というものを一応見まして、それを現金で保有することなく、直ちに
建設勘定
のほうに廻して
建設
に持
つて
行
つて
おるわけでありまして、それと同じような
趣旨
におきまして、或る
程度
の
災害準備金
というものを将来においては
積立
てるようにいたしたいと
考え
ております。
—————————————
左藤義詮
10
○
委員長
(
左藤義詮
君) 次に、
有線電気通信法案
、
公衆電気通信法案
、
有線電気通信法
及び
公衆電気通信法施行法案
(いずれも
予備審査
)を
議題
といたします。 本日より右三
法案
の
質疑
に入りますが、三
法案
に関連して
日本電信電話公社総裁
から特に
発言
を求められておりますので、この際
発言
を許可することにいたします。
梶井剛
11
○
説明員
(
梶井剛
君) それでは今回提出されておりまする三
法案
に関連いたしまして、一応
公社
の経営の内容についてお話を申上げたいと存じます。
公社発足
以来の
事業
の概況を申上げますと、昨年の八月
公社発足
以来、
公社設立
の趣旨に鑑みましてその経営を合理的且つ
能率
的な体制にし、
公社
の使命である
電信電話サービス
の
改善
を促進するため、極力努力して参
つて
おります。 即ち昨年十一月には機構の
簡素化
と
能率化
を断行いたし、この結果
管理要員
から千五百名、
管理所廃止
によ
つて
一万二千五百名、合計一万四千名を現場を充実するため配置転換したのであります。更に
作業方法
を
合理化
し、
現場事務
につきましては、
附帯事務
の
簡素化
、
電話
の繁忙時における
交換作業
の
円滑化
を図るための時間
制賃金要員
の採用、小局における
電信電話共通服務
及び
夜間電報請負制度
の拡充、
電話
による
電報送達
の
拡充等
を行い、又
管理事務
につきましても、従来の煩瑣な
事務手続
を
企業体
にふさわしく極力
簡素化
して参
つたの
であります。
従業員
の
能率
は次第に向上し、昭和三十四
年度
を基準として、これを一〇○といたしますと、昭和二十七
年度
において、
加入数
は一四四、
市外通話発信時数
は一九四に増加してるのに対し、
電話従業員数
は一〇六、
発信電報数
は一一三に増加しているのに対し、
電信従員数
は一〇五とな
つて
いるに過ぎず、又
電信電話保守要員
の一人
当り電話機受持数
は一二七、
建設工事要員
の一人
当り負担量
も一二七と向上いたしております。 資材につきましては、
在庫品
を極力活用し、購買を抑制し、
作業資産
の回転を向上させることに努めた結果、資材の
在庫量
は逐次減少いたしておりますが、本
年度
におきましても更にこれを徹底して行く考えであります。
工事
につきましても、
工事計画
の
早期樹立
と
工事
の
早期着工
、
工事計画
、設計、
施工等
に関する
地方機関
の
自立性
の
確立等工事
の
能率化
に努めておりまして、二十八
年度
工事
につきましては、すでに
年度開始
前に
工事着手
の手配を行い、且つ
工事
が年間を通じて毎月平均して行われるよう詳細な
工事線表
を作成して、全
工事能力
を
能率
的に発揮するように努めているのであります。なお二十七
年度
工事
につきましては、
加入者開通
は
予算工程
を四万も上廻る成績を上げましたにもかかわらず、
基礎設備
の
工事
について
相当量
の繰越しを見ましたことは誠に遺憾でありますが、これも一部を除いては八月中には全部完了の見込みであります。
従業員
の給与につきましては、昨年十一月以来、ほぼ国鉄及び専売と均衡のとれた給与といたしたのでありますが、
従業員
の
勤労意欲
の高揚と
能率
の向上とによりまして、
事業収支
は、
予算
に比して収入においては約二十億の増収となる見込であります。 昨
年度
においての
電信電話サービス
の成果について申上げますと、先ず
加入電話
につきましては、
共同加入
三万七千を含む十八万一千の増加でありまして、総
加入数
百五十五万に達しました。この
増加数
は
事業創立
以来の最高の成績であります。併しながら
加入申込
で受理できない、いわゆる積滞数は二十六
年度
末の三十四万五千が二十七
年度
末において三十七万七千に増加いたしております。 次に
市内電話
のかかる率につきましては、逐次向上をいたしておりますが、六
大都市
における平均が五三・三%といつた
状態
で、未だ十分な成績を上げ得ないのでありまして、
加入電話
の増設による
輻輳救済
、
代表番号制度
の
拡充等
の
