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1953-08-04 第16回国会 参議院 地方行政委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年八月四日(火曜日)    午後零時二分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     内村 清次君    理事            石村 幸作君            堀  末治君            館  哲二君    委員            西郷吉之助君            長谷山行毅君            小林 武治君            島村 軍次君            秋山 長造君            若木 勝藏君            松澤 兼人君            加瀬  完君   政府委員    国家地方警察本    部長官     斎藤  昇君    国家地方警察本    部警備部長   山口 喜雄君   —————————————   本日の会議に付した事件地方行政の改革に関する調査の件  (日産化学工業株式会社鏡工場労働  争議事件に関する件)   —————————————
  2. 内村清次

    委員長内村清次君) 只今から地方行政委員会を開会いたします。  昨日の理事会及び委員会で御承認を願いました、先般来当委員会で取上げておりました熊本県の鏡支部労働争議に対する警察官介入事件でございますが、この事件関係に対しましては、去る二十七日の当委員会におきまして、一応委員会といたしましての取扱を終局するような形でおつたわけでございますが、翌日の熊本日日新聞には、この委員会の決定が非常に誤つた観点から報道されておるのでありまして、その報道の各責任部署に対しまして、これは非公式ではございましたが、この記事の面から来て、国警本部及び県本部、それから関係新聞社記者というような連繋の状況取調べましたのでございまするが、まだその真実がはつきりしておりません。この点につきまして、当時取調べました国警本部山口警備部長の発言からいたしますると、国警長官にもこの由は報告するというようなことでございます。この記事を見られまして、国警長官といたしましては、どういう処置をとられたのであるか、この点を一つ今日議題にいたしまして、その真相を質したい。そう申しますのは、これはもうすでに委員皆様がたもよく御存じでございまするが、当時最後に私も申しましたように、あの事件というものが、何と申しますか、九州の、而も又警官武装出動という問題につきましては、どちらかと申しますと、縁のある地域に対しましての状況でありました関係で、関係するところが非常に多かつたわけでございます。できればこれが今後そういう事態が起らないようにというような考え方を以ちましての委員会取扱であつたと思います。それがこのような結論が出たということで、かく一方的な結論を報道されるということは、民心に与える影響というもの、或いは又当時の関係者に与える影響というものが、非常に甚大であつたわけでございます。各方面からも地方行政委員長のもとに、或いは又委員会のもとにも、それぞれ情報といたしまして真相を早く発表して頂きたいというような電報も来ておる状況でございまして、この点につきまして各委員の方々に報告を申上げました上について、この真相を質して行きたいというのが議題の趣意でございます。
  3. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) 先日委員長から非公式に山口警備部長をお呼びになつて只今お話のあつたことを私は報告を受けました。そのときに、この新聞山口部長から見せてもらつたのであります。で、私はこれは真相違つたまずい記事だという感じをいたしたのであります。それでどういうわけで一体こういう連絡があつたのだと、先ず聞いたのでありますが、係の警部熊本と話をしている際に、向うからあの事件のなにはどうなつたでしようというような尋ねがあつたので、警部は、大体長官委員会で、警察官出動はおおむね何といいますか、間違つてはいなかつた、併しいろいろ将来気を付けなければならん点が多々あると思う、それらの点は十分伝えるからというようなことで、あの話は調査はもう打切りになつたらしいということを電話で話したようであります。これは公けの連絡とかいうのではなくて、何か話のついでにそんな話をしたらしいのでありますが、それがどういうわけで、こういう記事になりましたか、こうなつたのであります。御指摘のように、この委員会結論が出されたというようには私も感じておりません。で、私といたしましては、この委員会において申述べました通りに、隊長は勿論、隊長のみならず、全部の警察に、この前委員会でいろいろお話のありました点をよく伝えまして、今後過ちなきを期したい、かように感じておつたのであります。で、私といたしましては、この七日に全国管区本部長会同させまするので、その席で、ここであつた意見の次第、私の述べました意見等を、更に具体的に詳細に申述べまして、特に熊本を管轄しております熊本隊長にもよく伝えるように、又ほかの全国隊長にも、こういう事件の処理というものについて、こういう点はこういうふうにしなければならないという点を申伝えるつもりでおつたのであります。従つて公文を以ちまして熊本のほうに何も言つておりません。ただこういう連絡といいますか、雑談の結果がこういうものになつたといたしますれば、或いは労働組合側又その他におきましても、記事の正当な内容を伝えておるわけではありませんから、警備部長熊本隊長に私が只今申しましたような、只今申しましたと申しますのは、この前の委員会で申しましたような次第を話をいたしまして、この記事は、適当な方法があれば、訂正しておいたらよかろうという注意はしておきますと言つておりましたから、それはしたであろうと考えておるのであります。  なお、この記事を私のほうから是正する方法が或いはないのかというような御意見只今混つてつたかと存じまするが、或いは熊本日日のこちらに支局が若しありますならば、この記事について、私はこういうように語つたということを若し書いてもらえるならば、私は話をしてもいいと思います。熊本日日新聞かそういう扱いを必ずするであろうという、ちよつと私は確信は持ちませんが、そういうふうに一つ記事に出してみてくれんかというような話は、私はいたすのにやぶさかではありません。
  4. 内村清次

