○
説明員(柴田護君) お
手許にお配りしてあるかと思いますが、
地方税法の一部を
改正する
法律と、
改正前の対照という新旧対照表がございます。
便宜それによりまして御
説明申上げたいと思います。
第九条の
改正規定と第十条の
改正規定は、共に
規定の整備を図つたのでありまして、第九条の
改正規定は納税義務の承継につきまして合理化を図る。第十条の
改正規定はすでに納税義務が確定いたしましたものにつきまして、その承継の義務について、承継の合理化を図つたのであります。内容は清算人につきましては今までの
現行法では大体無限責任
制度を
とつておつたのでありますが、これは清算人にとりまして酷な場合がありますので、国税徴収法の例に合せまして、今回有限責任にいたしました。その分配又は引渡しをした財産の価額の限度といたしまして、納税の義務を承継するように改めたのであります。それから相続の場合におきまして相続人が二人以上あります場合の承継につきまして
規定の整備でありまして、相続人又は包括受遺者が二人以上あります場合におきましては、その相続人又は包括受遺者は地方税又は納入金のそれぞれについて、その相続又は遺贈によつて受けました財産の価額に按分した額につきまして納税する義務を負うということにいたしました。又この場合におきまする連帯納付の義務の範囲を
規定いたしたのであります。大体この
規定は国税徴収法の四条の四及び四条の二の
規定に照応した
規定であります。
第十一条の
改正規定は共同事業者等につきまして、名義上の経営者と、実買上の経営者が異ります場合におきまして、その名義人と実質上の経営者との
関係が非常に緊密であります場合におきまして、それを共同事業者とみなす
規定を置いたのであります。これは最近におきまして非常に名義上の、看板だけの経営者が殖えまして、実体は全然別の人が経営しておる。ところが
現行の
規定では、こういう場合に、実質的なものに対しまして納税義務を負わすことができません場合が多いのでありまして、そういう場合に、これは共同の事業者とみなしまして連帯して責任を負う、そのようにいたしまして脱税を防ぎたい、脱税防止のための
規定の
法律であります。ここで
制限せられます範囲でありますが、大体名義上の経営者の親族、或いは名義上の経営者から生活費の給与を受けておるものといつたような経済的な繋りの濃いものだけに限定して定めることを、大体
政令では予想しておるものであります。
それから第十五条の先取特権の
改正規定は、これも
規定の整備でありまして、
現行法では国税と地方税とは
原則として同順位でありまして、財産差押えの場合におきましては差押えの先着取順位によつて優先権がきまることに
なつておりますが、その裏の
規定、つまり国税が差押えました場合におきましての地方税と、差押えをいたしました国税との徴収順位が明確を欠いておりますので、裏の
規定を置きまして、国が差押えをいたしました場合におきましては、地方団体が交付要求をいたしますが、その交付要求をした地方団体の徴収義務というものは、国の徴収基準に先取しないという
規定を置きまして、
規定の整備を図つたのであります。本
改正規定も大体国税徴収法の二条の三項に照応するものであります。
それから第十六条の七の
改正規定は特別徴収義務者等につきまして担保の提供の義務を負わしたのであります。これは入場税又は遊興飲食税にかかる地方団体の徴収金につきまして、徴収金を保全するため必要があるときは、その特別徴収義務者に対しまして、
期間、金額を指定して徴収金を保全する限度において相当の担保の提供を命ずることができるという
規定でありまして、この
規定は酒
税法の三十一条の二項に大体
規定しております
規定に照応するものであります。最近経営者が頻々に交代いたしますことによりまして、租税の通脱が図られる場合が多うございますので、そのようなものにつきまして徴収を確保し、悪質な脱税を封じますために、この
規定を置いたのであります。ここで「保全するため必要がある」ときという意味は、大体過去におきまして滞納をしており、滞納の実績が相当あるといつたような場合、或いは非常に極く短期の営業であつて放つておきましたならば逃げてしまうというような虞れのある場合、こういう場合を予想しておりまして、担保の種類は大体国債、その他の有価証券、金銭、それから保証人といつたようなものを予想いたしております。それから二項の準用