施設
の促進を必要といたしております。
公衆電話
につきましては、
簡易公衆電話
、
委託公衆電話
を合わせまして、千百八十五増加し、合計七千三百九十となり
戦前
の五千百四十八を上廻
つて
いるのでありますが、なお
整備改善
を要する
状態
であります。
市外電話
につきましては、十五万五千キロの
回線
を増加し、総計百十一万五千キロ
戦前最高
の八十万七千キロを三八%も超えたのでありますが、
通話数
において七八%の増加を見ておりますので、
東京
・
大阪
間、
東京
・名古屋間、
東京
・
仙台間等
の
主要区間
においては、待合が、
特急通話
で平均三十分
程度
になるという
改善
を見ておりますけれども、全体的には待合時間が不均衡てあ
つて
、未だに二時間、三時間の待合を要する区間も少なくなく、
近郊通話
においても
交通機関
によるよりも待合時間が長い
といつた所
も残
つて
おり、
市外電話設備
の大幅な拡張を必要といたしておるのであります。 次に電報につきましは、速度においても、
正確度
においても、ほぼ
戦前
の水準に達しております。又
電信電話施設
の
障害
につきましては、漸く
戦前程度
の水準に回復して参
つたの
でありすが、
老朽施設
や
戦時規格
の
施設
等取替えを必要とするものを相当多く擁しておりまして、これが保全に苦心いたしておるのであります。なお
加入区域
の合併、
手働式電話
の
自動化
も進めておりますが、これらは極く一部しかできない
状態
であります。 又從来の
電話機
より通話の
明瞭度
の高い四
号電話機
に約十万個を取替えたこと、
一般専用線
が二百五十二
回線
と従前の四十四%も増加したこと、
電報受付機関
を増置するため、三百五十の
郵便局
、百三十の
簡易公衆電話
及び
委託公衆電話
に
電報受付事務
を開始したこと等は、いささか
サービス
の
改善
に一歩を進めたものと存じます。
公社
も本
年度
において設立第二年を迎えるのでありますが、戦後
電信電話事業
に寄せられた社会の要望は非常に大きく、なかんずく
電話サービス
の
改善
と
電話
の普及が最も熾烈でありまして、
公社
はその設立の目的から一日も早くこの要望に応えねばならない次第であります。この趣旨から、すでに昭和二十八
年度
事業運営方策
を定めて各機関に示達し、更に経営の
合理化
を推進し、
サービス
の
根本的改善
を
図つたの
でありますが、二十八
年度
予算案
におきましてもあとで述べます通り、一層
能率
の向上、経費の節減に努力し、
サービス改善
に努めているのであります。 御承知のごとく
電信電話事業
は、多年に亙り
国家財政
の制約を受け、そのため
電話
については
需要供給
の原則を無視して永年の
間制限開通
を行わざるを得なかつたため、
電話
は
戦前
においても他
事業
に比して著しく立ち遅れ、
電話
に市価を生ずるような世界に例を見ない
状態
を示し、又
市外通話
につきましても待合時間があるのが原則であるといつた
状態
のまま現在に及んだのでありまして、累積した
拡充整備
の不足の欠陥が、
我が国
における
電話
を容易に世界の水準に達せしめ得ない窮地に追い込み、政治、経済、文化の各般に亙り測り知れない損失を及ぼしているのであります。このような
状態
に対処しますには、長期の
電信電話
の
拡充整備
の
計画
を立て、これを着実に実行して行く必要がありますので、
公社発足
と共に
電信電話拡充
の
長期計画
を検討したのでありますが、
資金確保
の
可能牲
をも考え、
電信電話拡張改良
五カ年
計画案
を設定したのであります。 この
計画
は、
加入電話
を現在の四五%、
市外電話回線
を一〇六%、
市外専用線
を五二%増加するものでありまして、立ち遅れの最も甚だしい
電話
を
基幹産業並み
の水準にまで引上げ、
我が国
の
電話
問題を根本的に解決する基礎を作るための
必要最小限度
のものであります。この
計画実施
に要する
資金
は二千七百億円に上りますが、これを確保し得て
計画
の
実施
が可能となりますと、重点的には
電話サービス
を各段に
改善
し得ることになる次第でありますが、この
計画
を以てしても、国内全体の要望を満足させるにはなおほど遠いものがありますので、
資金
の確保が更に可能となれば、なお
計画
を追加する必要がありますし、又その後引続き五カ年
計画等長期計画
を用意しなければならないのであります。
従つて
、五カ年
計画実施
の
拡張改良資金
を確保することが、
我が国
の
電話