    委員長内村清次君) それからちよつとお尋ねしますが、熊本国警隊記者を呼んで、熊本国警隊から本部に問合せた事項について発表したのか、この点は長官はおわかりでございますか。又同時にその発表したのは国警隊の誰かということも、その後取調べておられますか、どうですか。
  5. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) 私はその報告を受けておりませんが、警備部長は承知をしておるかと思います。只今衆議院法務委員会に出ておりますから、ここへ一つ呼んで参りますからちよつとお待ち下さい。
  6. 若木勝藏

    若木勝藏君 只今国警長官お話を聞きまして、私も十分聞きとれなかつたのですが、その記事出場所、この関係はどういうふうになつておるのでしようか、はつきりしておるのでしようか。
  7. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) その出場所は、私警備部長からまだしつかり報告を受けておりませんので、警備部長は調べるといつておりましたから、或いはもう警備部長報告を受けておるかも知りませんが、今呼んでおりますから……。
  8. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 国警長官に、今委員長も言われたのは、恐らく熊本新聞警察出動が正当であつたという見出しで、あの文句は非常に場合によつては、目障りになるしするんじやないかと思うのですが、国会でこの間いろいろあの件について話を各方面から聞いたことは、あの例に限りませんが、ああいうふうな場合には、卑近な言葉で言えば、大概五分々々といいますか、ですからああいうふうなことを国会で取上げた結果が、ただ警察方面だけ正しかつたという見出しつたから、非常に人に誤解を与えるのじやないかと思いますので、この事件に限りませんけれども、ああいう国会で取上げたような問題については、やはり警察側発表なさるなら誤解なきようにやはりやりませんと、如何に正当な行為でも、末端においてはいろいろ行過ぎその他が双方にあるのですから、あの場合、警察隊長としては、ああいうふうな見出で書かしたようなことを若し言つたとすれば、折角一応ああやつて済んでおるものが、又刺戟を与えますから、そういう警察隊長談話発表なんかというものについては、今長官の話だと、七日に会同があるという話でありますから、その際にはやはり警察側としては、自分の行動が正当であつたということが言いたいではありましようけれども、又そうしますと、又新たに問題を起して紛糾するのですから、やはり今日警察側は国民の警察民主警察ということになりつつある段階でもありますから、中には行過ぎもありますから、相当私は記者との会談というものは慎重にして、その発表が又新たな波紋を起さないように、そういう点は長官からも、更に全国に向つて、特に隊長に対してはそういうことの取扱については慎重であるということだけは、この七日の会同にも、この問題だけでありませんから、是非そういう点を十分に注意するようにお願いしたいと思います。
  9. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) 誠に適切な御注意賜つたと存じております。西郷委員の仰せの通りでありまして、必ずこの点は十分注意をいたしたい、非常にいい御注意を賜わつた思つております。  なお、このことにつきまして、この委員会を又お開きを頂くというようなことになりました結果は、私としては非常に申訳ない次第だと考えております。恐らくこれは隊長発表したということはないだろうと思つております。山口隊長が参りまして、どういう結果を申上げるか存じませんが、若し隊長発表したというようなことでありますならば、隊長としての識見に私は大いに欠くるところがある、こういう発表を若ししたといたしますれば、さように考えます。ただ警部あたりが話のついでに記者語つて、こういう記事が出たというのであれば、これは又別でありますが、それにいたしましても、さような不注意な言動は余ほど慎しむように、只今西郷委員からも御注意がありましたように、十分訓戒を加えたいと思つております。
  10. 山口喜雄

    政府委員山口喜雄君) 新聞に掲載されましたいきさつにつきましては、誰がどういう記者に会つて発表したのか、或いは又机の上にある書類を見られたのか、そういう最後の具体的なことにつきましては、私はまだ熊本県に照会はいたしておりません。ただ隊長新聞記者に会見をいたしまして、こういう内容発表したとは私は思つておりません。私隊長電話連絡をしました際に、隊長の言いますのは、いや、私は警察新聞にどのように書かれようとかまいません、こういうことを言つてつたのを記憶しております。熊本隊長の性格からいたしましても、私は、若し自分記者団と会つて発表しておれば、自分言つたのだということを言つてくれたと思うのです。ただ記事が出ました具体的な事情につきましては、誰が誰に話したということにつきましては、私はまだ残念ながら熊本にその点の聞き合せをいたしておりませんので、只今お答えはいたしかねます。
  11. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) 只今お聞きの通りでございまするが、これは私が責任を持ちまして、どういう経路でこれが新聞に伝わつて記事になつたかということを調べて見まして、そうして先ほど申しました考え方によりまして、十分将来を戒めたいと思います。なお、先ほど申しましたように、熊本日日新聞のかたに、私がこの記事を見て、こういうように語つたと、委員会で又これが取上げられて問題になつて、こういうことになつたことは非常に残念であつて、我々の意図するところではなかつたというような意味のことを書いてもらうように、私の談話として書いてくれないかという申入をいたしたいと思います。そういうことで一つ御了承を願います。
  12. 内村清次