規定は、徴収猶予の場合におきまする担保についての諸
規定を準用いたしておりまして、増担保或いは滞納処分の場合の担保物の処分の順位、或いは担保物処分の場合におきまする優先順位といつたようなことに関しまする
規定であります。それから七十七条の
改正規定は、
制限税率の入場税につきまして、
制限税率の適用するものを従来財政
委員会規則で定めておつたのでありますが、財政
委員会が
自治庁に発展的解消をいたしました際に、総理府令に読み替えたのであります。本
規定はやはり税率適用の区分に関しまする重要問題でありますので、総理府令を以てきめまするのは、適当ではごごいませんので、これを
政令に引上げることにいたしたのであります。これも
規定の不備を是正いたしたものであります。
それから八十四条の
改正規定は、入場券の前売
制度を合理化したのでありまして、従来前売券の場合でも公給票券を使つておつたのでありますが、前売引換券というものが最近だんだん出て参りまして、前売券の引換えをする。その引換券を売りまして、前売引換券を持つて参りまして、入場券の前売券とを引換えて、それを以て入場し、或いはそれと入場券を更に引換えて入場する、こういう一連の入場行為の前の手続が行われるという事例が最近あるわけでございますが、このために引換えがうまく行われました場合には問題はないのでありますが、どうも引換えがうまく行かない。そこでそれが脱税に使われる。最近この前売券、引換券を使つて脱税をした事例が若干ございます。地方団体側からも強い要望がありますので、そういう前売引換券といつたようなものを発行する場合は、やはり公船券を使うというように
改正をしたのであります。そこで公給券を使いましても、前売引換券を発行いたしました場合におきましては、やはり入場券と引換えなければなりません。そこでその手数が非常にかかりますのと、この際に脱税が行われますために、その際におきましては道府県が検印をすれば、そこでそれを入場券と見倣して、
規定を適用する。手数の簡素化を図つて業者の負担も軽減し、入場税脱税の発生を防止しようという趣旨から七項を置いたのであります。
第八十五条の
改正規定は、入場券と引換券につきまして、票券を公給するという
制度を設けましたのに伴いまする
規定の整備であります。
第八十七条も同じく引換券発行に伴う徴収手続の整備であります。これは入場券、引換券を発売いたします場合には、併せて入場券をとれという意味でありまして、この際に実際問題としては、入場券、引換券を売るのでありますから、その際に税込み料金として徴収をするという
建前にしたい。但しすべてそういう場合でありませんで、入場券引換券を只でやつている場合もありますので、只であります場合におきましては、道府県条例で定めて除外することができるというように、弾力性を持たしたのであります。「前項の
規定にかかわらず」というのは、引換券を発売しないことが明瞭である場合を予想しております。八十七条の
改正点、引換券を発売することが明瞭である場合……。
それから九十二条の
改正規定並びに九十四条の
改正規定は、共に八十七条の
規定の
改正に伴ないます
規定の整備でありまして、条文の整備であります。百九十五条の
改正規定は入場税の更正決定を行います場合の納付期限の
短縮であります。現在は更正決定を行いましてから一月を経過した日を納付期限にしておるのでありますが、この納付期限が
短縮になりまして、その間にいなく
なつたりなんかしまして、実際問題として徴収がしにくい、時日におきましても一月は長過ぎますので半月に縮めた。二項の
規定は、八十七条の
改正に伴います条文整備であります。九十六条も同じく八十六条の
改正に伴ないまする
規定の整備であります。
百十四条の二の
規定は、これも先ほど入場税で申上げましたと同じ意味でこれは非課税の範囲をきめておるのでございますが、この非課税の範囲のきめ方を、縛り方を財政
委員会規則に委ねておつたのでありますが、財政
委員会が廃止されまして、
自治庁になりました際に、総理府令に読み替えたのでありますが、総理府令で読み替えること、限定することは、非課税というものの性格上適当ではございませんので、これを
政令に引上げ、
規定することに
改正するのであります。
それから百十六条の
改正規定は、この前
