○館哲二君 私は自由党を代表いたしまして、本案に賛成の意を表するものであります。
その賛成の第一点は、要するに民主政治の
基本は、直接国民に接するところの
地方自治体が、その基底であることはこれは申すに及ばないと思うのであります。ところが直接国民に接するところの
自治体が、それが国民に直接であるだけに、その
運営の如何というこには非常に影響するところでございまするが、結局これは結局
自治体に職を奉じているところの
地方公務員というものの素質如何にかかわ
つておることと思うのであります。ところが従来
日本の
行政は、官治
行政が中枢でありまして、とかく
地方自治体というものがおろそかにせられ、従
つてこの
公務員の素質につきましても、十分でないところがあるのであります。加えるに終戦後いわゆる民主政治の徹底ということから、
地方自治に課せられた各般の職能というものは、極めて多いのでありまして、従
つてこれを十分消化し、そして民主政治の徹底を期せんというためには、どうしてもこれが
地方公務員の
研修及び素質の向上ということは必要であるということは申すに及ばないと思うのであります。迂遠なことでございますが、要するに百年の計は人を植えるにあり、真に
自治体が
自治体の使命を達成するためには、これに従事するところの
地方公務員というものの素質向上というものは、極めて緊要のことと思うのであります。勿論半面、現在
地方公務員の
待遇から
考えますれば、その
待遇等におきまして、改善の余地あることは、これは勿論であります。併しながら、一方におきましては、同時に
公務員の
待遇を改善するとともに、
公務員の
研修及びこれが研鑚ということは、没却することのできないことでございます。従
つてこういう
ような事実から見まして、各
地方地方に一日も早く
地方公務員の
研修機関を設けられることも必要でございますが、同時にそういうものの中核体として、
中央に今回のごとき
自治大学校を設けまして、常に
中央にあ
つて諸般の国際情勢なり、或いは諸般の最近における時流の動き、その他各般の情勢から、常に
公務員の
研修機関の中核体として、かくのごとき
自治大学校があるということは、どうしても必要であると
考えるものであります。
なお、又最近におきまする
地方自治体の健全なる発達のためには、調査
研究機関としても、こういう
自治大学校がありまして、そして常に
地方の
自治体が、その調査、若しくは
研究課題として課せられる財政的な、或いは
行政的な各般に亘
つて、常によき相談相手とし、よき調査機関としてのかくのごとき機関設定がどうしても必要と
考えますので、私は本案に賛成するものであります。
ただ最後に本案が通過いたされました暁におきましては、今回設置の趣旨に鑑みまして、
一つにはその
地方公務員の
研修に当
つては、
府県の
職員と、
町村の
職員とに何らの差別なく、
地方府県の
職員を偏重するなどのごとき
研修でなく、
町村の
公務員につきましても十分に
重点を置いて
運営さるべきであり、且つ又現在の予算というものは極めて僅少でございますので、速やかに増額いたしまして、そうしてこの
大学校が独立の機関としてその本来の趣旨に合う
ように、本来の
職員を持ち、本来の校長を置きまして、十分設置せられたところの趣旨に合致する
ように、これが運用を期待するものであります。且つ又
地方におきましても、速やかに
地方公務員の
府県、若しくはブロツクにおきまする
研修、ということは、これ又この
大学校と一体とな
つて必要な事項でございますので、これが育成につきましても、予算その他の措置といたしまして、十分
考えられんことを希望するものであります。
なお又最後に、本案の予算項目を見ますると、本機関の
一つの重要項目である調査
研究につきましての予算が、極めて少いのでございまして、これら調査
研究費につきましても、速やかに充実せられ、一方本
大学校が
中央にありますと同時に、絶えず
地方に巡回指導し、或いは
地方に出られまして、常に
地方の
自治体の
研究調査機関としての責任も果させることが必要であると
考えるものであります。
こういう
ような
意味の諸点から、私は本案に全幅の賛意を表するものであります。