    委員長内村清次君) 只今斎藤国警長官の言われましたことはよく了解できます。ただ山口警備部長が、当時私も非公式にあなたを通じて出所を取調ベた、而も又この記事面には、国警本部からの通報により、というようなことが書いてありますから、そこで特に国警本部の、当時の委員会におられて空気をよく存じておられたかたが、熊本国警隊に御通知なつたんだと、こういうふうに直感をいたしました。又その記事もその通りですから、そこで取調べを願つた際に、警備部長は、名前はちよつと忘れましたが、国警隊のほうから電話がかかつて、それには警部が応答をして、そうして模様を話したと、こういうことだけははつきりしたわけですね。誰が、国警隊のどういう人が電話本部連絡をとつたのか、その点は聞かなかつた、その電話をとつた人がやはり新聞記者にどうい状態報告されたのか知らんが、とにかく当時の新聞は、この新聞ばかりではなくして、ほかの朝日、それから西日本、毎日というような地方版にも、一齊に掲げられたというような情報は入つておるのですね。だからして個々に新聞記者が隊のほうに来たのか、隊のほうから発表されたのか、その点はまだ不明ですけれども、そういうようなことで、とにかく国警隊のほうから出さないと、そう中央の状況を一々地方新聞記者が関知しているわけではないと思います。で、勿論その当時は幾らか国会委員会内にも新聞記者のかたもおられたかも知れませんが、私は不明にして、どこの新聞記者がどの人だということも知つておりませんが、おられたかも知れませんが、そういう人たちが一齊に共同通信を以て発表をしたというような点につきましても、まだ取調べは十分できておりませんが、併し問題は、この記事にあるように、国警本部に問合せて入電があつたということを考えてみると、やはり本部のほうからの、先ほどあなたが言われた警部の人が電話がかかつて言つたことが、熊本国警隊から発表せられたということだけは、一通りの筋ではなかろうかと、こう思うのですね。それに各社の新聞の編集上、いろいろ色を付けたり、或いは見出しを違わせて出すことは、これは新聞社がやつたことだろうと思うのですけれども、併し記事内容を見ると、どうしても結論として出した委員会状況とまるつきり違つておる、この点だけは、これははつきりするわけですね。だからそうなつて来ますると、元に戻るかも知れませんが、非常に一方的に空気が伝わつて、そうして今までの長い間委員会として取上げた問題が歪曲されるということになつて来てはいかん、どつちが勝つたどつちが負けたということは、輿論の心理かも知れませんけれども、そうあるべき問題ではないと、私たち考えて慎重に取扱つて来たわけです。それがこういうふうな見出しが出ておるということは、誠に遺憾ですから、先ほど国警隊長の言われた気持はよくわかります。それは一つ委員会としても、又個人といたしましても、是非一つこれはそういうふうにして頂きたいと、こう思つておるのです。問題はこれを末端におきましては、輿論に訴えて自分正当性を固持して行くというような考え方があれば、これは影響するところが大だろうと思いますから、この点だけは一つ矯正してもらう、この点だけは一つ真相を究明して、やはり一方に偏るようなことを常にやつて、そうして輿論に波及するところが甚大な点を考えずに、ただ自己だけの独善的な考えを持つて行こうとするやり方ということは、どうしても矯正しなければならんと私は考えます。
  13. 若木勝藏

    若木勝藏君 先ほど山口警備部長の御答弁、それから国警長官のいろいろな御意見、こういうふうなものを伺いまして、私はここに一つの問題を考えるのでございます。それは明らかにこの新聞では、「国警本部から県本部に入つた連絡によると」、こういうことを断わつてあるのです。そうして又今の山口警備部長からのお話を聞くというと、連絡があつたことは事実である、そういたしますと、若し警官隊出動は正当であるというふうなことを、国警本部のほう或いは県との連絡において明確に出ておらないとすれば、この記事は歪曲されたところの記事である、こういうふうに考える、そうしますと、先ほど本部長官の言われた、若しできるならば私はこれを訂正するような談話新聞社に申入れて、そうしてこれを掲載してもらいたいというふうな微温的なものでは、私はいけないと思うのです。いやしくもこういう重大な問題が地方行政委員会でこれを取上げて、このやつた結果が全く地方行政委員会のあの状態と合わないところの歪曲されたような形に出ておるということの重大な問題を、そういうふうな、若しできたらこれは掲げてもらいたいというような、そういう態度では、我我個人といたしましても、自分の一身にかかわるものが歪曲されて出た場合には、当然取消要求する、そういうふうなことができるのであります。いわんやこういう、いわゆる鏡工場のような労働問題の大きな問題がこのままにして終るならば、成るほど一般の人が見まして、あれは警察やり方が正しかつたのだ、こういうふうに、この記事がこのまま残つて行けば、残されてしまう、これは私は大きな問題だと思う。そこで私は本部長官に伺いたいのは、そういうふうな談話ができたら掲載してもらいたいという態度でどこまでも臨まれるのか、これをこの警察本部県本部との連絡に基いて出したというこの記事を捉えて、どこまでもこれを訂正させるのか、その点を伺いたい。
  14. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) 若し熊本県本部発表を、或いは記者語つた事柄と全然違つたことであれば、これは私は取消要求はできる、又さしていいと思うのでありますが、私の感じでは、恐らくこういうことを言つたのじやないだろうかと思うのです。不用意に、下の警部警部補か存じませんが。そうであれば、新聞取消要求はできないのじやないか、私としましては、これは内部の関係でありますが、更にここに通牒は出したいと思つております。こういう記事の出た、先ずその前に取調はいたしますが、それについての扱い方はいけないという判断になれば、そういう通知を出す、あのときの結論はこうこうこういうと、結論じやありませんが、あのときは私はこういう意図で述べておいたのだから、警察官出動についても、これこれの点は今後留意しなければいけないという点は、私は通牒にしたいと思つておりますが、これを更に新聞に書いて下さいと言うて書いて下さるかどうか。私の談話ということであれば、或いは書いてくれるかも知れん。それが一番新聞に出る方法じやないか、かように考えます。
  15. 若木勝藏