改正を行いました場合、これは
議会で
修正いたしたのでありますが、その際に
規定の不備がありまして、その
規定の不備を是正するものであります。
百二十五条の
改正規定は、遊興飲食税にかかりまする更生決定の場合の納期の
短縮でありまして、これも先ほど申上げました入場税についての九十五条と同様の趣旨であります。
百四十七条の
改正規定は、
自動車税の税率の引上げでありまして、すでに
自治庁長官が御
説明申上げたと思いますが、物価の変動に伴います税率の調整を行いまして、一律に五割引上げることにしたのであります。
百八十一条の
改正規定は、鉱区税の賦課期日であります。
現行法は十一月一日でありますために、四月一日から十月末までに鉱業権を取得して、これを買却したものに対しましては、鉱区税がかからないという結果になりまして、いわば
現行法の
一つのミスであります。これを是正しようとするものであります。
百八十二条の
改正規定は、鉱区税の賦課期日を変えましたのに伴いまして、納期を早めたのであります。
三百九十二条の
改正規定は、
市町村民税に関しまする用語の意味の問題の
規定でありますが、従来この一号の
規定は、総所得金額の
規定でありますが、従来この
規定によつて総所得金額の中に退職所得が含まれるか否やという点について若干疑義があつたのでありますが、これを明文を以て解決したのであります。それから第五号の
改正規定は、特別減税国債法という
法律が
提案されていますが、この国債の場合におきましては、所得法人税から一定額が控除されることに
なつております。これは国税の場合はそれでいいのでありますが、地方税の場合におきましては、当然にその影響を受けなければならんという
理由がございませんし、地方財政も困窮しておりますので、特別減税国債法による軽減された所得税額は軽減しないということになるわけです。つまり減税国債法の
規定によつて軽減された所得税額を含んでおりますので、所得税額というのは減税国債法によつて軽減される前の所得税額を言うのだということになるわけであります。それから十六頁の末尾の
改正規定は、
規定のミスを是正したのであります。それから第七号の扶養親族の
改正は、所得
税法が
改正されまして、扶養親族の
規定が
改正されております。それに合しまして、つまり
昭和二十六年度の所得税と、二十七年度の所得税につきまして、扶養親族の
規定が変りまして、総所得金額の範囲が上つておりますので、それに合しまして、総所得金額の範囲を上げたのであります。それから十一号の
規定も、先ほどの五号の
規定と同じく特別減税国債法によつて軽減される法人税額というものは、法人税割の課税標準である法人税額においては考慮しない。つまり特別減税国債法によつて減税される前の法人税額をとるという意味であります。
それから二百九十六条漁船保険中央会、これは忘れておりましたのを入れたのでありまして、
規定の不備を是正したのであります。
それから三百三条は、
市町村民税の申告義務でありますが、この申告の猶予でありますが、
市町村民税につきましては、給与所得にかかります。
市町村民税について特別徴収の
制度を置いておりますが、その特別徴収の
制度を合理化且つ簡素化いたしましたのに伴いまして、申告につきましても簡素化いたしました。今まで四月末までというやつを三月末と、早めまして入れたのであります。それから三号、四号は、特別徴収の時期の変更に伴いまして、不要となりましたので、削除することにしたのであります。
それから三百七条は、右に伴いまして条文の整理を図つたのであります。
三百八条は、すでに不要になりました条文を削除することとしたのであります。三百十条も
規定の整備であります。
三百十三条は所得割の税率の
改正でありまして、従来の第一方式によります所得税額を課税標準といたします場合においては、標準税率が百分の十八で、
制限税率が百分の二十という
規定があつたのでありますが。これを所得税額を課税標準にいたします場合におきましても、その額が第二方式、課税総所得金額を課税標準にいたします場合のその百分の十を越えない額であるときにおきましては、ある限りにおきましては税率の制定は自由であり、
市町村の自由にいたしまして、第一方式の課税の合理化を図ろうとしたのでありまして、その趣旨によりまして税率の
規定を変えて、標準税率、低減税率の
