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1953-10-20 第16回国会 参議院 地方行政委員会 閉会後第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十月二十日(火曜日)    午前十一時三十二分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     内村 清次君    理事            石村 幸作君            館  哲二君    委員            西郷吉之助君            高橋進太郎君            長谷山行毅君            小林 武治君            島村 軍次君            若木 勝藏君            加瀬  完君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君    常任委員会専門    員       伊藤  清君   説明員    自治庁税務部長 奧野 誠亮君    自治庁税務部市    町村税課長   降矢 敬義君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方行政改革に関する調査の件  (地方税法改正に伴う固定資産税  の賦課に関する件)   —————————————
  2. 内村清次

    委員長内村清次君) それでは只今から地方行政委員会を開会いたします。  地方行政改革に関する調査のうち、災害その他地方財政需要増嵩に伴う地方財政平衡交付金及び起債対策並びに地方税の減免についてでございますが、これは自治庁関係理事会決定後通知をいたして、本日塚田長官出席を請うておりましたが、まだ出席いたしませんから、この問題は明日に譲りまして、地方税法改正に伴う固定資産税賦課について、この経過報告を聞くことにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) では、私から国鉄関係固定資産政令の制定について、今までの経過を報告申上げます。お手許に差上げました政令案地方税法施行令の一部を改正する政令というのがございますが、これはまだ括弧に書いてあります通り未定稿なのでございます。  それで未定稿の部分を先に指摘いたしますと、第一条の十六の四というところに「遊休状態にある土地及び家屋」というのが書いてあります。それで括弧して「(前三号及び第五号から第九号までに掲げる固定資産以外の固定資産として建設計画が確定しているものを除く。)」、いわゆる未利用土地のことでございます。でこの未利用土地をどの範囲に限定するかということが未だ確定しておりません。と申しますのは、建設計画が確定しているというのは、どの程度まで計画が進んでおるものを建設計画として確定しているか、即ち土地は買収したけれども、まだそこに何を造るかということがはつきりしていない場合、それから更に進んで予算要求をしたけれども、削除されてそのままになつておるもの、それから予算が事務的に認められて国会に審議中のもの、それからその次には国会予算の議決があつて確定したもの、こういうふうないろいろの分け方がございます。そこで建設計画が確定したというのは、どういう内容が確定したとして認められるかということと、それからもう一つはいつ確定したかという時の問題が、まだ国鉄関係、運輸省との関係話合いが付いていない点でございます。  それからもう一つは七号の「日本国有鉄道車輌機械器具及び被服製造並びに車輌改造の用に供する固定資産」というのがございます。これは一番大きい問題が工磯部の問題でございますが、この工磯部課税するかどうかということについて、先ず根本的に問題があるのでございまして、その点も実は話が付いておりません。  それからもう一つ、八番目の「日本国有鉄道発電所及び採炭施設の用に供する固定資産」、発電所の点がまだ最後的には付いていないのでございます。  それで以上の三点につきましては、本日運輸次官自治庁次長との間で、事務的な話合いを付けるということになつておりします。  それからなお個別的な、例えば第一号の宿舎課税するけれども、括弧書き現業関係仕事に従事する職員が、義務的にそこに居住するものとされる宿舎は除くことになつております。その場合の現業というものは、どの範囲まであるかというようなことについては、本日国鉄当局と大蔵省のほうで、そういう細目についての事務的な打合せをする、こういう段階になつております。  それからなお附則の二項で、納期とかそれから固定資産期日とか、そういうものについて、期日特例を書いております。ただ、この特例についても、例えばこの二番目の枠の「第三百八十三条第一項及び第二項」というのは、これは固定資産申告期日のことでございますが、この政令が今月中に公布、施行になりましたといたしましても、関係国鉄専売公社等は、十一月三十日までの申告期間は若干無理があるので、もう少し延ばして欲しいというような要求もございますので、この期日の点についても、本日事務的に打合せをして決定するという段階になつております。以上が残つておるこの政令の案の問題点でございます。簡単でございますが、御説明を終ります。
  4. 内村清次

    委員長内村清次君) 質疑はございませんか。
  5. 加瀬完

    加瀬完君 第一条の十六の七号の今例説明のありました工磯部関係のものですね、それから発電所についてまだ決定がなされておらない。本日これらについて話合いが持たれるという話でありますが、自治庁としては、大体この二つについて、どういう御見解を持つておるのですか。
  6. 奧野誠亮

    説明員奧野誠亮君) 民間鉄軌道一般には使用していないような施設については、課税すべきではなかろうとこういうふうな考え方を持つております。  発電所につきましては、送電施設配電施設発電施設と三つあるわけなんでありますけれども、発電施設限つて課税をする、それはやむを得ないだろうというふうな考え方国鉄当局としては言つているわけであります。ところが七号の工機部関係につきましては、どこで線を引くかということは、非常にむずかしい問題でありまして、自治庁といたしましても、修理工場には課税すべきではない、こういう考え方を持つております。併し製造とが改造とかというふうなことになつて参りますと、一般鉄軌道ではそういう施設を持つていない。併し実際問題とまして、改造なり製造なりに課税するといたしましても、どこで線を引くかということが非常にむずかしいようであります。そこで製造なり改造なりの部分課税をするとしても、なかなか区分がむずかしいから、その代りに償却資産には課税をしないで、土地なり家屋なりにだけ課税するというような行き方もあるのであります。その辺の問題を今日更に話合をいたしましてら固めてしまいたいという考え方を持つておるわけであります。
  7. 加瀬完

