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白川一雄君
豊田委員のほうから
お話がありましたが、現在
日本の
自動車工業というのは、
自動車製造工場と言うと如何にも大きうございますけれども、大部分が下請のものにな
つておりますので、ただ悲しいことには、現在の
段階では技術的に非常に
向うよりも見劣りがいたしますが、
日本の
自動車工業というものは
向うの製品に近付き得ないものじやない。近付きつつ現在相当あるので、これを言成して部品を、たくさんの部品が要るので、それを造る
下請工場を使うということは、今日
日本の人口問題を解決する一助になる大きな仕事だろうと、こういうように我々
考えますので、ただ
先ほどもありましたように、
日本の現在の国際的地位から
輸入税を高くかけるという事柄はいろいろな点で摩擦を生ずる面は多々あるだろうと思いまするが、これは
輸入するときに税金をかければ目立ちますが、
輸入をしなければそういう問題は少く済むわけなんで、我々としては役所が政策的に
業者のほうの立場も
考えて、
業者と
政府とが一体とな
つて外国に対する
一つの行き方というものをきめなければならないのじやないか、だから税金は余りに高くすると刺戟するならば、
輸入するものを少くして、極力
日本の製造数量を上げて行くというように持
つて行けば一石二鳥の効果があるのじやないかと、これはほかの
産業にも同じケースのものがたくさんあるだろうと思いますが、我々
自動車工業の一端を知
つておる者といたしましては、実際に
自動車工業として大工場の形はと
つておりまするけれども、造
つておるものはそのうちの三割か四割ぐらいでございまして、丁度まあ話は違いますが、自転車と同じようであります。自転車が自転車メーカーと言
つておりますけれども、自分のうちで造
つておるのは二割ぐらいで八割ぐらいはもう小さいたくさんの工場の部品を集めてあれはでき上
つておるので、少し
程度が違いますけれども、
自動車工業も大体そんなものなのでありまして、あれを盛んにすることはやはり従業員をたくさん働かせ得るという
産業になるので、そこは非常に国際
関係のデリケートな面がありますが、そこは民間と官庁とが組んで一体にな
つて海外に当るという線をとらなければいかんものだろうと私は常々そういうふうに観察いたしておるのであります。ですから、せいぜい一応
国産品奨励の点に……、現在の技術の点では又理論的にも負けるとは思
つておりません。ただ機械の設備その他から原価が高くつくというところが悩みであるように
考えておるわけであります。奨励して頂ければ、事
業者も多くなれば自然安くいいものを造るという趨勢が、速度が早くなるのじやないかと、こういうように観察いたしております。