規定を
とつぱしたのであります。
三百十四条は、これも不要になりましたので削除いたしました。三百十四条の二の
規定は、これも条文の整理であります。一条づり上げたわけであります。その次の三百十四条の三の
規定も同じく条文の整備であります。
三百十九条の二も
規定の整備でありまして、従来法人と単純に書いてありますが、この法人の中には権利能力なき社団又は財団も含むのでありまして、法人と書きましたのでは、若干意味の明確を欠くのであります。それでこれを「個人以外のもの」というふうにはつきりいたしまして、誤解、疑義を一掃したのであります。
三百二十一条の四は、源泉徴収分にかかります特別徴収の方法の
改正に伴います
改正であります。
三百二十一条の五は特別徴収の手続でありますが、従来は特別徴収にかかりますもの、つまり給与所得者にかかります
市町村民税につきましては、大体四月から翌年の三月まで十二カ月に亘りまして、毎月十二分の一の額を徴収しておつたのでありますが、この
規定は実際の運用におきましては、計算が非常にに不便であること、時期が四月分からでありますので、事務的に忙しくてやり切れないといつたような地方団体からの要望もありまして、そこで今回これを五月から翌年の二月までの十カ月の間に十分の一づつ徴収することにいたしまして、徴収方法の合理化を図り、同時に事務の簡略化を図りまして、徴収能率の向上を期したのであります。
三百二十一条の八は、今回法人税につきまして、清算所得課税が行われることになりました。それに伴いまして、法人税割につきましても、清算所得に対する法人税に関する
部分につきまして、法人税割がかかりますので、それに伴います
規定の条文整理をしたわけであります。三百二十一条の十三も同様であります。
三百四十八条は固定資産税の非課税の範囲でありますが、これはすでに不要になりました存在しないもの、つまり死文になりましたのを処理しただけであります。但し第五項の
改正規定は、農業災害補償法に基きます組合につきまして、各種協同組合と同じように、事務所、倉庫につきましては、固定資産税を課さないという
規定を置いたのでありますが、これは前の解散されました国会に
提案いたしました当時、衆参両院から
修正意見がありましたが、その国会の
修正意見を尊重いたしまして、ここに非課税にすべき
規定を入れたのであります。
三百四十九条の二は、電源開発
関係の不均一課税の
規定でありますが、これは現在の条文では切角の不均一課税の条文が最初の年におきましては適用をしない。最初の年におきましては百分の一・六の税率が適用されまして、切角の不均一課税の条文が働かないというミスがありますので、それを是正いたしまして、
規定本来の、制定されました趣旨
通り最初から三年間
制限税率を不均一の半分の税率を適用するというふうに、
規定の不備を是正したのであります。
三百八十九条は、移動性償却資産の価格の配分の
規定でありますが、従来は地方財政
委員会規則で以てこの配方方法をきめておつたのでありますが、地方財政
委員会がなくなりましたので、その根拠がなく
なつたのであります。そこで「総理府令の定めるところによつて」というふうに条文を改め、根拠を定めることにしたのでありまして、いわば地方財政
委員会から
自治庁に移りますときの
規定の整備がまだできていなかつた、そのミスを補正するという意味であります。
四百八十九条は入場税、遊興飲食税と同じく、総理府令で定めておりました非課税の範囲を
政令で定めることにいたしました。これも総理府令で、
政令の範囲を定めるのは適当じやございませんので、
政令に上げることにしたのであります。
六百二十条は、入場税の標準税率の
規定であります。定額税であります入場税の標準税率をその後におきます物価の変動に即応いたしまして、二倍に引上げることに
規定したのであります。
七百四十二条の二は事業税の課税につきまして、実質課税主義の開明と申しますか、名儀上は如何にもあれ、真実に事業を行
なつている者に事業税は課税するのだという、従来から
税法の運用において貫かれております実質課税主義の
原則を闡明いたしたのでありまして、これは所得税の三条の二、法人税の七条の三の
規定に照応するのであります。
七百四十三条は事業税の非課税範囲でありますが、これは
規定の整備であります。でありまして、抜けておりましたものを入れたのと、すでに存在しなかつたものを落したのであります。