を普及し
改善
する根本的な要件となるのでありますが、御承知のように、戦後の
電信電話
の復興は主として政府の
貸付金
に依存し、新規の
電話架設
についてはなお
加入者
に
設備負担金
を
負担
願う
措置
によ
つたの
でありまして
公社発足
以後は
電信電話債券
によ
つて資金
を確保することも可能とな
つたの
であります。併しながら政府の
貸付金
及び
電信電話債券
につきましては、それぞれおのずから限度がありますし、
加入者
の
負担
も現在最高九万円とな
つて
おりまして、これを更に高額とすることは、
電話
の普及を阻むこととなることは過去の事実が示しており、在来の
政府貸付金
及び
設備負担金
或いは
電信電話債券
によ
つて
、本
計画
の
実施
が確保し得るや否や多大の不安をもつものであります。 他面、
電話設備
の
拡張改良
と申しましても、例えば、
市外電話回線
を増すということは、
市外通話
が早くかかることとなり、明らかに現在の
利用者
の便益を増すものであり、又
磁石式
を
共電式
に、
共電式
を自働式にと方式を変更いたしますことも現在の
利用者
の利便となるものであり、
加入区域
の合併、
大都市
における
中継線
の増設のごときもいずれも殆んど現在の
加入者
の利便を増大するものであるばかりでなく、新規の
加入者
が殖えること自体が現在の
電話利用
の価値をその数に
従つて
増大するものであることは、
電話サービス
の特徴でありまして、五カ年
計画
におきましても、その
建設資金
の大部分はこれらのために投ぜられるものであり、新規の
加入者
のみに
負担
をかけるべきものでないことは、特に現在の
利用者
の方々に御了解を願いたい点であります。 今回の
電話料金
の改訂は、
現行料金
を以てしては、
既存設備
の
減価償却
も十分行われず、又
建設改良
に用いた借入金に対する利払も困難な事実に鑑みまして、或る
程度
の
料金値
上けが必要と考えられたのでありますが、この五カ年
計画
を
実施
するにつきまして、
外部資金
が十分に確保できないという事態を考え、且つ又これが利子の支払及び元金の償還も
現行料金
を以ては賄えないという事実を考え併せまして、
料金
の再検討を要するものと考えた次第であります。 もとより
独占公益事業
として、
料金値上げ
については極めて慎重に、且つ又消極的に考えねばならぬことは申すまでもないことでありますが、
現行料金
を以てしては、
減価償却
、
利子支払
更に又元金の償還も不可能の
状態
であ
つて
は、
我が国
の
電話サービス
を
改善
する
計画
の
実施
は困難でありますし、なお又
現行料金
が他の
公益事業料金
と比較して必ずしも高位にないという事実をも考え、
料金
の改訂により特に
改良資金
の確保を図るため、
料金値
上けの
措置
を政府に求めた次第であります。
公社
といたしましては、正確迅速にして十分な
電話サービス
を広く公平に、そしで適正な
料金
で国民の皆様に提供することを目的として、先ずその基礎を確立するため、止むを得ず
料金
の改訂を求めた次第でありまして、この
措置
が国会の御承認を得られ
実施
することとなりますならば、まさに
我が国
電話
問題の根本的解決が可能となると確信いたすものであります。 最後に
予算
について申上げます。昭和二十八
年度
の
公社
予算案
は、
公社
当面する最大の問題であります
事業
経営の基礎確立、安定した
建設改良
資金
の確保、職員給与の
改善
及び
事業
の合理的、
能率
的運営を
予算
編成上の基本方針として、前に述べました五カ年
計画
及び
料金
改訂を前提として定めたものであります。なお本
年度
より
日本電信電話公
社法が全面的に適用されることとなりますので、
予算
の弾力化、
予算
流用、繰越等前
年度
に比し大幅に
改善
され、
事業
経営の面から極めて合理的となり、
企業体
にふさわしい
予算
とな
つて
おります。 以下
公社
予算案
の内容につきまして御
説明
申上げます。 損益勘定の収入支出は共に総額で九百四十九億円とな
つて
おりまして、前
年度
に比較して百九十四億円の増加であります。この収入の中には本年八月より
実施
を予定しております
料金
改訂による増収額百三十四億円を含んでおります。又支出におきましては、
減価償却
費のほかに七十六億円の金額を
建設勘定
に繰入れることにな
つて
おります。支出の内容を更に
説明
申上げますと、先ず人件費につきましては、二百八十四億円でありまして総経費の三三%を占めており、前
