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政府委員(
武岡憲一君)
平衡交付金の
算定上、いわゆる交付基準額と、配分すべき普通交付金の額との間に、昨年の例で申しますと、五十億前後のずれがあつたということを申上げたわけであります。その点は
只今御質問のような基準財政需要額の見方というものを、
財政計画に現われておるところのいわゆる標準財政需要額というふうに区別して呼んでおりますが、その団体で必要な全体の需要額の八〇%
程度のものに基準財政需要額を抑えておるために、その五十億
程度のものは、そこらの加減でどうにでもなると、こういう
意味で申上げるのではありません。いわゆる全体の標準財政需要額に対しまして、税の七〇%、それから交付金の九二%、これで
算定をいたしますところの基準財政需要額というものは、これはもう動かないものなんでございます。観念上動かないものなんです。ところがその基準財政需要額を
算定いたしまして、それから一方基準財政
収入額を計算いたしまして、その差額を
平衡交付金ということに建前上はなるわけなんですが、その場合に、
財政計画上、配分すべき交付金の額が仮に一千億なら一千億だという場合に、その各団体ごとに計算をした基準財政需要額と、各団体ごとに別に計算をした基準財政
収入額との差が丁度一千億になるような計算ができるものならば、これは問題がないわけなんです。ところが実際には大体今の基準
財政計画の全体の規模というものを一応想定いたしまして、それに対しまして基準財政需要額というものが、大体どれぐらいのものだ。いわゆる八〇%の枠に大体抑えるわけなんですが、そういうものを目安といたしまして、その基準財政需要額を
算定する基礎として、単位費用を今ここにきめるわけなんですが、その場合に大体基準財政需要額として仮に二千九百億なり三千億
程度のものでございますが、仮に三千億なら三千億の基準財政需要額を
算定するために必要な単位費用は一体どれだけかというのが、一応の実は目安になるわけです。ところが初めから三千億の基準財政需要額というものをきめて、そうしてそれを各行政項目別に割
つて、その三千億の中で土木費は幾ら、教育費は幾ら、経済費は幾らと、こういうように需要額が分れるわけでございますが、その土木費の需要額の中で、その需要額に見合うところの、と申しますか、その需要額の
算定の基礎になる測定単位の数値、仮に人口でありますれば人口が何人、これは補正いたしますれば、補正された人口が何人というのが出て来るわけでありますが、その人口で割つたものが、実は単位費用になるわけであります。ところが一応それが三千億なら三千億という目安を仮に置いて、それから逆算と言えば逆算になるのですが、計算をして仮に単位費用を出しても、実際に各団体ごとに計算をして来る場合には、一万有余の団体から、それぞれ人口が何人、それから又面積は幾ら、生徒数が幾らと、こういうふうに細かい数字が出て参ります。それを基にそれにいろいろ細かい具体的な補正をや
つて数字を出すわけです。
従つてそれをずつと積み上げて計算をして参りますと、それを集積したものが必ずしも三千億にならないわけです。これは初めから三千億ときまつたものを、各団体に配分するわけじやなくて、数字自体は下から積み上げて参りますので、どうしてもその間にずれが出て来る。これがどうもごの三千億の財政需要額を測定するに当りまして、財政
収入額との差額に対して、昨年ですと五十億、お示ししました
資料によりますと、二十六
年度では三十億
程度だ
つたのでございますが、この
程度の誤差は、誤差というよりは差額というものは、どうしても出て参るわけであります。その場合に、問題は基準財政需要額の改訂、仮に今の三千億という目標できめたところの単位費用が、現実に計算をして見ると、実際にあるものよりは多かつた、財政需要額の測定自身が多過ぎた、そのために基準財政
収入額との差額が千億となるべきものが実は千百億に
なつた、こういう結果が出て
参つておるわけですが、仮に五十億という数字で申しますならば、千億であるはずのものが、千五十億という差額が出て来た、この
程度のずれは止むを得ないということを実は私は申上げておるのであります。そこでその場合に今の例で申上げますならば、千五十億というふうに