七百四十四条は、事業税の課税標準の
規定でありますが、これは第九項の
改正は、いわゆる基礎控除の引上げでありまして、三万八千円を五万円に引上げたのでありますが、これは従来三万八千円ときめておりましたのは、
昭和二十六年におきます国税の所得税の基礎控除の額に準じておつたのでありますが、基礎控除の額が国税におきましては、二十七年度におきましては、五万円に引上げられておじます。
昭和二十八年の事業税は二十七年中の所得を基準にいたします結果、同じく五万円に所得税に準じまして、引上げることにいたしたのであります。
第十一項の
改正規定は、各種健康保険にかかります療養の給付に関する課税標準除外の
規定であります。前の国会で
参議院におきまして、国民健康保険法と健康保険法につきましては、課税標準除外の
規定を置かれたのでありますが、又その適用業種は医師と歯科医師に限られておつたのでありますが、運用の実際は同じような種類のものもほかにありますので、非常に運用上不備があつたのであります。それを今回は同じような種類のもの、例えば船員保険法に基くもの、国家公務員共済組合法、未復員者給与法、特別未帰還者給与法、戦傷病者戦没者遺族等援護法、これらの
規定に基きまする療養の給付も含め、又その療養の給付も家族療養までも全部含むという扱いにいたしまして、その範囲を拡大いたしますと共に、又その適用業種を拡げまして、又生活保護法の
規定に基く医療扶助のための医療、結核予防法の
規定に基きます医療も、それぞれ課税標準の算定除外の範囲に入れまして、
規定の合理化を図つたのであります。
第十四項の
改正は青色申告法人の損金算入の限度でありまして、現在は青色申告法人につきましては二年でありますが、それを事業税が更に一年延期されましたことに伴いまして、一年間延長することにしたのでありまして、三年に改めたのであります。
それから、その次の三十二頁の「(二種の事業又は業務をあわせて行う場合における事業税額等の算定)」というところに実はミスがありまして、第七百四一十七条の二というのが抜けております。三十二頁の十五略、これの次に「(二種の事業又は業務をあわせて行う場合における事業税額等の算定)」と書いてあります。その次に第七百四十七条の二というのが落ちております。この七百四十七条の二といいますのは、例えば薬屋さんが化粧品を販売しているといつたように、二つ以上の異る事業又は業務を兼営いたしております場合の事業税額の算定方法をきめたものでありますが、基礎控除の引上げを行いましたのに伴いまして、
規定の整備を図り、三万八千円でありますのを、五万円にいたしました。
七百六十二条の三は同族会社の行為又は計算の否認の
規定でありますが、この
規定におきまして、現在は同族会社だけにつきまして行為、計算の否認が認められておりますが、国税におきまして今回同族会社的な
一般会社につきましても、同族会社のこの行為、計算の否認を準用することにいたしておりますので、その
規定に合せまして第二項の
改正規定を置いたのであります。これは法人
税法の三十一条の三の二項に該当するのでありまして、三以上の支店、工場、その他の事務所又は事業所を有する法人で、その事業所等の二分の一以上に当る事業所等につき、
当該事業所等の所長、主任その他の
当該事業所等に係る事業の主宰者又は
当該主宰者の親族その他の
当該主宰者と特殊の
関係ある個人が前に
当該事業所等において個人として事業を営んでいた事実があり、且つ、
当該所長等の有する株式又は出資の金額の合計額がその法人の資本又は出資の金額の三分の二以上に相当するものの行為又は計算で、これを容認した場合に、事業税の負担を不当に減少させる結果となると認める場合があるときに、その同族会社の行為又は計算の否認
規定を準用するという
規定であります。同族会社的なものと
考えられるこれらの法人につきまして、同じように行為、計算の否認の
規定を準用して行くという意味であります。
それから七百七十六条の
改正規定は、特別所得税の納税義務者に関するものでありますが、新たにあん摩、はり、きゆう、柔道整復その他の医業に類する業務という
規定を入れまして、これは現在は