    加瀬完君 償却資産課税をしないということになりますと、まあ総体で税額というのは非常に減つて来るわけでございますね。そういうことであれば、幾分問題の解決が近いかと思いますけれども、この額面通り全部課税するというと、結局、これが一般大衆運賃その他に撥ね返つて来るという傾向が、十分考えられると思うのですよ。そういう大衆課税を転嫁するといつたようなことについては、自治庁としてはどんなような防禦と言いますか、或いは又大衆に転嫁させないような具体策と言いますか、そういうことをお考えですか。
  8. 奧野誠亮

    説明員奧野誠亮君) 工機部資産について、修理工場も含め全面的に課税するとしますならば、土地については三千二百万円、家屋については四千八百万円、償却資産については三億円という数字を、国鉄当局からもらつているわけであります。併しこれを改造なり製造なりに限定するとしまするならば、相当減つて来るのではないだろうか。そういうことになつて来るならば、或る程度企業合理化等を我々としては図つてもらいたい。運賃に転嫁するということは、自治庁としては予想はいたしていないわけであります。国有鉄道当局といたしましても、もつと大規模な課税なら運賃に転嫁できてよろしいのだけれどもというようなことさえ言つているわけであります。当然合理化によつて吸収するつもりを持つているのだろうと、我々は期待しておるのであります。国鉄当局におきましても、線を引くとして製造なり改造なりというのも一つ方法だろう、併し実際問題としては線を引くことは困難じやなかろうか、こういう考え方事務当局としては持つておるようであります。課税上いろいろ困難が起きてもいけませんので、どこか明確なところで線を引くようにしたい。やはり何か工機部所在市町村に対しましても、若干の税源を与えるようにすることが、この問題を解決する一つの方途ではないだろうかというふうな気持を持つておるわけなのであります。併し、いずれにいたしましても、円満に話をつけたいというような考え方を持つておるわけであります。
  9. 小林武治

    小林武治君 ちよつとお尋ねですが、固定資産という言葉は、内容はどういうふうになつておりますか。
  10. 奧野誠亮

    説明員奧野誠亮君) 土地家屋とそれから償却資産、三者を含めまして固定資産ということにいたしておるわけであります。
  11. 小林武治

    小林武治君 ここにある言葉は全部そうですか。
  12. 奧野誠亮

    説明員奧野誠亮君) その通りであります。
  13. 小林武治

    小林武治君 そうすると、例えばこの一条の十六の二にある「病院及び診療所の用に供する家屋」と、こうなつておりまするが、土地からはとるという意味ですか。
  14. 奧野誠亮

    説明員奧野誠亮君) その通りであります。現在地方税法健康保険組合等の経営します病院診療所に対しましては、固定資産税を課さないことにいたしておるわけでありますが、これも家屋償却資産に課さないという意味であつて土地を含んでいないということで扱つているので、従つてそれと歩調を合せる意味において、こういうような書き方をしたわけであります。
  15. 小林武治

    小林武治君 何か発電所関係は、いわゆる家屋償却資産を別にしておると、こういうことですか。
  16. 奧野誠亮

    説明員奧野誠亮君) 送電配電施設は除きまして、発電施設につきましては、土地家屋及び償却資産、三者に課税をしたい、こういうことで話をつけております。
  17. 小林武治

    小林武治君 それからこの三の「職員団体以外」としておりますが、職員団体以外というのは、例えば鉄道弘済会に貸付けておるというのは、どういうような考え方ですか。
  18. 奧野誠亮

    説明員奧野誠亮君) 職員団体労働組合共済組合とを予定しておりまして、それ以外のものに対する貸付は課税をいたしたいという考えでございます。
  19. 小林武治

    小林武治君 そうすると、この言葉でそれははつきりいたしておりますか。
  20. 奧野誠亮

    説明員奧野誠亮君) お話のものは、職員ではないのではないだろうかというふうに考えております。
  21. 内村清次

    委員長内村清次君) 奥野君、ちよつとお伺いしますが、この第七項の「日本国有鉄道車輌機械器具及び被服製造並びに車輌改造の用に供する固定資産」となつているのですが、今までの折衝中に、例えば国鉄機関車及び客車の修繕を他の工場、即ち民間工場に委託して、鉄道で設置しておるところの工場、即ち工機部関係ですね。この関係は、これは委託して修理改造をしたほうがよいのではないかというような考え方で、この工場に対しての固定資産は、先ほど言われたような償却資産土地家屋も含めて課税をするというような考え方から出発しておりはしませんかね。
  22. 奧野誠亮