算定されるような単位費用というものは、実際
平衡交付金を
財政計画通りに適用するならば、もう少し低い単位費用でもよかつたわけですが、それだけ多いということは、財政需要額の見方をそれだけ多く見ておつたということになるわけであります。そこでさような
程度のずれは、どうしても単位費用の計算上出て参りますので、今度単位費用全体の
財政計画におきまして、五十億の
平衡交付金が追加に
なつたといたしますと、今の千億の
平衡交付金が千五十億円になる、そういたしますと、今の計算のままで行きましても、どうせその差額に出て来るものは千五十億でありますから、今の単位費用を以ちまして計算いたしましたものの差額が千五十億、それが
従前のままであれば五十億の差があつたはずのものが今度五十億が追加に
なつたからちようどとんとんと、こういう結果になるわけであります。本来から申しますならば、そういうように千五十億に
なつたときのように、実は今の単位費用をきめなければいけなかつたわけでありますが、これはたまたま数字が一致するのだというお話を申上げておるのでありますが、実際にはさようには参りませんけれども、理窟から言えば、そういうことになるわけであります。そこで今度五十億追加になる、
財政計画上の
給与費なら
給与費というものが八十七億殖えたからと
言つて、単位費用をずつとそのまま上げて来ますと、その差額は依然として残る、差額は残しておいても、理窟から言うならば、どうせ前からあつた差額だし、追加に
なつた分は追加としてこれは別問題だ、だから差額は幾らになろうと、財政需要額の測定自身を延ばしたらいい、これは一つの御
意見だろうと思います。そういうふうに延ばして参りますと、まあ各団体に配分いたしますときには、調整率の
関係がございまして、各団体にそれを千五十億のものを千億に圧縮して配分しなければならんという問題も起
つて参りまして、成るべくならば、その調整率の幅は狭いほうが理想に近いと思うのでありますから、その
程度のものであるならば、今の単位費用を千五十億になるような現在の単位費用を使わして頂きましても、実際の配分には余り大きな支障はないということを実は申上げておつたわけであります。ただその中で問題になりまするのは、同じ千五十億、三千億の財政需要額の
算定も、その中で
給与関係の経費というものとして見ておつたものと、その他の物件費なら物件費として見ておつたものの財政需要額の割合というものが、仮に割合というものがあるといたしますと、今度の
修正によ
つて、同じまあ仮に中身も三千億であ
つても、
給与関係のほうに重点を置くのだ、こういうような
修正があつた場合に、今のままの、たまたま今の単位費用で測定されたその三千億の
内容そのままでいいかという問題はこれはあると思います。
従つてこの点を十分に出た数字によ
つて検討いたしまして、今の単位費用を今のままで計算したところの財政需要額の
内容が、それによ
つて算出された基準財政需要額の
内容というものが、今回の
地方財政計画の
修正されました
予算書の御
趣旨に合
つておるかどうかというのが、私は問題になるだろうと思います。
従つてその点を十分に一つ
検討いたしまして、これはたまたま数字は仮に三千億ということで、数字は一致するけれども、
内容が非常に合わない、
給与費の見方が非常に足りないのだということでありますれば、単位費用を変えて、物件費のほうを減らして
給与費を殖やそうというような
修正をしなければならんと思いますが、併しながら大体まあ前回申上げましたように、単位費用の
算定の基礎になる
給与費と物件費の割合の見方も、一応は現在の
地方財政計画の規模を目安にいたしておりますけれども、その間に厳密な基準というものが、絶対的な基準というものがあるわけでなくて、大体を見てや
つておりますので、まあこの
財政計画から申しますならば、二千億から三千億近くの
給与に関する経費の中で七、八億
程度のものが
修正になりましても、その
給与費全体に現われて来る
給与費のウェイトが非常に変らなければならんというようなことには或いはならんのじやないか、これは私たちの期待でありまして、さようなことであれば、今のままで使わして頂きたい、併しそれが
趣旨に副わんということであれば
改正をしたい、かように申上げておるわけであります。