年度
支出
予算
において人件費が占めていた割合の二九%に比較いたしますと四%の増加にな
つて
おります。この人件費の増加は当
公社
職員の給与べースと国鉄及び専売両
公社
とほぼ均衡のとれたベースにいたしたためでありまして、給与総額算定の基礎とな
つて
おります要員
計画
におきましては、
施設
の拡張、
事業
量の増加にもかかわらず、新規増加については現在要員の稼動
能率
を高めることを前提として相当圧縮を加えている次第であります。 次に利子は四十一億円で総経費の五%を占めており、前
年度
の支出割合に比して一%の増加とな
つて
おります。又
減価償却
費は百九十一億円で総経費の二二%を占め、前
年度
の支出割合に比較して四%の増とな
つて
おります。併しながら以上の経費を除く一般経常物件費は三百五十六億円でありまして総経費の四一%に当
つて
おりますが、これは前
年度
の支出割合と比較いたしますと八%の減とな
つて
おり、絶対額においては十七億円の節減にな
つて
おるのであります。 従いまして二十八
年度
損益勘定
予算
につきましては、
事業
設備の拡張に伴い当然増加すべき
減価償却
費及び利子のごときもののほかは、
事業
の経営費については相当思い切つた
合理化
、
能率化
を
実施
することとし、
従業員
の待遇についてはできる限り
改善
いたすことにした次第であります。 なお前国会に提出いたしました不成立
予算
と比較いたしまして、
料金
改訂率の増加に伴う収支の増加約五十三億円以外の点については殆んど変更を加えておりません。 次に
建設勘定
について御
説明
申上げます。
建設勘定
の収入支出は共に総額四百六十一億円とな
つて
おりまして、前
年度
と比較いたしますと百一億円の増加であります。前
年度
に比べまして特異な点は運用部
資金
の借入金を二十八
年度
は取りやめといたしまして百三十五億円減少したこと、
電信電話債券
の発行額が百三億円増加し、そのうち七十五億円は一般公募によ
つて
獲得することとしたこと、それから
料金
改訂により損益勘定よりの繰入金が新たに七十六億円増加したことの三点であります。不成立
予算
に対しましては預金部
資金
の借入四十億円を取りやめ、公募債券発行額百億円を七十五億に減じ、これに代るものとして、国際
電信電話
会社株式売却代の繰入金二十億円を三十二億円に増加し、
料金
改訂に伴う損益勘定よりの繰入金二十二億円を七十六億円に増加いたしまして、
国家財政
の
負担
を軽減し、一方安定した自己
資金
による
建設改良
資金
の確保の方針をとり、総額においては変更を加えなか
つたの
であります。
建設改良
工事計画
につきましては、その重点を最も
電話
需要の急迫いたしております
大都市
の
電話
充足及びその相互間の
市外通話
サービス
の迅速化、将来の
電話
増設の基礎となる
電話局
舎及び市外
ケーブル
施設
の
建設
並びに
老朽施設
の取替改良に置いております。即ち
市内電話
につきましては、需要の大部分を占めております
東京
に四万、
大阪
に一万八千八百の
加入電話
増設を予定すると共に昭和二十九
年度
以降における
電話
増設に備えて必要な
電話局
を都心部に
建設
することといたしておりますが、その他の部市においても、できる限り
電話
の増設と
電話局
の
建設
を図る予定であります。なお農村に対しましても、
郵便局
はあ
つて
も
電話
のない村に対し、通話機関を設置いたしますほかできる限り
公衆電話
を設置して、農村に対する
電話
の普及を図る予定であります。 次に
市外通話
につきましては、
東京
、
大阪
、名古屋相互間の通話を待合せなく接続できるようにし、又京浜間或は阪神間等
大都市
周辺の通話の
改善
を図りますと共に、四国、山陰、東北、北海道方面に対して幹線
ケーブル
又は超短波無線搬送設備を整備し、
市外通話
の
改善
を図ることといたしております。 以上を以ちまして
公社
の当面の諸問題に関しまする私の概略の御
説明
を終りたいと存じます。
左藤義詮
12
○
委員長
(
左藤義詮
君) では、これより三
法案
の
質疑
に入ります。
質疑
のあるかたは御
発言
を願います。
三浦義男
13
○三浦義男君 あの
電信電話
の公債をまあお出しになるほかに、外資のことなんかお
考え
にならなか
つたの
ですか。対象にはなりませんですか。
梶井剛
14
○
説明員
(
梶井剛
君) 外資のことにつきましても、最初五カ年
計画
を立てましたときには