    若木勝藏君 そうしますというと、長官のお考えは、よく事実を調べて、部下のほうにおいてこういうふうなことを言つたということになれば、これは取消し要求はできない、言わないということになると当然取消し要求を出されることになりますか。
  16. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) 誰も言つた者がないということであれば、取消し要求は、私は出すように命令したいと思つております。
  17. 秋山長造

    秋山長造君 私は、この前の二十七日の最後委員会のときに、委員長なり又各委員のかたから、いろいろお話がありまして、又国警隊長からも、国警本部長官からも、最後の御挨拶が縷縷ございまして、そのお話に私も虚心担懐に耳を傾けまして、斎藤長官の意のあられるところを或る程度納得をしておつたのであります。又只今内村委員長なり、西郷委員なりの御意見に対する長官の御答弁によりまして、長官のお考えもよく了承したつもりでおるわけでありますけれども、併しながら、ただ、先ほどからいろいろお話がありますように、この委員会でこれだけ長い時間と労力を費やして、更に労働委員会との連合委員会まで開いて慎重に調査して来た問題が、まあ一応けりがついたあとでありますから、当然私は国警本部長官みずから、何と申しましても、この問題は熊本現地にとりましては、微妙且つ重大な影響を持つ問題でありますだけに、あの直後直ちに本部長官から熊本小林隊長に対しまして、つぶさにこの委員会状況なり、又本部長官のお考えなりを徹底させて頂けておつたものだということを思つてつたのでありますけれども、遺憾ながら、長官並びに警備部長お話を聞きましても、そういう御処置はとられておらない。ただ、現地のほうから聞き合わして、何かの連絡のあつたついでに、その話が出たのへ受け答えをされた程度、而もそれが斎藤長官なり山口部長が直接にお話になつたのではなくして、今の委員長お話によりますと、何か警部か何かの人が間接の話を、こうなつたらしいくらいな話をされたように私は承わるのでありますが、これでは私どもの期待を裏切ること甚だしいと思うのであります。なぜその直後に責任のあるかたが向う責任のある人に対して、はつきりとした御連絡をして下さらなかつたかということを感ずるのであります。まあこの問題は、今申上げましても済んだことになりますけれども一つ今後は、余り軽くお考えになつたわけでもないでありましようけれども、併し、警察電話で御連絡になれば、そう時間のかかる問題ではないわけでありますからして、こういう問題につきましては、先ほど長官言葉をそのまま実行に移して頂くように特にお願いしたいと思います。
  18. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) 只今の御意見御尤もに存じまするが、私といたしましては、これは非常に大事な問題であり、ただ電話で話をするというのでは、十分徹底をしない点が多いのじやないか。あの事件を顧みまして、いろいろ私は検討する点が多いことを思つておるのであります。従いまして、この七日と言いますと、開かれましてから十日でありますが、この七日の管区本部長会議の際に、特に当該管区本部長は勿論、全管区本部長にも話をし、こういう問題の起つた場合の扱い方というものを、これを例にいたしまして、いろいろ細かく研究をすると同時に、私も意見を言い、将来を間違いのないようにいたしたい、そのほうがよろしいと、こう思つてつたのであります。急を要するよりは、むしろそう言つて詳細に検討したほうがいい、こう思つてつたのであります。従つて、この記事のことにつきまして、私は山口部長から話がありました際に、一体そんなことを誰が連絡したのだ、而も、その連絡部長が決裁したのかということまで私は言つたのでありますが、その回答は、これは正式な連絡というのでなしに、話のついでにこういうふうなことだつたらしいという話が取交されたように報告を受けましたので、これはまあ止むを得なかつたと思いますが、そのことについては、箝口令を布くということもできなかつたために、やはり今おつしやるように、すぐ文書或いは電話連絡をして置いたほうがよかつたかもわかりませんが、私はかような結果になるとは思つておりませんでした。むしろ事実を詳細に検討し、それから詳細に将来注意すべき点を検討し、過ちなきを期す、そのためには相当時間をかけて話し合うということが必要だと、かように思つておりましたのが、この結果に相成りました。
  19. 秋山長造

    秋山長造君 言葉を返すようで甚だ恐縮でありますけれども、私どもも実は極めて重大な関心を持つておる問題でありますので、重ねて申上げたいと思うのですが、長官先ほども、又只今も、この話を聞いて、直ぐ現地のほうへ誰が誰に連絡したのだというようなことを聞いてやつたと申されるのでありますけれども、それは恐らく長官が御自身で現地のほうへ聞き合せられたのでなしに、ここに御出席になつておる山口警備部長お話しになつたんだろうと思うのですが、ところが、山口警備部長は、只今の御答弁では、内村委員長から新聞を見せられて、その話を聞いた後、現地へ御連絡にならなかつたのじやないか。又現地お話もだから聞いておられんのじやないかと、私は先ほどの御答弁で承わつたのでありますが、そのいうことになりますと、やはり我々としては、国警本部のほうで、実はこの問題をこの委員会で取上げた我々の考え方ほど重くは見ておられなかつたじやないか、まあ済んだ済んだぐらいで、まあ国会で忙がしいし、そのままになつてつたんじやないかというような邪推をさえせざるを得ない。先ほど直ぐ電話ででも連絡してほしかつたということを申上げたのに対しまして、電話連絡よりも、やはり本人を呼んで、少々遅れてもよく話し合つたほうがいいと思つておられたようでありますが、勿論電話連絡では意を尽せませんので、本人を呼んで頂いて、直接膝を交えて、よくつき合して、よくお話し頂ければ、一番いいのでありますけれども、併しただその間に十日間という日にちが隔つておるわけでありまして、僅か十日間でありますけれども、やはり二十七日にこの委員会最後の締括りをつけたということは、現地にピンと響いておることであります。特に新聞社あたりはそういう点については寸刻を争つて報道をしたがるというのは、これはもう当然のことであります。それだけに七日に小林隊長を呼んでお話になるおつもりは、それはもう非常に結構なんですけれども、それならそれであの委員会の済んだ直後にすぐ電話連絡なり何なりで、あの委員会の結果については、七日の隊長会議のときに直接よく話をするから、それまでこの問題については余り喋べるなというようなくらいの御連絡はあつて然るべきでなかつたのかというように、私は考えるのでありますが……。
  20. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) いや確かにさようでありました。殊に結果から見ましてなお更そうでございます。地元で、東京のこの委員会の模様が、地元の警察から発表、或いは話を聞いて出ようとは、私はちよつと思つておりませんでした。この点は非常に識認不足でありました。その点をお詫び申上げます。
  21. 山口喜雄

