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説明員(
岩動道行君) 私から
閉鎖機関令の一部を
改正する
法律案に対する
衆議院におきますところの修正案につきまして、便宜私から簡単に御
説明を申上げたいと思います。
改正の点は三カ所ございまして、第一点は、第十九条の五の第四項に関する修正でございます。これは原案におきましては、新会社を設立いたします場合、その計画案につきましては株主総会を開きまして、その発行済
株式総数の二分の一以上の多数を以て議決をすることに
なつておりますが、この点を、
出席者の三分の二以上で、且つ株主権の十分の一以上であればよろしいというふうに緩和の
規定に修正をいたされております。これは現実にいろいろな会社について調べて見ますと、発行済
株式の二分の一以上の多数を得ることが相当困難な会社も事実上は出て来るような虞れもございますので、できるだけ閉鎖機関の解決を早くする
意味におきまして、この新会社設立の手続もできるだけ緩和してできやすいようにするという趣旨で、この点の数を相当に緩くするという趣旨で
改正をいたされたわけでございます。ここで発行済
株式の総数の十分の一以上という点は、これは新会社を設立いたします場合の一番最初の手続といたしまして、十分の一以上の株主の申出によつて会社設立の最初のスタートを切るということに
なつておりますので、少くともその後におきますところの株主総会の議決も、当初の十分の一以上の数は必要とするという趣旨で、この十分の一という
規定が入つておるわけでございます。
改正の修正の第二点は、第十九条の二十六として入つてございますが、これは現在、閉鎖機関は、相当と申しますか、殆んど大
部分の閉鎖機関が第二封鎖預金を持つておるわけでございます。この調整勘定の受益権は、金融機関再建整備法におきましては、
譲渡を禁止いたされてございます。従いまして、閉鎖機関が調整勘定の受益権を持つておりましても、それが現在におきましては、地方
銀行はぼつぼつ返つて来ておりますが、都市の大
銀行におきましては、その分配が全く現在なされておりません。又今後もいつなされるかちよつと見通しがつきかねるような
状態にございますので、閉鎖機関の整備上非常に支障を来たしておるような
現状でもありますので、この際、閉鎖機関の持つておりますこの調整勘定の受益権、或いは閉鎖機関に対して債務者が持つておりますところの調整勘定の受益権を
譲渡する方法によつて、清算を早く結了させるという趣旨の
規定に
なつておるのでございます。これは命令を以て定める方法によることにいたしてございますが、その大体考慮されますところは、調整勘定は幾ら返つて来るか、中身、その
金額等が未決定でございますので、その評価が非常に困難でございます。従いまして、これを有償
譲渡するということは非常に困難でございますので、命令におきましてはこれを信託
譲渡といつたような方法をとるようにしたらどうかというふうに考えられるのでございます。
修正の第三点は、第十九条の二十七でございまして、これは
只今申しましたように、調整勘定の受益権或いは閉鎖機関の他の閉鎖機関、例えば公益営団でありますとか、或いは横浜正金
銀行でありますとか、そういつたようなまだ相当将来に亘つて清算
状態が続くようなところに対する債権等は、これはなかなか片が付かないような
状態にございますので、これも或る閉鎖機関にとつては清算の途上におきまする相当の支障になりますので、これも信託
譲渡するという方法を講ずることにいたしてございますが、その場合に債権者の同意を得てやるということは、非常にその数が多くて手続上煩雑な点もございますし、場合によつては債権者の住所が不明であるといつたような問題もございますので、
法律上閉鎖機関がそのようなものを第三者に信託
譲渡いたしました場合には、債権者の同意を得なくとも債務を免れるというふうに、注意
規定として第十九条の二十七が新たに修正として入れられたのでございます。以上簡単でございますが御
説明を終ります。