考え
たのであります。大体外資を二百億
程度
得られないだろうかと。それに従いまして
世界
銀行の副頭取のガーナさんが来られましたときにも、一応
公社
の
事業
の現状を英文で書きまして持
つて
参りまして
説明
をしておきました。併しそのときの話では外資は容易に得られないということがわかりました。いずれ今後機会を見ましてその折衝を進めて行きたいとは
考え
ております。又そのほかに最近電力会社などの外資には外国から機械を購したときのその代金の延べ払いのような
状態
において外資導入をしておるように見られます。
従つて
私どもも戦時中に発達しました新方式の機械につきましては外国から購入しなくちやならんものもございます。例えば例で申しますと、最近の自動交換は、今日本で使
つて
おりまするストロージヤー、即ちステツプ・バイ・ステツプ・システムはもうなくな
つて
おります。クロスバー・システムに
世界
がだんだん転換されつつあります。現在のステツプ・バイ・ステツプは、
東京
に
加入者
が五十万になりましたならばもう行詰
つて
しまう、動きがとれなくなるということが目の前に見えております。その
状態
で現在の旧式のものを
増設
して行きますことは、
あと
で取り替える場合に非常な
経費
を要しまするので、我々としてはできる限り早い機会においてクロスバー・システムを取りあえず導入して行きたい。それがためには最初にアメリカからその機械を買
つて
来ようという
考え
でおります。又マイクロ・ウエーヴにつきましても、現在
東京
・
大阪
間に
公社
といたしましては実行に移
つて
おります。併しそのマイクロ・ウエーヴ
そのもの
の優秀さということにおきましては、日本の研究はまだ欧米のそれに遠く及んでおりません。
従つて
我々といたしましては、或る
区間
に対して欧米のどれか新らしい方式を導入することによ
つて
、日本のマイクロ・ウエーヴ・システムを更に進歩せしめて、将来におけるマイクロ・ウェーヴの
計画
を日本の、つまり国産によ
つて
実行可能になるようにしたい。
従つて
そういうものを導入いたしますところの代金をアメリカの銀行から借りまして、そうしてこれを何年間の延べ払いですることができないだろうかということで、或る銀行の
東京
支店にその
考え
を申しました。そうしてその際に向うの意見といたしましては、それは非常に可能性のある話である。
従つて
これは本店にすぐ話してみようということでありまして、その後事実具体的にまだ輸入するところへ来ておりませんものですから、我々のほうも余り急いで返事をもらいに行かないのでありまするけれども、これは電力会社の例を見ましても、非常に可能性があるのであります。若しかような外資が得られたならば、この
計画
の上に更に追加して、外資によ
つて
得たところの
資金
を更に
拡充
に使
つて
行きたい。現在の
電話
拡充
計画
は先ほど申上げましたようにむしろ小に過ぎるのでありまして、
資金
が得られたならば、それ以上に一歩進めて
拡充
すべきではないだろうかという
考え
でおるわけであります。
三浦義男
15
○三浦義男君 昨日の
予算
委員会
で問題になりましたのでありますけれども、電力会社の機械の輸入でございますね、これはまあSTACが非常に骨を折
つて
くれたというような話があ
つたの
ですが、STACなんかと御相談に
なつ
たことございますか。
梶井剛
16
○
説明員
(
梶井剛
君) 電力の機械と我我のほうの機械と
大分
趣きが違いますので、
従つて
交渉する相手がおのずから違うのじやないかと思いますのですが、実は今のSTACと申しますと、内閣にある科学技術協議会でございますね、そのほうへはまだ全然交渉しておりません。外資導入につきましても、実はガーナーさんが来まして日本の
政府
からいろいろ要求を出すという話を聞いたのが我々非常に遅うございまして、昨年の九月頃です。
従つて
政府
のほうからは
電信電話事業
については何ら申入れがなかつたということでありましたものですから、我々直接に参りましてそういう話をいたしたのでありまして、日本の各
事業
からまあ大変種類も多いし、又金額も多い要求をガーナーさんに出されて、ガーナーさんがあきれてしまつたという話を聞いておるんですが、我々は聞きおかれた
程度
じやないかと思
つて
おります。
左藤義詮
17
○
委員長
(
左藤義詮
君) ちよつとお尋ねいたしますが、
只今
六
大都市
における
平均
が五三・三%というお話でしたが、これは
戦前