政令で以て医療等に類するものとして、課税客体として定められておつたのでありますが、あん摩、はり、きゆう、柔道整復その他の医療に類する業務につきましても、各種健康保険にかかる療養の給付について支払を受けました金額については、課税標準除外の
規定を拡張することにいたしました結果、立法技術上
法律に上げることが適当でありますので、
法律に上げたのであります。
第七百七十六条の二の
改正規定は七百四十二条の三と同じく、特別所得税におきまする実質課税主義の開明であります。
第七百七十七条の特別所得税の課税標準に関しまする
改正規定の第三項は、基礎控除の引上げであります。第四項は、各種健康保険の療養の給付に基く支払いを受けた金額に関しまする課税標準の算定除外の
規定であります。従来医師及び歯科医師、医業に限られておりましたものを、今回は薬剤師、助産婦、あん摩、はり、きゆう、柔道整復師まで拡張いたしましたのが
一つの
改正点であります。それからいま
一つは従来は健康保険法と国民健康保険法に限られておりましたのを、先ほど
説明いたしました医療法人の場合と同じく、その他船員保険法、国家公務員共済組合法等によつて療養の給与をいたしました、その給付について、支払いを受けた金額まで拡張するというふうに拡張したのであります。
それから
附則でありますが、
附則の一項から八項までは、
施行に伴いますいろいろな移り変りの
規定をしておるのでありまして大体
市町村民税の特別徴収方法の変更は本年度はもはや間に合いませんので、来年からやりたい。それから入場税及び遊興飲食税に関する
部分、これは類似税でありますので、八月一日から
施行いたしたい。あとはそれぞれ移り変りに関する
規定の整備であります。
それから第九項から十四項までは、
昭和二十五年度分以前の法人事業税、つまり賦課課税、現在は申告
制度でありますが、当時の法人事業税は賦課処分によつて課せられたのであります。その賦課処分によつて課せられました
昭和二十五年分以前の事業税の中に分割基準を間違つておりましたために、課税が間違つておるものが相当あるのでありまして、これは課税標準の総額、つまり納税義務者にとりましては、総額は全然間違つていないのでありますが、各府県が課します課税標準額が、分割基準が間違つていますために間違つているのがあるのであります。これを是正いたしますためには、
法律上はすでに行われました課税処分を取消しまして、再評価処分をしなければいかんということになるのでありますが、そうなりますと非常に納税義務者に迷惑をかけることになるので、迷惑をかけないで、各地方団体間で正しい課税標準、分割基準に従つて再計算をいたしまして、その再計算の結果、差引勘定が出ましたものにつきまして、各府県間で相互に決済する一種の手形交換のような操作を行いまして、その間
違つた部分を相殺しようという趣旨に基くものであります。非常に
規定がややこしいのでございますが、大体の趣旨はそのような趣旨でございます。
原則は各府県間がこの
法律の
規定に従いまして、自主的に操作をいたしまして、府県間で話合いをするのを
原則にいたしておりますが、話がつかん場合には
自治庁官が中に入つてお世話をするということに
なつております。
それから第十六項の
改正規定は、外国
船舶の所得税等免除に関する
法律の一部
改正でありますが、これは非常に古い
法律でありますが、大正十三年の
法律で、
日本に住所を持つていない外国人又は外国法人に対しましては、外国の船籍を有する
船舶の所得に対しましては、所得税又は営業税を免除するという
法律があります。これが、この
法律が、占領下におきましては実質上眠つておるのでありますが、これが占領の終了と共に、実質的に動いて参りますので、営業税を事業税と改めまして、当
規定の整備を図ることとしたのであります。
第十七項は鉱業法の
改正であります。鉱業法のこれは鉱区税の徴収強化を行いますために、従来鉱業法で試掘権の延長、それから試掘権から採掘権への転換という
制度が認められておりますが、試掘権の延長、試掘権から採掘権の転換をいたします場合に、現に鉱区税を滞納している者に対しては許可をしないということにいたしまして、従来非常に徴収成績の悪うございました試掘権に関する鉱区税の徴収の確保を図つたのであります。
第十八項は、国庫出納金等端数計算法の
改正でありまして、これは抜けておりました
規定を加えまして、
規定の整備を図つたのであります。
以上が
改正法案の内容であります。