    政府委員山口喜雄君) 先ほど現地新聞に出ましたいきさつは聞合わしておらないと申上げたのであります。従つてこちらから連絡をした者、向う電話を受けた者は知つております。それはこの委員会に当初からずつと出ておりました、この事件関係の主任の警部です、こちらからかけたものは……。そして普通連絡します場合は、管区本部を通じて連絡をするのです、我々は普通の場合は。その男が福岡警察管区の警備課長に連絡をこちらからしております。その後熊本県のほうから、気になつたと見えて、熊本警備部長が警備課に、その男のところに電話をかけて来ておる。それに対してこちらから又行つておる。従つて熊本県には福岡の管区本部からも当然一つ連絡が行つておるわけです。それから国警本部からの連絡も行つておる。二つ行つておるので、恐らくこれは私は新聞に書いておるのは、後者のように書いてありますからそうだろうと思いますが、現地で誰から出たかということについては、実はまだ私突きとめておりません。この問題につきましては、私が直後、直ちに隊長連絡をすればよかつた、これはもう私の手落ちであるということは重々痛感しております。なお、その後この問題に関しましては隊長と二回ほど直接に電話で話しました。隊長の気持も、実は今朝私の家に隊長自身から電話がかかつて来て、現地で総評の代表者と隊長が面会された模様を、今朝私は連絡を受けておるのであります。
  22. 若木勝藏

    若木勝藏君 議事進行について。今国警長官から、誰がいわゆるこの記事の種を出したか、そういうふうなことについては、これからまあ調査される。十分調べられる。若しこちらのほうから出たということが——出たのでないかと思われる——若し出たということになれば、この問題についてはまあ長官としての談話発表したり、それからこちらから、そういうふうなことが全然出ておらんとすれば、取消を命じさせる、こういうふうなお話でありました。それから秋山委員から、この取扱いに対しての、国警本部のこの扱い方が、我々が非常にあのごとくに重大視しておつた、この問題に対する扱い方としては、非常に軽んぜられておる、非常に疎漏であるというふうな遺憾の意が述べられた。私もそういうふうに思うのであります。そこでこの問題を今後どういうふうに処置するか。私の非常に心配な点は、この新聞記事がこのまま残つて行くということに対しては、これは非常に心配がある。というのは、一般がやはり鏡工場事件は、あれは警察のやることが正しいのだということが最後まで残つて行く。この問題に対して、我々地方行政委員会としては、一応この問題は、この記事のごとくでないということをはつきりさせなければならんと思う。そこでこの問題を今後どう扱うかということにつきましては、先ず国警本部のほうで、長官の言明されたことを我々は信じて、そういうふうな方法をとつてもらう。若しその結果がどうも我々が考えておつた通りのような形に現われなかつた、そういうふうな場合において、我々地方行政委員会としては、この問題の最後的な結末を付けるために、何らかの又委員会としての措置をとらなければならん、こういうふうに考える。そういう如何なる方法をとるかということを……。
  23. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今若木君から、そういう意見がありましたが、これは委員会の手落ではないのです。この委員会がああいうふうな事件取扱つて、ああいうふうに委員長が苦心をされてやつた。その表現の仕方、殊に新聞の表現の仕方がああいうふうになつたので、誤解を生じておるのですが、今委員長初め各委員から、長官その他にも要望になつて、今の、私が聞けば、いろいろ見方によつては不十分な点があるかも知れませんが、やはりこういう問題を、今後又この表現の仕方が間違つてつたから、委員会が取上げなければならんというふうなことでなく、そういうことは却つて我々の権威に関するので、これは我々が発表したのでありませんから、単に地方新聞取扱つてああいうふうに発表したので、私も先ほど委員長に次いで長官にも要望した通り、今のお話で大概もうわかつておるので、やはり今後は国警長官の良識に基いて、その処置を善処されることを希望すればいいので、この表現の仕方が間違つてつたから、又委員会がそれに対してどうということは、私はおかしいと思う。
  24. 秋山長造