    説明員奧野誠亮君) 先ほどもちよつと申し上げましたように、まあ本来の事業ということをどう解釈するかと、うことについては、かなり複雑な問題があるだろうと思うのであります。そこで一般鉄軌道一般的にそれらの仕事を自己の仕事としてやつておるかどうかというようなところで、判断するよりいたし方ないではなかろうかというような考え方から、一応こういう書き方をしてみたわけでございます。併し七号につきましては、なかなかこういうやり方では区分がむずかしいという国鉄の話でありまして、だから自治庁としては、どんな方法でもよろしい、何かよい方法考え出してもらいたいということを、国鉄当局に注文しておるわけであります。国鉄当局でもいろいろ考えておられまして、今日にでももう一遍話合をいたしまして、この問題を解決いたしたいというふうに考えておるわけであります。
  23. 内村清次

    委員長内村清次君) この点は、国鉄内部にも検査規程というものがあつて、そうして六カ月検査、或いは一般検査というものは、これは機関区、即ち交番検査をするところの機関区や、或いは又六カ月ごとに簡易な検査をするような機関区の設備では、到底大目的であるところの交通の安全、輸送の安全ということは、動力車限つては、これは保たれないということだけははつきりしてもらいたいと思うのですね。そうしてみると、やはりそこにまとまつた施設のあるところの工場において、六カ月検査をやる、或いは又は一般検査をやらなくては、集中的な検査というものはなされない。それから走る機関車の、即ち保守ということは、そこでは保たれないということは考えてもらわないと……。それを考えたならば、私は大原則であるところの、この輸送、即ち直接営業関係あるところの、即ち施設関係という問題に対しては、当然工場は附帯的な施設であるということは、これははつきりしやせんかと、私たちは思うのです、これはですね。そこで、あなたのほうで先ほど部分的に言われた、改造がどうだとかと、こうおつしやるけれども、当然機関車には、これは走るうちに亀裂が起つたり、或いはそのために相当な事故が起るというような点に対しては、これは小部分改造はやることは当然であつて汽車会社のように新規に作るというようなことは、これは別問題ですけれども、保守上に関係のある、或いは検査をして安全を保つところの輸送施設に対しては、これは一般営業をやつておるところの大原則に合致した施設であるということだけは、直接の施設であるということだけは、やつぱり頭に入れてもらいたい。これを全部民間工場に委託するということは、到底今煩雑で、相当のダイヤを引受けておるところの輸送動力車を、これをやはりダイヤに沿うたところの輸送計画を立てるということは到底むずかしいことじやないか。これは戦時中には或いは委託工場にした場合があるけれども、その結果というものが、第一修繕の能力というか、日数というものは、全くその民間工場では不均衡であつて、予定の計画が立たない。動力車ダイヤは組まれない、こういう状態であつたということは、もう御承知の通りであります。と同時に、又それが先ほど加瀬君からも言われましたように、勤めておるところの従業員その他は、皆国鉄職員関係であつて、そうしてそれに対するところの利潤関係というものは、これは公共の独立採算の上からすれば、決して民間利潤のほうに行くような利潤関係は伴つておらないということから考えてみたなら、この点はやはり自治庁関係も基本的な考え方考えて、やはり折衝してもらわないと、私たち民間工場並み考え方ではいかんではなかろうか、まあこういうふうに思つておりますのですがね。この点に関しましては、どうでございますか。
  24. 奧野誠亮

    説明員奧野誠亮君) 工機部の実態についても、私は素人なんでございますけれども、修理とか、検査というふうなことを主体になつてつております施設に対して課税するべきではない、こういう考え方自治庁としても持つておるわけであります。又ここに改造という言葉を使つておりますが、一体修理から改造製造と、どういうところで区切るかということも非常にむずかしい問題だということは、よく承知しております。ただそれは一応国鉄当局でも考えてもらうし、お互に相談し合うについては、まあ抽象的に区分すればこんなところだろうというふうなところだけで、一応七号だけは書いてあるわけであります。あとの問題につきましては、全部話がついておるのでありますが、七号だけはなお明確な線を研究して行きたい。ただ、国鉄の事情もよく知らなければなりませんし、又国鉄課税の問題は、主として工機部所在市町村から起きている問題でもございますので、そういう点につきましても、折角考慮を払つて行きたい。で、両方の満足の行くような線をどこかに発見して行きたいというふうなことで、工夫いたしておるわけでございます。
  25. 小林武治

    小林武治君 もう一つお伺いしたいのですが、国鉄共済組合資産はどういうふうになつていますか。
  26. 奧野誠亮

    説明員奧野誠亮君) 国鉄共済組合は別に非課税団体にはしておりませんので、その所有資産には、従来からも課税されているのであります。
  27. 内村清次

    委員長内村清次君) では、経過を見ましてから、又改めて決定前に聞くことにいたしまして、今日はこれで終りましてよろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 内村清次

    委員長内村清次君) それでは今日の委員会はこれで散会いたします。    午前十一時五十五分散会