との比率、それから他の文明国との比率などとどういう工合にな
つて
おりますか。
梶井剛
18
○
説明員
(
梶井剛
君)
戦前
の比率は大体七〇%乃至八〇%
通話
完了ができました。それと比較いたしまして二〇%以上まだ低目にな
つて
おるということであります。 それから欧米の文明国におきましては、すぐ
電話
がつきますのですから、大体故障以外は殆んど
通話
できます。九十何パーセントの完了率だろうと我々は想像いたしております。
津島壽一
19
○津島壽一君 資料をもらいたいと思います。もうすでに配付されたものがあるかも知れないが、若しなかつたら、今度の大きな問題は
電話料金
の値上げ、
料金
の
改訂
の問題だ。それで前の値上げの
計画
と、つまり二十八
年度
の不成立
予算
に
計画
されたものと今度の提案に
なつ
たものとの収入金額の各項目別ですね、即ち度数制の値上げ
料金
と基本
料金
、或いは普通
料金
、それから定額制
料金
、
市外通話
というこの項目別の収入、増収見込額ですね、それは約百三十四億になる、その内訳を項目別に。それから不成立
予算
でその分は幾らだつたか、今度それよりも増す、今のお話では前の
計画
より増したんだというこの一覧表ですね。それで極めて常識的に
考え
ておつたんですが、間違つたら御訂正願いたいと思うのですが、今回の
電話料金
の値上げの率は二割五分というように聞いておつたんです。二割五分、これは
平均
だろうと思うので、中には一割、十割値上げのものもあれば或いは低いものもあ
つて
、全体として現在の
電話
料の収入に対して二割五分の増収を図るというように承わ
つて
お
つたの
ですが、併し実行してみると、或るものは非常に、例えば
市内電話
の度数のごときは五円が十円というから十割値上げだ、こういう大きい声がいろいろ巷にあるのです。或るものは一割しか上げないんだとか何とかいろいろこれはあるだろうと思う。若し二割五分
平均
の増収ということが事実でなかつたらこれは問題でないんですが、これはどういうのですか。これを表によ
つて頂
くと、これは
大分
高く上
つて
いるな、これは非常に低くして値上げしているなということを一覧表で見たいのですが、ございましたら、もうすでに頂いておるかも知れませんが、これは資料として頂きたい。
左藤義詮
20
○
委員長
(
左藤義詮
君) 御
説明
願
つて
、なお資料を頂いたらどうですか。ずつと御
説明
に
なつ
たら如何でしようか。
金光昭
21
○
政府委員
(金光昭君) 先般お手許に差上げました資料の中で、
料金
改訂
案比較という三枚の紙を差上けたのでございますが、こういう白い紙に、それに
只今
津島
委員
のおつしやいました今回のこの二五%増収に対します各項目別の増収額は出ております。それと
只今
お話になりましたこの値上率も、例えば
電報
料で申しますれば十三%とか、そういうことが出ております。ただ御要求のありました一割値上げのときの資料はお手許に差上げてございませんので、その点につきましては、御必要があれば後刻又作りまして御提出申上げたいと思います。
左藤義詮
22
○
委員長
(
左藤義詮
君) それでは
只今
御要求の中で
不足
の分はできるだけ早く御提出願いたいと思います。
久保等
23
○
久保等
君 ちよつとお尋ねしますが、先ほど
総裁
の
説明
せられた中に、
電話
交換の時間
制賃金要員
の問題がちよ
つて
出てお
つたの
ですが、現在どの
程度
時間
制賃金要員
の人員がいて、而も時間
制賃金要員
を、将来まあでき得る限りそういつた方向に持
つて
行こうという
考え
方でおられるのか。それともまあ差当
つて
応急
的な
措置
という意味で、いわば定員の穴埋め的な臨時
措置
としてや
つて
行こうという
考え
のか。そういつた臨時時間制要員の将来の
考え
方、基本的な
考え
方をちよつと念のためにお伺いしたいと思うのです。 それからもう
一つ
、先ほど
能率
の点でいろいろ非常に
能率
が高ま
つて
来ているというようなことをパーセンテージで言われたわけなんですが、
従つて
電話
の場合をと
つて
考え
ても、また
昭和
二十四
年度
と比較すると、
電話
の
増設
の面では非常にパーセンテージが高いけれども、人員の
増加
率はそれに伴
つて
むしろ非常に圧縮された形で、いわば非常に
能率
が上が
つて
来ておるというようなことを数字的な点で言われてお
つたの
ですが、特にここ五カ年くらい、電通省時代の
昭和
二十四年頃から五カ年くらいの間において、
施設
が実際
増加