    秋山長造君 西郷委員の折角のお言葉でありますけれども、私ちよつとその点は意見を異にするのでありまして、まあ単なる一地方新聞の表現の問題だというような御意見でありますけれども、私は必ずしもそうではないと思うので、単なる地方新聞の表現の仕方がどうこうというふうな問題に過ぎなければ、お話通り大してこれを取上げるほどの問題じやないかとも思いますけれども、やはりそうではなくて、その言葉の中に書いてありまする通りに、国警本部からの報告によればという権威ある裏付が与えられておるのであります。そこで我々委員会といたしましては、やはりこれだけ我々が関心を持つて取上げて来た問題が、そういう形で現地において結末がつけられるということに万が一にもなれば、これは由々しい問題だ。だから我々としても無関心ではおられたいからこそ、昨日の委員会の決議によりまして、本日国警長官においでを願つて、その真相をお聞きしているわけなんでありますからして、決して単なるこの言葉の問題だというように軽くいなしてしまうことは、私は適当ではないと思うのでありまして、やはり我々がこの委員会で、これだけ論議を尽くしてやつた結末が、そういうことでいい加減になつてしまうのでは、それこそ我々地方行政委員会としての面目もなければ、権威もない問題でありますからして、只今以後のこの扱い方につきましては、やはり次の実際の情勢の推移というものを見てからでなければ、今すぐもうそういうことは一切する必要がないというような即断はできないのじやないかと私は考えます。
  25. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今多少私の言葉が足りないから誤解を与えたかも知れない。私も冒頭に国警長官に要望した通り、ああいうふうな発表の仕方になつたのは、やはり現地国警隊長なりその他のかたの談話なり、発表の仕方がまずかつたから、ああいうことになつたので、あの取扱い方は妥当でないというふうに考えておるわけです。であるから、この点はさつき申した通りに善処方を長官に希望し、又長官もそれを認めておられるので、そういう点は非常に遺憾な点があつたと私は思つております。あの発表がいいとは思つておりません。併しそれは新聞なりの取扱い方或いは発表の仕方が不十分であつたがために、皆さんがたが御心配になるような又波紋を投げたのですから、そういうことがないようにやはり今後長官にこの問題についても良識に基いて善処してもらいたい。あの発表の仕方が妥当でないと私は思うから、又皆さんがたもそう思われるから、この問題を今日取上げたのでありますから、そういう点を殊に警察に対しては万遺漏なきことを強く私も要望しておることは、皆さんがたと同じなのであります。併しただそうであつたことは過去においてのことで、すでにああいうことをやつたから、そのことに対して、長官は何とされるかわかりませんが、今述べられたような考えは大体我々もわかりますから、更にそれについては現地新聞なり隊長なりから善処するようにやつてもらいたい、そういう点を私は申上げておるのであります。
  26. 秋山長造

    秋山長造君 西郷委員の御意見もお考えも別に私どもと違う点はないのでありまして、要するに先ほど若木委員から御意見がありましたように、国警長官がさつきの御答弁ではつきり今後の善後処置について責任を持つてつて下さるという御言明ができておるのですから、この委員会としては、その御言明が実行に移された結果を見て、その時に、もうあれでよろしいということになれば、それでいいし、どうも適当でないということが万が一にもあれば、その時又委員会として考えたらいいので、今からすぐ飽くまでこの問題を継続して取上げて行くんだとか或いはもう今日きりで打切つてあとはどうなろうといいんだということは、今すぐきめなくてもいいと思うので、まあお互い考え方一つでありまして、どうか国警長官におかれまして、可及的速かに妥当な御処置一つつて頂きますようにお願いいたしたいと思います。
  27. 堀末治

