○国務大臣(大達茂雄君) どうもこれは先の仮定に立
つての御質問でありますから、そう明快なことを申上げることは、これは事実上できないと思うのでありますが、改進党のほうで、この
修正案を、こういう
修正を出された、その気持に、そういうことがあるかどうか、これは私としては知らないのでありますが、
床次君が来て、そういう
説明をしておられれば、それはそうかも知れません。これは私は
関係のないことで、
自由党のほうにつきまして、然らばどうか、これも私は、
自由党で党のはつきりした
方針として、三月三十一日以降はやめてしまえという
意見がまとま
つておることは承知いたしておりません。
従つて私か今まで申上げましたことは、文部大臣の
立場において、文部大臣としての
考え方を申上げておるのであります。それは即ち
自由党の
考え方というふうなことではありませんから、その点を御了承を頂いておきたいのであります。ただ私はなるほど
地方教育委員会というのは発足したばかりであり、
従つて非常に、当然に多少の混乱を伴うということも、これもやむを得ない、又
市町村側との間にいろいろな問題が発生して来おる、その
実情も或る
程度承知しておるのであります属し同じことを言うようでありますか、折角発足したものであるから、一応はこれを育てて行くということが
建前であると思います。それを育てて行くということが絶対にむずかしいということになれば、これは
財政的な
措置を講ずるとか、或いは
教育長の問題についてみれば、そういう人を
養成するとか、これは絶対に打開のできないものではないと思
つておるのであります。地教委の本来の
制度の趣旨は別といたしましても、これは決して簡単にこれを否定することはできない、さような
制度であると思うのでありますが、それは別としましても、地教委というものがなくなれば、自然元に還
つて県教委というものの形で運用されて行くということになると思うのでありますが、今日の
地方における
教育職員というものの、その勤務の状態は、決して満足すべき状態ではないと思う、素質におきまして、六・三制というものが出発して、教員というものが、事実上十分な態勢をとることができなか
つた。今日においてもなお十分な、立派な
資格を持
つた、学歴のある教員を揃えるということは、なかなか困難であることは、御承知の
通りであります。殊に戦争中、一時我が国の
教育は事実上中絶してお
つた。又多数の優秀な青年が戦場において亡くな
つておるのであります。
従つてこの社会的な混乱と窮乏の間に発足した、一番中心となる肝心の教
職員の素質というものが、今日満足すべき状態ではないということは、これは当然のことであろうと思います。何をおいても素質の向上を図るということが、今日の重大なる要務の一つであります。それと同時に、
地方における教
職員の実際の教壇に立
つた勤務の状態、こういうことは日本の義務
教育を真にその所期の目的を達成する上に、次代の国民を作るという上から言
つて、これは非常に重大なるポイントであると思うのであります。然るに今日
教育職員の勤務の状態、その
教育の仕方、
制度が、所期の目的を達成するように果して行われておるかどうか、これを実際、脇でみる組織がないのです。県教委というものはありまして、これが県下全
町村の隅々に亘
つて教員の勤務の状態を見届ける役目を果すことはむずかしいのであります。できない相談であります。この役目を果すのは地教委以外にはないのであります。少くとも現在の
教育の上において、その役目を果すものは地教委以外にない。私は地教委が健全な良識と、選挙によ
つて出て来たのだから、一般大衆の信頼に応えて、真面目にその仕事が運営されてくれば、これは私は極めて重要な機関である、こういうふうに思
つているのであります。
従つて今日、発足当初においては、窮乏と混乱の中から出発しておるのでありますから、いろいろ批判を受ける点はあるであろうけれども、できるならば、これを悪いところは是正して、そうして健全な運営が行われるということは、我が国の義務
教育制度を、振興充実する一つの要件をなしているものである、こう思
つているのであります。私は
自由党のかたにもそういう人がいる、改進党もそう
考えている、ただ併しその
建前から、
立場から言
つて、放
つているというのではないのでありまして、私はでき得るならば
皆さんの御協力を頂いて、地教委というものを健全なものに作り上げて行きたい、こういう強い希望を持
つているのであります。