したのに伴
つて
果して人員がどの
程度
増加
したのかどうか。それはまあ勿論そのときどきの
政府
の
考え
方として
相当
必要人員
そのもの
が削減されていると思うのですが、これは普通当然あり得ることだと思うのですが、そういつた形だとするならば、これら
施設
増に伴い当然必要な保守要員というものが
確保
されておらないという形では
事業
の運営の上からい
つて
非常に重大な問題だと思う。数字の上では非常に
能率
が上
つて
おるという形で理解されるのが、逆に実質はそうじやなくて、必要人員がいないがために、非常にむしろ
サービス
が低下して来ているという事実がこれは起きているわけです。そういう点で
施設
増に伴い人員が少くとも円滑に
増加
しているとは見受けられないのですが、そういう点でむしろ事実ありのままに、
電話
の交換機が一台殖えれば当然これについては何名必要だという形のものが、そのときの
政府
の査定といいますか、そういうような形で、実際に必要な人員が仮に百名なら百名だ
つたの
だが五十名しか実は定員が獲得できなかつたというそういう経過を、数字的な問題ですから、勿論ここでお答え願えなければ資料等で
一つ
お示しを願いたいと思うのですが、五カ年間くらいの経過の御
説明
を願いたいと思うのですが、如何なものでしようか。
梶井剛
24
○
説明員
(
梶井剛
君) 営業局長からお答えいたします。
田邊正
25
○
説明員
(田邊正君)時間制臨時要員の点についてお答えいたします。現在使
つて
おりますのは約四百名足らずでございます。それから将来これを恒久的なものとして行くかどうかというお尋ねでありますが、それに対してはこういうように
考え
ております。御案内のように
電話
の
市外通話
の申込というのは一日の中にピークがあります。
従つて
それに対して定員をそのまま充てて参ると、どうしても成る
程度
ピーク以外の時間に無駄が生じます。又逆にその無駄がないようにいたしますと、ピーク時の配員が
不足
にな
つて
サービス
が悪くなります。そういう点から
考え
まして、そういう無駄をなくしますためには、臨時的な人を使うということが一番経済的なものでありますから、そういう見地から今後なお続けて行きたいと
考え
ております。そういう
程度
であります。
久保等
26
○
久保等
君 今の点だけについて、もう一回ちよつとお尋ねしたいと思うのですが、全国で今四百名と言われたのですが、その十倍、四千名
程度
いるのじやないかと思
つたの
ですが、その点をもう一遍念を押してお聞きしたいのと、それから今言つたピーク、特別にピークに
なつ
たところだけを埋め合せる意味で時間制要員を使
つて
いるという、又将来もそういう
考え
方だということならば、それで問題はないと思うのですが、併し必ずしも具体的に
考え
て見ました場合に、そういうことではなくて一般のノーマルな運用
そのもの
を、その従事する
従業員
をむしろそういつた時間制要員というような形でや
つて
行つたほうが、
経営
的に非常に
経費
が安くつくというような
考え
方で或いはや
つて
おられるのじやないかという危惧が、懸念が若干見られる点があるようなんですけれども、今言われた点は少くともそのピーク時にいわゆる本定員ではむしろ非常に不経済だ。だからピークの点だけの特殊の場合にそういつた時間制要員という形で運用をや
つて
行くのだという
考え
方をはつきり実は確立しておられるのかどうか、もう一編
一つ
念を押してお聞きしたいと思うのです。
田邊正
27
○
説明員
(田邊正君)
只今
の人数の問題は私の記憶では確かに四百名と記憶しております。それからお尋ねの第二点は、私が先ほど申上げたと同じような
考え
方をいたしております。
靱勉
28
○
説明員
(靱勉君)
只今
お尋ねの第二点でございますが、これは
久保
委員
も十分御存じの点でございますが、御
承知
のように行政整理が数回あ
つたの
です。そういうような事情で定員の減少というものは終戦後
相当
や
つて
参りました。それから又大蔵
当局
に
予算
を要求する場合におきまして、なかなか新
施設
に対する増員というものがそのままに認められたことはない。大体半分或いは六割
程度
にとめられるというような
状況
にあつたわけでありますけれども、それは終戦当時非常に
施設
が荒廃しておつた、従いまして
戦前
の保守の、件数にしましても或いは十倍にも上つたというような時代におきましては非常に人員を要した次第でございますけれども、折角の努力によりまして
施設
もだんだんと