    ○堀末治君 この問題は今日で五回委員会が開かれておる。その間に労働委員会との合同委員会を開いて、その合同委員会の時には随分激しい応答があつたと思うのであります。併し私どもこの地方行政委員会といたしましては、すこぶる冷静に、いわゆる警察の民主化乃至は労働組合の発達、こういうところに重点を置いて、或る程度労働組合の発達の過程乃至は警察の民主化の途中においては、多少の行過ぎもあつたであろうけれどもということで、成るべく両者を傷つけないで円満に解決しておきたい、こういうところであの委員会はこの結末を結んだと思うのであります。ところが偶然にもこういう新聞が出ておる。これは私も実は見せられて非常に遺憾にも思いますし意外に思います。決して地方行政委員会としては両者を成敗するというような態度をとらないで、どこどこまでも警察の民主化、組合の健全な発達、こういうところで高い見地に立つてあの問題を処理したと思うのが、計らずも一方的に正当化されたというような、こういう記件が出るということに対しては、私自身、どういうところから出たといたしましても、その当時、この問題を扱つた時の気持といたしましては非常に遺憾を感ずる。而もそれが警察のほうから出たということになつて来るというと、とかく警察の民主化に対して非常な問題のあるこの時において、要するにこの手落ちがあつたということは、私は警察のために非常に遺憾に思つておる。殊にあなたがたお二人はあの席上よくこの事情をお聞きになつてつたことでありまするから、少くともこの問題に対してはもう少し積極的な処置を講ずべきであつたと思うのでありますが、長官長官で、下手に電話なんかで話をするよりも、成るべく七日の会同の時に親しく話をされる、これも誠に結構な処置であります。併しこの席に連なつてつた警部の一人がこんな電話の取継ぎを次々とやつたというような、こうした甚だ我々の意図を歪曲されたような記事が一方的に出るということについては、私どもは非常に遺憾に思うのでありまして、殊に私は山口警備部長処置に対して非常に遺憾を感ずるのであります。なぜかと申しますと、あなたもあの当時、この席上に出まして随分苦しい答弁をなされておつたことも私もよく知つておる。さようなことで、実際あなたとしてその場に携つていないおかたであつたから、これはなかなか御答弁の苦しいこともお察しするのでありますが、併し結末がああいうことになつたのであるから、速かにあなたの御立場として、長官が言おうが、言うまいが、それぞれの処置をとるべきだつたと私は信ずるのであります。甚だ失礼ですが、多くの部下を持つておりまして、こういう問題に対して、みずからいわゆる過ちをなからしめたいというような処置をとらない冗長な人はないと、私はかように信ずるのであります。而も今承つておると、この新聞は二十九日に出た。而も委員長が、非公式でございますが、一日にあなたにわざわざ忠告をしておるのに、こういうものが出ておる。而も今日ここにこの委員会が開かれるに当つて、何にもそれらに対して取調をして来ないということに対して、私はあなたの心構に対して非常に不満と疑惑を持つのであります。本来ならば、どうしてもあなたは職務上、当然これは言われた通り、早く委員長からあつたときに、すぐさま現地電話をかけるなり、もとより一日のことですから、二日は日曜日で、それはできなかつたでしようけれども、併し三日、四日、恐らくこの問題があるはずだということはあなたは予想できたはずですから、三日、四日と、今日はまだ午前中だから何ですけれども、一日あれば十分これらのことは取調ができて、而も我々に対して満足するような御答弁ができたと思う。然るにかかわらず、まだ取調をしておかないということに対しては、私はあなたの職務の怠慢を真向から責めたいと思います。私そういうことはないと思う。私察するのに、先ほど若木君から出ましたが、若木君の言葉は非常に穏健でしたけれども、私はこれに対して、あなたのとられた態度に対して、国会議員として地方行政委員として、いささか馬鹿にされた、侮辱されたという感じを持つのであります。あれほど私どもが熱心にやつて、そして両者を傷つけないように、いわゆる大所高所に立つて、両者を傷つけないように円満な解決をし、又委員長も、どちらかと申すと、甚だ失礼ですが、いわゆる労働組合の立場に立つておられる委員長が、非常に穏健な四項目を挙げて、あなたに忠告をしたはずである。私どもも又委員長のあの態度を非常に諒とした者であります。委員長が非公式にあなたに持つてつて、これを見せて注意を促しておる。然るにもかかわらず、今日まで何にもその状況等を調査して来ないということになつて来ると、私はあなたに持つてつて国会議員を侮辱したと感じますると同時に、この委員会全体が侮辱されたという感じを受けるのでありますが、この点如何でございましようか。
  28. 山口喜雄

    政府委員山口喜雄君) 委員長がお会いしたいというので、私お会いいたしまして、新聞を拝見しまして、実は初めてで私も全く驚いたのであります。すぐにその日に熊本連絡いたしまして、二時間ぐらいかかつたと思いますが、委員長さんの御部屋に私伺いまして、いきさつを一応お話いたしたのであります。そのときに委員長さんから、自分委員会最後の時に述べた要旨を専門員のかたがメモをしておられた、それを新聞社の人に話した、それが現地新聞に出るように協力してもらいたい、少くも警察はそれを妨げないようにして頂きたい、こういうお話がございましたので、私は隊長電話をしまして、こういう委員長からの御申出があるから、その点を十分に呑込んで、新聞社が訂正されるならば、それに対して警察側としてとやかく言つてはいかんぞということを連絡をいたした。そのときに隊長は、いや私は警察について如何ように書かれましても、私はちつとも構いません、よろしうございます、という返事があつたのであります。私自身会議の終了しました直後、隊長に対しまして連絡をいたしませんでしたことは、これは先ほど申上げましたように、私の手落ちでございます。これは重々陳謝をいたしたいと思うのであります。ただ国警本部から熊本県に連絡をいたしました当人に私が聞き合わせましたところ、この新聞記事通りではなかつたのでございます。その点で、じやどこでそういう間違いが出たかという問題を私も追求をいたしておるのであります。その点につきましては、まだ明瞭でない点がございますので、ここではお答えをいたしかねる次第でございます。
  29. 秋山長造

    秋山長造君 只今小林隊長が私は新聞にどういうように書かれても構いませんというお話つたということですが、これは小林隊長のおつしやつた意味は、新聞にはいろいろな警察に対する批判の記事が出る、批判の記事はこれはどういうことが書かれても、これは批判は自由だから、それは止むを得ないというお気持で、うけ答えをされたんじやないかと思うのでありますが、遺憾ながら、この新聞記事は批判の記事ではなく、事実の報道なんですから、当然事実と明らかに相違した記事であり、又小林隊長現地におられて、現地の非常に微妙な空気をよく呑込んでおられるはずでありますから、国警本部から指示があろうがなかろうが、ああいう記事があの委員会の直後に出れば、事実と相違している記事であれば、当然県の最高責任者としても何らかの処置をとられておられなければならなかつたはずだと思うのです。併し今のお話では現地隊長もそのままにやり過ごされておるところを見ると、まあ邪推して考えまするならば、事実と反しておつても、警察側に有利な記事が出たんだから、まあそれはそれでいいじやないかということで、放つておかれたんじやないかというようにも受取れんことはないわけなんです。ところが東京でこうやつて論議をしておるお互いは、比較的冷静に論議ができるのでありますけれども、これが熊本へ行き、更に鏡の現場となるに従いまして、当然幾ら警察が厳正公平にやられたと言われましても、やはりこれは人間のやることでありますから、人間の感情というものは、やはり警察のほうにも動くのが当然なんです。それだけに、やはり勝つた負けたという感情が、警察側にも組合側にも一番先に立つことは、これは又当然想像できるのです。それだけに現地責任者としての小林隊長においても、ああいう記事に対しては、もう少し良心的に敏感に私感じてもらわなければならないとも思うし、又更にその最高の責任者である国警本部長官なり又本部のその他の幹部の方々におかれましても、やはりこういう問題は、先ほどもいろいろお話がありましたように、もう少し良心的と言つたら語弊があるかも知れませんが、良心的に而もときを逸せず、すべてのことを早急に処置をつけてもらうことが、あとに悪いあと味を残さないで済む最善の途ではないかということを、しきりに考えるわけでありまして、この問題についても、一つ即刻最善の善後措置をとつて頂きますと同時に、今後何ごとに限らず、地方現地で起つた問題につきましては、東京から離れておるが故に疎かにするというようなことのかりそめにもないように、現地になるほど問題は非常に尖鋭化しておるのだということをよく御銘肝頂きまして、万事につけまして手落ちのないように、一つお心掛け願いたいと、特にお願いをいたします。
  30. 堀末治

