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平林太一君 だんだん
お話を承わ
つて参
つたのですが、まあ酒に対することは私は税に対する
一つの
対象として申上げたので、たばこに対しては私のはうから
引上げるということは申上げておりませんで、むしろたばこの価格は引下げたいくらい。そこでこのいわゆる直接の税に対してたばことか酒とか、酒のことは私どものほうの
考えとしては、その
現状の姿において年々消費というものが増大して行くのですから、今の
お話ですと、酒は安くすれば多く売れると言うが、これは私は当らないと思う。酒の若干の値下げ等によ
つてそれが多く飲まれるというようなことは、決して全体の
意味においてはそういうパーセンテージを現すほどの何じやないと思う。やはり消費されるものは数によ
つて消費されて行く。それから
国民所得が増大するということは、それだけ
生活力が旺盛になるのでありますから、それに伴うつまり当然の消費ですから、そういうことでこれは殖えて行くのですから、下げたからそれによ
つて多く消費されるということはあり得ないと思う。でありますから、そういうものはそのままでよろしいから、その酒による増収の分だけを一方に切換えて行くということを申上げておる。たばこにおいてもそうであります。
現状よりむしろ下げるなら下げてそれはよろしい。若したばこの価格を下げないならば、殖えて行く分だけをやはり
所得税のほうに切換えて行く。そうでもしないと、幾ら
国民が働いても働くだけずつ
税金がどんどん殖えて行くということになりまして、国家は
国民の働くその顔を見ながら、働いて今年は五兆八千億に
なつたというと、五兆八千億に一七%一八%かける。使い途なんというものは幾らでもあるわけだ。歳出というものに対しましては幾らでもこれはある。併しこれはやはり或るときにはそれを抑えて、そうして本当に
国民の自力というものを一年なり二年なりがつちり
蓄積養成させる、そいいう
処置をとるべきだと思う。そこで税のことを
考える。
只今の
お話によりますと、農民の全国大体六百万戸に対して七十万人内外が税の
対象にな
つていて、一戸当り九千五、六百円、約一万円、私は七十六億というのですから、その話を聞いて感慨誠に深いわけですが、七十億くらいのものは、今日の一兆に達するであろう
国家財政、特に税
収入においては専売金等を含ませますれば八千億円内外、八千数百億円になるのですから、七十億くらいのものを減らすということは決してむずかしい問題ではないと思う。いわゆる惰性、習慣によ
つてそういうものを外すことの英断の
処置ができない。そこで全国の七十万戸のこの税というものが免税に
なつたならば如何に農民の
生活というものがこれによ
つて明るい
生活に、及びそれらの農民の人々の間における平和な
一つの様相が出るか。月額一万円というものはここでは何でもないようであるが、いわゆる耕作農民からいうと容易ならざる
負担である。年末において一万円という金を持
つて越年するという人は、恐らく七十万戸のうちで幾人あるか、幾軒あるかであります。パーセンテージにしても極めて低い。又年越しするときに一万円の金を暮の三十一日から正月の元日にかけて持
つて来られるというようなことは、どんなにその年を迎える農民の家庭に明るい灯をつけるかということ。だから一万円外せばそれを持
つて越せるということになる。それから又それを
負担せんとして想像にも及ばないような農家は今日非常な苦心にぶち当る。それに向
つて地方の税務官吏等がそういう大きな何を理解していないから、あらゆる非常手段をと
つてこれに及ぶ、その税を滞納或いはその期間が延びれば。そういうことになりますときにおいて、まあそれはなかなかここで
考えられません容易なものではないのです。その点を
一つ主税局長に、これは時間もだんだんとた
つて私だけ時間を食いますので、これで打切りをいたしたいと思いますが、
一つこれは
明年度においては七十七億、全体から言えば極めて僅か、これを外す、そうして七十万戸の農家に対して安んじて農業耕作に当らせるという朗報を与えて頂きたい。これを頭に置いて現案に実行することを
要望しておきます。
それからついでながら申上げておくことですが、地方の
税務署の官吏というものは、今日誠に教養或いは素養において非常に粗策である。二十才くらいの何らの資格のない者が終戦後にどしどし一遍の試験によ
つて入
つて来た。こういう若い二十才くらいの税務官吏というものがおおむね第一線に立
つておる。実は
税務署の内部にあ
つてこれらの弱小税務官吏を使
つておる課長とか、それに附随する多年の経験者が第一線に立
つておれば、そういうことは非常に是正されるのですが、
現状はそうでない。そういう者が何か昔の代官のような態度で、そういう最低
所得者の税に対する徴税に当
つておる。
主税局長は全国的にこういう
税務署官吏の思想、態度というものに対して大きな何かこれに対する是正をすることに
一つ考えて頂かなくちやならんと思う。現在私から申しますれば、徴税というようなことは今日は時代錯誤だ。税を徴するなんということは、
曽つての憲法当時の思想がそのまま残
つておる。それから税を徴収するとか徴発とか、昔で言えば兵隊を徴発するとかそういうようなこと、徴発と来るのですから、それはいけない。
税務署はその税というものに対して民主主義国家において国家を構成する
税負担者に対して、いわゆるそういう権力威圧的でない、
一つの事務機関としてその税に対する
負担の納得を求める、こうい
つた態度で行かなくちやならん。これが税務官吏の頭に入
つておらんから、今日税
収入において見るがごとき、不必要なる
税負担者の不快の念、それからときには激憤を禁じ得ない事態さえ出てくるこういうものを是正するような
処置方法、これを
一つこの際伺
つて、これ以上まだいろいろ申上げたいが、私はこれで質問を打切りますので、前段と併せて
主税局長のこれに対するお
考えのほどを伺いたい。