障害
率が少くなる、そういうような
状況
から見ますれば、定員につきましても若干のそこにゆとりができて来る。或いは御
承知
のように新たに
電気通信省
の機構になりまして、いわゆる非常に科学的な組織を作られた。併しながらなかなか実際の
状況
においてはライン、ラインのコーデイネーシヨンがうまく行かんというような
状況
から、更に機構自体についても我々は検討しなければならんというようなことになりまして、確かに昨年に比べまして
管理要員
は多くな
つて
いる。これらにつきましては、
相当
参議院の電通
委員会
等からも御批判を頂いており、又現地視察の
委員
の方々からもその
調査
報告
として御指摘を受けている。特に電電
公社発足
に際しましては、そういう点も思い切
つて
改めるというような方針が示され、私どもも誠に御尤もな点であるというような
状況
で、先ほど
総裁
から御
説明
ありました
通り
、約一万以上の人を
現場
に配置するというような
状況
にいたしたわけでございます。定員の総数としましては、今までにおきまして行政整理のたびに落ちますが、
新規
増設
が御
承知
のように非常に急カ—ブで殖えて来ている。四十六万の終戦当時の
加入者
が、現在百五十五万、まさに約四倍の
増加
でありますので、非常な
施設
の増というものはありますが、一方自動機械化も又促進されているというような
状況
を勘案いたしまして、なお私どもとしましては、定員の
合理化
というものにつきましては、更に一層努力いたすという方針の下に、二十八
年度
におきましても実行定員というものは前年よりむしろ減ずるというような形に相成るように現在
計画
されている次第であります。
三浦義男
29
○三浦義男君 ちよつと伺いたいですが、この人件費の項の御
説明
で、
公社
の
職員
の
給与
ベースを国鉄及び専売、両
公社
とほぼ
均衡
のとれたというふうに言
つて
おられますが、今どのくらいの
給与
ベースにな
つて
いるのでございましようか。
秋草篤二
30
○
説明員
(秋草篤二君) お答え申上げます。一万三千四百三十円という計算に相成
つて
おります。
三浦義男
31
○三浦義男君 それではそう安くないじやありませんか。現に何か郵政の
関係
から
電信電話
関係
が離れたので、郵政との
均衡
が非常にとれなく
なつ
た。郵政のほうを上げろというような要求が来ておるんですね。
靱勉
32
○
説明員
(靱勉君) お答えいたします。昨年の十一月に公務員及び専売、国鉄又
電電公社
のべ—スアツプが実行されている次第でございますが、その際私どもに示されました調停案におきましては、
只今
申上げましたほぼ一万三千四百三十円という点を示されたのであります。大蔵
当局
においていろいろ折衝した場合におきまして、
予算
上、その他他の
公社
との
関係
等も
考え
まして、いろいろ問題があつた次第でございますが、或いは昇給率を減ずるとか、いろいろな
方法
によりまして、その当時決定しました額というものは国鉄より低くく、専売よりたしか八円か二円かの差であつたと思います。詳しい数字の正確なところはこの次御
説明
申上げてもよろしいのでございますが、そういうような
状況
にな
つて
おつた次第でありまして、公務員との比較はどうかという問題になりますと、公務員より若干基準外賃金におきまして上
つて
いることは事実でございます。
三浦義男
33
○三浦義男君 もう一遍。それから
利子
でございますね。
利子
四十一億円と言
つて
おりますが、これは今どれだけ借入金なりお持ちなんですか、これを見てもわからないんだけれども……。
秋草篤二
34
○
説明員
(秋草篤二君) お答え申上げます。極く最近の数字を申上げますと、六百二十一億四千六百万円ほど借入金にな
つて
おります。一切合切を含めた借入金でございます。そのほかに広い意味の借入金としますと、
電信電話債券
とか、これは昨年の一月から二十億計上しました。こういうふうなものもございますけれども、これは別としまして、いわゆる借入金というのは六百二十一億ということにな
つて
おります。
左藤義詮
35
○
委員長
(
左藤義詮
君) 本日は
質疑
をこの
程度
にいたしまして、次回は明後日の午後開きたいと存じます。 すでに御
連絡
申上げておきました
通り
、午後四時頃から日本文化放送協会の視察を行いますので、多数御参加下さるようお願いいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十八分散会