    ○堀末治君 ちよつと私もう少し申上げておきたいのですが、まあ私そういうような気持を持ちますので、先ほど長官からお話がありましたように、どうも私非常にこの委員会が侮辱されたような感じを受けるのでございますが、先ほどお話のありました通り、これに対する善後措置をできるだけ早く適正に講じてもらいたい、適正であるかないかということに対して私は別に、又甚だ何ですけれども意見があるのでありますから、どうかできるだけ早く講じて、できることなら、この国会の会期中に御報告を願うことにお願い申上げまして、私の質問を打切ります。
  31. 若木勝藏

    若木勝藏君 先ほど来、各委員の方方の御意見、それらをいろいろ総合して考えて見まして、この問題の取扱い方に関しましては、今も堀さんからお話がありました通り国警本部のほうで早くこれに対する措置をいたしまして、そうしてやはり本国会期中なるべく早い機会にこれを報告されて、我々はその報告に基いて、その後問題をどうするかということについて、更に又協議をしたい、こういう扱い方に対する動議を提出いたします。
  32. 内村清次

    委員長内村清次君) 只今若木さんからも、それから又各委員からも発言がありましたようなことを総合いたしますると、今国会中に国警の善後措置について報告を求めるということにいたしたいと思います。  ただ一点、私申上げておきますと、山口警備部長先ほどの発言の中にありましたように、私はこのような空気が必ず生れて来ると考えまして、実は当時の状況を、真相に近い真相を、これを是非一つこの輿論のほうにはつきりさせなければならないという操作をして、そうしてこれには熊本国警隊のほうで発表に協力してもらいたい、そうしてこだわらずに一つ発表に協力してもらいたいということを、特に電話国警隊のほうには言つてもらいたいということを私は言つたわけですが、それが一度出ますと、恐らく各委員の方々も、この一方的な発表よりも、又次に出ました発表によりまして、これがやわらいで来る、誤解が解かれて来る、こういうふうに考えたわけですが、実は今日たまたまその当時の記者が来まして、今日の新聞にも、載つておらないというようなことで、どうも現地のほうにおいてはおかしいですよ。この熊本の東京の支社の記者が言うのです。そこで急速委員の方々の了解を得まして、そうしてこの問題を又国警のほうではこだわつておりはしないかという点を、私たちは私たちなりに公平な取扱いをしたいばかりに、そういう考えを及ぼして来るのですよ。そこで先ほど委員も言われましたような、国会議員のそういう親切な取扱い方に対する忠告が侮辱されておらないか、又委員会の権威というものに対して侮辱されておらないかという点さえも、やはり考えられて来るのですが、だから一つこの問題につきましては、どうか地方的には非常に重大な問題でありますし、又全国的にも、今後の問題に対しましても重要な問題でございますからして、是非一つ国警長官におかれましては、先ずこの新聞を見た輿論に対して、その真相一つ明らかにするような手段を第一にとつて頂くことと、部内に対する誤つた点に対しては、これは矯正してもらいたい、この点を改めて委員会報告をお願いしたい、この点をお願いいたしておきます。
  33. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 もう結論になつたから、私は何も申しませんけれども、どうも先ほど警備部長の話を聞いていますと、こちらから連絡があつたという話でありますが、そういう連絡の仕方というものが、どういうことになつておるかということに問題を解く鍵があるのじやないか、こう思うのですが、連絡内容というものを誰かが起案をして、部長なり或いは国警長官なりというものの決裁を求めて連絡するのか、或いは個人が大体上から聞いた内容で、多少の主観もそれに附加えて連絡するのか。そこに問題があつて自分の見た感じ連絡の場合に普通に話をするように話をしたとすれば、或いは新聞記事のようなことになるかも知れない。併し誰かが起案して、上のほうまで決裁をもらつて発表したとすれば、それは国警長官責任ということにもなるでしようし、或いは国警全体の考え方がそうだということにもなると思うのですが、これはそれほど、災害等の連絡と違いまして、極めて急速に連絡しなければならんという問題でもなく、又連絡のしようによつては、重大な結果が起るということも考えられる問題であるので、十分それらの連絡の点については慎重を期さなければならんということが考えられる性質のものなんです。で、連絡方法なり或いは決裁等の関係がどうなつているかというようなことも、今伺わなくてもよろしいですけれども、この次に問題の処理について、そういうことも聞かして頂ければ結構だと思います。
  34. 内村清次

    委員長内村清次君) それではこれにて暫く休憩をいたします。    午後一時十三分休憩    〔休憩後開会に至らなかつた